JP2007274987A - 細胞融合用チップ - Google Patents

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Abstract

【課題】1枚のチップ上で細胞の融合処理を行うことができて作業効率に優れ、細胞の供給や取り出しの作業に熟練を要することなく、しかも作業中に細胞が汚染されてしまうおそれがない細胞融合用チップを提供すること。
【解決手段】融合処理前の単離状態の細胞を収容する単離チャンバと、該単離チャンバから供給される細胞同士を融合させるための対向電極を有する融合チャンバと、該融合チャンバにおいて融合された細胞を培養する培養チャンバと、前記単離チャンバと融合チャンバを接続する第1の通路と、前記融合チャンバと培養チャンバを接続する第2の通路を1枚のチップ上に備えていることを特徴とする細胞融合用チップとする。
【選択図】図1

Description

本発明は細胞融合用チップに関し、より詳しくは、1枚のチップ上で細胞の融合処理を効率良く行うことができる細胞融合用チップに関する。
一般的に、細胞の融合処理は、複数の細胞を含む懸濁液を容器に入れ、この容器を顕微鏡のステージ上に載置し、顕微鏡により容器内の細胞を観察しながら行われている(例えば、下記特許文献1参照)。
従来、このような細胞の融合処理においては、顕微鏡のステージ上に載置される容器内への細胞の供給や、容器内において融合された後の細胞の取り出しは、別の容器との間でマイクロピペット等を用いて行われていた。
しかしながら、このような方法では、細胞の供給や取り出しの作業に熟練を要する上に、細胞の移動中に細胞が汚染されてしまうおそれがあった。また複数の容器を使用する必要があるために作業効率が非常に悪かった。
特開平4−349889号公報
本発明は、上記したような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、1枚のチップ上で細胞の融合処理を行うことができて作業効率に優れ、細胞の供給や取り出しの作業に熟練を要することなく、しかも作業中に細胞が汚染されてしまうおそれがない細胞融合用チップを提供するものである。
請求項1に係る発明は、融合処理前の単離状態の細胞を収容する単離チャンバと、該単離チャンバから供給される細胞同士を融合させる融合チャンバと、該融合チャンバにおいて融合された細胞を培養する培養チャンバと、前記単離チャンバと融合チャンバを接続する第1の通路と、前記融合チャンバと培養チャンバを接続する第2の通路を1枚のチップ上に備えていることを特徴とする細胞融合用チップに関する。
請求項2に係る発明は、マイクロシリンジポンプが接続される接続口と、該接続口と繋がる第3の通路を有しており、前記単離チャンバ、融合チャンバ、培養チャンバの少なくとも1つ以上のチャンバが、前記第3の通路を介して前記接続口と接続されていることを特徴とする請求項1記載の細胞融合用チップに関する。
請求項3に係る発明は、前記融合チャンバに接続された第3の通路が、一の接続口と接続された一の通路と、他の接続口と接続された他の通路とからなることを特徴とする請求項2記載の細胞融合用チップに関する。
請求項4に係る発明は、前記融合チャンバの幅が、前記第1乃至第3の通路の幅に比べて広いことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の細胞融合用チップに関する。
請求項5に係る発明は、前記培養チャンバを含む部分を他のチャンバを含む部分から分離可能に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の細胞融合用チップに関する。
請求項6に係る発明は、前記融合チャンバが対向電極を有することを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の細胞融合用チップに関する。
請求項7に係る発明は、前記融合チャンバ内に、窪みを有する壁が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の細胞融合用チップに関する。
請求項8に係る発明は、前記融合チャンバ内に、平面視において格子状に形成された壁が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の細胞融合用チップに関する。
請求項9に係る発明は、前記壁が、対向電極の内方において、窪み同士が対向するように配置された一対の壁からなることを特徴とする請求項7記載の細胞融合用チップに関する。
請求項10に係る発明は、前記壁が、対向電極の内方に形成されていることを特徴とする請求項8記載の細胞融合用チップに関する。
請求項1に係る発明によれば、単離状態の細胞の収容と、細胞の電気的融合処理と、融合された細胞の培養とを、別々のチャンバ内で1枚のチップ上で行うことができるので、細胞の供給や取り出しの作業に熟練を要することなく、作業中に細胞が汚染されてしまうおそれがなく、細胞融合の作業効率を向上させることができる。
請求項2に係る発明によれば、マイクロシリンジポンプを利用してチャンバ間の細胞移動を行うことができるので、細胞の移動を容易且つ確実に、しかも迅速に且つ精密に行うことが可能となる。
請求項3に係る発明によれば、融合チャンバへの培地の供給及び融合チャンバからの培地の抽出を他のチャンバを介することなく直接行うことが可能となり、しかもマイクロシリンジポンプを利用することでこれを容易に且つ精密に行うことができる。
請求項4に係る発明によれば、単離チャンバから融合チャンバへの意図しない細胞の流入や、融合チャンバから培養チャンバへの意図しない細胞の流出を確実に防止することができる。
請求項5に係る発明によれば、融合チャンバにて融合処理された後の細胞を培養チャンバに移動させた後、培養チャンバを含む部分を他のチャンバを含む部分から分離することにより、分離された部分を培養チャンバとして独立して利用することができる。
請求項6に係る発明によれば、融合チャンバが対向電極を有することにより、対向電極間に交流電圧を印加することによって、細胞同士を容易に整列させてパールチェーンを形成することができ、細胞融合の処理効率を高めることができる。
請求項7に係る発明によれば、融合チャンバ内に、窪みを有する壁が設けられていることにより、細胞を窪みに嵌め込むことで細胞同士を強く押し付けることができ、これによって細胞同士の接着性が高まり、細胞融合率を向上させることが可能となる。
請求項8に係る発明は、融合チャンバ内に、平面視において格子状に形成された壁が設けられていることにより、細胞を格子内に嵌め込んで動きを制限することができ、これによって細胞融合の処理が容易となる。また、レーザーピンセットにより格子の中に入る細胞数を制御すれば、選択性のある細胞融合を行うことができる。更に、融合後の細胞を外部のマニピュレーターで抽出する場合には、格子により細胞が区別されているため取得し易くなる。
請求項9に係る発明によれば、壁が、対向電極の内方において窪み同士が対向するように配置された一対の壁からなることにより、対向電極間に交流電圧を印加して形成されたパールチェーンが窪みによって動きが固定され、UVレーザー等で細胞融合を行う際に照準が定まり易くなる。
請求項10に係る発明によれば、壁が対向電極の内方に形成されていることにより、対向電極間に交流電圧を印加して形成されたパールチェーンは格子内で動きが固定され、UVレーザー等で細胞融合を行う際に照準が定まり易くなる。
以下、本発明に係る細胞融合用チップの好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明に係る細胞融合用チップの平面図である。
本発明に係る細胞融合用チップ(1)は、絶縁性素材(例えばPP,PE,PET等の合成樹脂)からなる1枚の平板から形成され、その上面に凹状に窪んだ複数のチャンバが形成されている。
チャンバは、単離チャンバ(2)、融合チャンバ(3)、培養チャンバ(4)の3種類のチャンバからなり、これら3種類のチャンバが1枚のチップ上に形成されている。
単離チャンバ(2)は、融合処理前の単離状態の細胞を含む懸濁液を収容するチャンバである。
単離チャンバ(2)は、同種の細胞を融合させる場合には1つのみでもよいが、異種細胞を融合させる場合には、異種細胞を別々に収容できるように複数のチャンバが設けられる。単離チャンバ(2)を複数設ける場合、その数は特に限定されず、図示例のように2つとしてもよいし、3つ以上とすることも可能である。また、各チャンバの大きさは同じでもよいし、異ならせてもよい。
融合チャンバ(3)は、単離チャンバ(2)から供給される細胞同士を融合させるためのチャンバである。
融合チャンバ(3)の内壁には、間隔を隔てて対向する位置に一対の電極(7)が取り付けられている。
一対の電極(7)は夫々電源(図示せず)と接続されており、対向する電極間に交流電圧を印加することができるように構成されている。
一対の電極(7)は、一端部が単離チャンバ(2)の内壁において露出され、他端部がチップ(1)の外部において露出されているが、その他の部分は、単離チャンバ(2)の内部以外の部分での導通を防止するために、夫々細胞融合用チップ(1)を構成する絶縁性素材の内部に埋め込まれる形で設けられている。
培養チャンバ(4)は、融合チャンバ(3)において融合された細胞を収容し、培養するためのチャンバである。
培養チャンバ(4)の数は図示例では1つだけ設けられているが、2つ以上設けて夫々の培養チャンバ(4)で別々に培養を行わせるようにすることも可能である。
細胞融合用チップ(1)の上面には、上述した3種類のチャンバ(2)(3)(4)を相互に連絡する複数の通路が形成されており、これら複数の通路を介して異種チャンバ間での流体(細胞を含む液等)の相互流通が可能となっている。
単離チャンバ(2)と融合チャンバ(3)は第1の通路(5)によって接続されており、単離チャンバ(2)に収容された融合処理前の細胞は、第1の通路(5)を通って融合チャンバ(3)へと移動され、融合チャンバ(3)内での融合処理に供される。
融合チャンバ(3)と培養チャンバ(4)は第2の通路(6)によって接続されており、融合チャンバ(3)において融合処理が完了した細胞は、第2の通路(6)を通って培養チャンバ(4)へと移動され、培養チャンバ(4)内で培養される。
細胞融合用チップ(1)の上面には、マイクロシリンジポンプの吐出/吸引口を接続することができる接続口(8)が形成されている。
接続口(8)は、第3の通路(9)を介して上述した単離チャンバ(2)、融合チャンバ(3)、培養チャンバ(4)の少なくとも1つ以上に接続される。
これによって、マイクロシリンジポンプを用いて精密な流量制御を行いながら、培地や細胞を含む液を各チャンバに導入或いは各チャンバから抽出することが可能となる。
図示例においては、融合チャンバ(3)と培養チャンバ(4)の2種類のチャンバが、第3の通路(9)を介して接続口(8)と接続されている。
融合チャンバ(3)に接続するように設けられた第3の通路(9)は、単離チャンバ(2)側と培養チャンバ(3)側に延出され、夫々別の接続口(8)と接続されている。
単離チャンバ(2)側に延出された第3の通路(9)の端部に設けられた接続口(8)は、融合チャンバ(3)内にマイクロシリンジポンプを用いて培地を導入するために設けられている。一方、培養チャンバ(3)側に延出された第3の通路(9)の端部に設けられた接続口(8)は、融合チャンバ(3)内からマイクロシリンジポンプを用いて培地を抽出するために設けられている。
これにより、融合チャンバ(3)への培地の供給及び融合チャンバ(3)からの培地の抽出を、他のチャンバを介することなくマイクロシリンジポンプを利用して直接行うことが可能となる。
培養チャンバ(4)に接続するように設けられた第3の通路(9)は、融合チャンバ(3)と反対側に延出されている。
この第3の通路(9)の端部に設けられた接続口(8)は、培養チャンバ(4)内からマイクロシリンジポンプを用いて培養液を抽出するために設けられている。
尚、図示していないが、本発明においては、単離チャンバ(2)からも第3の通路(9)を延出し、マイクロシリンジポンプの接続口(8)と接続させることも可能である。
本発明において、単離チャンバ(2)、融合チャンバ(3)、培養チャンバ(4)の幅は、上述した第1乃至第3の通路(5)(6)(9)の幅に比べて充分に広く(例えば2倍以上、より好ましくは5倍以上)形成される。
このようにすることにより、単離チャンバ(2)から融合チャンバ(3)への意図しない細胞の流入や、融合チャンバ(3)から培養チャンバ(4)への意図しない細胞の流出を確実に防止することができる。
更に、第1の通路(5)と第2の通路(6)、第2の通路(6)と第3の通路(7)、第1の通路(5)と第3の通路(7)は、図1に示すように、同一直線上にないように配置することが好ましい。
このようにすることによっても、単離チャンバ(2)から融合チャンバ(3)への意図しない細胞の流入や、融合チャンバ(3)から培養チャンバ(4)への意図しない細胞の流出を防止できる効果が得られる。
また、本発明に係る細胞融合用チップ(1)においては、培養チャンバ(4)を含む部分を、他のチャンバ(2)(3)を含む部分から分離可能に形成することが好ましい。
これは、培養チャンバ(4)を含む部分を、他のチャンバ(2)(3)を含む部分から分離可能とすることによって、分離された部分を培養チャンバとして独立して利用することができるからである。
図2は、このような構成を採用した場合を示す平面図であり、図中に仮想線(A)で示す線が分離可能となる境界線であり、この境界線(A)の部分で分離することによって、細胞融合用チップ(1)は、培養チャンバ(4)を含む部分と、他のチャンバ(2)(3)を含む部分とに分割される。
細胞融合用チップ(1)を分離するための境界線(A)は、例えば図3に示すように、チップ(1)に形成された溝(10)からなる。
図3(a)は溝(10)をチップ(1)の表面に形成した場合、(b)は溝(10)をチップ(1)の裏面に形成した場合、図3(c)は溝(10)をチップ(1)の表裏両面に形成した場合を夫々示している。各溝(10)は、断面鋭角に形成されている。
このような溝(10)を設けることによって、溝(10)の部分に沿ってチップ(1)を容易に分割することができるようになる。
尚、細胞融合用チップ(1)を分離可能とするための構成は、溝(10)を設ける構成に限定されない。
例えば、予め細胞融合用チップ(1)を、培養チャンバ(4)を含む部分と、他のチャンバ(2)(3)を含む部分の2つのピースから形成しておき、細胞融合処理を行う際にはこれら2つのピースを嵌め合わせやピン止め等の再分離可能な結合手段により合体させて1つのチップ(1)とし、融合処理が終了した後、再び2つのピースに分離するようにしてもよい。
尚、培養チャンバ(4)を含む部分を、他のチャンバ(2)(3)を含む部分から分離した後は、培養チャンバ(4)内の液が第2の通路(6)から漏れることを防ぐために、第2の通路(6)の分離端を任意の封止手段(接着剤等)を用いて塞ぐとよい。
以上の構成からなる本発明に係る細胞融合用チップ(1)は、図4に示す如く、顕微鏡(11)の電動ステージ(12)上に載置されて使用される。
顕微鏡(11)には、図示を省略しているが、細胞を捕捉して操作するためのトラッピング用レーザー光源と、細胞をレーザー融合するための細胞融合用レーザー光源が備えられている。
トラッピング用レーザーとしては、例えば、YAGレーザー(波長1060nm)、Nd:YLFレーザー(波長1047nm)、DPSSレーザー(波長1064nm)等のIRレーザーが用いられる。細胞融合用レーザーとしては、例えばUVレーザーが用いられる。
顕微鏡(11)は、上記2種類のレーザー光源に加えて、超短パルスレーザー(ピコ秒レーザーもしくはフェムト秒レーザー)を出力する第3のレーザー光源を備えているものであってもよい。
超短パルスレーザーは、強い力での細胞操作が必要な場合におけるトラッピング用レーザーとして好適に使用される。
更に、顕微鏡(11)は、上述したレーザーマニピュレーターに加えて、電動ステージ(12)上に細い金属針やガラス管を装着したマイクロピペット等の機械式マニピュレーターを備えたものであってもよい。
顕微鏡(11)が上記したようなレーザー光源や機械式マニピュレーターを備えていることによって、電動ステージ(12)上に載置された細胞融合用チップ(1)に収容された細胞に対して、レーザーによるトラッピング及び細胞融合、或いは機械式マニピュレーターによる操作を施すことができる。
本発明に係る細胞融合用チップ(1)を用いた細胞融合処理は、顕微鏡(11)の電動ステージ(12)上において、以下の手順により行われる。
最初に、細胞融合用チップ(1)の単離チャンバ(2)内に、融合処理前の単離状態の細胞を含む懸濁液が供給される。
次いで、単離チャンバ(2)内に供給された懸濁液は、顕微鏡(11)に備えられたマニピュレーター(レーザー又は機械式)を利用して、もしくはマイクロシリンジポンプを利用して、第1の通路(5)を通って融合チャンバ(3)へと送られる。
融合チャンバ(3)に細胞を含む懸濁液が収容されると、融合チャンバ(3)に設けられた一対の電極(7)間に交流電圧が印加される。
交流電圧が印加されると、電極間にある懸濁液中の細胞は、電場方向に対して平行に配列した状態(パールチェーン)を形成するので、この配列した状態の細胞に対して細胞融合用レーザーを照射することにより、細胞同士を融合させる。
融合処理が終了した細胞は、顕微鏡(11)に備えられたマニピュレーター(レーザー又は機械式)を利用して、もしくはマイクロシリンジポンプを利用して、第2の通路(6)を通って培養チャンバ(4)へと送られる。
融合された細胞が培養チャンバ(4)に収容されると、細胞融合用チップ(1)を顕微鏡(11)の電動ステージ(12)から取り外して、培養チャンバ(4)内で細胞の培養を行う。
このとき、培養チャンバ(4)を含む部分を、他のチャンバ(2)(3)を含む部分から分離することによって、分離された部分を培養チャンバとして独立して利用することができる。
以上のように、本発明に係る細胞融合用チップ(1)を用いることによって、1枚のチップ上で、単離状態の細胞の収容と、細胞の電気的融合処理と、融合された細胞の培養とを行うことができる。
そのため、従来の細胞融合処理のように、細胞の供給や取り出しの作業に熟練を要することなく、作業中に細胞が汚染されてしまうおそれがなく、細胞融合処理の作業効率を大きく向上させることができる。
本発明に係る細胞融合用チップ(1)においては、融合チャンバ(3)の構成を以下のように変更することができる。
図5は、本発明に係る細胞融合用チップ(1)における融合チャンバ(3)の第1変更例を示す図である。尚、融合チャンバ(3)以外の構成は図1と同様であり、通路の図示は省略している。
第1変更例は、融合チャンバ(3)内に、窪み(14)を有する壁(13)が設けられている点において図1に示したものと異なっており、その他の構成は同じである。
図示例において、窪み(14)を有する壁(13)は、対向電極(7)の内方において、窪み(14)同士が対向するように配置された一対の壁からなる。
壁(13)に設けられる窪み(14)の数は特に限定されないが、図示例のように多数の窪み(14)を並べて配置することが好ましい。また、窪み(14)の形状についても特に限定されないが、図示例のように内方に向けて拡がる平面視三角形状とすると、細胞の嵌め込みと固定が良好に行えるため好ましい。窪み(14)の大きさは、複数の細胞が一列だけ入り込むことができる幅及び深さとすることが好ましい。
第1変更例の融合チャンバを有する細胞融合用チップを用いた細胞融合処理では、先ず図6(a)に示すように、レーザーピンセットや対向電極(7)への交流電圧印加によって複数の細胞(S)を窪み(14)に嵌め込んで固定した後、図6(b)に示すように、UVレーザーや直流電圧印加によって細胞同士を融合させる。
このように、第1変更例の融合チャンバを有する細胞融合用チップを用いた細胞融合処理によれば、細胞を窪みに嵌め込むことで細胞同士を強く押し付けることができ、これによって細胞同士の接着性が高まり、細胞融合率を向上させることが可能となる。
また、対向電極間に交流電圧を印加することにより形成されたパールチェーンは、窪みによって動きが固定されるため、UVレーザー等で細胞融合を行う際に照準が定まり易くなる。
図7は、本発明に係る細胞融合用チップ(1)における融合チャンバ(3)の第2変更例を示す図である。尚、融合チャンバ(3)以外の構成は図1と同様であり、通路の図示は省略している。
第2変更例の融合チャンバは、融合チャンバ(3)内に、平面視において格子状に形成された壁(15)が設けられている点において図1に示したものと異なっており、その他の構成は同じである。
図示例において、格子状に形成された壁(15)は、対向電極(7)の内方に形成されている。
各格子(升目)の大きさは、融合させる細胞の数に応じて設定することができ、少なくとも2つ以上の細胞が入ることができる大きさとされる。また、各格子の形状については、正方形の他に、長方形、三角形、六角形等の形状にすることもできる。また、格子を形成する壁の高さは、細胞よりも少し高く設定される。
第2変更例の融合チャンバを有する細胞融合用チップを用いた細胞融合処理では、図8(a)に示すように、レーザーピンセット等により格子内に複数の細胞(S)を入れ、対向電極(7)への交流電圧印加によって複数の細胞(S)を格子内で整列させた後、図8(b)に示すように、UVレーザーや直流電圧印加によって細胞同士を融合させる。尚、図8では格子の一マスのみを抽出して示している。
このように、第2変更例の融合チャンバを有する細胞融合用チップを用いた細胞融合処理によれば、細胞を格子内に嵌め込んで動きを制限することができ、これによって細胞融合の処理が容易となる。また、レーザーピンセットにより格子の中に入る細胞数を制御すれば、選択性のある細胞融合を行うことができる。更に、融合後の細胞を外部のマニピュレーターで抽出する場合には、格子により細胞が区別されているため取得し易くなる。
上記第1及び第2変更例の融合チャンバを有する細胞融合用チップは、融合チャンバ(3)内に対向電極(7)が無い場合でもある程度の効果は得られるため、融合チャンバ(3)内に対向電極(7)が無いものとしてもよい。
本発明は、高等植物における人工授精システムの確立、細胞ネットワークの機能活性の解析、蛋白質や薬品等が細胞に与える影響の調査、新規細胞パターニング法の開発など、動植物の新品種育成や再生医学を中心としたバイオテクノロジー研究において高い利用可能性を有する技術である。
本発明に係る細胞融合用チップの平面図である。 本発明に係る細胞融合用チップにおいて、培養チャンバを含む部分を、他のチャンバを含む部分から分離可能に形成した場合の平面図である。 細胞融合用チップを分離するための境界線として、チップに断面鋭角の溝を形成した例を示す図である。 本発明に係る細胞融合用チップの使用状態を示す図である。 本発明に係る細胞融合用チップの細胞融合チャンバの第1変更例を示す平面図である。 第1変更例の細胞融合チャンバの作用を示す図である。 本発明に係る細胞融合用チップの細胞融合チャンバの第2変更例を示す平面図である。 第2変更例の細胞融合チャンバの作用を示す図である。
符号の説明
1 細胞融合用チップ
2 単離チャンバ
3 融合チャンバ
4 培養チャンバ
5 第1の通路
6 第2の通路
7 電極
8 接続口
9 第3の通路
10 溝
11 顕微鏡
12 電動ステージ
13 窪みを有する壁
14 窪み
15 平面視において格子状に形成された壁
S 細胞

Claims (10)

  1. 融合処理前の単離状態の細胞を収容する単離チャンバと、該単離チャンバから供給される細胞同士を融合させる融合チャンバと、該融合チャンバにおいて融合された細胞を培養する培養チャンバと、前記単離チャンバと融合チャンバを接続する第1の通路と、前記融合チャンバと培養チャンバを接続する第2の通路を1枚のチップ上に備えていることを特徴とする細胞融合用チップ。
  2. マイクロシリンジポンプが接続される接続口と、該接続口と繋がる第3の通路を有しており、前記単離チャンバ、融合チャンバ、培養チャンバの少なくとも1つ以上のチャンバが、前記第3の通路を介して前記接続口と接続されていることを特徴とする請求項1記載の細胞融合用チップ。
  3. 前記融合チャンバに接続された第3の通路が、一の接続口と接続された一の通路と、他の接続口と接続された他の通路とからなることを特徴とする請求項2記載の細胞融合用チップ。
  4. 前記融合チャンバの幅が、前記第1乃至第3の通路の幅に比べて広いことを特徴とする請求項1乃至3いずれかに記載の細胞融合用チップ。
  5. 前記培養チャンバを含む部分を他のチャンバを含む部分から分離可能に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の細胞融合用チップ。
  6. 前記融合チャンバが対向電極を有することを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の細胞融合用チップ。
  7. 前記融合チャンバ内に、窪みを有する壁が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の細胞融合用チップ。
  8. 前記融合チャンバ内に、平面視において格子状に形成された壁が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の細胞融合用チップ。
  9. 前記壁が、対向電極の内方において、窪み同士が対向するように配置された一対の壁からなることを特徴とする請求項7記載の細胞融合用チップ。
  10. 前記壁が、対向電極の内方に形成されていることを特徴とする請求項8記載の細胞融合用チップ。

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