JP2007281086A - 絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、および絶縁ゲートバイポーラトランジスタを作製する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】p型窒化ガリウム系半導体を用いる絶縁ゲートバイポーラトランジスタを提供する。
【解決手段】ナノコラム領域13は、第1のp型窒化ガリウム系半導体からなる複数のナノコラム31を有する。コレクタ層15は、ナノコラム領域13の複数のナノコラム31の一端31aを互いに結合するように設けられおり、また第2のp型窒化ガリウム系半導体からなる。ドリフト層17は、コレクタ層15上に設けられており、また第1のn型窒化ガリウム系半導体からなる。エミッタ領域19は第2のn型窒化ガリウム系半導体からなる。ウエル領域21は第3のp型窒化ガリウム系半導体からなる。ゲート電極25は、ゲート絶縁膜23上に設けられている。コレクタ電極29は、基板27の第2の面27b上に設けられている。ナノコラム領域13は、基板27の第1の面27a上に設けられている。
【選択図】図1
【解決手段】ナノコラム領域13は、第1のp型窒化ガリウム系半導体からなる複数のナノコラム31を有する。コレクタ層15は、ナノコラム領域13の複数のナノコラム31の一端31aを互いに結合するように設けられおり、また第2のp型窒化ガリウム系半導体からなる。ドリフト層17は、コレクタ層15上に設けられており、また第1のn型窒化ガリウム系半導体からなる。エミッタ領域19は第2のn型窒化ガリウム系半導体からなる。ウエル領域21は第3のp型窒化ガリウム系半導体からなる。ゲート電極25は、ゲート絶縁膜23上に設けられている。コレクタ電極29は、基板27の第2の面27b上に設けられている。ナノコラム領域13は、基板27の第1の面27a上に設けられている。
【選択図】図1
Description
本発明は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、および絶縁ゲートバイポーラトランジスタを作製する方法に関する。
非特許文献1には、(0001)サファイア基板上に自立窒化ガリウム膜を成長することが記載されている。この窒化ガリウムは、RF分子線ビームエピタキシによって成長されたナノコラム上に成長される。c軸方向の格子定数を評価することによって残留応力を見積もっており、低応力であることが明らかにされている。
非特許文献2には、絶縁ゲートバイポーラトランジスタが記載されている。絶縁ゲートバイポーラトランジスタはパワーデバイスとして用いられている。絶縁ゲートバイポーラトランジスタは、金属−酸化物−半導体構造n型トランジスタのドレインをドレインをp型半導体で置き換えた構造を有する。
Jap. J. Appl. Phys. Vol. 40, (2001), pp.L192-L194 パワーエレクトロニクスハンドブック、2992年2月20日発行、R&Dプランニング、pp.94-99
Jap. J. Appl. Phys. Vol. 40, (2001), pp.L192-L194 パワーエレクトロニクスハンドブック、2992年2月20日発行、R&Dプランニング、pp.94-99
非特許文献1によれば、窒化ガリウム膜が(0001)サファイア基板上のナノコラム領域を覆うように成長されている。一方、窒化ガリウム系半導体電子デバイスは、導電性基板を必要としている。窒化ガリウム系半導体電子デバイスのために窒化ガリウム基板が利用されて始めている。窒化ガリウム基板のサイズは、Si基板やGaAs基板のサイズに比べて小さい。より大きなサイズの基板を用いて、窒化ガリウム系半導体電子デバイスを作製することが求められている。また、窒化ガリウム基板の結晶品質は、向上されているが、Si基板やGaAs基板の結晶品質に比べて更に向上されることが求められている。
窒化ガリウム系半導体電子デバイスのうち絶縁ゲートバイポーラトランジスタは、非特許文献2に記載されているように、p型窒化ガリウム系半導体からなるコレクタを必要とするけれども、発明者らの知る限り、未だにp型窒化ガリウム基板は開発されていない。
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、p型窒化ガリウム系半導体を用いる絶縁ゲートバイポーラトランジスタを提供することを目的とし、また窒化ガリウム系半導体を用いる絶縁ゲートバイポーラトランジスタを作製する方法を提供することを目的とする。
本発明の一側面によれば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタは、(a)第1のp型窒化ガリウム系半導体からなる複数のナノコラムを有するナノコラム領域と、(b)前記ナノコラム領域の前記複数のナノコラムの一端を互いに結合するように設けられおり、第2のp型窒化ガリウム系半導体からなるコレクタ層と、(c)前記コレクタ層上に設けられており第1のn型窒化ガリウム系半導体からなるドリフト層と、(d)前記ドリフト層上に設けられており第2のn型窒化ガリウム系半導体からなるエミッタ領域と、(e)前記ドリフト層と前記エミッタ領域との間に設けられており第3のp型窒化ガリウム系半導体からなるウエル領域と、(f)前記ウエル領域上に設けられたゲート絶縁膜と、(g)前記ゲート絶縁膜上に設けられており前記ドリフト層と前記エミッタ領域との間の伝導を制御するためのゲート電極と、(h)窒化ガリウム系半導体と異なるp型半導体からなる支持基体を含み第1の面および第2の面を有する基板と、(i)前記基板の前記第2の面上に設けられたコレクタ電極とを備え、前記ナノコラム領域は、前記基板の前記第1の面上に設けられている。
この絶縁ゲートバイポーラトランジスタによれば、p型窒化ガリウム系半導体を用いる縦型半導体電子デバイスが提供される。ナノコラム領域がp型窒化ガリウム系半導体からなると共に、コレクタ層がp型窒化ガリウム系半導体からなるので、窒化ガリウム系半導体と異なるp型半導体とn型窒化ガリウム系半導体との接合が形成されない。また、低転位なナノコラム領域が用いられるので、絶縁ゲートバイポーラトランジスタは、良好な結晶品質を有する窒化ガリウム系半導体を用いて構成される。さらに、絶縁ゲートバイポーラトランジスタのドリフト層がナノコラム領域上に形成された窒化ガリウム系半導体からなるので、リーク電流が小さくなると共に絶縁耐圧が向上される。加えて、導電性支持体を用いるので、絶縁ゲートバイポーラトランジスタの放熱特性が良好である。
本発明の別の側面によれば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタは、(a)第1のp型窒化ガリウム系半導体からなる複数のナノコラムを有するナノコラム領域と、(b)前記ナノコラム領域の前記複数のナノコラムの一端を互いに結合するように設けられおり、第2のp型窒化ガリウム系半導体からなるコレクタ層と、(c)前記コレクタ層上に設けられており第1のn型窒化ガリウム系半導体からなるドリフト層と、(d)前記ドリフト層上に設けられており第2のn型窒化ガリウム系半導体からなるエミッタ領域と、(e)前記ドリフト層と前記エミッタ領域との間に設けられており第3のp型窒化ガリウム系半導体からなるウエル領域と、(f)前記ウエル領域上に設けられたゲート絶縁膜と、(g)前記ゲート絶縁膜上に設けられており前記ドリフト層と前記エミッタ領域との間の伝導を制御するためのゲート電極と、(h)前記ナノコラム領域に接続されたコレクタ電極とを備え、前記ナノコラム領域は、前記コレクタ電極と前記コレクタ層との間に設けられている。
この絶縁ゲートバイポーラトランジスタによれば、p型窒化ガリウム系半導体を用いる縦型半導体電子デバイスが提供される。低転位なナノコラム領域がp型窒化ガリウム系半導体からなると共に、コレクタ層が第2のp型窒化ガリウム系半導体からなるので、窒化ガリウム系半導体と異なるp型半導体とn型窒化ガリウム系半導体との接合が形成されない。また、ナノコラム領域が用いられるので、絶縁ゲートバイポーラトランジスタは、良好な結晶品質を有する窒化ガリウム系半導体を用いて構成される。さらに、絶縁ゲートバイポーラトランジスタのドリフト層がナノコラム領域上に形成された窒化ガリウム系半導体からなるので、リーク電流が小さくなると共に絶縁耐圧が向上される。加えて、絶縁ゲートバイポーラトランジスタが基板を含まないので、絶縁ゲートバイポーラトランジスタは優れた放熱特性を示す。
本発明に係る絶縁ゲートバイポーラトランジスタでは、前記支持基体はp型Siまたはp型GaAsからなることが好ましい。この絶縁ゲートバイポーラトランジスタによれば、ナノコラム領域を形成することが可能なp型半導体領域が提供される。
本発明に係る絶縁ゲートバイポーラトランジスタでは、前記第1のp型窒化ガリウム系半導体は、AlX1GaY1In1−X1−Y1Nからなり、前記第2のp型窒化ガリウム系半導体は、AlX2GaY2In1−X2−Y2Nからなり、前記第1のn型窒化ガリウム系半導体は、AlX3GaY3In1−X3−Y3Nからなり、前記第2のn型窒化ガリウム系半導体は、AlX4GaY4In1−X4−Y4Nからなり、前記第3のp型窒化ガリウム系半導体は、AlX5GaY5In1−X5−Y5Nからなることが好ましい。
この絶縁ゲートバイポーラトランジスタは、窒化ガリウム系半導体からなるナノコラム領域上に成長された様々な窒化ガリウム系半導体を利用することができる。
本発明に係る絶縁ゲートバイポーラトランジスタでは、前記第1のp型窒化ガリウム系半導体は窒化ガリウムであり、前記第2のp型窒化ガリウム系半導体は窒化ガリウムであり、前記第1のn型窒化ガリウム系半導体は窒化ガリウムであることが好ましい。この絶縁ゲートバイポーラトランジスタによれば、窒化ガリウムは優れた結晶品質を有する。
本発明の更なる別の側面は、絶縁ゲートバイポーラトランジスタを作製する方法である。この方法は、(a)窒化ガリウム系半導体とは異なる材料からなる導電性支持体を含む基板の第1の面上に、第1のp型窒化ガリウム系半導体からなる複数のナノコラムを有するナノコラム領域を形成する工程と、(b)前記ナノコラム領域の前記複数のナノコラムの一端を互いに結合するように窒化ガリウム系半導体膜を成長する工程と、(c)前記窒化ガリウム系半導体膜を成長した後に、第2のp型窒化ガリウム系半導体からなりコレクタ層のための半導体膜を成長する工程と、(d)前記コレクタ層のための半導体膜上に設けられており、第1のn型窒化ガリウム系半導体からなりドリフト層のための半導体膜を成長する工程とを備える。
この方法によれば、p型窒化ガリウム系半導体を用いる縦型半導体電子デバイスを作製できる。ナノコラム領域を用いるので、低転位なp型窒化ガリウム系半導体を形成できる。また、ナノコラム領域上に良質な結晶性のp型窒化ガリウム系半導体膜が提供されるので、窒化ガリウム系半導体と異なるp型半導体とn型窒化ガリウム系半導体との接合が形成されない。さらに、コレクタ層およびドリフト層がナノコラム領域上に形成された低転位な窒化ガリウム系半導体からなるので、絶縁ゲートバイポーラトランジスタのリーク電流が小さくなると共に絶縁体耐圧が向上される。加えて、基板が、窒化ガリウム系半導体と異なる半導体材料からなる支持体を含むので、窒化ガリウム系半導体を用いる絶縁ゲートバイポーラトランジスタを窒化ガリウム基板を用いることなく作製される。
本発明に係る方法は、(e)前記ドリフト層のための半導体膜を成長した後に、前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのためのウエル領域およびエミッタ領域を形成する工程と、(f)前記ウエル領域およびエミッタ領域を形成した後に、前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのためのゲート絶縁膜およびゲート電極並びにエミッタ電極を形成する工程と、(g)前記ウエル領域およびエミッタ領域を形成した後に、前記基板の前記第1の面と反対側の第2の面上に、コレクタ電極を形成する工程とを備え、前記導電性支持体の半導体材料のバンドギャップは窒化ガリウムのバンドギャップよりも小さいことが好ましい。
この方法によれば、窒化ガリウム系基板を用いることなく、窒化ガリウム系半導体を用いる絶縁ゲートバイポーラトランジスタを作製することができる。
本発明に係る方法は、(h)前記ドリフト層のための半導体膜を成長した後に、前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのためのウエル領域およびエミッタ領域を形成する工程と、(i)前記ウエル領域およびエミッタ領域を形成した後に、前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのためのゲート絶縁膜およびゲート電極並びにエミッタ電極を形成する工程と、(j)前記ゲート絶縁膜およびゲート電極並びにエミッタ電極を形成した後に、前記導電性支持体を除去する工程を更に備えることができる。この方法によれば、支持体を除去するので、支持体に起因する抵抗がなくなると共に、窒化ガリウム系半導体と異なるp型半導体とp型窒化ガリウム系半導体との接合が形成されない。
この方法によれば、導電性支持体を用いないので、支持体に起因する抵抗がない。
本発明に係る方法では、前記導電性支持体はp型シリコンまたはp型GaAsからなることが好ましい。この方法によれば、窒化ガリウム基板よりも入手が容易であり、また窒化ガリウム基板よりも大口径であり、さらに窒化ガリウム基板よりも低コストな支持基体上に、窒化ガリウム系半導体を用いる絶縁ゲートバイポーラトランジスタを作成できる。また、シリコンまたはGaAsは、窒化ガリウムに比べてエッチングにより除去することが容易である。
本発明の上記の目的および他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を参照して進められる本発明の好適な実施の形態の以下の詳細な記述から、より容易に明らかになる。
以上説明したように、本発明によれば、p型窒化ガリウム系半導体を用いる絶縁ゲートバイポーラトランジスタが提供される。また、本発明によれば、窒化ガリウム系半導体を用いる絶縁ゲートバイポーラトランジスタを作製する方法が提供される。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、および絶縁ゲートバイポーラトランジスタを作製する方法に係る実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
(第1の実施の形態)
図1(A)は、本実施の形態に係る絶縁ゲートバイポーラトランジスタを概略的に示す斜視図である。図1(B)は、本実施の形態に係る絶縁ゲートバイポーラトランジスタを示す模式図である。絶縁ゲートバイポーラトランジスタ11aは、ナノコラム領域13と、コレクタ層15と、ドリフト層17と、エミッタ領域19と、ウエル領域21と、ゲート絶縁膜23と、ゲート電極25と、基板27と、コレクタ電極29とを備える。ナノコラム領域13は、図1(B)に示されるように、第1のp型窒化ガリウム系半導体からなる複数のナノコラム31を有する。コレクタ層15は、ナノコラム領域13の複数のナノコラム31の一端31aを互いに結合するように設けられおり、また第2のp型窒化ガリウム系半導体からなる。ドリフト層17は、コレクタ層15上に設けられており、また第1のn型窒化ガリウム系半導体からなる。エミッタ領域19は、ドリフト層17上に設けられており、また第2のn型窒化ガリウム系半導体からなる。ウエル領域21は、ドリフト層17とエミッタ領域19との間に設けられており、また第3のp型窒化ガリウム系半導体からなる。ゲート絶縁膜23は、ウエル領域21上に設けられている。ゲート電極25は、ゲート絶縁膜23上に設けられており、またドリフト層17とエミッタ領域19との間の伝導を制御するように設けられている。基板27は、第1の面27aおよび第2の面27bを有しており、また窒化ガリウム系半導体と異なるp型半導体からなる支持基体27aを含むことができる。コレクタ電極29は、基板27の第2の面27b上に設けられている。ナノコラム領域13は、基板27の第1の面27a上に設けられている。
図1(A)は、本実施の形態に係る絶縁ゲートバイポーラトランジスタを概略的に示す斜視図である。図1(B)は、本実施の形態に係る絶縁ゲートバイポーラトランジスタを示す模式図である。絶縁ゲートバイポーラトランジスタ11aは、ナノコラム領域13と、コレクタ層15と、ドリフト層17と、エミッタ領域19と、ウエル領域21と、ゲート絶縁膜23と、ゲート電極25と、基板27と、コレクタ電極29とを備える。ナノコラム領域13は、図1(B)に示されるように、第1のp型窒化ガリウム系半導体からなる複数のナノコラム31を有する。コレクタ層15は、ナノコラム領域13の複数のナノコラム31の一端31aを互いに結合するように設けられおり、また第2のp型窒化ガリウム系半導体からなる。ドリフト層17は、コレクタ層15上に設けられており、また第1のn型窒化ガリウム系半導体からなる。エミッタ領域19は、ドリフト層17上に設けられており、また第2のn型窒化ガリウム系半導体からなる。ウエル領域21は、ドリフト層17とエミッタ領域19との間に設けられており、また第3のp型窒化ガリウム系半導体からなる。ゲート絶縁膜23は、ウエル領域21上に設けられている。ゲート電極25は、ゲート絶縁膜23上に設けられており、またドリフト層17とエミッタ領域19との間の伝導を制御するように設けられている。基板27は、第1の面27aおよび第2の面27bを有しており、また窒化ガリウム系半導体と異なるp型半導体からなる支持基体27aを含むことができる。コレクタ電極29は、基板27の第2の面27b上に設けられている。ナノコラム領域13は、基板27の第1の面27a上に設けられている。
この絶縁ゲートバイポーラトランジスタ11aでは、p型窒化ガリウム系半導体を用いる縦型半導体電子デバイスが提供される。ナノコラム領域13がp型窒化ガリウム系半導体からなると共に、コレクタ層15が第2のp型窒化ガリウム系半導体からなるので、窒化ガリウム系半導体と異なるp型半導体とn型窒化ガリウム系半導体との接合が形成されない。また、ナノコラム領域13が用いられるので、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ11aは、良好な結晶品質を有する窒化ガリウム系半導体を用いて構成される。さらに、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ11aのドリフト層17が低転位なナノコラム領域13上に形成された窒化ガリウム系半導体からなるので、リーク電流が小さくなると共に絶縁耐圧が向上される。加えて、p型半導体からなる導電性の基板27を用いるので、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ11aの放熱特性が良好である。ゲート絶縁膜23の材料としては、例えばSiO2、SiNx、SiON、Ga2O3、Sc2O3、Gd2O3、Al2O3、AlN、AlGaN、MgO等を用いることができる。ゲート電極25の材料として、例えばNi、Pt、ポリシリコン、Al、Ti、W、Ir、遷移金属シリサイドを用いることができる。
コレクタ層15とドリフト層17とはpn接合33aを形成する。エミッタ領域19とウエル領域21とはpn接合33bを形成する。ウエル領域21とドリフト領域17とはpn接合33cを形成する。ゲート絶縁膜23は、ウエル領域21の表層上に設けられており、ウエル領域21の表層の伝導率がゲート電極25からの電界に応じて変調される。ゲート絶縁膜23とウエル領域21との界面における電界が大きくなると、ウエル領域21の表層に反転層が形成され、エミッタ領域19とドリフト領域17とを繋ぐチャネルCH1、CH2が形成される。チャネルCH1、CH2は、エミッタ領域19にオーミック接合を成すエミッタ電極35からの電子Eをドリフト層17へ流す。エミッタ電極35は、またウエル領域21にも接続されている。
絶縁ゲートバイポーラトランジスタ11aでは、基板27は、支持基体27aと、支持基体27a上に設けられたバッファ層27bを含むことができる。支持基体27aはp型Siまたはp型GaAsからなることが好ましい。これによれば、ナノコラム領域13を形成することが可能なp型半導体下地が提供される。シリコン基板は例えば(111)面からなる主面を有している。バッファ膜27bは、例えばAlN膜を含む。AlN膜はウルツアイト結晶構造を有する。
また、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ11aでは、ナノコラム領域13の第1のp型窒化ガリウム系半導体は、AlX1GaY1In1−X1−Y1Nからなり、コレクタ層15の第2のp型窒化ガリウム系半導体は、AlX2GaY2In1−X2−Y2Nからなり、ドリフト層17の第1のn型窒化ガリウム系半導体は、AlX3GaY3In1−X3−Y3Nからなり、エミッタ領域19の第2のn型窒化ガリウム系半導体は、AlX4GaY4In1−X4−Y4Nからなり、ウエル領域21の第3のp型窒化ガリウム系半導体は、AlX5GaY5In1−X5−Y5Nからなることが好ましい。これらの窒化ガリウム系半導体は、具体的には、GaN、InGaN、AlGaN、InAlGaNである。この絶縁ゲートバイポーラトランジスタ11aは、窒化ガリウム系半導体からなるナノコラム領域上に成長された様々な窒化ガリウム系半導体を利用することができる。
好ましい実施例では、ナノコラム領域13の第1のp型窒化ガリウム系半導体はp型GaNあり、コレクタ層15の第2のp型窒化ガリウム系半導体はp型GaNであり、ドリフト層17第1のn型窒化ガリウム系半導体はn型GaNであることが好ましい。エミッタ領域19の第2のn型窒化ガリウム系半導体はn型GaNからなり、ウエル領域21の第3のp型窒化ガリウム系半導体はp型GaNからなることができる。ナノコラム領域13上に設けられた窒化ガリウムは優れた結晶品質を有する。
ナノコラム領域13の厚さL1が、例えば0.05マイクロメートル以上であれば、初期成長欠陥層のない高品質な結晶を得ることができる。ナノコラム領域13の厚さL1が、例えば2マイクロメートル以下であれば、オン抵抗が低くなる。コレクタ層15の厚さL2が、例えば0.2マイクロメートル以上であれば、コレクタ層表面が平坦連続膜になる。コレクタ層15の厚さL2が、例えば3マイクロメートル以下であれば、オン抵抗が低くなる。
ナノコラム領域13のドーパント濃度N13が、例えば1017cm−3以上であれば、オン抵抗が低くなる。ナノコラム領域13のドーパント濃度N13が、例えば1021cm−3以下であれば、結晶性が良好であり、上に成長するコレクタ層の結晶性も良くなる。コレクタ層15のドーパント濃度N15が、例えば1017cm−3以上であれば、オン抵抗が低くなる。コレクタ層15のドーパント濃度N15が、例えば1021cm−3以下であれば、結晶性が良好という利点がある。
ナノコラム領域13に、ほとんど貫通転位が存在しない。コレクタ層15の貫通転位密度D2が、例えば107cm−2以下であれば、逆方向耐圧が向上する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、p型窒化ガリウム系半導体を用いる絶縁ゲートバイポーラトランジスタが提供される。
(第2の実施の形態)
図2(A)は、本実施の形態に係る絶縁ゲートバイポーラトランジスタを概略的に示す斜視図である。図2(B)は、本実施の形態に係る絶縁ゲートバイポーラトランジスタを示す模式図である。絶縁ゲートバイポーラトランジスタ11bは、コレクタ層15と、ドリフト層17と、エミッタ領域19と、ウエル領域21と、ゲート絶縁膜23と、ゲート電極25とを備えており、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ11bは、ナノコラム領域13に替えてナノコラム領域43を含むと共に、コレクタ電極29に替えてコレクタ電極39を含む。ナノコラム領域43は、第1のp型窒化ガリウム系半導体からなる複数のナノコラム41を有する。コレクタ層15は、ナノコラム領域43の複数のナノコラム41の一端41aを互いに結合するように設けられおり、また第2のp型窒化ガリウム系半導体からなる。コレクタ電極39は、複数のナノコラム41の他端に電気的に接続されている。ナノコラム領域43は、コレクタ電極29上に設けられている。ナノコラム領域43は、コレクタ電極39とコレクタ層15との間に設けられている。
図2(A)は、本実施の形態に係る絶縁ゲートバイポーラトランジスタを概略的に示す斜視図である。図2(B)は、本実施の形態に係る絶縁ゲートバイポーラトランジスタを示す模式図である。絶縁ゲートバイポーラトランジスタ11bは、コレクタ層15と、ドリフト層17と、エミッタ領域19と、ウエル領域21と、ゲート絶縁膜23と、ゲート電極25とを備えており、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ11bは、ナノコラム領域13に替えてナノコラム領域43を含むと共に、コレクタ電極29に替えてコレクタ電極39を含む。ナノコラム領域43は、第1のp型窒化ガリウム系半導体からなる複数のナノコラム41を有する。コレクタ層15は、ナノコラム領域43の複数のナノコラム41の一端41aを互いに結合するように設けられおり、また第2のp型窒化ガリウム系半導体からなる。コレクタ電極39は、複数のナノコラム41の他端に電気的に接続されている。ナノコラム領域43は、コレクタ電極29上に設けられている。ナノコラム領域43は、コレクタ電極39とコレクタ層15との間に設けられている。
この絶縁ゲートバイポーラトランジスタ11bでは、p型窒化ガリウム系半導体を用いる縦型半導体電子デバイスが提供される。ナノコラム領域43がp型窒化ガリウム系半導体からなると共に、コレクタ層15が第2のp型窒化ガリウム系半導体からなるので、窒化ガリウム系半導体と異なるp型半導体とn型窒化ガリウム系半導体との接合が形成されない。また、ナノコラム領域43が用いられるので、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ11bは、良好な結晶品質を有する窒化ガリウム系半導体を用いて構成される。さらに、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ11bのドリフト層17が低転位なナノコラム領域43上に形成された窒化ガリウム系半導体からなるので、リーク電流が小さくなると共に絶縁体耐圧が向上される。加えて、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ11bが基板を含まないので、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ11bは優れた放熱特性を示す。基板なないので、基板からの応力がない。
ナノコラム領域43の厚さL3が、例えば0.05マイクロメートル以上であれば、初期成長欠陥層のない高品質な結晶を得ることができる。ナノコラム領域43の厚さL3が、例えば2マイクロメートル以下であれば、オン抵抗が低くなる。また、ナノコラム領域43のドーパント濃度N43が、例えば1017cm−3以上であれば、オン抵抗が低くなる。ナノコラム領域43のドーパント濃度N43が、例えば1021cm−3以下であれば、結晶性が良好であり、上に成長するコレクタ層の結晶性も良くなる。
第1および第2の実施の形態において、個々のナノコラム13、43は、窒化ガリウム半導体からなるコレクタ層15の主面15aに直交する軸に沿って伸びており、既に説明したように、ナノコラム31、41の一端31a、41aは窒化ガリウム半導体層15に接続されており、ナノコラム13、43の他端29bは開放されている。個々のナノコラム31、41は窒化ガリウム系単結晶からなり、その成長軸は下地の成長用基板の面方位により規定されている。また、窒化ガリウム半導体膜15は、個々のナノコラム31、41から一体の窒化ガリウム系単結晶体へ遷移する領域を有する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、p型窒化ガリウム系半導体を用いる絶縁ゲートバイポーラトランジスタが提供される。
(第3の実施の形態)
図3(A)、図3(B)、図3(C)、図4(A)、図4(B)および図4(C)を参照しながら、絶縁ゲートバイポーラトランジスタを作製する方法を説明する。
図3(A)、図3(B)、図3(C)、図4(A)、図4(B)および図4(C)を参照しながら、絶縁ゲートバイポーラトランジスタを作製する方法を説明する。
図3(A)を示されるように、窒化ガリウム系半導体を成長するための基板51を準備する。基板51は、窒化ガリウム系半導体とは異なる材料からなる支持体47と、支持体47上に形成されたバッファ膜49とを含むことができる。基板51は例えば以下のように準備される。支持体47を結晶成長装置に配置する。本実施例では、結晶成長装置として、例えばRF−MBE装置を用いるが、これに限定されることなくOMVPE、HVPE等も用いることができる。支持体47としては、例えば(111)面のp型シリコンウエハまたはp型GaAs等を用いることができる。支持体47上にバッファ膜49を堆積する。(111)面シリコン基板を用いる場合、バッファ膜49は例えばGaN膜またはAlN膜を含むことができる。この場合、バッファ膜35の厚さは、例えば数nm以上であることが好ましい。このバッファ層によりナノコラム成長の核となる初期成長核が形成される。必要な場合には、バッファ膜の成長に先立って、支持体47の表面の熱クリーニングを行うことができる。導電性支持体47の半導体材料のバンドギャップは窒化ガリウムのバンドギャップよりも小さい。
図3(B)に示されるように、p型のナノコラム領域53を基板51上に形成する。ナノコラム領域53は、図1(B)および図2(B)に示されるような、窒化ガリウム系半導体からなる複数のナノコラムを有する。V族原料の供給モル数とIII族原料の供給モル数との比(以下「V/III」として参照する)に応じて、ナノコラムの形状が変化する。ナノコラムは窒素リッチの条件で成長される。ナノコラムは、ウルツアイト構造のバッファ膜上に形成され、窒化ガリウムの(0001)軸の方向に伸びる。ナノコラム領域53におけるナノコラム密度は、例えばバッファ層の材料の種類、その膜厚、その成長条件に応じて変わる。ナノコラム密度は、例えば、1×109cm−2〜5×1010cm−2程度の範囲で変更可能である。窒素リッチの条件では、ガリウムの核生成やガリウムのマイグレーションが制限されるので、結晶膜の形成よりも、コラム状の結晶が成長する。
次いで、コレクタ層のためのp型の窒化ガリウム系半導体膜55を成長する。図3(B)に示されるように、ナノコラム領域53の複数のナノコラムを互いに結合するようにp型の窒化ガリウム系半導体膜55を成長する。先ず、ナノコラム領域53の複数のナノコラムを互いに結合するように窒化ガリウム系半導体領域を成長する。このために、ナノコラム領域53の成長条件におけるガリウム供給量よりも大きいガリウム原料を供給する。ガリウム原料の増加により、ガリウムの核生成やガリウムのマイグレーションが促進される。この結果、複数のナノコラム57が互いに結合され、遷移領域59が形成される。次いで、窒化ガリウム系半導体の遷移領域59上に窒化ガリウム単結晶領域61を堆積する。これにより、窒化ガリウム系半導体膜55が得られる。ナノコラム領域53の窒化ガリウム系半導体の導電型は、窒化ガリウム半導体系膜55の導電型と同じである。
この方法によれば、ナノコラム領域53は非常に転位密度の小さい結晶からなるので、ナノコラム領域53上に成長される窒化ガリウム系半導体膜55もまた、非常に転位密度の小さい結晶からなる。また、基板51が窒化ガリウム系半導体とは異なる材料からなる支持体47を含むので、p型窒化ガリウム系半導体基板を用いることなく、p型窒化ガリウム系半導体膜55を得ることができる。さらに、窒化ガリウム系半導体膜55のサイズは、実質的に上記基板51のサイズと同じにできる。これにより、エピタキシャル基板E1が得られた。エピタキシャル基板E1は、基板51と、ナノコラム領域53と、窒化ガリウム半導体系膜55とを含む。
(実施例)
GaNナノコラム成長の一例
MBE成長装置を用いる。Kセルを用いて7Nのガリウム源および7Nのアルミニウム源を提供すると共に、並びにRFラジカルガンを用いて6NのN2ガスを窒素源を提供する。バッファ層(初期核形成)の成長温度は摂氏500〜550度範囲にあり、ナノコラム形成の成長温度は摂氏850〜900度範囲にある。ガリウム原料および活性窒素を供給する。
一例のV/III比:ナノコラム成長(GaN膜の成長よりも窒素リッチ条件)
である。ナノコラムの歪みは緩和されており、ナノコラム領域は非常に高品質の結晶である。成長表面はファセット面を含み成長と共に転位は曲げられ、この結果、ナノコラム領域はほぼ無転位となる。ナノコラムの直径は、成長温度、成長速度、V/III比に応じて変化し、例えば30nm〜200nm程度の範囲で制御される。特に、ナノコラムの直径は、ガリウム供給量に大きく依存する。これは、ナノコラムの成長が、窒素リッチの条件の下でガリウムのマイグレーションを調整していることに因る。ナノコラム領域は、窒化ガリウム系半導体のC軸方向に成長される。コレクタ層のためのp型窒化ガリウム系半導体膜はナノコラム領域から連続的に成長される。ナノコラムのキャリア濃度は、1×1017cm−3以上であることが好ましい。本実施例では、キャリア濃度pは、約3×1017cm−3である。また、p型窒化ガリウム系半導体膜のキャリア濃度は、1×1017cm−3以上であることが好ましい。
GaNナノコラム成長の一例
MBE成長装置を用いる。Kセルを用いて7Nのガリウム源および7Nのアルミニウム源を提供すると共に、並びにRFラジカルガンを用いて6NのN2ガスを窒素源を提供する。バッファ層(初期核形成)の成長温度は摂氏500〜550度範囲にあり、ナノコラム形成の成長温度は摂氏850〜900度範囲にある。ガリウム原料および活性窒素を供給する。
一例のV/III比:ナノコラム成長(GaN膜の成長よりも窒素リッチ条件)
である。ナノコラムの歪みは緩和されており、ナノコラム領域は非常に高品質の結晶である。成長表面はファセット面を含み成長と共に転位は曲げられ、この結果、ナノコラム領域はほぼ無転位となる。ナノコラムの直径は、成長温度、成長速度、V/III比に応じて変化し、例えば30nm〜200nm程度の範囲で制御される。特に、ナノコラムの直径は、ガリウム供給量に大きく依存する。これは、ナノコラムの成長が、窒素リッチの条件の下でガリウムのマイグレーションを調整していることに因る。ナノコラム領域は、窒化ガリウム系半導体のC軸方向に成長される。コレクタ層のためのp型窒化ガリウム系半導体膜はナノコラム領域から連続的に成長される。ナノコラムのキャリア濃度は、1×1017cm−3以上であることが好ましい。本実施例では、キャリア濃度pは、約3×1017cm−3である。また、p型窒化ガリウム系半導体膜のキャリア濃度は、1×1017cm−3以上であることが好ましい。
続いて、図3(C)に示されるように、ドリフト層のためのn型の窒化ガリウム系半導体膜63を成長する。窒化ガリウム系半導体膜63の厚さは、例えば3マイクロメートル以上であることが好ましい。窒化ガリウム系半導体膜63のドーパント濃度は窒化ガリウム系半導体膜55のドーパント濃度よりも小さく、例えば1015cm−3以上であることが好ましく、また1017cm−3以下であることが好ましい。これにより、エピタキシャル基板E2が得られた。エピタキシャル基板E2は、基板51と、ナノコラム領域53と、p型窒化ガリウム半導体系膜55と、n型窒化ガリウム半導体系膜63とを含む。
図4(A)に示されるように、n型窒化ガリウム系半導体膜63を成長した後に、エッチング法、フォトリソグラフィ法およびエピタキシャル成長法を用いてn型窒化ガリウム系半導体膜63を加工し、絶縁ゲートバイポーラトランジスタのためのウエル領域65およびエミッタ領域67を形成する。例えば、マスクを用いてn型窒化ガリウム系半導体膜63をエッチングすると共に、このマスクを用いてウエル領域のための窒化ガリウム系半導体を選択成長することができる。また、マスクを用いてウエル領域のための窒化ガリウム系半導体をエッチングすると共に、このマスクを用いてエミッタ領域のための窒化ガリウム系半導体を選択成長することができる。
図4(B)に示されるように、絶縁ゲートバイポーラトランジスタのためのゲート絶縁膜69およびゲート電極71並びにエミッタ電極73を形成する。これにより、基板生産物E3が得られる
図4(C)に示されるように、絶縁ゲートバイポーラトランジスタのためのコレクタ電極75を形成する。このコレクタ電極75は、基板51の第1の面51aと反対側の第2の面51b上に形成される。
これらが、絶縁ゲートバイポーラトランジスタを作製する方法の主要な工程である。これらの工程により、基板生産物E4が作製される。
基板51の支持体47がシリコン製であるとき、上記の基板生産物のサイズは、市場に流通しているシリコンウエハのサイズであり、例えば2インチから12インチ程度である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、窒化ガリウム系半導体を用いる絶縁ゲートバイポーラトランジスタを作製する方法が提供される。
(第4の実施の形態)
図5(A)、図5(B)および図5(C)を参照しながら、絶縁ゲートバイポーラトランジスタを作製する方法を説明する。
図5(A)、図5(B)および図5(C)を参照しながら、絶縁ゲートバイポーラトランジスタを作製する方法を説明する。
図3(A)から図4(B)に示される工程に従って、絶縁ゲートバイポーラトランジスタを作製する方法の工程を行って、基板生産物E3を作製する。引き続いて、支持体47を除去する。この実施の形態の方法では、基板51は、導電性支持体だけでなく、半絶縁性または絶縁性支持体を含むことができる。
図5(A)を示されるように、基板51の第2の面51b上にコレクタ電極を形成することなく、基板生産物E3の表面にマスク76を形成して、ゲート電極71、エミッタ電極73等を覆う。マスク76は、例えばレジストマスクである。
図5(B)を示されるように、基板51をエッチングして、基板生産物E3から基板を取り除いて、基板生産物E5を作製する。基板51がシリコン製支持体を含む場合には、フッ化水素酸および硝酸の混合液を用いて選択的にシリコンをウエットエッチングしてナノコラム領域53aを形成することができる。また、基板51がGaAs製支持体を含む場合には、例えば、硫酸と過酸化水素水の混合液を用いてGaAsを選択的にウエットエッチングすることができる。基板51の除去により、基板からの応力がなくなる。
この後に、マスク76を除去すると共に、ナノコラム領域53に接続するコレクタ電極77を作製すると、基板生産物E6が得られる。
この方法によれば、支持体を除去するので、支持体に起因する抵抗がなくなると共に、窒化ガリウム系半導体と異なるp型半導体とn型窒化ガリウム系半導体との接合が形成されない。
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本実施の形態では、p型窒化ガリウム系半導体からなるナノコラムを用いる絶縁ゲートバイポーラトランジスタについて例示的に説明しているけれども、n型窒化ガリウム系半導体からなるナノコラムを用いることもできる。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
11a、11b…絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、13…ナノコラム領域、15…コレクタ層、17…ドリフト層、19…エミッタ領域、21…ウエル領域、23…ゲート絶縁膜、25…ゲート電極、27…基板、27a…支持基体、27b…バッファ層、29…コレクタ電極、31…ナノコラム、31a…ナノコラムの一端、CH1、CH2…チャネル、33a、33b、33c…pn接合、35…エミッタ電極、39…コレクタ電極、41…ナノコラム、41a…ナノコラムの一端、43…ナノコラム領域、L1、L3…ナノコラム領域の厚さ、L2…コレクタ層の厚さ、47…支持体、49…バッファ膜、51…基板、53…ナノコラム領域、55…窒化ガリウム系半導体膜、59…窒化ガリウム系半導体遷移領域、61…窒化ガリウム単結晶領域、E1、E2…エピタキシャル基板、63…窒化ガリウム系半導体膜、65…ウエル領域、67…エミッタ領域、69…ゲート絶縁膜、71…ゲート電極、73…エミッタ電極、E3、E4、E5、E6…基板生産物、75…コレクタ電極、76…マスク、77…コレクタ電極
Claims (9)
- 第1のp型窒化ガリウム系半導体からなる複数のナノコラムを有するナノコラム領域と、
前記ナノコラム領域の前記複数のナノコラムの一端を互いに結合するように設けられおり、第2のp型窒化ガリウム系半導体からなるコレクタ層と、
前記コレクタ層上に設けられており第1のn型窒化ガリウム系半導体からなるドリフト層と、
前記ドリフト層上に設けられており第2のn型窒化ガリウム系半導体からなるエミッタ領域と、
前記ドリフト層と前記エミッタ領域との間に設けられており第3のp型窒化ガリウム系半導体からなるウエル領域と、
前記ウエル領域上に設けられたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に設けられており前記ドリフト層と前記エミッタ領域との間の伝導を制御するためのゲート電極と、
窒化ガリウム系半導体と異なるp型半導体からなる支持基体を含み第1の面および第2の面を有する基板と、
前記基板の前記第2の面上に設けられたコレクタ電極と
を備え、
前記ナノコラム領域は、前記基板の前記第1の面上に設けられている、ことを特徴とする絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。 - 第1のp型窒化ガリウム系半導体からなる複数のナノコラムを有するナノコラム領域と、
前記ナノコラム領域の前記複数のナノコラムの一端を互いに結合するように設けられおり、第2のp型窒化ガリウム系半導体からなるコレクタ層と、
前記コレクタ層上に設けられており第1のn型窒化ガリウム系半導体からなるドリフト層と、
前記ドリフト層上に設けられており第2のn型窒化ガリウム系半導体からなるエミッタ領域と、
前記ドリフト層と前記エミッタ領域との間に設けられており第3のp型窒化ガリウム系半導体からなるウエル領域と、
前記ウエル領域上に設けられたゲート絶縁膜と、
前記ゲート絶縁膜上に設けられており前記ドリフト層と前記エミッタ領域との間の伝導を制御するためのゲート電極と、
前記ナノコラム領域に電気的に接続されたコレクタ電極と
を備え、
前記ナノコラム領域は、前記コレクタ電極と前記コレクタ層との間に設けられている、ことを特徴とする絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。 - 前記支持基体はp型Siまたはp型GaAsからなる、ことを特徴とする請求項1に記載された絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。
- 前記第1のp型窒化ガリウム系半導体は、AlX1GaY1In1−X1−Y1Nからなり、
前記第2のp型窒化ガリウム系半導体は、AlX2GaY2In1−X2−Y2Nからなり、
前記第1のn型窒化ガリウム系半導体は、AlX3GaY3In1−X3−Y3Nからなり、
前記第2のn型窒化ガリウム系半導体は、AlX4GaY4In1−X4−Y4Nからなり、
前記第3のp型窒化ガリウム系半導体は、AlX5GaY5In1−X5−Y5Nからなる、ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載された絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。 - 前記第1のp型窒化ガリウム系半導体は窒化ガリウムであり、
前記第2のp型窒化ガリウム系半導体は窒化ガリウムであり、
前記第1のn型窒化ガリウム系半導体は窒化ガリウムである、ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載された絶縁ゲートバイポーラトランジスタ。 - 絶縁ゲートバイポーラトランジスタを作製する方法であって、
窒化ガリウム系半導体とは異なる材料からなる導電性支持体を含む基板の第1の面上に、第1のp型窒化ガリウム系半導体からなる複数のナノコラムを有するナノコラム領域を形成する工程と、
前記ナノコラム領域の前記複数のナノコラムの一端を互いに結合するように窒化ガリウム系半導体膜を成長する工程と、
前記窒化ガリウム系半導体膜を成長した後に、第2のp型窒化ガリウム系半導体からなりコレクタ層のための半導体膜を成長する工程と、
前記コレクタ層のための半導体膜上に設けられており、第1のn型窒化ガリウム系半導体からなりドリフト層のための半導体膜を成長する工程と、
を備える、ことを特徴とする方法。 - 前記ドリフト層のための半導体膜を成長した後に、前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのためのウエル領域およびエミッタ領域を形成する工程と、
前記ウエル領域およびエミッタ領域を形成した後に、前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのためのゲート絶縁膜およびゲート電極並びにエミッタ電極を形成する工程と、
前記ウエル領域およびエミッタ領域を形成した後に、前記基板の前記第1の面と反対側の第2の面上に、コレクタ電極を形成する工程と
を備え、
前記導電性支持体の半導体材料のバンドギャップは窒化ガリウムのバンドギャップよりも小さい、ことを特徴とする請求項6に記載された方法。 - 前記ドリフト層のための半導体膜を成長した後に、前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのためのウエル領域およびエミッタ領域を形成する工程と、
前記ウエル領域およびエミッタ領域を形成した後に、前記絶縁ゲートバイポーラトランジスタのためのゲート絶縁膜およびゲート電極並びにエミッタ電極を形成する工程と、
前記ゲート絶縁膜およびゲート電極並びにエミッタ電極を形成した後に、前記導電性支持体を除去する工程を更に備える、ことを特徴とする請求項7に記載された方法。 - 前記導電性支持体はp型シリコンまたはp型GaAsからなる、ことを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか一項に記載された方法。
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CN108242399A (zh) * | 2016-12-27 | 2018-07-03 | 丰田自动车株式会社 | 开关元件的制造方法 |
JP2018107336A (ja) * | 2016-12-27 | 2018-07-05 | トヨタ自動車株式会社 | スイッチング素子 |
-
2006
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