JP2009290371A - Baw共振装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】共振子全体の機械的品質係数を向上でき、且つ、空洞の形成時に共振子に発生する応力による共振子の特性の低下を抑制可能なBAW共振装置を提供する。
【解決手段】支持基板1と、支持基板1の一表面側に形成され下部電極31と上部電極33との間に圧電層32を有する共振子3と、支持基板1の上記一表面側に形成されて支持基板1に支持され共振子3を保持した共振子保持部5とを備え、支持基板1に、共振子3の下部電極31および共振子保持部5における支持基板1側の表面を露出させる空洞1aが形成されている。共振子保持部5に、蛇行した形状に形成され空洞1aの形成時に共振子3に発生する応力を緩和する応力緩和部6が設けられている。ここで、応力緩和部6は、共振子3を全周に亘って囲むように形成され、上記蛇行した形状として断面形状がコルゲート板状に形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】支持基板1と、支持基板1の一表面側に形成され下部電極31と上部電極33との間に圧電層32を有する共振子3と、支持基板1の上記一表面側に形成されて支持基板1に支持され共振子3を保持した共振子保持部5とを備え、支持基板1に、共振子3の下部電極31および共振子保持部5における支持基板1側の表面を露出させる空洞1aが形成されている。共振子保持部5に、蛇行した形状に形成され空洞1aの形成時に共振子3に発生する応力を緩和する応力緩和部6が設けられている。ここで、応力緩和部6は、共振子3を全周に亘って囲むように形成され、上記蛇行した形状として断面形状がコルゲート板状に形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、圧電層の厚み方向の縦振動モードを利用する共振子を備えたBAW(Bulk Acoustic Wave)共振装置に関するものである。
従来から、携帯電話機などの移動体通信機器の分野において、2GHz以上の高周波帯で利用する高周波フィルタに適用可能なBAW共振装置として、例えば、図5や図6に示すように、支持基板1’と、支持基板1’の一表面側に形成され下部電極31’、圧電層32’、上部電極33’の積層構造を有する共振子3’と、支持基板1’の上記一表面側に形成されて支持基板1’に支持され共振子3’を保持した絶縁膜(例えば、SiO2膜など)からなる下地層2’とを備え、支持基板1’に、下地層2’における支持基板1’側の表面を露出させ共振子3’を物理的に振動可能とするための空洞1a’が形成されてなるFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)型のBAW共振装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここで、共振子3’は、平面視において、下地層2’における空洞1a’の投影領域内に収まるように配置されている。
なお、上記特許文献1には、支持基板1の上記一表面側に共振子3’を複数個形成してフィルタ(BAWフィルタ)を構成することも記載されている。また、上述のBAW共振装置では、圧電層32’の圧電材料としてPZT、AlNなどを採用し、支持基板1’の材料としてSi、ガラスなどを採用しているが、例えば、UWB(Ultra Wide Band)用フィルタに応用する場合、圧電層32’の圧電材料として、帯域幅が中心周波数に対して4〜5%しか広帯域化できないAlNに比べて中心周波数に対して10%程度の帯域幅を得ることが可能な鉛系圧電材料(例えば、PZT、PMN−PZTなど)を採用し、圧電層32’の結晶性を向上させるために支持基板1’の材料としてMgOもしくはSrTiO3を採用することが考えられる。
特開2007−267108号公報
しかしながら、図5や図6に示した構成のBAW共振装置では、共振子3’下にSiO2膜などの絶縁膜からなる下地層2’が形成されているので、当該下地層2’に起因してバルク弾性波のエネルギ損失が生じ、共振子3’全体の機械的品質係数(Q値)が低下してしまう。また、図5や図6に示した構成のBAW共振装置では、共振子3’の形成後の空洞1a’形成時に共振子3’に応力が発生するので、共振子3’の特性が低下してしまう。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、共振子全体の機械的品質係数を向上でき、且つ、空洞の形成時に共振子に発生する応力による共振子の特性の低下を抑制可能なBAW共振装置を提供することにある。
請求項1の発明は、支持基板と、支持基板の一表面側に形成され下部電極と上部電極との間に圧電層を有する共振子と、支持基板の前記一表面側に形成されて支持基板に支持され共振子を保持した共振子保持部とを備え、支持基板に、共振子の下部電極および共振子保持部における支持基板側の表面を露出させる空洞が形成されてなり、共振子保持部に、蛇行した形状に形成され空洞の形成時に共振子に発生する応力を緩和する応力緩和部が設けられてなることを特徴とする。
この発明によれば、支持基板に、共振子の下部電極および共振子保持部における支持基板側の表面を露出させる空洞が形成されているので、バルク弾性波のエネルギ損失を低減できて、共振子全体の機械的品質係数を向上でき、しかも、共振子保持部に、蛇行した形状に形成され空洞の形成時に共振子に発生する応力を緩和する応力緩和部が設けられているので、空洞の形成時に共振子に発生する応力を緩和でき当該応力に起因した共振子の特性の低下を抑制することが可能となり、また、応力緩和部のばね定数を小さくすることができて前記共振子が厚み方向に振動しやすくなり機械的品質係数をより向上させることが可能となる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記応力緩和部は、前記蛇行した形状として断面形状がコルゲート板状に形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記共振子保持部にスリットを形成することで応力を緩和する構造を採用する場合に比べて堅牢化を図れる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記応力緩和部は、前記蛇行した形状として平面形状がつづら折れ状の形状に形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、前記応力緩和部により振動エネルギが弱められるのを抑制できるから、電気機械結合係数を低下させることなく機械的品質係数を向上させることが可能となる。
請求項1の発明では、共振子全体の機械的品質係数を向上でき、且つ、空洞の形成時に共振子に発生する応力による共振子の特性の低下を抑制可能になるという効果がある。
(実施形態1)
本実施形態のBAW共振装置は、図1に示すように、支持基板1と、支持基板1の一表面側に形成され下部電極31と上部電極33との間に圧電層32を有する共振子3と、支持基板1の上記一表面側に形成されて支持基板1に支持され共振子3を保持した共振子保持部5と、支持基板1の上記一表面側に形成され上部電極33と圧電層32との接触面積を規定する開孔部4aが形成された絶縁層4とを備え、支持基板1に、共振子3の下部電極31および共振子保持部5における支持基板1側の表面を露出させる空洞1aが形成されている。空洞1aは、支持基板1の厚み方向に貫通するように形成されている。ここで、空洞1aは、エッチング速度の結晶方位依存性を利用した湿式の異方性エッチングにより形成されており、上記一表面での開口面積が他表面での開口面積よりも小さくなっている。
本実施形態のBAW共振装置は、図1に示すように、支持基板1と、支持基板1の一表面側に形成され下部電極31と上部電極33との間に圧電層32を有する共振子3と、支持基板1の上記一表面側に形成されて支持基板1に支持され共振子3を保持した共振子保持部5と、支持基板1の上記一表面側に形成され上部電極33と圧電層32との接触面積を規定する開孔部4aが形成された絶縁層4とを備え、支持基板1に、共振子3の下部電極31および共振子保持部5における支持基板1側の表面を露出させる空洞1aが形成されている。空洞1aは、支持基板1の厚み方向に貫通するように形成されている。ここで、空洞1aは、エッチング速度の結晶方位依存性を利用した湿式の異方性エッチングにより形成されており、上記一表面での開口面積が他表面での開口面積よりも小さくなっている。
共振子3は、支持基板1の上記一表面側に形成された下部電極31と、下部電極31における支持基板1側とは反対側に形成された圧電層32と、圧電層32における下部電極31側とは反対側に形成された上部電極33とを有しており、下部電極31と下部電極31直下の媒質との音響インピーダンス比を大きくすることにより支持基板1側へバルク弾性波のエネルギの伝搬を抑制するようにしてある。要するに、本実施形態のBAW共振装置は、支持基板1に空洞1aが形成されているFBAR型のBAW共振装置を構成している。
また、本実施形態のBAW共振装置は、上述のように絶縁層4に、上部電極33と圧電層32との接触面積を規定する開孔部4aが形成されており、圧電層32のうち下部電極31と上部電極33との両方と接する領域が共振領域を構成している。
本実施形態のBAW共振装置は、圧電層32の圧電材料として、PZTを採用しており、支持基板1としては、上記一表面である主表面が(001)面の単結晶MgO基板を用いているが、主表面が(001)面の単結晶SrTiO3基板を用いてもよい。
また、本実施形態のBAW共振装置では、下部電極31および上部電極33の金属材料としてPtを採用しているが、これらの金属材料は特に限定するものではなく、例えば、Alや他の金属材料を採用してもよく、例えば、Pt、Mo、W、Ir、Cr、Ruの群から選択される少なくとも一種を採用すれば、下部電極31および上部電極33それぞれの金属材料が代表的な電極材料であるAuの場合に比べて、下部電極31および上部電極33それぞれの機械的品質係数を高めることができ、共振子3全体の機械的品質係数を高めることが可能となる。なお、下部電極31と上部電極33とは必ずしも同じ金属材料を採用する必要はなく、下部電極31の金属材料は、圧電層32の格子歪を抑制するために圧電層32の圧電材料との格子定数差の小さな金属材料を採用することが望ましい。
また、圧電層32は、(001)配向のPZT薄膜からなる圧電薄膜により構成されている。ここで、図1には図示していないが、下部電極31と圧電層32との間に、圧電層32の配向を制御するためのシード層としてSRO層を形成することが望ましい。なお、本実施形態では、圧電層32の圧電材料として、PZTを採用しているが、PZTに限らず、不純物を添加したPZTやPMN−PZTなどの鉛系圧電材料であればよく、圧電材料がAlNである場合に比べて、電気機械結合係数を大きくすることができる。なお、圧電層32の圧電材料としては、鉛系圧電材料に限らず、例えば、鉛フリーのKNN(K0.5Na0.5NbO3)や、KN(KNbO3)、NN(NaNbO3)、KNNに不純物(例えば、Li,Nb,Ta,Sb,Cuなど)を添加したものを用いることもできる。
ここで、本実施形態では、単結晶基板からなる支持基板1が、単結晶MgO基板もしくは単結晶SrTiO3基板により構成されているので、支持基板1が単結晶Si基板からなる場合に比べて、圧電層32の結晶性を向上させることができ、共振子3全体の機械的品質係数を向上させることが可能となる。
また、絶縁層4の材料としては、SiO2を採用しているが、SiO2に限らず、例えば、Si3N4を採用してもよい。また、絶縁層4は、単層構造に限らず、多層構造でもよく、例えば、SiO2からなる第1の絶縁膜とSi3N4膜からなる第2の絶縁膜との積層膜でもよい。
なお、本実施形態のBAW共振装置では、共振子3の共振周波数を4GHzに設定してあり、下部電極31の厚みを100nm、圧電層32の厚みを300nm、上部電極33の厚みを100nmに設定してあるが、これらの数値は一例であって特に限定するものではない。また、共振周波数を3GHz〜5GHzの範囲で設計する場合には、圧電層32の厚みは200nm〜600nmの範囲で適宜設定すればよい。
また、上述の共振子保持部5の材料は、下部電極31と同じ材料であり、共振子保持部5は、下部電極31と同時に形成され下部電極31と連続一体となっている。
ところで、本実施形態のBAW共振装置は、上述のように、支持基板1に、共振子3の下部電極31および共振子保持部5における支持基板1側の表面を露出させる空洞1aがエッチング速度の結晶方位依存性を利用した湿式の異方性エッチングにより形成されており、共振子保持部5に、蛇行した形状に形成され空洞1aの形成時に共振子3に発生する応力を緩和する応力緩和部6が設けられている。ここで、応力緩和部6は、共振子3を全周に亘って囲むように形成され、上記蛇行した形状として断面形状がコルゲート板状に形成されている。
本実施形態のBAW共振装置の製造にあたっては、例えば、MgO基板からなる支持基板1の上記一表面における応力緩和部6の形成予定領域にコルゲート板状の応力緩和部6を形成するためにパターン設計された複数の環状の凹部をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して形成してから、支持基板1の上記一表面側の全面に下部電極31および共振子保持部5の基礎となる第1の金属膜(例えば、Pt膜など)を例えばスパッタ法や蒸着法やCVD法などにより形成し、その後、支持基板1の上記一表面側の全面に圧電層32の基礎となるPZT薄膜からなる圧電材料層をスパッタ法やCVD法やゾルゲル法などにより形成し、続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して圧電材料層を所望の平面形状(本実施形態では、矩形状)にパターニングすることで上記圧電材料層の一部からなる圧電層32を形成し、その後、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して上記第1の金属膜をパターニングすることによりそれぞれ上記第1の金属膜の一部からなる下部電極31および共振子保持部5を形成し、その後、支持基板1の上記一表面の全面に絶縁層4をスパッタ法やCVD法などにより形成し、続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して絶縁層4に開孔部4aを形成し、その後、支持基板1の上記一表面側の全面に上部電極33の基礎となる第2の金属膜(例えば、Pt膜など)をスパッタ法やEB蒸着法やCVD法などにより形成し、続いて、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して第2の金属膜をパターニングすることにより第2の金属膜の一部からなる上部電極33を形成し、その後、絶縁層4を所望の平面形状にパターニングし、続いて、支持基板1における空洞1aの形成予定領域を支持基板1の上記他表面側から所定のエッチング液(例えば、燐酸など)を用いて異方性エッチングすることにより空洞1aを形成することで、図1に示す構造のBAW共振装置を得る。なお、上述のBAW共振装置の製造にあたっては、上述の支持基板1としてウェハを用いてウェハレベルで多数のBAW共振装置を形成した後、ダイシング工程で個々のBAW共振装置に分割すればよい。
以上説明した本実施形態のBAW共振装置では、支持基板1に、共振子3の下部電極31および共振子保持部5における支持基板1側の表面を露出させる空洞1aが形成されているので、バルク弾性波のエネルギ損失を低減できて、共振子3全体の機械的品質係数を向上でき、しかも、共振子保持部5に、蛇行した形状に形成され空洞1aの形成時に共振子3に発生する応力を緩和する応力緩和部6が設けられているので、空洞1aの形成時に共振子3に発生する応力を緩和でき当該応力に起因した共振子3の特性の低下を抑制することが可能となり、また、応力緩和部6のばね定数を小さくすることができて共振子3が厚み方向に振動しやすくなり機械的品質係数をより向上させることが可能となる。また、本実施形態のBAW共振装置では、応力緩和部6の上記蛇行した形状として断面形状がコルゲート板状に形成されているので、共振子保持部5にスリットを形成して応力を緩和するような構造を採用する場合に比べて、堅牢化を図れる。なお、図示していないが、上部電極33は、支持基板1の上記一表面における空洞1aの周部の上方まで適宜延設されており、上部電極33の当該延設された部位に応じて絶縁層4も延設されている。
また、本実施形態のBAW共振装置は、支持基板1が単結晶MgO基板もしくは単結晶SrTiO3基板より形成されているので、支持基板1がSi、ガラスなどにより形成されている場合に比べて、圧電層32の結晶性を向上させることができ、共振子3全体の機械的品質係数を向上させることが可能となる。
(実施形態2)
本実施形態のBAW共振装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、実施形態1では支持基板1における空洞1aが厚み方向に貫設されていたのに対して、図2に示すように、支持基板1における空洞1aが支持基板1の上記一表面側に形成され断面逆台形状となっている点が相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のBAW共振装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、実施形態1では支持基板1における空洞1aが厚み方向に貫設されていたのに対して、図2に示すように、支持基板1における空洞1aが支持基板1の上記一表面側に形成され断面逆台形状となっている点が相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のBAW共振装置の製造方法は実施形態1にて説明した製造方法と略同じであって、上部電極33の形成後に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して共振子保持部5の適宜部位に厚み方向に貫通するエッチングホールを形成し、当該エッチングホールを通して所定のエッチング液(例えば、燐酸など)を導入して支持基板1を上記一表面側から異方性エッチングすることにより空洞1aを形成すればよい。ここで、本実施形態のBAW共振装置では、実施形態1のように支持基板1の厚み方向に貫通するように空洞1aが形成されている場合に比べて、製造時に、エッチング時間の短縮を図れるとともに、空洞1aの開口面積を小さくすることができ、支持基板1の小型化を図れる。
(実施形態3)
本実施形態のBAW共振装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、共振子保持部5における応力緩和部6の形状が相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態のBAW共振装置の基本構成は実施形態1と略同じであり、共振子保持部5における応力緩和部6の形状が相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態における応力緩和部6は、蛇行した形状として平面形状がつづら折れ状の形状に形成されている。ここで、本実施形態のBAW共振装置6は、複数(図示例では、9つ)の応力緩和部6が共振子3の外周方向に沿って離間して配置されている。ここで、複数の応力緩和部6は、平面視において長方形状の共振子3の長手方向に沿った中心線に対して線対称となる位置に配置されるとともに共振子3の短手方向に沿った中心線に対して線対称となる位置に配置されている。
以上説明した本実施形態のBAW共振装置によれば、共振子に発生する応力をより緩和することができるとともに、応力緩和部6により振動エネルギが弱められるのを抑制できるから、電気機械結合係数を低下させることなく機械的品質係数を向上させることが可能となる。
本実施形態のBAW共振装置の製造方法は実施形態1と略同じであって、実施形態1にて説明した環状の凹部を形成する工程が不要となり、空洞1aを形成した後に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して共振子保持部5をパターニングすることにより各応力緩和部6を形成すればよい。
(実施形態4)
本実施形態のBAW共振装置の基本構成は実施形態3と略同じであり、実施形態3では支持基板1における空洞1aが厚み方向に貫設されていたのに対して、図4に示すように、支持基板1における空洞1aが支持基板1の上記一表面側に形成され断面逆台形状となっている点が相違する。
本実施形態のBAW共振装置の基本構成は実施形態3と略同じであり、実施形態3では支持基板1における空洞1aが厚み方向に貫設されていたのに対して、図4に示すように、支持基板1における空洞1aが支持基板1の上記一表面側に形成され断面逆台形状となっている点が相違する。
本実施形態のBAW共振装置の製造方法は実施形態3と略同じであり、上部電極33の形成後に、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を利用して共振子保持部5をパターニングすることにより各応力緩和部6を形成し、隣り合う応力緩和部6の間の空間を通して所定のエッチング液(例えば、燐酸など)を導入して支持基板1を上記一表面側から異方性エッチングすることにより空洞1aを形成すればよい。ここで、本実施形態のBAW共振装置では、実施形態3のように支持基板1の厚み方向に貫通するように空洞1aが形成されている場合に比べて、製造時に、エッチング時間の短縮を図れるとともに、空洞1aの開口面積を小さくすることができ、支持基板1の小型化を図れる。また、隣り合う応力緩和部6の間の空間を通して上記所定のエッチング液を導入するので、当該エッチング液を導入するためのエッチングホールを別途に形成する工程が不要であり、製造プロセスの簡略化を図れる。
上述の各実施形態で説明したBAW共振装置は、支持基板1の上記一表面側に共振子3が1個だけ形成されたものであるが、共振子3を支持基板1の上記一表面側に複数個形成して、これら複数個の共振子3が例えばラダー型フィルタを構成するように接続すれば、2GHz以上の高周波帯においてカットオフ特性が急峻で且つ帯域幅の広いフィルタ、例えば、UWB用フィルタとして用いることができる。
1 支持基板
1a 空洞
3 共振子
5 共振子保持部
6 応力緩和部
31 下部電極
32 圧電層
33 上部電極
1a 空洞
3 共振子
5 共振子保持部
6 応力緩和部
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33 上部電極
Claims (3)
- 支持基板と、支持基板の一表面側に形成され下部電極と上部電極との間に圧電層を有する共振子と、支持基板の前記一表面側に形成されて支持基板に支持され共振子を保持した共振子保持部とを備え、支持基板に、共振子の下部電極および共振子保持部における支持基板側の表面を露出させる空洞が形成されてなり、共振子保持部に、蛇行した形状に形成され空洞の形成時に共振子に発生する応力を緩和する応力緩和部が設けられてなることを特徴とするBAW共振装置。
- 前記応力緩和部は、前記蛇行した形状として断面形状がコルゲート板状に形成されてなることを特徴とする請求項1記載のBAW共振装置。
- 前記応力緩和部は、前記蛇行した形状として平面形状がつづら折れ状の形状に形成されてなることを特徴とする請求項1記載のBAW共振装置。
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