JP6756189B2 - ヒートシンク付パワーモジュール用基板、及びヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法 - Google Patents

ヒートシンク付パワーモジュール用基板、及びヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法 Download PDF

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この発明は、ヒートシンク付パワーモジュール用基板、及びヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法に関するものである。
LEDやパワーモジュール等の半導体装置においては、導電材料からなる回路層の上に半導体素子が接合された構造とされている。
風力発電、電気自動車、ハイブリッド自動車等を制御するために用いられる大電力制御用のパワー半導体素子においては、発熱量が多いことから、これを搭載する基板としては、例えばAlN(窒化アルミ)、Al(アルミナ)などからなるセラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面に導電性の優れた金属板を接合して形成した回路層と、を備えたパワーモジュール用基板が、従来から広く用いられている。なお、パワージュール用基板としては、セラミックス基板の他方の面に金属層を形成したものも提供されている。
例えば、特許文献1には、セラミックス基板の一方の面及び他方の面にアルミニウム板または銅板からなる回路層及び金属層が形成されたパワーモジュール用基板が開示されている。
そして、パワーモジュール用基板の他方の面側には、ヒートシンクが接合されており、半導体素子からパワーモジュール用基板側に伝達された熱を、ヒートシンクを介して外部へ放散する構成とされている。
特許第3171234号公報
ところで、特許文献1に示すように、パワーモジュール用基板の金属層が銅板で構成されている場合には、銅は比較的変形抵抗が高いため、ヒートサイクルが負荷された際に、セラミックス基板と銅板との間に生じる熱応力によって、セラミックス基板に割れが発生しやすくなるといった問題があった。一方、金属層が変形抵抗の小さなアルミニウム板で構成されている場合には、ヒートサイクルが負荷された際に、金属層が変形することによってセラミックス基板と金属層との間に生じる熱応力を緩和することができ、セラミックス基板の割れを抑制することができる。
しかしながら、最近では、パワーモジュールの小型化・薄肉化が進められるとともに、その使用環境も厳しくなってきており、半導体素子からの発熱量が大きくなり、ヒートサイクルの条件が厳しくなっている。
ここで、金属層を純度が99mass%程度の2Nアルミニウムで構成した場合には、変形抵抗が比較的大きくなり、厳しい条件のヒートサイクルが負荷された際に十分に変形せず、金属層の界面で応力が集中して、セラミックス基板と金属層の剥離が生じ、接合信頼性が低下するおそれがあった。一方、回路層を純度が99.99mass%以上の4Nアルミニウムで構成した場合には、変形抵抗が比較的小さくなり、ヒートサイクル負荷時に塑性変形したり、また繰り返し変形することで結晶粒径が微細化し、この結晶粒が微細化した領域にクラックが発生することによって、金属層の内部破断が生じ、熱抵抗が上昇するおそれがあった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、比較的条件の厳しいヒートサイクルを負荷させた場合であっても、セラミックス基板の割れや、セラミックス基板の一方の面に形成された金属層の剥離や金属層の内部破断を抑制することができ、ヒートサイクル信頼性に優れたヒートシンク付パワーモジュール用基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
このような課題を解決して前記目的を達成するために、本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板は、セラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面に接合された回路層と、前記セラミックス基板の他方の面に接合された金属層と、この金属層の前記セラミックス基板とは反対側の面に接合されたヒートシンクと、を備えたヒートシンク付パワーモジュール用基板であって、前記金属層が、SiCからなる多孔質体と、この多孔質体に含浸されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材とを有するAl−SiC複合材料で構成されていて、前記セラミックス基板と、前記金属層を構成するAl−SiC複合材料とがスキン層を介して又はスキン層を介さずに接合し、前記ヒートシンクが、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム部材あるいは銅又は銅合金からなる銅部材で構成されていることを特徴としている。
この構成のヒートシンク付パワーモジュール用基板によれば、セラミックス基板の他方の面に形成された金属層が、SiCからなる多孔質体とこの多孔質体に含浸されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材とを有するAl−SiC複合材料で構成されているので、セラミックス基板と金属層との熱膨張係数の差が小さく、厳しい条件のヒートサイクルを負荷した場合であっても、セラミックス基板と金属層との間に大きな熱応力が作用することがなく、セラミックス基板と金属層の剥離を抑制することができる。また、Al−SiC複合材料は、SiCからなる多孔質体を有しており容易に変形しないことから、アルミニウム材の結晶粒が微細化することはなく、金属層の内部破断を抑制することができる。さらに、金属層がAl−SiC複合材料で構成されているので、セラミックス基板と金属層との線膨張係数の差が小さく、またAl−SiC複合材料はヤング率が大きいため、ヒートシンク付パワーモジュール用基板の反りを低減することができ、さらにセラミックス基板の割れも抑制することができる。なお、ここでの反りは、室温時の反りだけでなく、例えば、約280℃のはんだ付け等の高温時の反りや、高温から室温へ冷却した場合の反りも含み、これらの反りも低減することが可能である。
さらに、ヒートシンクが、熱伝導性に優れるアルミニウム部材あるいは銅部材で構成されているので、ヒートシンク付パワーモジュール用基板の放熱特性を向上させることができる。
ここで、本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板においては、前記セラミックス基板と前記Al−SiC複合材料との間に、アルミニウムとマグネシウムとケイ素を含む接合層が形成されていてもよい。
この場合、セラミックス基板とAl−SiC複合材料との間に形成された接合層によって、セラミックス基板とAl−SiC複合材料とが強固に接合されるので、セラミックス基板とAl−SiC複合材料の剥離を確実に抑制することができ、ヒートサイクル信頼性がより優れたものとなる。
上記本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板においては、前記接合層に、マグネシウム酸化物が析出していることが好ましい。
この場合、接合前のセラミックス基板と金属層であるAl−SiC複合材料との表面に形成されていた酸化被膜の酸素が、マグネシウム酸化物を形成して析出している、即ち、セラミックス基板とAl−SiC複合材料との接合時にマグネシウムの還元力によってその表面に存在していた酸化被膜が除去されているので、セラミックス基板とAl−SiC複合材料の接合強度が高くなり、セラミックス基板と金属層の剥離をより確実に抑制することができ、ヒートサイクル信頼性がさらに優れたものとなる。なお、接合層中のマグネシウム酸化物は、通常、セラミックス基板と接合層との接合界面近傍や、接合層とAl−SiC複合材料(スキン層)との界面近傍に析出している。
また、本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板においては、前記Al−SiC複合材料の前記セラミックス基板側の表面に、アルミニウムとマグネシウムとケイ素を含む接合部が形成されていてもよい。
この場合、Al−SiC複合材料に充填されているアルミニウム材の接合部によって、セラミックス基板とAl−SiC複合材料とが強固に接合されるので、セラミックス基板とAl−SiC複合材料の剥離を確実に抑制することができ、ヒートサイクル信頼性がより優れたものとなる。
上記本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板においては、前記接合部に、マグネシウム酸化物が析出していることが好ましい。
この場合、接合前のセラミックス基板とAl−SiC複合材料との表面に形成されていた酸化被膜の酸素が、マグネシウム酸化物を形成して析出している、即ち、セラミックス基板とAl−SiC複合材料の接合時にマグネシウムの還元力によって、その表面に存在していた酸化被膜が除去されているので、セラミックス基板とAl−SiC複合材料の接合強度が高くなり、セラミックス基板と金属層の剥離をより確実に抑制することができ、ヒートサイクル信頼性がさらに優れたものとなる。なお、接合部中のマグネシウム酸化物は、通常、セラミックス基板との接合界面近傍に析出している。
またさらに、本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板においては、前記回路層が、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、及びSiCからなる多孔質体と、この多孔質体に含浸されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材とを有するAl−SiC複合材料のいずれかで構成されていることが好ましい。
この場合、回路層が、導電性に優れるアルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、及びAl−SiC複合材料のいずれかで構成されているので、回路層の導電性を確保することができる。
本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法は、セラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面に接合された回路層と、前記セラミックス基板の他方の面に接合された金属層と、この金属層の前記セラミックス基板とは反対側の面に接合されたヒートシンクと、を備えたヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法であって、前記金属層は、SiCからなる多孔質体と、この多孔質体に含浸されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材とを有するAl−SiC複合材料で構成され、前記セラミックス基板と前記Al−SiC複合材料とをアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム部材層と、このアルミニウム部材層の表裏面の少なくとも一方の面に形成されたマグネシウム層とを有する積層ろう材を介して積層して、得られた積層体を550℃以上575℃以下の温度範囲で加熱することによって、前記セラミックス基板とAl−SiC複合材料とを接合する工程を、有し、前記積層ろう材のマグネシウム層と接触する前記Al−SiC複合材料のアルミニウム材および前記積層ろう材のアルミニウム部材層のうちの少なくとも一方は、ケイ素含有量が0.1原子%以上であるAl−Si合金で構成されていることを特徴としている。
この構成のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法では、積層ろう材のマグネシウム層とAl−Si合金とが接触しているので、550℃以上575℃以下の比較的低温での加熱によって、セラミックス基板とAl−SiC複合材料とを接合することができる。
即ち、マグネシウム層のマグネシウムがAl−Si合金層表面に存在する酸化被膜を除去するとともに、Al−Si合金層へ拡散して、セラミックス基板とAl−SiC複合材料との間に、アルミニウムと、マグネシウムと、ケイ素と、拡散してきたマグネシウムとケイ素との反応によって形成されたMgSiとによって、液相が生成される。なお、この時に、液相に存在するマグネシウムによって、セラミックス基板やAl−SiC複合材料の表面の酸化被膜が除去される。そして、液相が凝固することによって、セラミックス基板とAl−SiC複合材料とが、アルミニウムとマグネシウムとケイ素を含む接合層を介して接合される。なお、マグネシウム酸化物はこれらの酸化被膜とマグネシウムの反応によって生じる。
これによって、セラミックス基板とAl−SiC複合材料は、表面の酸化被膜が消失して、接合層との密着性が向上するので、セラミックス基板と金属層とが強固に接合したヒートシンク付パワーモジュール用基板を製造することができる。また、加熱温度(接合温度)が550℃以上575℃以下と比較的低温であるので、Al−SiC複合材料のアルミニウム材が流出することによる空隙(ボイド)の発生を抑えることができ、得られたヒートシンク付パワーモジュール用基板はヒートサイクル信頼性が優れたものとなる。
また、本発明のヒートシンク付パワーモジュール用基板の別の製造方法は、セラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面に接合された回路層と、前記セラミックス基板の他方の面に接合された金属層と、この金属層の前記セラミックス基板とは反対側の面に接合されたヒートシンクと、を備えたヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法であって、前記金属層は、SiCからなる多孔質体と、この多孔質体に含浸されたケイ素含有量が0.1原子%以上であるAl−Si合金からなるアルミニウム材とを有するAl−SiC複合材料で構成され、前記セラミックス基板および前記Al−SiC複合材料のうちの少なくとも一方の表面に、厚さが0.1μm以上10μm以下のマグネシウム層を形成し、前記セラミックス基板と前記Al−SiC複合材料とを、前記マグネシウム層を介して積層し、得られた積層体を550℃以上575℃以下の温度範囲で加熱することによって、前記セラミックス基板と前記Al−SiC複合材料とを接合する工程を、有することを特徴としている。
この構成のヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法では、マグネシウム層とAl−SiC複合材料のAl−Si合金とが接触しているので、550℃以上575℃以下の比較的低温での加熱により、セラミックス基板とAl−SiC複合材料とを接合することができる。
即ち、マグネシウム層のマグネシウムがセラミックス基板とAl−SiC複合材料の表面に存在する酸化被膜を除去するとともに、Al−SiC複合材料のアルミニウム材(即ち、Al−Si合金)へ拡散して、セラミックス基板とAl−SiC複合材料との間に、アルミニウム、とマグネシウムと、ケイ素と、拡散してきたマグネシウムとケイ素との反応によって形成されたMgSiとによって、液相が生成される。そして、液相が凝固することによって、セラミックス基板とAl−SiC複合材料とが、アルミニウムとマグネシウムとケイ素を含む接合部を介して接合される。なお、マグネシウム酸化物はこれらの酸化被膜とマグネシウムの反応によって生じる。
これによって、セラミックス基板とAl−SiC複合材料は、表面の酸化被膜が消失して、接合部との密着性が向上するので、セラミックス基板と金属層とが強固に接合したヒートシンク付パワーモジュール用基板を製造することができる。また、加熱温度(接合温度)が550℃以上575℃以下と比較的低温であるので、Al−SiC複合材料のアルミニウム材が流出することによる空隙(ボイド)の発生を抑えることができ、得られたヒートシンク付パワーモジュール用基板はヒートサイクル信頼性が優れたものとなる。
本発明によれば、比較的条件の厳しいヒートサイクルを負荷させた場合であっても、セラミックス基板の割れや、セラミックス基板の一方の面に形成された金属層の剥離や金属層の内部破断を抑制することができ、ヒートサイクル信頼性に優れたヒートシンク付パワーモジュール用基板およびその製造方法を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板の断面図である。 本発明の一実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板のセラミックス基板と金属層とが接合されている部分の一例の拡大断面図である。 本発明の一実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板のセラミックス基板と金属層とが接合されている部分の別の一例の拡大断面図である。 本発明の一実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法を示すフロー図である。 本発明の一実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法を示す説明図である。 本発明の一実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法を示す説明図である。 実験例1の実験例1−1で作製したヒートシンク付パワーモジュール用基板のセラミックス基板と回路層との接合部の断面SEM像である。
以下、図面を参照して、本発明のヒートシンク付きパワーモジュール用基板とその製造方法について説明する。なお、以下に示す各実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、便宜上、要部となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。以下に、本発明の実施形態について添付した図面を参照して説明する。
図1に、本発明の実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板の概略断面図を示す。図1において、ヒートシンク付パワーモジュール用基板1は、パワーモジュール用基板10とヒートシンク20とを備える。
パワーモジュール用基板10は、セラミックス基板11と、このセラミックス基板11の一方の面(図1において上面)に接合された回路層12と、セラミックス基板11の他方の面(図1において下面)に接合された金属層13とを備えている。
セラミックス基板11は、回路層12と金属層13との間の電気的接続を防止するものであって、絶縁性および放熱性に優れたSi(窒化ケイ素)、AlN(窒化アルミニウム)、Al(アルミナ)等のセラミックスで構成されている。本実施形態では、AlNで構成されている。セラミックス基板11の厚さは、0.2〜1.5mmの範囲内に設定されており、本実施形態では、0.635mmに設定されている。
回路層12は、セラミックス基板11の一方の面にアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム部材が接合されることで形成されている。アルミニウム部材としては、純度が99mass%以上のアルミニウム(2Nアルミニウム)や純度が99.99mass%以上のアルミニウム(4Nアルミニウム)を用いることができる。本実施形態では、4Nアルミニウムの圧延板を用いている。回路層12の厚さは、0.1mm以上1.0mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では0.4mmに設定されている。回路層12とセラミックス基板11とは、例えば、Al−Si系ろう材によって接合されている。
金属層13は、SiCからなる多孔質体31とこの多孔質体に含浸されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材32とからなるAl−SiC複合材料(いわゆるAlSiC)30で構成されている。アルミニウム材32としては、純度が99mass%以上のアルミニウム(2Nアルミニウム)や純度が99.99mass%以上のアルミニウム(4Nアルミニウム)等の純アルミニウム、Al:80mass%以上99.99mass%以下、Si:0.01mass%以上13.5mass%以下、Mg:0.03%以上5.0mass%以下、残部:不純物の組成を有するアルミニウム合金を用いることができる。アルミニウム合金としてはまた、ADC12やA356等のアルミニウム合金を用いることもができる。
Al−SiC複合材料はスキン層を有していてもよい。このスキン層は、多孔質体となるSiCにアルミニウム材を溶融して含浸させてAl−SiC複合材料を製造する際に、このアルミニウム材の一部が表面に滲み出すことによって形成される層である。スキン層の厚さは、滲み出したアルミニウム材を切削加工することによって調整される。
金属層13の厚さは0.1mm〜5.0mmの範囲とすることができる。なお、金属層13の厚さはスキン層が形成されている場合はそのスキン層の厚さを含んだ厚さである。また、スキン層の片面当たりの厚さは、金属層13の厚さの0.01倍〜0.1倍とすることが好ましい。
なお、本実施形態のパワーモジュール用基板10において、金属層13の面積は、セラミックス基板11の面積と同じか、又は、小さくなるように設定されている。
ここで、セラミックス基板11と金属層13との接合部分の構造について、図2と図3とを用いて説明する。図2および図3は、セラミックス基板11と金属層13とが接合されている部分の一例の拡大断面図である。
図2において、セラミックス基板11と金属層13であるAl−SiC複合材料30とは、接合層40を介して接合されている。なお、図2の(a)は、Al−SiC複合材料30がスキン層33を有する場合であり、(b)は、Al−SiC複合材料30がスキン層33を有しない場合である。
接合層40は、アルミニウムとマグネシウムとケイ素を含む。接合層40には、マグネシウム酸化物41が析出している。マグネシウム酸化物41は、セラミックス基板11と接合層40との接合界面近傍や、接合層40とAl−SiC複合材料30(スキン層33)との界面近傍に析出している。なお、Al−SiC複合材料30(スキン層33)側に析出したマグネシウム酸化物41は、Al−SiC複合材料30(スキン層33)の一部に入り込んでいる場合もある。マグネシウム酸化物41は、通常、酸化マグネシウム(MgO)、スピネル(MgAl)およびこれらの複合物である。
また、接合層40にはMgSiが存在する場合もある。
図3は、セラミックス基板11と金属層13であるAl−SiC複合材料30とが、Al−SiC複合材料30のセラミックス基板11側の表面に形成された接合部50を介して接合されている。なお、図3の(a)は、Al−SiC複合材料30がスキン層33を有する場合であり、この場合、接合部50は、スキン層33の表面に形成されている。(b)は、Al−SiC複合材料30がスキン層33を有しない場合であり、この場合、接合部50は、Al−SiC複合材料30のアルミニウム材32中に形成されている。
接合部50は、アルミニウムとマグネシウムとケイ素を含む。接合部50には、マグネシウム酸化物51が析出している。マグネシウム酸化物51は、セラミックス基板11との界面の近傍に析出している。マグネシウム酸化物51は、通常、酸化マグネシウム(MgO)、スピネル(MgAl)およびこれらの複合物である。
また、接合部50にはMgSiが存在する場合もある。
ヒートシンク20は、パワーモジュール用基板10側の熱を放散するためのものである。本実施形態では、ヒートシンク20は、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されている。また、このヒートシンク20には、冷却用の流体が流れるための流路21が設けられている。
本実施形態においては、ヒートシンク20は、パワーモジュール用基板10の金属層13にろう材を用いて直接接合されている。
次に、上述した本実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板1の製造方法について、図4〜図6を参照して説明する。
(回路層接合工程S01)
まず、図5に示すように、セラミックス基板11の一方の面に、回路層12となるアルミニウム部材61を、ろう材62を介して積層する。次いで、積層方向に加圧しながら加熱することによって、セラミックス基板11に回路層12を接合する。
(金属層接合工程S02)
次に、図5に示すように、回路層12を接合したセラミックス基板11の他方の面に、金属層13となるAl−SiC複合材料30を、積層ろう材63を介して積層する。
積層ろう材63は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム部材層64と、このアルミニウム部材層64の表裏面の少なくとも一方の面に形成されたマグネシウム層65とを有する積層ろう材を用いる。アルミニウム部材層64の厚さは、3〜50μmの範囲にあることが好ましい。マグネシウム層65の厚さは、1.0〜5.0μm(両面に配設される場合は、合計の厚さ)とすることが好ましい。
積層ろう材63のマグネシウム層65と接触するAl−SiC複合材料30のアルミニウム材32および積層ろう材63のアルミニウム部材層64のうちの少なくとも一方は、ケイ素含有量が0.1原子%以上であるAl−Si合金で構成されている。Al−Si合金としては、Al−7.5〜12.5mass%Si合金を用いることができる。例えば、Al−SiC複合材料30のアルミニウム材32がAl−Si合金で構成されている場合は、積層ろう材63のアルミニウム部材層64は、純度が99.99mass%以上のアルミニウム(4Nアルミニウム)で構成されていてもよい。但し、この場合は、積層ろう材63のマグネシウム層65とAl−SiC複合材料30とが接触するように、積層ろう材63とAl−SiC複合材料30とを積層することが必要である。一方、積層ろう材63のアルミニウム部材層64がAl−Si合金で構成されている場合は、Al−SiC複合材料30のアルミニウム材32は、純度が99.99mass%以上のアルミニウム(4Nアルミニウム)で構成されていてもよい。なお、この場合は、積層ろう材63とAl−SiC複合材料30とを積層方法に制限はなく、積層ろう材63のアルミニウム部材層64とAl−SiC複合材料30とが接触するように、積層ろう材63とAl−SiC複合材料30とを積層してもよい。
回路層12を接合したセラミックス基板11、積層ろう材63、Al−SiC複合材料30を積層した積層体を、積層方向に加圧しながら加熱することによって、セラミックス基板11に金属層13(即ち、Al−SiC複合材料30)を接合する。本実施形態では、積層ろう材63を用いて接合する場合の接合条件として、積層方向の荷重を0.1MPa以上3.5MPa以下(1kgf/cm以上35kgf/cm以下)の範囲内、接合温度を550℃以上575℃以下の範囲内、保持時間を15分以上180分以下の範囲内とされている。なお、接合温度は、Al−SiC複合材料30のアルミニウム材32の流出を抑えるために、アルミニウム材32の融点よりも低い温度であることが好ましい。
アルミニウム部材層64がAl−Si合金である積層ろう材63を用いて接合すると、マグネシウム層65のマグネシウムがアルミニウム部材層64(Al−Si合金)に拡散して、セラミックス基板11とAl−SiC複合材料30との間に、アルミニウムと、マグネシウムと、ケイ素と、拡散してきたマグネシウムとケイ素との反応によって形成されたMgSiとにより、液相が生成される。なお、この時に、液相に存在するマグネシウムによって、セラミックス基板11やAl−SiC複合材料30の表面の酸化被膜が除去される。そして、液相が凝固することによって、図2に示すようにセラミックス基板11とAl−SiC複合材料30(金属層13)とが、アルミニウムとマグネシウムとケイ素を含む接合層40を介して接合される。なお、マグネシウム酸化物41はこれらの酸化被膜とマグ接ネシウムの反応によって生じる。また、接合温度が高い場合や保持時間が長い場合では、接合層40にMgSiがほとんど観察されない場合もある。
また、積層ろう材63のマグネシウム層65と、アルミニウム材32がAl−Si合金で構成されているAl−SiC複合材料30とが接触している場合は、マグネシウム層65のマグネシウムが、Al−SiC複合材料30の表面に存在する酸化被膜を除去するとともに、Al−SiC複合材料30のアルミニウム材32(即ち、Al−Si合金)へ拡散して、MgSiが生成する。そして、セラミックス基板11とAl−SiC複合材料30との間に、アルミニウムと、マグネシウムと、ケイ素と、拡散してきたマグネシウムとケイ素との反応によって形成されたMgSiにより液相が生成される。
Al−SiC複合材料30のアルミニウム材32がAl−Si合金で構成されている場合は、積層ろう材を用いる代わりに、図6に示すように、Al−SiC複合材料30の表面にマグネシウム層67を形成し、セラミックス基板11とAl−SiC複合材料30とを、マグネシウム層67を介して積層し、得られた積層体を550℃以上575℃以下の温度範囲で加熱することによって、セラミックス基板11とAl−SiC複合材料30とを接合してもよい。なお、マグネシウム層67は、セラミックス基板11およびAl−SiC複合材料30のうちの少なくとも一方の表面に形成されていればよい。
本実施形態では、マグネシウム層67の厚さは、0.1μm以上10μm以下の範囲とされている。マグネシウム層67の厚さが薄くなりすぎると、加熱によって生成するMgSiの量が少なくなり、セラミックス基板11とAl−SiC複合材料30との接合強度が低下するおそれがある。一方、マグネシウム層67の厚さが厚くなりすぎると、加熱によって、液相が過剰に生成して、セラミックス基板11とAl−SiC複合材料30との接合性が低下するおそれがある。
マグネシウム層67の形成方法としては、マグネシウムターゲットを用いたスパッタ法、マグネシウム粉末のペーストを塗布して乾燥する方法や蒸着法を用いることができる。
本実施形態では、マグネシウム層67を用いて接合する場合の接合条件は、積層方向の荷重を0.1MPa以上3.5MPa以下(1kgf/cm以上35kgf/cm以下)の範囲内、接合温度を550℃以上575℃以下の範囲内、保持時間を15分以上210分以下の範囲内とされている。以下の範囲とされている。なお、接合温度は、Al−SiC複合材料30のアルミニウム材32の流出を抑えるために、アルミニウム材32の融点よりも低い温度であることが好ましい。
マグネシウム層67を用いて接合すると、マグネシウム層67のマグネシウムがセラミックス基板11とAl−SiC複合材料30の表面に存在する酸化被膜を除去するとともに、Al−SiC複合材料30のアルミニウム材32(即ち、Al−Si合金)へ拡散して、セラミックス基板11とAl−SiC複合材料30との間に、アルミニウムと、マグネシウムと、ケイ素と、拡散してきたマグネシウムとケイ素との反応によって形成されたMgSiとによって、液相が生成される。そして、液相が凝固することによって、図3に示すように、セラミックス基板11とAl−SiC複合材料30とが、アルミニウムとマグネシウムとケイ素を含む接合部50を介して接合される。なお、マグネシウム酸化物41はこれらの酸化被膜とマグネシウムの反応によって生じる。また、接合温度が高い場合や保持時間が長い場合では、接合部50にMgSiがほとんど観察されない場合もある。
以上のような工程により、本実施形態におけるパワーモジュール用基板10が製造される。
(ヒートシンク接合工程S03)
次に、パワーモジュール用基板10の金属層13と、ヒートシンク20とろう材66を介して積層する。次いで積層方向に加圧しながら加熱することによって、パワーモジュール用基板10とヒートシンク20とを接合する。
以上のようにして、図1に示すヒートシンク付パワーモジュール用基板1が製造される。
以上のような構成とされた本実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板1によれば、セラミックス基板11の他方の面に形成された金属層13が、Al−SiC複合材料30で構成されているので、セラミックス基板11と金属層13との熱膨張係数の差が小さく、厳しい条件のヒートサイクルを負荷した場合であっても、セラミックス基板と金属層との間に大きな熱応力が作用することがなく、セラミックス基板と金属層の剥離を抑制することができる。また、Al−SiC複合材料30は、SiCからなる多孔質体31を有しており容易に変形しないことから、アルミニウム材32の結晶粒が微細化することはなく、金属層13の内部破断を抑制することができる。
さらに、金属層がAl−SiC複合材料で構成されているので、セラミックス基板と金属層との線膨張係数の差が小さく、またAl−SiC複合材料はヤング率が大きいため、ヒートシンク付パワーモジュール用基板の反りを低減することができ、さらにセラミックス基板の割れも抑制することができる。なお、ここでの反りは、室温時の反りだけでなく、例えば、約280℃のはんだ付け等の高温時の反りや、高温から室温へ冷却した場合の反りも含み、これらの反りも低減することが可能である。
また、本実施形態であるヒートシンク付パワーモジュール用基板1の製造方法によれば、セラミックス基板11とAl−SiC複合材料30との表面に形成されている酸化被膜を消失させることができるので、セラミックス基板11とAl−SiC複合材料30とが強固に接合したヒートシンク付パワーモジュール用基板を製造することができる。また、加熱温度(接合温度)が550℃以上575℃以下と比較的低温であるので、Al−SiC複合材料のアルミニウム材が流出することによる空隙(ボイド)の発生を抑えることができ、得られたヒートシンク付パワーモジュール用基板はヒートサイクル信頼性が優れたものとなる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、回路層がアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム部材で構成されている構造を例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、銅、銅合金、及びSiCからなる多孔質体と、この多孔質体に含浸されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材とを有するAl−SiC複合材料のいずれかで構成してもよい。
なお、Al−SiC複合材料で構成した場合、セラミックス基板の一方の面及び他方の面にそれぞれ前記Al−SiC複合材料からなる回路層及び金属層が形成されているので、セラミックス基板の反りの発生をさらに抑制することができる。また、回路層とセラミックス基板との間においても、熱膨張係数の差が小さく、ヒートサイクルを負荷した際のセラミックス基板と回路層の剥離や回路層の内部破断を抑制することができる。
また、本実施形態の製造方法において、回路層がアルミニウム、アルミニウム合金、Al−SiC複合材料で構成され、かつ、ろう材62として積層ろう材63を用いるか又はマグネシウム層67を介して接合する場合、回路層とセラミックス基板の接合(回路層接合工程S01)と金属層とセラミックス基板の接合(金属層接合工程S02)を同時に行うことも可能である。
さらに、本実施形態では、ヒートシンクがアルミニウムまたはアルミニウム合金からなるアルミニウム部材で構成されている構造を例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、銅または銅合金からなる銅部材で構成してもよい。
本発明の有効性を確認するために行った確認実験について説明する。
[実験例1]
(実験例1−1〜1−17及び1−22〜1−23)
表1に示すように、回路層形成用金属板と、セラミックス基板(40mm×40mm、AlN及びAlの場合:厚さ0.635mm、SiNの場合:0.32mm)と、Al−SiC複合材料(AlSiC)の板材(37mm×37mm×厚さ0.4mm(スキン層が有る場合:スキン層は両面、片面の厚さは0.1mm))と、ヒートシンクと、ろう材とを準備した。
なお、Al−SiC複合材料のアルミニウム材の融点は、ADC12が570℃、4Nアルミニウムが660℃、3Nアルミニウムが655℃、2Nアルミニウムが650℃である。
回路層形成用金属板とセラミックス基板とを下記のようにして接合して、回路層が形成されたセラミックス基板を得た。
回路層形成用金属板が4N−Alの場合、セラミックス基板の一方の面に、回路層形成用金属板(37mm×37mm×厚さ0.4mm)を、ろう材(Al−7.5mass%Si、厚さ:12μm)を介して積層した。次いで、積層方向に加圧しながら加熱することによって、セラミックス基板に回路層形成用金属板を接合し、回路層が形成されたセラミックス基板を得た。なお、積層方向の荷重は0.6MPa、接合温度は645℃、保持時間は45分とした。
回路層形成用金属板がOFCの場合、セラミックス基板の一方の面に無酸素銅からなる銅板(37mm×37mm×厚さ0.6mm)を、ろう材(Ag−9.8mass%Ti)を介して積層し、荷重0.6MPa、接合温度830℃、保持時間30分の条件で接合し、回路層が形成されたセラミックス基板を得た。
回路層形成用金属板がAl−SiC複合材料の場合、セラミックス基板の一方の面に、Al−SiC複合材料(AlSiC)の板材(37mm×37mm×厚さ0.4mm(両面にスキン層あり、片面0.1mm))を積層ろう材(Al−Si/Mg、Al−10.5mass%Si合金層(厚さ10μm)/マグネシウム層(厚さ2μm))を介して積層(マグネシウム層がセラミックス基板側を向くように積層)し、荷重0.6MPa、接合温度550℃、保持時間40分の条件で接合し、回路層が形成されたセラミックス基板を得た。
次に、回路層が形成されたセラミックス基板の他方の面に、Al−SiC複合材料を、表1に示すろう材を、ろう材のマグネシウム層が表1に示す向きとなるように積層した。次いで、積層方向に加圧しながら加熱することによって、セラミックス基板にAl−SiC複合材料(金属層)を接合して、パワーモジュール用基板を作製した。なお、積層方向の荷重は1.5MPa、接合温度は560℃、保持時間は60分とした。
次に、ヒートシンク材質がA6063である実験例1−1〜1−14及び1−16〜1−17ではパワーモジュール用基板の金属層(Al−SiC複合材料)とヒートシンク(A6063、50mm×60mm、厚さ5.0mm)とを、表1に示すろう材(Al−10.1原子%Si合金層(厚さ10μm)とマグネシウム層(厚さ2μm)とを積層)を、ろう材のマグネシウム層が表1に示す向きとなるように積層した。次いで、積層方向に加圧しながら加熱することによって、パワーモジュール用基板とヒートシンクとを接合して、評価用試料(ヒートシンク付パワーモジュール用基板)を作製した。
なお、積層方向の荷重は1.5MPa、接合温度は560℃、保持時間は60分とした。
ヒートシンクがCuである実験例1−15では、パワーモジュール用基板の金属層(Al−SiC複合材料)とヒートシンク(Cu)とを積層し、真空炉(10−3Pa)内に装入し、積層方向に荷重1.2MPaで加圧し、510℃で150分保持して、パワーモジュール用基板とヒートシンクとを固相拡散接合して、評価用試料を作製した。
(実験例1−18〜1−21)
表1に記載のセラミックス基板の一方の面に、表1に記載の回路層形成用金属板(37mm×37mm×厚さ0.4mm)を、その他方の面に金属層となるAl板(37mm×37mm×厚さ0.4mm)を、それぞれAl−Siろう材(Al−7.5mass%Si、厚さ12μm)を介して積層し、荷重0.6MPa、接合温度645℃、保持時間45分の条件で接合して、セラミックス基板の一方の面及び他方の面に回路層及び金属層を形成した。
金属層のセラミックス基板とは反対側の面に、ヒートシンクがA6063(50mm×60mm、厚さ5.0mm)の場合はAl−Siろう材(Al−10.5mass%Si、厚さ50μm)を介して積層し、荷重0.6MPa、接合温度645℃、保持時間45分の条件でヒートシンクを接合して、評価用試料を作製した。
ヒートシンクがCuの場合、無酸素銅からなるヒートシンク(50mm×60mm、厚さ3.0mm)を直接積層し、荷重0.6MPa、接合温度530℃、保持時間45分の条件でヒートシンクを固相拡散接合した。
得られた評価用試料(ヒートシンク付パワーモジュール用基板)を用いて、セラミックス基板と金属層との接合界面の非破壊率、セラミックス基板の割れの有無を、下記の方法により評価した。
(セラミックス基板と金属層との接合界面の非破壊率)
超音波探傷装置(インサイト社製INSIGHT−300)を用いて、セラミックス基板と金属層との接合界面の非破壊率を評価した。セラミックス基板と金属層との接合界面から金属層側に50μmの範囲内において、超音波探傷像を取得し、二値化処理を行うと、破壊部分は白色部で示されるので、この白色部の面積を破壊面積とした。なお、破壊部分には、セラミックス基板と金属層の剥離部分及び金属層の内部破断部分が含まれている。そして、下記の式より、非破壊率を求めた。なお、初期面積は金属層の面積(37mm×37mm)とした。その評価結果を、表2の「冷熱サイクル前」の欄に示す。
(非破壊率)={(初期面積)−(破壊面積)}/(初期面積)×100
(冷熱サイクル試験後の非破壊率)
冷熱衝撃試験機エスペック社製TSB−51を使用し、上述の評価用試料に対して、液相(フロリナート)で、−40℃×10分←→175℃×10分の2000サイクルの冷熱サイクル試験を実施した。冷熱サイクル試験後のセラミックス基板と金属層との接合界面の非破壊率を上述した方法で評価した。その評価結果を、表2の「冷熱サイクル後」の欄に示す。
(冷熱サイクル後のセラミックス基板の割れ)
上述の冷熱サイクル試験を実施した後の評価用試料を目視にて観察し、セラミックス基板に割れが生じていたものを「×」、生じていなかったもの場合は○と評価した。その評価結果を、表2に示す。
4N−アルミニウム板を接合して金属層とした実験例1−18と1−20では、冷熱サイクル後のセラミックス基板と金属層との接合界面の非破壊率が低下した。これは金属層の内部破断によるものであると考えられる。
2N−アルミニウム板を接合して金属層とした実験例1−19と1−21では、冷熱サイクル後のセラミックス基板と金属層との接合界面の非破壊率が低下した。これはセラミックス基板と金属層の界面の剥離によるものであると考えられる。
また、実験例1−18〜1−21では、4N−アルミニウム板や2N−アルミニウム板が接合されていることから、反りが大きくなり冷熱サイクル後にセラミックス基板に割れが生じた。
一方、金属層がAl−SiC複合材料で構成されている実験例1−1〜1−17および実験例1−22、1−23では、冷熱サイクル後の反りが小さく、セラミックス基板に割れが生じなかった。
但し、実験例1−22、1−23はセラミックス基板と金属層との接合界面の非破壊率が低下した。これは、セラミックス層と金属層(Al−SiC複合材料)の間の接合層がケイ素を実質的に含まないためであると考えられる。
これに対して、実験例1−1〜1−17では、冷熱サイクル後のセラミックス基板と金属層との接合界面の非破壊率の低下が抑制された。これは、セラミックス層と金属層(Al−SiC複合材料)との間にアルミニウムとマグネシウムとケイ素を含む接合層が形成されているためであると考えられる。
図7は実験例1−1の断面SEM像である。図7(a)及び図7(a)の一部を拡大した図7(b)では、セラミックス基板とAl−SiC複合材料のスキン層との間に接合層が観察された。EPMAによる元素分析により、接合層は、アルミニウムとマグネシウムとケイ素を含むことが確認された。また、セラミックス基板と接合層の接合界面近傍及びスキン層と接合層の接合界面近傍にはマグネシウム酸化物が析出していることが確認された。また、接合層内にMgSiが存在していることも確認された。
[実験例2]
(実験例2−1〜2−14)
表3に示すように、回路層形成用金属板(実験例1と同様)と、セラミックス基板(実験例1と同様)と、Al−SiC複合材料(AlSiC)の板材(実験例1と同様)と、ヒートシンクと、ろう材とを準備した。
セラミックス基板の一方の面に、回路層形成用金属板を、上記実験例1と同様にして接合した。
次に、表3に示すように、回路層が形成されたセラミックス基板とAl−SiC複合材料(金属層)の一方に、マグネシウム層を表3に記載した厚さで形成した。マグネシウム層は、蒸着法によって形成した。
次いで、セラミックス基板とAl−SiC複合材料とを積層した。そして、積層方向に加圧しながら加熱することによって、セラミックス基板にAl−SiC複合材料(金属層)を接合して、パワーモジュール用基板を作製した。積層方向の荷重は15kgf/cm、接合温度は560℃、保持時間は60分とした。
次に、実験例1と同様にしてパワーモジュール用基板の金属層(Al−SiC複合材料)とヒートシンクとを上記実験例1と同様にして接合して、評価用試料を作製した。
作製した評価用試料(ヒートシンク付パワーモジュール用基板)を用いて、実験例1と同様に、セラミックス基板と金属層との接合界面の非破壊率、セラミックス基板の割れについて評価した。その結果を表4に示す。
セラミックス基板とAl−SiC複合材料とをマグネシウム層を介して接合した実験例2−1〜2−14においても、冷熱サイクル後の反りが小さく、セラミックス基板に割れが生じなかった。
但し、実験例2−12、2−14はセラミックス基板と金属層との接合界面の非破壊率が低下した。実験例2−12は、Al−SiC複合材料のセラミックス基板側の表面に形成されている接合部がケイ素を実質的に含まないためであると考えられる。実験例2−14は、Al−SiC複合材料のセラミックス基板側の表面に形成されている接合部がマグネシウムを実質的に含まないためであると考えられる。
これに対して、実験例2−1〜2−11および2−13では、冷熱サイクル後のセラミックス基板と金属層との接合界面の非破壊率の低下が抑制された。これは、Al−SiC複合材料のセラミックス基板側の表面にアルミニウムとマグネシウムとケイ素を含む接合層が形成されているためであると考えられる。
1 ヒートシンク付パワーモジュール用基板
10 パワーモジュール用基板
11 セラミックス基板
12 回路層
13 金属層
20 ヒートシンク
21 流路
30 Al−SiC複合材料
31 多孔質体
32 アルミニウム材
33 スキン層
40 接合層
41 マグネシウム酸化物
50 接合部
51 マグネシウム酸化物
61 アルミニウム部材
62 ろう材
63 積層ろう材
64 アルミニウム部材層
65 マグネシウム層
66 ろう材
67 マグネシウム層

Claims (8)

  1. セラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面に接合された回路層と、前記セラミックス基板の他方の面に接合された金属層と、この金属層の前記セラミックス基板とは反対側の面に接合されたヒートシンクと、を備えたヒートシンク付パワーモジュール用基板であって、
    前記金属層が、SiCからなる多孔質体と、この多孔質体に含浸されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材とを有するAl−SiC複合材料で構成されていて、
    前記セラミックス基板と、前記金属層を構成するAl−SiC複合材料とがスキン層を介して又はスキン層を介さずに接合し、
    前記ヒートシンクが、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム部材あるいは銅又は銅合金からなる銅部材で構成されていることを特徴とするヒートシンク付パワーモジュール用基板。
  2. 前記セラミックス基板と前記Al−SiC複合材料との間に、アルミニウムとマグネシウムとケイ素を含む接合層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のヒートシンク付パワーモジュール用基板。
  3. 前記接合層に、マグネシウム酸化物が析出していることを特徴とする請求項2に記載のヒートシンク付パワーモジュール用基板。
  4. 前記Al−SiC複合材料の前記セラミックス基板側の表面に、アルミニウムとマグネシウムとケイ素を含む接合部が形成されている請求項1に記載のヒートシンク付パワーモジュール用基板。
  5. 前記接合部に、マグネシウム酸化物が析出していることを特徴とする請求項4に記載のヒートシンク付パワーモジュール用基板。
  6. 前記回路層が、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、及びSiCからなる多孔質体と、この多孔質体に含浸されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材とを有するAl−SiC複合材料のいずれかで構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のヒートシンク付パワーモジュール用基板。
  7. セラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面に接合された回路層と、前記セラミックス基板の他方の面に接合された金属層と、この金属層の前記セラミックス基板とは反対側の面に接合されたヒートシンクと、を備えたヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法であって、
    前記金属層は、SiCからなる多孔質体と、この多孔質体に含浸されたアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム材とを有するAl−SiC複合材料で構成され、
    前記セラミックス基板と前記Al−SiC複合材料とをアルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム部材層と、このアルミニウム部材層の表裏面の少なくとも一方の面に形成されたマグネシウム層とを有する積層ろう材を介して積層して、得られた積層体を550℃以上575℃以下の温度範囲で加熱することによって、前記セラミックス基板とAl−SiC複合材料とを接合する工程を、有し、
    前記積層ろう材のマグネシウム層と接触する前記Al−SiC複合材料のアルミニウム材および前記積層ろう材のアルミニウム部材層のうちの少なくとも一方は、ケイ素含有量が0.1原子%以上であるAl−Si合金で構成されていることを特徴とするヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法。
  8. セラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面に接合された回路層と、前記セラミックス基板の他方の面に接合された金属層と、この金属層の前記セラミックス基板とは反対側の面に接合されたヒートシンクと、を備えたヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法であって、
    前記金属層は、SiCからなる多孔質体と、この多孔質体に含浸されたケイ素含有量が0.1原子%以上であるAl−Si合金からなるアルミニウム材とを有するAl−SiC複合材料で構成され、
    前記セラミックス基板および前記Al−SiC複合材料のうちの少なくとも一方の表面に、厚さが0.1μm以上10μm以下のマグネシウム層を形成し、前記セラミックス基板と前記Al−SiC複合材料とを、前記マグネシウム層を介して積層し、得られた積層体を550℃以上575℃以下の温度範囲で加熱することによって、前記セラミックス基板と前記Al−SiC複合材料とを接合する工程を、有することを特徴とするヒートシンク付パワーモジュール用基板の製造方法。
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