JP2007286554A - 反射防止膜、反射防止基材、及び当該反射防止基材が設けられた光電変換装置 - Google Patents

反射防止膜、反射防止基材、及び当該反射防止基材が設けられた光電変換装置 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池用基板の反射防止膜の製造において、安価な設備を使用し、低エネルギーコストで製造することができる、低温焼成により基材と微粒子の接着性に優れた反射防止膜を提供する。
【解決手段】透明基材上に二酸化ケイ素微粒子を配列し、バインダー材料で薄膜化することにより得られる反射防止膜において、重合体の単量体繰り返し数が2〜10の金属アルコキシドオリゴマーをバインダー材料として使用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、反射防止膜、及び当該反射防止膜を備えた反射防止基材、並びに当該反射防止基材が設けられた光電変換装置に関し、詳細には、従来よりも安価で提供することが可能であるとともに、十分な耐久性を備えた光の反射を防止する反射防止膜、反射防止基材、及び当該反射防止基材が設けられた光電変換装置に関するものである。
ガラス、プラスチックなどの基材の表面には、その基材の用途における機能改善を目的として、光をより多く透過させるために、光の反射を防止する反射防止膜が形成されたものがある。光電変換装置の一つである太陽電池においても、下地膜、透明導電膜、アモルファスシリコンなどからなる光電変換層および裏面薄膜電極を順次積層したガラス板の一主表面と対向する主表面に、反射防止膜が形成されたものが知られている。太陽電池に反射防止膜を備えることにより、より多くの太陽光が光電変換層または光電変換素子に導かれ、発電量を向上させることが可能となる。
このような反射防止膜としては、基材との屈折率の違いを利用して反射率を低減させるものが知られており、例えば、金属アルコキシドを用いたゾルゲル法により、二酸化ケイ素の微粉末と、基材を接着させて形成するものがある。
具体的には、特許文献1では、シリコンアルコキシドと二酸化ケイ素微粉末を含有してなる分散液により形成された被膜において、該被膜の表面に高さ0.01〜0.1μmの微細な凹凸面を有していることを特徴とする反射防止膜が開示されている。
ところで、太陽電池に限らず、反射防止膜を備える基材を屋外に長期間放置したり、また一度取り付けられると取り替えや交換が困難である構成の場合、反射防止膜に対して高い耐久性(例えば、耐摩耗性に代表される物理的耐久性)が要求される。
このような要求に対して、特許文献1では、微粒子とバインダー、バインダーと基材とを反応させ、500℃近くでの焼成処理を行うことによって、微粒子とバインダー、バインダーと基材の接着性を高めて、耐久性を獲得している。
また、特許文献2には、50体積%以下の内部孔隙を有したバインダー層に、微粒子の1/4〜1/2が埋没して固定されてなる反射防止膜が開示されている。この構造により、微粒子間には隙間が形成されるため、屈折率の低下に基づく反射防止効果を奏することができる。この反射防止膜においても、反射防止膜の材料を含む溶液を基材表面に塗布した後、500℃で2時間焼成することによって、当該溶液に含まれるシリカ微粒子、バインダー及び基材の接着性を高めて、物理的耐久性を得ている。
なお、特許文献2においては、膜強度を向上させるためには、焼成温度を600℃以上(かつ、800℃以下)とすることが好ましいことが開示されている。
特開平9−249411号公報(1997年9月22日公開) 特開2002−182006号公報(2002年6月26日公開)
しかしながら、特許文献1及び2のように500℃のような高温で焼成を行うためには、製造設備コストや、エネルギーコストが高くなるという問題が生じる。
そこで本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い耐久性をもつ反射防止基材、及び当該反射防止基材が設けられた光電変換装置を低コストで提供することにある。
本発明に係る反射防止膜は、上述した課題を解決するために、二酸化ケイ素の微粒子と、金属アルコキシドとを含有する反射防止膜であって、上記金属アルコキシドが、一般式(1)
O[{M(OR)}−O−]−R ・・・(1)
(式中、Mは金属、R及びRはアルキル基、nは2〜10の整数である)
にて示されるオリゴマーであることを特徴としている。
上記オリゴマーを用いることによって、従来よりも低温、具体的には約200℃の加熱焼成によって二酸化ケイ素微粒子と当該オリゴマーとの接着性を向上させることができ、よって、反射防止膜として十分な耐久性を得ることができる。
これは、一般式(1)に示す金属アルコキシドのオリゴマーをバインダー材料として用いることによって、縮合時に直鎖の長い高分子になりやすいことから、バインダー機能を発揮しやすいため、従来よりも低い焼成温度であっても、微粒子とバインダー材料との接着性を高めることができることによるものである。また金属アルコキシドは金属化合物の中で反応性に富み、重合体を生成しやすいことからゾルゲル反応の原料として好ましい。
このように低温で焼成できるため、従来と比較して安価な設備を用いて焼成可能であり、かつ、使用するエネルギーに関しても従来よりも低減することができる。よって、本発明の構成によれば、優れた耐久性をもつ反射防止膜を、製造コストを従来よりも抑えて提供することができる。
また、上記の構成によれば、本発明に係る反射防止膜は、低屈折率を有する二酸化ケイ素の微粒子が含まれていることから、反射防止効果を更に高めることができる。
特に、上記微粒子の表面の少なくとも一部が外部環境に露出していれば、入射した光を微粒子表面において散乱させて、反射率を低減させることができる。
また、本発明に係る反射防止膜は、上記金属アルコキシドとしてシリコンアルコシキドを用いることができる。
シリコンアルコシキドを用いれば、焼成後に、膜強度が強く、膜に必要な耐久性を獲得できるシリカゾルになる。
また、本発明に係る、透光性基材の表面に、二酸化ケイ素の微粒子と金属アルコキシドとを含有する反射防止膜が形成された反射防止基材は、上述した課題を解決するために、二酸化ケイ素の微粒子が、一般式(1)
O[{M(OR)}−O−]−R ・・・(1)
(式中、Mは金属、R及びRはアルキル基、nは2〜10の整数である)
にて示される金属アルコキシドのオリゴマーによって、上記透光性基材の表面に固着していることを特徴としている。
上記の構成とすることにより、本発明に係る、反射防止基材は、従来よりも低い焼成温度で焼成を行うことによって耐久性を得ることができる。そのため、従来よりも低エネルギーで、かつ、従来よりも安価な設備を用いて焼成を行うことが可能である。よって、焼成に係る設備コスト、及びエネルギーコストを従来よりも低減することができる。
具体的には、本発明の反射防止基材は、上記微粒子が、上記一般式(1)においてnが2〜10である金属アルコキシドのオリゴマーを用いて透光性基材上に固着されている。このように、一般式(1)に示す金属アルコキシドのオリゴマーがバインダー材料として用いられていることによって、縮合時に直鎖の長い高分子になりやすいことから、バインダー機能を発揮しやすいため、従来よりも低い焼成温度であっても、微粒子とバインダー材料との接着性を高めることができることによるものである。そして、金属アルコキシドは金属化合物の中で反応性に富み、重合体を生成しやすいことからゾルゲル反応の原料として好ましい。
すなわち、従来よりも低い焼成温度を用いて焼成を行うことが可能であるため、従来問題となっていた製造設備コストや、エネルギーコストの上昇は生じない。
従って、本発明によれば、優れた耐久性をもつ反射防止基材を、従来よりも低コストで実現することができる。
また、上記の構成によれば、本発明に係る反射防止基材は、低屈折率を有する二酸化ケイ素の微粒子が含まれていることから、反射防止効果を更に高めることができる。
特に、上記微粒子の表面の少なくとも一部が外部環境に露出していれば、入射した光を微粒子表面において散乱させて、反射率を低減させることができる。
また、本発明に係る反射防止基材は、上記金属アルコキシドとしてシリコンアルコシキドを用いることができる。
シリコンアルコシキドを用いれば、焼成後に、膜強度が強く、膜に必要な耐久性を獲得できるシリカゾルになる。
また、本発明に係る反射防止基材は、上記微粒子が被覆率80〜99%で上記透光性基材の表面に固着していることが好ましい。
これにより、優れた耐久性とともに、高い反射防止効果を備えた反射防止基材を提供することができる。ここで、「被覆率」とは、透光性基材の表面積に対する微粒子の投影面積の割合のことを示し、被覆されていない領域には、微粒子は存在せず、オリゴマーのみが存在している。
透光性基材表面に対する微粒子の被覆率が80%未満の場合は、微粒子が疎な状態で固着しており、反射防止効果及び接着力の低下を招く虞があり、また、被覆率が99%より大きくなると、微粒子同士が重なり合って上記したような微粒子の複層が形成される可能性が高い。
微粒子同士が重畳して微粒子の複層が形成されると、耐摩耗性は向上するものの、反射防止効果の低下を招く虞がある。これは、微粒子が透光性基材の表面において重畳して複層を形成していることで、当該層に入射した光が、微粒子によって散乱光となる、あるいは微粒子層による光の吸収量が増加することにより、反射防止効果が低減されることによると考えられる。これに対して、本発明に係る反射防止基材では、微粒子の被覆率を80〜99%としている。被覆率をこの範囲内にすることで、微粒子は、透光性基材の表面において単層配列していると言える。従って、優れた耐久性とともに、高い反射防止効果を実現することができる。
また、本発明に係る反射防止基材では、上記透光性基材としてガラスを用いることができる。ガラスは透光性に優れており、耐熱性も高く、光電変換装置に使用する場合には発電層の製膜に適している。
また、本発明に係る光電変換装置は、上記した課題を解決するために、上記の構成の反射防止基材を備えていることを特徴としている。
上記した構成を有する反射防止基材を備えたことによって、本発明に係る光電変換装置は、優れた反射防止効果を奏するとともに、高い耐久性を得ることができる。
そして、より多くの光を透過させることができるため、当該透過した光を用いて発電する際、その発電量を向上させることができる。
また、本発明に係る太陽電池は、上記した課題を解決するために、上記の構成の反射防止基材を太陽電池用パネルとして備えていることを特徴としている。
上記した構成を有する基材を太陽電池用パネルとして備えたことによって、本発明に係る太陽電池は、優れた反射防止効果を奏するとともに、高い耐久性を得ることができる。
そして、より多くの光を透過させることができるため、当該透過した光を用いて発電する際、その発電量を向上させることができる。
本発明に係る反射防止膜は、以上のように、二酸化ケイ素の微粒子と、金属アルコキシドとを含有する反射防止膜であって、
上記金属アルコキシドが、一般式(1)
O[{M(OR)}−O−]−R ・・・(1)
(式中、Mは金属、R及びRはアルキル基、nは2〜10の整数である)
にて示されるオリゴマーであることを特徴としている。
また、本発明に係る反射防止基材は、以上のように、二酸化ケイ素の微粒子が、一般式(1)
O[{M(OR)}−O−]−R ・・・(1)
(式中、Mは金属、R及びRはアルキル基、nは2〜10の整数である)
にて示される金属アルコキシドのオリゴマーによって、透光性基材の表面に固着していることを特徴としている。
上記の構成とすることにより、従来よりも低い焼成温度で焼成を行うことによって耐久性を得ることができる。そのため、従来よりも低エネルギーで、かつ、焼成を行うための設備を従来よりも安価な設備を用いて行うことができる。よって、焼成に係る設備コスト、及びエネルギーコストを従来よりも低減することができる。
また、本発明に係る光電変換装置は、以上のように、上記の構成の反射防止基材を備えていることを特徴としている。
上記した構成を有する反射防止基材を備えたことによって、本発明に係る光電変換装置は、優れた反射防止効果を奏するとともに、高い耐久性を得ることができる。
また、本発明に係る太陽電池は、以上のように、上記の構成の反射防止基材を太陽電池用パネルとして備えていることを特徴としている。
上記した構成を有する反射防止基材を太陽電池用パネルとして備えたことによって、本発明に係る太陽電池は、優れた反射防止効果を奏するとともに、高い耐久性を得ることができる。
本発明の実施の一形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲が、以下の実施形態および図面に限定されるものではない。
また、以下の説明において、反射防止膜を備えた反射防止基材を太陽電池用パネルとして用いた構成について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、カメラレンズなどの光学部材や光電変換装置にも適用できる。更には、反射防止基材は、ディスプレー装置の表示面、その表示カバー材料、タッチパネル、窓ガラス、ショーウインドー用ガラス、TVブラウン管の表示面、計器のカバーガラス、時計のカバーガラス、偏光用フィルム、眼鏡用レンズ、カメラ用レンズ、陰極線管の前面影像面などにも適用することができる。
まず、本発明に係る反射防止基材の一実施形態について詳述する。
本実施形態における反射防止基材は、ケイ素化合物の微粒子を、下記一般式(1)
O[{M(OR)}−O−]−R ・・・(1)
(式中、Mは金属、R及びRはアルキル基、nは2〜10の整数である)
にて示される金属アルコキシドのオリゴマーであるバインダー材料によって、透光性基材の表面に配列・固着させて形成した反射防止膜を備えている。
まず、微粒子について説明する。微粒子の種類は、特に限定されるものではないが、二酸化ケイ素の微粒子、つまりシリカ微粒子が好ましい。
二酸化ケイ素は、屈折率が1.4前後と比較的低いことから、反射防止膜の構成成分として含まれることによって、後述するガラスような基材やバインダー材料との屈折率の差に基づいた反射防止効果に寄与することができる。更に、薬品等に対する耐久性(化学的耐久性)の高さや製造の容易さなどの点からも好適である。シリカ微粒子としては、たとえば、ゾルゲル法によりシリコンアルコキシドをアンモニアなどの塩基性触媒の存在下で反応させて合成したシリカ微粒子、ケイ酸ソーダなどを原料とするコロイダルシリカ、または気相合成したヒュームドシリカなどが挙げられる。また、シリカ微粒子には、シリカ以外の微粒成分が含まれていてもよい。具体的には、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、またはタンタルなどの酸化物が含まれてもよい。
よって、このような観点から、二酸化ケイ素の微粒子の他に、他の微粒子が含まれていてもよいが、全微粒子のうちの90%以上が二酸化ケイ素の微粒子であることが好ましく、全微粒子が二酸化ケイ素の微粒子であることが最も好ましい。
微粒子の形状は、特に限定されるものではなく、球状、ラグビーボール状、または結晶形状を例示することができる。
微粒子の粒径は、特に限定されるものではないが、一次粒子の平均粒径で10nm以上、さらには20nm以上が好ましい。平均粒径が10nm未満である場合は、反射防止膜の見かけ上の屈折率が十分に低下せず、その反射防止機能が発揮されにくくなる。一方、平均粒径が大きすぎると、微粒子と基材との接着面積低下により密着性が低下するため、耐摩耗性が十分に得られない虞がある。そのため、微粒子の平均粒径は、1000nm以下が好ましい。
ここで、上記「反射防止膜の見かけ上の屈折率」について説明する。微粒子が接着した領域を層として考えると、微粒子の隙間には空気が入り込んでいる。この層の屈折率は空気の屈折率が1.0であることから、層全体の屈折率は微粒子(シリカの場合は約1.4)と空気の間の屈折率となる。この屈折率を見かけ上の屈折率と呼んでいる。
以上のような微粒子の粒径は、透過型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影した写真に基づいて判定することができる。具体的には、まず、測定サンプルの任意の箇所を倍率50,000倍で撮影する。そして、これらの写真について、微粒子が最も鮮明に写っている箇所に30×30mmの枠を書き込み、その枠内にある微粒子(一次粒子)の最大径をスケールを用いて計測する。なお、枠線に掛かる粒子は、面積の半分以上が枠内に入っているもののみ計測する。そして、測定した全ての微粒子の最大径を平均して微粒子の粒径とする。
次に、透光性基材と微粒子の間、および微粒子同士間に介在し、これらの相対的な位置関係を強固に固定するバインダー材料について説明する。
本実施形態におけるバインダー材料は、下記の一般式(1)
O[{M(OR)}−O−]−R ・・・(1)
で示される金属アルコキシドのオリゴマーである。
ここで、一般式(1)中のMは、具体的には、シリコン、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、またはタンタル等の金属を用いることができる。中でも、シリコンを用いた所謂シリコンアルコシキドは、屈折率が低く、反射防止膜に特に適している。
また、一般式(1)中のR、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基を用いることができ、互いに同一であっても異なっていてもよい。
また、一般式(1)中のnは、オリゴマー中の単量体の繰り返し数であって、2〜10であることが好ましい。オリゴマーとは、一般的には単量体の繰り返し数が2から数十までの分子を表し、数百以上となると高分子と呼ばれている。nが1の場合は、金属アルコキシドの単量体となり、バインダー材料に使用した場合には、縮合反応時に直鎖の長い高分子に成長せず、3次元的に成長することにより、バインダーとしての機能が発揮できない粒子状高分子への縮合が少なからず起きてしまう。また単量体は沸点が低いことから、塗布後に、基材との反応に寄与する前に蒸発損失が起きてしまう。このため、接着力を確保するためには、強制的に500℃近くまで加熱(焼成)する必要が生じてしまう。このことから一般式(1)中のnは、2以上のオリゴマーであることが好ましい。一方、nが10より大きくなると粘度が増大し、ハンドリングが困難となることから好ましくない。
よって、本実施形態に用いられるバインダー材料は、一般式(1)において、nが2〜10のオリゴマーであることが好ましい。
なお、本実施形態におけるバインダー材料は、上記のようなオリゴマーを主成分として、他の成分を含むことも可能である。すなわち、本実施形態におけるバインダー材料としては、上記オリゴマーを90%以上含むものであればよい。なお、他の成分としては、金属アセチルアセトネートや金属カルボキシレート等が挙げられ、この中の少なくとも1種類を適宜選択することができる。
次に、微粒子の配列・固着について説明する。
本実施形態における反射防止基材では、上記した微粒子が被覆率80〜99%で透光性基材表面に配列・固着している。ここで、「被覆率」とは、透光性基材の表面積に対する微粒子の投影面積の割合のことを示し、被覆されていない領域は、微粒子が存在せず、バインダー材料のみが存在している。被覆率が80%未満の場合は、微粒子が疎な状態で塗布されており、反射防止効果、および接着力の低下を招く虞があるため好ましくない。
一方、被覆率が99%より大きくなると、微粒子同士が透光性基材表面から垂直な方向に重なり合って複層を形成する可能性がある。このように複層が形成されると、当該層に入射した光が、微粒子によって散乱光となる、あるいは微粒子層による光の吸収量が増加することにより、反射防止効果を著しく劣化させることになる。そのため、被覆率を99%より大きくすると、耐摩耗性は向上する一方、反射防止効果の低下を招く虞があるため好ましくない。このことから、微粒子は、基材上に密に詰まった状態で、かつ微粒子同士が重畳していない単層配列をなしていることが好ましい。すなわち、本実施形態における基材は、微粒子同士が、透光性基材の表面から垂直な方向に重畳していない状態で固着していることが好ましい。つまり、本実施形態における基材では、微粒子が透光性基材の表面において単層配列していることが好ましい。
また、上記透光性基材としては、特に限定されるものではなく、反射防止機能を必要とする用途において従来から使用されているものであれば、全て利用することができる。たとえば、ガラス、プラスチックまたはセラミック、あるいはこれらの加工品などである。但し、基材を光電変換装置に利用する場合は、透光性基材にはガラス板を用いることが好ましい。このガラス板を、反射防止膜を光の入射側に向けて配置すれば、その低反射性能により光電変換層により多くの光を導くことができる。また、光が反射防止膜の表面(微粒子表面)で散乱することにより、光電変換層における光路長が長くなるいわゆる光閉じ込め効果が発揮されるようになる。
続いて、反射防止膜の形成方法について説明する。
薄膜(反射防止膜)の塗布方法は、従来から知られている方法であれば特に限定されるものではない。塗布液は、上述した微粒子の存在下で、少なくとも、加水分解可能な金属アルコキシドのオリゴマーと、加水分解用触媒と、水と、溶媒とを混合し、金属アルコキシドのオリゴマーを加水分解して調整したものが好ましい。
加水分解は、室温で数分以上混合すれば十分である。加水分解触媒は、塩酸、硝酸などの酸性触媒が好ましい。酸性触媒を用いると、バインダー材料である金属アルコキシドのオリゴマーの加水分解が遅くなるため、直鎖の長い高分子となりやすくなる。そのため、基材と微粒子とが反応することにより接着強度が増し、バインダーとしての機能を発揮する。一方、塩基性触媒を用いると、加水分解が促進されるため、3次元的に縮合反応が進み、丸みを帯びた粒子になりやすい。その結果、微粒子を固定するバインダーの本来の機能が発揮されなくなる。
塗布液における触媒の配合率は、金属アルコキシドのオリゴマーの単量体を基準として、モル比で0.001〜4にすることが好ましい。
塗布液における水の含有率は、金属アルコキシドのオリゴマーの単量体を基準として、モル比で0.1〜100であることが好ましい。この値が0.1より小さい場合は、金属化合物の加水分解が十分に促進されない。一方、100を越えると、塗布液の安定性が低下する。
溶媒は、金属アルコキシドのオリゴマーを溶解できるものであれば特に限定されない。よって、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピルセロソルブなどのセロソルブ類、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類を用いることができる。これらの溶媒を1種、あるいは混合液として用いることができる。
なお、塗布膜として必要な膜厚を調整するために、塗布方法に見合った希釈溶媒を加水分解後に混合しても良い。希釈溶媒は上述した溶媒と同じであっても異なっていてよいが、塗布方法に見合った、塗布膜厚制御が可能な溶媒の選定が必要である。
金属アルコキシドのオリゴマーは、塗布液中の濃度が高すぎると、微粒子間の隙間を埋めてしまい、反射防止膜としての機能が低減する。そのため、塗布液中のオリゴマー濃度は1〜20重量%とすることが好ましい。
塗布液中における微粒子の混合量(濃度)は、塗布・乾燥後に、微粒子が基材上で単層であり、且つ緻密に配列されるだけの量が好ましく、0.1〜20重量%にするのが好ましいが、塗布方法に見合った塗布液中の濃度にする必要がある。
塗布液の透光性基材への塗布方法は、とくに限定されないが、スピンコーター、ロールコーター、スプレーコーターまたはカーテンコーターなどの方法、浸漬引き上げ法(ディップコーティング法)または流し塗り法(フローコーティング法)などの方法、あるいはフレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷または曲面印刷などの各種印刷法を例示することができる。透光性基材表面の状態によっては、塗布液の馴染みが悪く、均一に塗布できない場合がある。この場合は、基材表面を洗浄または改質処理することが好ましい。洗浄や改質処理の方法としては、アルコール、アセトンもしくはヘキサンなどの有機溶媒による脱脂洗浄、アルカリもしくは酸による洗浄、研磨剤による表面研磨、超音波洗浄、紫外線照射処理、紫外線オゾン処理またはプラズマ処理などが挙げられる。
塗布膜が形成された基材は、次に、基材ごと加熱する。これにより、脱水縮合反応が進行して、上述のバインダー材料が形成され、透光性基材と微粒子とが接着する。本実施形態におけるバインダー材料は、上記オリゴマーであるため、金属化合物の中でも反応性に富み、重合体を生成しやすく、縮合時には直鎖の長い高分子になりやすいことから、バインダー機能を発揮しやすいため、150℃〜250℃で加熱すれば耐久性のある十分な接着強度を得ることができる。特に、200℃で加熱することが好ましい。また加熱時間は、5秒から1時間が好ましく、1分〜30分がより好ましい。
以上のように、本実施形態における反射防止基材は、二酸化ケイ素の微粒子を、上記一般式(1)にて示される金属アルコキシドのオリゴマーであるバインダー材料によって、透光性基材の表面に配列・固着させて形成した反射防止膜を備えていることによって、従来よりも低い焼成温度、具体的には約200℃で、微粒子とバインダー材料、バインダー材料と基材とを反応させて、微粒子とバインダー材料、バインダー材料と基材の接着性を高めることができ、よって、優れた耐久性を有する基材を提供することができる。
すなわち、従来よりも低い焼成温度を用いて焼成を行うことが可能であるため、従来問題となっていた製造設備コストや、エネルギーコストの上昇は生じない。従って、上記の構成によれば、優れた耐久性をもつ、反射防止膜を備えた基材を、従来よりも低コストで実現することができる。
また、本実施形態における反射防止基材は、以上のように、微粒子同士が、上記透光性基材の表面から垂直な方向に重畳していない状態で固着している。すなわち、透光性基材の表面において微粒子が単層配列している。これにより、微粒子が複層配列、すなわち透光性基材の表面から垂直な方向に微粒子が重畳して配列している状態、と比較して、微粒子表面における光の散乱を抑制することができる。
また、本実施形態のように、上記微粒子が上記透光性基材の表面に対して被覆率80〜99%で固着していることによって、基材とバインダー材料と微粒子との相互の接着性を確保しつつ、微粒子表面における光の散乱を抑制することができるため、反射をより一層抑制することができる。
以上で説明した本実施形態における反射防止基材は、光電変換装置に備えることができる。上述したように、光電変換装置に備える場合は、透光性基材にはガラス板を用いることが好ましい。反射防止膜を備えた当該ガラス板(反射防止基材)を、反射防止膜を光の入射側に向けて配置すれば、その低反射性能により光電変換層により多くの光を導くことができる。また、光が反射防止膜の表面(微粒子表面)で散乱することにより、光電変換層における光路長が長くなるいわゆる光閉じ込め効果が発揮されるようになる。光電変換装置に利用される場合、ガラス板表面(反射防止膜が形成された面)の反射率は、裏面反射を除いて3.5%以下、さらには3.0%以下が好ましい。
更に、本実施形態における反射防止基材は、光電変換層が薄膜またはバルク結晶からなるいずれの太陽電池にも使用可能である。そして、いずれの太陽電池に使用されても、同様の反射防止効果および光閉じ込め効果を奏する。
本実施形態における太陽電池に設けられたパネル(太陽電池用パネル)の構成を図1に示す。
本実施系形態における太陽電池に設けられたパネル1(反射防止基材)は、図1に示すように、ガラス板2(透光性基材)の一主表面に、下地膜3、透明導電膜4、アモルファスシリコンからなる光電変換層5、裏面薄膜電極6がこの順で配設されている。そして、当該主表面の対向面に、二酸化ケイ素の微粒子7が、上記金属アルコシキドのオリゴマーであるバインダー材料8によって、配列・固着された反射防止膜9を配設している。
このような構成を備えたパネル1は、図1において矢印で示した方向から太陽光が入射する側に反射防止膜9を向けるように設置される。太陽光は、反射防止膜9を透過し、ガラス板2、下地膜3、透明導電膜4をこの順で透過して、光電変換層5において受光されて電荷に変換される。
光電変換装置の製造方法は、特に限定されるものではなく、反射防止膜を上述の方法により形成すれば、その他の構成部は公知の手段により製造することができる。例えば、下地膜10、透明導電膜11、アモルファスシリコンからなる光電変換層12及び裏面薄膜電極13は、いずれも化学気相成長法(CVD法)により形成することができる。
このように、上記した構成を有する基材を太陽電池用パネルとして備えたことによって、当該基材に入射した光が反射して透過光量が減少してしまう虞がなく、より多くの光を透過させることができる。従って、当該透過した光を用いて発電する際、その発電量を向上させることができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
下記実施例及び比較例に記載した方法により、ガラス板表面に反射防止膜を形成して反射防止基材を製造し、反射防止膜の微粒子の被覆率、塗布膜の反射率及び耐摩耗性を検証した。
微粒子の被覆率、塗布膜の反射率及び耐摩耗性は、以下の各方法で測定した。
〔被覆率〕
AFM(東陽テクニカ製 原子間力顕微鏡 Nano−Rシステム)により表面観察を行い、二次元解析ソフトにより被覆率を算出した。
〔反射率〕
分光光度計(島津製作所社製 SolidSpec−3700)を用いて、反射防止膜に対し法線方向から光を入射し、反射角8°の直接反射光を積分球により測定した。なお、ガラス板裏面からの反射光を排除するため、ガラス板の裏面には黒色スプレー塗布を行った。
〔耐摩耗性〕
JIS K7204に記載の摩耗輪による摩耗試験方法に準じて評価した。具体的には、CS10Fの回転ホイールを9.8Nで反射防止膜に押し付け、72rpm(60Hz)で反射防止膜を回転させて、膜が完全に剥がれるまでの回転数を測定した。
〔実施例1〕
水:24.38g、i−プロパノール:58.71g、35%塩酸:1.14g、テトラエトキシシランのオリゴマー(n=4〜6):11.90g、および平均粒径90nmのシリカ微粒子分散液(水溶媒 固形分40%):24.38gを順次添加して、4時間、室温で攪拌混合した。その後、希釈溶媒として、i−プロパノール:529.50gを添加し、よく攪拌して塗布液aを作製した。この塗布液を、厚さ4mm、100mm×100mmの白板ガラスに、引き上げ速度0.1m/分にてディップコーティング法により塗布操作を行った。その後、80℃の熱風乾燥処理を30分間施した後、200℃で5分間の焼成処理を行い、反射防止基材(1)を得た。
〔実施例2〕
実施例1と同様の塗布液aを作製し、引き上げ速度0.05m/分にてディップコーティング法により塗布操作を行った。その後、実施例1と同様の熱風乾燥処理、焼成処理を行い反射防止基材(2)を得た。
〔実施例3〕
実施例1と同様の塗布液aを作製し、引き上げ速度3.0m/分にてディップコーティング法により塗布操作を行った。その後、実施例1と同様の熱風乾燥処理、焼成処理を行い反射防止基材(3)を得た。
〔比較例1〕
テトラエトキシシランのオリゴマーを同量のテトラエトキシシラン(単量体)に変更した以外は、上記塗布液aと同様にして塗布液bを作製した。この塗布液bを用いて実施例1と同様の塗布操作、熱風乾燥処理、焼成処理を行い比較反射防止基材(1)を得た。
〔比較例2〕
比較例1と同様の塗布液bを用いて実施例1と同様の塗布操作、熱風乾燥処理を行った後、450℃で5分間の焼成処理を行い比較反射防止基材(2)を得た。
〔測定結果〕
以上の方法によって得られた反射防止基材(1)〜(3)、及び比較反射防止基材(1)・(2)の微粒子の被覆率、および塗布膜の反射率、耐摩耗性を測定した結果を表1に示す。
Figure 2007286554
反射防止基材(1)については、微粒子の被覆率は93%であった。また、反射率(550nm)1.39%、耐摩耗性600回転であった。
これに対して、比較反射防止基材(1)の測定結果を見ると、表1に示すように、微粒子の被覆率は95%、反射率(550nm)1.59%であり、反射防止基材(1)と同等であった。しかしながら、耐摩耗性を測定したところ、耐摩耗性100回転となり、反射防止基材(1)に比べて、耐摩耗性が著しく悪いことが示された。
また、比較反射防止基材(2)では、微粒子の被覆率は95%であった。反射率、耐摩耗性を測定したところ、450℃という高温で焼成していたため、反射率(550nm)1.37%、耐摩耗性500回転という実施例と同等の数値が示された。
すなわち、テトラエトキシシラン(単量体)を用いた場合は、焼成温度を500℃程度まで上げることによって本発明に基材において見られる所望の耐摩耗性を確保することができることが示された。
実施例2で作製した反射防止基材(2)については、微粒子の被覆率は68%であった。また、反射率(550nm)2.07%、耐摩耗性300回転であり、反射率、耐摩耗性がともに反射防止基材(1)と比較して低下したことが示された。これは、ディップコーティング法において実施例1では引き上げ速度0.1m/分で行ったのに対して、実施例2では引き上げ速度0.05m/分としたため、塗布液の製膜量が低下し、微粒子、バインダーの接着量が少なくなったため、反射率、耐摩耗性が低下したためであると考えられる。
また、実施例3で作製した反射防止基材(3)については、微粒子の被覆率は99.5%であった。また、反射率(550nm)2.17%、耐摩耗性800回転であり、耐摩耗性は反射防止基材(1)と比較して向上したものの、反射率が低下したことがわかった。これは、ディップコーティング法において実施例1では引き上げ速度0.1m/分で行ったのに対して、
実施例3では引き上げ速度3.0m/分としたため、塗布液の製膜量が増加し、微粒子、バインダーの接着量が多くなったため、耐摩耗性は増加したが反射率が低下したためであると考えられる。
このように、本発明によれば、従来よりも低い焼成温度で焼成した場合であっても高い耐久性を得ることができる。そのため、従来よりも低エネルギーで、かつ、従来よりも安価な設備を用いて焼成を行うことが可能である。よって、焼成に係る設備コスト、及びエネルギーコストを従来よりも低減することができる。
本発明に係る基材は、従来よりも低エネルギーで、かつ、従来よりも安価な設備を用いて焼成を行っても高い耐久性を得ることができる。
従って、太陽電池に代表される光電変換装置などの光電変換機能を有した素子や装置に広く適用することができる。また、ディスプレー装置の表示面、その表示カバー材料、タッチパネル、窓ガラス、ショーウインドー用ガラス、TVブラウン管の表示面、計器のカバーガラス、時計のカバーガラス、偏光用フィルム、眼鏡用レンズ、カメラ用レンズ、陰極線管の前面影像面などにも適用することができる。
本発明の一実施形態に係る太陽電池の構成を示した部分断面図である。
符号の説明
1 パネル(太陽電池用パネル、太陽電池、光電変換装置)
2 ガラス板(透光性基材)
3 下地膜
4 透明導電膜
5 光電変換層
6 裏面薄膜電極
7 二酸化ケイ素の微粒子
8 バインダー材料(金属アルコシキドのオリゴマー)

Claims (10)

  1. 二酸化ケイ素の微粒子と、金属アルコキシドとを含有する反射防止膜であって、
    上記金属アルコキシドが、一般式(1)
    O[{M(OR)}−O−]−R ・・・(1)
    (式中、Mは金属、R及びRはアルキル基、nは2〜10の整数である)
    にて示されるオリゴマーであることを特徴とする反射防止膜。
  2. 上記微粒子の表面の少なくとも一部が外部環境に露出していることを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜。
  3. 上記金属アルコキシドが、シリコンアルコシキドであることを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止膜。
  4. 透光性基材の表面に、二酸化ケイ素の微粒子と金属アルコキシドとを含有する反射防止膜が形成された反射防止基材であって、
    上記微粒子が、一般式(1)
    O[{M(OR)}−O−]−R ・・・(1)
    (式中、Mは金属、R及びRはアルキル基、nは2〜10の整数である)
    にて示される上記金属アルコキシドのオリゴマーによって、上記透光性基材の表面に固着していることを特徴とする反射防止基材。
  5. 上記金属アルコキシドが、シリコンアルコシキドであることを特徴とする請求項4に記載の反射防止基材。
  6. 上記微粒子は、上記透光性基材の表面に被覆率80〜99%となるように固着していることを特徴とする請求項4または5に記載の反射防止基材。
  7. 上記微粒子の表面の少なくとも一部が外部環境に露出していることを特徴とする請求項4から6の何れか1項に記載の反射防止基材。
  8. 上記透光性基材が、ガラスであることを特徴とする請求項4から7の何れか1項に記載の反射防止基材。
  9. 請求項4から8の何れか1項に記載の反射防止基材が設けられていることを特徴とする光電変換装置。
  10. 請求項4から8の何れか1項に記載の反射防止基材を太陽電池用パネルとして備えていることを特徴とする太陽電池。
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