JP2009100464A - 共振装置およびその製造方法 - Google Patents

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Yoshiki Hayazaki
嘉城 早崎
Chomei Matsushima
朝明 松嶋
Takaaki Yoshihara
孝明 吉原
Norihiro Yamauchi
規裕 山内
Takeo Shirai
健雄 白井
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Abstract

【課題】電気機械結合係数を低下させることなくQ値を向上させることが可能な共振装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】共振装置は、支持基板1と、支持基板1の一表面側に形成された下部電極31と、下部電極31における支持基板1側とは反対側に形成された圧電層32と、圧電層32における下部電極31側とは反対側に形成された上部電極33とを備える。圧電層32のうち下部電極31と上部電極33との両方に接している共振領域32aの周囲に当該共振領域32aに比べて硬度の低い低硬度領域32bを形成してある。圧電層32は、PZTにより形成されており、低硬度領域32bは、ポーラス化された領域により構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、下部電極と圧電層と上部電極との積層構造を有する共振子を備えた共振装置およびその製造方法に関するものである。
従来から、携帯電話機などの移動体通信機器の分野において、3GHz以上の高周波帯で利用する高周波フィルタに適用可能な共振装置として、図10に示すように、支持基板1と、支持基板1の一表面側に形成された音響ミラー2と、音響ミラー2上に形成された共振子3’とを備えたBAW共振器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここにおいて、音響ミラー2は、低音響インピーダンス層21と高音響インピーダンス層22とを交互に積層した積層構造を有し、共振子3’は、下部電極31’と圧電層32’と上部電極33’との積層構造を有し、圧電層32’の材料としてAlN、ZnO、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などが用いられている。なお、BAW共振器では、共振周波数が圧電層32’の膜厚に反比例し、圧電層32’の膜厚を薄くするほど共振周波数を高くすることができる。
上記特許文献1には、BAW共振器として、SMR(Solidly Mounted Resonator)が記載されているが、BAW共振器としては、SMRの他にFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)などが知られている。
なお、上述の共振装置をUWB(Ultra Wide Band)用フィルタに応用する場合、圧電層32’の材料(圧電材料)として、帯域幅が中心周波数に対して4〜5%しか広帯域化できないAlNに比べて中心周波数に対して10%程度の帯域幅を得ることが可能で且つ電気機械結合係数が大きなPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系材料を採用することが考えられ、また、PZTに比べて環境負荷の低減を図れる鉛フリーのKNN(ニオブ酸カリウムナトリウム)を採用することが考えられる。
特開2005−260964号公報
ところで、図10に示した構成の共振装置では、圧電層32’が上部電極33’よりも広い範囲の全領域に亘って均質(一様)に形成されており、圧電層32’のうち下部電極31’と上部電極33’との両方に接している共振領域が当該圧電層32’における共振領域の周囲の領域に拘束されて振動エネルギが弱められるので、Q値(機械的品質係数Qm)が低かった。なお、圧電層32’の圧電材料としてPZT系材料やKNNを用いる共振装置では、PZT、KNNの誘電率がAlNの誘電率に比べて大きく、インピーダンス設計が難しいので、インピーダンス整合および加工精度の制約から、圧電層32’上に上部電極33’と圧電層32’との接触面積を規定する開孔部を有する絶縁膜を形成して共振領域を狭める必要がある。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、電気機械結合係数を低下させることなくQ値を向上させることが可能な共振装置およびその製造方法を提供することにある。
請求項1の発明は、支持基板と、支持基板の一表面側に形成された下部電極と、下部電極における支持基板側とは反対側に形成された圧電層と、圧電層における下部電極側とは反対側に形成された上部電極とを備えた共振装置であって、圧電層のうち下部電極と上部電極との両方に接している共振領域の周囲に当該共振領域に比べて硬度の低い低硬度領域を形成してあることを特徴とする。
この発明によれば、圧電層のうち下部電極と上部電極との両方に接している共振領域の周囲に当該共振領域に比べて硬度の低い低硬度領域を形成してあるので、共振領域が周囲の領域に拘束されて振動エネルギが弱められるのを抑制できるから、電気機械結合係数を低下させることなくQ値を向上させることが可能となる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記圧電層は、前記低硬度領域がポーラス化された領域からなることを特徴とする。
この発明によれば、前記低硬度領域の多孔度を制御することで前記低硬度領域の硬度を制御することができるので、前記共振領域自体の電気機械結合係数およびQ値を変えることなく前記低硬度領域の硬度を低くすることが可能となる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記圧電層は、PZTにより形成され、前記低硬度領域は、前記共振領域よりもTiに対するZrの比を小さくすることにより硬度を低くしてあることを特徴とする。
この発明によれば、前記圧電層が、PZTにより形成されているので、前記圧電層がAlNにより形成されている場合に比べて、電気機械結合係数を高めることができ、前記低硬度領域が、前記共振領域よりもTiに対するZrの比を小さくすることにより硬度を低くしてあるので、前記共振領域自体の電気機械結合係数およびQ値を変えることなく前記低硬度領域の硬度を低くすることが可能となる。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記圧電層は、Mn、Nb、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1種の材料を添加したPZTにより形成され、前記低硬度領域は、前記共振領域よりもPZTに対する添加物の比を小さくすることにより硬度を低くしてあることを特徴とする。
この発明によれば、前記圧電層が、Mn、Nb、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1種の材料を添加したPZTにより形成されているので、前記共振領域がPZTにより形成されている場合に比べて、前記共振領域のQ値を向上させることができ、前記低硬度領域が、前記共振領域よりもPZTに対する添加物の比を小さくすることにより硬度を低くしてあるので、共振装置全体としてのQ値を向上させることができる。
請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記圧電層は、PMN−PZTにより形成され、前記低硬度領域は、前記共振領域よりもPZTに対するPMNの比を小さくすることにより硬度を低くしてあることを特徴とする。
この発明によれば、前記圧電層が、PMN−PZTにより形成されているので、前記共振領域がPZTにより形成されている場合に比べて、前記共振領域のQ値を向上させることができ、前記低硬度領域が、前記共振領域よりもPZTに対するPMNの比を小さくすることにより硬度を低くしてあるので、共振装置全体としてのQ値を向上させることができる。
請求項6の発明は、請求項1の発明において、前記圧電層は、Li、Nb、Ta、Sb、Cuのうちの少なくとも1種の材料を添加したKNNにより形成され、前記低硬度領域は、前記共振領域よりもKNNに対する添加物の比を小さくすることにより硬度を低くしてあることを特徴とする。
この発明によれば、前記圧電層が、Li、Nb、Ta、Sb、Cuのうちの少なくとも1種の材料を添加したKNNにより形成されているので、前記共振領域がKNNにより形成されている場合に比べて、前記共振領域のQ値を向上させることができ、前記低硬度領域が、前記共振領域よりもKNNに対する添加物の比を小さくすることにより硬度を低くしてあるので、共振装置全体としてのQ値を向上させることができ、また、請求項3〜5の発明に比べて環境負荷を低減できる。
請求項7の発明は、請求項2記載の共振装置の製造方法であって、支持基板の一表面側に下部電極を形成する下部電極形成工程と、下部電極上に圧電層を形成する圧電層形成工程と、圧電層における下部電極側とは反対側に上部電極を形成する上部電極形成工程とを備え、圧電層形成工程では、下部電極上に均質な圧電層を形成し、その後、当該圧電層における低硬度領域の形成予定領域に電子、ヘリウムイオン、Arイオンのうちの1種を注入してポーラス化することで低硬度領域を形成することを特徴とする。
この発明によれば、圧電層形成工程では、下部電極上に均質な圧電層を形成し、その後、当該圧電層における低硬度領域の形成予定領域に電子、ヘリウムイオン、Arイオンのうちの1種を注入してポーラス化することで低硬度領域を形成するので、電気機械結合係数を低下させることなくQ値を向上させることが可能な共振装置を提供することができる。
請求項8の発明は、請求項3記載の共振装置の製造方法であって、支持基板の一表面側に下部電極を形成する下部電極形成工程と、下部電極上に圧電層を形成する圧電層形成工程と、圧電層における下部電極側とは反対側に上部電極を形成する上部電極形成工程とを備え、圧電層形成工程では、下部電極上にPZTからなる圧電層の前駆体層を形成し、その後、前駆体層における低硬度領域の形成予定領域にPTOを選択的に注入し、その後、前駆体層を焼成することにより共振領域と低硬度領域とが混在する圧電層を形成することを特徴とする。
この発明によれば、圧電層形成工程では、下部電極上にPZTからなる圧電層の前駆体層を形成し、その後、前駆体層における低硬度領域の形成予定領域にPTOを選択的に注入し、その後、前駆体層を焼成することにより共振領域と低硬度領域とが混在する圧電層を形成するので、電気機械結合係数を低下させることなくQ値を向上させることが可能な共振装置を提供することができる。
請求項9の発明は、請求項4記載の共振装置の製造方法であって、支持基板の一表面側に下部電極を形成する下部電極形成工程と、下部電極上に圧電層を形成する圧電層形成工程と、圧電層における下部電極側とは反対側に上部電極を形成する上部電極形成工程とを備え、圧電層形成工程では、下部電極上にMn、Nb、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1種の材料を添加したPZTからなる圧電層の前駆体層を形成し、その後、前駆体層における共振領域の形成予定領域に前駆体層と同じ添加物を選択的に注入し、その後、前駆体層を焼成することにより共振領域と低硬度領域とが混在する圧電層を形成することを特徴とする。
この発明によれば、圧電層形成工程では、下部電極上にMn、Nb、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1種の材料を添加したPZTからなる圧電層の前駆体層を形成し、その後、前駆体層における共振領域の形成予定領域に前駆体層と同じ添加物を選択的に注入し、前駆体層を焼成することにより共振領域と低硬度領域とが混在する圧電層を形成するので、電気機械結合係数を低下させることなくQ値を向上させることが可能な共振装置を提供することができる。
請求項10の発明は、請求項5記載の共振装置の製造方法であって、支持基板の一表面側に下部電極を形成する下部電極形成工程と、下部電極上に圧電層を形成する圧電層形成工程と、圧電層における下部電極側とは反対側に上部電極を形成する上部電極形成工程とを備え、圧電層形成工程では、下部電極上にPMN−PZTからなる圧電層の前駆体層を形成し、その後、前駆体層における共振領域の形成予定領域にPMNを選択的に注入し、その後、前駆体層を焼成することにより共振領域と低硬度領域とが混在する圧電層を形成することを特徴とする。
この発明によれば、圧電層形成工程では、下部電極上にPMN−PZTからなる圧電層の前駆体層を形成し、その後、前駆体層における共振領域の形成予定領域にPMNを選択的に注入し、その後、前駆体層を焼成することにより共振領域と低硬度領域とが混在する圧電層を形成するので、電気機械結合係数を低下させることなくQ値を向上させることが可能な共振装置を提供することができる。
請求項11の発明は、請求項6記載の共振装置の製造方法であって、支持基板の一表面側に下部電極を形成する下部電極形成工程と、下部電極上に圧電層を形成する圧電層形成工程と、圧電層における下部電極側とは反対側に上部電極を形成する上部電極形成工程とを備え、圧電層形成工程では、下部電極上にLi、Nb、Ta、Sb、Cuのうちの少なくとも1種の材料を添加したKNNからなる圧電層の前駆体層を形成し、その後、前駆体層における共振領域の形成予定領域に前駆体層と同じ添加物を選択的に注入し、その後、前駆体層を焼成することにより共振領域と低硬度領域とが混在する圧電層を形成することを特徴とする。
この発明によれば、圧電層形成工程では、下部電極上にLi、Nb、Ta、Sb、Cuのうちの少なくとも1種の材料を添加したKNNからなる圧電層の前駆体層を形成し、その後、前駆体層における共振領域の形成予定領域に前駆体層と同じ添加物を選択的に注入し、前駆体層を焼成することにより共振領域と低硬度領域とが混在する圧電層を形成するので、電気機械結合係数を低下させることなくQ値を向上させることが可能な共振装置を提供することができる。
請求項1の発明では、電気機械結合係数を低下させることなくQ値を向上させることが可能となるという効果がある。
請求項7〜11の発明では、電気機械結合係数を低下させることなくQ値を向上させることが可能な共振装置を提供することができるという効果がある。
(実施形態1)
本実施形態の共振装置は、図1に示すように、支持基板1と、支持基板1の一表面側に形成された音響ミラー(音響多層膜)2と、音響ミラー2上に形成された共振子3とを備えたBAW共振器であり、共振子3が音響ミラー2上に形成された下部電極31と、下部電極31上に形成された圧電層32と、圧電層32における下部電極31側とは反対側に形成された上部電極33とで構成されている。また、本実施形態の共振装置は、圧電層32における下部電極31側とは反対側に上部電極33と圧電層32との接触面積を規定する開孔部4aを有する絶縁膜4が形成されており、圧電層32のうち下部電極31と上部電極33との両方と接する領域が共振領域32aを構成している。なお、本実施形態のBAW共振器は、SMRを構成している。
ここにおいて、本実施形態の共振装置は、圧電層32の圧電材料としてPZTを採用しており、支持基板1として、上記一表面である主表面が(100)面の単結晶のシリコン基板を用いているが、支持基板1としては、シリコン基板に限らず、主表面が(100)面のMgO基板や、主表面が(100)面のSTO(SrTiO)基板などを用いてもよい。なお、本実施形態では、圧電層32の圧電材料として、PZTを採用しているので、圧電材料がAlNである場合に比べて、電気機械結合係数を大きくすることができる。
音響ミラー2は、相対的に音響インピーダンスの低い材料からなる低音響インピーダンス層21と相対的に音響インピーダンスの高い材料からなる高音響インピーダンス層22とが交互に積層されており、上述の下部電極31は、最上層の低音響インピーダンス層21上に形成されている。なお、低音響インピーダンス層21および高音響インピーダンス層22それぞれの膜厚は、圧電層32における共振領域32aの共振周波数の弾性波(バルク弾性波)の波長の4分の1の値に設定すればよい。
本実施形態では、低音響インピーダンス層21の材料としてSiO、高音響インピーダンス層22の材料としてW、下部電極31の材料としてPt、上部電極33の材料としてAlを採用しているが、これらの材料は特に限定するものではなく、低音響インピーダンス層21の材料としては、例えば、Si,poly−Si,Al,ポリマーなどを採用してもよく、高音響インピーダンス層22の材料としては、例えば、Au,Mo,AlN,ZnOなどを採用してもよく、下部電極31の材料としては、例えば、Irを採用してもよく、上部電極33の材料としては、例えば、Mo,Ptなどを採用してもよい。また、絶縁膜4の材料としてSiOを採用しているが、SiOに限らず、例えば、Siを採用してもよい。
なお、本実施形態の共振装置では、共振子3の共振周波数を4GHzに設定してあり、下部電極31の厚みを100nm、圧電層32の厚みを300nm、上部電極33の厚みを100nm、低音響インピーダンス層21の厚みを400nm、高音響インピーダンス層22の厚みを350nmに設定してあるが、これらの数値は一例であって特に限定するものではない。また、共振周波数を3GHz〜5GHzの範囲で設計する場合には、圧電層32の厚みは200nm〜600nmの範囲で、低音響インピーダンス層21の厚みは250nm〜550nmの範囲で、高音響インピーダンス層22の厚みは200nm〜450nmの範囲で、それぞれ適宜設定すればよい。
ところで、本実施形態の共振装置は、圧電層32のうち下部電極31と上部電極33との両方に接している共振領域32aの周囲に当該共振領域32aに比べて硬度の低い低硬度領域32bを形成してある。ここで、低硬度領域32bは、平面視において共振領域32aを全周に亘って囲むように形成されており、低硬度領域32bの周囲は共振領域32aと同じ硬度になっている。また、低硬度領域32bは、圧電層32のうちポーラス化された領域により構成されている。
しかして、本実施形態の共振装置では、共振領域32aの周囲に当該共振領域32aに比べて硬度の低い低硬度領域32bを形成してあるので、共振領域32aが周囲の領域に拘束されて振動エネルギが弱められるのを抑制できるから、図2(a),(b)の矢印で示すように圧電層32の共振領域32aが厚み方向に効率良く振動することが可能となり、電気機械結合係数を低下させることなくQ値を向上させることが可能となる。また、本実施形態の共振装置では、低硬度領域32bがポーラス化された領域からなるので、低硬度領域32bの多孔度を制御することで低硬度領域32bの硬度を制御することができ、共振領域32a自体の電気機械結合係数およびQ値を変えることなく低硬度領域32bの硬度を低くすることが可能となる。
以下、本実施形態の共振装置の製造方法について図3を参照しながら説明する。
まず、単結晶のシリコン基板からなる支持基板1の上記一表面側にSiO膜からなる低音響インピーダンス層21とW膜からなる高音響インピーダンス層22とを例えばスパッタ法やCVD法などにより交互に成膜することで音響ミラー(音響多層膜)2を形成する音響ミラー形成工程を行い、その後、音響ミラー2上(支持基板1と音響ミラー2とからなるベース基板上)に、第1の導電性材料(例えば、Pt,Irなど)からなる下部電極31を例えばスパッタ法や蒸着法などにより形成する下部電極形工程を行うことによって、図3(a)に示す構造を得る。
その後、下部電極31上に均質なPZT層からなる圧電層32を、例えば、ゾルゲル法、スパッタ法、CVD法などにより形成する圧電層形成工程を行うことによって、図3(b)に示す構造を得る。なお、圧電層32のPZTの組成比は、Pb(Zr0.53Ti0.47)Oとしてある。
次に、図3(c)に示すように、メタルマスク6を利用して圧電層32における低硬度領域32bの形成予定領域に、電子、ヘリウムイオン、Arイオンのうちの1種を注入してポーラス化することで低硬度領域32bを形成する低硬度領域形成工程を行う。なお、メタルマスク6は、低硬度領域32bに対応する部位に開孔部6aが形成されている。
その後、共振領域32aと低硬度領域32bとが混在する圧電層32上に共振領域32aに対応する部位に開孔部4aを有する絶縁膜4を形成する絶縁膜形成工程を行うことによって、図3(d)に示す構造を得る。
続いて、共振領域32aの表面と絶縁膜4の表面とに跨る上部電極33を形成する上部電極形成工程を行うことによって、図3(e)に示す構造を得る。
以上説明した共振装置の製造方法によれば、支持基板1の上記一表面側に下部電極31を形成する下部電極形成工程と、下部電極31上に圧電層32を形成する圧電層形成工程と、圧電層32における下部電極31側とは反対側に上部電極33を形成する上部電極形成工程とを備え、圧電層形成工程では、下部電極31上に均質な圧電層32を形成し、その後、当該圧電層32における低硬度領域32bの形成予定領域に電子、ヘリウムイオン、Arイオンのうちの1種を注入してポーラス化することで低硬度領域32bを形成するので、電気機械結合係数を低下させることなくQ値を向上させることが可能な共振装置を提供することができる。
本実施形態では、圧電層32をPZT層により構成してあるが、PZT層に限らず、KNN層により構成してもよく、この場合は、圧電層形成工程においてKNN層をゾルゲル法やスパッタ法やMOD(Metal Organic Decomposition)法、レーザアブレーション法などにより形成し、低硬度領域形成工程において、KNN層からなる圧電層32における低硬度領域32bの形成予定領域に、電子、ヘリウムイオン、Arイオンのうちの1種を注入してポーラス化することで低硬度領域32bを形成すればよい。なお、KNNの組成は、KNa1−xNbOなる化学式で表され、例えば、x=0.5とすればよいが、この値は一例であって特に限定するものではない。
ところで、上述の共振装置を、3GHz以上の高周波帯においてカットオフ特性が急峻で且つ帯域幅の広いフィルタ、例えば、UWB用フィルタとして応用する場合には、複数個(例えば、8個)の共振子3を支持基板1の上記一表面側に形成し(音響ミラー2上に形成し)、これら複数個の共振子3を図4に示すようなラダー型フィルタを構成するように接続すれば、UWB用フィルタの低コスト化および小型化を図れる。
(実施形態2)
本実施形態の共振装置の基本構成は実施形態1と略同じであって、図5に示すように、圧電層32における共振領域32a以外の領域全体を低硬度領域32bとしてある点などが相違する。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
また、圧電層32がPZTにより形成されている点は実施形態1と同じであるが、本実施形態における低硬度領域32bは、共振領域32aよりもTiに対するZrの比を小さくすることにより硬度を低くしてある。なお、本実施形態では、共振領域32aのPZTの組成比をPb(Zr0.53Ti0.47)Oとし、低硬度領域32bのPZTの組成比をPb(Zr0.20Ti0.80)Oとてあるが、これらの組成比は一例であって特に限定するものではない。
しかして、本実施形態の共振装置では、実施形態1と同様に、共振領域32aの周囲に当該共振領域32aに比べて硬度の低い低硬度領域32bを形成してあるので、共振領域32aが周囲の領域に拘束されて振動エネルギが弱められるのを抑制できるから、図6(a),(b)の矢印で示すように圧電層32の共振領域32aが厚み方向に効率良く振動することが可能となり、電気機械結合係数を低下させることなくQ値を向上させることが可能となる。
また、本実施形態の共振装置では、圧電層32が、PZTにより形成されているので、圧電層32がAlNにより形成されている場合に比べて、電気機械結合係数を高めることができ、低硬度領域32bが、共振領域32aよりもTiに対するZrの比を小さくすることにより硬度を低くしてあるので、共振領域32a自体の電気機械結合係数およびQ値を変えることなく低硬度領域32bの硬度を低くすることが可能となる。なお、圧電層32における低硬度領域32bの形成部位は実施形態1と同じでもよい。
以下、本実施形態の共振装置の製造方法について図7を参照しながら説明するが、実施形態1で説明した製造方法と同様の工程については説明を適宜省略する。
まず、単結晶のシリコン基板からなる支持基板1の上記一表面側に音響ミラー2を形成する音響ミラー形成工程を行い、その後、音響ミラー2上に下部電極31を形成する下部電極形工程を行うことによって、図7(a)に示す構造を得る。
その後、下部電極31上に均質なPZTからなる圧電層32の前駆体層132を、例えば、ゾルゲル法、スパッタ法、CVD法などにより形成する前駆体層形成工程を行うことによって、図7(b)に示す構造を得る。
次に、図7(c)に示すように、メタルマスク6を利用して前駆体層132における低硬度領域32bの形成予定領域に、PTOを選択的に注入してPTO注入領域132bを形成する選択注入工程を行う。なお、この選択注入工程を行うことにより、前駆体層132における共振領域32aの形成予定領域はPTO非注入領域132aとなり、PTO注入領域132bはPTO非注入領域132aに比べてTiリッチの状態となる。
その後、PTO非注入領域132aとPTO注入領域132bとが混在する前駆体層132を焼成することにより共振領域32aと低硬度領域32bとが混在する圧電層32を形成する焼成工程を行い、続いて、圧電層32上に共振領域32aに対応する部位に開孔部4aを有する絶縁膜4を形成する絶縁膜形成工程を行うことによって、図7(d)に示す構造を得る。なお、本実施形態では、前駆体層形成工程と選択注入工程と焼成工程とで、下部電極31上に圧電層32を形成する圧電層形成工程を構成している。
続いて、共振領域32aの表面と絶縁膜4の表面とに跨る上部電極33を形成する上部電極形成工程を行うことによって、図7(e)に示す構造を得る。
以上説明した共振装置の製造方法によれば、支持基板1の上記一表面側に下部電極31を形成する下部電極形成工程と、下部電極31上に圧電層32を形成する圧電層形成工程と、圧電層32における下部電極31側とは反対側に上部電極33を形成する上部電極形成工程とを備え、圧電層形成工程では、下部電極31上にPZTからなる圧電層32の前駆体層132を形成し、その後、前駆体層132における低硬度領域32bの形成予定領域にPTOを選択的に注入し、その後、前駆体層132を焼成することにより共振領域32aと低硬度領域32bとが混在する圧電層32を形成するので、電気機械結合係数を低下させることなくQ値を向上させることが可能な共振装置を提供することができる。
なお、本実施形態の共振装置も実施形態1と同様にUWB用フィルタとして応用することができる。
(実施形態3)
本実施形態の共振装置の基本構成は図5に示した実施形態2の構成と同じであって、実施形態2にて説明した圧電層32が、Mn、Nb、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1種の材料を添加したPZTにより形成され、低硬度領域32bが、共振領域32aよりもPZTに対する添加物の比を小さくすることにより硬度を低くしてある点が相違するだけである。
しかして、本実施形態の共振装置は、圧電層32が、Mn、Nb、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1種の材料を添加したPZTにより形成されているので、共振領域32aがPZTにより形成されている場合に比べて、共振領域32aのQ値を向上させることができ、低硬度領域32bが、共振領域32aよりもPZTに対する添加物の比を小さくすることにより硬度を低くしてあるので、共振装置全体としてのQ値を向上させることができる。
以下、本実施形態の共振装置の製造方法について図8を参照しながら説明するが、実施形態2で説明した製造方法と同様の工程については説明を適宜省略する。
まず、単結晶のシリコン基板からなる支持基板1の上記一表面側に音響ミラー2を形成する音響ミラー形成工程を行い、その後、音響ミラー2上に下部電極31を形成する下部電極形工程を行うことによって、図8(a)に示す構造を得る。
その後、下部電極31上に、Pbよりも硬度の高い金属材料、例えば、Mn、Nb、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1種の材料を添加したPZTからなる圧電層32の前駆体層232を、例えば、ゾルゲル法、スパッタ法、CVD法などにより形成する前駆体層形成工程を行うことによって、図8(b)に示す構造を得る。
次に、図8(c)に示すように、メタルマスク6を利用して前駆体層232における共振領域32aの形成予定領域に、前駆体層232と同じ添加物(つまり、Mn、Nb、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1種)を選択的に注入して選択注入領域232aを形成する選択注入工程を行う。なお、この選択注入工程を行うことにより、前駆体層232における低硬度領域32bの形成予定領域は非注入領域232bとなる。
その後、選択注入領域232aと非注入領域232bとが混在する前駆体層232を焼成することにより共振領域32aと低硬度領域32bとが混在する圧電層32を形成する焼成工程を行い、続いて、圧電層32上に共振領域32aに対応する部位に開孔部4aを有する絶縁膜4を形成する絶縁膜形成工程を行うことによって、図8(d)に示す構造を得る。なお、本実施形態では、前駆体層形成工程と選択注入工程と焼成工程とで、下部電極31上に圧電層32を形成する圧電層形成工程を構成している。
続いて、共振領域32aの表面と絶縁膜4の表面とに跨る上部電極33を形成する上部電極形成工程を行うことによって、図8(e)に示す構造を得る。
以上説明した本実施形態の共振装置の製造方法によれば、支持基板1の上記一表面側に下部電極31を形成する下部電極形成工程と、下部電極31上に圧電層32を形成する圧電層形成工程と、圧電層32における下部電極31側とは反対側に上部電極33を形成する上部電極形成工程とを備え、圧電層形成工程では、下部電極31上にMn、Nb、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1種の材料を添加したPZTからなる圧電層32の前駆体層232を形成し、その後、前駆体層232における共振領域32aの形成予定領域に前駆体層232と同じ添加物を選択的に注入し、その後、前駆体層232を焼成することにより共振領域32aと低硬度領域32bとが混在する圧電層32を形成するので、電気機械結合係数を低下させることなくQ値を向上させることが可能な共振装置を提供することができる。
ところで、本実施形態では、上述のように、圧電層32が、Mn、Nb、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1種の材料を添加したPZTにより形成され、低硬度領域32bが、共振領域32aよりもPZTに対する添加物の比を小さくすることにより硬度を低くしてあるが、圧電層32が、Li、Nb、Ta、Sb、Cuのうちの少なくとも1種の材料を添加したKNNにより形成され、低硬度領域32bが、共振領域32aよりもKNNに対する添加物の比を小さくすることにより硬度を低くしてあれば、環境負荷を低減できる。この場合には、前駆体形成工程において、下部電極31上に、Kよりも硬度の高い金属材料、例えば、Li、Nb、Ta、Sb、Cuのうちの少なくとも1種の材料を添加したKNNからなる圧電層32の前駆体層232を、例えば、ゾルゲル法、スパッタ法、MOD法、レーザアブレーション法などにより形成する前駆体層形成工程を行い、選択注入工程において、前駆体層232における共振領域32aの形成予定領域に、前駆体層232と同じ添加物(つまり、Li、Nb、Ta、Sb、Cuのうちの少なくとも1種)を選択的に注入して選択注入領域232aを形成するようにすればよい。
なお、本実施形態の共振装置も実施形態1と同様にUWB用フィルタとして応用することができる。
(実施形態4)
本実施形態の共振装置の基本構成は図5に示した実施形態2の構成と同じであって、実施形態2にて説明した圧電層32が、PMN−PZTにより形成され、低硬度領域32bが、共振領域32aよりもPZTに対するPMNの比を小さくすることにより硬度を低くしてある点が相違するだけである。
しかして、本実施形態の共振装置は、圧電層32が、PMN−PZTにより形成されているので、共振領域32aがPZTにより形成されている場合に比べて、共振領域32aのQ値を向上させることができ、低硬度領域32bが、共振領域32aよりもPZTに対するPMNの比を小さくすることにより硬度を低くしてあるので、共振装置全体としてのQ値を向上させることができる。
本実施形態の共振装置の製造方法は実施形態3にて図8に基づいて説明した製造方法と略同じであって、前駆体層形成工程において、PMN−PZTからなる圧電層32の前駆体層232を形成し、例えば、ゾルゲル法、スパッタ法、CVD法などにより形成し、選択注入工程において、前駆体層232における共振領域32aの形成予定領域に、PMTを選択的に注入している点が相違するだけである。
要するに、本実施形態の共振装置の製造方法によれば、支持基板1の上記一表面側に下部電極31を形成する下部電極形成工程と、下部電極31上に圧電層32を形成する圧電層形成工程と、圧電層32における下部電極31側とは反対側に上部電極33を形成する上部電極形成工程とを備え、圧電層形成工程では、下部電極31上にPMN−PZTからなる圧電層32の前駆体層を形成し、その後、前駆体層における共振領域32aの形成予定領域にPMNを選択的に注入し、その後、前駆体層を焼成することにより共振領域32aと低硬度領域32bとが混在する圧電層32を形成するので、電気機械結合係数を低下させることなくQ値を向上させることが可能な共振装置を提供することができる。
なお、本実施形態の共振装置も実施形態1と同様にUWB用フィルタとして応用することができる。
(実施形態5)
本実施形態の共振装置の基本構成は実施形態2と略同じであって、図9に示すように、支持基板1の上記一表面側に実施形態2にて説明した音響ミラー2(図5参照)を設けずに、支持基板1に下部電極31における圧電層32側とは反対側の表面を露出させる開孔部1aが形成されている点が相違する。要するに、本実施形態の共振装置は、下部電極31と下部電極31直下の媒質との音響インピーダンス比を大きくすることにより支持基板1側への弾性波エネルギの伝搬を抑制するようにしたFBARを構成している。
本実施形態の共振装置の製造方法は実施形態2にて説明した製造方法と略同じであって、実施形態2にて説明した音響ミラー形成工程が不要となり、上部電極形成工程の後、支持基板1の他表面側に上述の開孔部1a形成用にパターニングされたマスク層を形成するマスク層形成工程を行ってから、当該マスク層をマスクとして、支持基板1をドライエッチングあるいはウェットエッチングすることにより開孔部1aを形成する開孔部形成工程を行い、続いて、上記マスク層を除去するマスク層除去工程を行うようにすればよい。
なお、本実施形態の共振装置も実施形態1と同様にUWB用フィルタとして応用することができる。また、他の実施形態1,3,4においても、音響ミラー2を設けずに、支持基板1に開孔部1aを形成してFBARを構成するようにしてもよい。
実施形態1における共振装置の概略断面図である。 同上における共振装置の動作説明図である。 同上における共振装置の製造方法を説明するための主要工程断面図である。 同上の共振装置を応用したUWB用フィルタの回路図である。 実施形態2における共振装置の概略断面図である。 同上における共振装置の動作説明図である。 同上における共振装置の製造方法を説明するための主要工程断面図である。 実施形態3における共振装置の製造方法を説明するための主要工程断面図である。 実施形態4における共振装置の概略断面図である。 従来例を示す共振装置の概略断面図である。
符号の説明
1 支持基板
2 音響ミラー
3 共振子
4 絶縁膜
4a 開孔部
31 下部電極
32 圧電層
32a 共振領域
32b 低硬度領域
33 上部電極
132 前駆体層
232 前駆体層

Claims (11)

  1. 支持基板と、支持基板の一表面側に形成された下部電極と、下部電極における支持基板側とは反対側に形成された圧電層と、圧電層における下部電極側とは反対側に形成された上部電極とを備えた共振装置であって、圧電層のうち下部電極と上部電極との両方に接している共振領域の周囲に当該共振領域に比べて硬度の低い低硬度領域を形成してあることを特徴とする共振装置。
  2. 前記圧電層は、前記低硬度領域がポーラス化された領域からなることを特徴とする請求項1記載の共振装置。
  3. 前記圧電層は、PZTにより形成され、前記低硬度領域は、前記共振領域よりもTiに対するZrの比を小さくすることにより硬度を低くしてあることを特徴とする請求項1記載の共振装置。
  4. 前記圧電層は、Mn、Nb、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1種の材料を添加したPZTにより形成され、前記低硬度領域は、前記共振領域よりもPZTに対する添加物の比を小さくすることにより硬度を低くしてあることを特徴とする請求項1記載の共振装置。
  5. 前記圧電層は、PMN−PZTにより形成され、前記低硬度領域は、前記共振領域よりもPZTに対するPMNの比を小さくすることにより硬度を低くしてあることを特徴とする請求項1記載の共振装置。
  6. 前記圧電層は、Li、Nb、Ta、Sb、Cuのうちの少なくとも1種の材料を添加したKNNにより形成され、前記低硬度領域は、前記共振領域よりもKNNに対する添加物の比を小さくすることにより硬度を低くしてあることを特徴とする請求項1記載の共振装置。
  7. 請求項2記載の共振装置の製造方法であって、支持基板の一表面側に下部電極を形成する下部電極形成工程と、下部電極上に圧電層を形成する圧電層形成工程と、圧電層における下部電極側とは反対側に上部電極を形成する上部電極形成工程とを備え、圧電層形成工程では、下部電極上に均質な圧電層を形成し、その後、当該圧電層における低硬度領域の形成予定領域に電子、ヘリウムイオン、Arイオンのうちの1種を注入してポーラス化することで低硬度領域を形成することを特徴とする共振装置の製造方法。
  8. 請求項3記載の共振装置の製造方法であって、支持基板の一表面側に下部電極を形成する下部電極形成工程と、下部電極上に圧電層を形成する圧電層形成工程と、圧電層における下部電極側とは反対側に上部電極を形成する上部電極形成工程とを備え、圧電層形成工程では、下部電極上にPZTからなる圧電層の前駆体層を形成し、その後、前駆体層における低硬度領域の形成予定領域にPTOを選択的に注入し、その後、前駆体層を焼成することにより共振領域と低硬度領域とが混在する圧電層を形成することを特徴とする共振装置の製造方法。
  9. 請求項4記載の共振装置の製造方法であって、支持基板の一表面側に下部電極を形成する下部電極形成工程と、下部電極上に圧電層を形成する圧電層形成工程と、圧電層における下部電極側とは反対側に上部電極を形成する上部電極形成工程とを備え、圧電層形成工程では、下部電極上にMn、Nb、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1種の材料を添加したPZTからなる圧電層の前駆体層を形成し、その後、前駆体層における共振領域の形成予定領域に前駆体層と同じ添加物を選択的に注入し、その後、前駆体層を焼成することにより共振領域と低硬度領域とが混在する圧電層を形成することを特徴とする共振装置の製造方法。
  10. 請求項5記載の共振装置の製造方法であって、支持基板の一表面側に下部電極を形成する下部電極形成工程と、下部電極上に圧電層を形成する圧電層形成工程と、圧電層における下部電極側とは反対側に上部電極を形成する上部電極形成工程とを備え、圧電層形成工程では、下部電極上にPMN−PZTからなる圧電層の前駆体層を形成し、その後、前駆体層における共振領域の形成予定領域にPMNを選択的に注入し、その後、前駆体層を焼成することにより共振領域と低硬度領域とが混在する圧電層を形成することを特徴とする共振装置の製造方法。
  11. 請求項6記載の共振装置の製造方法であって、支持基板の一表面側に下部電極を形成する下部電極形成工程と、下部電極上に圧電層を形成する圧電層形成工程と、圧電層における下部電極側とは反対側に上部電極を形成する上部電極形成工程とを備え、圧電層形成工程では、下部電極上にLi、Nb、Ta、Sb、Cuのうちの少なくとも1種の材料を添加したKNNからなる圧電層の前駆体層を形成し、その後、前駆体層における共振領域の形成予定領域に前駆体層と同じ添加物を選択的に注入し、その後、前駆体層を焼成することにより共振領域と低硬度領域とが混在する圧電層を形成することを特徴とする共振装置の製造方法。
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JP2015505958A (ja) * 2011-11-30 2015-02-26 ベイカー ヒューズ インコーポレイテッド イオン注入法によって作られた結晶センサ
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US11558031B2 (en) 2017-03-08 2023-01-17 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Film bulk acoustic resonator and method of manufacturing the same

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