JP2013005446A - 非圧電層を備えたバルク音響共振器 - Google Patents

非圧電層を備えたバルク音響共振器 Download PDF

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Abstract

【課題】非圧電層を備えたバルク音響共振器を提供する。
【解決手段】第1の電極105は、基板103上及びキャビティ104上に懸架される。圧電層107は、第1の電極105上に配設され、窒化アルミニウム(AlN)又は酸化亜鉛(ZnO)等の非常にきめの細かいc軸圧電材料からなる。非圧電層108は典型的には、圧電層107と同じ物質から作成されるが、非晶質又は多結晶であり、圧電効果を殆ど呈さず又は全く呈さない。第2の電極101は、圧電層107上、及非圧電層108上に配設される。キャビティ104、第1の電極105、圧電層107、及び第2の電極101の重複は、共振器のアクティブ領域109を画定するものとなる。
【選択図】図1B

Description

本発明は、一般にバルク音響共振器に関し、特に非圧電層を備えたバルク音響共振器に関するものである。
トランスデューサは一般に、電気信号を機械信号又は振動に変換し、及び/又は、機械信号又は振動を電気信号に変換する。特に、音響トランスデューサは、逆圧電効果及び直接圧電効果を使用して、電気信号を音響波に変換し、及び音響波を電気信号に変換する。音響トランスデューサは一般に、圧電薄膜共振器(FBAR:Film Bulk Acoustic Resonator)、弾性表面波(SAW:Surface Acoustic Wave)共振器、又はバルク音響波(BAW:Bulk Acoustic Wave)共振器といった音響共振器を含み得るものであり、携帯電話、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)、電子ゲーム装置、ラップトップコンピュータ、及びその他の携帯型通信装置といった広範な電子的用途で使用することが可能なものである。例えば、FBARは、電気的フィルタ及び変圧器で使用することが可能である。一般に、音響共振器は、2つの導電性プレート(電極)間に1つの圧電材料層を有しており、これらは1つの薄膜上に形成することが可能なものである。特に、FBAR素子は、経時変化する電界の印加によるシミュレート時に横方向に伝搬することができる音響波を生成し、並びに一層高次の高調波混合結果を生成する。その横方向に伝搬する状態及び高調波混合結果は、機能に対して有害な影響を与えるものとなる。
よって、必要とされているのは、BAW共振器の上部電極、圧電層、及び底部電極の重複領域(一般にアクティブ領域と呼ばれる)におけるモード閉じ込め(mode confinement)を改善すべくBAW共振器の境界における音響損失を軽減するのに有用な構造である。
例示的な実施形態によれば、バルク音響波(BAW)共振器構造は、基板上に配設された第1の電極と、該第1の電極上に配設された圧電層と、該圧電層上に配設された第2の電極であって、該圧電層の結晶のc軸配向が実質的に互いに整列している、第2の電極と、該圧電層に隣接して前記第1の電極上に配設された非圧電層とからなり、前記第2の電極との前記非圧電層の重複部分が、実質的に、前記非圧電層における第1の伝搬固有モード(propagating eigenmode)の1/4波長の整数倍に等しい幅、又は非圧電層における第1の一過性固有モード(evanescent eigenmode)の減衰定数の逆数(1/k)以上の幅を有する。
もう1つの例示的な実施形態によれば、バルク音響波(BAW)共振器構造は、基板上に配設された第1の電極と、該第1の電極上に配設された第1の圧電層と、該第1の圧電層上に配設された第2の電極であって、該第1の圧電層の結晶のc軸配向が実質的に互いに整列している、第2の電極と、該第2の電極上に配設された第2の圧電層と、非圧電層と、前記第2の圧電層上に配設された第3の電極とからなる。
例示的な実施形態によるFBARの平面図を示している。 図1Aの1B-1B断面図である。 図1Aの1B-1B断面図である。 本発明の例示的な実施形態によるFBARの電極と非圧電層との重複部分の幅に対する並列インピーダンス(Rp)(左軸)及び電子機械結合係数(kt2)(右軸)を示すグラフである。 本発明の例示的な実施形態による二重バルク音響共振器(DBAR)の断面図である。 本発明の例示的な実施形態による二重バルク音響共振器(DBAR)の断面図である。 本発明の例示的な実施形態による二重バルク音響共振器(DBAR)の断面図である。 本発明の例示的な実施形態によるDBARの電極と非圧電層との重複部分の幅に対する並列インピーダンス(Rp)(左軸)及び電子機械結合係数(kt2)(右軸)を示すグラフである。 本発明の例示的な実施形態による結合共振器フィルタ(CRF)の断面図である。 本発明の例示的な実施形態による結合共振器フィルタ(CRF)の断面図である。 本発明の例示的な実施形態による結合共振器フィルタ(CRF)の断面図である。 既知のCRF及び本発明の例示的な実施形態によるCRFの奇数モード(Qo)及び偶数モード(Qe)の挿入損失IL(左軸)及びQファクタ(右軸)を示すグラフである。
本例示の実施形態は、図面を参照して行う以下の詳細な説明から最も良く理解されよう。その様々な特徴は必ずしも実際の縮尺にはなっていないことを強調しておく。実際に、その寸法は、説明を容易にすべく適宜拡大又は縮小されている。該当及び実施し得る場合には必ず、同様の構成要素に同様の符号を付してある。
本書で用いる用語は、特定の実施形態の説明のみを目的としたものであり制限を目的としたものではないことを理解されたい。ここで定義する用語は、本教示の当業界において一般に理解され許容される技術的及び科学的な意味に限定されるものではない。
本明細書及び特許請求の範囲で用いる場合、用語「1つの(a)」及び「前記(the)」は、文脈で特に明示しない限り、単一の対象及び複数の対象の両者を含むものである。このため、例えば、「1つの装置(a device)」は、1つの装置及び複数の装置の両者を含むものである。
本明細書及び特許請求の範囲で用いる場合、用語「実質的な」及び「実質的に」とは、それらの通常の意味を越えて、「許容可能な限界又は程度内」を意味するものである。例えば、「実質的に相殺される」とは、当業者であれば該相殺が許容可能なものであるとみなすことになることを意味している。
本明細書及び特許請求の範囲で用いる場合、用語「ほぼ」とは、その通常の意味を越えて、「当業者にとって許容可能な限界又は量内」を意味するものである。例えば、「ほぼ同じ」とは、当業者であればその比較対象が同一であるとみなすことになることを意味している。
以下の詳細な説明では、制限ではなく説明を目的として、本教示による例示的な実施形態の完全なる理解を提供すべく、特定の細部について説明する。しかし、本開示の利点を理解した当業者にとって、本書で開示する特定の細部から離れた他の実施形態であって本教示に従う実施形態が特許請求の範囲内のものであることは自明であろう。更に、本例示の実施形態の説明が不明確にならないように、周知の装置及び方法に関する説明は省略する場合がある。かかる方法及び装置は明らかに本教示に含まれるものである。
一般に、図面及びそこに記載する様々な構成要素は正しい縮尺にはなっていないことが理解されよう。更に、「上に」、「下に」、「上部」、「下部」、「上側」、「下側」といった相対的な用語は、図面に示すような様々な要素の相互の関係を記述するために使用されている。これらの相対的な用語は、図示の配向に加えて、装置及び/又は構成要素の異なる配向を包含させることを意図したものである、ということが理解されよう。例えば、装置が図示の状態から反転された場合、例えば、他の構成要素の「上に」と記載された構成要素は、該他の構成要素の「下に」あることになる。
本教示は一般に、FBAR、二重バルク音響共振器(DBAR)、及び結合共振器フィルタ(CRF)を含む、バルク音響波(BAW)共振器構造に関するものである。以下で一層完全に説明するように、例示的な実施形態のFBAR、DBAR、及びCRFは、電極と非圧電(np)材料層との間に配設された圧電(p)材料層からなり、前記非圧電(np)材料層は前記圧電材料層に隣接して配置されている。前記圧電材料層の結晶は、前記電極の平面に対して垂直な複数の列に成長したものである。このため、該圧電材料層の結晶のc軸配向は互いに実質的に整列しており、該圧電材料層は、非常にきめの細かいc軸圧電層(highly-textured c-axis piezoelectric layer)と呼ぶことができる。かかる圧電材料層は、例えば、Ruby等の米国特許第6,060,818号で開示されているような、様々な既知の方法のうちの1つに従って作製することが可能である。非圧電材料層は、典型的には圧電材料層と同じ物質から作製されるが、非晶質又は多結晶であり、様々な方向の結晶成長のため圧電効果は殆ど又は全く呈さないものである。該非圧電材料層は、以下に示す方法により、又はBarber等の米国特許第7,795,781号の教示に従って作成することが可能である。
音響共振器、特にFBARは、様々な周波数帯域で動作するフィルタ及び発振器等のRF及びマイクロ波装置のために様々な構成で採用することが可能なものである。移動通信装置で使用する場合、対象となる周波数帯域の特定の一例は850MHzの「セルラー帯域」である。一般に、BAW共振器のサイズは、周波数の低下と共に大きくなり、例えば、850MHz帯のFBARは、2GHzのPCS(Personal Communication Services)のために同様のFBARよりも遙かに大きなものとなる。一方、移動通信装置の構成要素の小型化という絶えることのない傾向に鑑み、比較的大きさサイズを有するBAW共振器を二等分し、該二等分したものの各々は一層小さな音響共振器とみなすことが可能なものであり、それらを互いに積層させることを概念的に想定することが可能である。かかる積層されたBAW共振器の一例がDBARである。特定の用途では、BAW共振器構造は、DBARベースのフィルタ(例えば、はしご形フィルタ)を提供する。
CRFは、2つの垂直方向に積層されたFBAR間に配設された1つの結合構造からなる。該CRFは、該2つのFBARの音響作用を結合させて、バンドパスフィルタ伝達機能を提供する。所与の音響スタック(acoustic stack)に関し、CRFは、互いに異なる周波数の、2つの基本共振モード、1つの対称モード、及び1つの非対称モードを有している。それらモードの周波数の違いの程度は、とりわけ、該CRFの2つのFBARの間の結合の程度又は強度によって決まる。該2つのFBAR間の結合の程度が高すぎる(過剰に結合している)と、通過帯域は許容不能に広くなり、該通過帯域の中心に許容不能な「揺らぎ(swag)」又は「一時的な低下(dip)」が結果的に生じ、これは該通過帯域の中心に許容不能に高い挿入損失が付随するのと同様である。FBAR間の結合の程度が低すぎる(結合が過度に不足している)と、CRFの通過帯域は狭くなりすぎる。
FBAR、DBAR、及びCRFの特定の細部、それらの材料、及びそれらの作製方法は、以下に示す本出願人の米国特許、米国特許出願公報、及び米国特許出願のうちの1つ又は2つ以上に見いだすことができる:Lankinの米国特許第6,107,721号、Ruby等の米国特許第5,587,620号、第5,873,153号、及び第6,507,983号、Ruby等の米国特許第7,629,865号、Feng等の米国特許第7,280,007号、Jamneala等の米国特許出願第2007/0205850号公報、Richard C. Ruby等の米国特許第7,388,454号、Choy等の米国特許出願第2010/0327697号公報、及びChoy等の米国特許出願第2010/0327994号公報。DBAR及びCRF並びにそれらの材料及び作製方法の例は、Paul Bradley等の米国特許第7,889,024号、2011年3月29日出願のShirakawa等の米国特許出願第13/074,094号、2011年2月28日出願のBurak等の米国特許出願第13/036,489号、2011年3月29日出願のBurak等の米国特許出願第13/074,262号、及び2011年3月5日出願のBurak等の米国特許出願第13/101,376号に見いだすことができる。これらの特許及び特許出願に記載される構成要素、材料、及び作製方法は例示的なものであり、当業者の視野内にある他の作製方法及び材料もまた意図されていることを強調しておく。
・FBARからなる実施形態
図1Aは、例示的な一実施形態によるFBAR100の平面図である。該FBAR100は、上部電極101(以下では第2の電極101とも称す)を備えており、該上部電極101は、例示のため5つの側部を有しており、相互接続部102'に対する電気的接続を提供するよう構成された接続用側部102を有している。該相互接続部102'は、上部電極101へ電気信号を提供し、該FBAR100の圧電層(図1には図示せず)内で所望の音響波を励起させる。
図1Bは、図1Aに示すFBAR100の1B-1B断面図である。基板103は、キャビティ104又はその他の音響反射器(例えば分布ブラッグ格子(図示せず))を備えている。第1の電極105は、基板103上に配設され、及びキャビティ104上に懸架される。平坦化層106は、基板103上に配設され、及びエッチング不能なホウケイ酸ガラス(NEBSG)とすることが可能である。一般に、平坦化層106は、(全体的な処理コストを増大させるものとなるため)該構造内に存在する必要はないが、後続の層(例えば、非常にきめの細かい(highly textured)c軸圧電材料)の成長の品質を改善すると共にその処理を単純化する働きをするものとなる。圧電層107は、第1の電極105上に配設され、及び窒化アルミニウム(AlN)又は酸化亜鉛(ZnO)等の非常にきめの細かいc軸圧電材料からなる。該圧電層107に隣接しているのが、非圧電(np)層108である。該np層108は典型的には、圧電層107と同じ物質(例えばAlN又はZnO)から作成されるが、非晶質又は多結晶であり、圧電効果を殆ど呈さず又は全く呈さない。第2の電極101は、圧電層107上、及びnp層108上に配設される。
キャビティ104、第1の電極105、圧電層107、及び第2の電極101の重複は、該FBAR100のアクティブ領域109を画定するものとなる。以下で説明する例示的な実施形態では、FBAR100の境界における音響損失が軽減されて、アクティブ領域109におけるモード閉じ込めが改善される。特に、第2の電極101とnp層108との重複110の幅は、第2の電極101の縁部111におけるnp層108内の連続する複数のモード及び最低次の(lowest order)伝搬固有モードの両者の散乱の結果として生じる音響損失を低減させるよう選択される。以下で一層完全に説明するように、重複110の幅は、np層108内の減衰定数の逆数(1/k)(kは最低次の一過性モード(e-kx)の減衰定数)以上となるよう選択され、連続する複数のモードの挙動を厳密に近似するものとなる。代替的には、重複110の幅は、np層108内の最低次の伝搬固有モードの1/4波長の整数倍(1,2,3,...)となるよう選択される。
FBAR100の一連の共振周波数(Fs)で、電気エネルギーが音響エネルギーに変換され、及び音響エネルギーが電気エネルギーに変換される。電界(ひいては電気エネルギー密度)は、第2の電極101の下方でアクティブ領域109に閉じ込められるが、音場(ひいては音響エネルギー密度)は、電極の下方で該領域に(連続する複数のモードという形で)閉じ込めることも(伝搬固有モードという形で)伝搬させることも可能である。電界プロファイルは、典型的には第1の電極105が(図示の座標系のx-z平面内で)第2の電極101を越えて延びるため、該第2の電極101の横方向の形状によって決まる。数学的には、アクティブ領域109内の電界の横方向の形状は、FBAR100の圧電層107の上部界面又は下部界面と異なる角度をなして伝搬する平面波のフーリエ重ね合わせ(Fourier superposition)として表すことができる。これは純粋に数学的な概念である、ということを強調すべきである。その理由は、該構造内を伝搬する物理的な電界波が存在しないからである。換言すれば、該電界の空間スペクトルは、所与の電界プロファイルについてのフーリエ変換によって与えられる。電界の各空間スペクトル成分は、圧電層107の上部界面又は下部界面に対して同一の角度をなして伝搬する音響平面波を励起させる。第1の電極105及び第2の電極101の存在によって垂直方向で閉じ込められる電界とは異なり、励起された音響波は、FBAR100の全ての層を通って垂直方向に伝搬することができる。しかし、一般に、電気的に励起された音響平面波は、それら音響平面波が前記界面で反射される際の相殺的干渉のため、FBAR100のアクティブ領域109を自由に越えて伝搬することができない。これら非伝搬波は、一組のいわゆる連続モードを形成する。該連続モードは、励起領域から離れる方向で指数関数的に減衰する。この場合、該励起領域は、電界を生成する第2の電極101と圧電層107との重複によって画定される。しかし、該電界の一部の空間スペクトル成分のため、励起された音響波がFBAR100を構成する積層の界面で反射した際に建設的に干渉する。かかる音響平面波は、アクティブ領域109から離れる横方向(x-z平面)に自由に伝搬することができ、それ故、FBAR100の伝搬固有モードと呼ばれる。このため、これら伝搬モードがアクティブ領域109に閉じ込められず又は抑止されなかった場合には、エネルギーの有害な損失が生じることになる。このエネルギーの損失は明らかであるが、例えば、FBAR100の品質ファクタ(Q)を低下させるものとなる。
第2の電極101の下方で励起された平面波のフーリエ重ね合わせは、所与の積層についての伝搬固有モード及び一過性固有モードに対応する複素極(complex poles)からの寄与の重ね合わせ(a superposition of contributions)として数学的に表すことができる。一過性固有モードは、一般に、積層内を伝搬することはできず、励起点から指数関数的に減衰する。かかる分解(decomposition)は、一般に、(第2の電極101下のような)電気的な励起を介して又は機械的な励起を介して強制が発生するあらゆる強制系(forced system)の場合に行うことが可能である。該機械的な励起は、例えば、2つの領域の界面(例えば、FBAR100の圧電層107とnp層108との界面)で生じることが可能であり、この場合、一方の領域が既知の強制動作を呈し、他方の領域が受動的となり、両方の領域が、それらの間の界面における応力及び粒子速度の連続性を介して結合される。
FBAR100において、アクティブ領域109の運動は電気的に励起され、一方、np層108内の運動は、機械的に励起され、及び圧電層107とnp層108との界面における境界条件の結果として生じる。圧電層107及びnp層108は、それらの層が実質的に弾性的に同一となるように同じ物質から作成される。したがって、それらの対応する複数組をなす伝搬固有モード及び一過性固有モードもまた実質的に同一となる。その結果として、アクティブ領域109において圧電層107内で励起されたあらゆる伝搬固有モードは、np層108内に実質的に等しい振幅の対応する伝搬固有モードを励起させるものとなる。同様に、圧電層107において電界により励起されたあらゆる一過性固有モードは、np層108内に実質的に等しい振幅の対応する一過性モードを励起させるものとなる。
横方向(図1Bに示す座標系におけるx方向)では伝搬固有モードと一過性固有モードとの間のモードプロファイル(modal profile)には顕著な違いが存在する。該モードプロファイルは、図1Bに示す座標系における横方向(x方向)及び垂直方向(y方向)の関数として与えられる粒子変移の複素振幅(complex amplitude)として定義される。伝搬モードは、アクティブ領域109内、及び該アクティブ領域109の外側のnp層108内の両者において空間周期的な関数という形を有する。一方、一過性モードは、アクティブ領域109内で一定のプロファイルを有し(すなわち変位振幅がx方向に依存せず)、圧電層107とnp層108との界面から離れる方向で指数関数的に減衰する。更に、典型的な電気的な励起の場合、最低次の一過性固有モードは、他の一層高次の一過性固有モード内及び伝搬固有モード内に閉じ込められているエネルギーと比較して弾性エネルギーのかなりの部分(〜50%)を含む。しかし、この様々な固有モード間のエネルギーの区分化は、励起の周波数、並びにFBAR100の各層の厚さ及び該層に使用される材料によって決まる。特定の例示的な実施形態によれば、np層108と第2の電極101との重複110の幅は、np層108における最低次の一過性固有モードの減衰定数の逆数(1/k)以上となり又は該逆数と等しくなるように選択される。このため、第2の電極101の縁部111における音響インピーダンスの不連続において、最低次の一過性モードは、この界面における散乱に起因するエネルギー損失を防止するよう十分に減衰していることになる。
np層108の伝搬固有モードは、圧電層107とnp層108との界面で機械的に励起されて、第2の電極101の縁部111に向かって伝搬することになる。第2の電極101の縁部111は、伝搬固有モードの場合に比較的大きな音響インピーダンスの不連続を呈し、それ故、アクティブ領域109に向かってこの固有モードの散乱及び反射を生じさせるものとなる。この後方伝搬固有モードは、圧電層107とnp層108との界面で励起された伝搬モードと干渉するものとなる。反射時の位相と、及びnp層108と第2の電極101との重複110の幅とに応じて、該縁部111で反射された伝搬固有モードと、圧電層107とnp層108との界面で励起された伝搬固有モードとの干渉は、建設的干渉又は相殺的干渉となる。縁部111を越えて伝搬固有モードに対して失われ得るエネルギーの量を低減させるために、伝搬モード振幅を抑制するのが有利である。
上記説明は、伝搬固有モードの励起問題の解決済みの場合に対する単一励起点(例えば、FBAR100における圧電層107とnp層108との界面における)近似であり、本書で考察する場合の波動性から生じる効果についての基本的な理解を容易にするために提示したものである、ということに留意されたい。上述のように、伝搬固有モードは、アクティブ領域109全体において絶えず励起され、このため、np層108内に回折パターンを形成する。更に、この回折パターンは、大きな音響インピーダンスの不連続が縁部111に存在することにより一層複雑なものとなる。典型的には、圧電層107、np層108、及び縁部111を備えたFBAR100内に形成される回折パターンを計算し解析するために数値的解析が必要となる。以下で一層完全に説明するように、np層108内の回折パターンの抑制の結果として得られる改善されたFBAR100の性能は、第2の電極101とnp層108との重複110の幅が、np層108における最低次の伝搬固有モードの1/4波長(λ/4)の整数倍(1,2,3,..)である場合に生じる。この回折効果を促進させるために、特定の例示的な実施形態では、第2の電極101とnp層108との重複110の幅は、np層108における最低次の伝搬固有モードの1/4波長(λ/4)の整数倍(1,2,3,..)となるように選択される。np層108における伝搬固有モードのエネルギーの大部分は第1次の伝搬固有モードにおいて見いだされるため、np層108におけるこのモードの回折抑制を促進させることにより、最大量のモード抑制を達成することができる。実施形態によっては、第2の電極101とnp層108との重複110の幅を、np層108における最低次の伝搬固有モードの1/4波長(λ/4)の整数倍(1,2,3,..)となるよう選択することにより、最大の並列インピーダンス(Rp)及び最高のQが達成される。
実例として、基板103はシリコンからなり、キャビティ104は既知の方法により該基板103内にキャビティ104をエッチングすることにより作製される。該キャビティ104内に犠牲層(図示せず)が配設される。次いで、第1の電極105が基板103上に形成される。平坦化層106もまた、基板103上に配設されて、後続の層(例えば、非常にきめの細かいc軸圧電材料)の成長の品質を改善し及びそれらの処理を単純化する働きをする。
第1の電極105及び平坦化層106が配設された後、圧電層107及びnp層108が基板103上に形成される。エッチング停止層(例えばAlN(図示せず))が、第1の電極105上に配設されて、該第1の電極105を保護する。次いで、一実施形態によれば、第1の電極105及び平坦化層106上に破壊(disruptive)シード層(図示せず)が配設される。ALNの場合、該破壊シード層は、酸化物(例えば、炭素ドープ酸化物(CDO)又は二酸化ケイ素(SiO2)又は炭化ケイ素(SiC))とすることが可能である。該破壊シード層は、約50Å〜約500Åの範囲の厚さを有する比較的薄いものであり、以下で説明するように、様々な方向の結晶成長のため圧電効果を殆ど呈さず又は全く呈さない非晶質材料又は多結晶材料からなるnp層108の作製を促進させる働きをする。他の圧電材料(例えばZnO)の場合には、方向付けを失った(disoriented)成長を促進させるために、後に成長する圧電材料の品質を改善すべく一般に配設されるシード層の除去が必要となり得る。
該破壊シード層は、写真パターン形成され(photo-patterned)、及びnp層108の成長を所望する第1の電極105上の領域を除いて除去される。次いで、エッチング停止層が既知の方法により除去される。次いで、圧電層107にとって有用な材料が、露出した第1の電極105及び破壊シード層上に成長される。第1の電極105上の領域には、該成長の結果として、AlN又はZnO等の非常にきめの細かいc軸圧電材料が生じることになる。一方、前記破壊シード層上の領域には、圧電層107と同じ物質の材料が形成されるが、その結晶成長は意図的に方向付けを失ったものとなり、非晶質又は多結晶層がnp層108を形成する。
代替的に、破壊シード層を使用するのではなく、「トップダウン」法を使用してnp層108を形成することが可能である。例えば、第1の電極105が形成された後に、非常にきめの細かいc軸圧電材料(例えばAlN又はZnO)の作製を開始することが可能である。np層108の最終的な厚さの何分の一かの厚さを有する初期圧電層を形成した後、その成長を中断させて、それまで成長させた該圧電層の領域上に、np層108の成長を所望する場所を除いてマスクを配設する。該初期圧電層の厚さは、典型的には、np層108の最終的な厚さの20%〜80%の範囲内となるよう選択される。留意すべきは、該初期圧電層が薄すぎると、それ以降に成長する層が圧電特性を有する可能性があるということであり、これはnp層108にとって望ましくないことである。一方、該初期圧電層が厚すぎると、既に成長している材料の圧電特性がnp層108の特性よりも優位になり得る。このため、最適な初期圧電層の厚さは実験的に決定される。次いで、マスクされていない領域(すなわち、np層108を形成すべき場所)内の材料の結晶性を低下させ又は破壊するためにイオン注入ステップが行われる。例示的な実施形態では、結晶成長を妨害してnp層を形成すべくイオン注入に使用されるイオンは、酸素イオン、アルゴンイオン、ホウ素イオン、リンイオン、又は水素イオンとすることが可能である。該イオン注入は、既知の方法により行われ、単一のエネルギー及び線量又は複数のエネルギー及び線量を用いて行うことが可能である。実例として、イオン注入のエネルギーは、約150keV〜約450keVの範囲内であり、線量は、約1×1014/cm2〜約1×1016/cm2の間である。イオン注入が完了した後、マスクが除去されて、材料の体積が続行される。マスクされた領域内に圧電層107が形成され、マスクされていない領域内にnp層108が形成される。留意すべきは、破壊シード層が配設されないため、圧電層107及びnp層108は、実質的に同じ厚さを有しており、それらの上側表面(その上に第2の電極101が形成される)は実質的に同一平面上にある、ということである。
np層108は、圧電層と実質的に同一の厚さ(図1Bの座標系におけるy方向)を有し、又は付与された破壊シード層のため僅かに厚いものとなる。上述のように、np層108は圧電効果を殆ど呈さず又は全く呈さない。実施形態によっては、np層108は、圧電層の圧電結合係数(e33p)よりも小さい圧電結合係数(e33np)を有する。実例として、e33npは、約0.01e33p〜約0.8e33pの範囲内である。上述のように、比較的低いe33npにより、np層108における一過性固有モードの弱い結合(poor coupling)が確保され、アクティブ領域109における伝搬固有モードの閉じ込めが改善され、FBAR100の性能(例えばQファクタ)が改善される。
圧電層107及びnp層108が形成された後、第2の電極101がそれらの上に形成されて、FBAR100が完成する。
図1Cは、例示的な実施形態によるFBAR112の断面図を示している。該FBAR112の多くの特徴及びその作製方法は、FBAR100のそれらと共通であり、繰り返し説明しないこととする。FBAR112は、圧電層107及びそれに隣接するnp層108からなる。np層108が2つの側部で圧電層107に隣接する(すなわち圧電材料内の非圧電材料の輪である)FBAR100とは異なり、FBAR112のnp層108は、実質的に連続的なものであり、圧電層107によって包囲されない。留意すべきは、np層108と第2の電極101の縁部111との間の相互作用が、改善されたQについて最適化されている場合には、FBAR100及びFBAR112が実質的に動作的に同じである、ということである。しかし、FBAR112の構造の1つの利点は、例えば、1つのフィルタを形成するために複数のFBARを作製することに関するものである。留意すべきは、FBAR100における有限の幅のnp層108の形成は、該フィルタの複数のFBAR間の分離を増大させ得るものであり、それ故、該フィルタのサイズ及び全体的なコストを増大させ得るものである、ということである。一方、FBAR112におけるnp層108の生成は、後続の層に関する処理上の問題(例えば、第2の電極101の層間剥離)を生じさせ得るものである。このため、FBAR100の場合のようにnp層108の全体的な領域を最小化するのが有利である。
上述の例示的な実施形態では、np層108は、FBAR100及びFBAR112の全ての側部(すなわち、例示的な5つの辺を有するFBAR100,112の全ての辺)に沿って配設されている。これは必要不可欠なものではなく、他の実施形態では、np層108は全ての側部に配設されない(例えば、np層108を5辺のうちの4辺に配設することが可能である)、ということに留意されたい。
図1Dは、例示的な実施形態のFBARの第2の電極101とnp層108との重複110の幅(μm)に対する並列インピーダンス(Rp)(左軸-オーム)及び電子機械結合係数(kt2)(右軸-%)を示すグラフである。曲線113は、e33np=0.01e33pの場合のRp対重複110を示している。曲線114は、e33np=e33pの(すなわちnp層108が配設されていない)場合のRp対重複110を示しており、Rpの比較のための基準値として働く。曲線115は、e33np=0.01e33pの場合のkt2対重複110を示している。曲線116は、e33np=e33pの(すなわちnp層108が配設されていない)場合のkt2対重複110を示しており、kt2の比較のための基準値として働く。重複110の幅が約2.0μmである場合、Rpは約7000という最大値(曲線113の点117)に達する。並列共振周波数(Fp)で評価された品質ファクタ(Q)は、既知のFBAR(すなわちnp層108なし)の場合の約700から、2.0μmの重複110を有する例示的な実施形態のFBARの場合の約3500へと増大する。重複110が約2.0μmである場合、kt2は、約5.3%(点118)となり、これは曲線116に示す基準値と比較して約0.6%の低減である。留意すべきは、2.0μmの重複110が、np層108における第1次の伝搬固有モードのλ/2にほぼ等しいということである。約4.0μmの重複110及び約6.0μmの重複110についての後続のRpの最大値は、前記第1次の伝搬固有モードのλ/2の整数倍(1,2,3,..)に対応するものと思われる。FBAR100におけるピストンモード形成(piston mode formation)に伴う回折現象の複雑さに起因して、np層108の最も最適な幅の単純予測は通常は不可能であり、数値的に行う必要があり、最終的には実験的に求める必要がある、ということを再び強調すべきである。
曲線119は、e33np=0.5e33pの場合のRp対重複110を示している。np層108を有するFBAR100の並列インピーダンスRpは、曲線114の基準値と比較して、重複110が約3.0μmである場合の点120において約3500オームの最大値へと増大する。留意すべきは、曲線113と比較して曲線119に示すRpの一層低い値は、e33np=0.5e33pの場合にnp層108において連続モード及び伝搬モードの両方の相当量の励起が存在するという事実により生じたものである、ということである。このため、第2の電極101の縁部111においてアクティブに励起されたモードの一層多くの散乱が存在し、その結果としてRpが低くなる。また、約3.0μmの幅の重複110の場合にピークRpが生じ、これはnp層108における様々な回折パターンに起因するものである可能性が最も高い。
曲線121は、e33np=0.5e33pの場合の電子機械結合係数kt2対重複110を示している。重複が約3.0μmである場合、kt2は約5.5%である。np層108を有するFBAR100におけるkt2は、該np層108における機械的な運動の電気的な励起が抑制されるため、その値の低下が予想される、ということに留意されたい。当然のことながら、kt2は、(第1の電極105と第2の電極101との間に閉じ込められている)電界と該電界により励起される機械的な運動との重複の程度の測度である。FBAR100において、両電極間の電界は存在するが、機械的運動の励起はnp層108によって抑制される。有利なことに、その結果として、Rpの望ましい増大が生じるが、電界と機械的運動との重複の程度が低下するため、kt2が低下する。機械的運動の電気的な励起の抑制が大きい(Rpが大きい)ほど、その結果として生じる予想されるkt2の悪化が大きくなる。図1Dに示すkt2対圧電結合係数(e33np)を再検討すれば分かるように、kt2は、np層108のe33npの低下と共に低下する。
np層108を備えたFBAR100は、np層を有さないFBARと比較して、並列インピーダンスRpの増大及びQの改善を提供するものである、ということが理解されよう。留意すべきは、実施形態によっては、許容可能なkt2の低下(0.5%)と共にRpが約6000オームだけ増大する、ということである。
・二重バルク音響共振器(DBAR)からなる実施形態
図2A−2Cは例示的な実施形態による二重バルク音響共振器(DBAR)の断面図である。本実施形態の多数の細部は、図1A−1Cの例示的な実施形態に関して上述したものと共通である。一般に、DBARを構成する実施形態の説明において共通の細部については繰り返し説明しないこととする。
図2Aは、例示的な実施形態によるDBAR200の断面図である。基板203は、キャビティ204又はその他の音響反射器(例えば分布ブラッグ格子(図示せず))を備えている。第1の電極205は、基板203上に配設され、及びキャビティ204上に懸架される。第1の平坦化層206は、基板203上に配設され、及びエッチング不能なホウケイ酸ガラス(NEBSG)とすることが可能である。一般に、第1の平坦化層206は(全体的な処理コストを増大させるものとなるため)該構造内に存在する必要はないが、該第1の平坦化層206は、それが存在する場合には、後続の層(例えば、非常にきめの細かいc軸圧電材料)の成長の品質を改善すると共にその処理を単純化する働きをすることが可能である。第1の圧電層207は、第1の電極205上に配設され、及び窒化アルミニウム(AlN)又は酸化亜鉛(ZnO)等の非常にきめの細かいc軸圧電材料からなる。該第1の圧電層207に隣接しているのが、第1の非圧電(np)層208である。該第1のnp層208は典型的には、第1の圧電層207と同じ物質(例えばAlN又はZnO)から作成されるが、非晶質又は多結晶であり、圧電効果を殆ど呈さず又は全く呈さない。第2の電極201は、第1の圧電層207上、及び第1のnp層208上に配設される。
第2の圧電層209は、第2の電極201上に配設される。該第2の圧電層209に隣接しているのが、第2のnp層210である。該第2のnp層210は典型的には、第2の圧電層209と同じ物質(例えばAlN又はZnO)から作成され、第1のnp層208と同様に、非晶質又は多結晶であり、圧電効果を殆ど呈さず又は全く呈さない。第2の平坦化層211は、図示のように第1の圧電層207及び第1のnp層208の上に配設される。第1の平坦化層206と同様に、該第2の平坦化層211は、例示としてエッチング不能なホウケイ酸ガラス(NEBSG)であり、(全体的な処理コストを増大させるため)該構造内に存在する必要はない。しかし、該第2の平坦化層211は、後続の層(例えば、非常にきめの細かいc軸圧電材料)の成長の品質を改善すると共にその処理を単純化する働きをすることが可能である。
第3の電極212は、第2の圧電層209及び第2のnp層210上に配設される。接続用側部202において、第3の電極212は、第2のnp層210上に延び、及びDBAR200の全ての他の側部において、第3の電極212は、以下で説明する所定の幅だけ、第1のnp層208及び第2のnp層210と重複する。
キャビティ204、第1の電極205、第1の圧電層207、第2の電極201、第2の圧電層209、及び第3の電極212の重複は、該DBAR200のアクティブ領域213を画定するものとなる。以下で説明する例示的な実施形態では、DBAR200の境界における音響損失が軽減されて、アクティブ領域213におけるモード閉じ込めが改善される。特に、第2の電極201と第1及び第2のnp層208,210との重複214の幅は、np層における連続モード又は最低次の固有モードに対する音響損失を低減させるよう選択される。以下で一層完全に説明するように、例示的な一実施形態では、重複214の幅は、第1及び第2のnp層208,210における最低次の一過性モードの減衰定数の逆数(1/k)以上となるよう選択され、又は、第1及び第2のnp層208,210における最低次の伝搬固有モードの1/4波長(λ/4)の整数倍(1,2,3,..)となるよう選択される。一般に、第1及び第2のnp層208,210の幅は、DBAR200の面積を最小化するため、及びDBAR200上の第1及び第2のnp層208,210の考え得る悪影響(例えば、第1及び第2のnp層208,210の何れかの上に配設された複数の層の層間剥離)を最小限にするために、選択的に最小化される。DBAR200におけるピストンモード形成に伴う回折現象の複雑さのため、重複214の最適幅は一般に実験的に決定される、ということに留意されたい。
図2Aの実施形態では、第1のnp層208は、第1の圧電層207の複数の層の間に配設され、第2のnp層210は、第2の圧電層209の複数の層の間に配設される。第1のnp層208は、第1の圧電層207との界面から(すなわちアクティブ領域213の縁部において)延びることが可能であり、第2のnp層210は、第2の圧電層209との界面から(すなわちアクティブ領域213の縁部において)延びることが可能である、ということに留意されたい。このため、第1の圧電層207及び第2の圧電層209は、アクティブ領域213内にのみ配設される。
図2Bは、例示的な実施形態によるDBAR215の断面図である。基板203は、キャビティ204又はその他の音響反射器(例えば分布ブラッグ格子(DBR)(図示せず))を備えている。第1の電極205は、基板203上に配設され、及びキャビティ204上に懸架される。第1の平坦化層206は、基板203上に配設され、及びエッチング不能なホウケイ酸ガラス(NEBSG)とすることが可能である。第1の圧電層207は、第1の電極205上に配設され、及び窒化アルミニウム(AlN)又は酸化亜鉛(ZnO)等の非常にきめの細かいc軸圧電材料からなる。該第1の圧電層207に隣接しているのが、第1の非圧電(np)層208である。該第1のnp層208は典型的には、第1の圧電層207と同じ物質(例えばAlN又はZnO)から作成されるが、非晶質又は多結晶であり、圧電効果を殆ど呈さず又は全く呈さない。
第2の電極201は、第1の圧電層207上、及び第1のnp層208上に配設される。
第2の圧電層209は、第2の電極201上に配設される。図2Aに示す実施形態とは異なり、DBAR215には第2のnp層210は存在しない。第3の電極212は、第2の圧電層209上に配設される。接続用側部202において、第3の電極212は、第2の圧電層209上に延びる。DBAR215の他の全ての側部では、第3の電極212は、以下で説明する所定の幅だけ、第1のnp層208と重複する。
キャビティ204、第1の電極205、第1の圧電層207、第2の電極201、第2の圧電層209、及び第3の電極212の重複は、該DBAR215のアクティブ領域213を画定するものとなる。以下で説明する例示的な実施形態では、DBAR215の境界における音響損失が軽減されて、アクティブ領域213におけるモード閉じ込めが改善される。特に、第2の電極201と第1のnp層208との重複214の幅は、np層における連続モード又は最低次の固有モードに対する音響損失を低減させるよう選択される。以下で一層完全に説明するように、例示的な一実施形態では、重複214の幅は、第1のnp層208における最低次の一過性モードの減衰定数の逆数(1/k)以上となるよう選択され、又は、第1のnp層208における最低次の伝搬固有モードの1/4波長(λ/4)の整数倍(1,2,3,..)となるよう選択される。DBAR215におけるピストンモード形成に伴う回折現象の複雑さのため、重複214の最適幅は一般に実験的に決定される、ということに留意されたい。
図2Bに示す実施形態では、第1のnp層208は、第1の圧電層207の複数の層の間に配設される。第1のnp層208は、第1の圧電層207との界面から(すなわちアクティブ領域213の縁部において)延びることが可能である、ということに留意されたい。このため、第1の圧電層207は、アクティブ領域213内にのみ配設される。
図2Cは、例示的な実施形態によるDBAR216の断面図である。基板203は、キャビティ204又はその他の音響反射器(例えば分布ブラッグ格子(DBR)(図示せず))を備えている。第1の電極205は、基板203上に配設され、及びキャビティ204上に懸架される。第1の平坦化層206は、基板203上に配設され、及びエッチング不能なホウケイ酸ガラス(NEBSG)とすることが可能である。第1の圧電層207は、第1の電極205上に配設され、及び窒化アルミニウム(AlN)又は酸化亜鉛(ZnO)等の非常にきめの細かいc軸圧電材料からなる。図2A及び図2Bに示す実施形態とは異なり、DBAR216には、第1の圧電層207に隣接して配設されたnp層は存在しない。
第2の圧電層209は、第2の電極201上に配設される。第3の電極212は、第2の圧電層209上に配設される。第2のnp層210は、第2の圧電層209に隣接して配設される。接続用側部202において、第3の電極212は、第2の圧電層209上に延びる。DBAR216の他の全ての側部では、第3の電極212は、以下で説明する所定の幅だけ、第1のnp層208と重複する。
キャビティ204、第1の電極205、第1の圧電層207、第2の電極201、第2の圧電層209、及び第3の電極212の重複は、該DBAR216のアクティブ領域213を画定するものとなる。以下で説明する例示的な実施形態では、DBAR216の境界における音響損失が軽減されて、アクティブ領域213におけるモード閉じ込めが改善される。特に、第2の電極201と第2のnp層210との重複214の幅は、該第2のnp層210における連続モード又は最低次の伝搬固有モードに対する音響損失を低減させるよう選択される。以下で一層完全に説明するように、例示的な一実施形態では、重複214の幅は、第2のnp層210における最低次の一過性モードの減衰定数の逆数(1/k)以上となるよう選択され、又は、第2のnp層210における最低次の伝搬固有モードの1/4波長(λ/4)の整数倍(1,2,3,..)となるよう選択される。DBAR216におけるピストンモード形成に伴う回折現象の複雑さのため、重複214の最適幅は一般に実験的に決定される、ということに留意されたい。
図2Cに示す実施形態では、第2のnp層210は、第2の圧電層209の複数の層の間に配設される。第2のnp層210は、第2の圧電層209との界面から(すなわちアクティブ領域213の縁部において)延びることが可能である、ということに留意されたい。このため、第2の圧電層209は、アクティブ領域213内にのみ配設される。
上述の例示的な実施形態では、第1及び第2のnp層208,210は、実質的に整列し、及び実質的に同一の幅(x-方向)を有している。該第1及び第2のnp層208,210は、必ずしも整列している必要はなく、及び/又は実質的に同一の幅を有している必要はない、ということを強調しておく。また、上述した例示的な実施形態では、第1及び第2のnp層208,210が、DBAR200,215,216の全ての側部(すなわち、図示の5つの側部を有するDBAR200,215,216の全ての側部)に沿って配設されている、ということも強調しておく。これは必要不可欠なものではなく、他の実施形態では、第1及び第2のnp層208,210は全ての側部には配設されない(例えば、第1及び第2のnp層208,210は、5つの側部のうちの同一の4つの側部に沿って又は異なる4つの側部に沿って配設することが可能である)、ということに留意されたい。
図2Dは、図2Aに示すDBAR200の重複214の幅(μm)に対する並列インピーダンス(Rp)(左軸-オーム)及び電子機械結合係数(kt2)(右軸-%)を示すグラフである。曲線217は、e33np=0.01e33pの場合のRp対重複214を示している。曲線218は、e33np=e33pの(すなわち第1及び第2のnp層208,210が配設されていない)場合のRp対重複214を示しており、Rpの比較のための基準値として働く。曲線219は、e33np=0.01e33pの場合のkt2対重複214を示している。曲線220は、e33np=e33pの(すなわち第1及び第2のnp層208,210が配設されていない)場合のkt2対重複214を示しており、kt2の比較のための基準値として働く。重複214の幅が約11.0μmである場合、Rpは約6500オームという最大値(曲線217の点221)に達する。並列共振周波数(Fp)での品質ファクタ(Q)は、np層208,210を有さない既知のDBARと比較して約10倍の改善がDBAR200に予想される。重複214が約11.0μmである場合、kt2は約3.5%(点222)となる。かかる低いkt2は、大きなフィルタ帯域幅を必要とする複数の周波数帯域でのDBAR200の使用を阻止するものであるが、約3%〜約4%の範囲内のkt2を有する共振器を必要とする特定の周波数帯域(例えば帯域(Band)13)が存在する。更に、当業者には理解されるように、低周波数帯域(例えば700MHz前後)では、既知のBAWベースのフィルタに必要となる面積は比較的大きくなる。本教示により、低周波数帯域でフィルタに必要となる全体的な面積は、既知のFBAR又はその他のBAWベースの共振器ではなくDBAR200を組み込むことにより縮小することができる。かかる低帯域幅要件を有する周波数帯域の用途では、DBAR200においてkt2を低下させると同時にRpを大幅に増大させることが、費用及び性能の観点から有利である。
図2Dにおいて、点221で、最大のRpのための重複214は、11.0μmにほぼ等しくなる。この重複214は、第1及び第2のnp層208,210における第1の一過性モードの減衰定数の逆数(1/k)以上となる。これは、FBAR100について図1Dに点117で示した結果と対照的であり、FBAR100の場合には、最大のRpの設計は、np層108における第1の伝搬固有モードの1/2波長(λ/2)により求められる。しかし、DBAR200は、2つの強力に結合したFBARからなるものとみなすことができる。このため、DBARにおける許容される伝搬モードの数は、その対応する1つのFBARの場合よりも約2倍に増える。最低次の伝搬モードの回折は、特定の重複214についてnp層208,210におけるその抑制(ひいては第2及び第3の電極201,212の縁部における散乱損失の抑制)に通ずるものとなるが、一層高次の伝搬モードの回折は、前記と同じ重複214についてnp層208,210におけるその増強に通ずるものとなることが予想される。このため、一層高次の伝搬固有モードの場合に第2及び第3の電極201,212の縁部における散乱損失の増強が予想される。これら2つの効果は平均化され、それ故、Rpの増大を生じさせる次に支配的な効果は、最低次の一過性モードの散乱を最小化することである。
曲線223は、e33np=0.5e33pの場合のRp対重複214を示している。第1及び第2のnp層208,210を備えたDBAR200の並列インピーダンスRpは、曲線218の基準値と比較して、重複214が約6.0μmである場合の点224において最大値へと増大する。曲線225は、e33np=0.5e33pの場合の電子機械結合係数kt2対重複214を示している。重複が約6.0μmである場合、kt2は約4.5%である。全体的なこれらの結果は、np層108を備えたFBAR100について図1Dに示した類似する結果と整合しており、これは、一般にFBAR100及びDBAR200において並列インピーダンスRp及び電子機械結合係数kt2を決定する潜在的な機構は同様のものであることを示しており、説明を簡潔にすべく繰り返し説明しないこととする。
・結合共振器フィルタ(CRF)からなる実施形態
図3A−3Cは例示的な実施形態による結合共振器フィルタ(CRF)の断面図である。本実施形態の多数の細部は、図1A−2Cの例示的な実施形態に関して上述したものと共通である。一般に、CRFを構成する実施形態の説明において共通の細部については繰り返し説明しないこととする。
図3Aは、例示的な実施形態によるCRF300の断面図である。基板303は、キャビティ304又はその他の音響反射器(例えば分布ブラッグ格子(DBR)(図示せず))を備えている。第1の電極305は、基板303上に配設され、及びキャビティ304上に懸架される。第1の平坦化層306は、基板303上に配設され、及びエッチング不能なホウケイ酸ガラス(NEBSG)とすることが可能である。一般に、第1の平坦化層306は、(全体的な処理コストを増大させるものとなるため)該構造内に存在する必要はないが、該第1の平坦化層306は、それが存在する場合には、後続の層(例えば、非常にきめの細かいc軸圧電材料)の成長の品質を改善すると共にその処理を単純化する働きをすることが可能である。第1の圧電層307は、第1の電極305上に配設され、及び窒化アルミニウム(AlN)又は酸化亜鉛(ZnO)等の非常にきめの細かいc軸圧電材料からなる。該第1の圧電層307に隣接しているのが、第1の非圧電(np)層308である。該第1のnp層308は典型的には、第1の圧電層307と同じ物質(例えばAlN又はZnO)から作成されるが、非晶質又は多結晶であり、圧電効果を殆ど呈さず又は全く呈さない。第2の電極301は、第1の圧電層307上、及び第1のnp層308上に配設される。
音響結合層(結合層)309は、第2の電極301及び第2の平坦化層310上に配設される。該結合層は、2010年2月23日出願のElbrecht等の「Bulk Acoustic Resonator Structures Comprising a Single Material Acoustic Coupling Layer Comprising Inhomogeneous Acoustic Property」と題する本出願人の米国特許出願第12/710,640号に記載されるような炭素ドープ酸化物(CDO)又はNEBSG又は炭素ドープ酸化ケイ素(SiOCH)からなる。留意すべきは、例示的な実施形態のSiOCH薄膜は、炭素ドープ酸化物(CDO)と呼ばれることの多い一般的な部類の比較的低い誘電率(低k)の誘電材料に属するものである、ということである。代替的に、結合層309は、多孔質シリコン酸窒化物(SiON)、多孔質ホウ素ドープケイ酸塩ガラス(BSG)、又は多孔質リンケイ酸ガラス(PSG)を含む(がそれらには限定されない)適当な音響インピーダンス及び音響減衰を有する他の誘電材料から構成することが可能である。一般に、結合層309に使用する材料は、所望のバンドパス特性を提供すべく比較的低い音響インピーダンス及び損失を提供するよう選択される。
第3の電極311は、図3Aに示すように、結合層309及び第2の平坦化層310上に配設される。該第2の平坦化層310は、実例としてエッチング不能なホウケイ酸ガラス(NEBSG)であるが、(全体的な処理コストを増大させるため)該構造内に存在する必要はない。しかし、該第2の平坦化層310は、後続の層(例えば、非常にきめの細かいc軸圧電材料)の成長の品質を改善すると共にその処理を単純化する働きをすることが可能である。
第2の圧電層312は、第3の電極311上に配設される。該第2の圧電層312に隣接しているのが、第2のnp層313である。該第2のnp層313は典型的には、第2の圧電層312と同じ物質(例えばAlN又はZnO)から作成され、第1のnp層308と同様に、非晶質又は多結晶であり、圧電効果を殆ど呈さず又は全く呈さない。
第4の電極314は、第2の圧電層312及び第2のnp層313上に配設される。接続用側部302において、第4の電極314は、第2のnp層313上に延びる。CRF300の他の全ての側部において、第4の電極314は、以下で説明する所定の幅だけ、第1及び第2のnp層308,313と重複する。
キャビティ304、第1の電極305、第1の圧電層307、第2の電極301、結合層309、第3の電極311、第2の圧電層312、及び第4の電極314の重複は、該CRF300のアクティブ領域315を画定するものとなる。以下で説明する例示的な実施形態では、CRF300の境界における音響損失が軽減されて、アクティブ領域315におけるモード閉じ込めが改善される。特に、第4の電極314と第1及び第2のnp層308,313との重複316の幅は、np層における連続モード又は最低次の固有モードに対する音響損失を低減させるよう選択される。以下で一層完全に説明するように、例示的な一実施形態では、重複316の幅は、第1及び第2のnp層308,313における最低次の一過性固有モードの減衰定数の逆数(1/k)以上となるよう選択され、又は、第1及び第2のnp層308,313における最低次の伝搬固有モードの1/4波長(λ/4)の整数倍(1,2,3,..)となるよう選択される。CFR300におけるピストンモード形成に伴う回折現象の複雑さのため、重複316の最適幅は一般に実験的に決定される、ということに留意されたい。
CRF300におけるピストンモード形成に伴う回折現象の複雑さに起因して、np層308の最適幅の単純予測は通常は不可能であり、数値的に行う必要があり、最終的には実験的に求める必要がある、ということを強調すべきである。
図3Aに示す実施形態では、第1のnp層308は、第1の圧電層307の複数の層の間に配設され、第2のnp層313は、第2の圧電層312の複数の層の間に配設される。第1のnp層308は、第1の圧電層307との界面から(すなわちアクティブ領域315の縁部において)延びることが可能であり、第2のnp層313は、第2の圧電層312との界面から(すなわちアクティブ領域315の縁部において)延びることが可能である、ということに留意されたい。このため、第1の圧電層307及び第2の圧電層312は、アクティブ領域315内にのみ配設される。
図3Bは、例示的な実施形態によるCRF317の断面図である。基板303は、キャビティ304又はその他の音響反射器(例えば分布ブラッグ格子(DBR)(図示せず))を備えている。第1の電極305は、基板303上に配設され、及びキャビティ304上に懸架される。第1の平坦化層306は、基板303上に配設され、及びエッチング不能なホウケイ酸ガラス(NEBSG)とすることが可能である。一般に、第1の平坦化層306は、(全体的な処理コストを増大させるものとなるため)該構造内に存在する必要はないが、該第1の平坦化層306は、それが存在する場合には、後続の層(例えば、非常にきめの細かいc軸圧電材料)の成長の品質を改善すると共にその処理を単純化する働きをすることが可能である。
第1の圧電層307は、第1の電極305上に配設され、及び窒化アルミニウム(AlN)又は酸化亜鉛(ZnO)等の非常にきめの細かいc軸圧電材料からなる。該第1の圧電層307に隣接しているのが、第1の非圧電(np)層308である。該第1のnp層308は典型的には、第1の圧電層307と同じ物質(例えばAlN又はZnO)から作成されるが、非晶質又は多結晶であり、圧電効果を殆ど呈さず又は全く呈さない。第2の電極301は、第1の圧電層307上、及び第1のnp層308上に配設される。
音響結合層(結合層)309は、第2の電極301及び第2の平坦化層310上に配設される。第3の電極311は、図3Bに示すように、結合層309及び第2の平坦化層310上に配設される。該第2の平坦化層310は、実例としてエッチング不能なホウケイ酸ガラス(NEBSG)であるが、(全体的な処理コストを増大させるため)該構造内に存在する必要はない。しかし、該第2の平坦化層310は、後続の層(例えば、非常にきめの細かいc軸圧電材料)の成長の品質を改善すると共にその処理を単純化する働きをすることが可能である。
第2の圧電層312は、第3の電極311上に配設される。第2のnp層313が第2の圧電層312に2つの側部で隣接する(すなわち第2のnp層313が圧電材料内の非圧電材料の輪である)CFR300とは異なり、第2のnp層313は存在しない。
第4の電極314は、第2の圧電層312上に配設される。接続用側部302において、第4の電極314は、第2の圧電層312上に延びる。CRF317の他の全ての側部において、第4の電極314は、以下で説明する所定の幅だけ、第1のnp層308と重複する。
キャビティ304、第1の電極305、第1の圧電層307、第2の電極301、結合層309、第3の電極311、第2の圧電層312、及び第4の電極314の重複は、該CRF317のアクティブ領域315を画定するものとなる。以下で説明する例示的な実施形態では、CRF317の境界における音響損失が軽減されて、アクティブ領域315におけるモード閉じ込めが改善される。特に、第4の電極314と第1のnp層308との重複316の幅は、該np層における連続モード又は最低次の固有モードに対する音響損失を低減させるよう選択される。以下で一層完全に説明するように、例示的な一実施形態では、重複316の幅は、最低次の一過性固有モードの減衰定数の逆数(1/k)以上となるよう選択され、又は、第1のnp層308における最低次の伝搬固有モードの1/4波長(λ/4)の整数倍(1,2,3,..)となるよう選択される。CFR317におけるピストンモード形成に伴う回折現象の複雑さのため、重複316の最適幅は一般に実験的に決定される、ということに留意されたい。
図3Bに示す実施形態では、第1のnp層308は、第1の圧電層307の複数の層の間に配設される。第1のnp層308は、第1の圧電層307との界面から(すなわちアクティブ領域315の縁部において)延びることが可能である、ということに留意されたい。このため、第1の圧電層307は、アクティブ領域315内にのみ配設される。
図3Cは、例示的な実施形態によるCRF318の断面図である。基板303は、キャビティ304又はその他の音響反射器(例えば分布ブラッグ格子(DBR)(図示せず))を備えている。第1の電極305は、基板303上に配設され、及びキャビティ304上に懸架される。第1の平坦化層306は、基板303上に配設され、及びエッチング不能なホウケイ酸ガラス(NEBSG)とすることが可能である。一般に、第1の平坦化層306は、(全体的な処理コストを増大させるものとなるため)該構造内に存在する必要はないが、該第1の平坦化層306は、それが存在する場合には、後続の層(例えば、非常にきめの細かいc軸圧電材料)の成長の品質を改善すると共にその処理を単純化する働きをすることが可能である。
第1の圧電層307は、第1の電極305上に配設され、及び窒化アルミニウム(AlN)又は酸化亜鉛(ZnO)等の非常にきめの細かいc軸圧電材料からなる。第1のnp層308が第1の圧電層307に2つの側部で隣接する(すなわち第1のnp層308が圧電材料内の非圧電材料の輪である)CFR300とは異なり、第1のnp層308は存在しない。第2の電極301は、第1の圧電層307上に配設される。
音響結合層(結合層)309は、第2の電極301及び第2の平坦化層310上に配設される。第3の電極311は、図3Cに示すように、結合層309及び第2の平坦化層310上に配設される。該第2の平坦化層310は、実例としてエッチング不能なホウケイ酸ガラス(NEBSG)であるが、(全体的な処理コストを増大させるため)該構造内に存在する必要はない。しかし、該第2の平坦化層310は、後続の層(例えば、非常にきめの細かいc軸圧電材料)の成長の品質を改善すると共にその処理を単純化する働きをすることが可能である。
第2の圧電層312は、第3の電極311上に配設される。第4の電極314は、第2の圧電層312上に配設される。接続用側部302において、第4の電極314は、第2の圧電層312上に延びる。CRF318の他の全ての側部において、第4の電極314は、以下で説明する所定の幅だけ、第1のnp層308と重複する。
キャビティ304、第1の電極305、第1の圧電層307、第2の電極301、結合層309、第3の電極311、第2の圧電層312、及び第4の電極314の重複は、該CRF318のアクティブ領域315を画定するものとなる。以下で説明する例示的な実施形態では、CRF318の境界における音響損失が軽減されて、アクティブ領域315におけるモード閉じ込めが改善される。特に、第4の電極314と第2のnp層313との重複316の幅は、該np層における連続モード又は最低次の固有モードに対する音響損失を低減させるよう選択される。以下で一層完全に説明するように、例示的な一実施形態では、重複316の幅は、最低次の一過性固有モードの減衰定数の逆数(1/k)以上となるよう選択され、又は、第2のnp層313における最低次の伝搬固有モードの1/4波長(λ/4)の整数倍(1,2,3,..)となるよう選択される。CFR318におけるピストンモード形成に伴う回折現象の複雑さのため、重複316の最適幅は一般に実験的に決定される、ということに留意されたい。
図3Cに示す実施形態では、第2のnp層313は、第2の圧電層312の複数の層の間に配設される。第2のnp層313は、第2の圧電層312との界面から(すなわちアクティブ領域315の縁部において)延びることが可能である、ということに留意されたい。このため、第2の圧電層312は、アクティブ領域315内にのみ配設される。
上述の例示的な実施形態において、第1及び第2のnp層308,313は、実質的に整列し、及び実質的に同一の幅(x-方向)を有している。該第1及び第2のnp層308,313は、必ずしも整列している必要はなく、及び/又は実質的に同一の幅を有している必要はない、ということを強調しておく。また、上述した例示的な実施形態では、第1及び第2のnp層308,313が、CRF300,317,318の全ての側部(すなわち、図示の5つの側部を有するCRF300,317,318の全ての側部)に沿って配設されている、ということも強調しておく。これは必要不可欠なものではなく、他の実施形態では、第1及び第2のnp層308,313は全ての側部には配設されない(例えば、第1及び第2のnp層308,313は、5つの側部のうちの同一の4つの側部に沿って又は異なる4つの側部に沿って配設することが可能である)、ということに留意されたい。
図3Dは、図3Aに示すCRF300の周波数(GHz)に対する挿入損失(S21)(左軸-dB)並びに奇数モードについての品質ファクタ(Qo)及び偶数モードについての品質ファクタ(Qe)(右軸)を示すグラフである。図示の結果は、最も良好にシミュレートされた場合に対応するものであり、この場合、第1及び第2のnp層308,313と第2、第3、及び第4の電極301,311,314の縁部との間の重複316が2μmに設定されている。CRF300のための最適な重複は、FBAR100のための最適な重複110と実質的に同一である、ということに留意されたい。
曲線319は、e33np=e33pの(すなわち第1及び第2のnp層308,313が配設されていない)場合の挿入損失を示しており、S21の比較のための基準値として働く。曲線320は、CRF300の挿入損失を示している。第1及び第2のnp層308,313を有さない既知のCRFと比較して、CRF300における音響損失の低減によって挿入損失の顕著な改善が実現されることことが理解されよう。
曲線321は、e33np=e33pの(すなわち第1及び第2のnp層308,313が配設されていない)場合の既知のCRFのQoを示しており、Qoの比較のための基準値として働く。曲線322は、CRF300のQoを示している。第1及び第2のnp層308,313を有さない既知のCRFと比較して、CRF300における音響損失の低減によってQoの顕著な改善が実現されることことが理解されよう。周波数に応じて(例えば1.93GHzにおいて)、第1及び第2のnp層308,313を有さない既知のCRFと比較して、約500から約3000へのQoの増大がCRF300について予測される。
曲線323は、e33np=e33pの(すなわち第1及び第2のnp層308,313が配設されていない)場合の既知のCRFのQeを示しており、Qeの比較のための基準値として働く。曲線324は、CRF300のQeを示している。より高い周波数における(符号325で示す)Qo及び(符号326で示す)Qeの改善は自明である。周波数に応じて(例えば1.99GHzにおいて)、第1及び第2のnp層308,313を有さない既知のCRFと比較して、約500から約2500へのQeの増大がCRF300について予測される。
例示的な実施形態に従って、非圧電層を備えたBAW共振器構造及びその作製方法について説明した。当業者であれば、本教示に従う多数の変形例を実施することが可能であり、かかる変形例は特許請求の範囲内のものである、ということが理解されよう。上述その他の実施形態は、本願の明細書、図面、及び特許請求の範囲を精査することにより当業者には明らかとなろう。それ故、本発明は、特許請求の範囲の思想及びその範囲内を除き限定されるべきものではない。

Claims (19)

  1. バルク音響波(BAW)共振器構造であって、
    基板上に配設された第1の電極と、
    該第1の電極上に配設された圧電層と、
    該圧電層上に配設された第2の電極であって、該圧電層の結晶のc軸配向が実質的に互いに整列している、第2の電極と、
    該圧電層に隣接して前記第1の電極上に配設された非圧電層と
    を備えており、
    前記第2の電極との前記非圧電層の重複が、実質的に、該非圧電層における第1の伝搬固有モードの1/4波長の整数倍に等しい幅、又は該非圧電層における第1の一過性固有モードの減衰定数の逆数(1/k)以上の幅を有している、
    BAW共振器構造。
  2. 前記非圧電層が多結晶である、請求項1に記載のBAW共振器構造。
  3. 前記圧電層が特定の材料からなり、前記非圧電層が非結晶形態の該材料からなる、請求項1に記載のBAW共振器構造。
  4. 前記材料が窒化アルミニウムである、請求項3に記載のBAW共振器構造。
  5. 前記第1の電極の下方に配設された音響反射器を更に含む、請求項1に記載のBAW共振器構造。
  6. 前記音響反射器がキャビティからなる、請求項5に記載のBAW共振器構造。
  7. 前記圧電層が第1の圧電結合係数(e33)を有し、前記非圧電層が該第1の圧電結合係数の80%以下の圧電結合係数を有する、請求項1に記載のBAW共振器構造。
  8. バルク音響波(BAW)共振器構造であって、
    基板上に配設された第1の電極と、
    該第1の電極上に配設された第1の圧電層と、
    該第1の圧電層上に配設された第2の電極であって、該第1の圧電層の結晶のc軸配向が実質的に互いに整列している、第2の電極と、
    該第2の電極上に配設された第2の圧電層と、
    非圧電層と、
    前記第2の圧電層上に配設された第3の電極と
    を備えている、BAW共振器構造。
  9. 前記非圧電層が、実質的に、該非圧電層における第1の伝搬固有モードの1/4波長の整数倍に実質的に等しい幅、又は該非圧電層における第1の一過性固有モードの減衰定数の逆数(1/k)以上の幅を有している、請求項8に記載のBAW共振器構造。
  10. 前記非圧電層が、前記第1の圧電層に隣接して前記第1の電極上に配設されている、請求項8に記載のBAW共振器構造。
  11. 前記非圧電層が、前記第2の圧電層に隣接して前記第2の電極上に配設されている、請求項8に記載のBAW共振器構造。
  12. 前記第2の圧電層に隣接して前記第2の電極上に配設された第2の非圧電層を更に備えている、請求項10に記載のBAW共振器構造。
  13. 前記非圧電層が多結晶である、請求項8に記載のBAW共振器構造。
  14. 前記第1の圧電層が特定の材料からなり、前記非圧電層が非結晶形態の該材料からなる、請求項8に記載のBAW共振器構造。
  15. 前記材料が窒化アルミニウムである、請求項14に記載のBAW共振器構造。
  16. 前記第1の圧電層が第1の圧電結合係数(e33)を有し、前記非圧電層が該第1の圧電結合係数の80%以下の圧電結合係数を有する、請求項8に記載のBAW共振器構造。
  17. 前記第2の圧電層が特定の材料からなり、前記第2の非圧電層が非結晶形態の該材料からなる、請求項12に記載のBAW共振器構造。
  18. 前記第2の圧電層が第2の圧電結合係数(e33)を有し、前記第2の非圧電層が該第2の圧電結合係数の80%以下の圧電結合係数を有する、請求項12に記載のBAW共振器構造。
  19. 前記第2の電極と前記第2の圧電層との間に配設された音響結合層と、該音響結合層の上方かつ前記第2の圧電層の下方に配設された第4の電極とを更に備えている、請求項8に記載のBAW共振器構造。
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