JP4677832B2 - 細胞融合用微小流路基板及びそれを用いた細胞融合用微小流路構造体並びに細胞融合方法 - Google Patents

細胞融合用微小流路基板及びそれを用いた細胞融合用微小流路構造体並びに細胞融合方法 Download PDF

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Description

本発明は、電気的方法による細胞融合を効率的に行うための細胞融合用微小流路基板及びそれを用いた細胞融合用微小流路構造体並びに細胞融合方法に関する。
従来より、異なる細胞同士を融合させ1の交雑細胞とする細胞融合技術として、主にポリエチレングリコール(PEG)を用いる化学的融合法が用いられているが、この方法では(i)PEGは細胞に対して強い毒性を持っている、(ii)融合するにあたりPEGの重合度、添加量などの最適な諸条件を見出すのに手間がかかる、(iii)融合に際して高度な技術が要求され、特定の技術に習熟した人にしか使えない、(iv)融合効率が低い、等の解決すべき課題があった。
これに対して、電気的細胞融合法は、高度な技術が不要で、簡単に効率よく融合させることができ、細胞に与える毒性がなく、高活性をもったままの状態で細胞を融合させることができるという利点がある。電気的細胞融合法は、1981年西ドイツのZimmermannが確立したものであり、その原理は次の通りである。すなわち、平行電極間に交流電圧をかけ、そこに細胞を導入すると、細胞は電流密度の高い方へ引き寄せられ数珠状にならぶ。この状態で数μsec〜数十μsec単位の直流パルス電圧を電極間にかけることにより細胞膜の電気伝導度が瞬間的に低下し膜を構成する脂質二重層の過逆的乱れとその再構成が行われ、その結果細胞融合が起こるものである。
上記の電気的融合法には、主に微小電極法と平行電極法が用いられているが、このうち微小電極法は、細胞の1対1の融合を顕微鏡を見ながらマイクロマニュピレーターで細胞を拾い集めてはパルス電圧を印加する方法であり、極めて確実ではあるが、手間のかかる方法であり、その操作は熟練を要す上、大量の細胞を扱う上では実用的とはいえなかった。また平行電極法は、誘電泳動により複数の細胞を数珠状に配列形成させた後、パルス電圧を印加することによって融合させる方法であり、その取り扱いは簡単であるが、数珠状になった複数の細胞が融合するため1対1での細胞融合の確実な制御が難しいこと、また細胞膜の可逆的破壊が細胞同士の接点のみならず電極との接触点にも起こるため、細胞が電極に付着し融合細胞を傷つけることなく回収することが難しいという課題があった。
上記平行電極法の課題を解決するために、細胞融合用チャンバーの融合領域に対向するように配置された導電部材よりなる1対の電極と、前記1対の電極間に介在し、且つ前記1対の電極方向に貫通した微細孔を有する隔壁とよりなる細胞融合用チャンバーの例が報告されている(例えば、特許文献1参照)。図1は上記例の細胞融合用チャンバーの断面図を示した概念図である。図1において、例えば樹脂材からなる細胞融合用チャンバーの融合領域(1)の両側には、導電部材からなる電極(2)が配置され、これら電極は導電線(3)を介して外部に設けられた電源(4)と接続されている。外部に設けられた電源は電界の強さが約400V/cm〜700V/cm、周波数1MHz程度の高周波交流電圧を出力する交流電源(5)と、約7kV/cm、パルス幅50μsec程度のパルス電圧を出力する直流パルス電源(6)と、電極と交流電源又は直流パルス電源の電気的接続を切り換える為のスイッチ(7)とから構成されている。細胞融合用チャンバー内には、電気的に絶縁な材料、例えばシリコーン樹脂からなる隔壁(8)により2つの空間に区分けされている。ここで、隔壁には最小口径が1μm〜数十μmの微細孔(9)が設けられている。また、細胞A(10)及び細胞B(11)はそれぞれ細胞融合用チャンバーの融合領域内の懸濁液内におかれている。
上記例の動作を図2〜図4を用いて説明する。最初に、電源(4)の切り換えスイッチ(7)を電界の強さが約400V/cm〜700V/cm、周波数1MHzの高周波電圧を出力する交流電源(5)に接続させる。この状態に於いて電気力線(12)は、図2に示すように微細孔(9)に集中する。細胞A(10)および細胞B(11)は、ここに集中する電気力線(12)のため誘電泳動力を受け、図3に示すように微細孔(9)の中心付近にトラップされる。ここで細胞A(10)と細胞B(11)は出会い接触する。次に、電源(4)の切り換えスイッチ(7)を直流パルス電源(6)に切り換える。図3に示した状態におかれた細胞A(10)及び細胞B(11)は、出力パルス電圧により細胞A(10)および細胞B(11)の接触点で細胞膜の可逆的破壊が起こり、図4に示すように融合が生ずる。このようにすることで、微細孔の位置で細胞Aと細胞Bを1対1で細胞融合させることができる上、細胞が直接電極に接触することがないため、融合した細胞が電極に付着することを抑制できる。
しかしながら、一般に上記例に記載された、融合領域に対向するように配置された導電部材よりなる1対の電極と、前記1対の電極間に介在し、且つ前記1対の電極方向に貫通した微細孔を有する隔壁とよりなる構造を有する細胞融合用チャンバーを構成することは従来難しかった。例えば、図5に示すように2枚の電極(2)と、2つのスペーサ(29)により微細孔(9)を有する隔壁(8)を上下から挟んで細胞融合用チャンバーを構成することが考えられる。この場合、一般に細胞の大きさが数μm〜数十μmであることから、隔壁の厚みも数μm〜数十μmであることが好ましいが、このような薄膜状の隔壁を細胞融合を行う度に取り扱うことは非常に手間のかかる作業であり、取り扱いによっては、薄膜状の隔壁を破損してしまうため課題となっていた。
特公平7−4128号公報
本発明の目的は、かかる従来の実状に鑑みて提案されたものであり、電気的細胞融合において、より確実に細胞融合を実施でき、細胞融合後、速やかに細胞を取り出すことができる新規な細胞融合用微小流路基板及びそれを用いた細胞融合用微小流路構造体並びに細胞融合方法を提供することを目的とするものである。
本発明は上記課題を解決するものとして、微小流路を有する基体と、微小流路中央又はその近傍に位置する1又は2以上の間隙を有する隔壁と、微小流路の両側の各々の側壁の一部に位置する2以上の凸部と、微小流路に面しかつ平板電極を設置する2以上の凹部とが、電気的絶縁性の材料により一体形成された、細胞融合用微小流路基板および、この基板に導電部材よりなる平板電極の一つの縁が凸部に密着するように凹部に設置して構成された細胞融合用微小流路構造体、さらに直径の大きい細胞と直径の小さい細胞を、隔壁の両側のそれぞれから融合領域に導入し、当該2種類の細胞を隔壁の微細孔付近で電圧を印加して細胞を融合させた後、直径の小さい細胞を導入した側から直径の大きい細胞を導入した側に向け融合された細胞を移送する細胞融合方法を用いることにより、上記の従来技術による課題を解決できることを見出し、遂に本発明を完成するに至った。以下本発明を、図面を参照しながらさらに詳しく説明する。
本発明による細胞融合用微小流路構造体の概念図を図6に示した。図6に示すように、微小流路(30)の内部において、1以上の間隙(31)を有する隔壁(8)が、微小流路を形成する電気的絶縁性の基板(13)と一体形成されている。ここで、微小流路とは一般的に幅500μm以下、深さ300μm以下のサイズの流路であるが、取り扱う細胞の大きさに従って任意に変更することが可能であり、一般に取り扱う細胞の直径が数μm〜数十μmであることから、微小流路の幅及び深さも数μm〜数十μmであることが好ましい。
隔壁の高さ(42)は、微小流路の側壁(43)に設置した平板電極(35)に電圧を印加することによって隔壁に設けられた間隙で不均一な電界が形成されれば特に制限はないが、隔壁の高さが微小流路の深さ(19)と等しいことが好ましい。また微小流路の幅(18)の方向に対する隔壁の位置は特に制限はなく、取り扱う細胞の大きさに従って変更することができる。また、隔壁の厚さ(32)は微小流路の側壁に設置した平板電極に電圧を印加することによって隔壁に設けられた間隙で不均一な電界が形成されれば特に制限はないが、一般に取り扱う細胞の直径が数μm〜数十μmであることから、隔壁の厚さも数μm〜数十μmであることが好ましい。また隔壁に設けられた間隙の長さ(20)や形状も、微小流路の側壁に設置した平板電極に電圧を印加することによって隔壁に設けられた間隙で不均一な電界が形成されれば特に制限はないが、一般に取り扱う細胞の直径が数μm〜数十μmであることから、間隙が円状であれば間隙の直径も数μm〜数十μmであることが好ましく、間隙が四角状であれば、間隙の四角状の対角線の長さが数μm〜数十μmであることが好ましい。また、隔壁に設けられた間隙の数としては1のみであってもよいが、2以上としてもよく、間隙の数を多くすることで、一度に細胞融合できる数を増やすことができる。間隙の数が2以上の場合、隔壁に設けられた間隙と間隙の間隔(33)は、微小流路の側壁に設置した平板電極に電圧を印加することによって隔壁に設けられた間隙で不均一な電界が形成されれば特に制限はないが、一般に取り扱う細胞の直径が数μm〜数十μmであることから、間隙と間隙の間隔も数μm〜数十μmであることが好ましい。
すなわち、本発明において用いられる細胞をより具体的に述べれば、直径数μm〜数十μm程度であり、例えばマウス等の動物細胞起源のミエローマ細胞と抗体産生細胞を用いることが挙げられる。そして、本発明により、一般的に用いられるPEG法などの手法よりも、ハイブリドーマ(交雑細胞)をより容易に、効率的に得ることができ、その取出し等の処理も容易となる。
本発明による微小流路構造体は図6に示すように、微小流路の両側の各々の側壁の一部に少なくとも2以上の凸部(34)が、微小流路を形成する電気的絶縁性の基板と一体形成されており、導電部材によりなる平板電極(35)の一つの縁(36)を、凸部における微小流路の外側部分に密着させて平板電極を設置できるような凹部(37)が微小流路基板に形成されている。凸部の高さ及び凹部の深さ、及び平板電極の厚みに特に制限はないが、流路の深さと同じであることが好ましい。また凸部の大きさと位置、及び凹部の大きさと位置、平板電極の大きさは、平板電極の一つの縁を凸部における微小流路の外側部分に密着させて平板電極を設置することができ、微小流路の側壁を平板電極の縁で構成することができれば特に制限はない。ここで、平板電極の材質は、導電部材であって化学的に安定な部材であれが特に制限はなく、金、白金、チタン、ステンレスなどが用いられる。
以上のような微小流路を有する微小流路基板は絶縁材料であれば特に制限はなく、例えばガラスや石英、セラミックあるいは樹脂等の基板材料を、機械加工やレーザー加工、エッチングなどにより直接加工することによって製作できる。また、基板材料がセラミックや樹脂の場合は、流路形状を有する金属等の鋳型を用いて成形することで製作することもできる。なお一般的に、前記微小流路基板は、図7における本実施例に用いた細胞融合用微小流路構造体の概念図でも示すように、細胞懸濁液の導入口(38)、細胞懸濁液の排出口(39)を設けたカバー体(22)と積層一体化させた微小流路構造体として使用する。カバー体と微小流路基板を接合する方法としては、基板材料がセラミックであれば接着剤などで貼り合わせて接合する方法が用いられ、基板材料がガラスや石英、樹脂の場合は、百度〜千数百度の高温下で荷重をかけて熱接合する方法が用いられる。また、基板材料が樹脂である場合は熱接合のほかにも圧着により接合させる方法も用いられる。
このような微小流路構造体とすることで、基板上に一体形成された凸部と凹部によって、平板電極の位置を固定し、平板電極の一つの縁を微小流路の側壁にした細胞融合用微小流路構造体を容易に構成することができる。また、設置した平板電極に電圧を印加することで、微小流路内部に基板と一体形成された隔壁に設けられた間隙に、不均一な電界を形成し、間隙部分において細胞融合を行うことが可能となる。このとき、間隙を有する隔壁は基板と一体形成されているため、隔壁を破損することが少なく、容易に取り扱うことが可能である。また、2つの細胞懸濁液の導入口から融合させたい2つの細胞が入った懸濁液を入れ、微小流路内の隔壁で隔たれた各々の空間に細胞を容易に導入することができる。
また、2種類の細胞を、隔壁の両側のそれぞれから融合領域に導入し、2種類の細胞を隔壁の間隙付近で電圧を印加して細胞を融合させた後、直径の小さい細胞を導入した側から直径の大きい細胞を導入した側に向け前記融合された細胞を移送することで、細胞懸濁液の排出口から容易に融合した細胞を排出することが可能となる。
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
本発明は、微小流路を有する基体と、微小流路中央又はその近傍に位置する1又は2以上の間隙を有する隔壁と、微小流路の両側の各々の側壁の一部に位置する2以上の凸部と、微小流路に面しかつ平板電極を設置する2以上の凹部とが、電気的絶縁性の材料により一体形成された、細胞融合用微小流路基板、および、導電部材よりなる平板電極が、平板電極の一つの縁が前記凸部に密着するように凹部に設置された細胞融合用微小流路構造体である。
このような微小流路基板、微小流路構造体とすることで、基板上に一体形成された凸部と凹部によって、平板電極の位置を固定し、平板電極の一つの縁を微小流路の側壁した細胞融合用微小流路構造体を容易に構成することができる。また、設置した平板電極に電圧を印加することで、微小流路内部に基板と一体形成された隔壁に設けられた間隙に、不均一な電界を形成し、間隙部分において細胞融合を行うことが可能となる。このとき、間隙を有する隔壁は基板と一体形成されているため、隔壁を破損することが少なく、容易に取り扱うことが可能である。また、2つの細胞懸濁液の導入口から融合させたい2つの細胞が入った懸濁液を入れ、微小流路内の隔壁で隔たれた各々の空間に細胞を容易に導入することができる。また、電気的方法による細胞融合を行った後、細胞懸濁液の排出口から容易に融合した細胞を排出することが可能となる。
また本発明の細胞融合方法は、直径の大きい細胞と直径の小さい細胞を、隔壁の両側のそれぞれから融合領域に導入し、当該2種類の細胞を隔壁の間隙付近で電圧を印加して細胞を融合させた後、直径の小さい細胞を導入した側から直径の大きい細胞を導入した側に向け融合された細胞を移送する方法であり、このような手法により、電気的細胞融合において、より確実に細胞融合を実施でき、細胞融合後、速やかに細胞を取り出すことができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更が可能であることは言うまでもない。
(実施例1)
図7に実施例に用いた細胞融合用微小流路構造体を構成する基板(13)の概念図を示した。細胞融合用微小流路の形状は微小流路(30)と連通した細胞懸濁液の導入流路(40)と細胞懸濁液の排出流路(41)がそれぞれY字状に2本に分岐している。また、微小流路内には微小流路の幅に対してほぼ中央の位置に隔壁(8)を形成した。また、Y字状の細胞懸濁液の導入流路と排出流路が微小流路と接続される部分の4箇所に幅10μm、高さ50μmの凸部(34)を形成した。また、導電部材によりなる平板電極の一つの縁を凸部の微小流路の外側部分に密着させて平板電極を設置できるような長さ36mm、幅25mm、深さ50μmの凹部(37)を微小流路基板上に形成した。なお、隔壁、凸部、凹部は基板(13)と一体形成した。図8には、図7における基板のA−A’断面図を示した。また図9には、図7におけるB−B’断面図を示した。微小流路の幅(18)は100μm、微小流路の深さ(19)は50μm、微小流路の長さ(42)は30mmである。微小流路内に基板とともに一体形成した隔壁には、間隙と間隙の間隔(33)を50μmとし、感激を300個形成した。間隙の長さ(20)は50μmとし、隔壁の中心幅(21)は10μm、隔壁の高さ(43)は50μmとした。
微小流路は、70mm×38mm×1mm(厚さ)のパイレックス(登録商標)基板に一般的なフォトリソグラフィーとウエットエッチングにより形成し、2つの細胞懸濁液の導入口(38)と2つの細胞懸濁液の排出口(39)に相当する位置に、直径1mmの貫通した小穴を機械的加工手段により設けた同サイズのパイレックス(登録商標)基板をカバー体として、2箇所の凹部の位置にステンレス製の長さ36mm、幅25mm、厚さ50μmのステンレス製の平板電極(35)をそれぞれ挟み、熱融着により接合することで微小流路を密閉した。ただし、本発明の細胞融合用微小流路構造体における基板と平板電極、カバー体の接合方法は、上記材料や接合方法に限定されるものではなく、例えば、基板とカバー体がシリコン製の樹脂であってもよく、この場合は平板電極を基板とカバー体で挟み、圧着により固定しても良いし、平板電極に接着剤などの粘着性の樹脂を塗布して基板とカバー体に固定してもよい。
次に、図7で示した本細胞融合用微小流路構造体を用いて行う細胞融合の動作を図10の概念図を用いて説明する。なお、細胞融合の操作は、本細胞融合用チャンバーの上面から顕微鏡で観察しながら行った。本細胞融合用微小流路構造体の2つの細胞導入口A(14)、細胞導入口B(15)にはテフロン(登録商標)チューブ(27)を介してシリンジポンプA(23)、シリンジポンプB(24)を接続した。また、2つの細胞排出口A(16)、細胞排出口B(17)にはテフロン(登録商標)チューブ(27)を介してバルブA(25)、バルブB(26)を接続した。
まずバルブA、バルブBを開き、シリンジポンプAから細胞A(10)の懸濁液を送液し、シリンジポンプBから細胞B(11)の懸濁液を送液した。細胞Aには直径30μm程度のマウスミエローマ細胞を用い、細胞Bには直径10μm程度のマウス脾臓細胞を用いた。それぞれの細胞懸濁液の濃度は、隔壁で隔たれた微小流路の空間(75nL)にぞれの細胞が隔壁に設置された間隙の数(300個)と同等以上入るように4×10個/mLとした。送液速度は、細胞が導入される様子を顕微鏡で観察できるようにするため、それぞれ0.1μL/分で送液した。
このとき、電源(4)の切り換えスイッチ(7)は、交流電源(5)に接続した。送液された2つの細胞が、隔壁で隔たれたそれぞれの微小空間に導入され、微細孔近傍に配置した時点でバルブA、バルブBを閉じ、細胞が大きく動かないように固定した。細胞が間隙(31)に近づくと、ここに集中する電気力線のため誘電泳動を受け、図8に示すように間隙(31)の中心付近に2つの細胞がトラップされ接触した。
次に、電源の切り換えスイッチを直流パルス電源(6)に切り換えることによって細胞A及び細胞Bは、出力パルス電圧により細胞Aおよび細胞Bの接触点で細胞膜の可逆的破壊が起こり細胞融合が生じた。次に、細胞Aを導入したチャンバー側のバルブAを開き、からポンプBで懸濁液を送液することで、微細孔で融合した融合細胞を容易に取り出すことができた。
特許文献1記載の細胞融合用チャンバーの断面図を示した概念図である。 特許文献1記載の細胞融合用チャンバーの動作を説明する第1の図である。 特許文献1記載の細胞融合用チャンバーの動作を説明する第2の図である。 特許文献1記載の細胞融合用チャンバーの動作を説明する第3の図である。 従来技術の融合チャンバーの構成例(断面図)の概念図 本発明の細胞融合用微小流路構造体の概念図 実施例に用いた細胞融合用微小流路構造体を構成する基板の概念図 図7におけるA−A’断面図 図7におけるB−B’断面図 実施例に用いた細胞融合用微小流路構造体を用いて行う細胞融合の動作を示した概念図
符号の説明
1:融合領域
2:電極
3:導電線
4:電源
5:交流電源
6:直流パルス電源
7:スイッチ
8:隔壁
9:微細孔
10:細胞A
11:細胞B
12:電気力線
13:基板
14:細胞導入口A
15:細胞導入口B
16:細胞排出口A
17:細胞排出口B
18:微小流路の幅
19:微小流路の深さ
20:間隙の長さ
21:隔壁の中心幅
22:カバー体
23:シリンジポンプA
24:シリンジポンプB
25:バルブA
26:バルブB
27:テフロン(登録商標)チューブ
28:融合細胞
29:スペーサ
30:微小流路
31:間隙
32:隔壁の厚さ
33:間隙と間隙の間隔
34:凸部
35:平板電極
36:縁
37:凹部
38:導入口
39:排出口
40:導入流路
41:排出流路
42:微小流路の長さ
43:隔壁の高さ

Claims (5)

  1. 微小流路を有する基体と、前記微小流路中央又はその近傍に位置する1又は2以上の間隙を有する隔壁と、前記微小流路の両側の各々の側壁の一部に位置する2以上の凸部と、前記微小流路に面しかつ平板電極を設置する2以上の凹部とが、電気的絶縁性の材料により一体形成された、細胞融合用微小流路基板。
  2. 請求項1記載の基板において、導電部材よりなる平板電極が、当該平板電極の一つの縁が前記凸部に密着するように前記凹部に設置された、細胞融合用微小流路構造体。
  3. 前記平面電極に電圧を印加するための交流電源及び直流パルス電源を備える、請求項2記載の細胞融合用微小流路構造体。
  4. 前記微小流路に流体を送液するための手段を備える、請求項2又は請求項3記載の細胞融合用微小流路構造体。
  5. 直径の大きい細胞と直径の小さい細胞を、請求項1記載の隔壁の両側のそれぞれから融合領域に導入し、当該2種類の細胞を隔壁の間隙付近で電圧を印加して前記細胞を融合させた後、直径の小さい細胞を導入した側から直径の大きい細胞を導入した側に向け前記融合された細胞を移送することを特徴とする細胞融合方法。
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