JP2007295025A - Baw共振器 - Google Patents

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Abstract

【課題】3GHz以上の高周波帯における帯域幅の広帯域化を図りつつ、Q値および電気機械結合係数を高めることができるBAW共振器を提供する。
【解決手段】ベース基板10と、ベース基板10の一表面側に形成された下部電極20と、下部電極20上に形成されたシード層25と、シード層25上に形成された圧電薄膜30と、圧電薄膜30における下部電極20側とは反対側に形成された上部電極40とを備える。圧電薄膜30は、正方晶系で〔001〕方向が当該圧電薄膜30の厚み方向に配向した(001)配向のPZT膜により構成されている。上部電極40は、圧電薄膜30上に形成された絶縁層35の開孔部36を通して圧電薄膜30と接している。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電薄膜の厚み方向の縦振動モードを利用するBAW(Bulk Acoustic Wave)共振器に関するものである。
従来から、携帯電話機などの移動体通信機器の分野において、3GHz以上の高周波帯で利用する高周波フィルタとして、圧電薄膜の材料としてAlNを採用したBAW共振器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。なお、上記特許文献1には、BAW共振器としてFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)が記載されているが、BAW共振器としては、近年、FBARの他にSMR(Solidly Mounted Resonator)が注目されている。なお、BAW共振器では、共振周波数が圧電薄膜の膜厚に反比例し、圧電薄膜の膜厚を薄くするほど共振周波数を高くすることができる。
特開2002−140075号公報
ところで、本願発明者は、BAW共振器をより広帯域の高周波フィルタとして例えばUWB(Ultra Wide Band)方式の機器に適用することを考えた。そこで、圧電薄膜の材料として、帯域幅が180MHzまでしか広帯域化できないAlNに比べて機械的品質係数Qmが低く300MHzよりも広い帯域幅を得ることが可能なPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に着目したが、〔111〕方向が厚み方向に配向した(111)配向のPZT膜を圧電薄膜として備えたBAW共振器では、フィルタのカットオフ特性の急峻さ(共振特性の立ち上がりおよび立ち下がりの急峻さ)を示す指標であるQ値、電気エネルギを機械的エネルギに変換する効率を表す電気機械結合係数が低いという問題があった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、3GHz以上の高周波帯における帯域幅の広帯域化を図りつつ、Q値および電気機械結合係数を高めることができるBAW共振器を提供することにある。
本願発明者は、鋭意研究の結果、晶系が菱面体晶系で〔111〕方向が厚み方向に配向した(111)配向のPZT膜を圧電薄膜として備えたBAW共振器では、圧電薄膜に、自発分極の方向が圧電薄膜の厚み方向に沿っている180°ドメインと、自発分極の方向が圧電薄膜の厚み方向に直交する面に沿っている90°ドメインとが混在しているので、90°ドメインで横振動モードの振動が発生してエネルギを有効に利用できず、Q値および電気機械結合係数が低くなるという知見を得て、この知見に基づいて本願発明を行った。
請求項1の発明は、ベース基板と、ベース基板の一表面側に形成された下部電極と、下部電極におけるベース基板側とは反対側に形成された圧電薄膜と、圧電薄膜における下部電極側とは反対側に形成された上部電極とを備えたBAW共振器であって、圧電薄膜は、正方晶系で〔001〕方向が当該圧電薄膜の厚み方向に配向した(001)配向のPZT膜からなることを特徴とする。
この発明によれば、圧電薄膜がAlN膜により構成されている場合に比べて3GHz以上の高周波帯における帯域幅の広帯域化を図れ、また、圧電薄膜が(111)配向のPZT膜により構成されている場合に比べて、圧電薄膜の90°ドメインを低減することができてQ値および電気機械結合係数が高くなるので、圧電薄膜の膜厚を適宜設定することにより、3GHz以上の高周波帯においてカットオフ特性が急峻で且つ帯域幅の広いフィルタとして利用することが可能となる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記圧電薄膜における前記下部電極側とは反対側に積層された絶縁層を備え、当該絶縁層は、前記圧電薄膜のインピーダンス設計に基づいた前記圧電薄膜の所定の共振領域と前記上部電極とが接するようにパターニングされてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記圧電薄膜における前記下部電極側とは反対側に積層された絶縁層を適宜パターニングすることにより、インピーダンスを設計することができる。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記圧電薄膜と前記下部電極との間に前記圧電薄膜の結晶配向を制御するためのシード層を備えてなることを特徴とする。
この発明によれば、(001)配向のPZT膜を容易に得ることが可能となる。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記ベース基板は、前記圧電薄膜で発生したバルク弾性波を反射させる音響多層膜が前記一表面側に形成されてなり、前記下部電極は、音響多層膜上に形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、エネルギ変換効率を高めることができる。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項3の発明において、前記ベース基板は、前記下部電極における前記圧電薄膜側とは反対側に空洞が形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、エネルギ変換効率を高めることができる。
請求項1の発明では、3GHz以上の高周波帯における帯域幅の広帯域化を図りつつ、Q値および電気機械結合係数を高めることができるという効果がある。
(実施形態1)
本実施形態のBAW共振器は、図1に示すように、ベース基板10と、ベース基板10の一表面側に形成された下部電極20と、下部電極20におけるベース基板10側とは反対側に形成された圧電薄膜30と、圧電薄膜30における下部電極20側とは反対側に形成された上部電極40とを備えている。
ここにおいて、本実施形態のBAW共振器は、ベース基板10を、主表面が(100)面の単結晶のシリコン基板11と、シリコン基板11の主表面上に形成され圧電薄膜30で発生したバルク弾性波を反射させる音響多層膜12とで構成してある。要するに、本実施形態のBAW共振器は、ベース基板10の一表面側の音響多層膜12上に下部電極20が形成されたSMRを構成している。
音響多層膜12は、相対的に音響インピーダンスの低い材料からなる低音響インピーダンス層12aと相対的に音響インピーダンスの高い材料からなる高音響インピーダンス層12bとが交互に積層されており、上述の下部電極20は、最上層の低音響インピーダンス層12a上に形成されている。なお、低音響インピーダンス層12aおよび高音響インピーダンス層12bの膜厚は、圧電薄膜30の共振周波数の弾性波(バルク弾性波)の波長の4分の1の値に設定すればよい。
ところで、本実施形態のBAW共振器では、下部電極20と圧電薄膜30との間に圧電薄膜30の結晶配向を制御するためのシード層25が形成されており、圧電薄膜30は、晶系が正方晶系で〔001〕方向が当該圧電薄膜30の厚み方向に配向した(001)配向のPZT膜により構成されている。ここにおいて、圧電薄膜30は、自発分極の方向が当該圧電薄膜30の厚み方向に揃っており、(111)配向のPZT膜に比べて90°ドメインが低減されている。また、本実施形態では、下部電極20の材料として、例えばPt、Irなどを採用し、シード層25の材料として、例えばPbTiO、PbLaTiOなどを採用しており、低音響インピーダンス層12aの材料としてSiO、高音響インピーダンス層12bの材料としてWを採用している。また、上部電極40の材料としてAlを採用しているが、上部電極40の材料はAlに限定するものではない。
なお、本実施形態のBAW共振器では、共振周波数を4GHzに設定してあり、下部電極20の厚みを100nm、シード層25の厚みを30nm、圧電薄膜30の厚みを300nm、上部電極40の厚みを100nm、低音響インピーダンス層12aの厚みを400nm、高音響インピーダンス層12bの厚みを350nmに設定してあるが、これらの数値は一例であって特に限定するものではない。また、共振周波数を3GHz〜5GHzの範囲で設計する場合には、圧電薄膜30の厚みは200nm〜600nmの範囲で、低音響インピーダンス層12aの厚みは250nm〜550nmの範囲で、高音響インピーダンス層12bの厚みは200nm〜450nmの範囲で、それぞれ適宜設定すればよい。
また、本実施形態のBAW共振器は、圧電薄膜30の材料としてPZTを採用しているが、PZTはAlNに比べて誘電率が大きくインピーダンス設計が難しい。そこで、本実施形態では、圧電薄膜30における下部電極20側とは反対側にSiO膜もしくはSi膜からなる絶縁層35を積層し、絶縁層35に形成した開孔部36を通して上部電極40を圧電薄膜30と接するようにすることで、圧電薄膜30における共振領域30aを小面積化してある。言い換えれば、本実施形態では、圧電薄膜30において所望のインピーダンスとなるように面積を設定した所定の共振領域30aのみに上部電極40が接するように絶縁層35をパターニングしてある。ここにおいて、絶縁層35の開孔部36は、上部電極40から離れるほど開口面積が徐々に大きくなるテーパ状であり、上部電極40は、ベース基板10の上記一表面側において、絶縁層35の表面と絶縁層35における開孔部36の内側面と圧電薄膜30の表面とに跨って形成されている。したがって、本実施形態では、開孔部36の開口面積によって規定される上部電極40と圧電薄膜30との接触面積によってインピーダンスを設計することができる。なお、本実施形態では、絶縁層35の厚みを500nm、開孔部36の開口面積を20μm〜60μmの範囲で設定してあるが、これらの数値は特に限定するものではない。また、本実施形態では、開孔部36の開口形状は矩形状であるが、矩形状に限らず、例えば、円形状でもよい。また、圧電薄膜30における共振領域30aの平面形状は特に限定するものではなく、絶縁層35は所定の共振領域30aの平面形状に基づいて適宜パターニングすればよい。
以下、本実施形態のBAW共振器の製造方法について図2および図3を参照しながら説明する。
まず、ベース基板10の基礎となる単結晶のシリコン基板11の主表面側に、SiO膜からなる低音響インピーダンス層12aとW膜からなる高音響インピーダンス層12bとを例えばスパッタ法やCVD法などにより交互に成膜することで音響多層膜12を形成することによって、図2(a)に示す構造を得る。
その後、シリコン基板11と音響多層膜12とからなるベース基板10の一表面側(図2(a)における上面側)の全面に、金属層(例えば、Pt層、Ir層など)からなる下部電極20を例えばスパッタ法や蒸着法などにより成膜することによって、図2(b)に示す構造を得る。
次に、ベース基板10の上記一表面側の全面(ここでは、下部電極20の表面)に、圧電材料(例えば、PbTiO、PbLaTiOなど)からなるシード層25をスパッタ法やゾルゲル法やMOCVD法などによって成膜することによって、図2(c)に示す構造を得る。
その後、ベース基板10の上記一表面側の全面(ここでは、シード層25の表面)に、PZT層をスパッタ法やゾルゲル法やMOCVD法などによって成膜し、続いて、700℃程度の基板温度でPZT層を焼結することで(001)配向のPZT膜からなる圧電薄膜30を形成することによって、図2(d)に示す構造を得る。なお、本実施形態では、シード層25上に圧電薄膜30を形成するようにしているので、(001)配向のPZT膜を容易に得ることができる。
次に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して圧電薄膜30およびシード層25を所望の平面形状にパターニングすることによって、図2(e)に示す構造を得る。
続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して下部電極20を所望の平面形状にパターニングすることによって、図3(a)に示す構造を得る。
その後、ベース基板10の上記一表面側の全面にフォトレジストを回転途布した後、当該フォトレジストをパターニングすることで絶縁層35の開孔部36の形成予定領域に対応する部分にレジスト層50を残存させることによって、図3(b)に示す構造を得る。なお、レジスト層50は、圧電薄膜30から離れるにつれて断面積が徐々に大きくなる逆テーパ状の形状としてある。
次に、ベース基板10の上記一表面側の全面に絶縁層(例えば、SiO膜、Si膜など)35をCVD法などにより成膜することによって、図3(c)に示す構造を得る。
その後、リフトオフ法によりレジスト層50を除去することで絶縁層35に開孔部36を形成することによって、図3(d)に示す構造を得る。
さらにその後、ベース基板10の上記一表面側の全面に上部電極40をスパッタ法や蒸着法などによって成膜し、続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して上部電極40を所望の平面形状にパターニングすることによって、図3(e)に示す構造のBAW共振器を得る。なお、BAW共振器の製造にあたっては、ウェハレベルで多数のBAW共振器を形成した後、ダイシング工程で個々のBAW共振器に分割すればよい。
以上説明した本実施形態のBAW共振器では、圧電薄膜30が、正方晶系で〔001〕方向が当該圧電薄膜30の厚み方向に配向した(001)配向のPZT膜により構成されているので、AlN膜からなる圧電薄膜を備えたBAW共振器に比べて3GHz以上の高周波帯における帯域幅の広帯域化を図れ、また、(111)配向のPZT膜からなる圧電薄膜を備えたBAW共振器に比べて、圧電薄膜30の90°ドメインを低減することができてQ値および電気機械結合係数が高くなるので、圧電薄膜30の膜厚を適宜設定することにより、3GHz以上の高周波帯においてカットオフ特性が急峻で且つ帯域幅の広いフィルタ(高周波フィルタ)として利用することが可能となる。
また、本実施形態のBAW共振器では、下部電極20が音響多層膜12上に形成されているので、圧電薄膜30側からベース基板10側へ伝搬しようとする弾性波を音響多層膜12により圧電薄膜30側へ反射することができ、弾性波のエネルギ損失(音響エネルギの損失)を低減できるから、音響多層膜12を備えていない場合に比べてエネルギ変換効率を高めることができる。
(実施形態2)
図4に示す本実施形態のBAW共振器の基本構成は実施形態1と略同じであり、ベース基板10として、一表面が(100)面の単結晶のシリコン基板を採用しており、ベース基板10の上記一表面に(つまり、下部電極20における圧電薄膜30側とは反対側に)、空洞(凹所)13が形成されている点が実施形態1とは相違する。要するに、本実施形態のBAW共振器は、下部電極20と下部電極20直下の媒質との音響インピーダンス比を大きくすることによりベース基板10側への弾性波エネルギの伝搬を抑制するようにしたFBARを構成している。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
以下、本実施形態のBAW共振器の製造方法について図5および図6を参照しながら説明する。
まず、単結晶のシリコン基板からなるベース基板10の両面に例えば熱酸化法によりSiO膜を成膜した後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用してベース基板10の上記一表面側のSiO膜のうち空洞13の形成予定領域に対応する部分をエッチング除去してから、各SiO膜をマスクとしてアルカリ系溶液を用いた異方性エッチングによりベース基板10の上記一表面に空洞13を形成し、続いて、ベース基板10の両面のSiO膜を除去することによって、図5(a)に示す構造を得る。
その後、ベース基板10の上記一表面側の全面に、例えばCVD法によりSiO膜からなる犠牲層14を成膜することによって、図5(b)に示す構造を得る。
続いて、ベース基板10の上記一表面側をCMP(化学的機械研磨)法などにより空洞13内のみに犠牲層14が形成された状態に平坦化することによって、図5(c)に示す構造を得る。
その後、ベース基板10の上記一表面側の全面に、金属層(例えば、Pt層、Ir層など)からなる下部電極20を例えばスパッタ法や蒸着法などにより成膜することによって、図5(d)に示す構造を得る。
次に、ベース基板10の上記一表面側の全面(ここでは、下部電極20の表面)に、圧電材料(例えば、PbTiO、PbLaTiOなど)からなるシード層25をスパッタ法やゾルゲル法やMOCVD法などによって成膜することによって、図5(e)に示す構造を得る。
その後、ベース基板10の上記一表面側の全面(ここでは、シード層25の表面)に、PZT層をスパッタ法やゾルゲル法やMOCVD法などによって成膜し、続いて、700℃程度の基板温度でPZT層を焼結することで(001)配向のPZT膜からなる圧電薄膜30を形成することによって、図5(f)に示す構造を得る。なお、本実施形態においても、シード層25上に圧電薄膜30を形成するようにしているので、(001)配向のPZT膜を容易に得ることができる。
次に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して圧電薄膜30およびシード層25を所望の平面形状にパターニングすることによって、図6(a)に示す構造を得る。
続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して下部電極20を所望の平面形状にパターニングすることによって、図6(b)に示す構造を得る。なお、下部電極20は、犠牲層14の一部が露出するようにパターニングする。
その後、ベース基板10の上記一表面側の全面に、後に犠牲層14をエッチングする際に圧電薄膜30を保護するためのSi膜からなる保護層60をCVD法などにより成膜することによって、図6(c)に示す構造を得る。
続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して保護層60に犠牲層14をエッチングするためのエッチング孔を形成してから、気相エッチング法などによりエッチング孔を通して犠牲層14をエッチング除去することによって、図6(d)に示す構造を得る。
その後は、実施形態1にて説明した製造方法と同様に、ベース基板10の上記一表面側の全面にフォトレジストを回転途布してから、当該フォトレジストをパターニングすることで絶縁層35の開孔部36の形成予定領域に対応する部分に逆テーパ状のレジスト層を残存させ、続いて、ベース基板10の上記一表面側の全面に絶縁層35をCVD法などにより成膜し、引き続き、リフトオフ法によりレジスト層を除去することで絶縁層35に開孔部36を形成し、さらにその後、ベース基板10の上記一表面側の全面に上部電極40をスパッタ法や蒸着法などによって成膜し、次に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して上部電極40を所望の平面形状にパターニングすることによって、図6(e)に示す構造のBAW共振器を得る。なお、BAW共振器の製造にあたっては、ウェハレベルで多数のBAW共振器を形成した後、ダイシング工程で個々のBAW共振器に分割すればよい。
以上説明した本実施形態のBAW共振器においても、実施形態1と同様に、圧電薄膜30が、正方晶系で〔001〕方向が当該圧電薄膜30の厚み方向に配向した(001)配向のPZT膜により構成されているので、3GHz以上の高周波帯における帯域幅の広帯域化を図りつつ、Q値および電気機械結合係数を高めることができる。
また、本実施形態のBAW共振器では、下部電極20における圧電薄膜30側とは反対側に空洞13が形成されているので、下部電極20および上部電極40それぞれにおいて圧電薄膜30の共振領域30aに重なる各部分それぞれが空気と接することとなり、エネルギ変換効率を高めることができる。
実施形態1のBAW共振器の概略断面図である。 同上のBAW共振器の製造方法を説明するための主要工程断面図である。 同上のBAW共振器の製造方法を説明するための主要工程断面図である。 実施形態2のBAW共振器の概略断面図である。 同上のBAW共振器の製造方法を説明するための主要工程断面図である。 同上のBAW共振器の製造方法を説明するための主要工程断面図である。
符号の説明
10 ベース基板
11 シリコン基板
12 音響多層膜
13 空洞
20 下部電極
25 シード層
30 圧電薄膜
35 絶縁層
36 開孔部
40 上部電極

Claims (5)

  1. ベース基板と、ベース基板の一表面側に形成された下部電極と、下部電極におけるベース基板側とは反対側に形成された圧電薄膜と、圧電薄膜における下部電極側とは反対側に形成された上部電極とを備えたBAW共振器であって、圧電薄膜は、正方晶系で〔001〕方向が当該圧電薄膜の厚み方向に配向した(001)配向のPZT膜からなることを特徴とするBAW共振器。
  2. 前記圧電薄膜における前記下部電極側とは反対側に積層された絶縁層を備え、当該絶縁層は、前記圧電薄膜のインピーダンス設計に基づいた前記圧電薄膜の所定の共振領域と前記上部電極とが接するようにパターニングされてなることを特徴とする請求項1記載のBAW共振器。
  3. 前記圧電薄膜と前記下部電極との間に前記圧電薄膜の結晶配向を制御するためのシード層を備えてなることを特徴とする請求項1または請求項2記載のBAW共振器。
  4. 前記ベース基板は、前記圧電薄膜で発生したバルク弾性波を反射させる音響多層膜が前記一表面側に形成されてなり、前記下部電極は、音響多層膜上に形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のBAW共振器。
  5. 前記ベース基板は、前記下部電極における前記圧電薄膜側とは反対側に空洞が形成されてなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のBAW共振器。
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