以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図3は本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の構成を示す図である。
図において、10は画像形成装置であり、例えば、電子写真方式のプリンタ、ファクシミリ機、複写機、プリンタ、ファクシミリ機及び複写機の機能を併せ持つ複合機等であるが、いかなる種類の画像形成装置であってもよい。なお、本実施の形態においては、前記画像形成装置10がカラー電子写真方式のプリンタである場合について説明する。
本実施の形態における画像形成装置10は、カラー電子写真方式のプリンタなので、ブラック(BK)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各色に対応する画像形成部11BK、11Y、11M及び11Cが、印刷媒体16の搬送方向に関して上流から順に配設されている。ここで、前記画像形成部11BK、11Y、11M及び11Cは、それぞれ、像担持体を帯電させる帯電手段と帯電完了後の像担持体上に静電潜像を書き込む露光手段とを含む潜像形成手段、及び、前記静電潜像に現像剤を付着させて前記静電潜像を可視像化する現像手段を備える。なお、13BK、13Y、13M及び13CはLED(Light Emitting Diode)ヘッド等から成る露光手段である。また、図において、12BK、12Y、12M及び12Cはローラから成る転写手段、14a及び14bは搬送ベルト17を帯電して印刷媒体16を静電気力によって吸着しながら搬送するための吸着手段、15a〜15cは図示されない駆動手段によって回転駆動し、搬送ベルト17を矢印方向に回転させる駆動用ローラである。なお、前記各画像形成部11BK、11Y、11M及び11Cには異なった色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のトナーが実装されている。また、前記各画像形成部11BK、11Y、11M及び11C、各転写手段12BK、12Y、12M及び12C、各露光手段13BK、13Y、13M及び13C、並びに、吸着手段14a及び14bを統合的に説明するときは、それぞれ、画像形成部11、転写手段12、露光手段13、及び、吸着手段14として説明する。
そして、図示されない給紙手段によって吸着手段14まで搬送された印刷媒体16は、搬送ベルト17に吸着され、該搬送ベルト17と同速で更に搬送される。続いて、画像形成部11に達したところで、図示されない制御部によって制御されたタイミングで画像形成部11上の画像を転写手段12によって印刷媒体16上に移す。次に、各画像形成部11BK、11Y、11M及び11Cのすべて又は一部の画像を有した印刷媒体16は、その後、搬送ベルト17から分離され、定着手段18a及び18bによって熱定着された後、装置外に排出される。
また、濃度検出時は、印刷媒体16を搬送せずに、搬送ベルト17上に画像を転写して印刷する手段によって、搬送ベルト17上に濃度検出用パターンを直接転写する。そして、搬送ベルト17上に印刷された濃度検出用パターンの濃度を検出するために濃度検出手段19が配設される。該濃度検出手段19は、発光部及び受光部から成り、カラートナー及び黒トナーの濃度検出を行う。
そして、前記濃度検出用パターンは、搬送ベルト17によって濃度検出手段19上に搬送され、該濃度検出手段19は搬送ベルト17上に印刷された濃度検出用パターンが濃度検出手段19上を通過している際に濃度検出を行い、検出した濃度値によって濃度を補正する。
なお、20はシャッタであり、該シャッタ20を閉じた状態において、搬送ベルト17と濃度検出手段19とを遮断することによって、濃度検出手段19上へのトナー等の付着を防止する。また、前記濃度検出動作時は、前記シャッタ20を開き、搬送ベルト17上の濃度検出用パターンの濃度を検出するようになっている。
次に、前記構成の画像形成装置10における濃度検出動作について説明する。本実施の形態においては、各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度を検出し、検出した濃度値を次の式(1)及び式(2)に示される計算式に代入して、潜像形成手段の出力する潜像形成エネルギー量としての光量の補正された値及び現像手段のエネルギー量としての現像電圧の補正された値を、それぞれ、算出するようになっている。
光量=[{高Duty検出値×(低Duty目標値/高Duty目標値)
−低Duty検出値}/K1+{高Duty検出値
×(中Duty目標値/高Duty目標値)
−中Duty検出値}/K2]/2・・・式(1)
現像電圧=[{低Duty目標値
−(低Duty検出値+光量変化量×K1)}/K3
+{中Duty目標値−(中Duty検出値+光量変化量×K2)}/K4
+(高Duty目標値−高Duty検出値)/K5]/3・・・式(2)
なお、K1は潜像形成手段(光量)の変化単位当たりの低Duty濃度変化量、K2は潜像形成手段(光量)の変化単位当たりの中Duty濃度変化量、K3は現像電圧の変化単位当たりの低Duty濃度変化量、K4は現像電圧の変化単位当たりの中Duty濃度変化量、K5は現像電圧の変化単位当たりの高Duty濃度変化量である。
また、前記低Duty濃度とはDuty50〔%〕以下、前記中Duty濃度とはDuty30〜80〔%〕、前記高Duty濃度とはDuty60〔%〕以上であり、かつ、低Duty濃度<中Duty濃度<高Duty濃度
である。
さらに、前記現像手段のエネルギー量は、現像電圧、供給電圧及び帯電電圧の少なくとも一つであるが、本実施の形態においては現像電圧である場合について説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態における濃度検出動作を示すフローチャート、図4は本発明の第1の実施の形態における濃度検出用パターンを示す図、図5は本発明の第1の実施の形態における現像手段のエネルギー量を変化させた場合の印刷Duty−濃度特性を示す図、図6は本発明の第1の実施の形態における潜像形成手段のエネルギー量を変化させた場合の印刷Duty−濃度特性を示す図である。なお、図5及び6において、横軸に印刷Dutyを、縦軸に濃度を採ってある。
まず、画像形成部11及び搬送ベルト17を駆動し、各画像形成部11BK、11Y、11M、11Cにおける露光手段13の出力を変化させることによってブラック(BK)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各色の所定の濃度検出用パターンとしての低Duty濃度検出用パターン22a〜22d、中Duty濃度検出用パターン23a〜23d、高Duty濃度検出用パターン24a〜24dを生成する。この場合、転写手段12によって図4に示されるような低Duty濃度検出用パターン22a〜22d、中Duty濃度検出用パターン23a〜23d、高Duty濃度検出用パターン24a〜24dを各画像形成部11BK、11Y、11M及び11Cから搬送ベルト17上に印刷する。これにより、搬送ベルト17上に図4に示されるような濃度検出用パターンが印刷される。なお、低Duty濃度検出用パターン22a〜22d、中Duty濃度検出用パターン23a〜23d及び高Duty濃度検出用パターン24a〜24dは、それぞれ、濃度パターン長L〔mm〕を有し、隣接する濃度検出用パターン同士の間隔が空かないように印刷される。
次に、シャッタ20を図示されないソレノイド又はモータ等のシャッタ駆動手段によって開放する。
続いて、濃度検出手段19の検出位置に対し、印刷した低Duty濃度検出用パターン22dの先端がL/2〔mm〕だけ通過した位置、すなわち、低Duty濃度検出用パターン22dの中央付近が濃度検出手段19の検出位置になるまで、搬送ベルト17及び画像形成部11を駆動して移動させる。
次に、搬送ベルト17上に印刷された低Duty濃度検出用パターン22dの濃度を検出する。本実施の形態においては、低Duty濃度検出用パターン22dは淡いシアンであり、濃度検出手段19は反射光量を検出することによって濃度を検出し、図示されないメモリ等に検出した濃度値を記憶する。
そして、すべての色の濃度値を検出したか否かを確認し、すべての色が終了していない場合、搬送ベルト17及び画像形成部11を駆動して移動させ、低Duty濃度検出用パターン22dと同様に、低Duty濃度検出用パターン22cとしての淡いマゼンタの濃度を検出して濃度値を記憶する。続いて、同様に低Duty濃度検出用パターン22bとしての淡いイエローの濃度を検出して濃度値を記憶する。
次に、同様に低Duty濃度検出用パターン22aとしての淡いブラックの濃度を検出して濃度値を記憶する。なお、ブラック濃度検出時は、濃度検出手段19は反射光量を検出することによって濃度を検出する。そして、ブラックの低Duty濃度検出用パターン22aの濃度検出が終了すると、低Duty濃度検出用パターン22a〜22dのすべての色の濃度検出が終了したことになる。
続いて、すべての色の中Duty濃度検出用パターン23a〜23dの濃度検出が終了したか否かを判断する。そして、終了していない場合、低Duty濃度検出用パターン22a〜22dの場合と同様にして、搬送ベルト17上に印刷された中Duty濃度検出用パターン23a〜23dの濃度を検出して濃度値を記憶する。
次に、すべての色の中Duty濃度検出用パターン23a〜23dの濃度検出が終了すると、すべての色の高Duty濃度検出用パターン24a〜24dの濃度検出が終了したか否かを判断する。そして、終了していない場合、前述された低Duty濃度検出用パターン22a〜22d及び中Duty濃度検出用パターン23a〜23dの場合と同様にして、搬送ベルト17上に印刷された高Duty濃度検出用パターン24a〜24dの濃度を検出して濃度値を記憶する。
そして、すべての色の高Duty濃度検出用パターン24a〜24dの濃度検出が終了すると、シャッタ20を前記シャッタ駆動手段によって閉じ、各色の低Duty濃度検出用パターン22a〜22d、中Duty濃度検出用パターン23a〜23d、高Duty濃度検出用パターン24a〜24dの濃度検出動作を終了する。
ここで、現像手段のエネルギー量としての現像電圧を変化させた場合の印刷Duty−濃度特性は、図5に示されるようになっている。図5において線A1は現像電圧を変化させて現像手段のエネルギー量を上げた場合における印刷Duty−濃度特性を示し、線B1は現像電圧を変化させて現像手段のエネルギー量を標準値にした場合における印刷Duty−濃度特性を示し、線C1は現像電圧変化させて現像手段のエネルギー量を下げた場合における印刷Duty−濃度特性を示している。前記線A1、B1及びC1から、現像手段のエネルギー量を上げると印刷濃度が高くなり、また、現像手段のエネルギー量を下げると印刷濃度が低くなるという特性を有していることが分かる。
また、LED光又はレーザ光の光量等の潜像形成手段の出力する潜像形成エネルギー量としての光量を変化させた場合の印刷Duty−濃度特性は、図6に示されるようになっている。図6において線D1は潜像形成エネルギー量を上げた場合における印刷Duty−濃度特性を示し、線E1は潜像形成エネルギー量を標準値にした場合における印刷Duty−濃度特性を示し、線F1は潜像形成エネルギー量を下げた場合における印刷Duty−濃度特性を示している。前記線D1、E1及びF1から、潜像形成エネルギー量としての光量を上げると中Dutyの印刷における濃度が高くなり、潜像形成エネルギ量としての光量を下げると中Dutyの印刷における濃度が低くなる特性を有していることが分かる。
次に、濃度検出手段19によって検出して記憶した各色の低Duty濃度、中Duty濃度及び高Duty濃度の検出濃度値、並びに、各色の低Duty濃度の目標濃度値、中Duty濃度の目標濃度値、及び、高Duty濃度の目標濃度値を、前記式(1)及び式(2)に代入する。これにより、潜像形成手段の出力する潜像形成エネルギー量としての光量の補正された値、及び、現像電圧の補正された値を、それぞれ、算出する。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 搬送ベルト17上に各色の低Duty濃度検出用パターン22a〜22d、中Duty濃度検出用パターン23a〜23d、高Duty濃度検出用パターン24a〜24dを印刷する。
ステップS2 シャッタ20を開く。
ステップS3 Duty濃度検出用パターン22を濃度検出手段19上に移動させる。
ステップS4 濃度を検出し、濃度値を記憶する。
ステップS5 最終色、すなわち、すべての色の濃度の検出が終了したか否かを判断する。終了した場合はステップS6に進み、終了していない場合はステップS4に戻る。
ステップS6 中Duty濃度検出用パターン23a〜23dの濃度検出が終了したか否かを判断する。終了した場合はステップS7に進み、終了していない場合はステップS4に戻る。
ステップS7 高Duty濃度検出用パターン24a〜24dの濃度検出が終了したか否かを判断する。終了した場合はステップS8に進み、終了していない場合はステップS4に戻る。
ステップS8 シャッタ20を閉じ、処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度の濃度検出用パターンの濃度を検出し、現像手段のエネルギー量としての現像電圧、及び、潜像形成手段の出力する潜像形成エネルギー量としての光量の補正値を算出するようになっている。そのため、印刷Dutyのすべての領域において良好な補正結果を得ることができる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、前記第1の実施の形態と同じ構成を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
ところで、前記第1の実施の形態においては、一回の濃度検出結果によって潜像形成手段の出力する潜像形成エネルギー量としての光量の補正された値、及び、現像電圧の補正された値を、それぞれ、算出するようになっている。これに対し、本実施の形態においては、一回目の濃度検出値に基づく光量補正結果をフィードバックした状態で印刷を行い、二回目の濃度検出値に基づいて現像電圧の補正値を算出するようになっている。そのため、本実施の形態においては、前記第1の実施の形態よりも更に濃度補正の精度を向上させることができる。
次に、本実施の形態における濃度検出及び濃度補正動作について説明する。本実施の形態においては、各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度を検出し、検出した濃度値及び各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度の目標濃度値を前記第1の実施の形態における式(1)、及び、次の式(3)に示される計算式に代入して、潜像形成手段の出力する潜像形成エネルギー量としての光量の補正された値及び現像手段のエネルギー量としての現像電圧の補正された値をそれぞれ算出するようになっている。
現像電圧={(低Duty目標値−低Duty検出値)/K3
+(中Duty目標値−中Duty検出値)/K4
+(高Duty目標値−高Duty検出値)/K5}/3・・・式(3)
なお、K1〜K5は、前記第1の実施の形態と同様である。
図7は本発明の第2の実施の形態における潜像形成手段のエネルギー量を変化させて濃度補正を行う場合の印刷Duty−濃度特性を示す図、図8は本発明の第2の実施の形態における濃度補正動作を示すフローチャートである。なお、図7において、横軸に印刷Dutyを、縦軸に濃度を採ってある。
なお、濃度検出方法については前記第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
また、前記第1の実施の形態においても説明したように、LED光又はレーザ光の光量等の潜像形成手段の出力する潜像形成エネルギー量としての光量を変化させた場合の印刷Duty−濃度特性は、図6に示されるように、光量を上げると中間Dutyの印刷における濃度が高くなり、また、光量を下げると中間Dutyの印刷における濃度が低くなるという特性を有している。
まず、図4に示されるような濃度検出用パターン22a〜22d、23a〜23d及び24a〜24dを搬送ベルト17上に印刷し、各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度を検出して記憶する。続いて、検出した濃度を前記式(1)に代入し、潜像形成手段の出力する潜像形成エネルギー量としての光量を補正する。これにより、図7に示されるように、潜像形成エネルギー量を上げた場合における印刷Duty−濃度特性を示す線D2は、破線で示される線D3のように直線化することができる。また、潜像形成エネルギー量を下げた場合における印刷Duty−濃度特性を示す線F2は、破線で示される線F3のように直線化することができる。そして、前記式(1)によって算出した光量の補正値を各色毎の印刷条件に加算する。
次に、前記光量の補正値を加算した印刷条件において、再び、図4に示されるような濃度検出用パターン22a〜22d、23a〜23d及び24a〜24dを搬送ベルト17上に印刷し、各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度を検出して記憶する。
続いて、検出した各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度の検出濃度値、及び、各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度の目標濃度値を式(3)に代入することによって、現像電圧の補正値を各色毎に算出する。ここで、前記第1の実施の形態における図5に示されるように、現像手段のエネルギー量としての現像電圧を上げると印刷濃度が高くなり、また、現像電圧を下げると印刷濃度が低くなる特性を有している。そのため、図7に示されるように、破線で示される線D3及び線F3を、潜像形成エネルギー量を標準値にした場合における印刷Duty−濃度特性を示す線E2と一致させることができる。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS11 各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度を検出して記憶する。
ステップS12 光量補正による濃度特性の直線化を行う。
ステップS13 光量の補正値を印刷条件に加算する。
ステップS14 各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度を検出して記憶する。
ステップS15 現像電圧による濃度特性の補正を行い、処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、一回目の濃度検出値において、潜像形成手段である光量を補正することによって濃度特性の補正を行い、二回目の濃度検出においては、一回目の補正結果である光量補正結果を印刷条件に加算した状態で印刷を行って濃度検出を行う。その後、検出した濃度結果と目標濃度との差によって現像手段である現像電圧の補正値を算出する。
そのため、現像手段の現像電圧の補正値を算出する際、光量補正による濃度変化分の予想と実際の変化量との差が発生しなくなる。その結果、前記第1の実施の形態よりも更に濃度補正精度を向上させることができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、前記第1及び第2の実施の形態と同じ構成を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
ところで、前記第1及び第2の実施の形態においては、低Duty濃度、中Duty濃度、及び、高Duty濃度を検出し、濃度検出結果によって潜像形成手段の出力する潜像形成エネルギー量としての光量、及び、現像手段のエネルギー量としての現像電圧の補正値を算出するようになっている。これに対し、本実施の形態においては、濃度ばらつきが大きい高Duty濃度を除き、低Duty濃度及び中Duty濃度を検出し、潜像形成手段の出力する潜像形成エネルギー量としての光量、及び、現像手段のエネルギー量としての現像電圧の補正値を算出するようになっている。
次に、本実施の形態における濃度検出及び濃度補正動作について説明する。本実施の形態においては、各色の低Duty濃度、中Duty濃度を検出し、検出した濃度値、及び、各色の低Duty濃度、中Duty濃度の目標濃度値を次の式(4)に代入し、潜像形成手段の出力する潜像形成エネルギー量としての光量の補正された値を各色毎に算出し、印刷条件に加算することによって濃度特性を直線化するようになっている。
光量={(低Duty目標値−低Duty検出値)/K1
+(中Duty目標値−中Duty検出値)/K2}/2・・・式(4)
また、算出された光量の補正値を印刷条件に加算し、再度濃度を検出して記憶し、記憶された各色の低Duty濃度、中Duty濃度の検出濃度値、及び、各色の低Duty濃度、中Duty濃度の目標濃度値を次の式(5)に代入し、現像電圧の補正値を算出するようになっている。
現像電圧={(低Duty目標値−低Duty検出値)/K3
+(中Duty目標値−中Duty検出値)/K4}/2・・・式(5)
なお、K1〜K4は、前記第1の実施の形態と同様である。
図9は本発明の第3の実施の形態における印刷Dutyによる濃度のばらつきを示す図、図10は本発明の第3の実施の形態における濃度検出用パターンを示す図、図11は本発明の第3の実施の形態における濃度検出動作を示すフローチャートである。なお、図9において、横軸に印刷Dutyを、縦軸に濃度を採ってある。
まず、画像形成部11及び搬送ベルト17を駆動し、各画像形成部11BK、11Y、11M、11Cにおける露光手段13の出力を変化させることによってブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の所定の低Duty濃度検出用パターン32a〜32d及び中Duty濃度検出用パターン33a〜33dを生成する。この場合、転写手段12によって図10に示されるような低Duty濃度検出用パターン32a〜32d及び中Duty濃度検出用パターン33a〜33dを各画像形成部11BK、11Y、11M及び11Cから搬送ベルト17上に印刷する。これにより、搬送ベルト17上に図10に示されるような濃度検出用パターンが印刷される。なお、低Duty濃度検出用パターン32a〜32d及び中Duty濃度検出用パターン33a〜33dは、それぞれ、濃度パターン長L〔mm〕を有し、隣接する濃度検出用パターン同士の間隔が空かないように印刷される。
次に、シャッタ20を図示されないソレノイド又はモータ等のシャッタ駆動手段によって開放する。
続いて、濃度検出手段19の検出位置に対し、印刷した低Duty濃度検出用パターン32dの先端がL/2〔mm〕だけ通過した位置、すなわち、低Duty濃度検出用パターン32dの中央付近が濃度検出手段19の検出位置になるまで、搬送ベルト17及び画像形成部11を駆動して移動させる。
次に、搬送ベルト17上に印刷された低Duty濃度検出用パターン32dの濃度を検出する。本実施の形態においては、低Duty濃度検出用パターン32dは淡いシアンであり、濃度検出手段19は反射光量を検出することによって濃度を検出し、図示されないメモリ等に検出した濃度値を記憶する。
そして、すべての色の濃度値を検出したか否かを確認し、すべての色が終了していない場合、搬送ベルト17及び画像形成部11を駆動して移動させ、低Duty濃度検出用パターン32dと同様に、低Duty濃度検出用パターン32cとしての淡いマゼンタの濃度を検出して濃度値を記憶する。続いて、同様に低Duty濃度検出用パターン32bとしての淡いイエローの濃度を検出して濃度値を記憶する。
次に、同様に低Duty濃度検出用パターン32aとしての淡いブラックの濃度を検出して濃度値を記憶する。なお、ブラック濃度検出時は、濃度検出手段19は反射光量を検出することによって濃度を検出する。そして、ブラックの低Duty濃度検出用パターン32aの濃度検出が終了すると、低Duty濃度検出用パターン32a〜32dのすべての色の濃度検出が終了したことになる。
続いて、すべての色の中Duty濃度検出用パターン33a〜33dの濃度検出が終了したか否かを判断する。そして、終了していない場合、低Duty濃度検出用パターン32a〜32dの場合と同様にして、搬送ベルト17上に印刷された中Duty濃度検出用パターン33a〜33dの濃度を検出して濃度値を記憶する。
そして、すべての色の中Duty濃度検出用パターン32a〜32dの濃度検出が終了すると、シャッタ20を前記シャッタ駆動手段によって閉じ、各色の低Duty濃度検出用パターン32a〜32d、中Duty濃度検出用パターン33a〜33dの濃度検出の動作を終了する。
ここで、印刷Dutyによる濃度のばらつきは、図9に示されるようになっている。図9において線A2は現像電圧を変化させて現像手段のエネルギー量を上げた場合における印刷Duty−濃度特性を示し、線B2は現像電圧を変化させて現像手段のエネルギー量を標準値にした場合における印刷Duty−濃度特性を示し、線C2は現像電圧変化させて現像手段のエネルギー量を下げた場合における印刷Duty−濃度特性を示している。図9から、印刷Dutyが高くなるほど、同一の印刷Duty値に対応して線A2、B2及びC2のそれぞれが示す濃度の値の差が大きくなる、すなわち、濃度のばらつきが大きくなる傾向があることが分かる。
次に、検出した各色の低Duty濃度、中Duty濃度の検出濃度値、及び、各色の低Duty濃度、中Duty濃度の目標濃度値を前記式(4)に代入する。これにより、潜像形成手段の出力する潜像形成エネルギー量としての光量の補正された値を各色毎に算出し、印刷条件に加算することによって濃度特性を直線化する。そして、算出された光量の補正値を各色毎の印刷条件に加算する。
次に、前記光量の補正値を加算した印刷条件において、再び、図10に示されるような濃度検出用パターン32a〜32d及び33a〜33dを搬送ベルト17上に印刷し、各色の低Duty濃度、中Duty濃度を再度検出して記憶する。そして、各色の低Duty濃度、中Duty濃度の検出濃度値、及び、各色の低Duty濃度、中Duty濃度の目標濃度値を前記式(5)に代入し、現像電圧の補正値を算出する。そして、算出された現像電圧の補正値を印刷時に使用する現像電圧値に加算することによって、目標濃度値によって印刷を行うことができる。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS21 搬送ベルト17上に各色の低Duty濃度検出用パターン32a〜32d、中Duty濃度検出用パターン33a〜33dを印刷する。
ステップS22 シャッタ20を開く。
ステップS23 Duty濃度検出用パターン32dを濃度検出手段19上に移動させる。
ステップS24 濃度を検出し、濃度値を記憶する。
ステップS25 最終色、すなわち、すべての色の濃度の検出が終了したか否かを判断する。終了した場合はステップS26に進み、終了していない場合はステップS24に戻る。
ステップS26 中Duty濃度検出用パターン33a〜33dの濃度検出が終了したか否かを判断する。終了した場合はステップS27に進み、終了していない場合はステップS24に戻る。
ステップS27 シャッタ20を閉じ、処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、濃度ばらつきが大きい高Duty濃度を除き、低Duty濃度及び中Duty濃度を検出し、潜像形成手段の出力する潜像形成エネルギー量としての光量、及び、現像手段のエネルギー量としての現像電圧の補正値を算出する。そのため、濃度検出時のばらつきを低減することができるとともに、動作に使用するトナー量及び濃度検出時間を短縮することができる。したがって、より高速化することができ、濃度補正精度を向上させることができる。
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。なお、前記第1〜第3の実施の形態と同じ構成を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
ところで、前記第1の実施の形態においては、一回の濃度検出結果によって潜像形成手段の出力する潜像形成エネルギー量としての光量、及び、現像手段のエネルギー量としての現像電圧の補正値を算出するようになっている。これに対し、本実施の形態においては、一回目の濃度検出値に基づいて前記光量を補正することによって濃度特性の補正を行う。そして、補正値を算出するときに、印刷Duty毎に印刷濃度のばらつきに応じた重み付けを行って補正値を算出する。続いて、二回目の濃度検出においては、一回目の補正結果である光量の補正結果をフィードバックした状態で印刷を行って濃度を検出し、検出した濃度結果と目標濃度との差に基づいて現像電圧の補正値を算出する。また、現像電圧の補正値を算出するときに、印刷Duty毎に印刷濃度のばらつきに応じた重み付けを行って補正値を算出する。これにより、前記第1及び第2の実施の形態よりも更に濃度補正精度を向上させることができる。
次に、本実施の形態における濃度検出及び濃度補正動作について説明する。なお、濃度検出方法については前記第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。また、前記第1の実施の形態においても説明したように、LED光又はレーザ光の光量などの潜像形成手段に対する印刷Duty−濃度特性は、図6に示されるように、光量エネルギー量を高くすると中間Dutyの印刷における濃度が高くなり、また、光量エネルギー量を低くすると中間Dutyの印刷における濃度が低くなるという特性を有している。
なお、本実施の形態においては、各色の低Duty濃度、中Duty濃度を検出し、検出した濃度値、及び、各色の低Duty濃度、中Duty濃度の目標濃度値を次の式(6)に代入し、潜像形成手段の出力する潜像形成エネルギー量としての光量の補正された値を各色毎に算出し、印刷条件に加算することによって濃度特性を直線化するようになっている。
光量=[{高Duty検出値×(低Duty目標値/高Duty目標値)
−低Duty検出値}×W1/K1
+{高Duty検出値×(中Duty目標値/高Duty目標値)
−中Duty検出値}/K2×W2]/(W1+W2)・・・式(6)
また、算出された光量の補正値を印刷条件に加算し、再度濃度を検出し、検出した各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度の検出濃度値、及び、各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度の目標濃度値を次の式(7)に代入することによって、現像電圧の補正値を各色毎に算出するようになっている。
現像電圧={(低Duty目標値−低Duty検出値)×W3/K3
+(中Duty目標値−中Duty検出値)×W4/K4
+(高Duty目標値−高Duty検出値)/K5
×W5}/(W3+W4+W5)・・・式(7)
なお、K1〜K5は、前記第1の実施の形態と同様である。また、W1は光量を補正するときの低Duty濃度重み係数、W2は光量を補正するときの中Duty濃度重み係数である。また、各係数W1、W2には、
W1≧W2
の関係が成立する。すなわち、濃度のばらつきが大きいほど係数W1、W2である重み付けが小さい。
さらに、W3は現像電圧を補正するときの低Duty濃度重み係数、W4は現像電圧を補正するときの中Duty濃度重み係数、W5は現像電圧を補正するときの高Duty濃度重み係数である。また、各係数W3〜W5には、
W3≧W4≧W5
の関係が成立する。すなわち、濃度のばらつきが大きいほど係数W3〜W5である重み付けが小さい。
まず、図4に示されるような低Duty濃度検出用パターン22a〜22d、中Duty濃度検出用パターン23a〜23d、高Duty濃度検出用パターン24a〜24dを搬送ベルト17上に印刷し、各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度を検出する。続いて、検出した濃度を前記式(6)に代入し、潜像形成手段である光量を補正することによって、図7の実線D2及びF2で示される特性は破線D3及びF3で示されるように濃度特性を直線化することができる。
ここで、印刷Dutyによる印刷濃度のばらつきは、図9に示されるように、印刷Dutyが高いほど大きくなる傾向にある。したがって、印刷Dutyによる印刷濃度のばらつきを係数として計算式に取り込んでいるのが前記式(6)である。そして、算出された光量の補正値を各色毎の印刷条件に加算する。
次に、光量の補正値を加算した印刷条件において、図4に示されるような低Duty濃度検出用パターン22a〜22d、中Duty濃度検出用パターン23a〜23d、高Duty濃度検出用パターン24a〜24dを搬送ベルト17上に印刷し、各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度を検出して記憶する。
なお、前記第1の実施の形態において説明したように、現像電圧に対する印刷Duty−濃度特性は、図5に示されるように、現像電圧変化させて現像手段のエネルギー量を上げると印刷濃度が高くなり、また、現像手段のエネルギー量を下げると印刷濃度が低くなるという特性を有している。
続いて、検出した各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度の検出濃度値、及び、各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度の目標濃度値を前記式(7)に代入することによって、現像電圧の補正値を各色毎に算出する。そして、算出された現像電圧の補正値を印刷時に使用する現像電圧値に加算することによって、目標濃度値によって印刷を行うことができる。
このように、本実施の形態においては、一回目の濃度検出値に基づいて前記光量を補正することによって濃度特性の補正を行い、補正値を算出するときに、印刷Duty毎に印刷濃度のばらつきに応じた重み付けを行って補正値を算出する。続いて、二回目の濃度検出においては、一回目の補正結果である光量の補正結果をフィードバックした状態で印刷を行って濃度を検出し、検出した濃度結果と目標濃度との差に基づいて現像電圧の補正値を算出する。また、現像電圧の補正値を算出するときに、印刷Duty毎に印刷濃度のばらつきに応じた重み付けを行って補正値を算出する。
そのため、現像電圧の補正値を算出する際、光量補正による濃度変化分の予想と実際の変化量との差が発生しなくなる。また、補正値を算出するときに、印刷Duty毎に印刷濃度のばらつきに応じた重み付けを行って補正値を算出することによって、更に濃度補正精度を向上させることができる。
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。なお、前記第1〜第4の実施の形態と同じ構成を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
本実施の形態においては、一回目の濃度検出結果によって潜像形成手段の出力する潜像形成エネルギー量としての光量を補正し、二回目の濃度検出においては、一回目の補正結果である光量の補正結果をフィードバックした状態で印刷を行って濃度を検出し、検出した濃度結果と目標濃度との差に基づいて現像電圧の補正値を算出する。さらに、各色毎に低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度と連続で印刷し、一色毎に濃度を検出して補正値を算出するようになっている。また、各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度の濃度検出用パターンの印刷長を画像形成部11における像担持体の一周の長さよりも短くするようになっている。
そのため、前記第2の実施の形態よりも更に占有するメモリ領域を小さくすることができ、また、印刷パターンが像担持体の外周における残像の影響を受けることがなくなり、濃度補正精度を向上させることができる。
次に、本実施の形態における濃度検出及び濃度補正動作について説明する。
図12は本発明の第5の実施の形態における濃度検出動作を示すフローチャート、図13は本発明の第5の実施の形態における濃度検出用パターンを示す図である。
まず、画像形成部11及び搬送ベルト17を駆動し、各画像形成部11BK、11Y、11M、11Cにおける露光手段13の出力を変化させることによってブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の所定の低Duty濃度検出用パターン42a〜42d、中Duty濃度検出用パターン43a〜43d及び高Duty濃度検出用パターン44a〜44dを生成する。この場合、転写手段12によって図13に示されるような低Duty濃度検出用パターン42a〜42d、中Duty濃度検出用パターン43a〜43d及び高Duty濃度検出用パターン44a〜44dを各画像形成部11BK、11Y、11M及び11Cから搬送ベルト17上に印刷する。これにより、搬送ベルト17上に図13に示されるような濃度検出用パターンが印刷される。なお、低Duty濃度検出用パターン42a〜42d、中Duty濃度検出用パターン43a〜43d及び高Duty濃度検出用パターン44a〜44dは、それぞれ、濃度パターン長L〔mm〕を有し、隣接する濃度検出用パターン同士の間隔が空かないように印刷される。
次に、シャッタ20を図示されないソレノイド又はモータ等のシャッタ駆動手段によって開放する。
続いて、濃度検出手段19の検出位置に対し、印刷した低Duty濃度検出用パターン42dの先端がL/2〔mm〕だけ通過した位置、すなわち、低Duty濃度検出用パターン42dの中央付近が濃度検出手段19の検出位置になるまで、搬送ベルト17及び画像形成部11を駆動して移動させる。
次に、搬送ベルト17上に印刷された第1色の低Duty濃度検出用パターン42dの濃度を検出する。本実施の形態において、第1色はシアンであり、低Duty濃度検出用パターン42dは淡いシアンである。そして、濃度検出手段19は反射光量を検出することによって濃度を検出し、図示されないメモリ等に検出した濃度値を記憶する。
そして、第1色のすべてのDuty濃度を検出したか否かを確認し、すべてのDuty濃度が終了していない場合は、搬送ベルト17及び画像形成部11を駆動して移動し、低Duty濃度検出用パターン42dのシアンと同様に、中Duty濃度検出用パターン43dのシアンの濃度を検出して記憶する。続いて、同様に高Duty濃度検出用パターン44dのシアンの濃度を検出して記憶する。
そして、シアンの高Duty濃度検出用パターン44dの濃度検出が終了すると、第1色のすべてのDuty濃度検出用パターン42d、43d、44dの濃度検出が終了することになる。
続いて、検出したシアンの低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度の検出濃度結果を前記式(1)に代入し、光量の補正値を算出する。そして、すべての色のパターンの濃度検出が終了したか否かを判断し、終了していない場合は、シアンのパターン濃度検出と同様にマゼンタの低Duty濃度検出用パターン42c、中Duty濃度検出用パターン43c、高Duty濃度検出用パターン44cの濃度を検出して記憶する。ここで、マゼンタの濃度を記憶するメモリ領域は、シアンの補正値の算出は終了しているので、シアンで使用したメモリ領域と同じ領域でもよい。
そして、マゼンタの低Duty濃度検出用パターン42c、中Duty濃度検出用パターン43c、高Duty濃度検出用パターン44cの濃度検出が終了すると、検出したマゼンタの低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度の検出濃度結果を前記式(1)に代入し、光量の補正値を算出する。そして、すべての色のパターンの濃度検出が終了したか否かを判断し、終了していない場合は、前記シアンのパターン濃度検出及びマゼンタのパターン濃度検出と同様に、イエローの低Duty濃度検出用パターン42b、中Duty濃度検出用パターン43b、高Duty濃度検出用パターン44bの濃度を検出して記憶する。ここで、濃度を記憶するメモリ領域は、シアン及びマゼンタの補正値の算出は終了しているので、シアン又はマゼンタで使用したメモリ領域と同じ領域でもよい。
次に、同様に、ブラックの濃度検出及び補正値の算出を行う。なお、ブラックの濃度検出時は、濃度検出手段19の反射光量を検出することによって濃度を検出する。
そして、ブラックの低Duty濃度検出用パターン42a、中Duty濃度検出用パターン43a、高Duty濃度検出用パターン44aの検出補正値の算出が終了すると、シャッタ20を前記シャッタ駆動手段によって閉じ、各色の低Duty濃度検出用パターン42a〜42d、中Duty濃度検出用パターン43a〜43d、高Duty濃度検出用パターン44a〜44dの濃度検出及び補正値の算出を終了する。
次に、補正値算出処理で求めた光量の補正値を各色毎に印刷条件に加算する。そして、光量補正値を加算した印刷条件によって、各色の各Duty濃度の図13に示されるような濃度検出用パターンを搬送ベルト17上に印刷し、再び各色の濃度値を検出し、前記式(3)に代入することによって、現像電圧の補正値を算出する。
また、前記第1の実施の形態においても説明したように、LED光又はレーザ光の光量等の潜像形成手段の出力する潜像形成エネルギー量としての光量を変化させた場合の印刷Duty−濃度特性は、図6に示されるようになっている。すなわち、潜像形成エネルギー量としての光量を上げると中Dutyの印刷における濃度が高くなり、潜像形成エネルギ量としての光量を下げると中Dutyの印刷における濃度が低くなる特性を有している。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS31 搬送ベルト17上に各色の低Duty濃度検出用パターン42a〜42d、中Duty濃度検出用パターン43a〜43d、高Duty濃度検出用パターン44a〜44dを印刷する。
ステップS32 シャッタ20を開く。
ステップS33 Duty濃度検出用パターン42dを濃度検出手段19上に移動させる。
ステップS34 濃度を検出し、濃度値を記憶する。
ステップS35 最終Duty、すなわち、すべてのDuty濃度検出用パターン42d、43d、44dの濃度の検出が終了したか否かを判断する。終了した場合はステップS36に進み、終了していない場合はステップS34に戻る。
ステップS36 光量補正による濃度特性の直線化、又は現像電圧による濃度特性の補正を行う。
ステップS37 最終色の濃度の検出が終了したか否かを判断する。終了した場合はステップS39に進み、終了していない場合はステップS38に進む。
ステップS38 濃度を検出する色を変更し、ステップS34に戻る。
ステップS39 シャッタ20を閉じ、処理を終了する。
次に、他の濃度検出用パターンを使用した場合の濃度検出及び濃度補正動作について説明する。
図14は本発明の第5の実施の形態における他の濃度検出用パターンを示す図である。
この場合、前記第3の実施の形態における図10に示されるブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの各色の所定の低Duty濃度検出用パターン32a〜32d及び中Duty濃度検出用パターン33a〜33dを、図14に示されるような低Duty濃度検出用パターン42a〜42d及び中Duty濃度検出用パターン43a〜43d濃度検出用パターンに変更する。そして、前記第3の実施の形態において説明した動作と同様の動作によって、濃度ばらつきが大きい高Duty濃度を除き、低Duty濃度及び中Duty濃度を検出し、潜像形成手段の出力する潜像形成エネルギー量としての光量、及び、現像手段のエネルギー量としての現像電圧の補正値を算出する。
このように、本実施の形態においては、各色毎に低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度と連続で印刷し、各色毎に濃度を検出して補正値を算出する。また、各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度の濃度検出用パターンの印刷長を像担持体の一周の長さよりも短くするようになっている。
そのため、占有するメモリ領域を小さくすることができ、また、印刷パターンの像担持体の残像の影響を受けることがなくなるので、濃度補正精度を向上させることができる。
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。なお、前記第1〜第5の実施の形態と同じ構成を有するもの及び同じ動作については、その説明を省略する。
本実施の形態においては、濃度補正値を加算した状態で複数のDutyの濃度を検出し、検出した濃度値を画像形成装置10に通信可能に接続されている図示されないパーソナルコンピュータ等の上位装置における画像処理部、すなわち、上位画像処理部に通知する。なお、画像形成装置10が画像処理部を備える場合には、該画像処理部が上位画像処理部として機能するものであってもよい。そして、該上位画像処理部は、通知された濃度値を元に目標濃度との差を補正することによって印刷出力画像の濃度安定化を向上させることができる。
図15は本発明の第6の実施の形態における濃度補正の例を示す図、図16は本発明の第6の実施の形態における濃度補正動作を示すフローチャートである。なお、図15において、横軸に印刷Dutyを、縦軸に濃度を採ってある。
なお、濃度検出方法については前記第2の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
また、前記第1及び第2の実施の形態においても説明したように、LED光又はレーザ光の光量等の潜像形成手段の出力する潜像形成エネルギー量としての光量を変化させた場合の印刷Duty−濃度特性は、図6に示されるように、光量を上げると中間Dutyの印刷における濃度が高くなり、また、光量を下げると中間Dutyの印刷における濃度が低くなる特性を有している。
まず、図4に示されるような濃度検出用パターン22a〜22d、23a〜23d及び24a〜24dを搬送ベルト17上に印刷し、各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度を検出して記憶する。続いて、検出した濃度を前記式(1)に代入し、潜像形成手段の出力する潜像形成エネルギー量としての光量を補正する。そして、光量の補正値を各色毎に印刷条件に加算する。
次に、光量補正値を加算した印刷条件において、再び、図4に示されるような濃度検出用パターン22a〜22d、23a〜23d及び24a〜24dを搬送ベルト17上に印刷し、各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度を検出し、各濃度値を記憶する。また、現像電圧に対する印刷Duty−濃度特性は、図5に示されるように、現像手段のエネルギー量としての現像電圧を上げると印刷濃度が高くなり、また、現像電圧を下げると印刷濃度が低くなるという特性を有している。
続いて、検出した各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度の検出濃度値、及び、各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度の目標濃度値を式(3)に代入することによって、現像電圧の補正値を各色毎に算出する。そして、現像電圧の補正値を各色毎に印刷条件に加算する。
次に、現像電圧の補正値を加算した印刷条件において、図4に示されるような濃度検出用パターン22a〜22d、23a〜23d及び24a〜24dを搬送ベルト17上に印刷し、各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度を検出して記憶する。
ここで、検出される濃度特性は、図15において、破線で示される線D5のように、各Dutyにおいて目標濃度特性と異なったものになることがある。なお、図15において、線D4は潜像形成エネルギー量を上げた場合における補正前の印刷Duty−濃度特性を示し、線E3は目標となる印刷Duty−濃度特性を示している。そして、検出した濃度値は上位画像処理部に通知される。
さらに、該上位画像処理部は通知された濃度値によって、画像形成装置10の濃度特性を検出することによって、図15において線E3で示されるような目標となる印刷Duty−濃度特性になるように画像処理を行う。
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS41 各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度を検出して記憶する。
ステップS42 光量補正による濃度特性の直線化を行う。
ステップS43 光量の補正値を印刷条件に加算する。
ステップS44 各色の低Duty濃度、中Duty濃度、高Duty濃度を検出して記憶する。
ステップS45 現像電圧による濃度特性の補正を行う。
ステップS46 現像電圧の補正値を印刷条件に加算する。
ステップS47 各色の複数のDuty濃度を検出し、上位画像処理部に通知する。
ステップS48 上位画像処理部において画像処理を行い、処理を終了する。
このように、本実施の形態においては、濃度補正値を加算した状態で複数Dutyの濃度を検出し、検出した濃度値を上位画像処理部に通知するようになっている。
そのため、上位画像処理部が通知された濃度値を元に目標濃度との差を補正するので、印刷出力画像の濃度安定化を向上させることができる。
ところで、前記第1〜第6の実施の形態においては、濃度検出用パターンを転写する転写媒体が搬送ベルトである場合の例を示したが、この搬送ベルトによって搬送される用紙などの印刷媒体上に転写するものであってもよい。
以上の例では、通常の画像データが画像形成部から用紙などの印刷媒体に直接転写される、いわゆる、直接転写方式を用いた画像形成装置の例を示したが、トナー画像が画像形成部からベルトや回転体で構成される中間転写体に一旦(たん)転写された後、最終的に用紙などの印刷媒体に転写される中間転写方式を用いた画像形成装置にも適用できる。
この場合、濃度検出用パターンを転写する転写媒体は中間転写体であり、中間転写体上に転写された濃度検出用パターンの濃度を検出して濃度補正が行われる。
前記第1〜第6の実施の形態においては、現像手段のエネルギー量としての現像電圧を補正する場合について説明したが、現像電圧に代えて、供給電圧や帯電電圧を補正することもできる。さらに、現像電圧、供給電圧、帯電電圧等を適宜組み合わせて補正することもできる。
また、前記第1〜第6の実施の形態においては、潜像形成エネルギー量としてLED光又はレーザ光の光量を補正する場合について説明したが、光量に代えて、ヘッドドライブ時間、ヘッドドライブ電流を補正することもできる。さらに、帯電電圧を補正することによって、ヘッド光量を補正する場合と同様な特性を得ることができる。
図17は本発明の第1〜第6の実施の形態における帯電電圧を変化させた場合の印刷Duty−濃度特性を示す図である。
図17において線Gは帯電電圧を下げた場合における印刷Duty−濃度特性を示し、線Hは帯電電圧を標準値にした場合における印刷Duty−濃度特性を示し、線Iは帯電電圧を上げた場合における印刷Duty−濃度特性を示している。したがって、前記光量を補正することに代えて帯電電圧を補正することもでき、また、光量と帯電電圧とを組合せて補正することもできる。
また、前記第1〜第6の実施の形態においては、画像形成部11BK、11Y、11M及び11Cの配列が、印刷媒体16の搬送方向上流からブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの順番となっている場合について説明したが、多色のトナーを有する画像形成部11を複数有する場合において、該画像形成部11の配列の順番は、例えば、シアンが上流でもよく、前記第1〜第6の実施の形態に限定されるものではない。
また、画像形成部11の数が四台である場合について説明したが、画像形成部11の数は限定されるものではなく、画像形成部11は三台以下であってもよいし、五台以上であってもよい。さらに、画像形成部11が単数、例えば、ブラックの画像形成部11BKだけであってもよい。
また、上位画像処理部に通知する濃度値は、前記第6の実施の形態においては低、中、高の三Dutyとしたが、三以上のDuty数であってもよく、例えば、六Duty等であってもよい。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。