JP2008173569A - 成分分離デバイス及びこれを用いた成分分離方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】純度の高い溶液中に高い回収率で固形粒子を抽出できる成分分離デバイス及びこれを用いた成分分離方法を提供することを目的とする。
【解決手段】流路2と、この流路2の内部に音響波を発生させる音響波発生手段11と、前記流路2に固形粒子20を含む第一の溶液23を導入する第一の導入路3と、第二の溶液24を導入する第二の導入路4と、前記流路2から溶液を導出する二つ以上の導出路5を設けた成分分離デバイスであって、前記第一の導入路3に前記固形粒子20の濃度勾配を形成することができる濃度勾配形成手段12を設けた成分分離デバイス。
【選択図】図1

Description

本発明は、細胞培養液、血液、乳液などに代表されるような溶液と固形粒子が混合した混合溶液において、固形粒子の抽出、分離を行うことのできる成分分離デバイス及びこれを用いた成分分離方法に関するものである。
細胞は遺伝子やタンパク質の発現、代謝産物の生成、免疫系及び増殖分化などの生命活動の制御を行っており、生体反応機構の解明だけでなく、医療診断分野に大きく貢献するものとして、その解析研究が進められている。
一般的に、細胞を解析するための前処理として、培養液中で保存されている細胞を検査用の溶液に抽出する必要があり、現在は、遠心分離装置やピペットにより操作されている。しかしながら、操作時間が長い、遠心分離による細胞の破壊が起こり、貴重な細胞や高価な培養液を必要以上に大量に消費してしまうという課題があった。
これに対して、MEMS技術を用いて作製したデバイスによって、細胞の前処理操作を行う研究が進められている。これらの細胞の前処理を行うMEMSデバイスの中で、音響波を利用したものは細胞に対して非接触で作用させることができることに加え、圧電体素子などを用いることで小型の音響波音源の構造を実現できるとともに制御性に優れたデバイスを実現している。
この音響波を利用したデバイスを用いた細胞の前処理の方法の一例として、例えばエリーセーブでは、細胞と第一の溶液の混合溶液と、細胞を抽出したい第二の溶液とを同時に抽出機能を有する流路に導入し、音響波の作用によって細胞を第二の溶液に抽出している(例えば、特許文献1参照)。
また、抽出機能を有する流路に対して、連続的に第二の溶液の導入路と、細胞が抽出された第一の溶液の導出路を形成している(非特許文献1参照)。
図8は前記非特許文献1に開示されている従来の成分分離デバイスを用いて固形粒子を抽出する方法を説明するための平面図である。
図8において、固形粒子120と第一の溶液123の混合液を矢印130で示す方向に第一の導入路103から投入し、第二の導入路104から第二の溶液124を矢印131にて示す方向にそれぞれ投入する。
そして、音響波発生手段111により発生させた音響波を流路102に伝達し、この流路102の中央に節138を有する定在波を発生させる。
その後、そこを流れる固形粒子120はその音響波からの放射圧によって、流路102の中央に向かう方向に定在波の影響力を受け、第一の溶液123の流れの中から第二の溶液124の流れの中に固形粒子120が抽出されるように移動する。そして、導出路105によって、矢印132で示す方向に第二の溶液124と抽出された固形粒子120の混合液が導出され、矢印133で示す方向に第一の溶液123と第二の溶液124の中へ抽出されなかった一部の固形粒子120が導出される。
特表2004−535912号公報 Per Augustsson、Micro Total Analysis Systems 2006、pp627−629
しかしながら、前記従来の技術において、多くの固形粒子120を抽出しようとすると、第二の導入路104の幅方向に対する固形粒子120の位置のばらつき、個々の固形粒子120の大きさのばらつきのため、完全に第二の溶液124の中に固形粒子120を取り込むことが困難であった。
本発明は前記従来の課題を解決するもので、純度の高い溶液中に高い回収率で固形粒子を抽出できる成分分離デバイス及びこれを用いた成分分離方法を実現することを目的とするものである。
前記従来の課題を解決するために、本発明の成分分離デバイス及びこれを用いた成分分離方法は、流路と、この流路の内部に音響波を発生させる音響波発生手段と、前記流路に第一の導入路、第二の導入路および二つ以上の導出路を設け、前記第一の導入路に前記固形粒子の濃度勾配を形成することができる濃度勾配形成手段を設けた構成とするものである。
本発明の成分分離デバイス及びこれを用いた成分分離方法は、第一の導入路に濃度勾配形成手段を設け、流路に音響波発生手段を設けるとともに第二の導入路を流路に接続することによって、効率的に固形粒子の抽出もしくは分離を行うことができるとともに固形成分の高い回収率を実現できる成分分離デバイス及びこれを用いた成分分離方法を提供することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における成分分離デバイス及びこれを用いた成分分離方法について図面を用いて説明する。図1は本発明の実施の形態1における成分分離デバイスの構成を示す平面図、図2は図1の分解斜視図、図3は音響波発生手段の構成を示す断面図である。
図1〜図2において、1はシリコンからなる基板であり、この基板1の第1面に所定の幅と深さをもつ流路2を設け、さらに基板1の第2面に流路2に音響波を発生させることのできる音響波発生手段11が形成されている。これによって、基板1の第2面に形成することで、生産性に優れた構成とすることができる。これは第1面側には封止部10を設けることから、第1面は平坦な平面を有していることが好ましく、また、薄膜プロセスによって音響波発生手段11を形成する時、平坦な第2面に形成することが好ましい。
なお、この音響波発生手段11は流路2の内部に音響波を発生させることができれば、基板1の第1面または基板1の側面に形成しても良い。
この音響発生手段11を用いて音響波を発生させることによって流路2の内部に音響波を放射し、流路2の内部を流れる液体に定在波を発生させる構成としている。
ここで、流路2の幅をW、流路2に導入する溶液の音速をv、音響波を発生させる周波数をfとすると、f=(n/2)×v/W(nは自然数)の数式を満足する周波数fの音響波が流路2に照射されると、その音響波が流路2の内部で反射を繰り返し、重なり合うことで流路2の内部に定在波を発生させることができる。
そして、この溶液中に固形粒子20が浮遊しているとすると、この固形粒子20は定在波の節38近傍に集めることができる。
また、流路2はガラスからなる封止部10で陽極接合により封止されている。ガラスを用いることで、上面より固形粒子20の移動状態を観察しながら調整および成分の分離を行うことができる。
ここで、封止部10はプラスチックあるいはシリコンを用いても良く、材料に合わせて適宜接合方法は変更することができる。
次に、流路2に固形粒子20を含む第一の溶液23を導入するための第一の導入路3と第二の溶液24を導入するための第二の導入路4を形成している。
さらに、流路2からそれぞれの溶液を導出する導出路5を設けている。これらの流路2、第一の導入路3、第二の導入路4及び導出路5に示した溝の形状は、基板1にシリコンを用いた場合、フォトリソブラフィー法やドライエッチング法を用いることで、効率よく精度の高い寸法形状の成分分離デバイスを実現することができる。
なお、ここでは基板1にシリコンを用いることによって精度よく流路2を形成することができるが、音響波を伝達することができる物質であれば、プラスチックやガラスなどを用いても良い。
また、基板1の第2面に第一の導入路3を流れる固形粒子20に濃度勾配を形成することのできる濃度勾配形成手段12となる音響波発生装置を設けている。この音響波発生装置を用いて濃度勾配を形成する方法は、前記流路2に設けた音響波発生手段11の作用と同様の方法によって第一の導入路3の内部において、固形粒子20に対して濃度勾配を形成することができる。この濃度勾配形成手段12は導入路3を流れる固形粒子20に濃度勾配を形成することのできる方法であれば良く、例えば導入路3の内部の固形粒子20に作用する位置に電極を配置し電気泳動現象を利用する方法、あるいは導入路3の内部にピラーまたは分岐流路を設けて固形粒子20の流れ方向を制限する方法などを用いてもよい。
このような構成とすることによって、第一の導入路3には固形粒子20の濃度勾配が形成され、第一の導入路3の幅方向に対する固形粒子20の位置のばらつきを低減することができ、次の流路2における抽出、分離を効率的に確実に行うことができ、回収率の高い成分分離デバイスとすることができる。
また、濃度勾配形成手段12を音響波発生装置とすることで、固形粒子20に対し非接触で作用させることが可能であり、簡単な構造で電気的に動作を制御することによって所望の位置に濃度勾配を形成することができるという利点を有する。
また、音響波発生手段11と濃度勾配形成手段12に同一の音響波発生機構を用いても良いが、個別に音響波の特性を制御可能とすることで固形粒子20の分離、抽出に対する自由度が向上する。例えば、第一の導入路3の流路幅と流路2の流路幅は異なっており、定在波を発生させる周波数が異なることから、個別に制御することが好ましい。また、それぞれの溶液23,24の流量を制御するときにおいても、個別に制御できるようにしておくことによって効率的に分離、抽出ができるという利点を有している。
次に、音響波発生手段11もしくは濃度勾配形成手段12となる音響波発生装置の構成を図3に示す。図3に示すように、この音響波発生装置は第一の電極層13と圧電体層14と第二の電極層15からなる積層構造で構成した圧電アクチュエータとすることで、流路2などを形成したシリコン基板の一面に薄膜形成法などを利用し、小型で高精度な寸法形状の音響波発生手段11を設けることができることから、成分分離デバイスの小型化を容易に実現することができる。
次に、この成分分離デバイスを用いて固形粒子20を抽出する方法について図1、図4及び図5を用いて説明する。なおここでは、濃度勾配発生手段12が音響波発生装置である場合について説明する。
図1において、第一の導入路3へ送液手段を用いて矢印30の方向に第一の溶液23と固形粒子20の混合液を導入する。このとき図4(a)に示すように、第一の導入路3の中央に定在波の節38が発生するように濃度勾配発生手段12である音響波発生装置を駆動させる。図4(b)に示すように、音響波の放射圧によって固形粒子20は、第一の導入路3の中央で濃度が高まるような濃度勾配を形成させることができる。
次に、固形粒子20は第一の導入路3で形成した濃度勾配を保ちつつ、第一の溶液23とともに流路2に導入される。一方、第二の導入路4へ、送液手段(図示していない)を用いて矢印31の方向に第二の溶液24を導入する。このとき、流路2の構成として定在波の節38が導入された第二の溶液の流れの内部に存在させるように構成することが不可欠である。それを実現するために、流路形状、導入量、もしくは音響波発生手段11の全体的な設計によって調整することが重要である。
ここで、図5(a)に示すように、流路2の中央に定在波の節38が発生するように音響波発生手段11を駆動させた場合について説明する。固形粒子20は音響波の放射圧により定在波の節38の方向、つまり、流路2の中央方向に力を受け、その結果、図5(b)に示すように第一の溶液23から第二の溶液24中に移動させることができる。
そして、この固形粒子20の移動を完了した第一の溶液23と第二の溶液24は流路2の後方に設けた導出路5へ導入される。
この導出路5の流路形状及び流路長さの設計などにより、固形粒子20を含んだ第二の溶液24を矢印32の方向へ導出し、第一の溶液23を矢印33の方向へ別々に導出することが可能となる。
以上説明してきたように、第一の導入路3において第一の溶液23の内部に浮遊している固形粒子20に対して濃度勾配を形成した後、流路2の内部で固形粒子20を第一の溶液23から第二の溶液24中へ抽出移動させることによって、精度良く整列させることができることから、固形粒子20の移動距離のばらつきを低減することができるため、固形粒子20の抽出を短時間で連続的に精度良く行うことが可能となる。
ここで、この成分分離デバイスの応用例である培養液中に保存している細胞を分離抽出する場合について説明する。
固形粒子20を細胞、第一の溶液23を細胞の培養液および第二の溶液24を細胞外液とすることができる。この細胞外液とはK+イオンが4mM程度、Na+イオンが145mM程度、Cl-イオンが123mM程度添加された電解液であり、細胞の電気生理現象を測定するときに用いる測定液である。
ここで、細胞は培養液中に存在している場合は長期間活性を保つことができるが、培養液中には不明瞭なイオン成分が多数存在しており、培養液中では精度の高い細胞の電気生理現象の測定を行うことはできない。精度の高い細胞の電気生理現象の測定を行うためには細胞を細胞外液中に抽出する必要がある。しかしながら、細胞は細胞外液中に存在していると徐々に活性を失っていくことから、細胞の抽出は検査に必要な量を速やかに行うことが重要である。
これに対して、本実施の形態1にて説明してきた成分分離デバイスを用いて培養液中の細胞の分離操作を行うことによって、細胞の培養液から必要な量を細胞外液中へ細胞を速やかに分離、抽出することができることから、細胞の活性を保ちつつ精度の高い細胞の電気生理現象の測定を行うことができる。
また、HEK細胞やCHO細胞に代表される付着性細胞は、細胞を培養中に培養容器と付着する。この付着性細胞の電気生理現象の測定を行う場合、トリプシン溶液により培養容器から剥離する必要がある。しかしながら、このトリプシン溶液は細胞の活性を著しく低下させるため、一刻も早く培養液中もしくは細胞外液中に抽出する必要がある。
これに対して、固形粒子20を細胞とし、第一の溶液23をトリプシン溶液とし、第二の溶液24を細胞の培養液もしくは細胞外液とすることによって、細胞をトリプシン溶液から細胞の培養液もしくは細胞外液中へ速やかに抽出、分離することができる。この一旦剥離させた細胞は細胞の培養液を攪拌することで細胞の培養液中に浮遊した状態にして保存しておくことが可能であり、細胞の活性を保ちつつ保存することができる。また、細胞を細胞外液中へ抽出することによってそのまま速やかに細胞の電気生理現象の測定を行うことができる。
次に、本実施の形態1における別の例である成分分離デバイスおよびこれを用いた成分分離方法について図面を用いて説明する。図6は異なった大きさの固形粒子20a,20bを含む溶液の中から選択的に特定の固形成分20(例えば20a)のみを分離する方法を説明するための平面図である。なお、ここでは濃度勾配発生手段12として音響波発生装置を用いた場合について説明する。
図6に示すように、第一の導入路3へ送液手段(図示していない)を用いて矢印30の方向に第一の溶液23の中に音響波の影響を受けやすい第一の固形粒子20aと音響波の影響を受けにくい第二の固形粒子20bとが混入している場合、この混入した固形粒子20a、20bを選択的に分離する必要性がある。例えば血液中に存在する赤血球と白血球を分離して検査分析を行うときなどがある。
このような混合溶液に対して、第一の導入路3の中央に第一の固形粒子20aと第二の固形粒子20bの濃度が高くなるように濃度勾配発生手段12を駆動させて所定の定在波の節38を発生させ、第一の固形粒子20aと第二の固形粒子20bはその濃度勾配を保ちつつ第一の溶液23と共に流路2に導入される。
一方、第二の導入路4へ送液手段(図示していない)を用いて矢印31の方向に第二の溶液24を導入する。そして、この第二の導入路4から流路2の内部への第二の溶液24の導入部分に定在波の節38が存在するように流路形状、第二の溶液24の導入量および音響波発生手段11から音響波の条件を最適に調整する。
そして、流路2の中央に定在波の節が発生するように音響波発生手段11を駆動させることによって、第一の固形粒子20a及び第二の固形粒子20bは音響波の放射圧により定在波の節38の方向、つまり、流路2の中央方向に力を受ける。このとき、音響波発生手段11の出力を調整して音響波の影響を受けやすい第一の固形粒子20aのみが第一の溶液23から第二の溶液24中に移動させる。そして、第二の固形粒子20bを含んだ第一の溶液23は導出路5bへ導出し、第一の固形粒子20aを含んだ第二の溶液24は導出路5aへ分岐して導出することができる。この導出路5a、5bの流路形状及び長さを最適な条件に設計することにより、効率よく第二の溶液24と第一の固形粒子20aを矢印32に示す方向に導出させ、第一の溶液23と第二の固形粒子20bを矢印33に示す方向に導出することが可能である。
以上説明してきたように、図6に示した構成とすることによって、第一の導入路3において第一の固形粒子20aと第二の固形粒子20bの濃度勾配を形成した後、次の流路2で第一の溶液23から第二の溶液24へ第一の固形粒子20aのみを抽出することで、固形粒子20aの移動距離のばらつきを低減することができることから、高い回収率で効率よく固形粒子20a、20bの抽出、分離を連続的に行うことが可能となる。
このような成分分離デバイスを用いる用途として、第一の固形粒子20aと第二の固形粒子20bを大きさの異なる細胞の抽出、分離に用いることができる。例えば、血液中の血球成分である赤血球と白血球は異なる大きさ、形状を有しておりその音響波特性は異なる。この血液中から赤血球または白血球のみを抽出、分離する場合に用いることが可能である。あるいは、培養された細胞では同種の細胞であっても細胞分裂した後の経過時間、あるいは凝集により大きさが異なることで音響波特性が異なり、細胞の解析において細胞の形状の均一性は測定精度に大きく影響を及ぼすことがある。この細胞の培養液から均一な形状の細胞のみを抽出、分離することが可能である。
このように、図6で示した成分分離デバイス及び成分分離方法を用いることで、異なった形状、大きさを有する細胞の中から必要な細胞を精度良く短時間で抽出、分離することができることから、細胞の解析において測定精度及び速度を向上させることができる。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2における成分分離デバイスについて図面を用いて説明する。図7は本発明の実施の形態2における成分分離デバイスの構成を示す平面図である。
図7に示すように、第一の導入路3には固形粒子20の濃度が高くなる領域に分岐7を設けている。この分岐7によって分岐された第一の導入路3の間に導入孔8及び第二の導入路4を設けており、この分岐された第一の導入路3と第二の導入路4はいずれも同一の流路2に接続している。このような構成により、第一の導入路3から導入する第一の溶液23の固形粒子20の濃度が高い領域と、第二の導入路4から導入する第二の溶液24が、流路2において接するように流すことができる。
このような構成とすることで、濃度勾配となるように流れている固形粒子20を第二の溶液24の近傍となる第一の溶液23の流れを実現することができる。これによって、固形粒子20の分離、抽出にともなう移動距離を短くすることが可能であり、効率的な分離、抽出を行うことができる。また、分岐した流れをいずれも流路2に接続することで、固形粒子20のロスを低減することができる。
さらに、第二の溶液24の両側で第一の溶液23と接するような流れを容易に実現できることから、少量の第二の溶液24で多くの固形粒子20の分離、抽出が可能となる利点を有する。
次に、図7に示すように、前記基本の構成を直列に接続することにより上記作用を繰り返すことが可能となり、第二の溶液24に第一の溶液23が混入してくることを大幅に低減し、第二の溶液24の純度を高めている。そのため、分離、抽出の純度を容易に向上させることができる。
本発明は、例えば、細胞培養液、血液、乳液などに代表される、溶液と固形粒子が混合した混合溶液において、固形粒子の抽出、分離を効率的に行うことができるという効果を有し、固形粒子の特性を計測するための前処理デバイスなどに有用である。
本発明の実施の形態1における成分分離デバイスの構成を示す平面図 同分解斜視図 同音響波発生手段の構成を示す断面図 同固形粒子の濃度勾配を形成する方法を説明するための断面図 同固形粒子を抽出する方法を説明するための断面図 同固形粒子を分離する方法を説明するための平面図 本発明の実施の形態2における成分分離デバイスの構成を示す平面図 従来の成分分離デバイスの構成を説明するための断面図
符号の説明
1 基板
2 流路
3 第一の導入路
4 第二の導入路
5 導出路
7 分岐部
8 導入孔
10 封止部
11 音響波発生手段
12 濃度勾配形成手段
13 第一の電極層
14 圧電体層
15 第二の電極層
20 固形粒子
20a 第一の固形粒子
20b 第二の固形粒子
23 第一の溶液
24 第二の溶液
30 第一の導入路への流れ方向を示す矢印
31 第二の導入路への流れ方向を示す矢印
32 導出路からの流れ方向を示す矢印
33 導出路からの流れ方向を示す矢印

Claims (12)

  1. 流路と、この流路の内部に音響波を発生させる音響波発生手段と、前記流路に固形粒子を含む第一の溶液を導入する第一の導入路と、前記流路に第二の溶液を導入する第二の導入路と、前記流路から溶液を導出する二つ以上の導出路を設けた成分分離デバイスであって、前記第一の導入路に前記固形粒子の濃度勾配を形成することができる濃度勾配形成手段を設けた成分分離デバイス。
  2. 濃度勾配形成手段を第一の導入路の内部に音響波を発生させる音響波発生装置とした請求項1に記載の成分分離デバイス。
  3. 音響波発生装置を第一の電極層、圧電体層及び第二の電極層とからなる積層圧電デバイスとした請求項2に記載の成分分離デバイス。
  4. 流路に音響波を発生させる音響波発生手段と、第一の導入路に音響波を発生させる音響波発生装置を個別に制御できる構成とした請求項2に記載の成分分離デバイス。
  5. 音響波発生手段を、第一の電極層、圧電体層及び第二の電極層とからなる積層圧電デバイスとした請求項1に記載の成分分離デバイス。
  6. 第一の溶液の固形粒子の濃度が高い領域を分岐するように第一の導入路を分岐し、この分岐した第一の導入路の中間に第二の導入路を設けた請求項1に記載の成分分離デバイス。
  7. 第二の溶液の固形粒子の濃度が高い領域を分岐するように第二の導入路を分岐し、この分岐した第二の導入路の中間に第二の導入路を直列に接続した請求項6に記載の成分分離デバイス。
  8. 流路と、この流路の内部に音響波を発生させる音響波発生手段と、前記流路に固形粒子を含む第一の溶液を導入する第一の導入路と第二の溶液を導入する第二の導入路と、前記流路から溶液を導出する二つ以上の導出路を設け、前記第一の導入路に前記固形粒子の濃度勾配を形成することができる濃度勾配形成手段を設けた成分分離デバイスを用いた成分分離方法であって、
    前記第一の導入路に固形粒子と第一の溶液の混合溶液を導入し、濃度勾配形成手段により、少なくとも一部の前記固形粒子の濃度勾配を形成した後、前記流路に前記混合溶液を導入する第一の工程と、前記第二の導入路から第二の溶液を流路へ導入する第二の工程と、前記音響波発生部を駆動させることで流路の内部に定在波を形成し、少なくとも一部の固形粒子を定在波の節に凝集させることで第一の溶液から第二の溶液に前記固形粒子を抽出し、導出路から第二の溶液と少なくとも一部の前記固形粒子の混合液及び前記第一の溶液を導出する工程を含む成分分離方法。
  9. 固形粒子を細胞とし、第一の溶液を細胞培養液とし、第二の溶液を細胞電気生理検査用外液とした請求項8に記載の成分分離方法。
  10. 固形粒子を細胞とし、第一の溶液をトリプシン溶液、第二の溶液を細胞培養液もしくは細胞電気生理検査用外液とした請求項8に記載の成分分離方法。
  11. 固形粒子を音響波特性の異なる粒子の混合物とし、音響波発生手段を駆動させることで、前記固形粒子の中で音響波の影響を受けやすい固形粒子を主として第二の溶液の内部に分離する請求項8に記載の成分分離方法。
  12. 固形粒子を血球もしくは培養細胞とした請求項11に記載の成分分離方法。
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