JP2007297445A - エマルション粘着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ポリ乳酸系のエマルション粘着剤において、保持力を向上し、糊残りや保存安定性を改善する。
【解決手段】 ポリ乳酸と粘着付与剤樹脂としてロジン系樹脂を混和したポリ乳酸エマルションに、オキサゾリン系、カルボジイミド系、アジリジン系、ヒドラジン系化合物よりなる群から選ばれたカルボキシル基との反応性を有する架橋剤を添加したエマルション粘着剤である。ロジン系樹脂を混合したポリ乳酸エマルションに、さらにオキサゾリン系化合物などの特定の架橋剤を添加するため、保持力(凝集力)に優れ、糊残りを改善できる。また、架橋剤の特定化により保存安定性に優れ、操作性が容易である。
【選択図】 なし

Description

本発明はポリ乳酸系のエマルション粘着剤に関して、保持力に優れ、糊残りがないうえ、良好な保存安定性を示すものを提供する。
一般に、溶剤型、ホットメルト型、或は感圧型の粘・接着剤には、接着性向上の見地から、アクリル系、天然ゴム系、SBR系、SIS系、EVA系、ウレタン系又はCR系などの各種ベースポリマーに粘着付与剤樹脂を添加している。
この粘着付与剤樹脂には、ロジン系、テルペン系、或は石油系などの各種樹脂があり、これらの一種以上を上記ベースポリマーに添加することにより、系の粘度を低下させ、可塑化効果の付与による被着体への濡れを良くし、接着剤と被着体との界面の結合力を高めて、粘着物性を付与改質している。
ちなみに、粘着剤は剥離の際に基材と被着面の間で界面破壊を起こすため、被着面には粘着剤が残らず(糊残りがなく)、圧力を負荷した場合の接着(感圧接着)と被着面からの剥離を反復できる機能を有するものをいう。
これに対して、接着剤は液体が何らかの化学変化で固体になって被着面に接着するものをいい、接着後に剥離すると基材と被着面の間でなき分かれを起こし(接着剤が基材と被着面の両方に分離付着して、いわば凝集破壊的な現象を示し)、従って、接着を主眼とし、接着後の剥離を前提しない。
一般に、上記粘着剤には粘着付与剤樹脂としてロジン系樹脂が使用されており、このロジン系樹脂にあっては、ロジン類や変性ロジン類と、多価アルコールを加熱脱水縮合させて得られるロジンエステルが多用され、ロジン類の変性方法と多価アルコールの種類を組み合わせることにより、常温で液状のものから高軟化点の固形状樹脂まで多様な樹脂を得ることが可能であり、必要な各種粘着物性への対応が容易である。
また、例えば、アクリル系粘着剤では、アクリル系ポリマーに粘着付与剤樹脂としてロジン系樹脂を使用するが、粘着剤の物性を向上させる見地から、ポリイソシアネート系化合物を微量添加することにより、アクリル系ポリマーを架橋し、硬化させて内部凝集力を高めることが行われている。
近年、粘・接着剤の分野では、環境保全及び製造時の安全衛生の観点から、水系エマルションの利用価値が高まっている。
粘着付与剤樹脂エマルションは、各種アクリル酸重合物又は各種ラテックス等に代表されるベースポリマーに対して、粘着特性を向上するために添加されるが、当該エマルションを用いた粘・接着剤は、用途が益々多岐にわたり、性能もより高度なものが求められ、特に、保持力(凝集力)の向上が強く要求されている。
一方、近年では、ポリ乳酸に代表される生分解性樹脂は環境負荷の軽減やごみの減量などに寄与する点で注目されており、特に、ポリ乳酸は実用に十分な耐熱性を備え、比較的安価でもあるため、今後の有効活用が期待されている。
このポリ乳酸樹脂はエマルション形態でも利用されるが、上記粘着付与剤樹脂を添加したポリ乳酸エマルションは保持力に欠け、又は凝集物が発生するなどの問題がある。
そこで、ポリ乳酸エマルションを用いた粘・接着剤の従来技術を挙げると、次の通りである。
(1)特許文献1
柔軟性や粘接着性の向上を目的として(段落6〜7参照)、ポリ乳酸系樹脂に対してロジン系化合物及び/又はテルペン系化合物を特定割合で含有するポリ乳酸系樹脂エマルション、当該エマルションを含む接着剤、粘着剤が開示され(請求項1〜4)、このエマルションにはさらに用途目的に応じて架橋剤、可塑剤などを添加できることが記載されている(段落17)。
(2)特許文献2
安全性や貯蔵安定性などの改善を目的として(段落6、22)、ロジン系樹脂を含有するポリ乳酸水性エマルションが開示されている(請求項1〜8)。また、ポリ乳酸の水性エマルションを含有するコーティング剤は各種基材への密着性、透明性などに優れることが記載されている(請求項9、段落22)。
(3)特許文献3
接着強度の改善を目的として(段落8、89)、ポリ乳酸などの生分解性ポリエステルの水分散液にポリイソシアネート類化合物を配合してなる生分解性水分散系接着剤組成物が開示され(請求項1)、この接着剤組成物には、必要に応じて粘着付与剤樹脂、可塑剤などを含有できることが記載されている(段落50)。また、被着体が非多孔質材料では、ヒートシールで接着することが述べられている(段落51)。
同文献3の実施例4には、ロジン系タッキファイヤーを加えたポリ乳酸水分散液に、ポリイソシアネートを添加して水性接着剤組成物を調製し、これをPETフィルムに塗布して得られた試料をヒートシール試験することが記載されている(段落72)。
(4)特許文献4
分散液の保存安定性や皮膜の接着性を向上する目的で(段落8、54)、エポキシ化合物、アミン化合物、イソシアネート化合物、オキサゾリン化合物、カルボジイミド化合物、シランカップリング剤の少なくとも一種を配合したポリ乳酸水性分散液が開示されている(請求項1)。
また、この水性分散液にガムロジン、ロジンエステルなどの天然樹脂系の粘着付与剤樹脂を添加できることが記載されている(段落32、34、36)。
尚、同文献4の実施例1などでは、ポリ乳酸分散液にエポキシ化合物(グリセロールポリグリシジルエーテル)を添加した水性分散液をポリ乳酸フィルムに塗布して、ヒートシール試験を行っている(段落40〜45)。
特開2004−277679号公報 特開2003−321600号公報 特開2003−371259号公報 特開2004−331847号公報
上記特許文献1〜4においては、粘着特性、特に保持力が不充分であるとともに、これらの粘・接着剤を塗工したシート材を被着面に接着した場合には、被着面に接着剤成分が残存して糊残りが多く(つまり、前述のなき分かれを起こし)、粘着剤用途では製品としての実用性に乏しいという問題がある。
また、上記特許文献3〜4は塗工材のヒートシール試験を行っていることからも分かるように、これらは感熱型のエマルション接着剤を用途とするため、常温で感圧接着性を有し、且つ、糊残りがない(つまり、前述の界面破壊を起こす)ことが要求される粘着剤用途にそのまま利用することは、さらに容易でない。
本発明はポリ乳酸系のエマルション粘着剤において、保持力を向上し、糊残りを改善することを技術的課題とする。
本発明者らは、ポリ乳酸系のエマルション粘着剤の粘着特性を鋭意研究した結果、ポリ乳酸に粘着付与剤樹脂としてロジン系樹脂を混合してポリ乳酸エマルションを製造し、さらにオキサゾリン系化合物、カルボジイミド系化合物、アジリジン系化合物などの特定の架橋剤を添加して内部凝集力を増すと、保持力に優れ、糊残りのないエマルション粘着剤が得られること、また、架橋剤として汎用されるエポキシ系化合物やポリイソシアネートとは異なり、オキサゾリン系化合物などの特定の架橋剤を使用するために保存安定性にも優れることを見い出して、本発明を完成した。
即ち、本発明1は、ポリ乳酸と粘着付与剤樹脂としてロジン系樹脂を混和したポリ乳酸エマルションに、オキサゾリン系、カルボジイミド系、アジリジン系、ヒドラジン系化合物よりなる群から選ばれたカルボキシル基との反応性を有する架橋剤を添加することを特徴とするエマルション粘着剤である。
本発明2は、上記本発明1において、ロジン系樹脂が酸価1〜300のロジン誘導体であることを特徴とする請求項1に記載するエマルション粘着剤である。
本発明3は、上記本発明1又は2において、固形分換算で、ポリ乳酸100重量部に対してロジン系樹脂5〜50重量部を配合することを特徴とするエマルション粘着剤である。
本発明4は、上記本発明1〜4のいずれかにおいて、固形分換算で、ポリ乳酸エマルション100重量部に対して架橋剤5〜20重量部を配合することを特徴とするエマルション粘着剤である。
粘着付与剤樹脂としてロジン系樹脂を混合したポリ乳酸エマルションに、さらにオキサゾリン系化合物、カルボジイミド系化合物などの特定の架橋剤を添加するため、保持力(凝集力)に優れるとともに、糊残りを良好に改善することができ、界面破壊を属性とする粘着剤として好適である。
また、本発明のエマルション粘着剤は、後述の試験例に示す通り、ポリシソシアネートやエポキシ系化合物とは異なる特定の架橋剤を使用するため、保存安定性に優れ、操作性が容易である。
さらに、ポリ乳酸は生分解性を有し、ロジン系樹脂も天然物由来の素材(バイオマス)であることから、本発明のエマルション粘着剤は環境への負荷もなく、幅広い分野での利用が期待できる。
本発明は、ポリ乳酸と粘着付与剤樹脂としてロジン系樹脂を混和したポリ乳酸エマルションに、オキサゾリン系化合物、カルボジイミド系化合物などの特定の架橋剤を添加したエマルション粘着剤である。
本発明のポリ乳酸は乳酸を重合して得られるポリエステル樹脂であれば特に制限されず使用できる。重合に用いられる乳酸はD−体、L−体を問わず、D−体とL−体の混合物であっても良い。なお、D−体とL−体の混合物を使用する場合には、D−体とL−体の使用割合は使用目的に応じて任意に決定できる。
また、上記ポリ乳酸は、ポリ乳酸のホモポリマーに限らず、コポリマー、ブレンドポリマーなどであっても良い。
上記コポリマーを形成する成分としては、例えばグリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸などに代表されるヒドロキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、デカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸などに代表されるジカルボン酸、エチレングリコール、プロパンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、グリセリン、ソルビタン、ポリエチレングリコールなどに代表される多価アルコール、グリコリド、ε−カプロラクトン、δ−ブチロラクトンに代表されるラクトン類が挙げられる。
ポリ乳酸とブレンドするポリマーとしては、セルロース、硝酸セルロース、メチルセルロース、再生セルロース、グリコーゲン、キチン、キトサン、修飾化工澱粉系樹脂などが挙げられる。
ポリ乳酸の利用については、上述の範囲で使用することにより、樹脂の柔軟性を向上させるとともに、透明性を損なわず、経時的な物性低下の少ない、樹脂組成物を提供することができる。また、必要に応じて本発明で提示されるポリ乳酸を2種以上同時に使用しても良い。
尚、本発明のエマルション粘着剤はポリ乳酸をベースポリマーとするが、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンアジペート、ポリエチレンサクシネー ト、ポリカプロラクトン、ポリグリコール酸などの他種の生分解性ポリエステル樹脂をベースポリマーとし、或は、これら他種のポリエステル樹脂とポリ乳酸の混合物をベースポリマーに使用しても、本発明に準じたエマルション粘着剤を製造できる。
一方、粘着付与剤樹脂としてのロジン系樹脂は、ロジン類及び各種ロジン誘導体を単用又は併用できる。
上記ロジン類は、アビエチン酸、パラストリン酸、ネオアビエチン酸、ピマール酸、イソピマール酸、或いはデヒドロアビエチン酸などの樹脂酸を主成分とするトール油ロジン、ガムロジン、ウッドロジンなどの未変性ロジンを初め、不均化ロジン、重合ロジン、水素化ロジン、或いはその他の化学的に修飾されたロジンなどをいう。
上記ロジン誘導体としては、ロジンエステル類、ホルマリン変性ロジン類、不飽和カルボン酸変性ロジン類、フェノール変性ロジン類などが挙げられる。
上記ロジンエステル類は、ロジン類とアルコール類を公知のエステル化法により反応させたものをいう。エステル化反応は、不活性ガスの雰囲気下でロジン系樹脂とアルコールを200〜300℃に加熱し、生成した水を系外に除去することにより実施される。
ロジン類に対するアルコールの混合過剰率は任意であるが、一般的には0.1〜2.0程度が好ましい。エステル化に際して、反応促進用にリン酸、p−トルエンスルホン酸、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酢酸カルシウムなどの公知の触媒を用いることができる。
上記アルコール類としては、n−オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール等の1価アルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチレ ングリコール、テトラメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の2価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリエチロールエタン等の3価アルコール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン等の4価アルコール、或いは、ジペンタエリスリトール、ソルビトール等の6価アルコールなどを単用又は併用できる。製造工程の簡略性及び経済性の見地から、特にグリセリン、ペンタエリスリトールが好ましい。
上記ホルマリン変性ロジン類は、ロジン類にホルマリン類を付加させたものである。このホルマリン類は、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、トリオキシメチレンなどが挙げられ、製造工程の簡略性及び経済性の見地から、特にパラホルムアルデヒドが好ましい。
上記ホルマリン類の付加反応は、不活性ガス雰囲気下でロジン系樹脂とホルマリン類を130〜200℃に加熱するなどの公知の方法で実施される。ロジン系樹脂に対するホルムアルデヒドの重合比率は0.1〜10%程度が好ましい。
この反応は比較的速やかに進行するが、場合によっては、リン酸、p−トルエンスルホン酸などの公知の酸触媒を使用できる。
上記不飽和カルボン酸変性ロジン類は、ロジン類にα,β−不飽和カルボン酸類を反応させたものである。このα,β−不飽和カルボン酸類は、α,β−不飽和カルボン酸又はその酸無水物などであり、具体的には、(無水)マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(無水)シトラコン酸、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
ロジン系樹脂とα,β−不飽和カルボン酸類の反応は、不活性ガス雰囲気下で両者を150〜280℃に加熱するなどの公知の方式で実施される。ロジン系樹脂に対するα,β−不飽和カルボン酸類の重量比率は0.1〜20%程度が好ましい。
さらに、ロジン類を不飽和カルボン酸で変性するとともに、上記エステル化反応を行って、不飽和カルボン酸変性ロジンエステルとしても良い。
上記フェノール変性ロジン類は、ロジン類にフェノールを反応させたものである。硫酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の強酸触媒共存下で、ロジン類とフェノールを100〜200℃で反応させることにより得られる。
場合によっては、強酸触媒を水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等のアルカリ物質で中和しても良い。ロジン系樹脂に対するフェノールの重量比率は0.1〜50%程度が好ましい。
本発明2に示す通り、本発明で使用するロジン系樹脂は酸価1〜300のロジン誘導体が好ましく、酸価5〜100のロジン系樹脂がより好ましい。酸価が少な過ぎると前記架橋剤との架橋が不足し、多くなり過ぎると架橋が局在化して、かえって凝集力が低下してしまう。
また、上記ロジン誘導体ではロジンエステル類、不飽和カルボン酸変性ロジン、不飽和カルボン酸変性ロジンエステルが好ましい。
本発明のポリ乳酸エマルションは前記ポリ乳酸をロジン系樹脂(粘着付与剤樹脂)と共に乳化剤を用いて水中に分散させて製造する。
この場合、ポリ乳酸とロジン系樹脂との混合物を水中に分散することが好ましいが、ポリ乳酸の水性エマルションと粘着付与剤樹脂の水性エマルションを別々に製造して混合しても差し支えない。
本発明3に示すように、ポリ乳酸とロジン系樹脂の混合割合は、固形分換算でポリ乳酸100重量部に対してロジン系樹脂5〜50重量部が好ましく、15〜35重量部がより好ましい。ロジン系樹脂の割合が少な過ぎると凝集力不足になる。逆に、ロジン系樹脂が多くなり過ぎると乳化が困難になり、ポリ乳酸とロジン系樹脂が相分離を起こす恐れがある。
ポリ乳酸エマルションを製造する際に用いる乳化剤は特に制限はなく、アニオン系、ノニオン系、カチオン系の各種の乳化剤が使用できる。また、その使用量も特に制限されないが、固形の樹脂100重量部に対して固形分換算で1〜60重量部、好ましくは5〜50重量部である。
上記アニオン系乳化剤には、有機スルホン酸、硫酸エステルのアルカリ金属塩、アンモニウム塩などが挙げられ、具体的には下記の(1)〜(6)などである。
(1)ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類。
(2)ラウリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウムなどのアルキル(又はアルケニル)硫酸エステル塩類。
(3)ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸エステル塩類。
(4)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエ ーテル硫酸エステル塩類。
(5)モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸2ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸エステル塩並びにその誘導体類。
(6)アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムなどのアルキルジアリール
エーテルジスルホン酸塩並びにその誘導体類。
また、上記ノニオン系乳化剤としては下記の(1)〜(7)などが挙げられる。
(1)ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル類。
(2)ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類。
(3)ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリオレエートなどのソルビタン高級脂肪酸エステル類。
(4)ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類。
(5)ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノオレエートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類。
(6)オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライドなどのグリセリン高級脂肪酸エステル類。
(7)ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポリマー。
ポリ乳酸エマルションを製造する際の乳化剤には、その他、必要に応じて合成高分子系の乳化剤を使用することもできる。
上記合成高分子系乳化剤としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸エステル類、アクリルアマイド、酢酸ビニル、スチレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などの重合性モノマーを2種以上重合させて得られる重合体を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどのアルカリ類で塩形成させて水に分散又は可溶化させた水分散性重合体が挙げられる。また、上記モノマーの他にも、重合可能なモノマー類を限定することなく使用でき、重合方法も特に制約されることはない。
本発明のポリ乳酸エマルションは、溶剤型乳化法、無溶剤型乳化法、転相乳化法、或はその他の公知の乳化法によって製造される。
上記溶剤型乳化法は、粘着付与剤樹脂をメチレンクロライド等の塩素系炭化水素溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、メチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、或は溶解可能な溶剤類などの有機溶剤に溶解させ、乳化剤と水を混合溶解した乳化水を予備混合して、粗粒子の水性エマルションを調製した後、各種ミキサー、コロイドミル、高圧乳化機、高圧吐出型乳化機、高剪断型乳化分散機などを用いて微細乳化した後、常圧或は減圧下で加熱しながら上記有機溶剤を除去する方法である。
上記無溶剤乳化法は、常圧或は加圧下で溶融した粘着付与剤樹脂と乳化剤水溶液を予備混合し、粗粒子の水性エマルションを調製した後、各種乳化分散機を用いて同様に微細乳化させる方法である。
また、上記転相乳化法は、常圧或は加圧下で粘着付与剤樹脂を加熱溶融した後、撹拌しながら乳化剤水溶液を徐々に加えて先ず油中水型エマルションを形成させ、次いで水中油型エマルションに相反転させる方法であり、溶剤法或は無溶剤法いずれの方法でも可能である。
尚、ポリ乳酸エマルションを製造するには、上述の通り、水を分散媒及び反応の場として、乳化剤などの存在下で乳化を行うが、さらに、エマルション粒子の安定化のために、保護コロイドとしてポリビニルアルコール及びその誘導体や、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体などの水溶性高分子を添加することもできる。また、乳化に際して使用する乳化剤の種類は前述した通りである。
本発明の架橋剤はカルボキシル基に対して反応性を有する架橋剤であり(主に、ロジン系樹脂のカルボキシル基と架橋反応する)、オキサゾリン系化合物、カルボジイミド系化合物、アジリジン系化合物、ヒドラジン系化合物よりなる群から選ばれた少なくとも一種であり、なかでも環境保全や労働衛生の見地から、オキサゾリン系化合物、カルボジイミド系化合物が好ましい。
上記オキサゾリン系化合物としては、オキサゾリン基を少なくとも2個以上有するものであれば良く、具体的には、2−メチル−2−オキサゾリン、2−エチル−2−オキサゾリン、2−イソプロピル−2−オキサゾリン、2−n−プロピル−2−オキサゾリン、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリンなどであり、市販品にはエポクロス(日本触媒(株)製)などがある。
上記カルボジイミド系化合物としては、カルボジイミド基を少なくとも2個以上有するものであれば良く、市販品にはカルボジライト(日清紡績(株)製)などがある。
上記アジリジン系化合物としては、アジリジン基を少なくとも2個以上有するものであれば良く、具体的には、1−(メチレン−ジ−p−フェニレン)ビス−3,3−アジリジニル尿素、1,1′−(ヘキサメチレン)ビス−3,3−アジリジニル尿素、エチレンビス−(2−アジリジニルプロピオネート)、2,4,6−トリアジリジニル−1,3,5−トリアジンなどであり、市販品にはケミタイト(日本触媒(株)製)などがある。
上記ヒドラジン系化合物としては、ヒドラジン基を少なくとも2個以上有するものであれば良く、具体的には、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジドなどが挙げられる。
上記オキサゾリン系化合物、カルボジイミド系化合物、アジリジン系化合物、ヒドラジン系化合物よりなる群から選ばれた特定の架橋剤は、上述のように、各化合物を単用又は併用でき、また、異なる化合物同士を組み合わせて複用しても良い。
本発明4に示すように、上記架橋剤の配合割合は、固形分換算でポリ乳酸エマルション100重量部に対して5〜20重量部を配合するのが好ましく、10〜15重量部がより好ましい。5重量部より少ないとロジン系樹脂との架橋反応不足で高分子量化が阻害され、凝集力が不足するとともに、20重量部を越えると過剰硬化により(凝集力が高くなり過ぎて)密着性が悪くなるうえ、コスト高でもある。
また、本発明のエマルション粘着剤には、その他、必要に応じて可塑剤、充填剤、増粘剤、耐水化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、防腐剤などの各種添加剤を含有できる。
本発明のエマルション粘着剤は任意の被着体に使用することができる。
この被着体の種類は特に限定されず、例えば、SUS板、シート、フィルム、紙、各種繊維質素材からなる織布もしくは不織布などが挙げられる。
上記シート、フィルム素材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル、ポリ乳酸、乳酸とその他のヒドロキシカルボン酸から誘導された乳酸系ポリマー、ポリブチレンサクシネート系ポリエステル、ポリカプロラクトン系樹脂、修飾澱粉系樹脂などが挙げられる。
上記繊維質素材としては、例えば、麻、絹、綿、羊毛等の天然繊維; レーヨン、キュプラ等の再生繊維; アクリル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニルナイロン、ポリプロピレン等の合成繊維が挙げられる。
上記織布としては、例えば、前記繊維質素材から作られた織物、編物などが挙げられる。
また、上記不織布としては、前記繊維質素材を化学的方法、機械的方法、又はそれらの組合せにより絡み合わせてウエッブとしたものが挙げられる。
以下、本発明のエマルション粘着剤の製造実施例、得られたエマルション粘着剤の保存安定性試験例、同エマルション粘着剤を用いた粘着テープの製造例、得られた粘着テープの性能評価試験例を順次説明する。上記実施例、製造例、試験例中の「部」及び「%」は、特記しない限りすべて重量基準である。
尚、本発明は下記の実施例、製造例、試験例などに拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形をなし得ることは勿論である。
《エマルション粘着剤の製造実施例》
下記の実施例1〜3のうち、実施例1は架橋剤にオキサゾリン系化合物を使用した例、実施例2は架橋剤にアジリジン系化合物を使用した例、実施例3は架橋剤にカルボジイミド系化合物を使用した例である。
下記の比較例1〜5のうち、比較例1はロジン系樹脂と架橋剤のブランク例、比較例2は架橋剤のブランク例、比較例3はロジン系樹脂のブランク例、比較例4は冒述の特許文献3に準拠して架橋剤にポリイソシアネートを使用した例、比較例4は冒述の特許文献4に準拠して架橋剤にエポキシ系化合物を使用した例である。
(1)実施例1
温度計、窒素導入管、撹拌機及び冷却管を備えた反応容器に、ポリ乳酸(バイロエコール BE-910、東洋紡社製)150部とロジン系樹脂(ハリエスターDS-70L(ロジンエステル)、ハリマ化成社製:酸価7、軟化点75℃)50部をトルエン300部に溶解させ、あらかじめ207部の水に溶解させたポリビニルアルコール(ポバール405、クラレ社製)51.6部及びアニオン系乳化剤(ハイテノール NF-13、第一工業製薬社製)16.7部を加えて、45℃において30分間、撹拌混合して予備乳化を行った。
次いで、上記予備乳化物を高圧乳化機(マントンガウリン社製)によって300Kg/cm2の圧力で乳化して、乳化物を得た。
この乳化物を130mmHgの条件下で加熱減圧蒸留してトルエンを除去した後、固形分を調整して固形分50%、pH2.4、粒子径0.38μmのポリ乳酸エマルションを得た後、25%アンモニア水にてpH7.0に調整した。
次いで、このポリ乳酸エマルションに増粘剤(プライマルASE-60、ロームアンドハースジャパン社製)を1.2部添加し、カルボン酸に反応する水系のオキサゾリン系架橋剤(エポクロスK-2010E、日本触媒社製)を固形分換算で10部加え、固形分を45%に調整したエマルション粘着剤を得た。
尚、上記pH値は25℃での測定値であり、下記の実施例及び比較例においても同様である。
(2)実施例2
上記実施例1を基本として、実施例1のオキサゾリン系架橋剤をアジリジン系架橋剤(ケミタイトDZ-22E、日本触媒社製)に代えた以外は、実施例1と同様に処理してエマルション粘着剤を得た。
(3)実施例3
上記実施例1を基本として、実施例1のオキサゾリン系架橋剤をカルボジイミド系架橋剤(カルボジライトE-02、日清紡社製)に代えた以外は、実施例1と同様に処理してエマルション粘着剤を得た。
(4)比較例1
上記実施例1を基本として、実施例1のオキサゾリン系架橋剤及びロジン系樹脂を加えなかった以外は、実施例1と同様に処理してエマルション粘着剤を得た。
(5)比較例2
上記実施例1を基本として、実施例1のオキサゾリン系架橋剤を加えなかった以外は、実施例1と同様に処理して、エマルション粘着剤を得た。
(6)比較例3
上記実施例1を基本として、実施例1のロジン系樹脂を加えなかった以外は、実施例1と同様に処理して、エマルション粘着剤を得た。
(7)比較例4
上記実施例1を基本として、実施例1のオキサゾリン系架橋剤をポリイソシアネート系架橋剤(バーノックDNW−5000、大日本インキ化学工業社製)に代えた以外は、実施例1と同様に処理してエマルション粘着剤を得た。
(8)比較例5
上記実施例1を基本として、実施例1のオキサゾリン系架橋剤をエポキシ系架橋剤(デナコールEX313、ナガセケムテックス社製)に代えた以外は、実施例1と同様に処理してエマルション粘着剤を得た。
そこで、上記実施例1〜3及び比較例1〜5で得られた各エマルション粘着剤の保存安定性を調べるとともに、当該エマルション粘着剤を基材に塗工して粘着シートを製造し、各種粘着特性を調べた。
《エマルション粘着剤の保存安定性試験例》
実施例1〜3及び比較例1〜5の各エマルション粘着剤100gをマヨネーズ瓶に入れて密封し、セイフティーオーブン(SPHH-100、TABAI社製)により40℃、1週間の条件で、静置保存した。
次いで、1週間経過後のエマルション状態を目視観察して、次の基準で保存安定性の優劣を評価した。
○:エマルションに変化なく、相分離は認められなかった。
×:エマルションが水相とエマルション相に分離した。
《粘着シートの製造例》
上記実施例1〜3及び比較例1〜5の各エマルション粘着剤を乾燥後の塗膜厚が25μmとなるように、丸型アプリケータ25μm(ベーカ式アプリケーター、太佑機材株式会社)を用いて自動塗工機(PI-1210、テスター産業社製)にてPETフィルム(トーレルミラーTタイプ、東レ社製)上に塗工し、セイフティーオーブン(SPHH-100、TABAI社製)により120℃、3分間の条件で乾燥させて、各粘着シートを作成した。
《粘着シートによる粘着特性試験例》
そこで、上記粘着シートを23℃の雰囲気下で1日静置した後、下記の保持力及び糊残り度合の性能評価試験に供した。
(a)保持力
JIS-Z0237に準拠して、被着体としてステンレス板(SUS304を280番研磨紙で研磨して表面加工したもの)を用いて、これに25×25mmの上記粘着シートを貼り付けた。その後、40℃雰囲気下で、重力方向に200gの荷重を1時間かけた後のずれ幅(mm)、或は錘の落下時間(分)を測定した。
(b)糊残りの有無
粘着シートをステンレス板(SUS304を280版研磨紙で研磨して表面加工したもの)に貼着し、20分後に180°方向へ300mm/分の速度にて引き剥がし、ステンレス表面の糊残りを目視観察して、次の基準でその優劣を評価した。
○:糊残りは認められなかった。
×:糊残りが認められた。
図1はその試験結果を示す。
(1)保持力(40℃)について
実施例1〜3では錐の落下はなく、極めて優れた評価であった。これに対して、比較例1〜3では共に錐が50〜55分の範囲内で落下した。また、架橋剤にポリイソシアネートを使用した比較例4は実施例1〜3と同水準であったが、エポキシ系化合物を使用した比較例5では実施例1〜3に比べてズレ幅が大きかった。
これにより、実施例での優れた保持力が確認され、ポリ乳酸とロジン系樹脂を混和したポリ乳酸エマルションにオキサゾリン系化合物、カルボジイミド系化合物などの特定の架橋剤を添加することの重要性が明らかになった。
(2)糊残りについて
実施例1〜3及び架橋剤を含みロジン系樹脂を含まない比較例3では、被着体のステンレス板に糊残りが見られなかったのに対して、比較例1〜2並びに比較例4〜5では糊残りが確認された。
従って、ポリ乳酸エマルション粘着剤に優れた保持力を付与し、且つ、被着体の糊残りをなくすためには、乳化時にポリ乳酸とロジン系樹脂を混和し、その乳化組成物に水系架橋剤を添加することの重要性が確認できた。
(3)エマルション粘着剤の保存安定性
比較例4〜5では1週間経過時点でエマルションの相分離が進み、実用性は顕著に損なわれていた。
これに対して、実施例1〜3のエマルション粘着剤では相分離は認められず、優れた保存安定性が確認できた。
(4)総合評価
実施例1〜3を比較例1〜2に対比すると、実施例1〜3は保持力に優れ、且つ糊残りもないのに対して、比較例1〜2では保持力及び糊残りの評価ともに顕著に劣った。尚、比較例3では糊残りの評価は実施例と同水準であったが、保持力が顕著に劣った。これにより、被着体に対する優れた保持力と糊残りの無い粘着物性を良好に兼備させるには、ポリ乳酸とロジン系樹脂を混和したポリ乳酸エマルションに架橋剤を添加することの重要性が裏付けられた。
また、実施例1〜3を比較例4〜5に対比すると、実施例1〜3では保持力及び糊残りに加えて、保存安定性の評価も良好であった。これに対して、比較例4では保持力の評価は実施例と同水準であったが、糊残り及び保存安定性の評価は顕著に劣った。比較例5でも比較例4とほぼ同様の評価であった(但し、保持力は比較例4より劣った)。
即ち、架橋剤にポリイソシアネートやエポキシ系化合物を使用すると、保存安定性に劣り、糊残りの評価も同様に劣ることから、ポリ乳酸エマルションに添加する架橋剤をオキサゾリン系化合物、カルボジイミド系化合物、アジリジン系化合物などに特定化することの重要性が明確になった。
尚、前述したように、環境保全や労働衛生の観点から、本発明の架橋剤では、オキサゾリン系化合物、カルボジイミド系化合物が好ましい。
実施例1〜3及び比較例1〜5の各エマルション粘着剤について、粘着付与剤樹脂及び架橋剤の使用量、粘着シート製造時の塗布量、粘着特性及びエマルションの保存安定性試験の結果を示す図表である。

Claims (4)

  1. ポリ乳酸と粘着付与剤樹脂としてロジン系樹脂を混和したポリ乳酸エマルションに、オキサゾリン系、カルボジイミド系、アジリジン系、ヒドラジン系化合物よりなる群から選ばれたカルボキシル基との反応性を有する架橋剤を添加することを特徴とするエマルション粘着剤。
  2. ロジン系樹脂が酸価1〜300のロジン誘導体であることを特徴とする請求項1に記載するエマルション粘着剤。
  3. 固形分換算で、ポリ乳酸100重量部に対してロジン系樹脂5〜50重量部を配合することを特徴とする請求項1又は2に記載のエマルション粘着剤。
  4. 固形分換算で、ポリ乳酸エマルション100重量部に対して架橋剤5〜20重量部を配合することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のエマルション粘着剤。
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