JP6266230B2 - 表面改質金属酸化物微粒子、薄膜形成用の塗布液、薄膜付き基材、光電気セル、及び表面改質金属酸化物微粒子の製造方法 - Google Patents

表面改質金属酸化物微粒子、薄膜形成用の塗布液、薄膜付き基材、光電気セル、及び表面改質金属酸化物微粒子の製造方法 Download PDF

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本発明は、基材の表面に設けられる薄膜、この薄膜を形成するための塗布液、及びこの塗布液に含まれる表面改質金属酸化物微粒子に関する。本発明の表面改質金属酸化物微粒子は、金属酸化物微粒子の表面に有機珪素化合物が結合した形態である。特に、金属酸化物微粒子としてシリカ系中空微粒子を用いて、反射防止膜を形成する技術に関する。
従来から、目的に応じて基板上にいろいろな機能性薄膜が形成されている。機能性薄膜は、その機能を出現させるために金属酸化物微粒子を含んでいることが多い。例えば、ガラス、プラスチックシート、プラスチックレンズ等の透明基材の表面で発生する反射を防止するため、基材表面に反射防止膜を設けることがある。反射防止膜として、シリカ系中空微粒子を含むバインダーで構成された薄膜が用いられている。すなわち、反射防止膜を作製する時には、金属酸化物微粒子としてシリカ系中空微粒子等の低屈折率微粒子が用いられる。このような反射防止膜は、シリカ系中空微粒子を含んだ塗布液を基材表面に塗布することにより形成される。さらに、反射防止性能を維持したまま反射防止膜の耐水性や撥水性を向上させるために、疎水性基を有する有機珪素化合物でシリカ系中空微粒子を表面処理することが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
また、太陽電池セルの受光面に、中空シリカ微粒子と4官能加水分解性オルガノシランの部分加水分解物を含有する塗膜を反射防止膜として設け、表面反射による光のロスを減少させることが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
特開2010−128309号公報 特開2003−298087号公報
上述のように、反射防止膜は基材表面に形成されることが多く、反射防止性能だけでなく、耐擦傷性、スクラッチ強度、撥水性等が求められている。しかしながら、特許文献1に記載された反射防止膜では、十分な耐候性が得られていない。特に、太陽電池システムは屋外へ設置して使用されるため、雨や風、砂塵や温度変化などにも耐えられるように、太陽電池セルに形成された反射防止膜には、高い耐候性が要求される。しかしながら、特許文献1の反射防止膜を太陽電池セルに適用しても、十分な耐候性が得られず、信頼性基準を満たすことができなかった。これは反射防止膜に限らず、金属酸化物微粒子を含む機能性薄膜に共通する課題でもある。すなわち、バインダー中に金属酸化物微粒子が存在する形態の薄膜では、金属酸化物微粒子が存在することにより薄膜の耐候性等がバインダー単体の耐候性等より低下してしまう。
本願発明者らは、機能性薄膜の耐候性を向上させるためには、薄膜をもっと緻密にする必要があると考えて検討した。そして、4官能の有機珪素化合物のオリゴマーで表面処理された金属酸化物微粒子は耐酸性が高く、この金属酸化物微粒子を含有する薄膜が従来よりも緻密になることを見出した。
すなわち、本発明の表面改質金属酸化物微粒子は、金属酸化物微粒子と、金属酸化物微粒子の表面に結合された4官能の有機珪素化合物のオリゴマーを備えている。オリゴマーは4官能の有機珪素化合物のモノマーが結合した形態であり、このオリゴマーの平均分子量は1000〜10000の範囲にある。ここで、4官能の有機珪素化合物は、SiX4(ただし、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素)と表される。
また、表面改質金属酸化物微粒子の製造方法は、金属酸化物微粒子を含んだ微粒子分散液を作製する工程と、4官能の有機珪素化合物を酸の環境下でオリゴマー化してオリゴマー分散液を作製する工程と、オリゴマー分散液から酸を除去するとともに、微粒子分散液を加えて撹拌し、金属酸化物微粒子の表面に4官能の有機珪素化合物のオリゴマーを結合させる修飾工程と、を含んでいる。4官能の有機珪素化合物のモノマーを結合してオリゴマーを作製するためには、酸の環境下におけばよい。一方、このオリゴマーを金属酸化物微粒子の表面に結合するためには、酸を除去してpHを5〜7の範囲にすればよい。
このような表面改質金属酸化物微粒子を用いて薄膜形成用の塗布液を作製できる。すなわち、本発明による塗布液は、4官能の有機珪素化合物のオリゴマーが金属酸化物微粒子の表面に結合された表面改質金属酸化物微粒子と、バインダー成分を含んでいる。オリゴマーは4官能の有機珪素化合物のモノマーが結合した形態であり、その平均分子量は1000〜10000の範囲にある。バインダー成分にも4官能の有機珪素化合物が適している。このとき、オリゴマーを形成する有機珪素化合物(第一有機珪素化合物)とバインダー成分である有機珪素化合物(第二有機珪素化合物)は同じ化合物でも異なる化合物でもよい。このような塗布液を用いて形成された機能性薄膜は、機能を損なわずに耐候性及び信頼性が向上する。
さらに、金属酸化物微粒子としてシリカ系中空微粒子を用いることにより、反射防止膜が作製できる。すなわち、4官能の有機珪素化合物のオリゴマーをシリカ系中空微粒子の表面に結合させて表面改質シリカ系中空微粒子を作製する。表面改質シリカ系中空微粒子とバインダー成分で反射防止膜形成用の塗布液が構成される。オリゴマーは4官能の有機珪素化合物のモノマーが結合した形態であり、オリゴマーの平均分子量は1000〜10000の範囲にある。バインダー成分は4官能の有機珪素化合物(第二有機珪素化合物)であり、オリゴマーを形成する4官能の有機珪素化合物(第一有機珪素化合物)と異なる化合物でも同一の化合物でもよい。このような塗布液を用いて成膜することにより、耐候性及び信頼性が高い反射防止膜が実現できる。
4官能の有機珪素化合物のオリゴマーで金属酸化物微粒子を表面修飾した表面改質金属酸化物微粒子を機能性薄膜に用いることにより、機能性薄膜の機能特性を損なわずに耐候性を向上させることができる。
本発明による表面改質金属酸化物微粒子は、金属酸化物微粒子の表面に4官能の有機珪素化合物のオリゴマーが結合された構成であり、オリゴマーの平均分子量は1000〜10000の範囲にある。ここで、オリゴマーは4官能の有機珪素化合物のモノマーが結合した形態である。このような表面改質金属酸化物微粒子は耐酸性が高く、これを含有する機能性薄膜は耐候性に優れている。特に、モノマーが線状に結合した形態のオリゴマーが好ましい。ここで、4官能の有機珪素化合物はSiX4で表される。ただし、Xは炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基、ハロゲン、水素のいずれかである。具体的には、有機珪素化合物として4官能の加水分解性オルガノシランが例示できる。3官能や2官能の有機珪素化合物は、4官能の有機珪素化合物よりも、薄膜を構成するバインダーとの結合力が低いため、十分な薄膜硬度(鉛筆硬度、耐擦傷性)が得られない。そのため、オリゴマーを形成する有機珪素化合物には4官能が適している。
次に、この表面改質金属酸化物微粒子の製造方法について説明する。はじめに、金属酸化物微粒子を含んだ微粒子分散液を作製する。また、4官能の有機珪素化合物のモノマーを含むモノマー溶液を酸の環境下で撹拌する。これにより、モノマーが平均分子量1000〜10000のオリゴマーとなり、オリゴマー液が作製される。モノマー溶液を酸性にすることにより、有機珪素化合物のモノマーが線状に結合してオリゴマーを形成する。特に、モノマー溶液のpHを0.5〜3.0にすることが望ましい。酸性が強いほど作製されるオリゴマーの分子量は大きくなる。また、撹拌時の温度は20〜100℃、時間は24時間〜30分が好ましい。温度や時間によっても分子量が変わるので、撹拌条件を適宜設定すればよい。仮に、モノマー溶液をアルカリ環境下で撹拌すると、モノマーが立体的に結合してしまい、本発明で望むオリゴマーの形態にならない。
次に、このオリゴマー液から酸を除去するとともに、前述の微粒子分散液を加えて撹拌する。これにより、金属酸化物微粒子の表面に4官能の有機珪素化合物のオリゴマーが結合し、本発明の表面改質金属酸化物微粒子が作製される。金属酸化物微粒子にオリゴマーを結合させるためには、酸を除去してオリゴマー分散液のpHを5〜7の範囲にする必要がある。
酸を除去するタイミングは、オリゴマーを金属酸化物微粒子に結合させる直前であればよく、微粒子分散液とオリゴマー液を加えた溶液から酸を除去してもよい。この場合、微粒子分散液とオリゴマー液を加えた混合溶液から酸を除去させるとともに撹拌することにより、金属酸化物微粒子の表面に4官能の有機珪素化合物のオリゴマーが結合する。このとき、混合溶液のpHは4〜7の範囲になるように酸を除去する。
次に、本発明の表面改質金属酸化物微粒子を用いた塗布液について説明する。本発明による塗布液は、溶媒に前述の表面改質金属酸化物微粒子とバインダー成分を加えた溶液である。この溶液には触媒として微量の酸(無機酸または有機酸)が加えられている。表面改質金属酸化物微粒子は4官能の有機珪素化合物のオリゴマーが金属酸化物微粒子の表面に結合された形態であり、オリゴマーの平均分子量は1000〜10000である。オリゴマーを形成する4官能の有機珪素化合物には、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラクロロシラン等が例示できる。
一方、バインダー成分にも4官能の有機珪素化合物を用いている。塗布液から形成される薄膜の鉛筆硬度や耐擦傷性を高くするためには、バインダー成分には4官能の有機珪素化合物が適しているからである。そして、このバインダー成分に分散、かつ、結合しやすくするために、オリゴマーを4官能の有機珪素化合物で形成することが適している。ここで、オリゴマー化する4官能の有機珪素化合物とバインダー成分に用いる4官能の有機珪素化合物は、異なる化合物でも、同じ化合物でもよい。また、バインダー成分に、4官能の有機珪素化合物だけでなく、3官能の有機珪素化合物を加えてもよい。フルオロ基を有する3官能の有機珪素化合物、例えばトリフルオロプロピルトリメトキシシラン等、を加えることにより、薄膜の耐擦傷性、防汚性、撥水性が向上する。このように、3官能の有機珪素化合物を添加して、薄膜に付加機能を表出させることができる。3官能の有機珪素化合物が有する基を付加したい機能に応じて適宜選択すればよい。ただし、3官能の有機珪素化合物の存在によって、結合性が低下することになるので、3官能の有機珪素化合物を多く添加することは適切ではない。4官能の有機珪素化合物と3官能の有機珪素化合物の比率は、モル比で99.5:0.5〜90:10が好ましい。3官能の有機珪素化合物が99.5:0.5より少ない場合、目的の付加機能を得ることが難しくなり、90:10より多い場合、得られる塗膜の硬度が不十分となる。
他にも、3官能の有機珪素化合物としては、ビニルトリメトキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、p-スチリルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等が例示できる。
上述した表面改質金属酸化物微粒子を含む塗布液を基材の表面に塗って、硬化させることにより、耐候性の高い機能性薄膜が形成できる。塗布法として、ディップ法、スプレー法、スピナー法、ロールコート法、バーコート法、スリットコーター印刷法、グラビア印刷法、マイクログラビア印刷法等が例示できる。塗布する部位や得たい膜厚等によって塗布法を選択する。塗布法に合わせて溶媒の種類や塗布液の固形分濃度を適宜調整する。塗布後、乾燥、焼成処理を行うことにより、機能性薄膜を基材上に形成できる。この機能性薄膜には、オリゴマーが表面に結合された金属酸化物微粒子、すなわち表面改質金属酸化物微粒子が含まれている。前述の通り、オリゴマーは4官能の有機珪素化合物のモノマーが線状に結合した形態が適しており、その平均分子量は1000〜10000の範囲にある。機能性薄膜に、表面改質金属酸化物微粒子が20〜95質量%含まれていることが好ましい。
本技術が適用できる機能性薄膜には、高加工性膜、低誘電率膜、断熱・遮熱膜、反射防止膜、反射膜、透明導電膜、ハードコート膜等が挙げられる。ハードコート膜には金属酸化物微粒子としてシリカ系微粒子が用いられる。また、反射防止膜には金属酸化物微粒子としてシリカ系中空微粒子が用いられる。
以下、シリカ系中空微粒子(以降、単に中空微粒子と称す)を用いた反射防止膜に関して説明する。中空微粒子は中実微粒子に比べ、軽量、低屈折率、低誘電率、高断熱性、加工性が良い等の特徴があり、反射防止膜を形成するための金属酸化物微粒子として適している。特に、中空微粒子の表面に4官能の有機珪素化合物のオリゴマーが結合された表面改質中空微粒子を用いた反射防止膜は耐候性が高い。オリゴマーは有機珪素化合物のモノマーが線状に結合した構成が好ましく、その平均分子量は1000〜10000が適切である。このような表面改質中空微粒子は耐酸性が高く、これを含有する反射防止膜は緻密になる。このとき、中空微粒子の重量の3〜90%の重量のオリゴマーが中空微粒子に結合している。反射防止膜として使用する場合、膜厚は80〜120nmまたは180〜220nmであることが好ましい。これらの範囲から外れる場合は十分な反射防止効果が得られない。
次に、表面改質中空微粒子を含有する塗布液について説明する。この反射防止膜形成用の塗布液は、溶媒に前述の表面改質中空微粒子とバインダー成分を加えた溶液である。この溶液には触媒として微量の酸が加えられている。表面改質中空微粒子は、4官能の有機珪素化合物のオリゴマーが表面に結合された中空微粒子の形態であり、オリゴマーの平均分子量は1000〜10000の範囲にある。バインダー成分には4官能の有機珪素化合物を用いている。
このとき、塗布液の固形分濃度は0.5〜10%が好ましい。0.5%以下だと、反射防止膜の外観不良が起きやすくなるうえ、膜厚を均一にすることが困難であり、生産性が低くなり実用性がなくなる。10%以上だと所望の膜厚の被膜が得られにくい上、塗膜にクラックが発生しやすい。
塗布液の固形分とは表面改質中空微粒子とバインダー成分(4官能の有機珪素化合物)の総量和である。表面改質中空微粒子とバインダー成分の固形分比率は95:5〜20:80が適している。中空微粒子の比率が95:5より大きいと得られる被膜の硬度が弱くなり、20:80より小さいと、反射防止膜として使用する場合、得られる被膜の屈折率が不十分となり、所望の反射防止性能を得ることができない。
上述の反射防止膜は光電気セルに適用できる。すなわち、上述の反射防止膜形成用の塗布液を、透明基板に塗布し、乾燥処理と焼成処理を行う。この透明基板を光電気セルの入光面側に配置する。透明基板は光電気セルの保護基材として用いてもよいし、透明基板の他方の面に電極や光電変換素子を構成して、光電気セルを構成する基板として用いてもよい。
以下に、反射防止膜に係る実施例を詳細に説明する。
(実施例1)
本実施例では、表面改質中空微粒子とその製造方法、塗布液、反射防止膜について、順に説明する。本実施例の表面改質中空微粒子は、中空微粒子の表面にテトラエトキシシランのオリゴマーが結合した構成であり、オリゴマーの平均分子量は1500である。
以下に、表面改質中空微粒子の製造方法を詳細に説明する。
[中空微粒子の作製工程]
はじめに、中空微粒子を作製する。シリカゾル(日揮触媒化成(株)製:カタロイドSI−550、平均粒子径5nm、SiO2濃度20質量%)10gに、純水390gを加えて80℃に加温する。この溶液を80℃に保ちながら、SiO2としての濃度1.5質量%の珪酸ナトリウム水溶液8500gと、Al23としての濃度0.5質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液8500gを24時間かけて溶液に添加する。これにより複合酸化物微粒子(1)の水分散液が作製される。このとき、複合酸化物微粒子(1)の平均粒子径をレーザー散乱法で測定した結果、40nmであった。
次いで、この複合酸化物微粒子(1)の水分散液に、SiO2としての濃度1.5質量%の珪酸ナトリウム水溶液27000gと、Al23としての濃度0.5質量%のアルミン酸ナトリウム水溶液9000gを50時間かけて添加し、複合酸化物微粒子(2)の水分散液を作製する。このとき、複合酸化物微粒子(2)のレーザー散乱平均粒子径は60nmであった。pHは12.5、固形分濃度は1.2%であった。この複合酸化物微粒子(2)の水分散液に純水を添加しながら限外濾過膜を用いて、pHが10.0になるまで洗浄し、その後、固形分濃度が13質量%になるまで濃縮する。その結果、複合酸化物微粒子(3)の水分散液が得られる。このとき、複合酸化物微粒子(3)のレーザー散乱平均粒子径は59nmであった。
この複合酸化物微粒子(3)の水分散液から中空微粒子を作製する。固形分濃度13質量%の複合酸化物微粒子(3)の水分散液500gに純水1125gを加える。さらに、濃塩酸(濃度35.5質量%)を滴下してpHを1.0にする。次いで、pH2の塩酸水溶液10Lと純水5Lを加えながら、限外濾過膜を用いて溶解したアルミニウム塩を分離・洗浄する。これにより中空微粒子(1)の水分散液が得られる。この水分散液の固形分濃度は20質量%であり、pHは3であった。
さらに、この中空微粒子(1)の水分散液にpHが12.0になるようにアンモニア水を添加する。次いで、この水分散液を200℃で45時間撹拌し、25℃まで温度を低下させる。その後、陽イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSK1BH)400gを添加し、3時間撹拌する。その後、陽イオン交換樹脂を分離し、25℃にする。それから、陰イオン交換樹脂(三菱化学(株)製:ダイヤイオンSA20A)200gを添加して、25℃で3時間撹拌する。その後、陰イオン交換樹脂を分離すると、固形分濃度20質量%の中空微粒子(2)の水分散液が得られる。
次いで、限外濾過膜を用いてこの水分散液の溶媒をエタノールに置換し、固形分濃度20質量%の中空微粒子(2)のアルコール分散液を得る。
[表面改質用オリゴマー液の作製工程]
次に、中空微粒子(2)の表面を修飾するオリゴマー液を作製する。エタノール1478gに純水240gと61質量%の硝酸32gを加えた溶液を25℃に調整する。次に、この溶液に、4官能の有機珪素化合物としてテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:エチルシリケート-40)250gをゆっくり添加し、50℃で60分間撹拌する。これにより、テトラエトキシシランのモノマー同士が加水分解により縮合し、オリゴマーが形成される。このとき、モノマーは線状に結合してオリゴマーを形成する。このときの溶液のpHは1.9であった。
この溶液を25℃にしてから、両性イオン交換樹脂(ローム・アンド・ハース社製:デュオライトUP-7000)を50g添加する。この溶液を1時間撹拌した後、イオン交換樹脂を分離する。イオン交換を行うことにより、溶液の酸が除去される。このようにして表面改質用のオリゴマー液が得られる。このとき、オリゴマー液のpHは5.5で、GPCで測定したオリゴマーの平均分子量は1500程度である。また、このオリゴマー液の溶媒を1000℃で蒸発させたときの固形分残渣の濃度は5質量%であった。
[表面改質中空微粒子の作製工程]
前述の固形分濃度5質量%の表面改質用のオリゴマー液を500g用意し、これに20質量%の中空微粒子(2)のアルコール分散液500gを添加して、50℃で19時間撹拌する。このとき、オリゴマー液から酸を除去して、pHを5〜7の範囲にしておく必要がある。したがって、この工程の直前に、酸の除去処理、例えばイオン交換を行うことが望ましい。このようにすれば、中空微粒子の表面にテトラエトキシシランのオリゴマーが結合し、表面改質中空微粒子のアルコール分散液が得られる。このとき、オリゴマーの固形分(Wor)と中空微粒子の固形分(Wpa)の重量比率(Wor/Wpa)が5〜100%になるように、表面改質用のオリゴマー液と中空微粒子(2)のアルコール分散液を混合する。このような比率で混合しても、本工程で全てのオリゴマーが中空微粒子に結合する訳ではなく、中空微粒子の重量の3〜90%に相当する重量のオリゴマーが中空微粒子に結合する。ここでは、中空微粒子の固形分に対するオリゴマーの固形分重量が25%(500g*5%)/(500g*20%)=1/4=25%)となるように、中空微粒子のアルコール分散液とオリゴマー液を混合した。
このような製造方法により、中空微粒子の表面に4官能の有機珪素化合物のオリゴマーが結合された表面改質中空微粒子が得られる。
表面改質中空微粒子の耐酸性は、以下のように評価できる。表面改質中空微粒子のアルコール分散液を0.3質量%となるようにエタノールで希釈する。この0.3質量%のアルコール分散液100gに、6.1質量%の硝酸を0.16g添加して、25℃で1分間撹拌し、直後と3時間後の平均粒子径を測定した。1分後は65nm、3時間後は66nmであった。表面改質中空微粒子の耐酸性が高いと、平均粒子径に経時的変化が発生しない。中空微粒子に結合するオリゴマーの平均分子量が1000〜10000であれば、表面改質中空微粒子の耐酸性は高く、このような表面改質シリカ系中空微粒子を含む薄膜は緻密であり、耐候性が高い。
次に、この表面改質中空微粒子を含む反射防止膜形成用の塗付液を作製する。
[塗布液の作製工程]
塗布液は、この表面改質中空微粒子のアルコール分散液をバインダー溶液に加えることで作製される。まず、バインダー溶液の溶媒を調製する。変性アルコール104.4gに純水59.9gと61%硝酸0.99gを添加して25℃で15分撹拌する。次いで、この溶媒に、バインダー成分としてテトラエトキシシラン(多摩化学工業(株)製:ES−28)34.8gを1分間かけて添加する。これを、30℃で3時間撹拌する。その後20℃まで冷却する。これにより、バインダー溶液が得られる。ここでは、変性アルコールにソルミックスAP‐11(日本アルコール販売(株)製)を用いた。次いで、このバインダー溶液200.0gに20質量%の表面改質中空微粒子のアルコール分散液74.7gを添加する。このとき、塗布液の溶媒として変性アルコール549.4gも加える。このようにして得られる溶液を、25℃で3時間撹拌して反射防止膜用の塗布液を得た。
[反射防止膜の作製工程]
次に、この塗布液から反射防止膜を作製する。この塗布液をバーコーター法(#4)でガラス基板(浜新(株)株式会社製のFL硝子(厚さ3mm、屈折率1.51、ヘーズ0.1%、全光線透過率92.0%)に塗布する。80℃で2分間乾燥させた後、500℃で30分間加熱する。塗布液は硬化して低屈折率層となり、反射防止膜として機能する。このようにして、ガラス基板上に反射防止膜が作製される。このとき、反射防止膜の平均厚みは100nmであった。
[反射防止膜の評価]
このようにして作製された反射防止膜の性能を評価する。初期特性として、屈折率、反射率、ヘーズ、透過率、耐擦傷性、接触角を測定する。屈折率は反射分光膜厚計(大塚電子(株)製:FE−3000)を用いて、透過率とヘーズはヘーズメーター(スガ試験機(株)製)を用いて、反射率は分光光度計(日本分光社製:Ubest-55)を用いて測定された。測定結果は、屈折率1.33、反射率0.6%、ヘーズ0.1%、透過率95.4%であった。さらに、信頼性試験(ヒートサイクルテスト、高温高湿テスト)を行い、試験後の反射率、ヘーズ、透過率、耐擦傷性をそれぞれ測定する。ヒートサイクルテストは、反射防止膜を静置したまま、−20℃の環境下で3時間、続いて80℃の環境下で3時間を1サイクルとし、120サイクル繰り返した。高温高湿テストは、反射防止膜を静置したまま、85℃で湿度85%の環境下で、1000時間曝露した。以上の信頼性試験を実施した後、反射防止膜の耐擦傷性、全光線透過率、ヘーズ、反射率を測定した。耐擦傷性の評価は次のように行う。荷重2kg/cm2で10回摺動させて、膜の表面を目視観察し、以下の基準で評価する。
筋条の傷が認められない :◎
筋条に傷が僅かに認められる:○
筋条に傷が多数認められる :△
面が全体的に削られている :×
[試料の評価]
表面改質中空微粒子の作製条件を変えて塗布液を作製し、この塗布液から得られる反射防止膜の性能を評価した。表1にこの評価結果を示す。
Figure 0006266230
表中の試料1は実施例1に相当する。ここでは、塗料のバインダーに4官能の有機珪素化合物であるテトラエトキシシランを用い、表面改質中空微粒子とバインダーであるテトラエトキシシランの重量比を60:40とした。この塗料を用いて、膜厚100nmの反射防止膜をガラス基板に作製した。
試料2は、オリゴマー化の条件を試料1に比べて、低pH、高温、長時間とするものであり、試料1に比べてオリゴマーの平均分子量が大きい。試料3は、オリゴマーをテトラメトキシシランで構成した点で試料2と相違している。試料2に比べてオリゴマーの平均分子量が大きい。試料4で用いた表面改質中空微粒子は、中空微粒子の分散液とオリゴマーを混合させてから酸を除去することにより、オリゴマーが中空微粒子に結合されたものである。試料5は、中空微粒子の固形分量に対するオリゴマーの固形分量(すなわち、固形分量比)を70%に増加した点で試料1と異なっている。逆に、試料6は固形分量比を10%に下げている。オリゴマーの量が少ないので他の試料ほどの性能は得られないが、信頼性試験後でも劣化は少ない。
比較試料1は、表面に有機珪素化合物が結合していない中空微粒子を用いた塗布膜である。ここで用いられる中空微粒子は、0.3質量%となるようにエタノールで希釈した上述の中空微粒子(2)のアルコール分散液100gに、6.1質量%の硝酸を0.16g添加し、25℃で1分間撹拌する。このときの中空微粒子の粒子径は89nmであるが、3時間後の粒子径は5097nmであった。このような中空微粒子を含んだ塗布液で形成された膜は、初期的にも耐擦傷性が低いが、信頼性試験後に反射率やヘーズが悪化している。
比較試料2は表面に有機珪素化合物のモノマーが結合した中空微粒子を用いた塗布膜である。信頼性試験により性能が劣化していることが解る。ここで用いられた中空微粒子は以下のように作製される。上述した20質量%の中空微粒子(2)のアルコール分散液500gにテトラエトキシシランを34.7g添加して、50℃で19時間熟成させ、中空微粒子(3)のアルコール分散液を作製する。これをエタノールで希釈して得られる0.3質量%の中空微粒子(3)のアルコール分散液100gに、6.1質量%の硝酸を0.16g添加し、25℃で1分間撹拌する。こうして得られた中空微粒子の粒子径は75nmで、3時間後の粒子径は351nmであった。経時的に粒子径が大きくなる中空微粒子を薄膜に用いた場合、この薄膜の信頼性は低いことが解る。
比較試料3は中空微粒子に結合するオリゴマーの平均分子量を12000と大きくしたときの反射防止膜である。平均分子量を大きくするため、オリゴマー化の条件を試料1に比べて高温度・長時間とし、pHも調整している。信頼性試験による劣化は少ないが、初期から耐擦傷性が低い。
次に、表面改質中空微粒子の作製条件を変えずに、塗布液のバインダー成分に3官能の有機珪素化合物を添加した時に、この塗布液から得られる反射防止膜の性能を評価した。具体的には、3官能の有機珪素化合物の添加量や、中空微粒子とバインダー成分の量比を変えて塗布液を調製した。この塗布液を用いてガラス基板に膜厚100nmの反射防止膜を作製した。表2にこの評価結果を示す。
Figure 0006266230
試料7〜10では、中空微粒子は、試料1と同様に、表面にテトラエトキシシランのオリゴマーが接合され、これにより表面改質されている。すなわち、表面改質中空微粒子は試料1と同様に作製される。一方、比較試料4は、中空微粒子の表面にテトラエトキシシランのモノマーが接合された中空微粒子である。各試料を形成するために用いられた塗布液は、4官能の有機珪素化合物であるテトラエトキシシランと3官能の有機珪素化合物であるトリフルオロプロピルトリメトキシシランをバインダー成分として含んでおり、表中に記載の混合比で混合されている。このバインダー成分と中空微粒子の重量比も表中の割合で混合されている。試料7を形成した塗布液は、テトラエトキシシランとトリフルオロプロピルトリメトキシシランを99:1で混合したバインダー成分を持ち、このバインダー成分と中空微粒子を60:40の割合で含んでいる。試料8はテトラエトキシシランとトリフルオロプロピルトリメトキシシランを95:5で混合した点が試料7と相違する。試料9は、バインダー成分と中空微粒子を80:20の割合で含んでいる点で試料7と相違する。試料10は、バインダー成分と中空微粒子を30:70の割合で含んでいる点で試料7と相違する。試料9はバインダー成分が少ないため、初期から耐擦傷性が低いが、信頼性試験後でもほとんど変化しない。比較試料4は良好な初期性能を示すものの、信頼性試験により性能は低下する。
(実施例2)
ここでは、実施例1の反射防止膜を光電気セルに適用する場合を説明する。光電気セルでは、光電変換層に効率よく光が届くように、光電変換層より入光面側に反射防止膜が設けられる。
[光電気セル]
本実施例の光電気セルは、表面に透明電極が形成された透明基板と、表面に対向電極が形成された対向基板との間に光電変換層として電解質が設けられた構成である。透明電極の表面には、光増感材を吸着した金属酸化物半導体膜が形成されている。
透明基板の一方の表面には透明電極が形成され、他方の表面には反射防止膜が設けられる。反射防止膜が光電気セルの外方に位置するように構成される。すなわち、反射防止膜を、光電気セルの最も外側の面(最外面)に設ける必要がある。光電気セルの外方に基材が配置される場合には、この基材の最外面に反射防止膜を設ければよい。あるいは、基材の両面に反射防止膜を設けてもよい。
透明基板と透明電極の可視光透過率は高い方が好ましく、具体的には50%以上、特に90%以上が望ましい。可視光透過率が50%未満の場合は光電変換効率が低くなることがある。透明電極と対向電極の抵抗値は、各々100Ω/cm2以下であることが好ましい。電極層の抵抗値が高いと光電変換効率が低くなることがある。
透明基板としてはガラス基板、PETなどの有機ポリマー基板などの透明でかつ絶縁性を有する基板を用いることができる。また、対向基板としては、使用に耐える強度を有していればよく、ガラス基板、PETなどの有機ポリマー基板などの絶縁性基板の他に、金属チタン、金属アルミニウム、金属銅、金属ニッケルなどの導電性基板も使用できる。
透明電極には、酸化錫、Sb、FまたはPがドーピングされた酸化錫、SnとFの少なくとも一方がドーピングされた酸化インジウム等の電極材料を使用できる。このような透明電極は、熱分解法やCVD法などの方法により形成できる。
また、対向基板に形成された対向電極には、還元触媒能を有する材料が用いられる。このような電極材料を、対向基板上に直接コーティング、メッキあるいは蒸着させて対向電極とすることができる。あるいは、透明電極に用いる電極材料を熱分解法やCVD法で対向基板上に形成して導電層とし、この導電層上に還元触媒能を有する電極材料をメッキや蒸着により設けて対向電極とすることができる。
金属酸化物半導体膜は、酸化チタン、酸化ランタン、酸化ジルコニウム、酸化ニオビウム、酸化タングステン、酸化ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムから選ばれる少なくとも1種の金属酸化物を含んでいればよい。この金属酸化物半導体膜の膜厚は、0.1〜50μmの範囲にあることが好ましい。なお、金属酸化物半導体膜を対向基板の対向電極上に形成してもよい。
ここで、金属酸化物は球状粒子であって、その平均粒子径が1〜600nmの範囲にあることが好ましい。なお、球状粒子の粒子径はレーザードップラー式粒子径測定機(日機装(株)製:マイクロトラック)によって測定することができる。球状粒子の平均粒子径が1nm未満であると、形成された金属酸化物半導体膜にクラックが発生しやすく、少ない回数でクラックのない厚膜を形成することが困難になり、さらに金属酸化物半導体膜の細孔径、細孔容積が低下し光増感材の吸着量が低下することもある。また、球状粒子の平均粒子径が600nmを超えて大きい場合には、金属酸化物半導体膜の強度が不充分となることがある。
このような球状粒子は、結晶性酸化チタンからなることが好ましい。特に、アナタース型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、ルチル型酸化チタンを少なくとも1種含むことが好ましい。結晶性酸化チタンはバンドギャップが高く且つ誘電率が高く、他の金属酸化物粒子に比較して光増感材の吸着量が高く、さらに安定性、安全性、膜形成が容易である等の優れた特性がある。

Claims (9)

  1. 金属酸化物微粒子の表面に4官能の有機珪素化合物のオリゴマーが結合された、薄膜形成用塗布液に用いられる表面改質金属酸化物微粒子であって、
    前記オリゴマーは前記4官能の有機珪素化合物のモノマーが線状に結合した形態であり、前記オリゴマーの平均分子量が1000〜10000の範囲にあることを特徴とする表面改質金属酸化物微粒子。
  2. 金属酸化物微粒子と、
    前記金属酸化物微粒子の表面に結合された、4官能の有機珪素化合物のオリゴマーを備え、
    前記オリゴマーは前記4官能の有機珪素化合物のモノマーが結合した形態であり、前記オリゴマーの平均分子量が1000〜10000の範囲にあり、前記金属酸化物微粒子がシリカ系中空微粒子であることを特徴とする表面改質金属酸化物微粒子。
  3. 前記オリゴマーが前記シリカ系中空微粒子に結合する重量は、前記シリカ系中空微粒子の重量の3〜90%に相当することを特徴とする請求項に記載の表面改質金属酸化物微粒子。
  4. 金属酸化物微粒子を含んだ微粒子分散液を作製する工程と、
    4官能の有機珪素化合物を酸の環境下でオリゴマー化させ、オリゴマー液を作製する工程と、
    前記オリゴマー液から酸を除去するとともに、前記微粒子分散液を加えて撹拌することにより、前記金属酸化物微粒子の表面に前記4官能の有機珪素化合物のオリゴマーを結合させる修飾工程と、を含む表面改質金属酸化物微粒子の製造方法。
  5. 前記修飾工程が、前記微粒子分散液と前記オリゴマー液を加えた溶液から酸を除去するとともに撹拌を行うことにより、前記金属酸化物微粒子の表面に前記4官能の有機珪素化合物のオリゴマーを結合する工程である請求項に記載の表面改質金属酸化物微粒子の製造方法。
  6. 4官能の第一有機珪素化合物のオリゴマーが金属酸化物微粒子の表面に結合されてなる表面改質金属酸化物微粒子と、バインダー成分を含むとともに、
    前記オリゴマーは前記第一有機珪素化合物のモノマーが結合した形態であり、前記オリゴマーの平均分子量が1000〜10000の範囲にあり、前記バインダー成分が4官能の第二有機珪素化合物であることを特徴とする薄膜形成用の塗布液。
  7. 前記バインダー成分が3官能の有機珪素化合物も含むことを特徴とする請求項に記載の薄膜形成用の塗布液。
  8. 請求項6または7のいずれか一項に記載の塗布液で形成された薄膜を表面に備えることを特徴とする薄膜付き基材。
  9. 請求項6または7のいずれか一項に記載の塗布液で形成された薄膜を持つ透明基材を備えるとともに、前記薄膜が反射防止膜として機能することを特徴とする光電気セル。
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