JP2007296825A - 射出成形装置及び射出成形方法及び射出成形金型装置 - Google Patents

射出成形装置及び射出成形方法及び射出成形金型装置 Download PDF

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敏雄 多田
Norio Tada
憲生 多田
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Abstract

【課題】射出成形によって高い表面精度を有する略均一な厚さの樹脂成形品が得られると共に、樹脂成形品の仕上がり寸法精度を向上させること。
【解決手段】中央から略全周囲に広がるゲートキャビティに連続し、その周りに略均一な厚さの成形キャビティに対して、射出成形により中央に開口を備え、高い表面精度を有する平面的な樹脂成形品35が成形される。この射出成形後で金型が解放される前に、カム部材43を介して移動設定部材51が移動され移動部材65の拘束が解除されたのち、切断部材61が樹脂ランナー33側に移動され、樹脂成形品35から樹脂ランナー33が切断されるため、樹脂成形品35の仕上がり寸法精度が向上される。更に、切断部材61は切断位置に対応する鋭利な刃物形状でないため、変形や摩耗等の損傷が低減され、耐久性に優れる。
【選択図】図5

Description

本発明は、高い表面精度を有する平面的な樹脂成形品を得るための射出成形装置及び射出成形方法及び射出成形金型装置に関するものである。
一般に、略均一な厚さで幅広い樹脂成形品の射出成形では、金型に幅広く形成されたゲートキャビティから樹脂材料を射出充填し、樹脂成形品に対応する成形キャビティ全体に樹脂材料が同時に平均して流れ込み、最終的に表面に凹凸がない樹脂成形品が得られる。しかし、射出成形終了後に金型から取り出された樹脂成形品から幅広いゲート部分を切り離す作業が、後処理になり、寸法精度上の困難を伴うため、金型の樹脂成形品に対応する成形キャビティに対してゲートキャビティ部分は余り幅広く設定したくないという現実がある。
このような問題を意識する先行技術文献としては、特許文献1がある。このものでは、極めて高い表面精度、特に、平坦さが要求されるスライドガラス様で厚さが薄いDNAチップ基板を樹脂の射出成形によって形成する技術が示されている。
特開2003−53806号公報
ところで、上記特許文献1では、射出成形後で金型を解放して成形体(樹脂成形品)を取り出す前に、成形体からランナー(樹脂ランナー)を切り離すことで変形を防止し、平面性を得ることができるとしている。具体的には、カッターに対向する可動式下型キャビティが、ゲートカット板と一体のカッターの押し下げでランナーを伴って押し下げられることで、成形体に対するランナーの1箇所の接続部分が切り離されている。なお、金型を解放するとは、金型を開くことを意味する。
このように、金型を解放(開くことを)せずに、ゲートに対応するランナーを成形体から切り離す構造であるにもかかわらず、成形体とランナーとを切り離すためのゲート部分が幅狭く設定されている。そこで、樹脂材料の射出を円滑に進行させるため、厚さが薄い成形体に対して、ランナーはゲート端部を除き、かなりな厚さを有するものとならざるを得ない。この結果、このゲート端部にて切り離すためのカッターの先端形状としては、鋭利な刃物形状が要求されることとなる。
更に、樹脂射出成形時、可動式下型キャビティには、樹脂材料から大きな内圧がかかるため、これに対抗する大きな締め付け圧力が必要であり、この圧力に打ち勝って、カッターでランナーを撓ませるようにして成形体と切り離すこととなる。したがって、鋭利な刃物形状からなるカッターでは、その先端に多大な圧力がかかることとなり、変形や摩耗等の損傷が懸念されるという不具合があった。
そこで、この発明はかかる不具合を解決するためになされたもので、射出成形によって高い表面精度を有する略均一な厚さの樹脂成形品が得られると共に、金型の解放後のゲート部分の切断加工を省くことで樹脂成形品の仕上がり寸法精度を向上させ、この際、金型内での切断が容易で無理がかかることなく、耐久性に優れた射出成形装置及び射出成形方法及び射出成形金型装置の提供を課題としている。
請求項1の射出成形装置は、樹脂射出ノズルから射出される樹脂材料を通すゲートキャビティ及び前記ゲートキャビティを介して所定の樹脂成形品を形成する成形キャビティを有する一対の金型の一方側に配設され、前記ゲートキャビティで形成される樹脂ランナーと前記成形キャビティで形成される樹脂成形品との切断位置で、前記ゲートキャビティの一部のキャビティ面を形成し、前記樹脂ランナー側に移動自在な切断部材と、前記一対の金型の他方側に配設され、前記ゲートキャビティの一部のキャビティ面を形成し、射出成形時には移動が拘束され、拘束が解除されたとき、前記切断部材による前記樹脂ランナーの切断方向への移動に応じて移動する移動部材と、射出成形時、前記移動部材の移動を拘束し、前記切断部材による切断方向の移動を許容する時、前記移動部材による拘束を解除する移動設定部材と、前記移動設定部材による拘束を解除し、前記切断部材を前記樹脂ランナー側に移動させ、前記切断部材のキャビティ面を前記移動部材のキャビティ面の移動に応じて平行移動させることにより切断面を形成することにより、前記樹脂成形品から前記樹脂ランナーを前記切断面で切断する切断補助部材とを具備するものである。
ここで、射出成形時には、前記移動部材の移動を拘束し、また、前記切断部材による切断方向の移動を許容する時には、前記移動部材による拘束を解除する移動設定部材は、射出成形時には移動設定部材によって移動部材の移動を拘束し、射出成形後で一対の金型の解放前の所定のタイミングで、移動部材の拘束を解除して、樹脂成形品から樹脂ランナーを切断することができるものであればよい。なお、切断部材側と移動部材側を一対の金型のうちの何れに配設するかは、金型構成によって任意に選択されるものである。
また、一対の金型が有するゲートキャビティの一部のキャビティ面を形成する切断部材と移動部材とは、一対の金型のゲートキャビティの両側でそれぞれ所定の断面積を有してキャビティ面の一部を形成するものであればよい。そして、切断部材による樹脂ランナーの切断方向への移動に応じて移動部材が移動されるとは、一対の金型のゲートキャビティ側で、切断部材と移動部材とのキャビティ面が互いに相対移動し、一対の金型の開閉方向に平行移動するものであればよい。更に、切断補助部材により切断部材のキャビティ面を移動部材のキャビティ面の移動に応じて平行移動させることにより切断面を形成するとは、切断部材のキャビティ面が移動部材側に移動されることによって樹脂成形品から樹脂ランナーが切断面にて切断され、ゲートキャビティの体積変化を生じさせることなく、切断部材と移動部材とのキャビティ面が互いに相対移動することにより面で切断するものである。
請求項2の射出成形装置の前記切断部材と前記移動部材は、前記一対の金型の開閉方向に直角な断面形状が一致するものである。ここで、切断部材と移動部材の断面形状が一致するとは、一対の金型のゲートキャビティ側に設けられた切断部材と移動部材とが、樹脂成形品から樹脂ランナーを特定体積として形抜きし、当該体積を移動させるという面で切断して除去するもので、ゲートキャビティ及び成形キャビティの体積変化を引き起こすことなく切断するものである。本発明を実施する場合には、ゲートキャビティ及び成形キャビティの体積変化を引き起こすことなく切断する構成であればよい。ここで、前記樹脂成形品と前記樹脂ランナーとを切断する切断部材と移動部材との相対移動は、正確に相対移動することを意味するものではなく、溶融樹脂を介在しているから、その温度変化に追随した状態となる。
請求項3の射出成形装置の前記切断部材は、そのキャビティ面で前記樹脂成形品から前記樹脂ランナーを切断する切断位置に対応する稜線の断面角度を、約70〜90度の範囲内に設定するものである。ここで、切断部材は、そのキャビティ面の切断位置に対応する稜線によって樹脂成形品の樹脂ランナー側の切断口を形成するものである。その切断位置に剪断力を与えることができる好ましい稜線の断面角度としては、そのキャビティ面がゲートキャビティの一部を形成しているため、成形キャビティへの入口側となるゲートキャビティ側の上下幅が極端に狭くなって樹脂成形品の表面精度に悪影響を与えることがないように、約70〜90度の範囲内に設定すれば、成形キャビティ内の体積変化、圧力変化を引き起こすことなく切断することができる。
この際、樹脂ランナーや樹脂成形品は、一対の金型内にあって未だ温度が高く完全に固化されていない状態で切断されることとなるが、ゲートキャビティ及び成形キャビティの体積変化を引き起こすことなく形抜きするものであるから、樹脂成形品から樹脂ランナーを切断するための切断部材のキャビティ面の稜線は、当該稜線で切断するものでないから鋭利な刃物形状である必要はなく、その切断位置が滑らかに摺動する形態であればよい。ここで、切断部材の稜線の断面角度は、約70〜90度の範囲であれば、樹脂成形品の切断線として良好な仕上がり結果が得られると共に、切断部材の稜線の耐久性に影響を与えることもない。また、切断の際に、樹脂成形品の表面精度や切断口の仕上がりに悪影響を与えることがなく、切断部材の稜線における耐久性の向上が期待できる。
請求項4の射出成形装置の前記移動設定部材は、前記移動部材に面する側の背面側に摺動抵抗を低減する摺動補助部材を配設するものである。ここで、移動部材はゲートキャビティの一部のキャビティ面を形成しており、樹脂材料の射出充填で大きな圧力を受ける。同様に、移動部材の移動を拘束している移動設定部材には、大きな面圧を受けていることとなる。この状態において、移動設定部材をその面圧を受けている方向の直角方向に摺動させるには、摺動抵抗を極力減少させることが望ましい。そこで、摺動補助部材としては、移動設定部材に対して移動部材に面する側の背面側に摺動抵抗を低減するものであればよく、例えば、直動形のニードルベアリング、ボールベアリング、ローラーベアリング等の摩擦低減部材やテフロン(登録商標)シート、テフロン(登録商標)コーティング等の低摩擦部材を採用することもできる。
請求項5の射出成形装置の前記一対の金型は、射出成形のため中央から略全周囲に広げたゲートキャビティと、前記ゲートキャビティに連続して前記ゲートキャビティの周りに略均一な厚さの成形キャビティを形成してなるものである。ここで、射出成形のため中央から略全周囲に広げたゲートキャビティとは、幅広で略均一な厚さの樹脂ランナーが形成されるキャビティであり、このゲートキャビティに連続して周りに略均一な厚さの成形キャビティとは、略均一な厚さの樹脂成形品を得るためのキャビティである。これらのキャビティに対する樹脂材料の射出充填によれば、分散が均一化でき、中央から略全周囲に広がる内周側の樹脂ランナーの形成に続き、その周りに略均一な厚さの高い表面精度を有する平面的な樹脂成形品が形成されることとなる。
請求項6の射出成形方法は、樹脂射出ノズルから射出される樹脂材料を通すゲートキャビティ及び前記ゲートキャビティから連続して形成された所定厚の樹脂成形品を成形する成形キャビティを有する一対の金型に対して、樹脂材料の射出充填により前記ゲートキャビティで形成される樹脂ランナーと前記成形キャビティで形成される樹脂成形品を一体に成形する射出成形工程と、前記射出成形工程の後、前記一対の金型の一方側に配設され、前記樹脂ランナーと前記樹脂成形品との切断位置で、前記ゲートキャビティの一部のキャビティ面を有する切断部材に対応して、前記切断部材による前記樹脂ランナーの切断方向への移動に応じて、前記一対の金型の他方側に配設され、前記ゲートキャビティの一部のキャビティ面を有する移動部材が互いのキャビティ面を略平行移動自在とする準備工程と、前記準備工程と同時またはそれ以降に、前記切断部材を前記樹脂ランナー側に移動させ、前記切断部材のキャビティ面を前記移動部材のキャビティ面の移動に応じて平行移動させることにより切断面を形成し、前記樹脂成形品から前記樹脂ランナーを前記切断面で切断する切断工程とを具備するものである。
ここで、一対の金型が有するゲートキャビティの一部のキャビティ面を形成する切断部材と移動部材とは、一対の金型のゲートキャビティの両側でそれぞれ所定の表面積を有してキャビティ面の一部を形成していることを意味する。そして、切断部材による樹脂ランナーの切断方向への移動に応じて移動部材が移動されるとは、一対の金型のゲートキャビティ側で、切断部材と移動部材とのキャビティ面が互いに対向し、一対の金型の開閉方向に平行に配設されていることを意味する。更に、切断部材のキャビティ面を移動部材のキャビティ面の移動に応じて相対移動させることにより切断面を形成するとは、切断部材のキャビティ面が移動部材側に移動されることによって樹脂成形品から樹脂ランナーが切断面にて形抜きにより切断するものであればよい。
請求項7の射出成形方法の前記切断部材と前記移動部材は、前記一対の金型の開閉方向に直角な断面形状が一致し、前記切断部材の移動距離に対応して前記移動部材が後退し、前記樹脂成形品を前記樹脂ランナーの部分の形抜きによって切断するものである。ここで、切断部材と移動部材の断面形状が一致するとは、一対の金型のゲートキャビティ側に設けられた切断部材と移動部材とが、樹脂成形品から樹脂ランナーを切断して除去するように相対移動する関係にあることを意味する。また、一対の金型内にあって、切断部材の移動距離に対応して移動部材が後退するということは、切断部材と移動部材とが同時に平行移動し、その形状を形抜きすることを意味する。ここで、前記樹脂成形品と前記樹脂ランナーとを切断する切断部材と移動部材との相対移動は、正確に相対移動することを意味するものではなく、溶融樹脂を介在しているから、その温度変化に追随した状態となることを含む意味である。
請求項8の射出成形方法の前記一対の金型は、射出成形のため中央から略全周囲に広げたゲートキャビティと、前記ゲートキャビティに連続して前記ゲートキャビティの周りに略均一な厚さの成形キャビティを形成してなるものである。ここで、射出成形のため中央から略全周囲に広げたゲートキャビティとは、幅広で略均一な厚さの樹脂ランナーが形成されるキャビティであり、このゲートキャビティに連続して周りに略均一な厚さの成形キャビティとは、略均一な厚さの樹脂成形品を得るためのキャビティである。
請求項9の射出成形金型装置は、樹脂射出ノズルから射出される樹脂材料を通すゲートキャビティ及び前記ゲートキャビティから連続して形成された所定厚の樹脂成形品を成形する成形キャビティを有する一対の金型において、前記樹脂材料の射出充填により前記ゲートキャビティで形成される樹脂ランナーと前記成形キャビティで形成される樹脂成形品を一体に成形する主型部と、前記一対の金型の一方側に配設され、前記樹脂ランナーと前記樹脂成形品との切断位置で、前記ゲートキャビティの一部のキャビティ面を有する切断部材に対応して、前記切断部材による前記樹脂ランナーの切断方向への移動に応じて、前記一対の金型の他方側に配設され、前記ゲートキャビティの一部のキャビティ面を有する移動部材が互いのキャビティ面を略平行に相対移動自在として切断口を形成する切断型部とを具備するものである。
ここで、樹脂材料の射出充填により一対の金型のゲートキャビティにて形成される樹脂ランナーとゲートキャビティから連続する成形キャビティにて形成される樹脂成形品を一体に成形する一対の金型の主型部に対して、樹脂ランナーと樹脂成形品との切断位置となるゲートキャビティの両側には、キャビティ面の一部を形成する切断部材と移動部材とがそれぞれ配設されて切断型部が構成されている。この切断型部としての切断部材による樹脂ランナーの切断方向への移動に応じて、移動部材が互いのキャビティ面を略平行移動自在として切断面を形成するとは、切断部材のキャビティ面が移動部材側に移動されることによって樹脂成形品から樹脂ランナーの一部が切断体積として形抜きされて切断される。
このとき、一対の金型内にあって、切断部材と移動部材とが同時に平行移動し、その形状を形抜きすることを意味する。ここで、前記樹脂成形品と前記樹脂ランナーとを切断する切断部材と移動部材との相対移動は、正確に相対移動することを意味するものではなく、溶融樹脂を介在しているから、その温度変化に追随した状態となる。結果的に、樹脂成形品には、樹脂ランナー側との接続端面に切断部材による切断口が形成される。
請求項1の射出成形装置によれば、一対の金型のゲートキャビティ及び成形キャビティに対して、樹脂射出ノズルから樹脂材料を射出することで、ゲートキャビティに対応して形成される樹脂ランナーと、これに続く成形キャビティに対応して形成される樹脂成形品との切断位置には、ゲートキャビティの一部のキャビティ面を形成する切断部材と移動部材が相対移動自在に配設されている。そして、射出成形後で一対の金型が解放される前に、移動設定部材による移動部材の拘束が解除され、切断補助部材によって切断部材が樹脂ランナー側に移動され、そのキャビティ面が移動部材のキャビティ面の移動に応じて平行移動され、樹脂成形品側に切断口が形成され、樹脂成形品から樹脂ランナーが切断される。
即ち、樹脂成形品から樹脂ランナーを切断するための切断部材と、それに対向する移動部材には、ゲートキャビティの一部となるキャビティ面が形成されており、射出成形時の樹脂材料の射出充填に伴う大きな圧力がかかることとなるが、この際には一対の金型として固定された状態にあり、樹脂材料の射出充填による樹脂ランナー及び樹脂成形品の成形に支障を及ぼすことがない。また、射出成形後で一対の金型が解放される前に、一対の金型とは別部材に設けられたカム部材の移動によって、移動設定部材が移動されることで移動部材の拘束が解除され、切断補助部材によって切断部材と移動部材とが同時に平行移動し、その形状を形抜きすることによって、樹脂成形品から樹脂ランナーが切断されることとなり、樹脂成形品の樹脂ランナー側の仕上がり寸法精度も他の部分と同様に、一対の金型の寸法精度によって規定されるという優れた効果が期待できる。
請求項2の射出成形装置では、切断部材と移動部材における一対の金型の開閉方向に直角な断面形状が一致されていることで、請求項1の効果に加えて、切断部材と移動部材の相対移動により、その形状を形抜きするものであるから、切断部材と移動部材はゲートキャビティの一部を形成するキャビティ面によって、樹脂成形品から樹脂ランナーを切断する際の形抜きをすることとなり、成形キャビティ内の圧力を変動させないから、寸法精度の良い樹脂成形品を得ることができる。
請求項3の射出成形装置では、切断部材のキャビティ面で樹脂成形品から樹脂ランナーを切断する切断位置に対応している稜線の断面角度が、約70〜90度の範囲に設定されているから、請求項1または請求項2の何れかの効果に加えて、射出成形後に一対の金型が解放される前には、樹脂ランナー及び樹脂成形品は一対の金型内にあって未だ温度が高く完全に固化しておらず、切断部材と移動部材の相対移動により、その形状を形抜きするものであり、所定の切刃で剪断力を加えることなく切断処理でき、鋭利な刃物形状である必要はないから、樹脂成形品の切断線として良好な仕上がり結果が得られると共に、切断部材の稜線の耐久性に影響を与えることもない。また、切断の際に、樹脂成形品の表面精度や切断線の仕上がりに悪影響を与えることがなく、切断部材の稜線における耐久性の向上が期待できる。特に、切断部材と移動部材の相対移動により切断するものであるから、切断に要する単位面積当たりの圧力を小さくでき、変形や摩耗等の損傷が低減されることで、耐久性に優れたものとすることができる。
請求項4の射出成形装置では、移動設定部材の移動部材に面する側の背面側に、摺動抵抗を低減する摺動補助部材が配設されているから、請求項1乃至請求項3の何れか1つの効果に加えて、移動設定部材の移動部材に面する側の背面側には、射出成形の樹脂材料の射出充填に伴う大きな圧力が移動部材側からかかることとなるが、移動設定部材の背面側に配設された摺動補助部材によって、その摺動抵抗の低減により移動部材に対して少ない力で直角方向に容易に摺動させることができる。
請求項5の射出成形装置では、一対の金型には射出成形のため中央から略全周囲に広げたゲートキャビティと、このゲートキャビティに連続してその周りに略均一な厚さの成形キャビティが形成されているため、請求項1乃至請求項4の何れか1つの効果に加えて、中央に開口を備え、分散が均一化できるから、高い表面精度を有し、かつ、平面的な薄手の樹脂成形品を得ることができる。
請求項6の射出成形方法によれば、射出成形工程で、一対の金型のゲートキャビティ及び成形キャビティに対して、樹脂射出ノズルから樹脂材料を射出することで、成形キャビティに樹脂成形品が射出成形される。この射出成形工程の後の準備工程で、樹脂ランナーと樹脂成形品との切断位置で、ゲートキャビティの一部のキャビティ面を形成する切断部材に対応して、ゲートキャビティの一部のキャビティ面を形成する移動部材が互いのキャビティ面を略相対的に移動する。この準備工程と同時またはそれ以降の切断工程では、切断部材が樹脂ランナー側へ移動され、そのキャビティ面が移動部材のキャビティ面の移動に応じて略平行して相対移動されることにより切断面が形成され、この間、成形キャビティで成形される樹脂成形品に何らの圧力変動も与えないで樹脂成形品から樹脂ランナーが切断される。
即ち、樹脂成形品から樹脂ランナーを切断するための切断部材には、それに対向する移動部材と共に、ゲートキャビティの一部のキャビティが形成されており、射出成形のため樹脂材料の射出充填に伴う大きな圧力がかかることとなるが、この際には一対の金型内に固定された状態にあるため、樹脂材料の射出充填による樹脂ランナー及び樹脂成形品の成形に支障を及ぼすことがない。この射出成形後で一対の金型が解放される前に、樹脂ランナーと樹脂成形品との切断位置で、切断部材の樹脂ランナーの切断方向への移動に応じて、移動部材が互いのキャビティ面が略平行に相対移動する。これと同時またはそれ以降に、切断部材が移動部材の相対移動に応じて切断線が形成され、樹脂成形品から樹脂ランナーが切断される。このとき、成形キャビティで成形される樹脂成形品に何らの圧力変動も与えないで樹脂成形品から樹脂ランナーが切断されるから、樹脂成形品の樹脂ランナー側の仕上がり寸法精度も他の部分と同様に、一対の金型の寸法精度によって規定された樹脂成形品を得ることができる。
請求項7の射出成形方法では、請求項6の効果に加えて、切断部材と移動部材における一対の金型の開閉方向に直角な断面形状が一致されていることで、切断部材の移動距離に対応して移動部材が後退され、両者の相対移動によって樹脂成形品と樹脂ランナーとが切断される。このとき、切断部材と移動部材はゲートキャビティの一部を形成する各キャビティによって、樹脂成形品から樹脂ランナーを面で切断する打抜く作用となり、かつ、切断の際には、成形キャビティで成形される樹脂成形品に何らの圧力変動も与えないで樹脂成形品から樹脂ランナーが切断されるから、寸法精度の良い樹脂成形品を得ることができる。
請求項8の射出成形方法では、請求項6または請求項7の効果に加えて、一対の金型には射出成形のため中央から略全周囲に広げたゲートキャビティと、このゲートキャビティに連続してその周りに略均一な厚さの成形キャビティが形成されており、中央に開口を備え、その略全周囲に略均一に樹脂を充填すればよいから、樹脂圧が均一化され、高い表面精度を有する平面的な樹脂成形品を得ることができる。
請求項9の射出成形金型によれば、主型部では、樹脂射出ノズルから樹脂材料を射出することで、一対の金型のゲートキャビティに応じて樹脂ランナー及びそれに連続する成形キャビティに応じて均一な所定厚の樹脂成形品が一体成形され、切断型部では、樹脂成形品と樹脂ランナーとの切断位置で、切断部材が樹脂ランナーの切断方向へ移動されることによって、移動部材が互いのキャビティ面を略平行に相対移動自在とする切断口が形成される。
即ち、一対の金型の主型部によれば、樹脂材料の射出充填によりゲートキャビティに対応して樹脂ランナー、成形キャビティに対応して樹脂成形品が一体に成形される際、ゲートキャビティの一部のキャビティを有し、樹脂成形品から樹脂ランナーを切断するための切断部材及びこれに対向してゲートキャビティの一部のキャビティを有する移動部材には、射出充填に伴う大きな圧力がかかることとなるが、一対の金型内にて固定された状態にあるため、樹脂材料の射出充填による樹脂ランナー及び樹脂成形品の成形に支障を及ぼすことがない。切断型部は、この射出成形後の金型が解放される前に、樹脂ランナーと樹脂成形品との切断位置で、切断部材の樹脂ランナーの切断方向への移動に応じて、移動部材が互いのキャビティ面が略平行状態を維持しながら相対移動し、切断部材が移動部材の相対移動に応じて切断口が形成されることによって、樹脂成形品から樹脂ランナーが抜き取り切断されることとなり、切断の際には、成形キャビティで成形される樹脂成形品に何らの圧力変動も与えないで樹脂成形品から樹脂ランナーが切断されるから、樹脂成形品の樹脂ランナー側の仕上がり寸法精度も他の部分と同様に、一対の金型の寸法精度によって規定された樹脂成形品を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施の形態にかかる射出成形装置の概略構成を示す部分断面図である。また、図2は図1の射出成形装置を構成する一対の金型におけるゲートキャビティ及び成形キャビティを示す要部拡大断面図であり、図3は図2の一対の金型に対する樹脂材料の射出充填により成形された樹脂ランナーと樹脂成形品を、上型側を取り外して上方向から見た概略平面図である。そして、図4は図2に対応する一対の金型におけるゲートキャビティの変形例を示す要部拡大断面図である。図5は本実施の形態の射出成形装置を構成する一対の金型に樹脂材料を射出充填し、樹脂ランナー及び樹脂成形品を成形した状態を示す断面図、図6乃至図8は、図5に続いて樹脂成形品から樹脂ランナーを切断し、一対の金型を解放して、樹脂成形品及び樹脂ランナーを取り出す際の一連の動きを示す断面図である。なお、図1、図2及び図4乃至図8では、一対の金型の中央から略全周囲に広がるゲートキャビティ及びそれに続く周りの全周囲に略均一な厚さの成形キャビティに対して左方向に対応する部分のみを図示したものである。
図1及び図2において、射出成形装置100を構成する一対の金型は、固定型としての上型10と可動型としての下型20とからなる。上型10には上型ゲートキャビティ13や上型成形キャビティ15が形成された上型形成部材11が固定され、下型20には下型ゲートキャビティ23や下型成形キャビティ25が形成された下型形成部材21が固定されている。
また、上型10の上型形成部材11の上型ゲートキャビティ13側には、樹脂射出ノズル17が固設され、この先端のノズル開閉軸18の上昇または下降によって樹脂材料が射出される。そして、樹脂射出ノズル17に対向する下型20の下型形成部材21には、上型10に対して下型20が解放されたときに、後述するように、樹脂ランナー33の中央を下型形成部材21側から押し出すためのランナー押出ピン73が挿設され、その下端がピン押上部材71に固設されている。更に、ピン押上部材71には、後述するように、樹脂成形品35を下型形成部材21側から押し出すため、下型形成部材21に挿設された成形品押出ピン75の下端も固設されている。したがって、ピン押上部材71が上方に移動すると、ランナー押出ピン73及び成形品押出ピン75が樹脂ランナー33の中央、上型成形キャビティ15が形成された樹脂成形品35を押し出すようになっている。ピン押上部材71が下方に移動すると、成形のセット位置となる。
図2及び図3に示すように、本実施の形態の射出成形装置100では、樹脂射出ノズル17から射出される樹脂材料によって、中央から略全周囲となる、左右・前後方向の4方向に扇状に広がる均一な薄い厚さ、具体的には、約1〜5〔mm〕程度の上型ゲートキャビティ13及び下型ゲートキャビティ23に対応する樹脂ランナー33(図3に斜線にて表示)に対応する中央に開口を備え、そして、この上型ゲートキャビティ13及び下型ゲートキャビティ23に続く周りの全周囲に略均一な薄い厚さ、具体的には、約0.5〜3〔mm〕程度の上型成形キャビティ15及び下型成形キャビティ25が連続的に形成されている。特に、高い表面精度を有する平面的な樹脂成形品35が成形できるように、上型成形キャビティ15及び下型成形キャビティ25が形成されている。後述するように、樹脂ランナー33を樹脂成形品35の左右・前後方向の4箇所の内側端面となる切断線37(図3に破線にて表示)で切断するため、下型形成部材21の左右・前後方向の4箇所には切断部材61がそれぞれ配設されている。
また、図1乃至図3に示すように、下型形成部材21には、下型ゲートキャビティ23の一部のキャビティ面62を形成する切断部材61が、ばね部材63によって下側方向に常時、付勢されるように配設されている。この切断部材61のキャビティ面62のうち樹脂成形品35から樹脂ランナー33を切断する切断位置に対応する稜線62aは、下型ゲートキャビティ23から続く切断部材61のキャビティ面62の傾斜面と金型の開閉方向とで決まる断面角度θは、θ=70度程度のやや鋭角側に設定されている。この切断部材61に対向して上型形成部材11には、上型ゲートキャビティ13の一部のキャビティ面66を形成する移動部材65が配設されている。この移動部材65は、上端が移動設定部材51の下面側にて上方向への移動が阻止状態とされ、また、その突出部67が上型形成部材11に形成された段部19にて下方向への移動が規制されている。
そして、移動設定部材51は、ばね部材54にて下方向に付勢された鋼球55が、その上面側に形成されたV溝53に係合されて略右端に位置決めされ、不用意に左方向に移動しないように構成されている。この移動設定部材51には、後述のカム部材43の傾斜カム部45の上側への移動により、左方向に移動可能となるように、傾斜カム孔52が穿設されている。更に、移動設定部材51には、移動部材65に面する側の背面側に、例えば、直動形のニードルベアリング等からなる摺動補助部材57が配設されている。
更にまた、移動設定部材51の傾斜カム孔52に挿通されるカム部材43が、金型とは別のカム押上部材41に固設されている。このカム押上部材41は作動部材40に固設され、金型の開閉方向(図1の上下方向)に移動自在に配設されている。なお、作動部材40は、上型10と下型20とを開閉するための油圧等の駆動源を利用して、後述の所定のタイミングにて作動される。また、カム部材43の上方側は、下型20に固設されたガイド部材47によって案内されている。また、カム押上部材41には、その移動の後半である最終ストロークで切断部材61を樹脂ランナー33の切断方向へ移動させる切断補助部材49が固着されている。
ここで、図2に対応する一対の金型の構成で、下型形成部材21に形成された下型ゲートキャビティ23の一部となる切断部材61のキャビティ面62の変形例を、図4に示す部分拡大断面図を参照して説明する。なお、図2と同様の構成または相当部分からなるものについては同一符号及び同一記号を付し、その重複する説明を省略する。
図4に示すように、切断部材61のキャビティ面62のうち、樹脂成形品35を形成するための上型成形キャビティ15及び下型成形キャビティ25に面した稜線62bでは、その断面角度θがθ=90度程度の直角に設定されていることが、図2に示す切断部材61のキャビティ面62の稜線62aと異なっている。
図2では、切断部材61のキャビティ面62で切断位置に対応する稜線62aの断面角度θが、θ=70度程度のやや鋭角側に設定されていることで、樹脂成形品35から樹脂ランナー33を切断する際に、樹脂成形品35側に余分な圧力がかかることがないため、仕上がり寸法精度が安定した樹脂成形品35が得られると共に、樹脂ランナー33が切断された樹脂成形品35の内側端面の切断線37の面精度が良いものが得られる。これに対して、図4に示すように、稜線62bの断面角度が、90度程度の直角側に設定されている場合であっても、樹脂ランナー33が切断された樹脂成形品35の内側端面の切断線37では、遜色のない面精度が得られる。即ち、切断部材61及び移動部材65からなる切断型部は、この射出成形後の上型10と下型20からなる金型が解放される前に、樹脂ランナー33と樹脂成形品35との切断位置で、切断部材61の樹脂ランナー33の切断方向への移動に追随して移動部材65が互いのキャビティ面62,66を略平行状態とし、その状態を維持しながら相対移動し、切断部材61が移動部材65の相対移動に応じて切断線37が形成されることによって、樹脂成形品35から樹脂ランナー33が形抜き切断されることとなり、切断の際には、上型成形キャビティ15及び下型成形キャビティ25からなる成形キャビティで成形される樹脂成形品35に何らの圧力変動も与えないで樹脂成形品35から樹脂ランナー33が切断され、樹脂成形品35の樹脂ランナー33側の仕上がり寸法精度も他の部分と同様に、一対の上型10と下型20からなる金型の寸法精度によって規定された樹脂成形品35を得ることができる。
何れにしても、切断部材61のキャビティ面62で、樹脂成形品35から樹脂ランナー33を切断する切断位置に対応する約70〜90度の範囲内の稜線62a,62bを採用する場合には、射出成形後に上型成形キャビティ15及び下型成形キャビティ25で形成される高い表面精度を有する平面的な樹脂成形品35が得られる。その実施状態の結果から、断面角度θがθ=50〜120度程度までは影響を与えないと推定される。また、上型成形キャビティ15及び下型成形キャビティ25への樹脂材料の入口側となる上型ゲートキャビティ13及び下型ゲートキャビティ23側の断面積に連続性を持たせるように設定することもでき、その連続性によって、樹脂成形品35の表面精度をよくすることができる。
次に、射出成形装置100を構成する上型10及び下型20を解放する前において、上型成形キャビティ15及び下型成形キャビティ25に対応する樹脂成形品35から上型ゲートキャビティ13及び下型ゲートキャビティ23に対応する樹脂ランナー33を切断した後、上型10及び下型20を解放して樹脂成形品35及び樹脂ランナー33を取り出す際の一連の動きについて、図5〜図8を参照して説明する。
まず、図5に示すように、樹脂射出ノズル17先端のノズル開閉軸18が上昇されることで樹脂材料の射出充填が開始され、上型ゲートキャビティ13及び下型ゲートキャビティ23に対応する樹脂ランナー33と、これに続く上型成形キャビティ15及び下型成形キャビティ25に対応する樹脂成形品35が成形される。なお、樹脂材料の射出充填開始から所定時間後に、樹脂射出ノズル17先端のノズル開閉軸18が下降され閉じられることで射出充填を終了する。
次に、図6に示すように、作動部材40に固設されたカム押上部材41の上方向への移動に連れて、一体的に固設されているカム部材43が上方向へ移動される。すると、カム部材43先端の傾斜カム部45が、移動設定部材51に穿設された傾斜カム孔52に挿通されることで、移動設定部材51が略右端に位置決めされた移動部材65の移動の阻止状態から左端側へ向かって移動開始される。この際、移動設定部材51の移動部材65に面する側の背面側には摺動補助部材57が配設されていることで、移動部材65側から樹脂材料の射出充填に伴う大きな圧力がかかっていても、カム部材43の上方向への移動に連れて移動設定部材51は容易に左方向に移動される。
次いで、カム部材43の上方向への移動により、移動設定部材51が略左端まで移動され、移動部材65は移動許可状態となる。このとき、カム押上部材41の上方向への移動に連れて、一体的に固設されている切断補助部材49が上方向へ移動され、その先端が切断部材61の下端に当接状態となる。
更に、図7に示すように、カム押上部材41によってカム部材43及び切断補助部材49が上方向へ移動すると、カム部材43の移動の後半である最終ストロークで、切断補助部材49により切断部材61が、上型成形キャビティ15及び下型成形キャビティ25に対応する樹脂成形品35と接続する上型ゲートキャビティ13及び下型ゲートキャビティ23に対応する樹脂ランナー33を切断し、ばね部材63の付勢力に打ち勝って押し上げられる。つまり、切断部材61の上方向への移動によって、切断部材61の上端のキャビティ面62が、上型形成部材11内の移動部材65のキャビティ面66の移動に応じて生じる凹部に挿嵌される。この切断部材61の上方向への移動によって、上型成形キャビティ15及び下型成形キャビティ25に対応する樹脂成形品35から上型ゲートキャビティ13及び下型ゲートキャビティ23に対応する樹脂ランナー33が、切断部材61の稜線62a(62b)による切断位置に対応する切断線37で切断される。なお、この際に切断されるのは、図3の破線で挟まれた斜線部に示すように、樹脂成形品35の内側端面となる切断線37から切断部材61の幅寸法に相当する樹脂ランナー33の一部分(4個の面からなる体積)である。
上述した一連の動作によって、射出成形後で金型を構成する上型10と下型20とを解放する前に、樹脂成形品35に接続する樹脂ランナー33の先端部分が切断される。そして、図8に示すように、固定側の上型10に対して移動側の下型20が樹脂成形品35及び樹脂ランナー33を伴い、作動部材40、カム押上部材41、ピン押上部材71等が一緒に下降されて金型が解放される。この下型20の下降の終端の手前で、ピン押上部材71が停止される。すると、相対的に下型20に対してピン押上部材71が上昇されたこととなり、ピン押上部材71に固設された成形品押出ピン75により下型形成部材21側から樹脂成形品35が押し出され、同時に、ピン押上部材71に固設されたランナー押出ピン73により下型形成部材21側から樹脂ランナー33が押し出され、下型形成部材21側から外された状態となる。なお、このとき、切断部材61によって切断された状態にある樹脂ランナー33の一部分は、図8では、切断部材61のキャビティ面62上に載置されたように図示されているが、下型20の下降によって適宜、下型形成部材21上に位置されることとなる。したがって、図8の状態において、樹脂成形品35が取り出され、切断後の不要な樹脂ランナー33(図3に破線にて挟まれた斜線部を含む)が取り除かれたのち、固定側の上型10に対して移動側の下型20が上昇されることで、図1に示す射出成形のための初期状態に戻される。
このように、本実施の形態の射出成形装置100は、樹脂射出ノズル17から射出される樹脂材料を通す上型ゲートキャビティ13及び下型ゲートキャビティ23にて構成されるゲートキャビティ及び前記ゲートキャビティを介して所定の樹脂成形品35を形成する上型成形キャビティ15及び下型成形キャビティ25にて構成される成形キャビティを有する上型10に固定された上型形成部材11及び下型20に固定された下型形成部材21からなる一対の金型と、前記一対の金型とは別部材となる作動部材40及びカム押上部材41に設けられ、前記一対の金型の開閉方向に平行して移動自在なカム部材43と、カム部材43の移動に伴ってカム部材43の移動方向に対して略直角方向に摺動される移動設定部材51と、前記一対の金型の一方側に配設され、前記ゲートキャビティで形成される樹脂ランナー33と前記成形キャビティで形成される樹脂成形品35との切断位置で、前記ゲートキャビティの一部のキャビティ面62を形成し、樹脂ランナー33側に移動自在な切断部材61と、前記一対の金型の他方側に配設され、前記ゲートキャビティの一部のキャビティ面66を形成し、射出成形時には移動設定部材51によってその移動が拘束され、移動設定部材51による拘束が解除されたとき、切断部材61による樹脂ランナー33の切断方向への移動に応じて移動する移動部材65と、カム部材43により移動設定部材51を摺動し、移動設定部材51による拘束を解除し、切断部材61を樹脂ランナー33側に移動させ、切断部材61のキャビティ面62を移動部材65のキャビティ面66の移動に応じて平行移動させることにより樹脂成形品35の内側端面となる切断線37を形成することにより、樹脂成形品35から樹脂ランナー33を切断面で切断する切断補助部材49とを具備するものである。
ここで、上記実施の形態では、射出成形のとき、移動部材65の移動を拘束し、切断部材61による切断方向の移動を許容するとき、移動部材65による拘束を解除する移動設定部材51は、一対の上型10と下型20からなる金型とは別部材に設けられ、一対の上型10と下型20からなる金型の開閉方向に平行して移動自在なカム部材43と、カム部材43の移動に伴ってカム部材43の移動方向に対して直角方向に摺動される移動設定部材51とで構成したものである。しかし、本発明を実施する場合には、カム部材43をラックとし、ピニオンギヤを回転することによって移動設定部材51を移動させることもできる。また、カム部材43の太さを徐変し、移動設定部材51を移動させることもできる。また、直接油圧または電動機等の駆動源によって、直接、移動設定部材51を移動させることもできる。即ち、移動設定部材は、射出成形のとき、移動部材65の移動を拘束し、切断部材61による切断方向の移動を許容するとき、移動部材65による拘束を解除するものであればよい。
即ち、上記実施の形態の射出成形装置100は、樹脂射出ノズル17から射出される樹脂材料を通す上型ゲートキャビティ13及び前記下型ゲートキャビティ23を介して所定の樹脂成形品35を形成する成形キャビティを有する上型10に固定された上型形成部材11及び下型20に固定された下型形成部材21からなる一対の金型と、上型10に固定された上型形成部材11及び下型20に固定された下型形成部材21からなる一対の金型の一方側に配設され、前記上型ゲートキャビティ13及び前記下型ゲートキャビティ23で形成される樹脂ランナー33と前記成形キャビティで形成される樹脂成形品35との切断位置で、下型ゲートキャビティ23の一部のキャビティ面62を形成し、樹脂ランナー33側に移動自在な切断部材61と、前記一対の金型の他方側に配設され、前記上型ゲートキャビティ13の一部のキャビティ面66を形成し、射出成形時には移動が拘束され、拘束が解除されたとき、切断部材61による樹脂ランナー33の切断方向への移動に応じて移動する移動部材65と、射出成形時には、移動部材65の移動を拘束し、切断部材61による切断方向の移動を許容する時には、移動部材65による拘束を解除する移動設定部材51と、移動設定部材51による拘束を解除し、切断部材61を樹脂ランナー33側に移動させ、切断部材61のキャビティ面62を移動部材65のキャビティ面66の移動に応じて平行移動させることにより切断面を形成し、樹脂成形品35から樹脂ランナー33を切断面で切断する切断補助部材49とを具備する射出成形装置の実施の形態とすることができる。
また、本実施の形態の射出成形装置100における各構成要素による一連の動作は、作業工程として捉えることができる。即ち、樹脂射出ノズル17から射出される樹脂材料を通す上型ゲートキャビティ13及び下型ゲートキャビティ23にて構成されるゲートキャビティ及び前記ゲートキャビティから連続して形成された所定厚の樹脂成形品35を形成する上型成形キャビティ15及び下型成形キャビティ25にて構成される成形キャビティを有する上型10に固定された上型形成部材11及び下型20に固定された下型形成部材21からなる一対の金型に対して、樹脂材料の射出充填により前記ゲートキャビティで形成される樹脂ランナー33と前記成形キャビティで形成される樹脂成形品35を一体に成形する射出成形工程と、前記射出成形工程の後、前記一対の金型の一方側に配設され、樹脂ランナー33と樹脂成形品35との切断位置で前記ゲートキャビティの一部のキャビティ面62を有する切断部材61に対応して、切断部材61による樹脂ランナー33の切断方向への移動に応じて、前記一対の金型の他方側に配設され、前記ゲートキャビティの一部のキャビティ面66を有する移動部材65が互いのキャビティ面62,66を略平行移動自在とする準備工程と、前記準備工程と同時またはそれ以降に、切断部材61を樹脂ランナー33側に移動させ、切断部材61のキャビティ面62を移動部材65のキャビティ面66の移動に応じて平行移動させることにより樹脂成形品35の内側端面となる切断口を形成し、樹脂成形品35から樹脂ランナー33を切断線37で切断する切断工程とを具備する射出成形方法の実施の形態とすることができる。
そして、本実施の形態の射出成形装置100は、切断部材61と移動部材65における、前記一対の金型の開閉方向に平行な長さ方向に対して直角な断面形状が一致するものであり、切断部材61の移動距離に対応して移動部材65が後退し、樹脂成形品35と樹脂ランナー33とを切断するものである。
更に、本実施の形態の射出成形装置100は、切断部材61のキャビティ面62で樹脂成形品35から樹脂ランナー33を切断する切断位置に対応する稜線62a(62b)の断面角度を、約70〜90度の範囲内に設定するものである。
更にまた、本実施の形態の射出成形装置100は、移動設定部材51が移動部材65に面する側の背面側に摺動抵抗を低減する摺動補助部材57を配設するものである。
加えて、本実施の形態の射出成形装置100は、前記一対の金型が射出成形のため中央から略全周囲に広げたゲートキャビティ13,23と、ゲートキャビティ13,23に連続してそのゲートキャビティ13,23の周りに略均一な厚さの成形キャビティ15,25を形成してなるものである。
即ち、上型10、上型形成部材11及び下型20、下型形成部材21にて構成される一対の金型による中央から略全周囲に広がるゲートキャビティ13,23に連続し、その周りに略均一な厚さの成形キャビティ15,25に対応して、樹脂射出ノズル17から射出される樹脂材料によって中央から略全周囲に広がる樹脂ランナー33、その周りに略均一な厚さの樹脂成形品35が形成される。ここで、樹脂成形品35から樹脂ランナー33を切断するための切断部材61のキャビティ面62が、それに対向する移動部材65のキャビティ面66と共に、ゲートキャビティの一部を形成しており、射出成形のため樹脂材料の射出充填に伴う大きな圧力がかかることとなるが、この際には一対の金型内にて固定されているため、樹脂材料の射出充填による樹脂ランナー33及び樹脂成形品35の成形に支障を及ぼすことがない。
また、上記一対の金型とは別部材である作動部材40、カム押上部材41に設けられたカム部材43の一対の金型の開閉方向に平行する移動に伴って直角方向に移動設定部材51が摺動されることで、移動部材65の拘束が解除されると、切断補助部材49により切断部材61が樹脂ランナー33側に移動され、そのキャビティ面62が移動部材65のキャビティ面66の移動に応じて平行移動され、樹脂ランナー33が樹脂成形品35の内側端面である切断口で切断されため、樹脂成形品35の樹脂ランナー33側の切断線37における仕上がり寸法精度も他の成形部分と同様に、金型の寸法精度に一致させることができる。
そして、射出成形後で一対の金型を解放する前では、樹脂ランナー33及び樹脂成形品35は一対の金型内にあって未だ温度が高く完全に固化しておらず、切断部材61及び移動部材65からなる切断型部は、切断部材61の樹脂ランナー33の切断方向への移動に追随して移動部材65が互いのキャビティ面62,66を略平行状態とし、その状態を維持しながら相対移動し、切断部材61が移動部材65の相対移動に応じて切断線37が形成されるものである。これによって、樹脂成形品35から樹脂ランナー33が抜き取り切断されることとなり、切断の際には、上型成形キャビティ15及び下型成形キャビティ25からなる成形キャビティで成形される樹脂成形品35に何らの圧力変動も与えないで樹脂成形品35から樹脂ランナー33が切断されるから、樹脂成形品35の樹脂ランナー33側の仕上がり寸法精度も他の部分と同様に、一対の上型10と下型20からなる金型の寸法精度によって規定された樹脂成形品35を得ることができる。切断部材61のキャビティ面62は、樹脂成形品35から樹脂ランナー33を切断する切断位置に対応する稜線62a(62b)を、鋭利な刃物形状とする必要がない。
このため、切断部材61の稜線62a(62b)は、単位面積当たりの圧力を小さくでき、変形や摩耗等の損傷が低減され、耐久性に優れたものとすることができる。具体的には、切断部材61のキャビティ面62の稜線62a(62b)の断面角度が、約70〜90度の範囲内となるように設定されることにより、樹脂成形品35は高い表面精度が得られると共に、樹脂ランナー33が切断された樹脂成形品35の切断線37の仕上がり面精度を良好なものとすることができる。
更に、移動設定部材51には、移動部材65に面する側の背面側に、射出成形のため樹脂材料の射出充填に伴う大きな圧力がかかることとなるが、摺動補助部材57による摺動抵抗の低減効果によって、カム部材43による移動設定部材51の移動を容易に行うことができる。
略均一な厚さで幅広い樹脂成形品35の射出成形では、金型に幅広く形成された下型ゲートキャビティ23及び上型ゲートキャビティ13から樹脂材料を射出充填し、樹脂成形品35に対応する下型成形キャビティ25及び上型成形キャビティ15からなる成形キャビティ全体に樹脂材料が同時に平均的に流れ込み、その流路の長さにも誤差が少なくなるから、表面に樹脂の流れ縞等のない樹脂成形品35が得られる。また、射出成形終了後に金型から取り出された樹脂成形品35から幅広いゲート部分を切り離す作業を人為的作業で行う必要がないから、寸法精度が向上する。したがって、金型の樹脂成形品35に対応する下型成形キャビティ25及び上型成形キャビティ15からなる成形キャビティに対して下型ゲートキャビティ23及び上型ゲートキャビティ13からなるゲートキャビティ部分を幅広く設定することができ、精度の高い成形を行うことができる。
加えて、上記実施の形態は、樹脂射出ノズル17から射出される樹脂材料を通す下型ゲートキャビティ23及び上型ゲートキャビティ13からなるゲートキャビティ及び前記ゲートキャビティから連続して形成された所定厚の樹脂成形品35を成形する下型成形キャビティ25及び上型成形キャビティ15からなる成形キャビティを有する一対の金型において、前記樹脂材料の射出充填により前記ゲートキャビティで形成される樹脂ランナー33と前記成形キャビティで形成される樹脂成形品35を一体に成形する下型ゲートキャビティ23及び上型ゲートキャビティ13並びに下型成形キャビティ25及び上型成形キャビティ15で構成される主型部と、前記一対の金型の一方側に配設され、樹脂ランナー33と樹脂成形品35との切断位置で、前記下型ゲートキャビティ23の一部のキャビティ面62を有する切断部材61に対応して、切断部材61による樹脂ランナー33の切断方向への移動に応じて、前記一対の金型の他方側に配設され、上型ゲートキャビティ13の一部のキャビティ面66を有する移動部材65が互いのキャビティ面62とキャビティ面66とを略平行に相対移動自在として切断面を形成する切断部材61及び移動部材65からなる切断型部とを具備する射出成形金型装置の発明とすることができる。
下型ゲートキャビティ13及び上型ゲートキャビティ23並びに下型成形キャビティ25及び上型成形キャビティ15で構成される主型部によれば、樹脂材料の射出充填により下型ゲートキャビティ13及び上型ゲートキャビティ23からなるゲートキャビティに対応して樹脂ランナー33、下型成形キャビティ25及び上型成形キャビティ15からなる成形キャビティに対応して樹脂成形品35が一体に成形される際、ゲートキャビティの一部のキャビティを有し、樹脂成形品35から樹脂ランナー33を切断するための切断部材61及びこれに対向してゲートキャビティの一部のキャビティを有する移動部材65には、射出充填に伴う大きな圧力がかかることとなるが、一対の金型内にて固定された状態にあるため、樹脂材料の射出充填による樹脂ランナー33及び樹脂成形品35の成形に支障を及ぼすことがない。切断部材61及び移動部材62からなる切断型部は、この射出成形後の金型が解放される前に、樹脂ランナー33と樹脂成形品35との切断位置で、切断部材61の樹脂ランナー33の切断方向への移動に応じて、移動部材65が互いのキャビティ面62,65が略平行状態を維持しながら相対移動し、切断部材61が移動部材65の相対移動に応じて切断口が形成されることによって、樹脂成形品35から樹脂ランナー33が抜き取り切断されることとなり、切断の際には、下型成形キャビティ25及び上型成形キャビティ15からなる成形キャビティで成形される樹脂成形品35に何らの圧力変動も与えないで樹脂成形品35から樹脂ランナー33が切断されるから、樹脂成形品35の樹脂ランナー33側の仕上がり寸法精度も他の部分と同様に、一対の金型の寸法精度によって規定された樹脂成形品35を得ることができる。
ところで、上記実施の形態では、射出成形後で一対の金型を解放する前に、切断部材61により樹脂成形品35から樹脂ランナー33を切断しているが、これに代えて、例えば、一対の金型に丸孔等を穿設するための型抜きを切断部材61と同様に配設して、切断部材61と同様のタイミングにて移動させれば、一対の金型の樹脂成形によって丸孔等を成形するよりも、樹脂成形品35に対して、仕上がり寸法精度に優れた丸孔等を穿つこともできる。
図1は本発明の一実施の形態にかかる射出成形装置の概略構成を示す部分断面図である。 図2は図1の射出成形装置を構成する一対の金型におけるゲートキャビティ及び成形キャビティを示す部分拡大断面図である。 図3は図2の一対の金型に対する樹脂材料の射出充填により形成された樹脂ランナーと樹脂成形品を、上型側を取り外して上方向から下型側と共に見た概略平面図である。 図4は図2に対応する一対の金型におけるゲートキャビティの変形例を示す部分拡大断面図である。 図5は本発明の一実施の形態にかかる射出成形装置を構成する一対の金型に樹脂材料を射出充填し、樹脂ランナー及び樹脂成形品を成形した状態を示す断面図である。 図6は図5に続いて樹脂成形品から樹脂ランナーを切断する際の動きを示す断面図である。 図7は図6に続いて樹脂成形品から樹脂ランナーを切断する際の動きを示す断面図である。 図8は図7に続いて樹脂成形品から樹脂ランナーを切断したのち、一対の金型を上下に開いた状態を示す断面図である。
符号の説明
10 上型(金型)
11 上型形成部材(金型)
13 上型ゲートキャビティ
15 上型成形キャビティ
17 樹脂射出ノズル
20 下型(金型)
21 下型形成部材(金型)
23 下型ゲートキャビティ
25 下型成形キャビティ
33 樹脂ランナー
35 樹脂成形品
37 切断線
43 カム部材
49 切断補助部材
51 移動設定部材
57 摺動補助部材
61 切断部材
62 キャビティ面
62a,62b 稜線
65 移動部材
66 キャビティ面
100 射出成形装置

Claims (9)

  1. 樹脂射出ノズルから射出される樹脂材料を通すゲートキャビティ及び前記ゲートキャビティを介して所定の樹脂成形品を形成する成形キャビティを有する一対の金型と、
    前記一対の金型の一方側に配設され、前記ゲートキャビティで形成される樹脂ランナーと前記成形キャビティで形成される樹脂成形品との切断位置で、前記ゲートキャビティの一部のキャビティ面を形成し、前記樹脂ランナー側に移動自在な切断部材と、
    前記一対の金型の他方側に配設され、前記ゲートキャビティの一部のキャビティ面を形成し、射出成形時には移動が拘束され、拘束が解除されたとき、前記切断部材による前記樹脂ランナーの切断方向への移動に応じて移動する移動部材と、
    射出成形時には、前記移動部材の移動を拘束し、前記切断部材による切断方向の移動を許容する時には、前記移動部材による拘束を解除する移動設定部材と、
    前記移動設定部材による拘束を解除し、前記切断部材を前記樹脂ランナー側に移動させ、前記切断部材のキャビティ面を前記移動部材のキャビティ面の移動に応じて平行移動させることにより切断面を形成し、前記樹脂成形品から前記樹脂ランナーを前記切断面で切断する切断補助部材と
    を具備することを特徴とする射出成形装置。
  2. 前記切断部材と前記移動部材は、前記一対の金型の開閉方向に直角な断面形状が一致することを特徴とする請求項1に記載の射出成形装置。
  3. 前記切断部材は、そのキャビティ面で前記樹脂成形品から前記樹脂ランナーを切断する切断位置に対応する稜線の断面角度を、約70〜90度の範囲内に設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の射出成形装置。
  4. 前記移動設定部材は、前記移動部材に面する側の背面側に摺動抵抗を低減する摺動補助部材を配設することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の射出成形装置。
  5. 前記一対の金型は、射出成形のため中央から略全周囲に広げたゲートキャビティと、前記ゲートキャビティに連続して前記ゲートキャビティの周りに略均一な厚さの成形キャビティを形成してなることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1つに記載の射出成形装置。
  6. 樹脂射出ノズルから射出される樹脂材料を通すゲートキャビティ及び前記ゲートキャビティから連続して形成された所定厚の樹脂成形品を成形する成形キャビティを有する一対の金型に対して、樹脂材料の射出充填により前記ゲートキャビティで形成される樹脂ランナーと前記成形キャビティで形成される樹脂成形品を一体に成形する射出成形工程と、
    前記射出成形工程の後、前記一対の金型の一方側に配設され、前記樹脂ランナーと前記樹脂成形品との切断位置で、前記ゲートキャビティの一部のキャビティ面を有する切断部材に対応して、前記切断部材による前記樹脂ランナーの切断方向への移動に応じて、前記一対の金型の他方側に配設され、前記ゲートキャビティの一部のキャビティ面を有する移動部材が互いのキャビティ面を略平行移動自在とする準備工程と、
    前記準備工程と同時またはそれ以降に、前記切断部材を前記樹脂ランナー側に移動させ、前記切断部材のキャビティ面を前記移動部材のキャビティ面の移動に応じて平行移動させることにより切断面を形成し、前記樹脂成形品から前記樹脂ランナーを前記切断面で切断する切断工程と
    を具備することを特徴とする射出成形方法。
  7. 前記切断部材と前記移動部材は、前記一対の金型の開閉方向に直角な断面形状が一致し、前記切断部材の移動距離に対応して前記移動部材が後退し、前記樹脂成形品と前記樹脂ランナーとを切断することを特徴とする請求項6に記載の射出成形方法。
  8. 前記一対の金型は、射出成形のため中央から略全周囲に広げたゲートキャビティと、前記ゲートキャビティに連続して前記ゲートキャビティの周りに略均一な厚さの成形キャビティを形成してなることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の射出成形方法。
  9. 樹脂射出ノズルから射出される樹脂材料を通すゲートキャビティ及び前記ゲートキャビティから連続して形成された所定厚の樹脂成形品を成形する成形キャビティを有する一対の金型において、
    前記樹脂材料の射出充填により前記ゲートキャビティで形成される樹脂ランナーと前記成形キャビティで形成される樹脂成形品を一体に成形する主型部と、
    前記一対の金型の一方側に配設され、前記樹脂ランナーと前記樹脂成形品との切断位置で、前記ゲートキャビティの一部のキャビティ面を有する切断部材に対応して、前記切断部材による前記樹脂ランナーの切断方向への移動に応じて、前記一対の金型の他方側に配設され、前記ゲートキャビティの一部のキャビティ面を有する移動部材が互いのキャビティ面を略平行に相対移動自在として切断面を形成する切断型部と
    を具備することを特徴とする射出成形金型装置。

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