JP2005008353A - 基板保持固定冶具 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明基板を他の設備に移し替えるための、若しくは他の場所に搬送するための前記透明基板を保持固定する冶具を提供する。
【解決手段】基板保持固定冶具1には、吸盤2と、該吸盤内に大気を送り込む通路8及び該通路内の大気を開閉するための開閉弁3がそなえられており、透明基板10を吸着する際には、前記吸盤2を記透明基板10の平滑な面にあてがい、真空ポンプ装置6で前記吸盤内を真空にすることにより保持固定し、透明基板10を脱着する際には、前記開閉弁3の開放により前記吸盤内に大気を送り込む通路9に大気を開放することにより脱着開放することを特徴とする基板保持固定冶具1。
【選択図】図1
【解決手段】基板保持固定冶具1には、吸盤2と、該吸盤内に大気を送り込む通路8及び該通路内の大気を開閉するための開閉弁3がそなえられており、透明基板10を吸着する際には、前記吸盤2を記透明基板10の平滑な面にあてがい、真空ポンプ装置6で前記吸盤内を真空にすることにより保持固定し、透明基板10を脱着する際には、前記開閉弁3の開放により前記吸盤内に大気を送り込む通路9に大気を開放することにより脱着開放することを特徴とする基板保持固定冶具1。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明基板を他の設備に移し替えるための、若しくは他の場所に搬送するための前記透明基板を保持固定する基板保持固定冶具に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路装置の高集積化、及び動作の高速化により、急激に回路パターンの微細化が進んでおり、それに沿った経過により、半導体集積回路を形成する光リソグラフィー工程で用いられるフォトマスクに対してもマスクパターンの微細化が求められている。
【0003】
フォトマスク上では、以前では問題視されなかった微小欠陥が、前記光リソグラフィー工程において致命的な欠陥となる問題が発生し、フォトマスクに対して更なる品質の向上が望まれている。
【0004】
その対策として、フォトマスクの製造工程における技術面の改善はもちろんのこと、その他、クリーンルーム内の環境、製造工程内でのフォトマスクの運搬及び取扱い方法といった製造環境全般の見直しが必要となってきた。特許文献1及び特許文献2を参照する。
【0005】
従来、フォトマスクを取扱う作業での基板保持固定冶具は、フォトマスクの端部側面の2カ所を両外側から挟み込む構造であり、バネの力を利用して保持固定させるような機械的接触動作によるものである。
【0006】
従来のフォトマスクの基板保持固定冶具においても、フォトマスクに傷を極力発生させないようにフォトマスクとの直接接触する箇所には樹脂材などでできた部品を用いていた。しかしながらある程度の重量を持つフォトマスクを挟み込み保持し続けることができるようにフォトマスクの膜面及び裏面に保持冶具の一部分が回り込まざるをえず、フォトマスクの膜面の金属薄膜部及びレジスト部を傷付けてしまうことがある。通常、接触による傷部は、有効エリア外であるため直接の欠陥として認識されていない。
【0007】
しかし、フォトマスク製造工程内での洗浄処理、現像処理及びエッチング処理といった工程において、接触部を起点とした金属薄膜及びレジスト層の剥離により欠陥が発生し、該欠陥が有効エリアに入り込み、マスク欠陥となる問題がある。
【0008】
そのため従来、保持固定冶具を使用する際には、フォトマスクに傷が付かないように作業者の経験と該作業への注意力に頼らざるを得ない状況である。
【0009】
【特許文献1】
実公平3―71621号公報
【特許文献2】
実公平5―45711号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
フォトマスクの保持固定の際に保持固定冶具とフォトマスクの金属薄膜部及びレジスト部との接触を無くし、フォトマスク工程内での欠陥発生を防止することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る発明は、透明基板を他の設備に移し替えるための、若しくは他の場所に搬送するための前記透明基板を保持固定する冶具において、冶具には、吸盤と、該吸盤内に大気を送り込む通路及び該通路内の大気を開閉するための開閉弁がそなえられており、透明基板を吸着する際には、前記吸盤を透明基板の平滑な面にあてがい押しつけて前記吸盤内を真空にすることにより保持固定し、透明基板を脱着する際には、前記開閉弁の開放により前記吸盤内に大気を送り込む通路に大気を開放することにより脱着開放することを特徴とする基板保持固定冶具である。
【0012】
次に、本発明の請求項2に係る発明は、前記基板保持固定冶具では、透明基板を吸着する際には、吸盤を記透明基板の平滑な面にあてがい真空ポンプ装置で前記吸盤内を真空にすることにより保持固定し、透明基板を脱着する際には、前記開閉弁の開放により前記吸盤内に大気を送り込む通路に大気を開放することにより脱着開放することを特徴とする請求項1記載の基板保持固定冶具である。
【0013】
本発明の請求項3に係る発明は、前記透明基板の平滑な面が、透明基板の縁端部面にあることを特徴とする請求項1、又は2記載の基板保持固定冶具である。
【0014】
本発明の請求項4に係る発明は、前記吸盤を透明基板の平滑な面にあてがい押しつける方向が、少なくとも一方向、又は複数の方向から行い、前記吸盤内の真空を維持するために定圧エアータンクを具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の基板保持固定冶具である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の形態を詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の基板保持固定冶具の一実施例を説明する部分拡大平面図であり、(a)は平面図で、(b)は側断面図である。図1(a)の図面右側は、透明基板(10)の平滑な面に接触する方向である(図面上基板は不記載)。基板保持固定冶具(1)では、先端部分に吸盤(2)が配置され、該吸盤の内側には所定の容量を持つ吸盤空間(21)を備えている。前記吸盤空間には、2系統の通路(8)、(9)(図面上は破線で表示)が開通している。
【0017】
一つ目の通路(8)は、吸盤空間(21)内へ大気を送り込む吸気用の通路であり、該通路上に開閉弁(3)が配置され、その延長先は大気開放又は加圧ポンプ装置(5)に接続されている。二つ目の通路(9)は、吸盤空間(21)内の大気を排気する排気用の通路であり、該通路上に逆止弁(4)が配置され、その延長先は大気排気又は減圧ポンプ装置(6)に接続されている。なお、基板保持固定冶具(1)は、左右上下の移動可能な駆動部により制御されている。例えば、移載ロボットアーム等に配置する。
【0018】
基板保持固定冶具(1)において透明基板を吸着、又は着脱するとき、前記吸盤空間(21)は、大気の吸入、又は排気を繰り返し、該吸排気の大気フローにより近傍空間に乱流が起こることがある。該乱流はクリーンルーム内の清浄度に悪影響し、透明基板の表面汚染となる。例えば異物付着等の発生となる場合がある。本発明では、その対策として、通路の中間に定圧エアータンクを配置した。
【0019】
図1(b)では、吸盤空間(21)の吸排気系統を説明する側断面図である。図1(b)の図面右側には透明基板(10)の縁端部を吸着した状態である。吸排気系統を説明するため、大気圧をPとし、吸盤空間(21)の内圧P0、定圧エアータンク(7)内圧は吸気系ではP2、排気系はP3とした。透明基板を吸着する時では、吸盤空間(21)の圧力P0が、P≧P0(=P3)、すなわち、逆止弁(4)を介して素早く吸盤空間(21)内をP3と平衡にし、圧力P0がP3に置換減圧され、真空度を安定維持することができる。なお、定圧エアータンク(7)の出口には、操作弁を内蔵し、吸盤の動作に従って制御する。例えば吸盤先端部にセンサーを配置し、透明基板と接触時と連動し、前記操作弁を開くようにする。
【0020】
次に、透明基板を脱着する時は、吸盤空間(21)の圧力P0が、P≦P0(=P2)、すなわち、開閉弁(3)を開放して素早く吸盤空間(21)内をP2と平衡にし、圧力P0がP2に置換加圧され、吸盤空間(21)の内圧を安定維持することにより、加圧エアーの吹き出し量を最低に制御する効果がある。すなわち、吸盤の近傍では乱流が発生せず、透明基板の表面を汚染する心配がない。
【0021】
また、透明基板の重量及びサイズを考慮し、予め、前記定圧エアータンクの内圧P2、P3を最適圧に設定することができる効果があり、運転コスト面及び品質面でメリットがある。
【0022】
図2は、本発明の基板保持固定冶具の一実施例を説明する部分拡大平面図であり、(a)は、平面図で、(b)は側断面図である。
【0023】
図2(a)は、透明基板を吸着する場合であり、透明基板(10)を左右の方向より保持固定した状態であり、透明基板(10)の左右の縁端部に押し付け吸盤の原理で透明基板を保持する。又は、逆止弁(4)を介して減圧ポンプ(6)(真空ポンプ)を用いて吸盤(2)内を減圧し透明基板を保持する。
【0024】
透明基板を脱着する場合、脱着開始の制御信号により、開閉弁(3)を開放する。前記弁の開放により、吸盤(2)内の空間に大気を送り込み吸盤の効果を解除し、透明基板を開放する。図2(b)は透明基板(10)と吸盤(2)の接触状態と、吸盤空間(21)の関係を説明する側断面図である。透明基板の左右の縁端部に吸盤(2)が接触し、該吸盤(2)の外周端部表面は、透明基板の縁端部面に密着し、大気と吸盤空間(21)を遮蔽している。すなわち、吸盤空間(21)と透明基板面とで独立した空間を形成することが重要となる。その面は平滑な面のみで無くてもよく、凹凸に沿ってそれぞれ形成し、装着する方法でも空間形成が可能となるため任意の形状の吸盤を適宜採用できる。
【0025】
次に、本発明の基板保持固定冶具の具体的な実施例を動作フロー図に従って説明する。
【0026】
図3は、動作フロー図であり、(a)〜(k)まで順番に作業を実行する。
【0027】
図3(a)では、開始点よりスタートし、所定の位置まで移動する。透明基板(以下基板と記す)が、吸着位置に載置した後、前記吸着位置の中心点(以下吸着位置と記す)まで基板保持固定冶具(以下冶具と記す)の中心位置(以下位置と記す)を移動する。位置関係では、平面位置では基板を中央にし、その外側に基板側に向けて冶具があり、その冶具の各々先端に吸盤があり、断面位置では、該吸盤は基板と同じ高さである。
【0028】
(b)では、透明基板の吸着位置近傍まで近接し、一時停止する。前記冶具は各々基板方向へ水平移動し、基板の吸着位置に吸盤の先端全面を密着させる。
【0029】
(c)では、基板面に吸盤を押し付ける。又は基板面に吸盤が密着後、減圧ポンプが稼働し、吸盤空間内を排気する。前記減圧ポンプは、真空化の開始と同時に運転を開始する直接方式と、予め所定の真空度のエアーを定圧エアータンクに準備し、真空化の開始と同時に、前記定圧エアータンクに具備した操作弁を開き、逆止弁を介して吸盤空間を減圧する間接方式がある。
【0030】
(d)では、吸盤空間内を真空化する。
【0031】
(e)では、吸盤により透明基板を保持固定する。基板方向へ冶具を微小距離移動し、確実に保持固定する。
【0032】
(f)では、次の移動先に位置に移動し、一時停止する。冶具は位置を移動する手段、例えばロボットアーム等に機能を用いて次の移動先位置の直上まで基板を移動する。
【0033】
(g)では、開放弁を開き、通路を開放する。基板を真下方向に微小距離移動し、載置位置まで正確に移動後、前記加圧ポンプは、大気圧化の開始と同時に運転を開始する直接方式と、予め所定の加圧のエアーを定圧エアータンクに準備し、大気圧化の開始と同時に、前記定エアータンクに具備した操作弁を開き、開閉弁を開放して吸盤空間に加圧エアーを供給する。一方同時に、前記減圧した定圧エアータンクに具備した操作弁を閉じ、逆止弁を介して吸盤空間を減圧を停止する。
【0034】
(h)では、吸盤空間内の大気を吸入する。
【0035】
(i)では、透明基板を開放する。基板方向から冶具を微小距離移動し、確実に基板より吸盤を離す位置まで冶具を移動する。
【0036】
(k)では、開放弁を閉じ、装置を一次停止の初期状態にして、開始点に戻る。以上を順番に繰り返し作業を行う。
【0037】
【発明の効果】
本発明の基板保持固定冶具を用いることにより、フォトマスクの保持固定の際に、保持固定冶具が吸盤によりフォトマスクの基板端面のみを吸着させ保持するため、フォトマスクの金属薄膜及びレジスト膜部を傷付けずに保持できる。そのため、フォトマスクの製造工程において金属薄膜及びレジスト膜部の膜剥がれに起因する欠陥の発生による問題を解消できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板保持固定冶具の一実施例を説明する部分図であり、(a)は、平面図で、(b)は、側断面図である。
【図2】本発明の基板保持固定冶具の一実施例を説明する部分拡大図であり、(a)は、平面図で、(b)は、側断面図である。
【図3】本発明の基板保持固定冶具の一実施例を説明する動作フロー図である。
【符号の説明】
1…基板保持固定冶具
2…吸盤
3…開閉弁
4…逆止弁
5…加圧ポンプ装置
6…減圧ポンプ装置
7…定圧エアータンク
8…(吸気用の)通路
9…(排気用の)通路
10…透明基板
21…吸盤空間
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明基板を他の設備に移し替えるための、若しくは他の場所に搬送するための前記透明基板を保持固定する基板保持固定冶具に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路装置の高集積化、及び動作の高速化により、急激に回路パターンの微細化が進んでおり、それに沿った経過により、半導体集積回路を形成する光リソグラフィー工程で用いられるフォトマスクに対してもマスクパターンの微細化が求められている。
【0003】
フォトマスク上では、以前では問題視されなかった微小欠陥が、前記光リソグラフィー工程において致命的な欠陥となる問題が発生し、フォトマスクに対して更なる品質の向上が望まれている。
【0004】
その対策として、フォトマスクの製造工程における技術面の改善はもちろんのこと、その他、クリーンルーム内の環境、製造工程内でのフォトマスクの運搬及び取扱い方法といった製造環境全般の見直しが必要となってきた。特許文献1及び特許文献2を参照する。
【0005】
従来、フォトマスクを取扱う作業での基板保持固定冶具は、フォトマスクの端部側面の2カ所を両外側から挟み込む構造であり、バネの力を利用して保持固定させるような機械的接触動作によるものである。
【0006】
従来のフォトマスクの基板保持固定冶具においても、フォトマスクに傷を極力発生させないようにフォトマスクとの直接接触する箇所には樹脂材などでできた部品を用いていた。しかしながらある程度の重量を持つフォトマスクを挟み込み保持し続けることができるようにフォトマスクの膜面及び裏面に保持冶具の一部分が回り込まざるをえず、フォトマスクの膜面の金属薄膜部及びレジスト部を傷付けてしまうことがある。通常、接触による傷部は、有効エリア外であるため直接の欠陥として認識されていない。
【0007】
しかし、フォトマスク製造工程内での洗浄処理、現像処理及びエッチング処理といった工程において、接触部を起点とした金属薄膜及びレジスト層の剥離により欠陥が発生し、該欠陥が有効エリアに入り込み、マスク欠陥となる問題がある。
【0008】
そのため従来、保持固定冶具を使用する際には、フォトマスクに傷が付かないように作業者の経験と該作業への注意力に頼らざるを得ない状況である。
【0009】
【特許文献1】
実公平3―71621号公報
【特許文献2】
実公平5―45711号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
フォトマスクの保持固定の際に保持固定冶具とフォトマスクの金属薄膜部及びレジスト部との接触を無くし、フォトマスク工程内での欠陥発生を防止することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る発明は、透明基板を他の設備に移し替えるための、若しくは他の場所に搬送するための前記透明基板を保持固定する冶具において、冶具には、吸盤と、該吸盤内に大気を送り込む通路及び該通路内の大気を開閉するための開閉弁がそなえられており、透明基板を吸着する際には、前記吸盤を透明基板の平滑な面にあてがい押しつけて前記吸盤内を真空にすることにより保持固定し、透明基板を脱着する際には、前記開閉弁の開放により前記吸盤内に大気を送り込む通路に大気を開放することにより脱着開放することを特徴とする基板保持固定冶具である。
【0012】
次に、本発明の請求項2に係る発明は、前記基板保持固定冶具では、透明基板を吸着する際には、吸盤を記透明基板の平滑な面にあてがい真空ポンプ装置で前記吸盤内を真空にすることにより保持固定し、透明基板を脱着する際には、前記開閉弁の開放により前記吸盤内に大気を送り込む通路に大気を開放することにより脱着開放することを特徴とする請求項1記載の基板保持固定冶具である。
【0013】
本発明の請求項3に係る発明は、前記透明基板の平滑な面が、透明基板の縁端部面にあることを特徴とする請求項1、又は2記載の基板保持固定冶具である。
【0014】
本発明の請求項4に係る発明は、前記吸盤を透明基板の平滑な面にあてがい押しつける方向が、少なくとも一方向、又は複数の方向から行い、前記吸盤内の真空を維持するために定圧エアータンクを具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の基板保持固定冶具である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の形態を詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の基板保持固定冶具の一実施例を説明する部分拡大平面図であり、(a)は平面図で、(b)は側断面図である。図1(a)の図面右側は、透明基板(10)の平滑な面に接触する方向である(図面上基板は不記載)。基板保持固定冶具(1)では、先端部分に吸盤(2)が配置され、該吸盤の内側には所定の容量を持つ吸盤空間(21)を備えている。前記吸盤空間には、2系統の通路(8)、(9)(図面上は破線で表示)が開通している。
【0017】
一つ目の通路(8)は、吸盤空間(21)内へ大気を送り込む吸気用の通路であり、該通路上に開閉弁(3)が配置され、その延長先は大気開放又は加圧ポンプ装置(5)に接続されている。二つ目の通路(9)は、吸盤空間(21)内の大気を排気する排気用の通路であり、該通路上に逆止弁(4)が配置され、その延長先は大気排気又は減圧ポンプ装置(6)に接続されている。なお、基板保持固定冶具(1)は、左右上下の移動可能な駆動部により制御されている。例えば、移載ロボットアーム等に配置する。
【0018】
基板保持固定冶具(1)において透明基板を吸着、又は着脱するとき、前記吸盤空間(21)は、大気の吸入、又は排気を繰り返し、該吸排気の大気フローにより近傍空間に乱流が起こることがある。該乱流はクリーンルーム内の清浄度に悪影響し、透明基板の表面汚染となる。例えば異物付着等の発生となる場合がある。本発明では、その対策として、通路の中間に定圧エアータンクを配置した。
【0019】
図1(b)では、吸盤空間(21)の吸排気系統を説明する側断面図である。図1(b)の図面右側には透明基板(10)の縁端部を吸着した状態である。吸排気系統を説明するため、大気圧をPとし、吸盤空間(21)の内圧P0、定圧エアータンク(7)内圧は吸気系ではP2、排気系はP3とした。透明基板を吸着する時では、吸盤空間(21)の圧力P0が、P≧P0(=P3)、すなわち、逆止弁(4)を介して素早く吸盤空間(21)内をP3と平衡にし、圧力P0がP3に置換減圧され、真空度を安定維持することができる。なお、定圧エアータンク(7)の出口には、操作弁を内蔵し、吸盤の動作に従って制御する。例えば吸盤先端部にセンサーを配置し、透明基板と接触時と連動し、前記操作弁を開くようにする。
【0020】
次に、透明基板を脱着する時は、吸盤空間(21)の圧力P0が、P≦P0(=P2)、すなわち、開閉弁(3)を開放して素早く吸盤空間(21)内をP2と平衡にし、圧力P0がP2に置換加圧され、吸盤空間(21)の内圧を安定維持することにより、加圧エアーの吹き出し量を最低に制御する効果がある。すなわち、吸盤の近傍では乱流が発生せず、透明基板の表面を汚染する心配がない。
【0021】
また、透明基板の重量及びサイズを考慮し、予め、前記定圧エアータンクの内圧P2、P3を最適圧に設定することができる効果があり、運転コスト面及び品質面でメリットがある。
【0022】
図2は、本発明の基板保持固定冶具の一実施例を説明する部分拡大平面図であり、(a)は、平面図で、(b)は側断面図である。
【0023】
図2(a)は、透明基板を吸着する場合であり、透明基板(10)を左右の方向より保持固定した状態であり、透明基板(10)の左右の縁端部に押し付け吸盤の原理で透明基板を保持する。又は、逆止弁(4)を介して減圧ポンプ(6)(真空ポンプ)を用いて吸盤(2)内を減圧し透明基板を保持する。
【0024】
透明基板を脱着する場合、脱着開始の制御信号により、開閉弁(3)を開放する。前記弁の開放により、吸盤(2)内の空間に大気を送り込み吸盤の効果を解除し、透明基板を開放する。図2(b)は透明基板(10)と吸盤(2)の接触状態と、吸盤空間(21)の関係を説明する側断面図である。透明基板の左右の縁端部に吸盤(2)が接触し、該吸盤(2)の外周端部表面は、透明基板の縁端部面に密着し、大気と吸盤空間(21)を遮蔽している。すなわち、吸盤空間(21)と透明基板面とで独立した空間を形成することが重要となる。その面は平滑な面のみで無くてもよく、凹凸に沿ってそれぞれ形成し、装着する方法でも空間形成が可能となるため任意の形状の吸盤を適宜採用できる。
【0025】
次に、本発明の基板保持固定冶具の具体的な実施例を動作フロー図に従って説明する。
【0026】
図3は、動作フロー図であり、(a)〜(k)まで順番に作業を実行する。
【0027】
図3(a)では、開始点よりスタートし、所定の位置まで移動する。透明基板(以下基板と記す)が、吸着位置に載置した後、前記吸着位置の中心点(以下吸着位置と記す)まで基板保持固定冶具(以下冶具と記す)の中心位置(以下位置と記す)を移動する。位置関係では、平面位置では基板を中央にし、その外側に基板側に向けて冶具があり、その冶具の各々先端に吸盤があり、断面位置では、該吸盤は基板と同じ高さである。
【0028】
(b)では、透明基板の吸着位置近傍まで近接し、一時停止する。前記冶具は各々基板方向へ水平移動し、基板の吸着位置に吸盤の先端全面を密着させる。
【0029】
(c)では、基板面に吸盤を押し付ける。又は基板面に吸盤が密着後、減圧ポンプが稼働し、吸盤空間内を排気する。前記減圧ポンプは、真空化の開始と同時に運転を開始する直接方式と、予め所定の真空度のエアーを定圧エアータンクに準備し、真空化の開始と同時に、前記定圧エアータンクに具備した操作弁を開き、逆止弁を介して吸盤空間を減圧する間接方式がある。
【0030】
(d)では、吸盤空間内を真空化する。
【0031】
(e)では、吸盤により透明基板を保持固定する。基板方向へ冶具を微小距離移動し、確実に保持固定する。
【0032】
(f)では、次の移動先に位置に移動し、一時停止する。冶具は位置を移動する手段、例えばロボットアーム等に機能を用いて次の移動先位置の直上まで基板を移動する。
【0033】
(g)では、開放弁を開き、通路を開放する。基板を真下方向に微小距離移動し、載置位置まで正確に移動後、前記加圧ポンプは、大気圧化の開始と同時に運転を開始する直接方式と、予め所定の加圧のエアーを定圧エアータンクに準備し、大気圧化の開始と同時に、前記定エアータンクに具備した操作弁を開き、開閉弁を開放して吸盤空間に加圧エアーを供給する。一方同時に、前記減圧した定圧エアータンクに具備した操作弁を閉じ、逆止弁を介して吸盤空間を減圧を停止する。
【0034】
(h)では、吸盤空間内の大気を吸入する。
【0035】
(i)では、透明基板を開放する。基板方向から冶具を微小距離移動し、確実に基板より吸盤を離す位置まで冶具を移動する。
【0036】
(k)では、開放弁を閉じ、装置を一次停止の初期状態にして、開始点に戻る。以上を順番に繰り返し作業を行う。
【0037】
【発明の効果】
本発明の基板保持固定冶具を用いることにより、フォトマスクの保持固定の際に、保持固定冶具が吸盤によりフォトマスクの基板端面のみを吸着させ保持するため、フォトマスクの金属薄膜及びレジスト膜部を傷付けずに保持できる。そのため、フォトマスクの製造工程において金属薄膜及びレジスト膜部の膜剥がれに起因する欠陥の発生による問題を解消できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基板保持固定冶具の一実施例を説明する部分図であり、(a)は、平面図で、(b)は、側断面図である。
【図2】本発明の基板保持固定冶具の一実施例を説明する部分拡大図であり、(a)は、平面図で、(b)は、側断面図である。
【図3】本発明の基板保持固定冶具の一実施例を説明する動作フロー図である。
【符号の説明】
1…基板保持固定冶具
2…吸盤
3…開閉弁
4…逆止弁
5…加圧ポンプ装置
6…減圧ポンプ装置
7…定圧エアータンク
8…(吸気用の)通路
9…(排気用の)通路
10…透明基板
21…吸盤空間
Claims (4)
- 透明基板を他の設備に移し替えるための、若しくは他の場所に搬送するための前記透明基板を保持固定する冶具において、該冶具には、吸盤と、該吸盤内に大気を送り込む通路及び該通路内の大気を開閉するための開閉弁がそなえられており、透明基板を吸着する際には、前記吸盤を透明基板の平滑な面にあてがい押しつけて前記吸盤内を真空にすることにより吸着保持して冶具に固定し、透明基板を脱着する際には、前記開閉弁の開放により前記吸盤内に大気を送り込む通路に大気を開放することにより脱着開放して冶具より開放することにを特徴とする基板保持固定冶具。
- 前記基板保持固定冶具では、透明基板を吸着する際には、吸盤を透明基板の平滑な面にあてがい真空ポンプ装置で前記吸盤内を真空にすることにより吸着保持して冶具に固定し、透明基板を脱着する際には、前記開閉弁の開放により前記吸盤内に大気を送り込む通路に大気を開放することにより脱着開放して冶具より開放することを特徴とする請求項1記載の基板保持固定冶具。
- 前記透明基板の平滑な面が、透明基板の縁端部面にあることを特徴とする請求項1、又は2記載の基板保持固定冶具。
- 前記吸盤を透明基板の平滑な面にあてがい押しつける方向が、少なくとも一方向、又は複数の方向から行い、前記吸盤内の真空を維持するために定圧エアータンクを具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の基板保持固定冶具。
Priority Applications (1)
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JP2003174507A JP2005008353A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 基板保持固定冶具 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003174507A JP2005008353A (ja) | 2003-06-19 | 2003-06-19 | 基板保持固定冶具 |
Publications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20130092309A (ko) * | 2012-02-10 | 2013-08-20 | 세메스 주식회사 | 기판 지지 유닛, 기판 처리 장치 및 기판 지지 방법 |
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2003
- 2003-06-19 JP JP2003174507A patent/JP2005008353A/ja active Pending
Cited By (2)
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KR20130092309A (ko) * | 2012-02-10 | 2013-08-20 | 세메스 주식회사 | 기판 지지 유닛, 기판 처리 장치 및 기판 지지 방법 |
KR101970183B1 (ko) * | 2012-02-10 | 2019-04-19 | 세메스 주식회사 | 기판 지지 유닛, 기판 처리 장치 및 기판 지지 방법 |
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