JP2007309241A - 小型滑走艇用内燃機関 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ジェット推進ポンプ10から導入された冷却水が排気マニホールド44を経由して内燃機関本体20Aに向う第1冷却水経路Bと、ジェット推進ポンプ10から導入された冷却水がオイルクーラ100を経由して排気管47aに向う第2冷却水経路Cと、第2冷却水経路Cのオイルクーラ100から流出する冷却水の一部を分岐して第1冷却水経路Bの内燃機関本体20Aへ流入する冷却水に合流させるバイパス冷却水経路Dとを備える小型滑走艇用内燃機関。
【選択図】図20
Description
そこで、小型滑走艇に搭載される内燃機関では、冷却水が内燃機関本体に供給される前に、排気系を経由するようにしている(例えば、特許文献1参照)。
本実施の形態に係る小型滑走艇用内燃機関20を搭載した小型滑走艇1の側面図を図1に、同平面図を図2に、その断面図を図3に図示する。
ジェット推進ポンプ10は、軸流式ポンプで、船底に開口した取水口12から船体後端に開口した噴流口に設けられたノズル13に至る流路にインペラ11が介装された構造(図20参照)をしており、インペラ11のシャフト15が内燃機関20のクランクシャフト21に継手56を介して連結されている。
内燃機関20は、船体2内の略中央でシート5の下方に配置され、船体2の前部は収納室8を有し、収納室8と内燃機関20との間には燃料タンク9が設けられている。
内燃機関本体20Aは、図8を参照して上下割りされたシリンダブロック22とクランクケース23が割り面24にクランクシャフト21を回転自在に軸支するように接合され、シリンダブロック22の上にシリンダヘッド25を重ね合わせ、さらにその上にシリンダヘッドカバー26を被せて構成されている。
また、クランクケース23の下にはオイルパン27が取り付けられている。
シリンダブロック22の右側面の下端前後にマウントブラケット22a,22aが斜め上方に
向けて突設されており(図8,図11参照)、一方クランクケース23に左側面から前後一対のマウントブラケット23a,23aが割り面24に平行に突設されている(図8,図13参照)。
シリンダ22bに重ねられたシリンダヘッド25は、ピストン30の頂面に対向して燃焼室32が形成され、同燃焼室32に開口を有して吸気ポート33Iと排気ポート33Eが左右に延出形成されている。
なお、ターボチャージャ43は、過給機としてスーパーチャージャであってもよい。
図6に示すようにインタークーラ42は、シリンダヘッド25とシリンダヘッドカバー26の合せ面の高さ位置にあり、ターボチャージャ43は、シリンダヘッド25とクランクケース23との合せ面の高さ位置にあって、インタークーラ42の直下に近接して配設されている。
図5に図示するように、吸気マニホールド40は、左舷側外側縁が後端側ほど内燃機関本体20Aの中心に近づくように湾曲しており、インタークーラ42からスロットルボディ41を経て吸気マニホールド40に至る吸気経路が、内燃機関本体20Aの後面から左側面に沿って滑らかに湾曲している。
したがって、特別接続用の配管等を必要としない。
すなわち、バランサシャフト36L,36Rは、クランクシャフト21の左右に平行に並んで最前側のリブ22rの軸受と中央のリブ22rcの軸受にメタルベアリングを介して回転自在に前後を軸支され、シリンダブロック22の前側に偏って配設されている。
シリンダブロック22は、バランサシャフト36L,36Rが配設される前側の左右幅が大きく、バランサシャフト36L,36Rがない後側は狭くなっている。
一方、バランサシャフト36L,36Rも最前側の外壁をなすリブ22r,23rの内面に沿ってドリブンギア36Lg,36Rgが形成されている。
他方、図8に示すように、右側バランサシャフト36Rのドリブンギア36Rgの斜め左寄り上方には、中間軸37がシリンダブロック22のリブ22rに支持され、同中間軸37に回転自在に軸支された中間ギア37gが右側バランサシャフト36Rのドリブンギア36Rgと噛合うと同時にクランクシャフト21のクランクウエブ21w外周のドライブギア21gとも噛合っている。
右舷側のカムチェーンガイド66は、上端をシリンダヘッド25に突設された支軸67に揺動自在に軸支され、下部をシリンダブロック22に取り付けられたカムチェーンテンショナ68によって付勢されてカムチェーン60を押さえつけ適当なテンションを与えているようにしている(図12参照)。
なお、カムチェーンガイド66の取り外しに際しても、カムチェーンガイド66につまみ部66aを有することで、取り外し作業も容易である。
枠壁70の下端面は、オイルパン27との合せ面23bと同一高さにある。
枠壁72の前側壁に円開口を有して前方へ真っ直ぐオイル回収通路73が延設され、オイル回収通路73はオイルパン27の前壁に開口して(図8参照)、後記するオイルポンプ90に連通する。
なお、左側壁の連通口は左右方向に対して垂直であるが、右側壁の連通口は右側壁の後部が中央寄りに屈曲し後方に行くに従い中央に近づくように傾斜している。
この溝条72L,72Rにそれぞれ横長矩形のオイルストレーナ74L,74Rが略鉛直姿勢で嵌合されるので、オイルストレーナ74L,74Rも略V字状に配置される。
枠壁72の左側壁の連通口に対応する長方形のオイルスクリーン74Laの周縁部のフレームにゴム部材74Lbが周設されている。
他方のオイルストレーナ74Rも枠壁72の右側壁の連通口に対応する長方形のオイルスクリーン74Raの周縁部のフレームにゴム部材74Rbが周設された同じ構造のものであるが(図9参照)、後部が中央寄りに傾斜している分長尺であり、オイルスクリーン74Raの面積はより大きい。
したがって、オイルパン27内に溜まったオイルは、オイルストレーナ74L,74Rのオイルスクリーン74La,74Raを通ってキャビティ79に流入し、オイル回収通路73に入る。
また、シリンダヘッド25の各部を潤滑し、カムチェーン室57を通って落ちてくるオイルの流れを阻害せずに、オイルパン27に戻すことができる。
また、オイルストレーナ74L,74Rもクランクケース23とオイルパン27に挟持される構造なので、組付け性に優れている。
なお、オイルタンク80は、このタンク本体81とタンク本体81の前面に被せられるタンクカバー88とから構成されている。
オイル収容部83の上部空間にはブリーザ室84が設けられている。
カップリング62aは、次記するオイルポンプ90のポンプ軸95の後端のカップリング62bと連結される。
オイルポンプ90は、前記タンク本体81に前方から接合される第1ケース92と、さらに前方から接合されてボルト94により第1ケース92とともにタンク本体81に取り付けられる第2ケース93とを有し、これら前後の第1,第2ケース92,93をクランクシャフト21と同軸に貫通したポンプ軸95が、ACGカバー部82を貫通し、その後端に前記カップリング62bが後方よりボルト95aにより固着されている。
したがって、クランクシャフト21の回転が、カップリング62a,62bを介してポンプ軸95の回転に伝達されてスキャベンジングポンプ90Sとフィードポンプ90Fが駆動される。
したがって、スキャベンジングポンプ90Sの駆動により吐出された回収オイルは、回収オイル吐出路87を通って、オイルタンク80のオイル収容部83に回収される。
供給オイル吸入路96の下端は、オイル収容部83の底面に近い高さに開口しており、上端はフィードポンプ90Fの吸込口に連通しており、途中にスクリーンオイルフィルタ97が介装されている。
横孔98aは、同じタンク本体81に形成された縦孔98bに連通して上方に向かっており、この縦孔98bの上端は、後記するオイルフィルタ110の取付面に環状になって開口しており、オイルフィルタ110のオイル入口111に連通している(図10参照)。
オイルクーラ100は、オイルが通る複数枚の熱交換用プレート100aと、このプレート100a内に上部で連通する上流側パイプ100bと、プレート100a内に下部で連通する下流側パイプ100cとからなり、タンク本体81側に形成された上穴と下穴に、それぞれ上流側パイプ100bと下流側パイプ100cが連結されてオイルクーラ100はタンク本体81に取り付けられる。
オイルサーモスタット105のもう1つ別の出口は、オイルクーラ100を迂回してオイル縦通路107に連結するバイパス油路106に連通している。
オイルフィルタ110は、前記したようにフィードポンプ90Fにより圧送されたオイルがオイル入口111から流入されて、ろ過されたオイルがオイル出口112に流出する。
フィルタ119は、大径円孔部と同じ外径を有し、中空の円孔119aがオイル縦通路22Raと略同じ内径を有し、図18に図示するように、オイル縦通路22Raの大径円孔部に嵌合したとき下側となる面にV字溝119bが十字に穿設されている。
オイルパン27に溜まった潤滑油は、スキャベンジングポンプ90Sの駆動により吸引され、オイルストレーナ74L,74Rを経てろ過されてオイル回収通路73,86を通ってスキャベンジングポンプ90Sに吸入され、スキャベンジングポンプ90Sから吐出された潤滑油は、オイルタンク80内に回収される。
なお、バイパス油路106には低圧用オイルスイッチ115が取付けられ、オイル縦通路107には高圧用オイルスイッチ116が取付けられている。
左右のバランサ用供給路109l,109rに分岐した潤滑油は、それぞれ左右のバランサ用オイル通路23L,23Rを通って、左右バランサシャフト36L,36Rの軸受に供給される。
なお、前記したように右バランサシャフト36Rに供給された潤滑油がさらに中間軸37にも供給される。
なお、クランクシャフト21の各軸受部に供給された潤滑油は、クランクシャフト21内に形成された油路を通ってコネクティングロッド31の大端部との連結部に供給される。
クランクシャフト21,左右バランサシャフト36L,36Rおよび左右カムシャフト35I,35E等を潤滑した潤滑油は、最終的にオイルパン27に戻る。
ジェット推進ポンプ10のインペラ11の下流正圧側の冷却水取込み口131から冷却水導入ホースAを介して冷却水が導入され、冷却水導入ホースAはワンウエイバルブ132の下流で冷却水ホースB1と冷却水ホースC1に分岐して第1冷却水経路Bと第2冷却水経路Cに分かれている。
シリンダブロック22のウォータジャケットは、シリンダヘッド23のウォータジャケットに連通している。
したがって、オイルクーラ100を通った冷却水の一部が、分岐接続管Dのバイパス流路を経て排気マニホールド44のウォータジャケットから流出した冷却水に混入されてシリンダブロック22のウォータジャケットに流入する。
ジェット推進ポンプ10の冷却水取込み口131から導入した冷却水を、内燃機関20のシリンダブロック22およびシリンダヘッド23のウォータジャケットに直接流すと、内燃機関20が暖機される前に過冷却状態となることがあり、燃料がピストンとシリンダの隙間を通って潤滑油に溶け込んで潤滑油が希釈化される所謂ダイリューションが起こる。
A…冷却水導入ホース、
B…第1冷却水経路、B1,B2,B3,B4…冷却水ホース、
C…第2冷却水経路、C1,C2,C3,C4,C5…冷却水ホース。
Claims (2)
- 内燃機関により駆動されるジェット推進ポンプから供給される冷却水を内燃機関に導いて冷却を行う小型滑走艇用内燃機関において、
ジェット推進ポンプから導入された冷却水が排気マニホールドを経由して内燃機関本体に向う第1冷却水経路と、
ジェット推進ポンプから導入された冷却水がオイルクーラを経由して排気管に向う第2冷却水経路と、
前記第2冷却水経路の前記オイルクーラから流出する冷却水の一部を分岐して前記第1冷却水経路の内燃機関本体へ流入する冷却水に合流させるバイパス冷却水経路とを備えることを特徴とする小型滑走艇用内燃機関。 - 内燃機関により駆動されるジェット推進ポンプから供給される冷却水を内燃機関に導いて冷却を行う過給機付きの小型滑走艇用内燃機関において、
ジェット推進ポンプから導入された冷却水が過給機により加圧された吸気を冷却するインタークーラを冷却した後に排気マニホールドを経由して内燃機関本体に向う第1冷却水経路と、
ジェット推進ポンプから導入された冷却水がオイルクーラを冷却した後に前記過給機を経由して排気管に向う第2冷却水経路と、
前記第2冷却水経路の前記オイルクーラから流出する冷却水の一部を分岐して前記第1冷却水経路の内燃機関本体へ流入する冷却水に合流させるバイパス冷却水経路とを備えることを特徴とする小型滑走艇用内燃機関。
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