JP2007304491A - ペリクルおよびペリクル剥離装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のペリクルは、少なくともひとつの辺長が300mm以上のペリクルであって、フォトマスク2へ貼り付けられた状態において、ペリクルフレーム1外側の全周の80%以上の領域に、フォトマスク1とペリクルフレーム2の間で幅2mm以上、高さ0.5mm以上の間隙を有することを特徴とする。本発明のペリクル剥離装置は、下部に平板状部を有する剥離具7と、この剥離具7をフォトマスク2との平行を保ったまま上方に引き上げる昇降手段12とからなり、ペリクルフレーム1とフォトマスク2との間隙に剥離具7の平板状部を差込むことによって、フォトマスク2とペリクルとを引き離すことを特徴とする。
【選択図】図2
Description
そこで、フォトマスク表面にゴミよけとして、ペリクルを貼付する方法が取られている。
この場合、異物はフォトマスクの表面上には直接付着せず、ペリクル上に付着するため、リソグラフィー時に焦点をフォトマスクのパターン上に合わせておけば、ペリクル上の異物は転写に無関係となる。
一方、ペリクルフレーム外側面に設けられた丸孔にピン状の治具を差し込む方法ではそのような危険は小さいものの、通常小型のペリクルに対して用いられるものであって、大型のペリクルには向いていない。
上記した従来からのペリクル剥離方法では、剥離後のペリクルはマスク粘着剤層のちぎれや潰れ、ペリクルフレームの歪みなどで大きく損傷するので、通常、剥離したペリクルを再使用することはできないことが多い。
したがって、ペリクルに問題がない場合でも剥離したペリクルは処分せざるを得ず、コスト的に問題となっていた。
そして、本発明のペリクル剥離装置は、請求項1に記載のペリクルに対して適用する剥離装置であって、下部に平板状部15を有する剥離具7と、この剥離具7をフォトマスク2との平行を保ったまま上方に引き上げる昇降手段12とからなり、ペリクルフレーム1と前記フォトマスク2との間隙に剥離具7の平板状部15を差込むことによって、フォトマスク2とペリクルとを引き離すことを特徴とする。(請求項2)。
ここで、剥離具7の平板状部15は、ペリクルフレーム1外側の全周長の80%以上の領域を占めることが好ましい(請求項3)。
そして、さらに、平板状部15の少なくとも1面の表面材質が樹脂であることが好ましい(請求項4)。
図1は、本発明に係るペリクルの一実施の形態を示す説明的断面図である。
図2は、本発明のペリクルおよびペリクル剥離装置の関係を示す模式的な図面であって、(a)は平面図であり、(b)は(a)のA−A矢視線に沿う断面図である。図3(a)〜(c)は、本発明のペリクル剥離装置を用いてフォトマスクからペリクルを剥離する工程を順次に示す説明図である。図4は、従来のペリクルフレームを示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。図5(a)、(b)は、従来のペリクルフレームを剥離する工程を順次に示す説明図である。図6は、従来の剥離治具を用いてフォトマスクからペリクルを剥離した場合のペリクルの状態を示す説明図である。
この寸法以下では、ペリクル剥離のための剥離具に必要な強度を持たせることが困難であり、また、引っかかりが小さくなるためペリクルフレームの保持にも問題が生じる。さらに、フォトマスクやペリクルフレームに擦れずに剥離具を挿入することが極めて難しくなり、発塵の懸念も高まる。
しかしながら、機能的には、必ずしも全周で連続していなくとも良い。その全体の長さとして、剥離具の挿入に必要なフレーム外側全周長の80%以上あれば良いし、連続でなく、離隔的に設けられていても良い。
80%以上の範囲で支持することで剥離に伴うペリクルフレームの変形が抑制され、またマスク粘着剤層の潰れが発生しない。
ペリクルは、上記した断面形状を持つペリクルフレーム1の上端面にペリクル膜接着剤層6を介してペリクル膜5が貼り付けられており、もう一方のフォトマスク側の下端面にはマスク粘着剤層4が設けられて構成されている。そして、このペリクルはマスク粘着剤層4を介してフォトマスク2に貼り付けられている。
この状態では、剥離具7はペリクルフレーム1よりも外側になるように退避されている。次に、操作ノブ10を動かしてペリクルフレーム1の外側全周に設けられた間隙3の側方より剥離具7を挿入する。
剥離具7は、間隙3に挿入される部分が平板状部15をなしており、ペリクルフレーム1の塑性変形防止のため、ペリクルフレーム1の外側で少なくとも全周の80%以上の領域に側方から挿入されるようになっている。
ペリクル剥離装置から指やさらに別のハンドリング治具でペリクルを取り出しやすくするために、ペリクルフレーム1のコーナー部分等には剥離具を挿入しないように若干の空間を空けておくことも良い。
ステンレス鋼等の金属ももちろん使用可能であるが、表面にテフロン(登録商標)等の樹脂をコーティングすることが必要である。これら材質は、ペリクルフレーム1の断面形状、マスク粘着剤層4の接着力、部品加工上の制約等を考慮して決定することが良い。
剥離具7をスライドさせる機構は、この実施の形態ではスライドシャフト8とボールブッシュ9の組み合わせとしたが、これは、剛性と精度が高いガイド部品であれば他の形式(例えば、直動ガイド等)でも良い。ガイド部品や操作ノブの数量や配置はペリクルの大きさやマスク粘着剤層の接着力等を考慮して適宜設計されることが良い。
昇降手段12は、本実施の形態ではネジ式のジャッキとしているが、微動が可能であれば別の形式でも良く、例えば、電動や空圧または油圧のアクチュエータを利用しても良い。いずれの場合にも、ベースプレート14と接触する部分は、擦れによる発塵を少なくするため、樹脂とするか、ベースプレート14自体を擦らないようあて板のようなものを使用することも良い。
ベースプレート14の内側はフォトマスク2のパターンエリアが接触しないよう抜いてあることが望ましい。また、フォトマスク2が接触する部分は樹脂部品(図示しない)を取りつけて、擦れによる発塵を防止することも良い。
また、フォトマスク2の重量とマスク粘着剤層4の接着力のバランスによっては、剥離時にフォトマスク2が持ち上がってきてしまうことがある。そのような場合には、ベースプレート14に真空吸着の機構を備えて、フォトマスク2をベースプレート14に吸着固定することが望ましい。
図1に示すような断面形状を有するアルミニウム合金製のペリクルフレーム1の下端部に、機械加工により段差cを形成した。このペリクルフレーム1の形状は、外寸782×474mm、内寸768×456mm、高さ5mmの長方形とした。
また、このペリクルフレーム1の外周面の下端部には、図1に示すように、マスク粘着剤層4側に、全周にわたって設けられた段差cによって、間隙3が設けられている。この段差cの高さは0.3mmとし、マスク粘着剤層が形成される部分の幅(ペリクルフレームの全幅マイナス段差幅)は4mmで全周に渡って同一とした。
さらに、フッ素系ポリマー(商品名サイトップ、旭硝子(株)製)をスピンコート法により800×920×厚さ8mmの長方形石英基板上に成膜し、基板外形と同形状の枠体に接着、剥離して得た厚さ約4μmのペリクル膜をこのペリクルフレームに貼付けた。次いで、ペリクルフレーム周囲の不要な膜をカッターにて切断除去してペリクルとした。
貼付後のペリクルおよびフォトマスク(石英ガラス基板)2の断面は、図1に示すようになり、a寸法は長辺で5mm、短辺で3mm、b寸法は貼付荷重により粘着層が低くなり、長辺、短辺ともに1.2mmとなった。
次に、図2、図3に示す構成の剥離装置を作製した。剥離具7はステンレス鋼を機械加工した上で、表面に厚さ40μmのテフロン(登録商標)コーティングを施している。
主構造体である剥離具枠体11はアルミニウム合金を機械加工して作製し、小型化のため内部に上記のボールブッシュ9を埋め込めこんでおり、また、4箇所のコーナー部には、装置全体のハンドリング用のハンドル13を設けた。
ペリクルを上方に引き上げるための昇降手段は、ステンレス製M8細目ネジからなるネジ式のジャッキ12とし、発塵抑制のため先端にはPOM製のチップを取り付けた。そして、装置全体のベースとして、アルミニウム合金製のベースプレート14を配しているが、このベースプレート14にはフォトマスク2の周縁部の各辺につき4箇所に吸着ポート(図示しない)を設け、そこに接続された配管は集合させて真空ポンプ(図示しない)に接続した。
はじめに、ペリクルが貼り付けられたフォトマスク2をベースプレート14に載せ、その外側に上方から剥離装置を搭載する。この状態では、剥離具7はペリクルフレーム1よりも外側になるように退避されている。
次に、操作ノブ10を動かしてペリクルフレーム1の外側全周に設けられた間隙3aに側方から剥離具7を近づけ、剥離具7の平板状部15を間隙3aに挿入した。
そして、ネジ式のジャッキ12の操作により、剥離装置全体をベースプレート14との平行が保たれるように引き上げていった。
そして、約2.0mm引き上げたところで、マスク粘着剤層4は完全にフォトマスク2の表面より剥離された。その後、ハンドル13を持って剥離装置全体を持ち上げ、ペリクルをフォトマスク2から完全に分離した。
最後に、剥離装置から注意深くペリクルを取り出し、マスク粘着剤層4およびペリクルフレーム1の損傷を観察した。その結果、マスク粘着剤層4には引きちぎれや潰れなどの損傷が全く見られず、また、ペリクルフレーム1にもキズや曲がりなどの損傷は全く見られなかった。
図4に示すような、アルミニウム合金製のペリクルフレーム21を作製した。
このペリクルフレーム21の形状は、外寸782×474mm、内寸768×456mm、高さ5mmの長方形とした。そして、長辺側面のコーナー部20からそれぞれ36mmの4箇所に直径2.5mm、深さ2.5mmの非貫通の丸穴23を設けた。
上記実施例と全く同一の構成/工程にて、ペリクルを作製し、実施例と同様にフォトマスクの代用とする石英ガラス基板に貼り付けた。
その結果、剥離治具27の操作により、ペリクルフレーム21のコーナー部を完全に剥離させることができ、4箇所の丸穴23すべてについて剥離操作を行ったところ、ペリクルフレーム21の各辺の中央部だけがフォトマスク22から剥離せずに残っている状態となった。
2、22 フォトマスク(石英ガラス基板)
3、3' 間隙
4、34 マスク粘着剤層
5 ペリクル膜
6 ペリクル膜接着剤層
7 剥離具
8 スライドシャフト
9 ボールブッシュ
10 操作ノブ
11 剥離具枠体
12 昇降手段(ネジ式のジャッキ)
13 ハンドル
14 ベースプレート
15 平板状部
20 (ペリクルフレームの)コーナー部
23 丸穴
27 (従来の)剥離治具
32 フォトマスク
Claims (4)
- 少なくともひとつの辺長が300mm以上のペリクルであって、フォトマスクに貼り付けられた状態において、ペリクルフレーム外側の全周の80%以上の領域に、フォトマスクとペリクルフレームの間で幅2mm以上、高さ0.5mm以上の間隙を有することを特徴とするペリクル。
- 請求項1に記載のペリクルに対して適用する剥離装置であって、下部に平板状部を有する剥離具と、該剥離具をフォトマスクとの平行を保ったまま上方に引き上げる昇降手段とからなり、ペリクルフレームと前記フォトマスクとの間隙に剥離具の平板状部を差込むことによって、フォトマスクとペリクルとを引き離すことを特徴とするペリクル剥離装置。
- 前記剥離具の平板状部は、ペリクルフレーム外側の全周長の80%以上の領域を占める請求項2に記載のペリクル剥離装置。
- 前記平板状部の少なくとも一面の表面材質が樹脂である請求項2または請求項3に記載のペリクル剥離装置。
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