JP2009100465A - 共振装置およびその製造方法 - Google Patents

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嘉城 早崎
Chomei Matsushima
朝明 松嶋
Takaaki Yoshihara
孝明 吉原
Norihiro Yamauchi
規裕 山内
Takeo Shirai
健雄 白井
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Abstract

【課題】圧電層が均質な場合に比べて圧電層の厚みを薄くすることなく電気機械結合係数を高めることが可能な共振装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】共振装置は、支持基板1と、支持基板1の一表面側に形成された下部電極31と、下部電極31における支持基板1側とは反対側に形成された圧電層32と、圧電層32における下部電極31側とは反対側に形成された上部電極33とを備える。圧電層32は、厚み方向の中央領域32aがモルフォトロピック相境界近傍の組成比の圧電材料により形成され、中央領域32aと下部電極31との間の下部領域32b、中央領域32aと上部電極33との間の上部領域32cそれぞれが、中央領域32aよりも音響インピーダンスが大きな圧電材料により形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、下部電極と圧電層と上部電極との積層構造を有する共振子を備えた共振装置およびその製造方法に関するものである。
従来から、携帯電話機などの移動体通信機器の分野において、3GHz以上の高周波帯で利用する高周波フィルタに適用可能な共振装置として、図5に示すように、支持基板1と、支持基板1の一表面側に形成された音響ミラー2と、音響ミラー2上に形成された共振子3’とを備えたBAW共振器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。ここにおいて、音響ミラー2は、低音響インピーダンス層21と高音響インピーダンス層22とを交互に積層した積層構造を有し、共振子3’は、下部電極31’と圧電層32’と上部電極33’との積層構造を有し、圧電層32’の材料としてAlN、ZnO、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などが用いられている。なお、BAW共振器では、共振周波数が圧電層32’の膜厚に反比例し、圧電層32’の膜厚を薄くするほど共振周波数を高くすることができる。
上記特許文献1には、BAW共振器として、SMR(Solidly Mounted Resonator)が記載されているが、BAW共振器としては、SMRの他にFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)などが知られている。
なお、上述の共振装置をUWB(Ultra Wide Band)用フィルタに応用する場合、圧電層32’の材料(圧電材料)として、帯域幅が中心周波数に対して4〜5%しか広帯域化できないAlNに比べて中心周波数に対して10%程度の帯域幅を得ることが可能で且つ電気機械結合係数が大きなPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)系材料を採用することが考えられ、また、PZTに比べて環境負荷の低減を図れる鉛フリーのKNN(ニオブ酸カリウムナトリウム)を採用することが考えられる。
特開2005−260964号公報
ところで、図5に示した構成の共振装置では、圧電層32’が上部電極33’よりも広い範囲の全領域に亘って均質(一様)に形成されており、基本波の共振振動を利用する場合、一般的に、上部電極33’の上面と下部電極31’との下面との間で概ね2分の1波長の音響振動が生じるように共振子3’を設計する。ここにおいて、図5に示した構成の共振装置では、圧電層32’に効果的に機械的ストレスがかかる状態にすることで電気機械結合係数を最大化でき、上部電極33’および下部電極31’の厚み寸法を大きくする一方で圧電層32’の厚み寸法を小さくすることにより電気機械結合係数を最大化しているのが一般的である。
しかしながら、圧電層32’の厚み寸法が小さくなると、インピーダンス整合の制約から、共振子3’の静電容量を所定値に調節するために、圧電層32’上に上部電極33’と圧電層32’との接触面積を規定する開孔部を有する絶縁膜を形成して共振領域を狭める必要があり、より高い加工精度が必要となり、特に圧電層32’の圧電材料としてPZT系材料やKNNを用いた場合には、PZT系材料、KNNの誘電率がAlNの誘電率に比べて大きく、インピーダンス設計が難しいので、製造が難しかった。
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、圧電層が均質な場合に比べて圧電層の厚みを薄くすることなく電気機械結合係数を高めることが可能な共振装置およびその製造方法を提供することにある。
請求項1の発明は、支持基板と、支持基板の一表面側に形成された下部電極と、下部電極における支持基板側とは反対側に形成された圧電層と、圧電層における下部電極側とは反対側に形成された上部電極とを備えた共振装置であって、圧電層は、厚み方向の中央領域がモルフォトロピック相境界近傍の組成比の圧電材料により形成され、中央領域と下部電極との間の下部領域、中央領域と上部電極との間の上部領域それぞれが、中央領域よりも音響インピーダンスが大きな圧電材料により形成されてなることを特徴とする。
この発明によれば、圧電層は、厚み方向の中央領域がモルフォトロピック相境界近傍の組成比の圧電材料により形成され、中央領域と下部電極との間の下部領域、中央領域と上部電極との間の上部領域それぞれが、中央領域よりも音響インピーダンスが大きな圧電材料により形成されているので、圧電層の厚み方向への中央領域の歪み変位が抑制され中央領域に発生する応力が大きくなるから、圧電層が均質な場合に比べて圧電層を薄くすることなく共振装置全体の電気機械結合係数を高めることが可能となる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記圧電層は、PZTにより形成され、前記下部領域および前記上部領域は、前記中央領域よりもTiに対するZrの比を大きくすることで音響インピーダンスを大きくしてあることを特徴とする。
この発明によれば、前記圧電層が、PZTにより形成され、前記下部領域および前記上部領域が、前記中央領域よりもTiに対するZrの比を大きくすることで音響インピーダンスを大きくしてあるので、前記圧電層全体が均質なPZTにより形成されている場合に比べて、前記圧電層の電気機械結合係数を高めることができ、共振装置全体の電気機械結合係数をより高めることが可能となる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記圧電層は、PZTにより形成され、前記下部領域および前記上部領域は、Mn、Nb、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1種の材料を添加することで音響インピーダンスを大きくしてあることを特徴とする。
この発明によれば、前記圧電層が、PZTにより形成され、前記下部領域および前記上部領域が、Mn、Nb、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1種の材料を添加することで音響インピーダンスを大きくしてあるので、前記圧電層が均質なPZTにより形成されている場合に比べて、前記圧電層の電気機械結合係数を高めることができ、共振装置全体の電気機械結合係数をより高めることが可能となる。
請求項4の発明は、請求項1の発明において、前記圧電層は、KNNにより形成され、前記下部領域および前記上部領域は、Li、Nb、Ta、Sb、Cuのうちの少なくとも1種の材料を添加することで音響インピーダンスを大きくしてあることを特徴とする。
この発明によれば、前記圧電層が、KNNにより形成され、前記下部領域および前記上部領域が、Li、Nb、Ta、Sb、Cuのうちの少なくとも1種の材料を添加することで音響インピーダンスを大きくしてあるので、前記圧電層が均質なKNNにより形成されている場合に比べて、前記圧電層の電気機械結合係数を高めることができ、共振装置全体の電気機械結合係数をより高めることが可能となる。また、請求項3の発明に比べて環境負荷を低減できる。
請求項5の発明は、請求項1の発明において、前記圧電層は、PMN−PZTにより形成され、前記下部領域および前記上部領域は、前記中央領域よりもPZTに対するPMNの比を大きくすることで音響インピーダンスを大きくしてあることを特徴とする。
この発明によれば、前記圧電層が、PMN−PZTにより形成され、前記下部領域および前記上部領域が、前記中央領域よりもPZTに対するPMNの比を大きくすることで音響インピーダンスを大きくしてあるので、前記圧電層が均質なPZTにより形成されている場合に比べて、前記圧電層の電気機械結合係数を高めることができ、共振装置全体の電気機械結合係数をより高めることが可能となる。
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の共振装置の製造方法であって、支持基板の一表面側に下部電極を形成する下部電極形成工程と、下部電極上に圧電層を形成する圧電層形成工程と、圧電層における下部電極側とは反対側に上部電極を形成する上部電極形成工程とを備え、圧電層形成工程では、下部電極上に下部領域の前駆体層である第1の前駆体層を形成し、その後、第1の前駆体層上に中央領域の前駆体層である第2の前駆体層を形成し、その後、第2の前駆体層上に上部領域の前駆体層である第3の前駆体層を形成し、その後、各前駆体層を同時に焼成することにより圧電層を形成することを特徴とする。
この発明によれば、圧電層形成工程では、下部電極上に下部領域の前駆体層である第1の前駆体層を形成し、その後、第1の前駆体層上に中央領域の前駆体層である第2の前駆体層を形成し、その後、第2の前駆体層上に上部領域の前駆体層である第3の前駆体層を形成し、その後、各前駆体層を同時に焼成することにより圧電層を形成するので、圧電層が均質な場合に比べて圧電層を薄くすることなく共振装置全体の電気機械結合係数を高めることが可能な共振装置を提供することができる。
請求項1の発明では、圧電層が均質な場合に比べて圧電層を薄くすることなく共振装置全体の電気機械結合係数を高めることが可能となるという効果がある。
請求項6の発明では、圧電層が均質な場合に比べて圧電層を薄くすることなく共振装置全体の電気機械結合係数を高めることが可能な共振装置を提供することができるという効果がある。
(実施形態1)
本実施形態の共振装置は、図1に示すように、支持基板1と、支持基板1の一表面側に形成された音響ミラー(音響多層膜)2と、音響ミラー2上に形成された共振子3とを備えたBAW共振器であり、共振子3が音響ミラー2上に形成された下部電極31と、下部電極31における支持基板1側とは反対側に形成された圧電層32と、圧電層32における下部電極31側とは反対側に形成された上部電極33とで構成されている。また、本実施形態の共振装置は、圧電層32における下部電極31側とは反対側に上部電極33と圧電層32との接触面積を規定する開孔部4aを有する絶縁膜4が形成されており、圧電層32のうち下部電極31と上部電極33との両方と接する領域が共振領域132を構成している。なお、本実施形態のBAW共振器は、SMRを構成している。
ここにおいて、本実施形態の共振装置は、圧電層32の圧電材料としてPZTを採用しており、支持基板1として、上記一表面である主表面が(100)面の単結晶のシリコン基板を用いているが、支持基板1としては、シリコン基板に限らず、主表面が(100)面のMgO基板や、主表面が(100)面のSTO(SrTiO)基板などを用いてもよい。なお、本実施形態では、圧電層32の圧電材料として、PZTを採用しているので、圧電材料がAlNである場合に比べて、電気機械結合係数を大きくすることができる。
音響ミラー2は、相対的に音響インピーダンスの低い材料からなる低音響インピーダンス層21と相対的に音響インピーダンスの高い材料からなる高音響インピーダンス層22とが交互に積層されており、上述の下部電極31は、最上層の低音響インピーダンス層21上に形成されている。なお、低音響インピーダンス層21および高音響インピーダンス層22それぞれの膜厚は、圧電層32における共振領域132の共振周波数の弾性波(バルク弾性波)の波長の4分の1の値に設定すればよい。
本実施形態では、低音響インピーダンス層21の材料としてSiO、高音響インピーダンス層22の材料としてW、下部電極31の材料としてPt、上部電極33の材料としてAlを採用しているが、これらの材料は特に限定するものではなく、低音響インピーダンス層21の材料としては、例えば、Si,poly−Si,Al,ポリマーなどを採用してもよく、高音響インピーダンス層22の材料としては、例えば、Au,Mo,AlN,ZnOなどを採用してもよく、下部電極31の材料としては、例えば、Irを採用してもよく、上部電極33の材料としては、例えば、Mo,Ptなどを採用してもよい。また、絶縁膜4の材料としてSiOを採用しているが、SiOに限らず、例えば、Siを採用してもよい。
なお、本実施形態の共振装置では、共振子3の共振周波数を4GHzに設定してあり、下部電極31の厚みを100nm、圧電層32の厚みを300nm、上部電極33の厚みを100nm、低音響インピーダンス層21の厚みを400nm、高音響インピーダンス層22の厚みを350nmに設定してあるが、これらの数値は一例であって特に限定するものではない。また、共振周波数を3GHz〜5GHzの範囲で設計する場合には、圧電層32の厚みは200nm〜600nmの範囲で、低音響インピーダンス層21の厚みは250nm〜550nmの範囲で、高音響インピーダンス層22の厚みは200nm〜450nmの範囲で、それぞれ適宜設定すればよい。
ところで、本実施形態の共振装置における圧電層32は、厚み方向の中央領域32aがモルフォトロピック相境界(Morphotropic Phase Boundary:MPB)近傍の組成比の圧電材料により形成され、中央領域32aと下部電極31との間の下部領域32b、中央領域32aと上部電極33との間の上部領域32cそれぞれが、中央領域32aよりも音響インピーダンスが大きな圧電材料により形成されている。具体的には、圧電層32は、中央領域32aの圧電材料をPb(Zr0.53Ti0.47)Oとし、下部領域32bおよび上部領域32cの圧電材料をPb(Zr0.70Ti0.30)Oとしてある。要するに、圧電層32は、PZTにより形成され、下部領域32bおよび上部領域32cは、中央領域32aよりもTiに対するZrの比を大きくすることで音響インピーダンスを大きくしてある。
しかして、本実施形態の共振装置では、圧電層32が3層構造を有し、厚み方向の中央領域32aがモルフォトロピック相境界近傍の組成比の圧電材料により形成され、中央領域32aと下部電極31との間の下部領域32b、中央領域32aと上部電極33との間の上部領域32cそれぞれが、中央領域32aよりも音響インピーダンスが大きな圧電材料により形成されているので、圧電層32の厚み方向への中央領域32aの歪み変位が抑制され中央領域32aに発生する応力が大きくなるから、圧電層32が均質な場合に比べて圧電層32を薄くすることなく共振装置全体の電気機械結合係数を高めることが可能となる。なお、図1には、応力曲線を二点鎖線で示してあり、当該応力曲線から、圧電層32の中央領域32aに発生する応力が大きくなっていることが分かる。
また、本実施形態の共振装置では、圧電層32が、PZTにより形成され、下部領域32bおよび上部領域32cが、中央領域32aよりもTiに対するZrの比を大きくすることで音響インピーダンスを大きくしてあるので、圧電層32全体が均質なPZTにより形成されている場合に比べて、圧電層32の電気機械結合係数を高めることができ、共振装置全体の電気機械結合係数をより高めることが可能となる。
以下、本実施形態の共振装置の製造方法について図2を参照しながら説明する。
まず、単結晶のシリコン基板からなる支持基板1の上記一表面側にSiO膜からなる低音響インピーダンス層21とW膜からなる高音響インピーダンス層22とを例えばスパッタ法やCVD法などにより交互に成膜することで音響ミラー(音響多層膜)2を形成する音響ミラー形成工程を行い、その後、音響ミラー2上(支持基板1と音響ミラー2とからなるベース基板上)に、第1の導電性材料(例えば、Pt,Irなど)からなる下部電極31を例えばスパッタ法や蒸着法などにより形成する下部電極形工程を行うことによって、図2(a)に示す構造を得る。
その後、下部電極31上に下部領域32bの前駆体層(以下、第1の前駆体層と称する)32b’を、例えば、ゾルゲル法、スパッタ法、CVD法などにより形成する第1の前駆体層形成工程を行うことによって、図2(b)に示す構造を得る。
続いて、第1の前駆体層32b’上に中央領域32aの前駆体層(以下、第2の前駆体層と称する)32a’を形成する第2の前駆体層形成工程を行うことによって、図2(c)に示す構造を得る。
その後、第2の前駆体層32a’上に上部領域32cの前駆体層(以下、第3の前駆体層と称する)32c’を形成することによって、図2(d)に示す構造を得る。
次に、各前駆体層を同時に焼成することにより圧電層32を形成する焼成工程を行い、続いて、圧電層32上に共振領域132(図1参照)に対応する部位に開孔部4aを有する絶縁膜4を形成する絶縁膜形成工程を行うことによって、図2(e)に示す構造を得る。なお、本実施形態では、第1の前駆体層形成工程と第2の前駆体層形成工程と第3の前駆体層形成工程と焼成工程とで、下部電極31上に圧電層32を形成する圧電層形成工程を構成している。
その後、圧電層32の共振領域132(図1参照)の表面と絶縁膜4の表面とに跨る上部電極33を形成する上部電極形成工程を行うことによって、図2(f)に示す構造を得る。
以上説明した共振装置の製造方法によれば、支持基板1の上記一表面側に下部電極31を形成する下部電極形成工程と、下部電極31上に圧電層32を形成する圧電層形成工程と、圧電層32における下部電極31側とは反対側に上部電極33を形成する上部電極形成工程とを備え、圧電層形成工程では、下部電極31上に下部領域32bの前駆体層である第1の前駆体層32b’を形成し、その後、第1の前駆体層32b’上に中央領域32aの前駆体層である第2の前駆体層32a’を形成し、その後、第2の前駆体層32a’上に上部領域32cの前駆体層である第3の前駆体層32c’を形成し、その後、各前駆体層32b’,32a’,32c’を同時に焼成することにより圧電層32を形成するので、圧電層32が均質な場合に比べて圧電層32を薄くすることなく共振装置全体の電気機械結合係数を高めることが可能な共振装置を提供することができる。
ところで、上述の圧電層32は、中央領域32aの圧電材料をPb(Zr0.53Ti0.47)Oとし、下部領域32bおよび上部領域32cの圧電材料をPb(Zr0.70Ti0.30)Oとてあるが、これらの圧電材料に限らず、例えば、中央領域32aの圧電材料をPb(Zr0.53Ti0.47)Oとし、下部領域32bおよび上部領域32cの圧電材料をPZTにMn、Nb、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1種の材料を添加した圧電材料とすることで下部領域32bおよび上部領域32cの音響インピーダンスを大きくしてもよく、この場合には、圧電層32が、PZTにより形成され、下部領域32bおよび上部領域32cが、Mn、Nb、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1種の材料を添加することで音響インピーダンスを大きくしてあるので、圧電層32が均質なPZTにより形成されている場合に比べて、圧電層32の電気機械結合係数を高めることができ、共振装置全体の電気機械結合係数をより高めることが可能となる。なお、この場合の下部領域32bおよび上部領域32cの圧電材料としては、例えば、Pb(Zr0.53Ti0.471−x−Fe3−δを採用すればよい。
また、圧電層32をKNNにより形成し、下部領域32bおよび上部領域32cは、例えば、Mn、Nb、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1種の材料を添加することで音響インピーダンスを大きくするようにしてもよく、この場合、圧電層32が均質なKNNにより形成されている場合に比べて、圧電層32の電気機械結合係数を高めることができ、共振装置全体の電気機械結合係数をより高めることが可能となり、しかも、圧電層32がPZTにより形成されている場合に比べて環境負荷を低減できる。なお、KNNの組成は、KNa1−xNbOなる化学式で表され、中央領域32aに関して、x=0.5とすればよい。また、製造にあたっては、上述の製造方法においてPZTの代わりにKNNを形成すればよい。
また、圧電層32をPMN−PZTにより形成し、下部領域32bおよび上部領域32cを、中央領域32aよりもPZTに対するPMNの比を大きくすることで音響インピーダンスを大きくしてもよい。具体的には、PMN−PZTは0.1PMN−0.9PZTで電気機械結合係数が最大となることが実験的に分かっているので、例えば、中央領域32aの圧電材料を0.1PMN−0.9PZTとし、下部領域32bおよび上部領域32cの圧電材料を0.2PMN−0.8PZTとすればよく、この場合には、圧電層32が、PMN−PZTにより形成され、下部領域32bおよび上部領域32cが、中央領域32aよりもPZTに対するPMNの比を大きくすることで音響インピーダンスを大きくしてあるので、圧電層32が均質なPZTにより形成されている場合に比べて、圧電層32の電気機械結合係数を高めることができ、共振装置全体の電気機械結合係数をより高めることが可能となる。
また、上述の共振装置を、3GHz以上の高周波帯においてカットオフ特性が急峻で且つ帯域幅の広いフィルタ、例えば、UWB用フィルタとして応用する場合には、複数個(例えば、8個)の共振子3を支持基板1の上記一表面側に形成し(音響ミラー2上に形成し)、これら複数個の共振子3を図3に示すようなラダー型フィルタを構成するように接続すれば、UWB用フィルタの低コスト化および小型化を図れる。
(実施形態2)
本実施形態の共振装置の基本構成は実施形態1と略同じであって、図4に示すように、支持基板1の上記一表面側に実施形態1にて説明した音響ミラー2(図1参照)を設けずに、支持基板1に下部電極31における圧電層32側とは反対側の表面を露出させる開孔部1aが形成されている点が相違する。要するに、本実施形態の共振装置は、下部電極31と下部電極31直下の媒質との音響インピーダンス比を大きくすることにより支持基板1側への弾性波エネルギの伝搬を抑制するようにしたFBARを構成している。なお、実施形態1と同様の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の共振装置は、実施形態1と同様、圧電層32が3層構造を有し、厚み方向の中央領域32aがモルフォトロピック相境界近傍の組成比の圧電材料により形成され、中央領域32aと下部電極31との間の下部領域32b、中央領域32aと上部電極33との間の上部領域32cそれぞれが、中央領域32aよりも音響インピーダンスが大きな圧電材料により形成されているので、圧電層32の厚み方向への中央領域32aの歪み変位が抑制され中央領域32aに発生する応力が大きくなるから、圧電層32が均質な場合に比べて圧電層32を薄くすることなく共振装置全体の電気機械結合係数を高めることが可能となる。
本実施形態の共振装置の製造方法は実施形態1にて説明した製造方法と略同じであって、実施形態1にて説明した音響ミラー形成工程が不要となり、上部電極形成工程の後、支持基板1の他表面側に上述の開孔部1a形成用にパターニングされたマスク層を形成するマスク層形成工程を行ってから、当該マスク層をマスクとして、支持基板1をドライエッチングあるいはウェットエッチングすることにより開孔部1aを形成する開孔部形成工程を行い、続いて、上記マスク層を除去するマスク層除去工程を行うようにすればよい。
なお、本実施形態の共振装置も実施形態1と同様にUWB用フィルタとして応用することができる。
実施形態1における共振装置の概略断面図である。 同上における共振装置の製造方法を説明するための主要工程断面図である。 同上の共振装置を応用したUWB用フィルタの回路図である。 実施形態2における共振装置の概略断面図である。 従来例を示す共振装置の概略断面図である。
符号の説明
1 支持基板
2 音響ミラー
3 共振子
4 絶縁膜
4a 開孔部
31 下部電極
32 圧電層
32a 中央領域
32a’ 前駆体層(第2の前駆体層)
32b 下部領域
32b’ 前駆体層(第1の前駆体層)
32c 上部領域
32c’ 前駆体層(第3の前駆体層)
33 上部電極

Claims (6)

  1. 支持基板と、支持基板の一表面側に形成された下部電極と、下部電極における支持基板側とは反対側に形成された圧電層と、圧電層における下部電極側とは反対側に形成された上部電極とを備えた共振装置であって、圧電層は、厚み方向の中央領域がモルフォトロピック相境界近傍の組成比の圧電材料により形成され、中央領域と下部電極との間の下部領域、中央領域と上部電極との間の上部領域それぞれが、中央領域よりも音響インピーダンスが大きな圧電材料により形成されてなることを特徴とする共振装置。
  2. 前記圧電層は、PZTにより形成され、前記下部領域および前記上部領域は、前記中央領域よりもTiに対するZrの比を大きくすることで音響インピーダンスを大きくしてあることを特徴とする請求項1記載の共振装置。
  3. 前記圧電層は、PZTにより形成され、前記下部領域および前記上部領域は、Mn、Nb、Fe、Co、Niのうちの少なくとも1種の材料を添加することで音響インピーダンスを大きくしてあることを特徴とする請求項1記載の共振装置。
  4. 前記圧電層は、KNNにより形成され、前記下部領域および前記上部領域は、Li、Nb、Ta、Sb、Cuのうちの少なくとも1種の材料を添加することで音響インピーダンスを大きくしてあることを特徴とする請求項1記載の共振装置。
  5. 前記圧電層は、PMN−PZTにより形成され、前記下部領域および前記上部領域は、前記中央領域よりもPZTに対するPMNの比を大きくすることで音響インピーダンスを大きくしてあることを特徴とする請求項1記載の共振装置。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の共振装置の製造方法であって、支持基板の一表面側に下部電極を形成する下部電極形成工程と、下部電極上に圧電層を形成する圧電層形成工程と、圧電層における下部電極側とは反対側に上部電極を形成する上部電極形成工程とを備え、圧電層形成工程では、下部電極上に下部領域の前駆体層である第1の前駆体層を形成し、その後、第1の前駆体層上に中央領域の前駆体層である第2の前駆体層を形成し、その後、第2の前駆体層上に上部領域の前駆体層である第3の前駆体層を形成し、その後、各前駆体層を同時に焼成することにより圧電層を形成することを特徴とする共振装置の製造方法。
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