JP2007284660A - ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、オレフィンに含酸素化合物または含硫黄化合物が混入した場合においても、多段重合において活性が高く、衝撃強度、長期特性、耐塩素水性、耐溶出性、成型加工性に優れたポリオレフィンの製造方法を提供することを課題としている。
【解決手段】α−オレフィンを多段重合してポリオレフィンを製造する方法であり、この多段重合が少なくとも低分子量成分と高分子量成分とを製造する重合であり、この多段重合における低分子量成分製造時の重合器内の水素濃度が40モル%以上90モル%以下であり、この多段重合における低分子量成分製造時の平均滞留時間が1.5時間以上10時間以下であり、この重合に使用される触媒が特定の固体触媒[A]と特定の有機アルミニウム化合物[B]からなり、多段重合の各段において有機アルミニウム化合物[B]が重合反応器に添加されることを特徴とする、ポリオレフィンの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明はポリオレフィンの製造方法に関する。さらに詳しくは、従来公知の方法と比較して、含酸素化合物および含硫黄化合物からなる群に属する化合物を0.01モルppm以上100モルppm以下を含有するα−オレフィンを多段重合した場合に、触媒当たりの活性が非常に高く、なおかつ製造されたポリオレフィンの耐塩素水性、耐溶出性および成型加工性が優れたポリオレフィンの製造方法に関する。
オレフィン重合用触媒において、重合活性の増大は非常に重要である。以前は活性が低かったため、残存触媒を除去する工程が必要であったが、現在は塩化マグネシウム担体を用いる技術が一般的になったためこの工程は必要無くなった。しかし、現在でもなお高活性化に対する要望は強く存在している。
活性が低い場合にはポリオレフィン中の酸性物質含有量が増大する。例えば、非特許文献1に記載されているように、酸性物質含有量はポリオレフィンの熱安定性に大きく影響し、酸性物質含有量が高い場合には熱安定性が顕著に悪化する。また、この酸性物質は成形機にも影響をおよぼし、酸性塩素含有量が高い場合には成形機の腐食が促進される。このため、触媒のチタン当たりの活性が低い場合には、生成したポリオレフィンの熱安定性および成形機の腐食等の問題があった。これを解決するためにステアリン酸カルシウム等の金属石鹸を添加する手法があるが、多量の金属石鹸の添加が必要なため、ブローグレードではピンチオフ融着性が悪化したり目やにの原因になる等の問題があった。
オレフィン中に含まれる含酸素化合物および含硫黄化合物からなる群に属する化合物とオレフィン重合用触媒の活性とには明確な相関があり、含酸素化合物および含硫黄化合物からなる群に属する化合物の含有量が高くなると活性が低下する。それは、重合活性点に含酸素化合物の非共有電子対が配位することにより、重合活性点が失活するためであると考えられている。
これらの現象が発生することを防ぐため、現在はオレフィン中の含酸素化合物および含硫黄化合物からなる群に属する化合物の濃度が厳しく管理されている。しかし、この管理するシステムの不調が製造されたポリオレフィンの品質に直接影響する問題があった。
ところで、パイプ用、特に上水道パイプ用に使用されているポリオレフィンは一般に多段重合により製造されている。このポリオレフィンには様々な特性が必要であり、例えば衝撃強度、長期特性、耐塩素水性、耐溶出性、成型加工性、等が必要である。耐塩素水性、耐溶出性に対しては、ポリオレフィン中に含まれる触媒残渣が顕著に影響をおよぼし、触媒活性が低く触媒残渣が多量に存在する場合には耐塩素水性および耐溶出性が顕著に低下することが知られている。特に、成型加工性は極めて変動の激しい因子であり、ポリオレフィンを製造する際に高い精度が必要とされ、わずかな製造条件の違いが成型加工性に大きく影響する。
しかしながら、オレフィン中の含酸素化合物および含硫黄化合物からなる群に属する化合物の濃度が変動した際に、安定した成型加工性を得る手段が無かった。特許文献1には含酸素化合物が混入したオレフィン重合方法が開示されているが、水素濃度が高い場合、および、たとえば多段重合のように重合時間が長く、オレフィンを複数回重合する場合に含酸素化合物が混入した場合にはその効果は充分ではなく、重合活性が顕著に低下し、また製造されるポリオレフィンの成型加工性が変化する課題があった。
高分子添加剤の新展開、日刊工業新聞社、1998年、P.76 特開2004−067731号公報
本発明は、上記のような従来技術を鑑みてなされたものであり、オレフィンに含酸素化合物または含硫黄化合物が混入した場合においても、多段重合において活性が高く、衝撃強度、長期特性、耐塩素水性、耐溶出性、成型加工性に優れたポリオレフィンの製造方法を提供することを課題としている。
本発明者らは、従来技術の欠点を改良するため鋭意研究を重ねた結果、オレフィンに含酸素化合物および含硫黄化合物が混入した場合においても、多段重合において活性が高く、パイプ用途に適したポリオレフィンを製造できることを見出し、本発明を成すに至った。
すなわち、本発明は、
1) 少なくとも低分子量成分を重合する段と高分子量成分を重合する段とを含む多段重合を利用してポリオレフィンを製造する方法であり、下記の(a)および(b)の要件を満たすことを特徴とする、ポリオレフィンの製造方法、
(a)多段重合における低分子量成分を重合する段において、
(a−1)重合器内の気相部における水素濃度が40モル%以上90モル%以下である
(a−2)平均滞留時間が1.5時間以上10時間以下である
(b)この多段重合に使用される触媒がチタン−マグネシウム複合型チーグラー触媒[A]と有機アルミニウム化合物[B]からなり、
(b−1)有機アルミニウム化合物[B]が下記一般式4で示され、多段重合の各段において有機アルミニウム化合物[B]が重合反応器に添加される
一般式 R AlH(3−h) ・・・式4
(式中、Rは炭素数1以上12以下の炭化水素基であり、hは1以上3未満の実数である。)
2) チタン−マグネシウム複合型チーグラー触媒[A]が、下記一般式1で表される不活性炭化水素溶媒に可溶である有機マグネシウム化合物と下記一般式2で表される塩素化剤との反応により調製された担体(A−1)に、下記一般式3で表されるチタン化合物(A−2)を担持することにより調製されることを特徴とする、1)に記載のポリオレフィンの製造方法、
(Mα(Mg)β(R(R(OR・・・・・式1
(式中、Mは周期律表第1族、第2族、第12族および第13族からなる群に属するマグネシウム以外の金属原子であり、R、RおよびRはそれぞれ炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、α、β、a、bおよびcは次の関係を満たす実数である。0≦α、0<β、0≦a、0≦b、0≦c、0<a+b、0≦c/(α+β)≦2、kα+2β=a+b+c(ただし、kはMの原子価))
SiCl (4−(d+e))・・・・・式2
(式中、Rは炭素数1以上12以下の炭化水素基であり、dとeは次の関係を満たす数である。1≦d、1≦e、2≦d+e≦4)
Ti(OR(4−f)・・・・・式3
(式中、fは0以上4以下の実数であり、Rは炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子である。)
3) 重合器内に存在する有機アルミニウム化合物[B]において、Al−R結合量に対するAl−H結合量のモル比[X]が0.01モル倍以上1モル倍以下の範囲にあり、かつ、重合器内に存在する含酸素化合物および含硫黄化合物からなる群に属する化合物量に対するAl−H結合量のモル比[Y]が1モル倍以上100モル倍以下の範囲にあることを特徴とする、1)または2)に記載のポリオレフィンの製造方法、
4) 重合器内に存在する含酸素化合物および含硫黄化合物からなる群に属する化合物量に対するAl−H結合量のモル比[Y]が多段重合における前段よりも後段の方が高いことを特徴とする、1)から3)のいずれかに記載のポリオレフィンの製造方法、
である。
本発明により、オレフィンに含酸素化合物または含硫黄化合物が混入した場合においても、多段重合において活性が高く、衝撃強度、長期特性、耐塩素水性、耐溶出性、成型加工性に優れたポリオレフィンを製造することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明における多段重合法について説明する。本発明における多段重合法とは、例えば特公昭35−15246号公報、特公昭46−11349号公報、特公昭48−42716号公報、特開昭51−47079号公報、特開昭52−19788号公報、特許2505752号公報等で報告されている公知技術であり、複数の重合器が通常は直列に連結された多段重合装置によりα−オレフィンを単独重合または共重合する方法である。
次に、本発明における低分子量成分について説明する。本発明においては、低分子量成分の分子量については特に制限はないが、重量平均分子量(Mw)が5000以上10万以下であることが好ましく、Mwが1万以上7万以下であることがさらに好ましい。Mwが5000以上である場合には、低分子量成分がポリオレフィンの物性向上に寄与するため物性、特に衝撃強度が向上し、Mwが10万よりも小さい場合には低分子量成分が成型加工性向上に寄与するために成型加工性が向上する。なお、本発明では、Mwはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。該低分子量成分の密度については特に制限は無いが、950kg/m以上985kg/m以下であることが好ましく、960kg/m以上980kg/m以下であることがさらに好ましい。なお、本発明においては、密度はJIS K7112:1999に従って測定した。該低分子量成分の分子量分布については特に制限は無いが、GPCにより測定したMwと数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が3以上20以下であることが好ましく、4以上13以下であることがさらに好ましい。
次に、本発明における高分子量成分について説明する。本発明においては、高分子量成分の分子量には特に制限は無いが、Mwが20万以上200万以下であることが好ましく、Mwは30万以上150万以下であることがさらに好ましい。Mwが20万以上の場合には長期特性に優れ、Mwが200万以下の場合には成型加工性が優れる。該高分子量成分の密度については特に制限は無いが、890kg/m以上970kg/m以下であることが好ましく、895kg/m以上960kg/m以下であることがさらに好ましい。
次に、本発明における重合器内の水素濃度について説明する。本発明においては、低分子量成分製造時の重合器内の水素濃度は40モル%以上90モル%以下であり、45モル%以上80モル%以下であることが好ましい。40モル%以上であれば成型加工性に優れたポリオレフィンの製造が可能であり、十分に分子量を制御することが可能であり、90モル%以下であれば衝撃強度が改善できる。なお、本発明における重合器内の水素濃度とは、重合器内の気相部分をガスクロマトグラフィーを用いて分析することにより得られた水素濃度(単位はモル/リットル)とα−オレフィン濃度(単位はモル/リットル)とを用いて、下記の数式に従って算出された値のことであり、単位はモル%である。
水素濃度(モル%)=水素濃度(モル/リットル)/{水素濃度(モル/リットル)+α−オレフィン濃度(モル/リットル)} ・・・数式1
オレフィン重合においては、一般に分子量は重合器内の水素濃度(モル%)で制御されており、重合器内の水素濃度(モル%)が高いほうが、生成するポリオレフィンの分子量が低下する。従って、上述の多段重合法により低分子量成分を製造するためには、重合器内の水素濃度を高める必要がある。一方、水素濃度を高めた際には重合活性が低下することが一般に知られている。この高い水素濃度での重合時において、α−オレフィンに含酸素化合物および含硫黄化合物が混入した場合には、顕著に活性が低下した。この原因については明確ではないが、本発明によりこの活性の低下を抑制することが可能となった。
次に、本発明における平均滞留時間について説明する。本発明においては、多段重合における低分子量成分製造時の平均滞留時間が1.5時間以上10時間以下であり、2時間以上6時間以下であることが好ましい。平均滞留時間が1.5時間以上である場合には、触媒あたりのポリオレフィンの生産性が充分に高いために耐塩素水性、耐溶出性が向上し、10時間以下である場合には高い単位時間あたりの生産性でポリオレフィンを製造することができる。なお、本発明における平均滞留時間とは、重合器内において触媒とモノマーとが反応している平均的な時間のことである。すなわち、本発明における平均滞留時間とは、バッチ重合の場合には触媒とモノマーとがリアクター内で反応を開始してから、重合器内での重合反応を停止させるまでの時間のことであり、連続重合の場合には、重合器内の溶媒の体積とポリオレフィンの体積との和を、重合器から溶媒とポリオレフィンとが定常的に抜き取られる体積あたりの速度で除すことにより得られる値である。したがって、平均滞留時間を延長するためには、重合器内の溶媒の体積とポリオレフィンの体積との和に対する、重合器から定常的に抜き取られる体積あたりの速度を下げる必要がある。したがって、平均滞留時間を延長しつつ、単位時間あたりの生産性を一定に保つためには、定常的に抜き取られるポリオレフィンの量を一定に保つことが必要であり、このためには重合器内の溶媒に対するポリオレフィンの割合を上げる必要がある。一方、重合器内の溶媒に対するポリオレフィンの割合には限界があり、この限界は重合の条件により異なるが、この限界を超えると重合器内のスラリーの流動性が悪化する、ポリオレフィンの塊が発生する等の不具合が生じて安定生産が困難になる可能性がある。
次に、本発明における固体触媒[A]について説明する。本発明の固体触媒[A]は、チタン−マグネシウム複合型チーグラー触媒である。この触媒は、チタン原子、マグネシウム原子、ハロゲン原子から構成される触媒である。本発明の固体触媒[A]の調製方法には特に制限は無く、例えば、マグネシウム原子供給源である原料としてハロゲン化マグネシウム化合物を用いる方法、アルコキシマグネシウム化合物を用いる方法、不活性炭化水素溶媒に可溶である有機マグネシウム化合物を用いる方法のいずれの方法も差し支えなく適用できる。また、チタン原子供給源である原料として、例えば、ハロゲン化チタン化合物を用いる方法、アルコキシチタン化合物を用いる方法のいずれの方法も差し支えなく使用できる。また、ハロゲン原子供給源である原料として、例えば、ハロゲン化チタン化合物を用いる方法、ハロゲン化ケイ素化合物を用いる方法、ハロゲン化アルミニウム化合物を用いる方法のいずれの方法も差し支えなく使用できる。該固体触媒[A]の製造方法は、例えば、特公昭46−34092号公報、特公昭47−41676号公報、特公昭55−23561号公報、特公昭57−24361号公報、特公昭52−39431号公報、特公昭52−36786号公報、特公平1−28049号公報、特公平3−43283号公報、特開平4−80044号公報、特開昭55−52309号公報、特開昭58−21405号公報、特開昭61−181807号公報、特開昭63−142008号公報、特開平5−339319号公報、特開昭54−148093号公報、特開平4−227604号公報、特開平6−2933号公報、特開昭64−6006号公報、特開平6−179720号公報、特公平7−116252号公報、特開平8−134124号公報、特開平9−31119号公報、特開平11−228628号公報、特開平11−80234号公報、および特開平11−322833号公報に記載されたいずれの方法でも差し支えない。
本発明において固体触媒[A]として好ましくは、下記一般式1で表される不活性炭化水素溶媒に可溶である有機マグネシウム化合物と下記一般式2で表される塩素化剤との反応により調製された担体(A−1)に、下記一般式3で表されるチタン化合物(A−2)を担持することにより調製される。
(Mα(Mg)β(R(R(OR・・・・・式1
(式中、Mは周期律表第1族、第2族、第12族および第13族からなる群に属するマグネシウム以外の金属原子であり、R、RおよびRはそれぞれ炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、α、β、a、bおよびcは次の関係を満たす実数である。0≦α、0<β、0≦a、0≦b、0≦c、0<a+b、0≦c/(α+β)≦2、kα+2β=a+b+c(ただし、kはMの原子価))
SiCl (4−(d+e))・・・・・式2
(式中、Rは炭素数1以上12以下の炭化水素基であり、dとeは次の関係を満たす数である。1≦d、1≦e、2≦d+e≦4)
Ti(OR(4−f)・・・・・式3
(式中、fは0以上4以下の実数であり、Rは炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子である。)
次に、本発明における不活性炭化水素溶媒について説明する。本発明における不活性炭化水素溶媒は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素化合物、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素化合物ないしシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素化合物のことであり、脂肪族炭化水素であることが好ましい。
次に、本発明における上記一般式1で表される不活性炭化水素溶媒に可溶である有機マグネシウム化合物について説明する。この有機マグネシウム化合物は、不活性炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウムの錯化合物の形として示されているが、ジヒドロカルビルマグネシウム化合物およびこの化合物と他の金属化合物との錯体のすべてを包含するものである。記号α、β、a、b、cの関係式kα+2β=a+b+cは金属原子の原子価と置換基との化学量論性を示している。
上記一般式1において、RないしRで表される炭化水素基は、アルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、たとえば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、プロピル、ヘキシル、オクチル、デシル、シクロヘキシル、フェニル基等が挙げられ、好ましくはRないしRはアルキル基である。α>0の場合、金属原子Mとしては、周期律表第I族ないし第III族に属する金属元素が使用でき、たとえば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、亜鉛、ホウ素、アルミニウム等が挙げられるが、アルミニウム、ホウ素、ベリリウム、亜鉛が特に好ましい。
金属原子Mに対するマグネシウムの比β/αは、任意に設定可能であるが、好ましくは0.1〜30、特に0.5〜10の範囲が好ましい。また、α=0である或る種の有機マグネシウム化合物を用いる場合、例えば、Rが1−メチルプロピル等の場合には不活性炭化水素溶媒に可溶であり、このような化合物も本発明に好ましい結果を与える。
上記一般式1において、α=0の場合のR、Rは次に示す三つの群(1)、(2)、(3)のいずれか一つであることが推奨される。
(1)R、Rの少なくとも一方が炭素原子数4〜6である二級または三級のアルキル基であること、好ましくはR、Rがともに炭素原子数4〜6であり、少なくとも一方が二級または三級のアルキル基であること。
(2)RとRとが炭素原子数の互いに相異なるアルキル基であること、好ましくはRが炭素原子数2または3のアルキル基であり、Rが炭素原子数4以上のアルキル基であること。
(3)R、Rの少なくとも一方が炭素原子数6以上の炭化水素基であること、好ましくはR、Rに含まれる炭素原子数を加算すると12以上になるアルキル基であること。
以下これらの基を具体的に示す。(1)において炭素原子数4〜6である二級または三級のアルキル基としては、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、2−メチルブチル、2−エチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、2−メチルペンチル、2−エチルブチル、2,2−ジメチルブチル、2−メチル−2−エチルプロピル基等が用いられ、1−メチルプロピル基が特に好ましい。次に(2)において炭素原子数2または3のアルキル基としてはエチル、1−メチルエチル、プロピル基等が挙げられ、エチル基が特に好ましい。また炭素原子数4以上のアルキル基としては、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル基等が挙げられ、ブチル、ヘキシル基が特に好ましい。
さらに、(3)において炭素原子数6以上の炭化水素基としては、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、フェニル、2−ナフチル基等が挙げられる。炭化水素基の中ではアルキル基が好ましく、アルキル基の中でもヘキシル、オクチル基が特に好ましい。一般に、アルキル基に含まれる炭素原子数が増えると不活性炭化水素溶媒に溶けやすくなるが、溶液の粘度が高くなるために必要以上に長鎖のアルキル基を用いることは取り扱い上好ましくない。なお、上記有機マグネシウム化合物は不活性炭化水素溶液として使用されるが、該溶液中に微量のエーテル、エステル、アミン等のルイス塩基性化合物が含有され、あるいは残存していても差し支えなく使用できる。
次にアルコキシ基(OR)について説明する。Rで表される炭化水素基としては、炭素原子数1以上12以下のアルキル基またはアリール基が好ましく、3以上10以下のアルキル基またはアリール基が特に好ましい。具体的には、たとえば、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、1−メチルプロピル、1,1−ジメチルエチル、ペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、2−エチルブチル、2−エチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−エチル−4−メチルペンチル、2−プロピルヘプチル、2−エチル−5−メチルオクチル、オクチル、ノニル、デシル、フェニル、ナフチル基等が挙げられ、ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルペンチルおよび2−エチルヘキシル基が特に好ましい。
これらの有機マグネシウム化合物は、一般式RMgXおよびR Mg(Rは前述の意味であり、Xはハロゲンである)からなる群に属する有機マグネシウム化合物と、一般式M およびM (k−1)H(M、R、kは前述の意味である)からなる群に属する有機金属化合物とを不活性炭化水素溶媒中、室温〜150℃の間で反応させ、必要な場合には続いてRで表される炭化水素基を有するアルコールまたは不活性炭化水素溶媒に可溶な上記Rで表される炭化水素基を有するアルコキシマグネシウム化合物、等と反応させる方法により合成される。
このうち、不活性炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物とアルコールとを反応させる場合、反応の順序については、有機マグネシウム化合物中にアルコールを加えていく方法、アルコール中に有機マグネシウム化合物を加えていく方法、または両者を同時に加えていく方法のいずれの方法も用いることができる。本発明において不活性炭化水素溶媒に可溶な有機マグネシウム化合物とアルコールとの反応比率については特に制限はないが、反応の結果、得られるアルコキシ基含有有機マグネシウム化合物における、全金属原子に対するアルコキシ基のモル組成比c/(α+β)の範囲は0≦c/(α+β)≦2であり、0≦c/(α+β)<1が特に好ましい。
次に、本発明における塩素化剤について説明する。本発明において、(A−1)を合成する際に使用される塩素化剤が下記の一般式2で示される、少なくとも一つはSi−H結合を有する塩化珪素化合物である。
SiCl (4−(d+e)) ・・・式2
(式中、Rは炭素数1以上12以下の炭化水素基であり、dとeは次の関係を満たす数である。1≦d、1≦e、2≦d+e≦4)
上記の式2において、Rで表される炭化水素基は、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基であり、たとえば、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、シクロヘキシル、フェニル基等が挙げられ、炭素数1以上10以下のアルキル基が好ましく、メチル、エチル、プロピル、1−メチルエチル基等の炭素数1〜3のアルキル基が特に好ましい。また、dおよびeは2≦d+e≦4の関係を満たす1以上の実数であり、eが2以上であることが特に好ましい。
これらの化合物としては、HSiCl、HSiClCH、HSiCl、HSiCl、HSiCl(1−CH)、HSiCl、HSiCl、HSiCl(4−Cl−C)、HSiClCH=CH、HSiClCH、HSiCl(1−C10)、HSiClCHCH=CH、HSiClCH、HSiClC、HSiCl(CH、HSiCl(C、HSiClCH(1−CH)、HSiClCH(C)、HSiCl(C等が挙げられ、これらの化合物またはこれらの化合物から選ばれた二種類以上の混合物からなる塩化珪素化合物が使用される。塩化珪素化合物としては、トリクロロシラン、モノメチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、エチルジクロロシランが好ましく、トリクロロシラン、モノメチルジクロロシランが特に好ましい。
次に、本発明における有機マグネシウム化合物と塩素化剤との反応について説明する。本発明においては、有機マグネシウム化合物と塩素化剤との反応に際しては塩素化剤を予め反応溶媒体、たとえば、不活性炭化水素溶媒、1,2−ジクロロエタン、o−ジクロロベンゼン、ジクロロメタン等の塩素化炭化水素、もしくはジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系媒体、あるいはこれらの混合媒体を用いて希釈した後利用することが好ましい。特に、触媒の性能上、不活性炭化水素溶媒が好ましい。本発明においては、反応の温度については特に制限はないが、反応の進行上、好ましくは塩素化剤として使用する塩化珪素化合物の沸点以上もしくは40℃以上で実施される。有機マグネシウム化合物と塩化珪素化合物との反応比率にも特に制限はないが、通常有機マグネシウム化合物1モルに対し、塩化珪素化合物0.01〜100モルであり、好ましくは有機マグネシウム化合物1モルに対し、塩化珪素化合物0.1〜10モルの範囲である。
本発明における反応方法については、有機マグネシウム化合物と塩化珪素化合物とを同時に反応器に導入しつつ反応させる同時添加の方法、塩化珪素化合物を事前に反応器に仕込んだ後に有機マグネシウム化合物を反応器に導入させる方法、もしくは有機マグネシウム化合物を事前に反応器に仕込んだ後に塩化珪素化合物を反応器に導入させる方法等があるが、塩化珪素化合物を事前に反応器に仕込んだ後に有機マグネシウム化合物を反応器に導入させる方法が好ましい。上記反応により得られる固体成分はろ過あるいはデカンテーション法により分離した後、不活性炭化水素溶媒を用いて充分に洗浄し、未反応物あるいは副生成物等を除去することが好ましい。
本発明においては、有機マグネシウム化合物と塩化珪素化合物との反応を固体の存在下に行うこともできる。この固体は無機固体、有機固体のいずれでもよいが、無機固体を用いるほうが好ましい。無機固体として、下記のものが挙げられる。
(i)無機酸化物
(ii)無機炭酸塩、珪酸塩、硫酸塩
(iii)無機水酸化物
(iv)無機ハロゲン化物
(v)(i)〜(iv)なる複塩、固溶体ないし混合物
無機固体の具体例としては、シリカ、アルミナ、シリカ・アルミナ、水和アルミナ、マグネシア、トリア、チタニア、ジルコニア、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、珪酸マグネシウム、マグネシウム・カルシウム、アルミニウムシリケート[(Mg・Ca)O・Al・5SiO・nHO]、珪酸カリウム・アルミニウム[KO・3Al・6SiO・2HO]、珪酸マグネシウム鉄[(Mg・Fe)SiO]、珪酸アルミニウム[Al・SiO]、炭酸カルシウム、塩化マグネシウム、よう化マグネシウム等が挙げられるが、特に好ましくは、シリカ、シリカ・アルミナないし塩化マグネシウムが好ましい。無機固体の比表面積は、好ましくは20m/g以上特に好ましくは90m/g以上である。
次に、本発明におけるチタン化合物(A−2)について説明する。本発明においては、チタン化合物(A−2)として下記の一般式3で表されるチタン化合物が使用される。
Ti(OR(4−f)・・・・・式3
(式中、fは0以上4以下の実数であり、Rは炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子である。)
で表される炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、ヘプチル、オクチル、デシル、アリル基等の脂肪族炭化水素基、シクロヘキシル、2−メチルシクロヘキシル、シクロペンチル基等の脂環式炭化水素基、フェニル、ナフチル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられるが、脂肪族炭化水素基が好ましい。Xで表されるハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられるが、塩素が好ましい。具体的には、四塩化チタンが好ましい。上記から選ばれた(A−2)を、2種以上混合して使用することが可能である。
(A−2)の担体(A−1)に対する担持量は、担体(A−1)に含まれるマグネシウム原子に対するモル比で0.01以上20以下が好ましく、0.05以上10以下が特に好ましい。(A−2)の担体(A−1)に対する担持量は、担体(A−1)に含まれるマグネシウム原子に対するモル比で0.01以上であれば、触媒あたりの重合活性が充分に高く、20以下であればチタンあたりの重合活性が充分に高い。本発明においては、担持の際の反応温度については、特に制限はないが、室温ないし150℃の範囲で行うことが好ましい。
本発明においては、固体触媒[A]は、(A−1)担体、(A−3)アルコール、(A−4)有機金属化合物、(A−5)有機金属化合物、(A−2)チタン化合物からなるものであることがより好ましい。
次に、本発明における(A−3)アルコールについて説明する。本発明における固体触媒[A]の調製において、(A−1)担体に(A−2)チタン化合物を担持する前に、(A−1)担体と(A−3)アルコールとを接触させることが好ましい。本発明における(A−3)アルコールは炭素数1以上20以下の飽和又は不飽和のアルコールが好ましい。このようなアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、フェノール、クレゾール等が挙げられ、炭素数3〜8の直鎖アルコールが特に好ましい。これらのアルコールを混合して使用することも可能である。
(A−3)アルコールの使用量は、(A−1)担体中に含まれるマグネシウム原子に対するモル比で0より大きく10以下であることが好ましく、0.05以上5以下がさらに好ましく、0.1以上3以下がさらに好ましい。(A−1)担体と(A−3)アルコールとの反応は、不活性炭化水素溶媒の存在下または非存在下において行う。反応時の温度は特に制限はないが、25℃以上200℃以下の範囲で実施されることが好ましい。
次に、本発明における(A−4)有機金属化合物について説明する。本発明における固体触媒[A]の調製時において、(A−1)担体と(A−3)アルコールを反応させた後、(A−4)有機金属化合物を反応させることがさらに好ましい。本発明においては、この(A−4)有機金属化合物は下記の一般式5で表される。
一般式、M (t−s) ・・・式5
(式中Mは周期律表第1族、第2族および第13族からなる群に属する金属原子、Rは炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、QはOR、OSiR1011、NR1213、SR14およびハロゲンからなる群に属する基を表し、R、R、R10、R11、R12、R13、R14は水素原子または炭化水素基であり、sは0より大きな実数であり、tはMの原子価である)
本発明においては、Mは周期律表第1族、第2族および第13族からなる群に属する金属原子であり、たとえば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ベリリウム、マグネシウム、ホウ素、アルミニウム等が挙げられるが、マグネシウム、ホウ素、アルミニウムが特に好ましい。Rで表される炭化水素基はアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、たとえば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、シクロヘキシル、フェニル基等が挙げられ、好ましくはアルキル基である。QはOR、OSiR1011、NR1213、SR14およびハロゲンからなる群に属する基を表し、R、R、R10、R11、R12、R13、R14は水素原子または炭化水素基であり、Qがハロゲンであることが特に好ましい。
本発明における(A−4)有機金属化合物の例としては、メチルリチウム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムアイオダイド、エチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムアイオダイド、ブチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムアイオダイド、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、トリエチルホウ素、トリメチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムブロミド、ジメチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムメトキシド、メチルアルミニウムジクロリド、メチルアルミニウムセスキクロリド、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジエチルアルミニウムエトキシド、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリ(2−メチルプロピル)アルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム等が挙げられ、有機アルミニウム化合物が特に好ましい。
これらの化合物を混合して使用することも可能である。
(A−4)の使用量は、(A−3)に対するモル比で、0.01倍以上20倍以下であることが好ましく、0.1倍以上10以下であることがさらに好ましい。また、(A−4)の使用量は、(A−1)に含まれるマグネシウム原子に対するモル比で0.01倍以上20倍以下であることが好ましく、0.05倍以上10倍以下であることがさらに好ましい。反応の温度については特に制限はないが、25℃以上200℃以下であり、かつ反応媒体の沸点未満の範囲が好ましい。
次に、本発明における有機金属化合物(A−5)について説明する。本発明においては、担体(A−1)をアルコール(A−3)と接触させ、次いで有機金属化合物(A−4)と反応させた後にチタン化合物(A−2)を担持する際、チタン化合物(A−2)と有機金属化合物(A−5)とを反応させることにより担持することが好ましい。
次に、有機金属化合物(A−5)について説明する。有機金属化合物(A−5)は上記の一般式5で表される有機金属化合物であり、有機金属化合物(A−4)と同一であっても異なっていても良い。
本発明における(A−5)有機金属化合物の例としては、メチルリチウム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムアイオダイド、エチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムアイオダイド、ブチルマグネシウムクロリド、ブチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムアイオダイド、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、トリエチルホウ素、トリメチルアルミニウム、ジメチルアルミニウムブロミド、ジメチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムメトキシド、メチルアルミニウムジクロリド、メチルアルミニウムセスキクロリド、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジエチルアルミニウムエトキシド、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、トリ(2−メチルプロピル)アルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム等が挙げられ、有機アルミニウム化合物が特に好ましい。
(A−2)と(A−5)の添加順序には特に制限は無く、(A−2)に続いて(A−5)を加える、(A−5)に続いて(A−2)を加える、(A−2)と(A−5)とを同時に添加するのいずれの方法も可能であり、(A−2)に続いて(A−5)を加えることが好ましい。(A−2)に対する(A−5)のモル比は、好ましくは0.1〜10、特に好ましくは0.5〜5である。(A−2)と(A−5)との反応は不活性炭化水素溶媒中で行われるが、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒を用いることが好ましい。反応の温度については特に制限はないが、25℃以上200℃以下であり、かつ反応媒体の沸点未満の範囲が好ましい。
次に、本発明における有機アルミニウム化合物[B]について説明する。本発明における有機アルミニウム化合物[B]は下記の一般式4で表される。
一般式 R AlH(3−h) ・・・式4
(式中、Rは炭素数1以上12以下の炭化水素基であり、hは1以上3未満の実数である。)
の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−メチルプロピル基、ペンチル基、3−メチルブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、フェニル基、トリル基等が挙げられ、中でもエチル基、2−メチルプロピル基が特に好ましい。これらの炭化水素基は二種類以上含まれていても良い。hは、2以下である場合には、1以上2以下であることが好ましく、1.5以上2以下であることがさらに好ましい。また、hは、2を超える場合には、2を超えて2.9以下であることが好ましく、2を超えて2.7以下であることがさらに好ましい。
本発明においては、有機アルミニウム化合物[B]の合成方法には特に制限は無いが、トリヒドロカルビルアルミニウムとジヒドロカルビルアルミニウムハイドライドとを混合することによる合成方法が好ましい。具体的には、トリイソブチルアルミニウムとジイソブチルアルミニウムハイドライドとを混合する、トリエチルアルミニウムとジイソブチルアルミニウムハイドライドとを混合する、トリエチルアルミニウムとジエチルアルミニウムハイドライドとを混合する、等の合成方法が好ましい。混合の条件には特に制限は無いが、0℃以上80℃以下の温度で攪拌により混合することが好ましい。
Al−H結合はAl−C結合よりも含酸素化合物との反応性が高いため、迅速に系内の含酸素化合物および含硫黄化合物と反応することにより、含酸素化合物および含硫黄化合物が直接オレフィン重合用触媒の活性点に配位して失活させる反応を阻害していると考えられる。特に、本発明の多段重合においては、重合器内の水素濃度が40モル%以上90モル%以下である場合および/または滞留時間が1.5時間以上10時間以下である場合には、含酸素化合物および含硫黄化合物が重合器内に混入してきた場合には活性が顕著に低下する。このとき、本発明の製造方法を実施することにより、活性の低下が抑制できる。
なお、Al−H結合を有する有機アルミニウム化合物と含酸素化合物との反応は、例えばJ.Weidlein,J.Orgnometal.Chem.,16,33(1969)、K.Ziegler,et al.,Justus Liebigs Ann.Chem.,629,215(1960),等に記載されている。
一般に、含酸素化合物および含硫黄化合物によりオレフィン重合用触媒の活性が低下した場合には、製造されるポリオレフィンの分子量分布が狭くなることが知られている。しかし、驚くべきことには、本発明で使用する有機アルミニウム化合物を使用することにより、オレフィン重合用触媒の高い活性が維持されるだけでなく、分子量分布までもが維持され、これにより成型加工性が安定する。
また、例えば、二酸化炭素が原料オレフィン中に含まれた場合、トリアルキルアルミニウム化合物を使用すると、以下に示す化学反応が進行すると考えられる。
Al+CO→RCOOAlR ・・・式6
この化学反応の反応速度は比較的に遅いため、二酸化炭素がトリアルキルアルミニウム化合物と反応する前に、触媒成分であるチタン−マグネシウム複合型チーグラー触媒と反応するため、触媒活性が低下し、また生成するポリオレフィンの衝撃強度、長期特性、耐塩素水性、耐溶出性、および成型加工性が低下すると考えられる。
また、この反応において生成した化合物が加水分解した場合には、以下に示す化学反応が進行し、水酸化アルミニウムと共に脂肪酸が生成する。例えばRがイソブチル基の場合、悪臭物質であるイソ吉草酸が生成するため、たとえオレフィン中の二酸化炭素濃度が、数モルppm以下であっても、不快臭を発するポリオレフィンが製造される可能性がある。またRがイソブチル基以外の場合でも、オレフィン中の二酸化炭素の含量が多くなると、相当する脂肪酸の生成量が増加するため、不快臭を発するポリオレフィンが製造される可能性がある。
RCOOAlR+3HO→RCOOH+Al(OH)+2RH ・・・式7
一方、本発明で使用する有機アルミニウム化合物を使用する場合には、以下に示す化学反応が進行すると考えられる。
AlH+CO→HCOOAlR ・・・式8
この化学反応の反応速度は速く、二酸化炭素が触媒成分であるチタン−マグネシウム複合型チーグラー触媒と反応する前に本発明で使用する有機アルミニウム化合物と反応するため、触媒活性が高く、また生成するポリオレフィンの衝撃強度、長期特性、耐塩素水性、耐溶出性、および成型加工性が優れると考えられる。
また、この反応において生成した化合物が加水分解した場合には、以下に示す反応機構でぎ酸が生成するため、たとえオレフィン中の二酸化炭素濃度が数モルppm以上であっても、臭気が発生しないと考えられる。
HCOOAlR+3HO→HCOOH+Al(OH)+2RH ・・・式9
次に、本発明における有機アルミニウム化合物[B]の使用量について説明する。本発明においては、重合器内に存在する含酸素化合物および含硫黄化合物からなる群に属する化合物に対する重合器内に存在する有機アルミニウム化合物[B]に含まれるAl−H結合のモル比については特に制限は無いが、重合器内に存在する有機アルミニウム化合物[B]に含まれるAl−H結合が、重合器内に存在する含酸素化合物および含硫黄化合物からなる群に属する化合物に対して1.1モル倍以上100モル倍以下であることが好ましく、1.3モル倍以上75モル倍以下がさらに好ましく、1.5モル倍以上50モル倍以下であることがさらに好ましく、かつAl−R結合に対して0.01モル倍以上1モル倍以下であることが好ましく、0.05モル倍以上0.75モル倍以下であることが好ましく、0.1モル倍以上0.5モル倍以下であることがさらに好ましい。
また、本発明においては、固体触媒[A]に含まれる遷移金属に対する有機アルミニウム化合物の使用量については特に制限は無いが、遷移金属に対するモル比で1以上10,000以下であることが好ましく、遷移金属に対するモル比で5以上1000以下であることがさらに好ましい。
次に、本発明における重合器内に存在する有機アルミニウム化合物[B]におけるAl−R結合量に対するAl−H結合量のモル比[X]について説明する。モル比[X]については特に制限は無いが、0.01モル倍以上1モル倍以下であることが好ましく、0.02モル倍以上0.5モル倍以下であることが好ましく、0.03モル倍以上0.2モル倍以下であることがさらに好ましい。[X]が0.01モル倍以上であれば、含酸素化合物および含硫黄化合物が混入した際の活性が十分に高く、1モル倍以下であれば衝撃強度、長期特性、耐塩素水性、耐溶出性、および成型加工性が十分に高い。
次に、本発明における有機アルミニウム化合物[B]における重合器内に存在する含酸素化合物および含硫黄化合物からなる群に属する化合物量に対するAl−H結合量のモル比[Y]について説明する。モル比[Y]については特に制限は無いが、1モル倍以上100モル倍以下であることが好ましく、1.5モル倍以上50モル倍以下であることがさらに好ましく、2モル倍以上20モル倍以下であることがさらに好ましい。モル比[Y]が1モル倍以上であれば含酸素化合物および含硫黄化合物が混入した際の活性が十分に高く、100モル倍以下であれば衝撃強度、長期特性、耐塩素水性、耐溶出性、および成型加工性が十分に高い。
一方、多段重合においては、各リアクターにエチレンと共に含酸素化合物および含硫黄化合物が導入され、固体触媒[A]は全てのリアクターにおいて充分な重合活性を発現する必要がある。このため、本発明におけるモル比[Y]は、多段重合における前段よりも後段の方が高いことが好ましい。具体的には、モル比[Y]は、一段目の重合器においては1モル倍以上20モル倍以下であることが好ましく、二段目の重合器においては1.5モル倍以上50モル倍以下であり、三段目の重合器においては2モル倍以上100モル倍以下であることが好ましい。
次に、本発明における含酸素化合物について説明する。本発明における含酸素化合物とは、酸素原子を1つ以上含有する化合物のことである。この含酸素化合物は、主にナフサをクラッキングすることによりオレフィンを製造する工程において、希釈剤として添加される水等との副反応により混入する。含酸素化合物の例として、二酸化炭素、一酸化炭素、メタノール、ホルムアルデヒド、蟻酸、エタノール、1,2−エタンジオール、アセトアルデヒド、酢酸、1−プロパノール、2−プロパノール、1−プロパノン、2−プロパノン、プロピオン酸等が挙げられる。特に、各オレフィン留分の分離の為に、蒸留塔等の分離装置を用いて精製を行なう工程において、メタン等と共に一酸化炭素や他の含酸素化合物は充分に除去されるが、二酸化炭素は充分に除去することが難しく、オレフィン中には通常数モルppm程度の二酸化炭素が含まれている。
次に、本発明における含硫黄化合物について説明する。本発明における含硫黄化合物とは、硫黄原子を1つ以上含有する化合物のことである。この含硫黄化合物はもともとナフサに含まれていたものである場合が多いが、ナフサを輸送する際に混入する場合もある。含硫黄化合物の例として、一酸化硫黄、二酸化硫黄、硫化水素、メチルチオール、等が挙げられる。
次に本発明で使用されるα−オレフィンについて説明する。本発明で使用されるα−オレフィンとは、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5−メチル−2−ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2−メチル−1,4:5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、スチレン、ビニルシクロヘキサン、1,3−ブタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン及びシクロヘキサジエン等が挙げられる。
本発明において、ポリオレフィンの製造方法に特に制限はなく、一般に用いられている溶液法、高圧法、高圧バルク法、ガス法、スラリー法のいずれの製造方法にも適用できる。例えば、重合圧力はゲージ圧として0.1MPa以上200MPa以下であり、重合温度は25℃以上250℃以下であり、溶媒としてプロパン、ブタン、イソブタン、ヘキサン、シクロヘキサン等を用いるものも含まれる。
次に、実施例および参考例などに基づき、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[重合活性の測定]
実施例中の重合活性は、重合器への触媒の導入量・ポリマーの生成量・平均滞留時間および重合器内の圧力から算出されたものであり、固体触媒成分1g、平均滞留時間1時間、重合器内の圧力1MPa当たりのポリマー生成量(g)を表す。
[重量平均分子量(Mw)の測定]
測定に使用した装置はWaters社製150−C ALC/GPCであった。使用したカラムは、1本の昭和電工社製Shodex AT−807Sと2本の東ソー社製TSK−gelGMH−H6であり、まず1本のShodex AT−807Sを通り、次に2本のTSK−gelGMH−H6を通るように直列に接続して使用した。移動相溶媒として、10質量ppmのペンタエリスリチル テトラキス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を含む1,2,4−トリクロロベンゼンを使用した。測定温度は140℃であった。移動相溶媒の流速は1.0ml/分であった。測定試料は、20mgのポリマーを0.1質量%の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノールを含む1,2,4−トリクロロベンゼン20mlに溶解させることにより調製した。検出器はパーキンエルマー社製FT−IR 1760Xであった。重量平均分子量は標準物質として東ソー社製の単分散のポリスチレンを用いて作成した検量線を用いて、ポリスチレン換算の重量平均分子量に0.43(ポリエチレンのQファクター/ポリスチレンのQファクター=17.7/41.3)を乗ずることにより算出した。
[密度の測定]
ポリオレフィンの密度はJIS K7112に従って測定した。単位はkg/m3である。
[衝撃強度の測定]
衝撃強度として、JIS−K7110に準拠してアイゾット衝撃強度を23℃で測定した。なお、使用した試験片は2号A型であった。
[耐塩素水性の測定]
耐塩素水性試験は呼び径50mmのパイプを用いJIS−K6762に準拠して行った。
パイプはΦ65mm押出機(東芝プラスチックエンジニアリング社製)を用い、樹脂温度220℃の温度で溶融し、押出機に付属した外径80mm、内径68mmダイより円筒状に押出し、サイジング槽にてサイジングプレートを通すことにより外径を形成させるとともに、一次冷却としてサイジング槽水温を25℃で冷却を行い、さらにサイジング槽をでてから次の水槽で二次冷却として水温20℃にて冷却を行ったパイプを、引取り機にて外径/肉厚比=11となるように引き取り、呼び径50mm、肉厚5.5mmの管状体のパイプを成形した。
耐塩素水試験は塩素濃度を2000ppm、浸漬温度を60℃、液のpHを6.5±0.5(液交換時)、液交換は毎日行い、336時間(2週間)浸漬の後、試験片に水泡が発生したかどうかの確認を行った。水泡の発生が見られたものを×、発生が見られなかったものを○と判定した。
[成型加工性の測定]
Φ65mm押出機(東芝プラスチックエンジニアリング社製)を用い、樹脂温度220℃の温度で溶融し、押出機に付属した外径80mm、内径68mmダイより円筒状に押出し、表面の荒れ具合を判定した。凹凸がなく滑らかなものを○、鮫肌状に荒れたものを×と判定した。
[参考例1]
固体触媒成分[A−1]の調製
(1){(A−1)−1}担体の合成
充分に窒素置換された8lステンレス製オートクレーブに1モル/lのヒドロキシトリクロロシランヘキサン溶液1460mlを仕込み、50℃で攪拌しながら組成式AlMg(C11(OCで表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液1864ml(マグネシウム1336ミリモル相当)を4hかけて滴下し、さらに50℃で1h攪拌しながら反応させた。反応終了後、上澄み液を除去し、1800mlのヘキサンで4回洗浄した。この担体を分析した結果、担体1g当たりに含まれるマグネシウムが8.72ミリモルであった。
(2)固体触媒成分[A−1]の調製
上記担体160gを含有するヘキサンスラリー3500mlに50℃で攪拌しながら1モル/lの1−ブタノールヘキサン溶液140mlを20分かけて添加した。添加後、50℃で1時間反応を継続した。反応終了後、上澄み液1800mlを除去し、ヘキサンを1128ml添加し、温度を65℃にして1モル/lのジエチルアルミニウムクロリドヘキサン溶液700mlを1時間30分かけて添加した。添加後、65℃で1時間反応を継続した。反応終了後、上澄み液1800mlを除去し、ヘキサン1800mlで4回洗浄した。洗浄後のスラリーの上澄み168mlを除去し、50℃で攪拌しながら1モル/lのジエチルアルミニウムクロリドヘキサン溶液86mlを5分かけて添加し、引き続き1モル/lの四塩化チタンヘキサン溶液86mlを5分かけて添加した。添加後、50℃で2時間反応を継続した。反応終了後、1800mlの上澄み液を除去し、1800mlのヘキサンで4回洗浄することにより、固体触媒成分[A−1]を調製した。この固体触媒成分1g中に含まれるチタン量は0.52ミリモルであった。
[参考例2]
固体触媒成分[A−2]の調製
(1)固体触媒成分[A−2]の調製
担体として、担体(A−1)−1を使用した。担体110gを含有するヘキサンスラリー1970mlに20℃で攪拌しながら1モル/lの四塩化チタンヘキサン溶液113mlと1モル/lの組成式AlMg(C11(OCで表される有機マグネシウム化合物のヘキサン溶液113mlとを同時に1時間かけて添加した。添加後、20℃で1時間反応を継続させた。反応終了後、上澄み液を1100ml除去し、ヘキサン1100mlで2回洗浄することにより、固体触媒成分[A−2]を調製した。この固体触媒成分1g中に含まれるチタン量は0.99ミリモルであった。
[参考例3]
固体触媒成分[A−3]の調製
(1){(A−1)−2}担体の合成
充分に窒素置換された500mlガラス製丸底フラスコにヘキサン200mlを仕込み、ここにジエトキシマグネシウム22.8gを添加した。ここに、50℃で攪拌しながら1モル/lのエチルアルミニウムセスキクロリドヘキサン溶液200mlを1hかけて滴下し、さらに50℃で1h攪拌しながら反応させた。反応終了後、上澄み液を除去し、230mlのヘキサンで4回洗浄した。この固体を分析した結果、固体1g当たりに含まれるマグネシウムが8.60ミリモルであった。
(2)固体触媒成分[A−3]の調製
上記担体を使用し、参考例1と同様な操作で固体触媒成分[A−3]を調製した。この固体触媒成分1gに含まれるチタン量は0.49ミリモルであった。
[参考例4]
固体触媒成分[A−4]の調製
(1){(A−1)−3}担体の合成
充分に窒素置換された2.0lステンレス製オートクレーブにデカン500mlを仕込み、ここに塩化マグネシウム23.8gを添加した。ここに、室温で攪拌しながら2−エチル−1−ヘキサノール117mlを添加し、130℃で1.5h攪拌しながら反応させた。反応後、室温まで冷却し、1モル/lのトリエチルアルミニウムヘキサン溶液を750ml添加し、1.5時間反応させた。反応終了後、上澄み液を除去し、700mlのヘキサンで4回洗浄した。この固体を分析した結果、固体1g当たりに含まれるマグネシウムが8.20ミリモルであった。
(2)固体触媒成分[A−4]の調製
上記担体を使用し、参考例1と同様な操作で固体触媒成分[A−4]を調製した。この固体触媒成分1gに含まれるチタン量は0.51ミリモルであった。
[実施例1]
(1)重合
触媒として、固体触媒[A−1]と下記の一般式10で表される、アルキル基として2−メチルプロピル基を有する有機アルミニウム化合物[B−1]を使用した。
((CHCH−CH2.8AlH0.2・・・式10
最初に、1段目の重合では低分子量成分を製造するために、反応容積300リットルのステンレス製重合器1を用いた。γ線を使用した液面計により測定された重合器内の溶媒の体積とポリオレフィンの体積との和は170Lであり、重合器から溶媒とポリオレフィンとが定常的に抜き取られる体積あたりの速度は51リットル/hであった。従って、1段目の平均滞留時間は3.3時間であった。重合器1から低分子量成分は10kg/hの速度で抜き取られた。重合温度83℃、重合圧力1MPaの条件で、触媒は上記の固体触媒[A−1]をTi原子換算で1.4ミリモル/h、上記の有機アルミニウム化合物[B−1]をAl原子換算で20ミリモル/h、またヘキサンは40リットル/hの速度で導入した。分子量調整剤としては水素を用い、エチレン、水素、1−ブテンを水素の気相濃度が45モル%、1−ブテンの気相濃度が0.8モル%、エチレンの供給量と1−ブテンの供給量との和が10kg/hになるように重合器に供給し重合を行った。なお、エチレンとして、二酸化炭素が5.0モルppm含まれたものを使用した。従って、重合器1におけるAl−H結合の二酸化炭素に対するモル比は2.1倍であった。また、1−ブテンの気相濃度は、ガスクロマトグラフィーを用いた気相の分析により得られた値を用いて、下記の式により算出された値である。
1−ブテンの気相濃度(モル%)=
1−ブテンの気相濃度(モル/リットル)×100
/{1−ブテンの気相濃度(モル/リットル)+エチレンの気相濃度(モル/リットル)}
重合器1における重合活性は、5200g/g/h/MPaであった。重合器1で製造された低分子量成分のMwは30000、密度は977kg/mであった。
ポリマースラリー中の水素を除去するため、重合器1内のポリマースラリー溶液を51リットル/hの速度で圧力0.1MPa、温度75℃のフラッシュドラムに導き、未反応のエチレン、水素を分離した後反応容積250リットルの重合器2にスラリーポンプで、ポリマースラリー溶液は51リットル/hの速度で、ヘキサンは95リットル/hの速度で、混合し昇圧して導入した。
次に、2段目の重合では高分子量成分を製造するために、反応容積300リットルのステンレス製重合器2を用いた。ポリマースラリー溶液とヘキサンとが合わせて146リットル/hの速度で重合器2に導入された。γ線を使用した液面系により測定された重合器内の溶媒の体積とポリオレフィンの体積との和は146リットルであり、重合器から溶媒とポリオレフィンとが定常的に抜き取られる体積あたりの速度は157リットル/hであった。従って、一段目の平均滞留時間は0.90時間であった。重合器2から、低分子量成分および高分子量成分からなるポリオレフィン組成物は20kg/hの速度で抜き取られた。
重合器2では、温度83℃、圧力0.5MPaの条件下で、有機アルミニウム化合物[B−1]をAl原子換算で47.5ミリモル/hの速度で導入した。これに、エチレン、水素、1−ブテンを、全圧3.4MPa、水素の気相濃度が6.8モル%、1−ブテンの気相濃度が4.3モル%、エチレンの供給量と1−ブテンの供給量との和が10kg/hになるように重合器に導入して、重合器1で生成した低分子量部分と、重合器2で生成した高分子量部分の重量比(高分子量部分)/(低分子量部分)が50/50となるように高分子量部分を重合した。なお、エチレンとして、二酸化炭素が5.0モルppm含まれたものを使用した。従って、重合器2におけるAl−H結合の二酸化炭素に対するモル比は2.1倍であった。重合器2における重合活性は11000g/g/h/MPaであった。
MFRが1.3g/10分、HLMFRが69g/10分、密度が952kg/m3であるパウダー状のポリエチレンを製造した。
(2)物性測定
上記重合により得られたパウダーを乾燥し、造粒することによりペレットを得た。このペレットを用いて試験片を作成し、物性測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例2]
(1)重合
2段目の重合器に導入する有機アルミニウム化合物[B−1]をAl原子換算で70ミリモル/hで導入した以外は、実施例1と同様に重合を行った。重合器2における重合活性は16000g/g/h/MPaであった。なお、重合器2におけるAl−H結合の二酸化炭素に対するモル比は4.2倍であった。
(2)物性測定
実施例1と同様の操作により試験片を作成し、物性測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例3]
(1)重合
固体触媒として、固体触媒[A−2]を用いた以外は実施例1と同様に重合を行った。重合器1における重合活性は4800g/g/h/MPaであり、重合器2における重合活性は10500g/g/h/MPaであった。
(2)物性測定
実施例1と同様の操作により試験片を作成し、物性測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例4]
(1)重合
固体触媒として、固体触媒[A−2]を用いた以外は実施例2と同様に重合を行った。重合器1における重合活性は5000g/g/h/MPaであり、重合器2における重合活性は15300g/g/h/MPaであった。
(2)物性測定
実施例1と同様の操作により試験片を作成し、物性測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例5]
(1)重合
固体触媒として、固体触媒[A−3]を用いた以外は実施例2と同様に重合を行った。重合器1における重合活性は4500g/g/h/MPaであり、重合器2における重合活性は13800g/g/h/MPaであった。
(2)物性測定
実施例1と同様の操作により試験片を作成し、物性測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例6]
(1)重合
固体触媒として、固体触媒[A−4]を用いた以外は実施例2と同様に重合を行った。重合器1における重合活性は4800g/g/h/MPaであり、重合器2における重合活性は14700g/g/h/MPaであった。
(2)物性測定
実施例1と同様の操作により試験片を作成し、物性測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例7]
(1)重合
有機アルミニウム化合物[B]として、下記の一般式11で表される有機アルミニウム化合物[B−2]を使用した以外は実施例1と同様に重合を行った。重合器1における重合活性は4000g/g/h/MPaであり、重合器2における重合活性は8900g/g/h/MPaであった。なお、重合器1および重合器2におけるAl−H結合の二酸化炭素に対するモル比は2.1倍であった。
(C2.8AlH0.2 ・・・式11
(2)物性測定
実施例1と同様の操作により試験片を作成し、物性測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例8]
(1)重合
有機アルミニウム化合物[B]として、下記の一般式12で表される、アルキル基として2−メチルプロピル基を有する有機アルミニウム化合物[B−3]を使用し、エチレンとして、二酸化炭素が2.5モルppm含まれたものを使用した以外は実施例1と同様に重合を行った。重合器1における重合活性は5500g/g/h/MPaであり、重合器2における重合活性は11900g/g/h/MPaであった。なお、重合器1および重合器2におけるAl−H結合の二酸化炭素に対するモル比は2.1倍であった。
((CHCH−CH2.9AlH0.1・・・式12
(2)物性測定
実施例1と同様の操作により試験片を作成し、物性測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例9]
(1)重合
有機アルミニウム化合物[B]として、下記の一般式13で表される、アルキル基として2−メチルプロピル基を有する有機アルミニウム化合物[B−4]を使用した以外は実施例1と同様に重合を行った。重合器1における重合活性は5500g/g/h/MPaであり、重合器2における重合活性は11900g/g/h/MPaであった。なお、重合器1および重合器2におけるAl−H結合の二酸化炭素に対するモル比は5.3倍であった。
((CHCH−CH2.5AlH0.5・・・式13
(2)物性測定
実施例1と同様の操作により試験片を作成し、物性測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例10]
(1)重合
有機アルミニウム化合物[B]として、下記の一般式14で表される、アルキル基として2−メチルプロピル基を有する有機アルミニウム化合物[B−5]を使用した以外は実施例1と同様に重合を行った。重合器1における重合活性は5700g/g/h/MPaであり、重合器2における重合活性は12000g/g/h/MPaであった。なお、重合器1および重合器2におけるAl−H結合の二酸化炭素に対するモル比は10.5倍であった。
((CHCH−CH2.0AlH1.0・・・式14
(2)物性測定
実施例1と同様の操作により試験片を作成し、物性測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例11]
(1)重合
エチレンに、二酸化炭素に代えて二酸化硫黄を混入させた以外は実施例1と同様に重合を行った。重合器1における重合活性は4200g/g/h/MPaであり、重合器2における重合活性は9000g/g/h/MPaであった。なお、重合器1および重合器2におけるAl−H結合の二酸化硫黄に対するモル比は10.5倍であった。
(2)物性測定
実施例1と同様の操作により試験片を作成し、物性測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例12]
(1)重合
1段目の重合において、1−ブテンは添加せず、エチレンと水素とを、水素の気相濃度が85モル%、エチレンの供給量が10kg/hになるように重合器に供給し重合を行った以外は実施例1と同様に重合を行った。重合器1における重合活性は3700g/g/h/MPaであり、重合器2における重合活性は9100g/g/h/MPaであった。
(2)物性測定
実施例1と同様の操作により試験片を作成し、物性測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例13]
(1)重合
1段目の重合において、γ線を使用した液面計により測定された重合器内の溶媒の体積とポリオレフィンの体積との和が120Lであり、重合器から溶媒とポリオレフィンとが定常的に抜き取られる体積あたりの速度が70リットル/hであり、従って、1段目の平均滞留時間が1.7時間とした以外は実施例1と同様に重合を行った。重合器1における重合活性は6000g/g/h/MPaであり、重合器2における重合活性は10200g/g/h/MPaであった。
(2)物性測定
実施例1と同様の操作により試験片を作成し、物性測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例14]
(1)重合
1段目の重合において、γ線を使用した液面計により測定された重合器内の溶媒の体積とポリオレフィンの体積との和は190Lであり、重合器から溶媒とポリオレフィンとが定常的に抜き取られる体積あたりの速度は20リットル/hであり、従って、1段目の平均滞留時間を9.5時間とした以外は実施例1と同様に重合を行った。重合器1における重合活性は4900g/g/h/MPaであり、重合器2における重合活性は11700g/g/h/MPaであった。
(2)物性測定
実施例1と同様の操作により試験片を作成し、物性測定を行った。その結果を表1に示す。
[比較例1]
(1)重合
有機アルミニウム化合物[B]として、トリス(2−メチルプロピル)アルミニウムを使用した以外は実施例2と同様に重合を行った。重合器1における重合活性は2900g/g/h/MPaであり、重合器2における重合活性は6100g/g/h/MPaであった。なお、重合器1および重合器2におけるAl−H結合の二酸化炭素に対するモル比は0倍であった。
(2)物性測定
実施例1と同様の操作により試験片を作成し、物性測定を行った。その結果を表1に示す。
[比較例2]
(1)重合
有機アルミニウム化合物[B]として、トリエチルアルミニウムを使用した以外は実施例1と同様に重合を行った。重合器1における重合活性は3100g/g/h/MPaであり、重合器2における重合活性は6900g/g/h/MPaであった。なお、重合器1および重合器2におけるAl−H結合の二酸化炭素に対するモル比は0倍であった。
(2)物性測定
実施例1と同様の操作により試験片を作成し、物性測定を行った。その結果を表1に示す。
[比較例3]
(1)重合
エチレンに二酸化硫黄を混入させ、有機アルミニウム化合物[B]として、トリス(2−メチルプロピル)アルミニウムを使用した以外は実施例1と同様に重合を行った。重合器1における重合活性は1200g/g/h/MPaであり、重合器2における重合活性は2000g/g/h/MPaであった。なお、重合器1および重合器2におけるAl−H結合の二酸化硫黄に対するモル比は0倍であった。
(2)物性測定
実施例1と同様の操作により試験片を作成し、物性測定を行った。その結果を表1に示す。
[比較例4]
(1)重合
1段目の重合において、水素の気相濃度を30モル%とした以外は実施例1と同様に重合を行った。重合器1における重合活性は6700g/g/h/MPaであり、重合器2における重合活性は8600g/g/h/MPaであった。
(2)物性測定
実施例1と同様の操作により試験片を作成し、物性測定を行った。その結果を表1に示す。
[比較例5]
(1)重合
1段目の重合において、1−ブテンは添加せず、エチレンと水素とを、水素の気相濃度が92モル%、エチレンの供給量が10kg/hになるように重合器に供給し重合を行った以外は実施例1と同様に重合を行った。重合器1における重合活性は2800g/g/h/MPaであり、重合器2における重合活性は8900g/g/h/MPaであった。
(2)物性測定
実施例1と同様の操作により試験片を作成し、物性測定を行った。その結果を表1に示す。
[比較例6]
(1)重合
1段目の重合において、γ線を使用した液面計により測定された重合器内の溶媒の体積とポリオレフィンの体積との和が120Lであり、重合器から溶媒とポリオレフィンとが定常的に抜き取られる体積あたりの速度が100リットル/hであり、従って、1段目の平均滞留時間が1.2時間とした以外は実施例1と同様に重合を行った。重合器1における重合活性は6100g/g/h/MPaであり、重合器2における重合活性は10100g/g/h/MPaであった。
(2)物性測定
実施例1と同様の操作により試験片を作成し、物性測定を行った。その結果を表1に示す。
[比較例7]
(1)重合
1段目の重合において、γ線を使用した液面計により測定された重合器内の溶媒の体積とポリオレフィンの体積との和は190Lであり、重合器から溶媒とポリオレフィンとが定常的に抜き取られる体積あたりの速度は15リットル/hであり、従って、1段目の平均滞留時間を12.7時間とした以外は実施例1と同様に重合を行った。このとき、重合器内に設置されたの温度計が大きく変動し、溶媒とポリオレフィンとを抜き取ることが不安定になることにより、運転を継続することができなかった。重合器内を分掃すると、抜取用配管にポリオレフィンの塊が詰まっていた。
Figure 2007284660
この表1より、本発明のオレフィン重合用触媒を用いることにより、オレフィンに含酸素化合物および含硫黄化合物が混入した場合においても、多段重合において活性が高く、パイプ用途に適したポリオレフィンが製造できることが明らかである。

Claims (4)

  1. 少なくとも低分子量成分を重合する段と高分子量成分を重合する段とを含む多段重合を利用してポリオレフィンを製造する方法であり、下記の(a)および(b)の要件を満たすことを特徴とする、ポリオレフィンの製造方法。
    (a)多段重合における低分子量成分を重合する段において、
    (a−1)重合器内の気相部における水素濃度が40モル%以上90モル%以下である
    (a−2)平均滞留時間が1.5時間以上10時間以下である
    (b)この多段重合に使用される触媒がチタン−マグネシウム複合型チーグラー触媒[A]と有機アルミニウム化合物[B]からなり、
    (b−1)有機アルミニウム化合物[B]が下記一般式4で示され、多段重合の各段において有機アルミニウム化合物[B]が重合反応器に添加される
    一般式 R AlH(3−h) ・・・式4
    (式中、Rは炭素数1以上12以下の炭化水素基であり、hは1以上3未満の実数である。)
  2. チタン−マグネシウム複合型チーグラー触媒[A]が、下記一般式1で表される不活性炭化水素溶媒に可溶である有機マグネシウム化合物と下記一般式2で表される塩素化剤との反応により調製された担体(A−1)に、下記一般式3で表されるチタン化合物(A−2)を担持することにより調製されることを特徴とする、請求項1に記載のポリオレフィンの重合方法。
    (Mα(Mg)β(R(R(OR・・・・・式1
    (式中、Mは周期律表第1族、第2族、第12族および第13族からなる群に属するマグネシウム以外の金属原子であり、R、RおよびRはそれぞれ炭素数2以上20以下の炭化水素基であり、α、β、a、bおよびcは次の関係を満たす実数である。0≦α、0<β、0≦a、0≦b、0≦c、0<a+b、0≦c/(α+β)≦2、kα+2β=a+b+c(ただし、kはMの原子価))
    SiCl (4−(d+e))・・・・・式2
    (式中、Rは炭素数1以上12以下の炭化水素基であり、dとeは次の関係を満たす数である。1≦d、1≦e、2≦d+e≦4)
    Ti(OR(4−f)・・・・・式3
    (式中、fは0以上4以下の実数であり、Rは炭素数1以上20以下の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子である。)
  3. 重合器内に存在する有機アルミニウム化合物[B]において、Al−R結合量に対するAl−H結合量のモル比[X]が0.01モル倍以上1モル倍以下の範囲にあり、かつ、重合器内に存在する含酸素化合物および含硫黄化合物からなる群に属する化合物量に対するAl−H結合量のモル比[Y]が1モル倍以上100モル倍以下の範囲にあることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のポリオレフィンの製造方法。
  4. 重合器内に存在する含酸素化合物および含硫黄化合物からなる群に属する化合物量に対するAl−H結合量のモル比[Y]が多段重合における前段よりも後段の方が高いことを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載のポリオレフィンの製造方法。
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