JP2015038050A - 線維化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】非侵襲的に肺容量減少に有効であり、肺気腫の治療に有効な線維化剤の提供。【解決手段】ビーズ状の線維化剤。特に、肺気腫の肺胞または肺胞嚢の入口径(直径)の1倍以下のビーズ直径を有するビーズ状の線維化剤。ビーズの材料としては、罹患部における結合組織(特に、線維芽細胞)の増殖を誘導し、線維化を促進できるものであれば、特に制限されず、いずれの材料(線維化材料)、もしくはその組み合わせで使用できる。具体的には、生分解性材料である、アルギン酸塩、アルギン酸エステル等が好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、線維化剤に関する。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、正常な呼吸を妨げる肺疾患の広範な群を意味し、肺が、喘息、肺気腫及び慢性気管支炎から選択される、少なくとも1つの疾患の存在により閉塞する疾患である。COPDは、これらの症状が、しばしば同時に存在し、そして個々の症例において、どの疾患が肺の閉塞を引き起こす原因であるかを確認するのが難しい。臨床的には、COPDは、数ヶ月にわたって一定であり、慢性気管支炎の症例では連続2年以上持続する、肺からの呼気流量の低下によって診断される。COPDと関連のある2つの最も重篤な状態としては、慢性気管支炎および肺気腫がある。
このうち、肺気腫は、ガス交換の場となる呼吸細気管支や肺胞および肺胞嚢などの肺胞実質と呼ばれる組織に破壊をともなった異常な拡大が生じた状態をいう。正常な肺胞実質は呼息時に収縮するが、気腫化した肺胞実質は呼吸により拡張した後はもとにはもどらない。このため、呼気を十分に行えない。その上、肺胞の有効面積や血管床(肺胞の表面に縦横に走る毛細血管)が減るため、肺全体の換気能力が低下する。加えて、炎症によりエラスチンやコラーゲンなどが破壊されているため、肺の弾力性も低下し、気道を引っ張って広げていることができず、気管支が変形しやすい状態になっている。このため、呼気のときに肺が縮むと、その気管支が空気に満たされた周りの肺胞に圧迫されて狭くなり、肺が過膨脹し、空気が出にくくなる。肺気腫の患者は、空気を吐き出すために、くちびるをすぼめて呼気を行う。
日本では、約5万人がこの疾患により在宅酸素療法を受けているが、軽症な病態を抱えている人を含めると、約300万人が肺気腫の予備人口であるといわれている。治療法としては現在のところ在宅酸素療法と薬物療法が主である。酸素療法は、肺機能が重度に傷害されているため、空気から充分な酸素を吸収できない状況において、しばしば使用されるが、症状を緩和するだけであり、有効な治療方法とはいえない。また、薬物療法としては、気管支拡張薬を使用して、肺内の気道の開放を助け、息切れを少なくする方法;吸入用ステロイド剤や経口用ステロイド剤を使用することで、気道内の炎症を減らす方法;抗生物質を用いて、付加的な感染を予防・治療する方法;去痰薬を使用することで、気道からの粘液を取り除く方法などがある。しかしながら、全てのこれらの薬物療法は、肺気腫の制御や症状の緩和の助けとなるが、有効な治療法とはいえない。加えて、肺の損傷部分を除去し、肺の正常部分の膨張を促す肺縮小手術や肺移植などの外科的治療方法もあるが、この方法は患者への負担が大きく、また、代替される肺の確保が困難である。
開胸を伴わずにより非侵襲的に肺容量減少「LVR(Lung Volume Reduction)」を行うことができればより多くの患者に治療の機会を与えることができるが、現在の非侵襲性の治療術の成功率は小さい。例えば、非侵襲性の治療術として、液体等の流動性のある治療剤を肺領域や側副路に注入して、肺組織の線維化を促進する方法が報告される(例えば、特許文献1参照)。
米国特許出願公開第2003/0228344号明細書
しかしながら、上記特許文献1に記載されるように、流動性のある治療剤は、罹患した肺領域(例えば、肺胞、肺胞嚢)への留置性(保持性)に劣るため、ターゲットとした罹患部の線維化を十分促進することができない。ゆえに、非侵襲的な肺容量減少法は肺気腫の有効な治療方法として強く希求されているにもかかわらず、現在のところ当該分野には十分な治療法が存在しないのが現状である。
したがって、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、非侵襲的な肺容量減少に有効な線維化剤を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、上記線維化剤を用いる有効な非侵襲的な肺容量減少法を提供することである。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、ビーズ状の線維化剤を使用することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、上記諸目的は、ビーズ状の線維化剤によって達成できる。
本発明のビーズ状の線維化剤はターゲットとする罹患部への留置性(保持性)が高いので、罹患部に留まり、線維化を効率よく誘発・促進できる。
実施例1のビーズ1、比較例1のアルギン酸ナトリウム水溶液および比較例2のゲル状物を投与した肺組織の光学顕微鏡写真(200倍)である。 実施例1のビーズ1〜3を投与した肺組織の光学顕微鏡写真(40倍、100倍、200倍)である。
本発明は、ビーズ状の線維化剤(以下、単に「線維化剤」とも称する)に関する。本発明の線維化剤は、生体内に投与されると、異物と認識され、結合組織(特に、線維芽細胞)の増殖を誘導し、線維化を誘発・促進する。また、本発明の線維化剤は、ビーズ形状を有するため、流動性が低いまたは流動性を示さない。このため、本発明の線維化剤をターゲットとする罹患部に投与しても、罹患部から留出しにくいまたは留出しない。ゆえに、本発明の線維化剤は、罹患部に留まり、線維化を効率よく誘発・促進できる。例えば、本発明の線維化剤を肺気腫の患者の罹患した肺胞または肺胞嚢(罹患部または病変部;以下同様)に投与すると、当該罹患部(肺胞または肺嚢胞)の局所的な線維化および萎縮を誘発・促進して、肺容量を減少できる。したがって、本発明の線維化剤は、肺気腫の治療に好適に使用できる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味し、「重量」と「質量」、「重量%」と「質量%」及び「重量部」と「質量部」は同義語として扱う。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
[ビーズ状の線維化剤]
本発明の線維化剤は、ビーズ形状を有する。ここで、「ビーズ状」または「ビーズ形状」とは、固体の球状または略球状を意図し、液状(溶液、懸濁液、エマルジョン)やゲル状のような流動性を実質的に持たない。また、中実、中空構造を適宜選択できる。このため、生体内のターゲットとなる罹患部位に投与されても、罹患部での留置性(保持性)に優れるため、罹患部から実質的に留出しない。この際、「実質的に」とは、線維化剤全重量に対して、50重量%以上(上限:100重量%)を占めることを意味し、75重量%以上(上限:100重量%)、より好ましくは90重量%以上(上限:100重量%)、さらにより好ましくは95重量%以上の割合を占めることが好ましい。
本発明の線維化剤の大きさは、特に制限されない。具体的には、本発明の線維化剤は、肺気腫の肺胞または肺胞嚢の入口径(直径)の2倍以下のビーズ直径(ビーズ直径≦2×肺気腫の肺胞または肺胞嚢の入口径(直径))を有することが好ましく、1倍以下のビーズ直径を有することがより好ましい。このような大きさであれば、罹患部により効率よく留まり、罹患部からの留出(排出)をより有効に抑制・防止できる。ここで、肺気腫の肺胞または肺胞嚢の入口径(直径)は、肺気腫の重篤度、患者の種類や体重、部位などによって異なるが、例えば、ヒト肺気腫患者では、おおよそ1〜2mmである。ゆえに、ヒト肺気腫患者では、本発明の線維化剤は、2mm以下のビーズ直径を有することが好ましい。なお、本発明の線維化剤の大きさの下限は、特に制限されないが、正常な肺胞または肺胞嚢の入口径(直径)より大きいビーズ直径(ビーズ直径>正常な肺胞または肺胞嚢の入口径(直径))を有することが好ましく、正常な肺胞または肺胞嚢の入口径(直径)の1.1倍以上のビーズ直径を有することがより好ましい。このような大きさであれば、正常な組織(肺胞、肺胞嚢)には線維化剤が入らず、罹患部(肺気腫の肺胞または肺胞嚢)に選択的に線維化剤を導入/投与できる。ここで、正常な肺胞または肺胞嚢の入口径(直径)は、患者の種類や体重、部位などによって異なるが、例えば、ヒトでは、おおよそ200〜300μmである。なお、本明細書中において、「ビーズ直径」とは、ビーズ(粒子)の中心を通る輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離を意味するものとする。このため、ビーズが不定形である場合には、最大長さをビーズ直径とする。「ビーズ直径」は、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)、マイクロスコープなどの観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用する、もしくは粒度分布測定装置を用いて測定するものとする。また、罹患部の線維化の誘発/促進効果を鑑みると、本発明の線維化剤の大きさ(ビーズ直径)は小さいことが好ましい。本発明の線維化剤が小さいほど単位重量当たりの表面積が大きくなるため、線維化剤の添加時の罹患部(肺気腫の肺胞壁または肺胞嚢壁)との接触面積が増加して、線維化促進効果を向上できる。上記に加えて、線維化剤を罹患部(例えば、肺胞または肺嚢胞)まで容易にかつ効率よく送達できる。このような観点を鑑みると、本発明の線維化剤は、好ましくは2000μm以下、より好ましくは1000μm以下、特に好ましくは100μm未満の大きさ(ビーズ直径)を有する。このように小さな線維化剤であれば、十分に大きな表面積を稼げるため、罹患部に投与された際に接触部位の結合組織(特に、線維芽細胞)の増殖を誘導/促進し、線維化をより効率よく促進できる。上記形態での本発明の線維化剤の大きさの下限は、特に制限されない。ただし、小さすぎると、マクロファージや樹状細胞に貪食される可能性がある。線維化剤は、貪食されにくい大きさが好ましい。一般的にマクロファージが貪食する大きさは200nm〜5μmであることから、本発明の線維化剤は、好ましくは200nm超、より好ましくは1μm以上、特に好ましくは5μm超の大きさ(ビーズ直径)を有する。このような大きさであれば、投与後であっても、線維化剤がマクロファージや樹状細胞に貪食されることなく、実質的にすべての線維化剤を所望の罹患部に導入/投与できる。また、このような大きさであれば、投与された罹患部の炎症を惹起することを有効に抑制/防止できる。
本発明の線維化剤は、マクロファージや樹状細胞による貪食を抑制・防止するような表面修飾を施してもよい。このような場合には、上記したような大きさより小さな大きさであってもよい。ただし、線維化剤は、10nmを超える大きさ(ビーズ直径)を有することが好ましい。このような大きさであれば、炎症の惹起を抑制・防止できる。上記に代えてまたは上記に加えて、本発明の線維化剤は、接着性および/または線維化の向上を目的として、プラズマ処理、ポリエチレングリコール、アニオン化、カチオン化などの表面修飾を施してもよい。
本発明の線維化剤は、罹患部における結合組織(特に、線維芽細胞)の増殖を誘導し、線維化を促進できるものであれば、特に制限されず、いずれの材料(線維化材料)、もしくはその組み合わせで使用できる。具体的には、生分解性材料、組織細胞増殖抑制/阻害材料、柔軟性重合硬化物、癒着剤などが挙げられる。ここで、生分解性材料としては、フィブリン、フィブリノゲン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム等のアルギン酸塩、アルギン酸エステル、トロンビン、ボラート、カルシウム、マグネシウム、コンドロイチン硫酸、ポリアミノ酸、ポリ−L−リジン(PLL)、ポリ−L−アルギニン、ポリ−オルニチン、ヒアルロン酸、ゼラチンなどのタンパク質、デンプン、コラーゲン、グルコサミノグリカン、アガロース、デキストラン、プルラン、ヘパリン、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリアスパラギン酸、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリジオキサノン、プラスターチ材、ゼイン、ポリジオキサン、ポリ乳酸グリコール酸共重合体、多糖、大豆タンパク、リン脂質、コレステロール、リン脂質コレステロール重合体、ポリリンゴ酸、サクラン、ポリヒドロキシブチレート/バリレート、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート/アジペート、ポリエチレンサクシネート、脂肪族ポリエステル、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、酢酸ビニルアクリル酸メチル共重合体、自己血、血球成分、血清、血漿、骨髄液、脂肪、幹細胞などの生体由来材料、その他脱架橋による分解など公知の材料などが挙げられる。上記に加えてまたは上記に代えて、特開2000−160034号公報、特開2002−146219号公報等に記載される生分解性材料もまた好適に使用できる。
組織細胞増殖抑制/阻害材料としては、以下に制限されないが、特表2009−514860号公報に記載される、ポリカチオンまたはポリカチオンとポリアニオンとの複合体、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等のポリカチオン性ポリマーが挙げられる。ここで、ポリカチオンは、複数の正電荷および正味の正電荷を有するポリアミノ酸または合成ポリペプチドでありうる。より具体的には、ポリアミノ酸としては、ポリ−D−リジン、ポリ−L−リジン、ポリ−DL−リジン、ポリアルギニン、ポリヒスチジン、ポリオルニチン、ポリエチルアミンなどが挙げられる。合成ポリペプチドは、リジン、アルギニン、またはヒスチジンなどの1種類の正に帯電した(すなわち、塩基性の)アミノ酸のホモポリマー、または2種類以上の正に帯電したアミノ酸のヘテロポリマーであってもよい。さらに、上記ポリマーは、オルニチン、5−ヒドロキシリジンなどの1つ以上の正に帯電した非標準アミノ酸を含んでいてもよい。すなわち、ポリ(γ−ベンジル−L−グルタミン酸塩)など、他の基を用いてポリペプチドを官能基化してもよい。また、ポリカチオンの大きさは、特に制限されないが、100〜4000、200〜3000、300〜2000、500〜1000のアミノ酸残基でありうる。なお、上記ポリアミノ酸または合成ポリペプチドは、当業者に既知の方法、例えば、化学的合成または組換法により製造しうる。または、ポリカチオンは、好ましくは10〜500kD、より好ましくは20〜250kD、さらにより好ましくは50〜200kDの分子量を有する。ここで、分子量は、当該公知の方法、例えば、電気泳動、サイズ排除クロマトグラフィー、多角度レーザー光散乱によって測定できる。また、ポリカチオンと複合体を形成できるポリアニオンとしては、以下に制限されないが、ヘパラン硫酸、ヘパリン/ヘパラン硫酸、デルマタン硫酸、コンドロイチン硫酸、ペントサン硫酸、ケラタン硫酸、ケラチン硫酸、ムコポリサッカライドポリサルフェート、カラギーナン、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、ヒアルロン酸、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、カルボキシメチルセルロース、およびランダムに構造化された核酸;ならびにセルロース、キシロース、N−アセチルラクトサミン、グルクロン酸、マンヌロン酸、グルロン酸等の多糖、およびこれらの硫酸化物、カルボキシメチル化物;Asp、Glu、Lys、Orn、Arg、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Met、Pro、Phe、Trp、Asn、Gln、Ser、Thr、Tyr、Cys、およびHisからなる群より選択される複数のアミノ酸を含み、前記アミノ酸の約25%以上はAspおよび/またはGluでありかつ前記アミノ酸の約5%以下がLys、Orn、およびArgからなる群より選択されるポリアミノ酸;式:ポリ(X−Y)、ポリ(X−Y−Y)またはポリ(X−Y−Y−Y)で表されるポリアミノ酸(ただし、Xは、それぞれ独立して、AspまたはGluであり;Yは、それぞれ独立して、Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Met、Pro、Phe、Trp、Asn、Gln、Ser、Thr、Tyr、CysまたはHisである)などが挙げられる。
柔軟性重合硬化物としては、以下に制限されないが、シアノアクリレート系モノマーがあり、これは、水分と接触すると、重合してポリシアノアクリレートとなる。具体的には、メチルα−シアノアクリレート、エチルα−シアノアクリレート、プロピルα−シアノアクリレート、ブチルα−シアノアクリレート、シクロヘキシルα−シアノアクリレート、ヘプチルα−シアノアクリレート、オクチルα−シアノアクリレート等のアルキルおよびシクロアルキルα一シアノアクリレート;アリルα−シアノアクリレート、メタリルα−シアノアクリレート、シクロヘキセニルα−シアノアクリレート等のアルケニルおよびシクロアルケニルα−シアノアクリレート;プロパンギルα−シアノアクリレート等のアルキニルα−シアノアクリレート;フェニルα−シアノアクリレート、トルイルα−シアノアクリレート等のアリルα−シアノアクリレート;ヘテロ原子を含有するメトキシエチルα−シアノアクリレート、エトキシエチルα−シアノアクリレート、フルフリルα−シアノアクリレート;ケイ素を含有するトリメチルシリルメチルα−シアノアクリレート、トリメチルシリルエチルα−シアノアクリレート、トリメチルシリルプロピルα−シアノアクリレート、ジメチルビニルシリルメチルα−シアノアクリレートなどが挙げられる。
癒着剤としては、以下に制限されないが、タルク、テトラサイクリン系、ピシバニール(OK432)、抗癌剤、ポビドンヨード、硝酸銀などの胸膜を化学的に刺激し、胸膜炎を惹起する薬剤が挙げられる。ここで、タルクは、含水珪酸マグネシウム[Mg3Si410(OH)2]で、SiO2 約60%、MgO 約30%及び結晶水 約4.8%が主成分である。ピシバニール(OK432)は、ストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)(A群3型)Su株(溶連菌の一種)のペニシリン処理凍結乾燥粉末である。抗癌剤としては、以下に制限されないが、ブレオマイシン、シスプラチンなどが挙げられる。
上記に加えてまたは上記に代えて、特表2009−514860号公報に記載される材料、例えば、ポリビニルアルコール、ジェランガム(シュードモナス・エロディア(Pseudomonas elodea)による炭水化物の純培養発酵により生成され、イソプロピルアルコールで回収することにより精製され、乾燥、粉砕された高分子質量多糖類樹脂)、ジェランガム塩(ナトリウム塩、カリウム塩)、ボロネート、ポリ−エチルアミン、ポリヒスチジン、セルロース、キシロース、N−アセチルラクトサミン、グルクロン酸、マンヌロン酸、グルロン酸、ヘパラン硫酸、デルマタン硫酸、ペントサン硫酸、ケラタン硫酸、ムコポリサッカライドポリサルフェート、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロゲル、アクリルアミド、アガロース、ケラチン、キチン、キトサン、部分脱アセチル化キチン、アミノ化セルロース等の塩基性多糖類;さらにはアクリルアミド、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエステル、フッ化樹脂、シリカ、シリコーン、ハイドロキシアパタイト、セラミック、骨セメント、ガラス、金属、ケイ素化合物、シロキサン、架橋ポリマー、多孔質体または特開2001−164127号公報に記載の材料などもまた好適に使用できる。
これらのうち、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸カルシウム等のアルギン酸塩、アルギン酸エステル、カルシウム、マグネシウム、ゼラチン、コラーゲン、アガロース、デキストラン、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ乳酸グリコール酸共重合体、大豆タンパク、リン脂質、リン脂質コレステロール重合体、酢酸ビニルアクリル酸メチル共重合体が好ましく、アルギン酸塩およびアルギン酸エステルがより好ましい。なお、上記線維化材料は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。
本発明の線維化剤は、上記線維化材料を必須に含むが、上記材料に加えて、形状の安定化や機能の付加のために、脂質や界面活性剤、その他の添加剤を含んでもよい。ここで、添加剤としては、特に制限されず、適用される疾患の種類、重篤度等によって適宜選択できる。具体的には、ペニシリン、ビクシリン(アンピシリンナトリウム)等のペニシリン系抗生物質、アミノグリコシド系抗生物質、テトラサイクリン、スルホンアミド、p−アミノ安息香酸、ジアミノピリミジン、キノロン、β−ラクタム、β−ラクタマーゼ阻害剤、クロラフェニコール、マクロライド、セファロスポリン、リノマイシン、クリンダマイシン、スペクチノマイシン、ポリミキシンB、コリスチン、バンコマイシン、バシトラシン、イソニアジド、リファンピン、エタンブトール、エチオナミド、アミノサリチル酸、サイクロセリン、カプレオマイシン、スルホン、クロファジミン、サリドマイド、ポリエン系抗真菌剤、フルシトシン、イミダゾール、トリアゾール、グリセオフルビン、テルコナゾール、ブトコナゾールシクロピラックス、シクロピロックスオラミン、ハロプロジン、トルナフテート、ナフチフィン、テルビナフィン等の抗感染薬;放射線不透過物質(例えば、メトリザミド、イオパミドール、ヨータラム酸ナトリウム、ヨードミドナトリウム、メグルミン等の水溶性放射線不透過物質、ならびに金、チタン、銀、ステンレス鋼、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム等の水不溶性放射線不透過物質)、常磁性体、重原子、遷移金属、ランタニド、アクチニド、染料、放射性核種等のコントラスト促進剤;ステロイド;気管支拡張薬;線維芽細胞成長因子(FGF)、血管内皮細胞成長因子(VEGF)、神経成長因子(NGF)、上皮成長因子(EGF)、インスリン様成長因子(IGF)、トランスフォーミング成長因子(TGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)、血小板由来成長因子(PDGF)、エリスロポエチン(EPO)、トロンボポエチン(TPO)、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGFまたはFGF2)、肝細胞増殖因子(HGF)、骨形成タンパク質(BMP)、ニューロトロフィン(神経栄養因子:NGF、BDNF、NT3など)および上記因子のファミリー等の成長因子;多血小板血漿(PRP)、自己血、血清、血漿、血球成分、骨髄液、骨髄由来細胞、脂肪、脂肪幹細胞、間葉系幹細胞等の生体由来成分;アシルグリセロール、中性脂肪、蝋、セラミド、リン脂質、スフィンゴリン脂質、グリセロリン脂質、糖脂質、スフィンゴ糖脂質、グリセロ糖脂質、リポタンパク質、スルホ脂質 、イソプレノイド、脂肪酸、テルペノイド、ステロイド、カロテノイドなどの各種脂質;脂肪酸ナトリウム、モノアルキル硫酸塩、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、モノアルキルリン酸塩などのアニオン性界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤、アルキルジメチルアミンオキシド、アルキルカルボキシベタインなどの双性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸ソルビタンエステル、アルキルポリグルコシド、脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルモノグリセリルエーテルなどのノニオン性界面活性剤などが挙げられる。上記添加剤は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合物の形態で使用されてもよい。また、本発明の線維化剤が添加剤を含む場合の、添加剤の量は、特に制限されず、適用される疾患の種類、重篤度等によって適宜選択できる。好ましくは、添加量の含有量は、線維化剤に対して、1〜200重量%である。
本発明の線維化剤の製造方法は、特に制限されず、公知の方法が同様にしてあるいは適宜修飾して適用できる。例えば、アルギン酸カルシウムの場合には、一方の液を他方の液に噴霧する2液から調製する方法が使用できる。また、本発明の線維化剤を所定の大きさに調整する場合には、線維化剤を、例えば、所望とする粒子径未満の粒子(微粒)と、所望とする粒子径の粒子(目的粒)と、分級により所望とする粒子径より大きい粒子(粗粒)に分級することが好ましい。分級する方法としては、従来公知の分級機等を使用して行なうことができる。例えば、篩網を用いて網目を通過する細粒と通過しない粗粒とに分けるふるい分け機、水平流型、上昇流型などによる沈降速度と上昇流速度との差によって粗粒と微粉末とを分級する重力分級機、遠心力場における粒子の沈降を利用する遠心分級機、粒子を含んだ気流の方向を急に変化させて慣性の大きい粒子を流線からはずして分級する慣性分級機などを使用することができる。なお、本発明は、上記好ましい形態に限定されず、他の方法も同様にしてあるいは適宜修飾して適用できる。
[用途]
本発明の線維化剤は、その形状により、投与後の罹患部からの留出を抑制/防止する。ゆえに、本発明の線維化剤は、罹患部に効率よく留まり、線維化を誘発・促進する。このため、本発明の線維化剤は、罹患部の線維化を促進するために好適に適用できる。ここで、適用部位は、特に制限されないが、本発明の線維化剤を肺気腫の患者の罹患した肺胞または肺胞嚢(罹患部)に投与すると、当該罹患部(肺胞または肺嚢胞)の局所的な線維化および萎縮を誘発・促進し、肺容量を減少できる。したがって、本発明の線維化剤は、肺に好適に使用でき、肺気腫の治療に特に好適に使用できる。
すなわち、本発明は、(a)カテーテルを、気道から気管、気管支または細気管支へ挿入し(工程(a));(b)前記カテーテルを介して肺胞または肺胞嚢を含む呼吸域中に本発明の線維化剤を投与する(工程(b))ことを有する、肺の罹患部の線維化方法をも提供する。本発明の方法により、肺胞または肺胞嚢の線維化を促進することが好ましい。また、本発明の方法は、肺気腫の治療を目的とすることが好ましい。
なお、本明細書中、「呼吸域」とは、気管支樹(respiratory bronchiole)および肺胞域(two alveoli)を含む気管支より末端側の呼吸器官の総称である。具体的には、呼吸域は、気管支、細気管支、終末細気管支、呼吸細気管支、肺胞管(肺胞道)、肺胞、肺胞嚢、肺静脈、肺動脈を含み、呼吸細気管支、肺胞管(肺胞道)、肺胞、肺胞嚢、肺静脈を含むことが好ましい。また、本明細書では、「肺胞または肺胞嚢」は、肺胞および肺胞嚢の少なくとも一方を意図し、一括して「肺胞実質」とも称する。
本発明の方法により投与される対象は、特に制限されないが、哺乳動物であることが好ましい。具体的には、投与対象は、ヒト、ペット、家庭動物、農場動物であり、より具体的には、ウサギ、犬、猫、馬、ヒツジ、ヤギ、霊長類、牛、豚、ラット、マウス、または他の動物が挙げられる。これらのうち、投与対象は、ヒト、ウサギ、犬、豚であることが好ましく、ヒトであることがより好ましい。
以下、上記方法について説明する。しかし、本発明は、下記形態に限定されない。
(工程(a))
本工程では、カテーテルを、気道から気管、気管支または細気管支へ挿入する。ここで、カテーテルは、いずれの部位にまで挿入されてもよいが、カテーテル先端を少なくとも第8分岐にまで挿入(設置)することが好ましい。気腫化した肺胞の開口部は、通常、第8分岐〜第12分岐より先に形成される。このため、カテーテル先端を第8分岐またはその先まで挿入することによって、次工程(b)で、狭い範囲に(所望の罹患部により選択的に)かつより多数の線維化剤を、気腫化した肺胞または肺胞嚢(以下、単に「気腫化した肺胞実質」とも称する)に導入/投与して、より効果的に線維化を誘発/誘導できる。また、カテーテル先端を第8分岐またはその先まで挿入することによって、正常な肺胞または肺胞嚢(以下、単に「正常な肺胞実質」とも称する)に線維化剤が入ることをより有効に抑制/防止する。このため、正常な肺胞または肺胞嚢は維持しつつ、正常な肺胞実質の線維化をより有効に抑制/防止できる。上記点を考慮すると、例えば、ヒト患者を対象とする場合には、カテーテルの外径は、好ましくは1.5〜5mm、より好ましくは2〜4mmである。なお、本明細書では、気管の最初の左右分岐を第1分岐とする。
カテーテルは、特に制限されず、導入する気管支または細気管支の直径(分岐回数)に応じて適宜選択される。具体的には、医療用途に使用される公知の呼吸器系、循環器系、消化器系カテーテル、米国特許出願公開第2006/0283462号明細書に記載のカテーテルなどが使用できる。また、カテーテルの構造もまた、特に制限されず、バルーンを有していてもよいし、バルーンをもたないものであってもよいが、気管内への搬送の容易性や線維化剤の投与しやすさなどを考慮すると、バルーンを有していることが好ましい。カテーテルのルーメンの数および内径もまた、特に制限されず、投与される物質(例えば、投与される線維化剤の数、直径、添加剤の投与の有無など)、バルーンの有無などによって適宜選択される。
また、気腫化した肺胞実質近傍にカテーテルを挿入する際には、より近位部側に配置されたシースを介してカテーテルを挿入してもよい。前記シースの構造は、特に制限されず、バルーンを有していてもまたはバルーンをもたないものであってもよいが、気管支または細気管支を閉塞可能なバルーンを有していることが好ましい。これにより、シースを気管支または細気管支に固定できるため、カテーテルを安定して所望の位置にまで挿入できる。この際、シースに配置されるバルーン及びカテーテルに配置されるバルーンの気管支または細気管支内への設置位置は特に制限されない。好ましくは、シースに配置されるバルーンが気管支に、カテーテルに配置されるバルーンがより末端側の気管支に、特に細気管支に設置される。このように、バルーンにより気管支または細気管支を閉塞することで、シースより遠位部側の気密度を高めることが可能となり、カテーテルを介して気腫化した肺胞実質に線維化剤をより効率的に導入/投与できる。また、シース及びカテーテルのバルーン双方で気管支または細気管支の異なる部位を閉塞することによって、これらのバルーン間(例えば、正常な肺胞実質)の圧力ならびにカテーテルのバルーンより末梢側(例えば、気腫化した肺胞実質)の圧力を、それぞれ、容易に調節することができる。
シースのバルーンで気管支または細気管支を閉塞することで、シースのバルーンより近位側においては、呼吸圧を加えて換気を維持することができ、効率的で安全な処置が可能である。ここで、シースのバルーンの拡張・収縮方法は、特に制限されないが、例えば、シースの基端側に設けられた三方活栓を用いて行われうる。
さらに、シース付属のバルーンより遠位部に於ける圧力を一定にすることで、カテーテルより先端側の操作を安定して行うことができる。一例として、シースのバルーンで気管支または細気管支を閉塞し、シースにより遠位部を減圧することで、カテーテルに付属のバルーンへの気管支壁または細気管支壁の密着度を上げ、かつ、カテーテルより遠位部への側副路からの気体流入を防ぐことで、カテーテルより遠位部の減圧を容易にする。また、カテーテルより遠位部に一定圧力で線維化剤を導入/投与する際、前記シースより遠位部の圧力を線維化剤注入圧力よりも小さく、一定に保つことでより効率よく線維化剤を送達できる。ここで、シースより先端(末梢)側やカテーテルより先端(末梢)側の圧力の制御方法は特に制限されない。具体的には、シースの基端側に設けたシール弁体を介して、カテーテルをシース中に挿入する。このようにシール弁体を設けることによって、シースより先端(末梢)側の肺胞実質内を閉鎖系にすることができるため、当該部位の圧力制御を容易に行うことができる。また、シースの基端部に三方活栓を設け、この三方活栓から気体を導入または吸引することによって、シースより先端(末梢)側の肺胞実質内の圧力を制御することができる。カテーテルより先端(末梢)側の圧力の制御方法もまた同様にして行われうる。カテーテルの基端側にシール弁体を設けることによって、カテーテルより先端(末梢)側の肺胞実質内を閉鎖系にすることができるため、当該部位の圧力制御が容易に行うことができる。また、カテーテルの基端側に三方活栓を設け、この三方活栓から気体を導入または吸引することによって、カテーテルより先端(末梢)側の肺胞実質内の圧力を制御することができる。また、カテーテルのバルーンの拡張・収縮方法は、特に制限されないが、カテーテルの基端側に設けられた三方活栓を用いて行われうる。また、カテーテルの所望の位置への挿入をより容易にすることを目的として、カテーテルはガイドワイヤーを導入するためのルーメンを有していてもよい。
例えば、気管支を閉塞するためのカテーテルのバルーンを備えたカテーテルであって、遠位部側と近位部側とに開口部を備えて遠位部側に送液可能なルーメンを備えたカテーテル、心臓血管領域において血管内腔の狭窄治療に用いられるOTW型のPTCAカテーテルが使用される。ここで、カテーテルは、市販品を使用してもよく、例えば、心臓血管領域において血管内腔の狭窄にガイドワイヤーを通過させるために用いられるマイクロカテーテル(例えば、FINECROSS(登録商標)、テルモ株式会社製)、PTCAカテーテル(例えば、Ryujin Plus OTW(登録商標)、テルモ株式会社製)、オクリュージョンマイクロバルーンカテーテル(例えば、ATTENDANT(登録商標)、テルモクリニカルサプライ社製)などが使用される。ここで、上記カテーテルは、気管支鏡のワーキングルーメンから気管支内腔へ挿入されうるが、任意の箇所にカテーテルを配置できるのであれば、気管支鏡を使用することは必須ではない。また、カテーテルもしくはカテーテルのバルーンの拡張時の外径は、特に制限されず、気管支または細気管支の直径に応じて適宜選択される。具体的には、カテーテルのバルーンの拡張時の外径は、挿入されたカテーテル先端に位置する気管支または細気管支の内径よりもやや大きめのサイズとなるものを用いることが望ましい。より望ましくは、カテーテルのバルーンの拡張時の外径[Y(mm)]は、気管支または細気管支の内径[X(mm)]の約1〜2倍である。この場合には、弾性に富む平滑筋によって形成される気管支または細気管支が、過度に損傷を受けることなく、カテーテルもしくはバルーン部に圧着できる。
本工程において、カテーテルのルーメン(例えば、送液用のルーメン)にガイドワイヤーを挿入して、カテーテルを気管支または細気管支に導入してもよい。これにより、カテーテルの先端よりもガイドワイヤーの先端を、より末梢側に配置されるような位置関係に保ちながら操作を行うことが可能である。このため、カテーテル先端部を、気管支または細気管支より末梢側の肺胞嚢(空気嚢)または肺胞の組織近くに誘導できる。ここで、ガイドワイヤーとしては、医療用途に使用される公知の呼吸器系、循環器系、消化器系ガイドワイヤーなどが使用でき、その外径などは使用するカテーテルのルーメンの大きさなどに応じて適宜選択できる。具体的には、心臓血管の治療で用いられるガイドワイヤー、例えば、Runthrough(登録商標)(テルモ株式会社製、外径:0.014インチ)のガイドワイヤーなどが使用できる。
ガイドワイヤーの先端部やカテーテルの先端には、造影性を有する部材が配置されることが好ましい。X線透視下で観察することによって、内視鏡の先端から突出したガイドワイヤーおよびカテーテルの先端位置を把握し、X線透視やCT撮影によって予め特定した気腫化した肺胞または肺胞嚢を含む呼吸域まで誘導することができる。この場合には、X線透視により目的の部位にカテーテルの先端が到達していることを確認した後、ガイドワイヤーを抜去する。また、カテーテルの先端よりもガイドワイヤーの先端がより末梢側に配置されるような位置関係を保ちながら操作を行うことが好ましい。加えて、カテーテル先端が、網目構造または複数の孔を有するなどの、肺胞、肺胞嚢をはじめとする呼吸域内壁に付着するのを抑制・防止できる構造を有することが好ましい。
(工程(b))
本工程では、上記工程(a)で挿入したカテーテルを介して、肺胞または肺胞嚢を含む呼吸域中に本発明の線維化剤を投与する。当該操作によって、線維化剤を効率よく罹患部(気腫化した肺胞実質)内に配置して、当該部位での線維化を誘発・促進して、肺容量を減少する。
上述したように、罹患部(気腫化した肺胞実質)内での留置性(保持性)や線維化誘発・促進効果などの点で、線維化剤の大きさ(ビーズ直径)が重要な役割を担う。このため、一般的な肺気腫患者の罹患部の入口径を基に、罹患部の入口径を測定せずに、線維化剤を罹患部に導入/投与する、または、本工程(b)の前に、予め、罹患部(気腫化した肺胞実質)の入口径(直径)を測定することが好ましい。これらの操作のうち、罹患部の入口径は、肺気腫患者の重篤度、体重、部位などによって変化するため、後者の操作が好ましい。すなわち、本発明の方法は、工程(b)の前に、罹患した肺胞または肺胞嚢の入口径(直径)を決定することをさらに有することが好ましい。
なお、罹患した肺胞または肺胞嚢の入口径(直径)の測定方法は、特に制限されず、公知の方法によって測定できる。例えば、CTまたは内視鏡で罹患部または罹患部付近の入口径を測定する方法、造影剤を気管支内に投与し、X線を用いて測定する方法、肺胞または肺胞嚢の入口付近にプローブを挿入し、超音波や赤外線などを用いて視覚化する方法などによって、罹患した肺胞または肺胞嚢の入口径(直径)を測定できる。
このように測定した罹患部の入口径に基づいて、投与する線維化剤のビーズ直径を決定することが好ましい。すなわち、本発明の方法は、工程(b)の前に、罹患した肺胞または肺胞嚢の入口径(直径)を決定した後、当該罹患した肺胞または肺胞嚢の入口径(直径)により、投与する線維化剤のビーズ直径を決定することをさらに有することが特に好ましい。当該操作により、罹患部(気腫化した肺胞実質)内で効率よく留置(保持)できかつ線維化を誘発・促進するのに有効な径(直径)を有する線維化剤を罹患部に投与することができる。このため、線維化剤を罹患部により確実に留置(保持)しつつ、罹患部内の線維化(罹患部の萎縮)をより確実に誘発・促進して、肺容量をより迅速かつ確実に減少できる。ここで、罹患部(気腫化した肺胞実質)の入口径(直径)と導入/投与する線維化剤のビーズ径(直径)との関係は、特に制限されないが、上記したような関係を満足することが好ましい。なお、「罹患した肺胞または肺胞嚢の入口径(直径)を決定する」工程および「投与する線維化剤のビーズ直径を決定する」工程は、連続的に行われてもよいが、各工程を間隔をあけて行ってもよい。また、「罹患した肺胞または肺胞嚢の入口径(直径)を決定する」工程および「投与する線維化剤のビーズ直径を決定する」工程は、線維化剤の投与工程と同時に(連続して)行っても、あるいは線維化剤の投与前に予め行ってもよい。
線維化剤の投与量は、罹患部の線維化を誘導・促進できる量であれば、特に制限されず、肺気腫の重篤度、患者の種類や体重、カテーテルの挿入位置などによって異なる。例えば、肺気腫患者では、線維化剤の投与量は、好ましくは0.1〜50mL/kg体重、より好ましくは0.3〜10mL/kg体重である。このような投与量であれば、罹患部(例えば、気腫化した肺胞実質)の線維化(萎縮)を十分誘導・促進して、肺容量を減少できる。
上述したように、本発明の方法によれば、気腫化した肺胞実質内壁は線維化(萎縮)して、肺容量を減少する。また、気腫化した肺胞実質の線維化(萎縮)状態(肺胞実質容量の低減状態)を維持し、呼吸によるこの低減された容量を維持できる。このため、肺気腫や気管支の閉塞により患者を衰弱させる一因である肺の過膨張を緩和・抑制することができる。また、気腫化した肺胞実質の大きさをもとの大きさ以下に小さくすることにより、これらの周りの肺胞実質による周辺の気管支の圧迫や閉塞を抑制・防止できる。さらに、本発明の方法は、カテーテルを介して治療を行い、外科的な処置を必要としないため、患者にかかる負担を低減できる。上記に加えて、本発明によると、気腫化した肺胞実質内壁に結合組織(特に、線維芽細胞)を増殖させるため、気腫化した肺胞実質の弾性を回復させるため、肺の過膨張を緩和・抑制することができる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、特記しない限り、各操作は、室温(25℃)で行われる。
実施例1
6.0gの塩化カルシウム(和光純薬工業製)を逆浸透水(RO水)600mLに溶解して、1%(w/v)の塩化カルシウム水溶液を調製した。別途、1.5gのアルギン酸ナトリウム(和光純薬工業製)をRO水 150mLに溶解して、1%(w/v)のアルギン酸ナトリウム水溶液を調製した。
上記で調製されたアルギン酸ナトリウム水溶液 150mLを、攪拌しながら上記で調製された塩化カルシウム水溶液 600mLへ霧状に添加して、様々な粒径のアルギン酸カルシウムビーズ混合物を含む溶液を得た。この溶液を目開き 100μmの網目篩、目開き 150μmの網目篩および250μmの網目篩、ならびに目開き 200μmの網目篩および目開き 300μmの網目篩を用いて、それぞれ、100μm以下、150μmを超えて250μm以下、および200μmを超えて300μm以下の粒径を有するビーズを回収した。その後、塩化カルシウム水溶液でよく洗浄し、塩化カルシウム水溶液中で1晩静置後、上清をアスピレーターで除去し、500×gにて3分間遠心した。70%エタノールで3回滅菌・洗浄し、上清を捨てた後、ビーズ体積の0.5倍量の蒸留水(大塚製薬社製)に懸濁した。なお、各ビーズの平均粒子径(直径)をLS粒度分布測定装置(Beckman Coulter)を用いて測定したところ、100μmの網目篩を用いた場合のビーズ(ビーズ1)は、89μmの平均粒子径(直径)であり;150μmの網目篩および250μmの網目篩を用いた場合のビーズ(ビーズ2)は、178μmの平均粒子径(直径)であり;ならびに200μmの網目篩および300μmの網目篩を用いた場合のビーズ(ビーズ3)は、262μmの平均粒子径(直径)であった。
比較例1
0.15gのアルギン酸ナトリウム(和光純薬工業製)をRO水 30mLに溶解した後、滅菌フィルター(Millipore 0.22μm)を用いて濾過滅菌して、0.5%(w/v)のアルギン酸ナトリウム水溶液を調製した。なお、得られたアルギン酸ナトリウム水溶液は、粘性のある液状(粘液)であった。
比較例2
0.222gの塩化カルシウムをRO水 50mLに溶解した後、121℃、20分間オートクレーブ滅菌を行い、40mMの塩化カルシウム水溶液を調製した。
別途、0.15gのアルギン酸ナトリウム(和光純薬工業製)をRO水30mLに溶解した後、滅菌フィルター(Millipore 0.22μm)を用いて濾過滅菌して、0.5%(w/v)のアルギン酸ナトリウム水溶液を調製した。
なお、上記で調製された0.5%(w/v)のアルギン酸ナトリウム水溶液および上記で調製された40mMの塩化カルシウム水溶液を2:1(体積比)の割合で混合したところ、ゲルを形成した。
実験:線維化評価
上記実施例1で調製されたビーズ1〜3(下記表1中の第3〜5群)、上記比較例1で調製された0.5%(w/v)のアルギン酸ナトリウム水溶液(下記表1中の第1群)、および上記比較例2で調製されたゲル状物(下記表1中の第2群)について、以下のようにして、ウサギの肺組織に投与して、線維化を評価した。なお、以下では、上記サンプルは、下記表1に示す量で投与した。
1.手術操作
日本白色ウサギ(クリーン、雄、3.0〜3.49kg)に、キシラジン塩酸塩を生理食塩水で4倍希釈し、キシラジンとして5mg/kg(1mL/kg)となるように筋肉内注射した(前処置)。
次に、ソムノペンチル(ペントバルビタールナトリウム)(共立製薬株式会社製)を生理食塩水で3.24倍希釈して、ペントバルビタールナトリウムとして20mg/kg(1mL/kg)となるように調整して、ペントバルビタール希釈液を約3mL(3.0〜3.49mL)調製した。このペントバルビタール希釈液約1mL(1.0〜1.49mL)を、上記前処置したウサギに、2mLを残して耳介静脈より投与して、麻酔をかけた。なお、残りの2mLは、術中に反射があった場合に0.5mLずつ追加投与を行った。
十分な麻酔深度を確認した後、ウサギの頸部正中部を切開し、気管を露出した。切開した気管より、まず0.035インチのガイドワイヤー(テルモ株式会社製、商品名:ラジフォーカス)を右肺後葉の第7肋骨部位(第3分枝上部)まで挿入した。次に、約20cmに加工し、リドカインを塗布した6Frガイディングカテーテル(テルモ株式会社製、商品名:シャペロン)のルーメンに上記ガイドワイヤーを通し、カテーテル先端を第7肋骨部位まで挿入した後、ガイドワイヤーを抜去した。
その後、下記表2に示されるように、上記表1に示される投与剤を、それぞれ、吸気に合せて少量ずつ注入した。すなわち、上記表1に示される投与群第1群及び第3〜5群については、各投与剤0.5mLずつを4回に分けて投与し、1mL投与後に10mLの空気を注入した。また、上記表1に示される投与群第4群については、40mMの塩化カルシウム水溶液を0.5mL投与した後、0.5%(w/v)のアルギン酸ナトリウム水溶液を1mL投与する操作を2回繰り返した。各水溶液を投与した後に10mLの空気を注入した。
投与終了後、ウサギの気管を縫合し、抗生物質ビクシリン注射用0.5g(アンピシリンナトリウム)(明治製菓社製)を生理食塩水10mLで希釈し、2mL(100mg/head)を傍切開部に筋肉内注射した。
2.剖検・病理組織学的検査
上記1.の手術の1週間後または4週間後に、ソムノペンチル(ペントバルビタールナトリウム)を生理食塩水で2倍希釈し、ペントバルビタールナトリウムとして45mg/kgとなるよう調整して、ペントバルビタール希釈液を調製した。このペントバルビタール希釈液4.86mL〜5.65mLを、上記1.の手術を行ったウサギに、耳介静脈より投与した。麻酔下にて動物を仰臥位で開腹し、心臓から生食灌流(ヘパリン10単位/mL、100mL/羽)を行った後、腹部大動脈から放血致死させ、肺を摘出した。摘出された肺に10%緩衝ホルマリン(病理組織保存固定液、組成(100mL中):ホルマリン(ホルムアルデヒド35.0〜38.0%)10mL、リン酸二水素ナトリウム 0.4g、無水リン酸一水素ナトリウム 0.65g、精製水 適量)を25cm水中圧にて注入し、10%緩衝ホルマリンにて24時間、浸漬・固定を行った。その後、パラフィン包埋し、ヘマトキシリン・エオジン染色(HE染色)およびマッソントリクローム染色(MT染色)標本を作製し、光学顕微鏡下に病理学的観察を行い、線維化の有無、および将来、線維化につながる可能性のある肉芽腫性炎の有無を確認した。この線維化および肉芽腫性炎(線維化の可能性)の観察結果を総合的に以下のようにして評価した。線維化剤投与1週間後の結果を、図1及び図2に示す。なお、肺摘出後に、線維化剤の留置性(保持性)を観察したところ、ビーズ1〜3は、投与部位に良好に肺胞内に存在することを確認した。
また、ビーズ1〜3の投与群については気道のつまりも、下記のように評価し、1週間後の結果を図2に示す。なお、図2のビーズ1(アルギン酸Ca(〜100μm)ビーズ)のHE染色像は、図1の200倍の像を40倍で観察した組織写真である。
図1から、ビーズ1は、比較例1の粘液形態のアルギン酸ナトリウム溶液や比較例2のゲル状物に比して、線維化及び線維化につながる可能性のある肉芽腫性炎を有意に誘導することが分かる。なお、図1から、線維化効果は、液体(粘液)、ゲルおよびビーズの順で、高いことが分かる。これは、ビーズの方が液体やゲルに比して投与部位でのとどまりやすいこと、さらには肺胞組織と接触する面積(表面積)が十分確保できることから、生体反応が有意に起こりやすいと考察される。
また、図2から、ビーズ2及び3に比して、ビーズ1で特に線維化が顕著に発揮され、また、気道でもつまりも観察されないことが分かる。これは、ビーズ1は、気管支をスムーズに通過して十分量のビーズが肺胞内に投与できるため、十分量のビーズが肺胞内に投与されて肺胞組織と接触する面積を十分確保できる。これに対して、ビーズ2、3は、ビーズ径が大きいため、気管支に一部詰まり、ビーズ1に比べると、少量のビーズしか肺胞に投与されなかったため、線維化の効果が低いものと、考察される。なお、当該実施例ではウサギを用いており、正常なウサギの肺胞または肺胞嚢の入口径(直径)は100〜160μm程度である。上述したように、肺気腫患者の肺胞または肺胞嚢の入口径(直径)は1〜2mmであることから、2mm以下のビーズであれば肺胞内に十分に注入され、線維化を生じさせることができる。さらに、カテーテルを肺胞または肺胞嚢の入り口付近まで挿入できるため、肺胞または肺胞嚢の入口径(直径)の約2倍程度までの粒径であれば、押し込むことができると考察される。そのため、図2からヒトにおいては、ビーズ2、3は、肺胞に投与されることによって、十分な線維化を生じると考えられ、さらにより長期間ビーズを肺胞内に留置することによって、線維化を有効に誘導することができるものと考察される。
以上のことから、線維化を誘発するには、肺胞内に入ることができ、肺胞組織と十分大きな接触面積を確保できる大きさであることが、重要な要素であると、考察される。

Claims (5)

  1. ビーズ状の線維化剤。
  2. 肺気腫の治療に使用される、請求項1に記載の線維化剤。
  3. 肺気腫の肺胞または肺胞嚢の入口径(直径)の1倍以下のビーズ直径を有する、請求項2に記載の線維化剤。
  4. 正常な肺胞または肺胞嚢の入口径(直径)より大きいビーズ直径を有する、請求項2または3に記載の線維化剤。
  5. アルギン酸塩およびアルギン酸エステルからなる群より選択される少なくとも一種を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の線維化剤。
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