JP2008534723A - オレフィン重合用触媒成分 - Google Patents

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Abstract

Ti、Mg、ハロゲン、ORI基(式中、RIは、ヘテロ原子を任意に含むC1−C12炭化水素基である)を含み、そしてその場合、ORI/Tiモル比が0.1〜1.5であり、Mg/Tiモル比が8未満であり、そして該固体触媒成分の総重量を基準としてチタンの量が4重量%超であって、また、特定のSS−NMRパターンによって特徴付けられるエチレンを(共)重合させるための触媒成分は、狭いMWD結晶性エチレンポリマーを調製するのに特に有用である。

Description

本発明は、エチレンの重合およびオレフィンCH2=CHR(式中、Rは、1〜12個の炭素原子を有するアルキル、シクロアルキルまたはアリール基である)とエチレンとの混合物の重合のための、Ti、Mg、ハロゲン、ORI基を特定の割合で含む触媒成分に関するものであり、そしてその触媒成分は、特定の条件下で、少なくともTi−Cl結合を有するチタン化合物を特定の前駆体と反応させることによって得ることができる。本発明の触媒成分は、特に中程度から狭い分子量分布(MWD)を有する結晶性ポリマーを高収率で調製するために、エチレンの(共)重合法で最適に使用される。MWDは、流体力学的挙動、而して加工性と、最終的な機械的性質の両方に影響を与えるという点で、エチレンポリマーの重要な特性である。特に、LLDPEの場合、製品の変形および収縮の問題が最小限に抑えられるという点で、狭いMWDを有するポリマーは、フィルムおよび射出成形に適する。エチレンポリマーに関する分子量分布の幅は、メルトフロー比F/Eとして一般的に表され、そしてそれは、荷重21.6Kg(メルトインデックスF)で測定されたメルトインデックスと荷重2.16Kgで測定されたメルトインデックス(メルトインデックスE)の比である。メルトインデックスの測定は、ASTM D−1238にしたがって190℃で行う。狭いMWDを有すエチレン(コ)ポリマーを調製するための触媒成分は、欧州特許出願第EP−A−553805号に記載されている。Ti、Mg、ハロゲン、ORI基を含む触媒は、少なくとも0.5のOR/Ti比、0.35〜0.7の気孔率(水銀ポロシメータによって測定した)によって特徴付けられ、そして更に特定の細孔分布を有する。該触媒は、約3モルのアルコールを有するMgCl2・アルコール付加物の調製を含むかなり長い方法によって得られる。該アルコールは、最初に、中間のアルコール含量まで熱的に脱アルコールされ、次いで、ほぼ完全な程度まで化学的に脱アルコールされる。次いで、そのようにして作られた多孔質前駆体を、ハロゲン化剤の存在下で、そして任意には還元剤の存在下で、チタンアルコキシ化合物と反応させる。そのようにして得られた触媒は、狭いMWDを有するエチレン(コ)ポリマーを製造することができるが、重合活性は低い。いくらかより単純な方法の生成物である触媒は、米国特許第4,220,554号に記載されている。それらは、高温(120℃)において、内部電子供与体化合物の存在下で、大過剰のTiCl4を、一般式MgCln(OR)2-nの触媒前駆体と反応させることによって、得られる。しかしながら、最終触媒成分の水素応答および活性は、不満足なものである。
欧州特許第EP 301 894号では、アモルファスエチレンコポリマーを調製するために、Mg/Tiモル比が0.5〜50で且つOR/Tiが1.5〜5である、Ti、Mg、ハロゲン、OR基(Rは、脂肪族、芳香族または脂環式の炭化水素基である)を含む触媒を使用している。すべての実施例は、非晶質のコポリマーおよびターポリマーの製造に関するものであるが、中程度から狭い分子量分布を有する結晶性エチレンポリマーを製造するための適合性に関する指摘は無い。
而して、重合活性と、狭いMWDを有するエチレンポリマーを形成する能力と、そして良好な水素応答との良好なバランスを示す触媒系を形成するのに適する触媒成分に関するニーズが依然として感じられる。
本出願人は、上記のニーズは、特定の化学的特徴および固体NMR(SS−NMR)で分析したときの特定のパターンによって特徴付けられる触媒成分によって満足されることを発見した。特に、該固体触媒成分は、Ti、Mg、ハロゲン、ORI基(式中、RIはヘテロ原子を任意に含むC1−C12炭化水素基である)を含み、そしてその場合、0.1〜1.5のORI/Tiモル比、8未満のMg/Tiモル比、該固体触媒成分の総重量を基準として4重量%超のチタン量を有し、また、下記条件下で記録されるSS−NMRのパターンにおいて、領域60〜75(ppm)で極大を有する1つ以上の信号(A)と、領域78〜108(ppm)で極大を有する1つ以上の信号(B)を示し、そしてその場合、IA/IB比(式中、IAは領域60〜75ppmで極大を有する信号の強度であり、IBは領域78〜108ppmで極大を有する信号の強度である)は0.8超である。
好ましくは、IA/IB比は、1を超え、より好ましくは1〜10である。特定の場合では、IA/IB比は、好ましくは10を超えることができる。
好ましい面では、チタンの量は、該固体触媒成分の総重量を基準として、5重量%超であり、好ましくは6重量%超である。
更に、該ORI/Tiモル比は、好ましくは0.3超であり、より好ましくは0.5超である。より更に好ましい実施態様では、該比率は、0.7超であり、0.8〜1.4である。
また、本出願人は、他の方法で、Ti、Mg、ハロゲン、ORI基(式中、RIは、ヘテロ原子を任意に含むC1−C12炭化水素基である)を含み、そしてその場合、ORI/Tiモル比が0.1〜1.5であり、Mg/Tiモル比が8未満であり、そして上記触媒成分の総重量を基準としてチタンの量が4重量%超である該触媒成分は、少なくとも1つのTi−Cl結合を有するチタン化合物を、式MgCln(ORI2-n(式中、nは0.5〜1.5であり、そしてRIは既に上で記載した意味を有する)で表される触媒前駆体と反応させて得ることができると特徴付けることができることも見出した。
本発明の好ましい実施態様では、RIは、アルキル基から選択されるC1−C8炭化水素基である。それらの中で特に好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、i−ブチルおよびtert−ブチルである。
更に、該ORI/Tiモル比は、好ましくは0.3超であり、より好ましくは0.5超である。より更に好ましい実施態様では、該比率は、0.7超であり、0.8〜1.4である。
少なくとも1つのTi−ハロゲン結合を含むチタン化合物の中では、式Ti(ORIp-yCly(式中、RIは既に上で記載した意味を有し、pはチタンの価数であり、そしてyは1〜pの数である)を有するものが好ましい。特に好ましくは、式中yが3または4の化合物であり、特に好ましくはTiCl4である。
触媒前駆体の中では、特に好ましくは、式中RIがC1−C8炭化水素基から選択され、好ましくはエチルであり、そしてnが0.6〜1.4であり、特に0.7〜1.3であり、そして特に0.8〜1.2であるものである。該触媒前駆体は、式ClmMgR2-m(式中、mは0.5〜1.5であり、そしてRは炭化水素基である)で表される有機金属化合物と適当なORI基源との交換反応によって発生させることができる。ORI源は、例えばRIOHアルコールまたは好ましくは式(RIO)rSiR4-r(式中、rは1〜4であり、そしてRIは既に上で記載した意味を有する)で表されるケイ素化合物である。次いで、当業において公知のように、式ClmMgR2-mで表される有機金属化合物は、任意に適当な促進剤の存在下で、Mg金属と有機塩化物RCl(式中、Rは既に上で規定したものである)との反応によって、得ることができる。好ましくは、ClmMgR2-mの形成およびORI源との更なる交換は、1つの単一工程で行う。その反応は、室温で液体である炭化水素のような液体不活性媒体中で行うことができる。通常は、OR源との実質的な量の交換が起こると、触媒前駆体は沈殿し、容易に単離することができる。
上記したように、少なくとも1つのTi−Cl結合を有するチタン化合物と触媒前駆体との間の反応は、その反応生成物が0.1〜1.5の最終的なORI/Tiモル比を有するような条件下で行うべきである。同じ結果を得るいくつもの方法があることは、当業者には公知である。
好ましい一つの実施態様にしたがって、触媒成分は、触媒前駆体を、チタン化合物と触媒前駆体のORI基とのモル比が4を超える量で使用されるチタン化合物、好ましくはTiCl4と反応させることによって得られる。比率は、6を超えることができ、また10を超えることもできる。この実施態様では、反応温度は、特に重要ではなく、40〜150℃に、そして好ましくは70〜140℃に好ましくは維持する。充分に過剰量の液体チタン化合物、好ましくはTiCl4を使用するとき、液体不活性媒体は、チタン化合物がハロゲン化剤および反応媒体として同時に機能するので、除外できる。しかしながら、所望ならば、液体不活性媒体を、この実施態様で使用することもできる。好ましい不活性媒体は、液体の脂肪族または芳香族の炭化水素であり、任意には、塩素化されたものであり、特に、3〜20個の炭素原子を有するものである。特に好ましくは、プロパン、n−ブタン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、ベンゼン、トルエンおよびそれらの異性体である。該炭化水素の2種以上から成る混合物を使用できる。チタン化合物のハロゲン化能力の故に、触媒前駆体との反応時に、一定量の塩化マグネシウムが形成され得る。
別の好ましい実施態様にしたがって、チタン化合物は、チタン化合物と触媒前駆体のORI基とのモル比が4未満であることができるような量で使用される。これらの条件下では、温度は重要となり、より更に好ましくは既に開示したような液体媒体の存在下で、100℃を超える値に好ましく維持される。
本発明による固体触媒成分は、公知の方法にしたがってそれらを有機アルミニウム化合物と反応させることによって、オレフィンを重合させるための触媒へと転化される。
特に、オレフィンCH2=CHR(式中、Rは、水素であるか、または1〜12個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である)を重合させるための触媒が:
(a) 上記の固体触媒成分と、
(b) アルキルアルミニウム化合物と、そして、任意に、
(c) 外部の電子供与体化合物
との反応の生成物を含むことは、本発明の目的である。
アルキル−Al化合物は、トリアルキルアルミニウム化合物、例えばトリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウムから好ましく選択することができる。また、アルキルアルミニウムハライドおよび特にアルキルアルミニウムクロリド、例えばジエチルアルミニウムクロリド(DEAC)、ジイソブチルアルミニウムクロリド、Al−セスキクロリドおよびジメチルアルミニウムクロリド(DMAC)も使用できる。アルキルアルミニウムハライドとのトリアルキルアルミニウムの混合物を使用することもでき、また特定の場合には好ましい。それらの中では、TEAとDEACとの混合物が特に好ましい。
上記の成分(a)−(c)は、重合条件下、それらの活性を利用することができる反応器に別々に供給することができる。
そのようにして形成された触媒系は、主重合法で直接使用することができるか、または、前以って予備重合させることができる。予備重合工程は、主重合法が気相で行われるとき、一般的に好ましい。予備重合は、オレフィンCH2=CHR(式中、RはHまたはC1−C10炭化水素基である)の任意のものを使用して行うことができる。特に、エチレンを、または1種以上のα−オレフィンとエチレンとの混合物を予備重合させることは特に好ましい。前記混合物は、20モル%までα−オレフィンを含み、固体成分1gあたり約0.1gから固体触媒成分1gあたり約1000gのポリマー量を形成する。予備重合工程は、液相または気相で、0〜80℃、好ましくは5〜70℃の温度で行うことができる。予備重合工程は、連続重合法の一部としてインラインで、または、バッチ法で別に行うことができる。触媒成分1gあたり0.5〜20gのポリマー量を製造するために、エチレンを使用する本発明触媒のバッチ予備重合は、特に好ましい。本発明の触媒を使用できる気相法の例は、国際公開第WO 92/21706号、米国特許第5,733,987号および国際公開第WO 93/03078号に記載されている。これらの方法は、一連の流動床または機械撹拌床における1つ以上の反応器において、触媒成分の予備接触工程、予備重合工程および気相重合工程を含む。特定の実施態様では、気相法は、以下の工程:すなわち、
(i)式CH2=CHR(式中、RはHまたはC1−C10炭化水素基である)で表される1種以上のオレフィンを、固体触媒成分(a)1gあたり約0.1〜約1000gのポリマー量を形成するまで予備重合させる工程;そして
(ii)(i)から得られた生成物の存在下で、1つ以上の流動床反応器または機械撹拌床反応器において、気相エチレンまたはそれらの混合物中において、α−オレフィンCH2=CHR(式中、Rは、1〜10個の炭素原子を有する炭化水素基である)と重合させる工程
にしたがって適当に行うことができる。
しかしながら、本発明の触媒は、不活性媒体、例えばプロパン、ブタンガス、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンおよびそれらの混合物におけるスラリー重合に特に適している。
既に言及したように、本発明の触媒は、触媒活性と、水素応答と、そして適当なMWDとの所望のバランスを有するエチレンポリマーを調製するのに適している。特に、40未満、好ましくは35未満、そして場合によっては30未満のF/E比によって特徴付けられる極めて狭い分子量分布を得ることができる。プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1およびオクテン−1から選択されるコモノマーとしてのα−オレフィンの半量未満と一緒にエチレンを重合させると、鎖中におけるキシレン可溶性画分の重量とコモノマーの重量の比が低いことによって示される極めて良好な品質を有する0.940g/cm3未満の密度を有する直鎖状低密度ポリエチレンが得られる。更に、本発明の触媒は、極めて良好な水素応答、すなわち、重合系における分子量調整剤(通常は水素)の任意の含量に依存して低分子量ポリマーを製造する能力も示す。この特徴は、双峰性の分子量分布を有するポリマーを逐次重合工程で調製しようとするときに特に有用である。この場合は、良好な水素応答を有する触媒を有することが好適である。なぜならば、低分子量ポリマーが、半量未満のMw調整剤によって、結果としてより高い活性によって、製造されるからである。
本発明の触媒によって調製できる他のポリマーの非限定的な例は、エチレンと、3〜12個の炭素原子を有する1種以上のα−オレフィンとのコポリマーから成っていて、80%を超えるエチレン由来単位のモル含量を有する、極低密度および超低密度ポリエチレン(VLDPEおよびULDPE、0.920g/cm3未満から0.880g/cm3までの密度を有する);エチレンホモポリマーおよびエチレンと3〜12個の炭素原子を有するα−オレフィンとのコポリマーを含む高密度エチレンポリマー(HDPE、0.940g/cm3を超える密度を有する);エチレン由来単位の重量基準含量が約30〜70%を有するジエンの割合がより少ない、エチレンとプロピレンとの弾性コポリマーおよびエチレンとプロピレンとの弾性ターポリマーである。以下の実施例は、本発明を更に説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。
特性評価
以下の方法にしたがって特性を定量する:
メルトインデックス:ASTM D−1238条件「E」(2.16Kgの負荷)、「P」(5.0Kgの負荷)および「F」(21.6Kgの負荷)にしたがって190℃で測定した;
シレン可溶性画分。25℃のキシレンにおける溶解性は、以下の方法にしたがって測定した:約2.5gのポリマーおよび250cm3のo−キシレンを、冷却器および還流冷却器を具備している丸底フラスコ中に入れ、窒素下で保持した。得られた混合物は、135℃まで加熱し、そして約60分間撹拌し続けた。その最終溶液を、連続的に撹拌しながら25℃に冷却し、次いで、濾過した。そしてその濾液を、一定の重量に達するまで140℃で窒素流中で蒸発させた。該キシレン可溶性画分は、元の2.5gの百分率として表される。
コモノマー含量
(1−ブテンまたはα−オレフィン)は赤外分光分析で定量した。
有効密度:ASTM−D 1505
熱分析:熱量測定は、示差走査熱量計 DSC Perkin−Elmerを使用することによって行った。機器は、インジウムおよび錫を基準として較正する。メルトインデックス測定から得られた計量したサンプル(5〜10mg)を、アルミ鍋の中に入れて密封し、3分間5℃にサーモスタットで調温し、そして20℃/分で200℃まで加熱し、その温度で、すべての晶子を完全に溶解させるのに充分に長い時間(5分)保持した。次いで、20℃/分で−20℃まで冷却した後、ピーク温度は、結晶化温度(Tc)とみなした。0℃で5分間静置した後、そのサンプルを20℃/分の速度で200℃まで加熱した。この第二の加熱では、ピーク温度を融点(Tm)とみなし、そして、その領域をグローバル溶融エンタルピー(global melting hentalpy)(ΔH)とみなした。
Mg、Tiの定量:は誘導結合高周波プラズマ発光分光分析(ICP)によって行った。
Clの定量:は電位差滴定によって行った。
アルコキシド(ROHとして)の定量:は触媒の加水分解後のガスクロマトグラフィー分析によって行った。
固体NMR分析。固体13C−NMRスペクトルは、フーリエ変換モードにおいて50.32MHzで動作するBruker DPX−400分光計によって記録した。サンプルは、4KHzの紡糸速度を使用して、7mmのZrO2ローターにおいて、室温で測定した。過渡は、循環遅延5秒および接触時間1ミリ秒の交差分極マジック角回転法(CP−MAS)を使用して、蓄積した。すべてのNMR実験は、スペクトル幅全体にわたって完全なデカップリングを保証するのに充分な大きさのプロトンデカップリング領域を使用した。ローターは、窒素雰囲気下で準備した。斜方晶位相の結晶性ポリエチレンを、テトラメチルシラン(TMS)の32.85ppmを外部基準として測定した。IAは、60〜75ppm領域において極大を有する信号の積分と規定する。IBは、78〜108ppm領域において極大を有する信号の積分と規定する。
エチレン重合:一般的手順
撹拌機、温度圧力計、そしてヘキサン、エチレンおよび水素のための供給ラインを具備している4.5リットルのステンレス鋼製オートクレーブを使用し、70℃で60分間純粋窒素を流すことによって清浄にした。次いで、10 % by wt/vol TEA/ヘキサン溶液を4.9cm3含むヘキサン1550cm3を、窒素流下で30℃の温度で導入した。別の200cm3丸底ガラス瓶の中に、50cm3の無水ヘキサン、1cm3の10 % by wt/vol TEA/ヘキサン溶液および約0.010÷0.025gの表1記載の固体触媒を連続して導入した。それらを一緒に混合し、室温で10分間エージングし、そして前記反応器中に窒素流下で導入した。オートクレーブを閉じ、次いで、温度を85℃まで上げ、エチレン(分圧7.0bar)および水素(表2に示した分圧)を加えた。
連続撹拌下で、エチレンを供給することによって、85℃で120分間、全圧を維持した。最後に、反応器を減圧し、温度を30℃まで低下させた。回収されたポリマーを、窒素流下、70℃で乾燥させた。
実施例
すべての溶媒を、脱酸素し、LiAlH4によって乾燥させ、そして使用前に、窒素雰囲気下で蒸留した。
TEAはトリス−エチル−アルミニウムである。
TiBAはトリス−イソブチル−アルミニウムである。
前駆体の一般的な調製
前駆体の合成は、米国特許第4,220,554号の実施例1に記載されているようにして行った。そのようにして得られた担体は、以下の組成を有する:すなわち、
Mg、20.2重量%
Cl、29.8重量%
EtO基、41.5重量%
実施例1:
窒素でパージした500cm3の4つ口丸底フラスコに、280cm3のデカンおよび前以て調製した17.7g(147mmolのMg)の担体を25℃で導入した。次いで、同じ温度で、103mmolのTiCl4を撹拌しながら加えた。温度を1時間で120℃まで上げ、2時間維持した。次いで、撹拌を中止し、固体生成物を30分間沈殿させ、そしてその上澄み液を吸い上げて除去した。
得られた固体を、50℃の無水ヘプタン(2×100cm3)で二回、そして25℃で三回洗浄した。最後に、固体を、真空下で乾燥させ、分析した。その結果は表1に示してある。触媒は、表2に記載した特定の条件下で、一般的な重合手順にしたがって、エチレンの重合で使用した。
実施例2
機械的攪拌機を具備していて且つ窒素でパージした500cm3の4つ口丸底フラスコの中に220cm3のTiCl4を入れた。温度を0℃に設定し、15.3g(127mmolのMg)の固体をゆっくり供給した。温度を120℃まで上げ、混合物を1時間撹拌した。次いで、撹拌を中止し、固体生成物を沈殿させ、そしてその上澄み液を吸い上げて除去した。該チタン化手順は、0.5時間、同じ条件下で二回繰り返した。
得られた固体を、40℃の無水ヘプタン(2×100cm3)で二回、そして25℃で二回洗浄して回収し、真空下で乾燥させ、そして分析した。特性は表1に示してある。
触媒は、表2に記載した特定の条件下で、一般的な重合手順にしたがって、エチレンの重合で使用した。
実施例3
機械的攪拌機を具備していて且つ窒素でパージした800cm3の4つ口丸底フラスコの中に600cm3のTiCl4を入れた。温度を0℃に設定し、30g(249mgのMg)の固体担体をゆっくり供給した。温度を約90分間で135℃まで上げ、混合物を2時間撹拌した。次いで、撹拌を中止し、固体生成物を沈殿させ、そしてその上澄み液を吸い上げて除去した。得られた固体を、60℃の無水ヘプタン(3×200cm3)で洗浄し、次いで、25℃で二回洗浄して回収し、真空下で乾燥させ、そして分析した。特性は表1に示してある。触媒は、表2に記載した特定の条件下で、一般的な重合手順にしたがって、エチレンの重合で使用した。
比較実施例1
触媒成分は、米国特許第4,220,554号の実施例2(a)の説明にしたがって調製した。触媒は、表2に記載した特定の条件下で、一般的な重合手順にしたがって、エチレンの重合で使用した。
Figure 2008534723
Figure 2008534723

Claims (10)

  1. Ti、Mg、ハロゲン、ORI基(式中、ヘテロ原子を任意に含むC1−C12炭化水素基である)を含み、そしてその場合、0.1〜1.5のORI/Tiモル比、8未満のMg/Tiモル比、固体触媒成分の総重量を基準として4重量%超のチタン量を有し、また、下記条件下で記録されるSS−NMRのパターンにおいて、領域60〜75(ppm)で極大を有する1つ以上の信号(A)と、領域78〜108で極大を有する1つ以上の信号(B)を示し、そしてその場合、IA/IB比(式中、IAは領域60〜75ppmで極大を有する信号の強度であり、IBは領域78〜108ppmで極大を有する信号の強度である)が0.8超である、オレフィン重合用触媒成分。
  2. 該IA/IB比が、1を超える請求項1記載の触媒成分。
  3. Iが、アルキル基から選択されるC1−C8炭化水素基である請求項1記載の触媒成分。
  4. 該チタン量が、該固体触媒成分の総重量を基準として、5%超である請求項1記載の触媒成分。
  5. 該ORI/Tiモル比が、好ましくは0.3を超える請求項1記載の触媒成分。
  6. Ti、Mg、ハロゲン、ORI基(式中、RIは、ヘテロ原子を任意に含むC1−C12炭化水素基である)を含み、そしてその場合、ORI/Tiモル比が0.1〜1.5であり、Mg/Tiモル比が8未満であり、そして該固体触媒成分の総重量を基準としてチタンの量が4重量%超であって、少なくとも1つのTi−Cl結合を有するチタン化合物を、式MgCln(ORI2-n(式中、nは0.5〜1.5であり、そしてRIは既に上で記載した意味を有する)で表される触媒前駆体と反応させることによって得ることができる触媒成分。
  7. 該チタン化合物が、式Ti(ORIp-yCly(式中、RIは既に上で記載した意味を有し、pはチタンの価数であり、そしてyは1〜pを含む数である)を有するチタン化合物である請求項6記載の触媒成分。
  8. 該触媒前駆体を、該チタン化合物と該触媒前駆体のORI基との該モル比が4を超える量で使用されるチタン化合物と反応させることによって得られる請求項6記載の触媒成分。
  9. (a)上記請求項のうちのいずれかにしたがう固体触媒成分と、
    (b)アルキルアルミニウム化合物と、そして任意に
    (c)外部の電子供与体化合物
    との間の反応の生成物を含む、オレフィンCH2=CHR(式中、Rは、水素であるか、または1〜12個の炭素原子を有するヒドロカルビル基である)を重合させるための触媒。
  10. 請求項9記載の触媒の存在下で行われるオレフィンを重合させるための方法。
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