JP2007302633A - 繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる障害の予防乃至治療剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 タバコの煙をはじめとする繊維質を燃焼させた時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる様々な障害に対して効果が高く、副作用の少ない予防ないし治療剤の提供を主たる目的とする。
【解決手段】 チオレドキシンファミリーのポリペプチド(TRX)が、タバコの煙をはじめとする繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる炎症反応を抑制すること、並びに該有害成分を原因とする組織の繊維化を阻止することを見出し、TRXが繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分を原因とする障害に広く有効であるとの結論に達した。
従って、TRX及びその誘導剤の1種以上を有効成分とする、繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分による障害の予防ないし治療剤とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、チオレドキシンファミリーのポリペプチド(以下「TRX」と略記する場合がある)及びその誘導剤の1種以上を有効成分とする、繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる障害の予防乃至治療剤に関する。
また、本発明は、チオレドキシンファミリーのポリペプチド及びその誘導剤の1種以上を有効成分とする該障害の予防乃至治療のための製剤に関する。
タバコをはじめとする繊維質を燃焼させた時に発生する煙には、一酸化炭素、一酸化窒素、ニコチン、タール等の有害物質が数多く含まれ、これらの有害物質によって、呼吸器機能、免疫機能の低下が引き起こされることが知られている。
また、長期にわたって有害成分の吸入又は吸収を続けることで、虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞等)、肺機能の低下、発癌等のリスクを高めることが報告されている。
さらに妊婦が有害成分を含む煙を吸入することによって、妊婦自身だけでなく胎児にも悪影響を与えることも知られている。
特にタバコの煙の場合には、タバコの副流煙を吸入すること(受動喫煙)による悪影響も指摘され、長期喫煙者の家族(非喫煙者)にみられる慢性気管支炎、呼吸機能低下、気管支喘息、動脈硬化、狭心症等は、受動喫煙との関連性が高いとされている。
また、火災現場等に取り残された人や消防士は、多量に煙を吸い込むことで呼吸器の障害を受けやすい。受動喫煙や火災現場での煙の吸入等の場合は防止することが難しく、問題となっている。
タバコの煙は、慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:以下「COPD」と略記)や、肺癌等の肺疾患の主要因として知られる(非特許文献1)が、近年では、増大する酸化ストレスによる炎症反応を惹起させ、動脈硬化症や冠状動脈症及び生活習慣病等のような全身性の炎症の誘発因子として関与することが報告されている(非特許文献2、3)。即ち、喫煙は、肺等の特定臓器における障害のみならず、広く体全体における障害の要因となることが知られている。
以上のことから、タバコの煙をはじめとする繊維質を燃焼させた時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる様々な障害に有効な予防乃至治療剤の開発が望まれている。
一方、チオレドキシン(Thioredoxin)は、その活性部位配列:−Cys−Gly−Pro−Cys−:の2つのシステイン残基間でのジスルフィド/ジチオール交換反応による酸化還元(レドックス)活性を有する12kDaの多機能ペプチドである(非特許文献4)。チオレドキシンは、リボヌクレオチドリダクターゼに対する水素イオン供与体、デオキシリボヌクレオチドの合成に重要な酵素として大腸菌から単離されて以来、多くの原核生物、真核生物から単離同定されてきた。
成人T細胞白血病誘導因子(ADF)は、本発明者らがHTLV−1に感染したTリンパ球によって産生されるIL−2受容体誘導因子として最初に同定したもので、ヒトチオレドキシンである。
細胞内チオレドキシンはラジカル消去や、activator protein‐1(AP−1)、nuclear factor‐kappa B(NF−κB)などのレドックスに関する転写因子の制御に重要な役割を果たしている(非特許文献5)。
ヒトチオレドキシンは、p38 mitogen activating protein kinase(MAPK)やapoptosis signal regulating kinase−1(ASK−1)のシグナル伝達を制御する。
チオレドキシンが細胞外に放出され、サイトカインまたはケモカイン作用を示すこと(非特許文献6)、更には細胞外TRXが細胞内へ移行すること(非特許文献7)が本発明者らによって報告されてきた。
しかしながら、タバコの煙をはじめとする繊維質を燃焼させた時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる障害と、チオレドキシンファミリーのポリペプチド(TRX)との関連性については、未だ報告されていない。
Pauwels R. A., Buist A. S., Ma P., Jenkins C. R. and Hurd S. S. Global strategy for the diagnosis, management, and prevention of chronic obstructive pulmonary disease: National Heart, Lung, and Blood Institute and World Health Organization Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease (GOLD): executive summary. Respir Care 46: 798-825, 2001. Ishizaka N., Ishizaka Y., Toda E., Hashimoto H., Nagai R. and Yamakado M. Hypertension is the most common component of metabolic syndrome and the greatest contributor to carotid arteriosclerosis in apparently healthy Japanese individuals. Hypertens Res 28: 27-34, 2005. Mizia-Stec K., Zahorska-Markiewicz B. and Gasior Z. Cigarette smoking and inflammatory indices in coronary artery disease. Int J Cardiol 93: 169-74, 2004. Redox regulation of cellular activation Ann.Rev.Immunol.1997;15:351-369 AP-1 transcriptional activity is regulated by a direct association between thioredoxin and Ref-1 PNAS.1997;94:3633-3638 Circulating thioredoxin suppresses lipopolysaccharide-induced neutrophil chemotaxis PNAS.2001; 98: 15143-15148 Redox-sensing release of thioredoxin from T lymphocytes with negative feedback loops J.Immunol.2004;172:442-448
本発明は、タバコの煙をはじめとする繊維質を燃焼させた時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる様々な障害に対して効果が高く、副作用の少ない予防ないし治療剤の提供を主たる目的とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、チオレドキシンファミリーのポリペプチド(TRX)が、タバコの煙をはじめとする繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる炎症反応を抑制すること、並びに該有害成分を原因とする組織の繊維化を阻止することを見出し、TRXが繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分を原因とする障害に広く有効であるとの結論に達した為、本発明を完成するに至った。
即ち、請求項1にかかる発明は、チオレドキシンファミリーのポリペプチド及びその誘導剤の1種以上を有効成分とし、繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分による障害の予防乃至治療剤に関する。
請求項2にかかる発明は、チオレドキシンファミリーのポリペプチドがヒトチオレドキシンである請求項1に記載の予防ないし治療剤に関する。
請求項3にかかる発明は、植物の繊維成分の煙が、タバコ、木材及び紙からなる群より選択されるいずれか1種を燃焼させた際に生じる煙である請求項1又は2に記載の予防乃至治療剤に関する。
請求項4にかかる発明は、繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる障害が、呼吸器及び/又は消化器における炎症である請求項1乃至3いずれか記載の予防ないし治療剤に関する。
請求項5にかかる発明は、呼吸器が、鼻腔、副鼻腔、咽頭、喉頭、気管、気管支及び肺胞からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の予防ないし治療剤に関する。
請求項6にかかる発明は、消化器が、食道、胃、十二指腸、肝臓、小腸及び大腸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の予防ないし治療剤に関する。
請求項7にかかる発明は、繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる障害が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又は気管支喘息である請求項1乃至6いずれか記載の予防ないし治療剤に関する。
請求項8にかかる発明は、チオレドキシンファミリーのポリペプチド及びその誘導剤の1種または2種以上を有効成分とし、繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分による障害の予防乃至治療のための製剤に関する。
請求項9にかかる発明は、チオレドキシン誘導剤が、スルフォラファンである請求項8に記載の製剤に関する。
請求項10にかかる発明は、飲食品の形態である請求項8又は9に記載の製剤に関する。
本発明にかかる予防乃至治療剤は、チオレドキシンファミリーのポリペプチド及びその誘導剤の1種以上を有効成分とするので、タバコの煙をはじめとする繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる炎症を抑制する効果、並びに該有害成分を原因とする組織の繊維化を阻止する効果を発揮することができる。
従って、繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分を原因とする障害に広く有効である。
さらに本発明にかかる予防乃至治療剤は、体内でも発現する内因性チオールタンパク質であるTRX又は体内においてTRXの発現を誘導する物質を有効成分とするため、副作用の心配がない、安全性の高い予防乃至治療剤であるといえる。
本発明者らは、鋭意研究の結果、チオレドキシンファミリーのポリペプチド(TRX)の新たな機能として、(1)TRXが、タバコの煙をはじめとする繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる好中球の増加を抑えること、並びに(2)該有害成分により誘導される初期の炎症性サイトカインであるマクロファージ遊走阻止因子(Macrophage Migration Inhibitory Factor)(以下「MIF」と略記)および腫瘍壊死因子(Tumor Necrosis Factor−alpha)(以下「TNF−α」と略記)の発現を抑えることを発見し、(TRXが)該有害成分による炎症反応を低減し得ることを解明した。
更に、本発明者らは、(3)TRXが、繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされるマトリックスメタロプロテアーゼ(Matrix Metallo Proteinase)ー12(以下「MMP−12」と略記)の発現を抑えることを発見し、(TRXが)該有害成分によって誘導されたMMP−12による炎症初期の肺胞構築の破壊を抑制し、結果として(各臓器における)組織の繊維化を低減し得ることを解明した。
以上のことから、本発明者らは、TRXが、タバコの煙をはじめとする繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる炎症反応抑制効果、並びに該有害成分を原因とする組織の繊維化を阻止する効果を発揮することによって、繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分を原因とする障害(喫煙によって引き起こされる障害が例示される)に広く有効であるとの結論に達し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明に係るチオレドキシンファミリーのポリペプチド及びその誘導剤の1種以上を有効成分とする予防乃至治療剤の実施形態について詳説する。
本発明におけるチオレドキシンとしては、ヒトチオレドキシン以外に「チオレドキシンファミリー」に属するものであればよく、その活性中心に−Cys−Gly−Pro−Cys−、−Cys−Pro−Tyr−Cys−、−Cys−Pro−His−Cys−、−Cys−Pro−Pro−Cys−を有するポリペプチド類を有するものが例示される。
これらの中でも活性中心に配列−Cys−Gly−Pro−Cys−を有するチオレドキシン又はチオレドキシン2(ミトコンドリア特異的チオレドキシン)が好ましい。
上記の活性中心を有するものであれば、チオレドキシンの由来は特に限定されず、ヒトを含む動物のチオレドキシン(ヒトを含む動物のADF)、大腸菌などの細菌のチオレドキシン、酵母のチオレドキシン;ヒトADF活性を有するポリペプチド(ヒトADFP);ヒト,大腸菌等のグルタレドキシン等が含まれる。特にヒトチオレドキシン及び酵母チオレドキシンが好ましい。酵母チオレドキシンは、酵母から単離したものでもよいが、チオレドキシンを多く含む酵母の形態で使用することもできる。
本明細書において、ヒトチオレドキシン(hTRX)とは、配列番号1に示される105個のアミノ酸からなるポリペプチドを指す。hTRXの塩基配列は、配列番号2に示される。
また、繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分による障害を抑制するものであれば、配列番号1のヒトチオレドキシンをもとにして公知の遺伝子工学的手法により作製されたTRX改変体であってもよい。
該改変体としては、配列番号1の32位と35位以外、好ましくは32位〜35位以外のアミノ酸の1又は複数個、好ましくは1又は数個が置換、欠失、付加、挿入されているものがあげられる。
上記のチオレドキシンファミリーに属するポリペプチド(TRX)を、単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明において、繊維質とは、植物の葉、幹、茎、根等の繊維質の部分を指し、繊維質の燃焼時に発生する煙とは、タバコ、木材、紙等を燃焼した際に生じる煙を指す。
タバコには、紙巻きタバコ、葉巻、噛みタバコ等が含まれる。木材には、天然木の他に、合板、樹脂等との複合材等も含まれる。また、紙には、樹脂等と複合しているものも含まれる。
繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分としては、ニコチン、タール、ベンゾ(a)ピレン、トルエン、フェノール、メチルナフタレン、ピレン、アニリン、2−ナフチルアミン、二酸化炭素、一酸化炭素、メタン、アセチレン、アンモニア、アセトアルデヒド、シアン化水素、メチルフラン、アセトニトリル、ピリジン、ジメチルニトロサミン等が含まれている。
また、繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分による障害とは、該有害成分の吸入又は吸収によって引き起こされる障害を指す。ここで、有害成分の吸入には、能動的に吸入する場合(例えば、タバコの主流煙の吸入等)及び受動的に吸入する場合(例えばタバコの副流煙の吸入等)の両方が含まれる。該有害成分の吸入又は吸収の期間は特に限定されず、1回〜数日程度の急性、1〜3週間程度の亜急性、数ヶ月以上の慢性的に吸入又は吸収することを含む。
本発明に係る予防乃至治療剤の投与経路としては、経口および非経口のいずれでも投与することができ、臨床医によって適宜選択される。また有効成分であるチオレドキシンを単独または通常使用される担体と共に投与することができる。
本発明の予防乃至治療剤を経口投与する場合は、薬剤の形態として、錠剤、丸剤、散剤、被覆錠剤、顆粒剤、カプセル剤等の固形製剤、液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤等の液状製剤、エアゾール剤、アトマイザー、ネブライザー等の吸入剤、およびリポソーム封入剤等があげられる。
本発明に係る予防乃至治療剤は、上記の有効成分と共に薬学的に許容される製剤担体を用いて、医薬製剤の形態として実用される。該製剤担体としては、結合剤、崩壊剤、界面活性剤、吸収促進剤、保湿剤、吸着剤、滑沢剤、充填剤、増量剤、付湿剤、防腐剤、安定剤、乳化剤、可溶化剤、浸透圧を調節する塩、緩衝剤等の希釈剤又は賦形剤を例示でき、これらは得られる製剤の投与単位形態に応じて適宜選択使用される。
錠剤の形態に成形するに際しては、上記製剤担体として例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、ケイ酸、リン酸カリウム等の賦形剤、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム等の崩壊剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド等の界面活性剤、白糖、ステアリン、カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤、第4級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤、グリセリン、デンプン等の保湿剤、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等を使用できる。
さらに錠剤は必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠とすることができる。この剤皮の層の数によって二重錠、多層錠とすることができる。
丸剤の形態に成形するに際しては、製剤担体として例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナラン、カンテン等の崩壊剤等を使用できる。
本発明の予防乃至治療剤を非経口投与する場合は、薬剤の形態として静脈注射、皮下注射、皮内注射、筋肉注射および腹腔内注射などに使用される注射剤(液剤、乳剤、懸濁剤等)、液剤(例えば、点眼剤、点鼻薬等)、懸濁剤、乳剤、点滴剤、吸入剤(エアロゾル剤、粉末吸入剤等)等があげられる。
本発明の予防ないし治療剤が液剤、乳剤、懸濁剤等の注射剤として調製される場合、これらは殺菌され且つ血液と等張であるのが好ましく、これらの形態に成形するに際しては、希釈剤として例えば水、エチルアルコール、マクロゴール、プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を使用できる。
尚、この場合、等張性の溶液を調整するに充分な量の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを本発明薬剤中に含有させてもよい。
また、通常の溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を添加してもよい。
本発明の予防乃至治療剤が液状製剤である場合は、凍結保存または凍結乾燥等により水分を除去して保存してもよい。凍結乾燥製剤は、使用時に注射用蒸留水等を加え、再度溶解して使用される。
本発明の予防乃至治療剤を吸入剤として用いる場合、一般的に使用される従来公知の吸入剤用添加剤を使用して調製すればよい。この様な添加剤としては、例えば、噴射剤;白糖、乳糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビット等の固形賦形剤:プロピレングリコール等の不活性液体のような液状賦形剤;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、白糖等の結合剤;ステアリン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルク、ラウリル硫酸ナトリウム等の滑沢剤;安息香酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メチルパラベン、プロピルパラベン等の保存剤;クエン酸、クエン酸ナトリウム等の安定化剤;メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、レシチン、トリオレイン酸ソルビタン等の懸濁化剤;界面活性剤等の分散剤;水等の溶剤;塩化ナトリウム等の等張化剤;硫酸、塩酸等のpH調整剤;エタノール等の可溶化剤等があげられる。
さらに、本発明に係る予防乃至治療剤中には、必要に応じて着色剤、保存剤、香料、風味剤、甘味剤等や他の医薬品を含有させて調製することもできる。
TRXファミリーに属するポリペプチドの有効量は、当業者が従来の技術を参考に容易に決定することができるが、例えば、成人1人1日あたり0.001〜100mg/kg程度、好ましくは0.01〜10mg/kg程度、より好ましくは0.1〜10mg/kg程度である。
これを1日あたり1回又は数回に分けて投与することができるが、各種製剤の形態、患者の性別、年齢、疾患の程度に合わせて適宜調節することが好ましい。
[TRX誘導剤]
本発明の予防乃至治療剤として、体内でTRXを誘導する物質を用いて繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分による障害を抑制することもできる。この様な物質としては、スルフォラファンがあげられる。
スルフォラファンは、例えば、キャベツ、ムラサキキャベツ、ブロッコリー、ケール、ロケット菜、カリフラワー、ダイコン、ハクサイ、カブ、コマツナ、チンゲンサイ等に含まれ、これらの植物の新芽を用いることが好ましい。
中でも、スルフォラファンは、ブロッコリーの新芽(ブロッコリースプラウト)、ダイコンの新芽(カイワレダイコン)、ムラサキキャベツの新芽等に多く含まれている。
スルフォラファンは、従来公知の抽出方法に従って上記の植物から得ることができ、必要に応じて精製、凍結乾燥等の処理を加えてもよい。
得られたスルフォラファン含有抽出物は、スルフォラファンを0.001〜200mg/g程度、好ましくは0.005〜80mg/g程度、より好ましくは0.01〜50mg/g程度含むことが望ましい。
又、摂取されるスルフォラファンの量は、その用法、摂取する人の年齢、性別、体重、健康状態、その他の条件、症状の程度等により適宜選択されるが、成人1人当り1日当り0.001〜1000μg/kg程度、好ましくは0.005〜200μg/kg程度、より好ましくは0.01〜60μg/kg程度となるようにすることが望ましい。
上記のスルフォラファンの他に、TRX誘導剤であるゲラニルゲラニルアセトン(GGA)を組み合わせて使用することも可能である。
上記の抽出物をそのまま使用してもよく、TRX誘導剤を有効成分とする医薬製剤の形態で用いてもよい。医薬製剤の形態で使用する場合は、上記[TRX]で記載した製剤担体と共に調製することができる。
また、本発明のTRX誘導剤を有効成分とする製剤を、飲食品の形態で使用することもできる。飲食品の形態で使用する場合には、上記の抽出物に、原料である植物を加えて調製してもよい。
飲食品としては、例えば、健康食品、栄養補助食品(バランス栄養食、サプリメント等)、栄養機能食品、特定保健用食品、病者用食品等があげられる。これらの食品の製造方法は、チオレドキシン発現の誘導という所期の効果が得られるものであれば特に限定されず、各用途で当業者によって使用されている方法に従えばよい。
飲食品としては、例えば、ガム、キャンディー、グミ、錠菓、クッキー、ケーキ、チョコレート、アイスクリーム、ゼリー、ムース、プリン、ビスケット、コーンフレーク、チュアブルタブレット、ウエハース、煎餅等の菓子類;炭酸飲料、清涼飲料、乳飲料、コーヒー飲料、紅茶飲料、果汁飲料、栄養飲料、アルコール飲料、ミネラルウォーター等の飲料類;粉末ジュース,粉末スープ等の粉末飲料;バランス栄養食;粉末、カプセル、錠剤等の形態を有するサプリメント;ドレッシング、ソース等の調味料;パン類;麺類;かまぼこ等の練り製品;ふりかけ等があげられる。
又、チオレドキシンファミリーのポリペプチド(TRX)とチオレドキシン誘導剤を、組み合わせて本発明の予防乃至治療剤又は製剤として調製してもよい。
本発明の限定的解釈を望むものではないが、今回解明されたTRXの新たな作用効果として、第一に、TRXが、タバコの煙をはじめとする繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる障害において、該有害成分によって増大した好中球等の増加を抑えることが挙げられる。
即ち、タバコ等の煙に含まれる有害成分による障害の一要因に増大した好中球によって引き起こされる炎症反応があるが、TRXは、これら好中球の増加を抑えることによって(増大した好中球を原因とする)炎症反応を抑制することができる。
本発明に係る予防乃至治療剤は、TRX及びその誘導剤の1種以上を有効成分とするので、タバコ等の煙に含まれる有害成分によって引き起こされる(好中球増大に起因する)炎症反応を抑制する効果を(特定臓器においてのみならず、体全体において)発揮することができ、該有害成分を原因とする障害に広く有効である。
第二に、TRXが、タバコの煙をはじめとする繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分によって、その発現が誘導される初期の炎症性サイトカインである「TNF−α」及び「MIF」の発現を抑制することが挙げられる。
即ち、タバコ等の煙に含まれる有害成分によって引き起こされる障害の一要因に、該有害成分によって、その発現が誘導される「TNF−α」及び「MIF」による(全身性の)炎症反応があるが、TRXは、これら炎症性サイトカイン(TNF−α及びMIF)の発現を抑制することによって、体内の炎症反応を軽減させることができる。
TNF−αは、喫煙により引き起こされる全身の炎症反応に重要な役割を果たすが、今回の研究成果によって、TRXが、タバコ等の煙に含まれる有害成分によって引き起こされるTNF−αのmRNAの発現、並びにTNF−α蛋白の発現を抑制することが示された。
MIFは、マクロファージを炎症部位に集め、炎症、免疫反応を惹起し、特に遅延型アレルギー反応に密接に関与することが知られている他、TNF−α同様、喫煙により引き起こされる全身の炎症反応に重要な役割を果たすが、今回の研究成果によって、TRXが、タバコ等の煙に含まれる有害成分によって引き起こされるMIFのmRNAの発現、並びにMIF蛋白の発現を抑制することが示された。
本発明に係る予防乃至治療剤は、TRX及びその誘導剤の1種以上を有効成分とするので、タバコ等の煙に含まれる有害成分によって引き起こされる(TNF−α、MIFに起因する)炎症反応を抑制する効果を(肺、気管支、肝臓、心臓、脾臓、食道、胃等において)発揮することができ、該有害成分を原因とする障害に広く有効である。
第三に、TRXが、タバコの煙をはじめとする繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分によって、MMP−12の発現を抑制することが挙げられる。
即ち、タバコ等の煙に含まれる有害成分によって引き起こされる障害の一要因に、該有害成分によって、その発現が誘導されるMMP−12による炎症初期の肺胞構築の破壊、並びにその結果として(各臓器における)組織の繊維化があるが、TRXは、MMP−12の発現を抑制することによって炎症初期の肺胞構築の破壊を抑制し、結果として、組織の繊維化を軽減させることができる。
尚、組織の繊維化は、感染、慢性疾患および薬物処理に伴って発症し、一般に、慢性炎症に伴う炎症反応の後期反応と考えられており、あらゆる慢性疾患の共通因子として知られている。
MMP−12は、主にマクロファージから分泌されており、エラスチン(靱帯、肺、動脈などに多く存在)をはじめとする様々な細胞外マトリックスを分解する働きを持っている。マクロファージは、組織に炎症が起こる際、その病変部に集合するので、マクロファージから分泌されるMMP−12は、各種炎症性疾患(関節炎、肺気腫、動脈瘤、動脈硬化等)の発生や進展と深い関わりがある。
MMP−12は、マクロファージの遊走、浸潤を促進して慢性炎症性疾患を悪化させる作用をもつこと(Transgenic Res 13:261-9, 2003)の他、喫煙等によりMMP−12の活性が亢進されると、生体内でのエラスターゼとそのインヒビターの平衡バランスが崩れ、肺気腫、慢性気管支炎、繊維症等の原因となることが知られている。
即ち、MMP−12の活性を阻害できれば、組織の繊維化という点において共通するこれら疾患の治療に役立つ。
上述したとおり、MMP−12は、タバコの煙をはじめとする繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分により引き起こされる組織の繊維化等に重要な役割を果たすが、今回の研究成果によって、TRXが、タバコ等の煙に含まれる有害成分によって引き起こされるMMP−12のmRNAの発現を抑制することが示された。
本発明に係る予防乃至治療剤は、TRX及びその誘導剤の1種以上を有効成分とするので、(MMP−12に起因する)炎症初期の肺胞構築の破壊を抑制することができ、結果として、組織の繊維化を抑制する効果を発揮することができる。
従って、繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分を原因とする障害(特に慢性疾患)に広く有効である。尚、TRXがMMP−12の発現を抑制することは、好中球浸潤抑制機序の1つの可能性であると同時に、肺構造の破壊―肺気腫病変の進展抑制効果を有することを示唆する。
本発明にかかる予防乃至治療剤が適用可能な疾患群、即ち、タバコをはじめとする繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる障害について説明する。繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる障害とは、該有害成分によって起きる「炎症反応」、並びに「組織の繊維化」を引き起こすものであれば、特に限られるものではないが、後述する疾患を列挙することができる。
[疾患]
本発明の予防乃至治療剤が適用される疾患としては、繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分を吸入することによる呼吸器系、循環器系、消化器系及び脳における障害(例えば炎症等)があげられる。このような障害には、呼吸器系の器官又は臓器、食道、胃等において該有害成分の取り込みによって直接的に引き起こされる障害、及び呼吸により取り込まれた該有害成分が体内に吸収されることによって各種器官、臓器、組織等において間接的に引き起こされる障害が含まれるものとする。また、これらの障害に加え、繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分による、全身性の障害(例えば、全身性の炎症、アレルギー性疾患、胎児の奇形等)も含まれるものとする。
本発明において呼吸器とは、鼻腔、副鼻腔、咽頭、喉頭、気管、気管支、肺等の肺胞におけるガス交換に関係する全ての器官を指す。呼吸器系の疾患としては、肺気腫、慢性気管支炎等の慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)、気管支喘息、気管支拡張症、慢性副鼻腔炎、呼吸機能低下、呼吸不全、肺炎(好酸球性肺炎、間質性肺炎等を含む)、肺線維症、成人呼吸促迫症候群、慢性喉頭炎、呼吸細気管支炎、アレルギー性鼻炎等があげられる。また、歯周病、口内炎等の口腔内の障害も含まれる。
循環器としては、心臓、血管、血管内皮等の血液循環に関係する全ての器官が含まれる。循環器系の疾患としては、動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、心不全等があげられる。
また、消化器としては、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肝臓等の消化・吸収に関係する全ての器官が含まれる。消化器系疾患としては、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、慢性胃炎、萎縮性胃炎、びらん性胃炎、大腸ポリープ、肝繊維化等があげられる。尚、肝繊維化は慢性肝疾患に共通の事象であり、繊維化の進行は発癌のリスクにもつながる。
脳の疾患としては、脳梗塞、クモ膜下出血、脳血管性痴呆等があげられる。
加えて、肺癌、口腔癌、咽頭癌、副鼻腔癌、食道癌、胃癌、肝臓癌、膵臓癌、腎盂癌、膀胱癌、子宮頚癌等の悪性腫瘍も含まれる。
本発明の予防乃至治療剤は、例えば、黄班変性症、網膜塞栓症、網膜静脈閉塞症、白内障、緑内障、視力低下、難聴、嗅覚鈍麻、味覚鈍麻等の感覚器における障害にも有用である。
さらに本発明の治療剤は、繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分を、一過性に多量に吸入又は吸収することによって引き起こされる、痰等の粘液の分泌、末梢血管循環障害等にも有効である。また、本発明の予防乃至治療剤は、繊維質の燃焼時に発生する煙に直接接触することによって引き起こされる障害にも有効である。この様な症状としては、気道の熱傷等があげられる。
TRXは、妊娠初期に血清中の濃度が高くなるearly pregnancy factorの1つであり、また、胎盤におけるTRX発現が高いこと等から妊娠維持に重要であることが知られている。さらに、TRX過剰発現マウスでは、奇形発生率が低く、胎児の正常発生にTRXが重要であることが示唆されている。
従って、本発明の予防乃至治療剤は、妊婦が繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分を吸入することによって引き起こされる胎児の障害の予防又は治療にも有効である。胎児の障害として、例えば、低出生体重、流産、早産、周産期死亡、先天奇形、子宮内発育遅延、小児癌、乳幼児突然死症候群等があげられる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
実験動物には、C57BL/6マウス(コントロールとして使用:清水実験動物より購入)及びチオレドキシン−トランスジェニックマウス(TRX−Tg:京都大学ウイルス研究所作製)(それぞれ月齢2ヶ月の雄)を用いた。
SIS−CS喫煙暴露装置(柴田科学製)を使用して、タバコ20本分の煙を3%に希釈して30分間マウスの全身に暴露させ、30分休憩させた後、再び3%に希釈したタバコ20本分の煙に30分間全身暴露させた。
この条件で、喫煙暴露を連続3日間実施した。
[肺組織障害]
上記の喫煙暴露を行ったマウスの左肺を摘出してホルマリン伸展固定を行い、切片(4μm)を作成した。この切片にヘマトキシリン・エオジン染を(HE染色)を行った。結果を図1に示す。
炎症細胞の浸潤によりC57BL/6の気管支上皮では、粘膜上皮の反応が亢進していることがわかった。これに対して、TRX−Tgでは、喫煙暴露後も喫煙による障害を示すような所見は見られなかった。
[BALF中の炎症性細胞の計測]
上記の喫煙暴露スケジュール終了の翌日に、マウスを屠殺し、肺の洗浄液(BALF;5ml)を回収した。サイトスピン(Shandon社製)によるDiff−Quik染色標本を用いてBALF中の細胞総数及び炎症の指標である好中球(PMN)数を計測した。計測結果を、図2に示す。
BALF中の好中球数は、喫煙によって増加する。TRX−Tgマウスでは、喫煙後のBALF中の好中球増加が、C57BL/6マウスに比べて有意に少なかった。
肺組織障害及びBALF中の炎症性細胞の計測の結果より、喫煙による有害成分の直接刺激によって引き起こされる肺、気管支、食道、胃等の炎症に対し、TRXが有効であることが示された。
野生型のマウスにTRXを投与することによって、喫煙によるBALF中の好中球の増加が抑制されるかどうかを確認した。C57BL/6マウス(7週齢:雄)に喫煙暴露の直前及び喫煙暴露の3時間後にそれぞれTRX20μg/0.1ml生理食塩水を腹腔投与した(TRX投与群:合計40μg/日/マウス)。同様のスケジュールで生理食塩水を投与したC57BL/6マウスを、コントロール群として用いた。喫煙暴露は、実施例1と同様に行った。喫煙暴露スケジュール終了の翌日に、マウスを殺し、肺の洗浄液(BALF;5ml)を回収した。結果を図3に示す。
図3より、喫煙暴露を行ったTRX投与群(図3中、TRX喫煙暴露)において、喫煙暴露を行った生理食塩水投与群(図3中、生理食塩水喫煙暴露)よりもBALF中の総細胞数が、少ない傾向にあった。また、PMN数については、喫煙暴露を行ったTRX投与群の方が、コントロール群に比べ、有意に少なかった。
従って、TRXを投与された場合でも、喫煙による有害成分の直接刺激によって引き起こされる肺、気管支、食道、胃等の炎症に対し、TRXが有効であることが示された。
実験動物には、C57BL/6マウス(コントロールとして使用:清水実験動物より購入)及びチオレドキシン−トランスジェニックマウス(TRX−Tg:京都大学ウイルス研究所作製)(それぞれ9〜12週齢の雄)を用いた。SIS−CS喫煙暴露装置(柴田科学製)を使用して、タバコ20本分の煙を3%に希釈して30分間マウスの全身に暴露させ、30分休憩させた後、再び3%に希釈したタバコ20本分の煙に30分間全身暴露させた。この条件で、喫煙暴露を連続3日間実施した。
〔総RNA抽出およびリアルタイムRT−PCR解析〕
総RNAの抽出は、上記の喫煙暴露を行ったマウスの脾臓から「Rneay Mini Kit(キアゲン社製)」を用いて行った。総RNAの抽出手順は「Rneay Mini Kit」に添付のプロトコールに従った。得られたRNAの内、1μgを1本鎖cDNAの合成に利用した。逆転写反応は、RNA1μgに対し、ランダムへキサマー 250ngとRnase OUT inhibitor 40ユニット、逆転写酵素として、Super Script III Rnase H minus reverse transcriptase(インビトロゲン社製)を加えて、20μLの反応系で行った。
逆転写反応の後、得られたcDNAの全てをリアルタイム定量PCRに用いた。リアルタイム定量PCRは、ABI Prism 7000シークエンス検出システム(アプライドバイオシステム社製)を使用して、マウスのMIF遺伝子およびTNF−α遺伝子の発現を、TaqMan逆転写PCR(RT−PCR)法にて検出した。結果を図4に示す。
図4(a)より、喫煙暴露を行ったTRXトランスジェニックマウス群(TRX−tg)において、喫煙暴露を行ったコントロールマウス群(Wild-type)よりも(初期の)炎症性サイトカインである「MIF」のmRNAの転写活性が有意(p=0.05)に抑えられていた。
図4(b)より、喫煙暴露を行ったTRXトランスジェニックマウス群(TRX−tg)において、喫煙暴露を行ったコントロールマウス群(Wild-type)よりも(初期の)炎症性サイトカインである「TNF−α」のmRNAの転写活性が有意(p=0.025)に抑えられていた。
以上より、TRXは、タバコをはじめとする繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる炎症性サイトカイン(MIF、TNF−α)のmRNAの発現を抑えることが示された。
〔ウエスタンブロッティング解析〕
実験動物としては、上記リアルタイムRT−PCR解析の場合と同様、C57BL/6マウス(Wild-type群、n=3)及びチオレドキシン−トランスジェニックマウス(TRX−Tg群、n=3)(それぞれ9〜12週齢の雄)を用い、タバコ20本分の煙を3%に希釈して30分間マウスの全身に暴露させ、30分休憩させた後、再び3%に希釈したタバコ20本分の煙に30分間全身暴露させた。この条件で、喫煙暴露を連続3日間実施した。その後、それぞれの群から脾臓を取り出し、後述する解析に用いた。
抗体としては、抗マウスMIFポリクローナル抗体および抗マウスMIFポリクローナル抗体(何れもサンタクルズ社製)を使用し、Towbinら(1979)の方法に従って、ウエスタンブロッティング解析を行った。
マウスのMIF蛋白及びTNF−α蛋白の発現を確認した結果を図5(a)に示す。
図5(a)は、喫煙暴露後のチオレドキシン−トランスジェニックマウス(TRX−Tg、n=3)、並びにコントロールとしてのC57BL/6マウス(Wild-type、n=3)の脾臓組織中におけるMIF蛋白およびTNF−α蛋白の発現を、ウエスタンブロッティング法で確認した結果である。
前記結果より、喫煙暴露後のMIF蛋白の発現レベルは、C57BL/6マウスと比して、TRX−Tgマウスでは、顕著に減退していることが示された。
TNF−αについても同様、喫煙暴露後のTNF−α蛋白の発現レベルは、C57BL/6マウスと比して、TRX−Tgマウスでは、減退していることが示された。
図5(b)は、喫煙暴露後のTRX−Tgマウス、並びにコントロールとしてのC57BL/6マウスの脾臓組織中におけるMIF蛋白およびTNF−α蛋白の発現活性を、デンシトメトリー法で確認した結果である。
前記結果より、喫煙暴露後のTRX−TgマウスにおけるMIF蛋白およびTNF−α蛋白の発現レベルは、喫煙暴露後のC57BL/6マウスのそれと比して、減退していることが確認された。
以上より、TRXは、タバコをはじめとする繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる炎症性サイトカインであるMIF蛋白およびTNF−α蛋白の発現を抑えることが示された。
〔オキシブロット解析〕
(ウエスタンブロッティング解析で行った)脾臓以外の臓器において、酸化ストレスを評価するために、喫煙暴露後のTRX−Tgマウス群(n=3)及びC57BL/6マウス(コントロール)群(n=3)の「心臓」および「肝臓」において、オキシブロット解析を行った。ここでオキシブロット解析とは、酸化タンパク質分子内のcarbonyl基と2,4-dinitrophenylhydrazine(DNPH)を反応させ、生じた2,4-dinitrophenylhydrazone(DNP-hydrazone)を、DNP特異的抗体および二次抗体(HRP標識抗体)を用いて、化学発光で検出するものである。ウエスタンブロッティング解析でタンパク質の酸化レベルを解析できるキットである「OxyBlot Protein Oxidation Detection Kit(インビトロゲン社製)」を用いて、オキシブロット解析を行った。実験手順はキット添付のプロトコールに従った。結果を図6に示す。
図6は、喫煙暴露後のTRX−Tgマウス群(n=3)、並びにコントロールとしてのC57BL/6マウス群(n=3)の酸化ストレスを心臓(a)と、肝臓(b)において確認した結果を示したものである。これにより、タンパク質の酸化レベルは、喫煙により、心臓(a)および肝臓(b)において、強められるが、TRX−Tgマウス群では、コントロール群よりも、タンパク質の酸化レベルが強められていなかった。
以上より、TRXは、タバコをはじめとする繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる酸化ストレスによる障害を抑えることが示された。
[MMP−12を抑制する実験]
実験動物としては、C57BL/6マウス(コントロール群、n=3)及びチオレドキシン−トランスジェニックマウス(TRX−Tg群、n=3)(夫々9〜12週齢の雄)を、タバコ20本分の煙を3%に希釈して30分間マウスの全身に暴露させ、30分休憩させた後、再び3%に希釈したタバコ20本分の煙に30分間全身暴露させる条件で、喫煙暴露を連続3日間実施したものを使用した。
その後、それぞれの群から肺を取り出し、後述する解析に用いた。
MMP−12を抑制する実験として、リアルタイムRT−PCR解析を行った。
総RNAの抽出は、Rneay Mini Kit(キアゲン社製)を用い、上記喫煙暴露を行ったマウスの肺から、キットに添付のプロトコールに従い、総RNAを抽出した。得られたRNA1μgを1本鎖cDNAの合成に利用し、逆転写反応の後、リアルタイム定量PCRを行った。リアルタイム定量PCRは、ABI Prism 7000シークエンス検出システム(アプライドバイオシステム社製)を使用して、マウスのMMP−12遺伝子の発現を、TaqMan逆転写PCR(RT−PCR)法にて検出した。
結果を図7に示す。
図7より、喫煙暴露を行ったTRXトランスジェニックマウス群(n=3)において、喫煙暴露を行ったコントロールマウス群(n=3)よりも、繊維化助長因子であるMMP−12のmRNAの転写活性が有意に抑えられていた。
以上より、TRXは、タバコをはじめとする繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる炎症、並びに炎症に伴う繊維化を抑制することが示された。
実験動物には、C57BL/6マウス(コントロールとして使用:清水実験動物より購入)及びチオレドキシン−トランスジェニックマウス(TRX−Tg:京都大学ウイルス研究所作製)を用いた。月齢2ヶ月オスを通常飼育室で1ヶ月飼育後、月齢3ヶ月から喫煙曝露を開始した。
SIS−CS喫煙暴露装置(柴田科学製)を使用して、1日あたりタバコ10本、連続で50分間曝露した。
尚、上記喫煙暴露プロトコールは、血中HbCOを喫煙者のレベル10%前後にあわせることを目標として行われたものである。
[マウス喫煙肺気腫モデル]
上記の喫煙暴露を行ったマウス左肺を25cm HOのOCTで進展固定し、凍結切片(5ミクロン)を作製した。
この切片をヘマトキシリン染色し、形態学的評価を行った。
C57BL/6(Wild−type)では、6月間の喫煙暴露によって、肺気腫の症状である著明な気腔の拡大、肺胞壁の断裂が確認された。結果を図8に示す。
C57BL/6(Wild−type)とTRX−Tgマウスの6ヶ月喫煙暴露後の肺組織を比較した結果(図8)、C57BL/6で認められる著明な気腔の拡大、肺胞壁の断裂は、TRX−Tgマウスにおいては抑制されていた。
即ち、(喫煙3日暴露の動物モデルと比して)より慢性期の病態を反映する喫煙6月暴露のマウス喫煙肺気腫モデルにおいて、TRX−Tgマウスが肺気腫を抑制する傾向が確認された。
このことから、TRXの喫煙による障害(特に慢性)に対する治療効果が証明された。
尚、肺気腫は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の主たる病態の一つであることから、実施例7は、TRXのCOPDの予防乃至治療薬としての効果を直接証明するものである。
上記実験例1乃至7の結果により、TRXが、タバコの煙をはじめとする繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる障害(急性疾患および慢性疾患)に、広く有効であることが結論付けられた。
喫煙暴露後(3日)のTRX−Tgマウス及びC57BL/6マウスの肺切片の顕微鏡写真を示す。 喫煙暴露後のTRX−Tgマウス及びC57BL/6マウスのBALF中における好中球(PMN)及び総細胞数(total cell)の計測結果を示す。 TRX又は生理食塩水を投与したC57BL/6マウスのBALF中における好中球(PMN)及び総細胞数(total cell)の計測結果を示す。 喫煙暴露後のTRX−Tgマウス及びC57BL/6マウスの脾臓組織中におけるMIF(a)と、TNF−α(b)のmRNAの転写活性、並びにmRNAの転写活性抑制効果を示す。 (a)喫煙暴露後のTRX−Tgマウス及びC57BL/6マウスの脾臓組織中におけるMIF蛋白およびTNF−α蛋白の発現を、ウエスタンブロッティング法で確認した結果を示す。(b)喫煙暴露後のTRX−Tgマウス及びC57BL/6マウスの脾臓組織中におけるMIF蛋白およびTNF−α蛋白の発現活性を、デンシトメトリー法で確認した結果を示す。 喫煙暴露後のTRX−Tgマウス及びC57BL/6マウスの酸化ストレスを心臓(a)と、肝臓(b)において確認した結果を示す。 喫煙暴露後のTRX−Tgマウス及びC57BL/6マウスのMMP−12蛋白の発現を、肺組織において確認した結果を示す。 長期喫煙暴露後(6月)のTRX−Tgマウス及びC57BL/6マウスの肺切片の顕微鏡写真を示す。

Claims (10)

  1. チオレドキシンファミリーのポリペプチド及びその誘導剤の1種以上を有効成分とし、繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分による障害の予防乃至治療剤。
  2. チオレドキシンファミリーのポリペプチドがヒトチオレドキシンである請求項1に記載の予防ないし治療剤。
  3. 植物の繊維成分の煙が、タバコ、木材及び紙からなる群より選択されるいずれか1種を燃焼させた際に生じる煙である請求項1又は2に記載の予防乃至治療剤。
  4. 繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる障害が、呼吸器及び/又は消化器における炎症である請求項1乃至3いずれか記載の予防ないし治療剤。
  5. 呼吸器が、鼻腔、副鼻腔、咽頭、喉頭、気管、気管支及び肺胞からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の予防ないし治療剤。
  6. 消化器が、食道、胃、十二指腸、肝臓、小腸及び大腸からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項4に記載の予防ないし治療剤。
  7. 繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分によって引き起こされる障害が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)又は気管支喘息である請求項1乃至6いずれか記載の予防ないし治療剤。
  8. チオレドキシンファミリーのポリペプチド及びその誘導剤の1種または2種以上を有効成分とし、繊維質の燃焼時に発生する煙に含まれる有害成分による障害の予防乃至治療のための製剤。
  9. チオレドキシン誘導剤が、スルフォラファンである請求項8に記載の製剤。
  10. 飲食品の形態である請求項8又は9に記載の製剤。



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