JP2007272949A - 磁気ディスク - Google Patents

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圭二 諸石
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順一 安森
Tokichiro Sato
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Abstract

【課題】基板のテクスチャ効果を引き出し、円周方向に高い磁気異方性を持たせ、かつCr系下地層とCo系磁気記録層の格子定数を一致させると共に、2層以上の下地層の格子間隔の歪みに着目することにより、Co系磁気記録層の配向性を向上させる。
【解決手段】ガラス基板1(非磁性基板)上に、Crを主成分とする体心立方構造下地層3と、Coを主成分とする六方最密充填構造の磁性層4(磁気記録層)とがこの順に積層された磁気ディスクであって、体心立方構造下地層3は、ガラス基板1側にMnを含む第1の体心立方構造下地層3a(下部下地層)と、磁性層4側にMo又はTiを含む第2の体心立方構造下地層3b(上部下地層)との積層として構成され、体心立方構造下地層3の(002)面の平均格子面間隔に基いて求められる体心立方構造下地層3の平均格子定数は、第1の体心立方構造下地層3aの格子定数に比べて大きく、かつ、第2の体心立方構造下地層3bの格子定数に比べて小さく構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気ディスク装置に用いられる磁気ディスクに関する。特に、本発明は、非磁性基板、例えば、ガラス、カーボン、Ti、その他セラミック等の基板にテクスチャ処理を施した後に、下地層、磁気記録層、保護層及び潤滑層を順次積層してなる長手方式の磁気ディスクに関する。
磁気ディスクとは、ハードディスクドライブ(HDD)等の磁気ディスク装置に搭載される磁気記録媒体である。ハードディスクドライブは、少なくとも磁気ディスクと磁気ヘッドとを有し、磁気ヘッドにより磁気ディスクに情報が記録されて再生される。磁気ディスクは、通常は、基板上に、下地層、磁性層、保護層、潤滑層等の層がこの順で成膜されて形成される。
下地層は、磁性層の結晶の成長方向を制御するために形成される層であり、磁性層の磁化容易方向をディスクの面内方向又はディスクの法線方向に配向するよう制御する機能を有する。また、下地層は磁性層のグレインサイズを制御する機能も有する。これら2つの効果を用い、結晶の成長方向が揃った微細なグレインを形成させ、例えば、磁気記録媒体の信号雑音強度比(S/N比)を向上させる効果や、静磁気特性を向上させる効果を発揮する。
下地層に関する技術としては、例えば、特許文献1に記載されている技術が知られている。この技術では、Fe7W6構造を有する合金下地層を利用することが開示されている。
特許文献1には、Fe7W6構造を形成する合金として、Co−W系合金、Co−Mo系合金、Co−Ta系合金、Co―Nb系合金、Ni−Ta系合金、Ni−Nb系合金、Fe−W系合金、Fe−Mo系合金、Fe−Nb系合金など多種の合金を利用できることが開示されている。
ここで、HDD用長手方式の磁気記録媒体は、一般に、基板/下地層(bcc構造)/磁気記録層(hcp構造)/保護層/潤滑層から成る。
現在の長手方式の磁気記録媒体では、磁気記録層であるCo層に円周方向に一軸磁気異方性(OR)を持たせることによりノイズを低減させる。このようにして、良好な磁気記録特性が実現され、高記録密度を示す磁気記録媒体が得られる。
また、<001>方向に優先成長させたCr系下地層とその直上に成膜されたCo系磁性層では、Cr(00l)の対角線とCoのC軸が一致しCo(000l)面が基板面内方向を優先的に向いている。そのため、CrとCoとの格子定数が一致するCr系下地層を選択することにより、Co系合金磁気記録層の配向性が向上し、高いSN比を示す磁気記録媒体が得られる。
特開2004−086936号公報
しかし、上記従来技術は、2層以上の下地層を用い、この2層以上の下地層の格子間隔の歪みに着目することにより、高いSN比を達成するものではない。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的は、基板のテクスチャ効果を引き出し、円周方向に高い磁気異方性を持たせ、かつCr系下地層とCo系磁気記録層の格子定数を一致させると共に、2層以上の下地層の格子間隔の歪みに着目することにより、Co系磁気記録層と下地層との格子定数の差を小さくし、磁気記録特性を向上させることにある。
上記目的を解決するために、本発明は、以下のような構成を有する。
(構成1)
非磁性基板上に、Crを主成分とする体心立方構造の下地層と、Coを主成分とする六方最密充填構造の磁気記録層とがこの順に積層された磁気ディスクにおいて、
前記下地層は、前記非磁性基板側にMnを含む下部下地層と、前記磁気記録層側にMo又はTiを含む上部下地層との積層として構成され、
前記下地層の(002)面の平均格子面間隔に基いて求められる前記下地層の平均格子定数は、前記下部下地層の格子定数に比べて大きく、かつ、前記上部下地層の格子定数に比べて小さく構成されていることを特徴とする磁気異方性の磁気ディスク。
(構成2)
前記下地層は、CrMnを含む合金の下部下地層と、CrMoを含む合金の上部下地層が接して構成されていることを特徴とする構成1の磁気異方性の磁気ディスク。
(構成3)
前記下地層の(002)面の平均格子面間隔に基いて求められる前記下地層の平均格子定数は、前記下部下地層の格子定数に比べて0.2%以上大きく構成されていることを特徴とする構成1又は構成2の磁気異方性の磁気ディスク。
(構成4)
前記下地層の(002)面の平均格子面間隔に基いて求められる前記下地層の平均格子定数は、前記上部下地層の格子定数に比べて0.2%以上小さく構成されていることを特徴とする構成1乃至構成3の何れか一の磁気異方性の磁気ディスク。
本発明では、2種類の下地層を用いることにより、下地層の格子定数とCo磁気記録層の格子定数とのマッチングが良くなり、高SN比を有する高記録密度に対応する磁気記録媒体を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
最初に、図1を参照して、本発明の磁気ディスクの層構成について説明する。
この実施形態において磁気ディスクは、ガラス基板1上に非磁性の金属アモルファス下地層2、非磁性の体心立方構造下地層3、磁性層4、保護層5及び潤滑層6がこの順に積層されている。
ガラス基板1としては、アモルファスガラス基板、結晶化ガラス基板などを用いることができる。特にアモルファスガラス基板を用いることが好ましい。ガラスの組成としては、アルミノシリケートガラスが特に好ましい。
ガラス基板1上に、非磁性の金属アモルファス下地層2を形成し、次いで、金属アモルファス下地層2の上に非磁性の体心立方構造の下地層3を形成する。なお、金属アモルファス下地層2と体心立方構造下地層3とは接して形成することが好ましい。金属アモルファス下地層2は、第1の金属アモルファス下地層2aと第2の金属アモルファス下地層2bの二層構造から成る。
ここで、非磁性の第2の金属アモルファス下地層2bは、第一の元素としてTi、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Si、Bから成る群より選ばれた少なくとも1種の元素を含有する。さらに、第2の金属アモルファス下地層2bは、第二の元素として更に、Cr、V、Mn、Coから成る群より選ばれた少なくとも1種の元素を含有する。ここで、第一の元素としてのTi、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Si、Bは、どの金属もアモルファスを作製するときに使用可能な金属である。Mo,Ta,Wは、高融点金属材料であり、他の金属に比べて比較的高融点を持つ金属はアモルファスを作りやすい。Zr,Hf,Si,Yは、これらの金属を添加することにより、結晶化する温度が上昇するといわれている。高結晶化温度の合金は、磁気ディスク表面では結晶を組みにくくアモルファスになりやすい。ここで、ガラスの軟化点は500度以下である。Ti,Y,Ta,Zrは、微細化構造を得たい時に使用される材料である。一般的に、スパッタ成膜でアモルファスになりやすい金属である。CrやCo母体の時、原子寸法の比が12%以上異なる。Cr,V,Mn,Coは、周期表において共に隣り合う元素である。一般的に、ハードディスクドライブ(HDD)に成膜される金属は、CrもしくはCoが母体となる。この二つは、アモルファスにする金属というよりも母体となる金属である。なお、VはCrと同程度の融点を持ち、Crに取って代われる元素の一つである。
第2の金属アモルファス下地層2bは、例えば、CoWあるいはCrTiであり、スパッタリングにより積層される。ここで、第2の金属アモルファス下地層2bは、磁気記録層に磁気異方性を付与する層として機能する。
第2の金属アモルファス下地層2bは、Coを含む非磁性の金属アモルファス層とすることが好ましい。Coを含む非磁性の金属アモルファス層としては、CoW系アモルファス層、CoZr系アモルファス層、CoHf系アモルファス層を用いることができる。CoW系アモルファス層を用いる場合にあっては、Wが50原子%を超える組成の材料を用いることが好ましい。
金属アモルファス下地層2において、第2の金属アモルファス下地層2bの表面部分は、酸素を含む材料とすることが好ましい。酸素を含有させると、メディアノイズを低減させることができるのでS/N比を向上させることができる。また、第2の金属アモルファス下地層2bの表面部分に酸素を含有させることで、磁気異方性比(Mrc/Mrr)を向上させることができる。なお、磁気異方性比(Mrc/Mrr)は、ディスクの円周方向の残留磁化をMrc、ディスクの半径方向の残留磁化をMrrとしたときに、ディスクの円周方向の残留磁化とディスクの半径方向の残留磁化との比である。磁気異方性比が向上すると、磁気ディスクの円周方向の磁気特性を向上させることができる。磁気ディスクにおいてディスクの円周方向とは、磁気ヘッドの走行方向であるので、磁気異方性の大きな磁気ディスクは好適である。
また、金属アモルファス下地層2において、第1の金属アモルファス下地層2aは、Crを含む非磁性の金属アモルファス層(例えば、CrTi合金)とすることが好ましい。
なお、アモルファスとは、例えば、XRD(X線回折法)等を用いて分析したときに、明瞭なピークが観察されない状態のことをいう。別の側面から言えば、アモルファスとは結晶が長距離秩序を有しない状態をいう。更にいえば、アモルファスとは結晶が短距離秩序を有していても良い状態をいう。
また、金属アモルファス下地層2の上に形成される体心立方構造下地層3として、Cr含有下地層を利用する。Cr含有下地層を用いると、磁性層の磁化容易軸をディスク面内に配向させることができる。
体心立方構造下地層3は、第1の体心立方構造下地層3aと第2の体心立方構造下地層3bとの二層構造から成る。第1の体心立方構造下地層3aは、Cr金属下地層またはCr合金下地層とすることが好ましい。
また、第1の体心立方構造下地層3aは、Cr含有の体心立方構造の材料として、Cr金属かCr金属よりも格子定数の小さな体心立方構造の材料を用いると好ましい。このような材料としては、例えば、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、As、Se、等の周期律表第4周期元素を挙げることができる。
例えば、第1の体心立方構造下地層3aとして、CrMn系合金、CrFe系合金、CrCo系合金を好ましく挙げることができる。なお、CrMn系合金を利用する場合は、Mnの組成が10原子%以上とすることが好ましい。
なお、第2の体心立方構造下地層3bは、Cr含有下地層とすることが好ましい。このようなCr含有下地層としては、CrMo系合金下地層、CrTi系合金下地層、CrMoTi系合金下地層、CrV系合金地層、CrW系合金下地層等を挙げることができる。
本実施の形態においては、体心立方構造下地層3をCr含有下地層とし、第1の体心立方構造下地層3aをCr金属に比べて相対的に格子定数の小さな体心立方構造とし、第2の体心立方構造下地層3bをCr金属に比べて相対的に格子定数の大きな体心立方構造とすることが好ましい。
本発明においては、第1の体心立方構造下地層3a側(金属アモルファス層2側)から第2の体心立方構造下地層3b側(磁性層4側)に向かって、段階的又は連続的に格子定数が増大する構造である下地層とすることが好ましい。
また、本発明においては、Coを含む非磁性の第2の金属アモルファス下地層2bとCrよりも原子半径の小さな元素を含むCr含有の第1の体心立方構造下地層3aとを接して形成することが好ましい。この態様にあって、Coを含む非磁性の第2の金属アモルファス下地層2bとCrよりも原子半径の小さな元素を含むCr含有の第1の体心立方構造下地層3aとの界面部分に酸素を含有する態様も更に好ましく挙げることができる。
本実施の形態では、ガラス基板1上に、Crを含む非磁性の第1の金属アモルファス下地層2a、Coを含む非磁性の第2の金属アモルファス下地層2b、Cr含有の体心立方構造を有する第1の体心立方構造下地層3a、Cr含有の体心立方構造を有する第2の体心立方構造下地層3bがこの順で順次形成された磁気ディスクを好ましい態様として挙げることができる。この態様にあって、Coを含む非磁性の第2の金属アモルファス下地層2bと、Cr含有の体心立方構造を有する第1の体心立方構造下地層3aとの界面部分に酸素を含有する態様も更に好ましく挙げることができる。
また、ガラス基板1の表面は、磁性層4に磁気異方性を付与する円周方向のテクスチャが形成されていることが好ましい。これにより、Mrc/Mrrが1を超える磁気異方性を有する磁気ディスクが得られる。
本発明では、体心立方構造下地層3として、格子定数の異なる2層の下地層(第1の体心立方構造下地層3a(CrMn層)と第2の体心立方構造下地層3b(CrMo合金層)を用い、それぞれの下地層(第1の体心立方構造下地層3aと第2の体心立方構造下地層3b)の格子を歪ませることにより、更に高いSN比と、更に高い円周方向への一軸異方性を示す磁気記録媒体が作製可能となる。これにより、高記録密度の磁気記録媒体が得られる。
具体的には、第1の体心立方構造下地層3a内の上部(すなわち、第2の体心立方構造下地層3b側の部分)にある第1の体心立方構造下地層3aの格子間隔は、第1の体心立方構造下地層3aよりも大きな格子定数を持つ第2の体心立方構造下地層3bに影響を受けて広がる。
一方、第2の体心立方構造下地層3b内の下部(すなわち、第1の体心立方構造下地層3a側の部分)にある第2の体心立方構造下地層3bの格子間隔は、第2の体心立方構造下地層3bよりも小さな格子定数を持つ第1の体心立方構造下地層3aに影響を受けて縮む。これにより、第1の体心立方構造下地層3a/第2の体心立方構造下地層3bの内部に格子間隔の歪みが生じる。
本発明では、この格子間隔の歪みに着目し、高SN比が得られる格子間隔の歪み度合いを所定の範囲に特定した(歪みが発生している方が、高SN比が得られる)。
本発明の磁気ディスクでは、ガラス基板1上に、Crを主成分とする体心立方構造下地層3と、Coを主成分とする六方最密充填構造の磁性層4とがこの順に積層され、体心立方構造下地層3は、ガラス基板1側にMnを含む第1の体心立方構造下地層3a(下部下地層)と、磁性層4側にMo又はTiを含む第2の体心立方構造下地層3b(上部下地層)との積層として構成される。
体心立方構造下地層3の(002)面の平均格子面間隔に基いて求められる体心立方構造下地層3の平均格子定数は、第1の体心立方構造下地層3aの格子定数に比べて大きく、かつ、第2の体心立方構造下地層3bの格子定数に比べて小さく構成されている。
ここで、前記体心立方構造下地層3の平均格子面間隔は、前記磁気ディスクをX線回折法で分析したときに検出される体心立方構造の(002)面の回折角度に基いて算出することができる。
前記第1の体心立方構造下地層3a(下部下地層)又は第2の体心立方構造下地層3b(上部下地層)の格子定数は、前記第1の体心立方構造下地層3a又は前記第2の体心立方構造下地層3bと同一の組成を有する別の膜を準備し、この膜をX線回折法で分析したときに検出される体心立方構造の(002)面の回折角度に基いて算出することができる。
ここで、体心立方構造下地層3は、CrMnを含む合金の第1の体心立方構造下地層3aと、CrMoを含む合金の第2の体心立方構造下地層3bが接して構成されている。
体心立方構造下地層3の(002)面の平均格子面間隔に基いて求められる体心立方構造下地層3の平均格子定数は、第1の体心立方構造下地層3aの格子定数に比べて0.2%以上大きく構成されている。
体心立方構造下地層3の(002)面の平均格子面間隔に基いて求められる体心立方構造下地層3の平均格子定数は、第2の体心立方構造下地層3bの格子定数に比べて0.2%以上小さく構成されている。
具体的には、下地層の上層であるCrMoXにてMoの含有量は10〜50at%の範囲内であり、添加元素であるXは例えばTi,V,Zr,Nb,Hf,Taから選ばれる少なくとも1つの元素である。Moの含有量が10at%以下ではCrMoの格子定数がCrに近くなりすぎ、十分な格子間隔の歪を得がたく、殆ど効果が得られない。更に、50%at以上含有させることにより、CrMoはアモルファスとなってしまい、SN比向上の効果が得られない。添加元素Xの含有範囲は1〜10at%であり、10at%以上含有することによりCr合金の結晶配向性が乱れ、更に、Coの結晶配向性が乱れSN比の低下を引き起こす。上記組成のCr合金において、X線回折により観測される、下層であるCrMn、上層であるCrMoX個々のPeakが重なり合い生じた1つPeakより算出された格子定数が、下層である第1の体心立方構造下地層3a(CrMn層)の格子定数よりも0.2%以上大きく、かつ、上層である第2の体心立方構造下地層3b(CrMoX合金層)の格子定数よりも0・2%以上小さくなるように設定する。
上層である第2の体心立方構造下地層3b(CrMoX合金層)にて、Xの添加元素が例えばTi,V,Zr,Nbであり、Mo含有量が20at%未満の場合、X線回折により観測される、下層であるCrMn,上層であるCrMoX個々のPeakが重なり合い生じた1つPeakより算出された格子定数が、下層である第1の体心立方構造下地層3a(CrMn層)の格子定数よりも0.3%以上大きく、かつ、上層である第2の体心立方構造下地層3b(CrMoX合金層)の格子定数よりも0.4%以上小さくなるように設定する。
また、上層である第2の体心立方構造下地層3b(CrMoX合金層)にて、Xの添加元素が例えばTi,V,Zr,Nbであり、Mo含有量が20at%以上の場合、X線回折により観測される、下層であるCrMn,上層であるCrMoX個々のPeakが重なり合い生じた1つPeakより算出された格子定数が、下層である第2の体心立方構造下地層3b(CrMn層)の格子定数よりも0.3%以上大きく、かつ、上層であるCrMoX合金層3bの格子定数よりも0.2%以上小さくなるように設定する。
添加元素XがTa,Hfの場合、X線回折により観測される、下層であるCrMn,上層であるCrMoX個々のPeakが重なり合い生じた1つPeakより算出されて格子定数が、下層である第1の体心立方構造下地層3a(CrMn層)の格子定数よりも0.2%以上大きく、かつ、上層である第2の体心立方構造下地層3b(CrMoX合金層)の格子定数よりも0.3%以上小さくなるように設定する。
テクスチャ処理が施された基板上に、CrTi、CoW、CrMn、CrMo15Ti5、CoCrTa、Ru、Co1B、Co1T、Cの順に成膜した。なお、CrMo15Ti5は、Moの含有量が15at%,Tiの含有量が5at%、残部がCrであることを示している。成膜装置はキャノンアネルバ製C3040スパッタ装置を用い、各層を成膜する時のガス圧は0.6[Pa]となるように調整を行った。
CrMnの膜厚及びCrMo15Ti5の膜圧をそれぞれ変化させてサンプルを作製した。ここで、2層から成る下地層の平均の格子間隔は、X線回折装置(図示せず)により測定したピーク値等から算出される。具体的には、2つのピーク値を一つのピーク値と仮定してフィッティングを行う。その結果を、表1及び図2、図3に示す。
Figure 2007272949
この結果から、前記上層であるCrMo系合金がCrMo15Ti5の場合、上記2層から成る下地層の平均の格子間隔が、下層であるCrMn層の格子定数よりも0.3%以上大きく、かつ、上層であるCrMo系合金層の格子定数よりも0.4%以上小さいとき(つまり、下地層であるCrMnの格子定数が0.3%以上に広がるように歪み、0.4%以下に狭まるように歪んだとき)に、高ORかつ、高SN比の磁気記録媒体を実現できることが分かった。なお、このときのCrMn層とCrMo系合金層との合計の膜厚に対するCrMn層の膜厚の割合(CrMn比)は約30〜56の範囲である。
また、図2の矢印Aで示す範囲の格子定数(LC)が高いSN比を実現している。つまり、上に成長する磁性膜の格子定数(LC)に対して、2層から成る下地層を使用することにより、組成を変えることなく、膜厚比率にて調整可能になる。
テクスチャ処理が施された基板上に、CrTi、CoW、CrMn、CrMo25Ti5、CoCrTa、Ru、Co1B、Co1T、Cの順に成膜した。なお、CrMo25Ti5は、Moの含有量が25at%,Tiの含有量が5at%、残部がCrであることを示している。
その結果を、表2及び図4及び図5に示す。
Figure 2007272949
上層であるCrMo系合金がCrMo25Ti5の場合、上記2層から成る下地層の平均の格子間隔が、下層であるCrMn層の格子定数よりも0.3%以上大きく、かつ、上層であるCrMo系合金層の格子定数よりも0.2%以上小さいとき(つまり、下地層であるCrMnの格子定数が0.3%以上に広がるように歪み0.2%以下に狭まるように歪んだとき)に、高ORかつ、高SN比の磁気記録媒体を実現できることが分かった。なお、このときのCrMn比は約35〜62の範囲である。
テクスチャ処理が施された基板上に、CrTi、CoW、CrMn、CrMo15Ta5、CoCrTa、Ru、Co1B、Co1T、Cの順に成膜した。なお、CrMo15Ta5は、Moの含有量が15at%,Taの含有量が5at%、残部Crであることを示している。その結果を、表3及び図6及び図7に示す。
Figure 2007272949
上層であるCrMo系合金がCrMo15Ta5の場合、上記2層から成る下地層の平均の格子間隔が、下層であるCrMn層の格子定数よりも0.2%以上大きく、かつ、上層であるCrMoTa層の格子定数よりも0.3%以上小さいとき(つまり、下地層であるCrMnの格子定数が0.2%以上に広がるように歪み0.3%以下に狭まるように歪んだとき)に、高ORかつ、高SN比の磁気記録媒体を実現できることが分かった。なお、このときのCrMn比は約35〜62の範囲である。
また、下地層の上層であるCrMoXの添加元素Xを変えて、その他の膜構成は上記と同様にして実験を行った。その結果、CrMoVのときはSN比が19.24、CrMoZrのときはSN比が19.55、CrMoNbのときはSN比が19.49、CrMoHfのときはSN比が19.76であった。
さらに、下地層の上層であるCrMoX層を成膜せず、下地層の下層であるCrMn直上に磁性層(磁気記録層)を成膜したところ、SN比は18.33であった。
また、下地層の上層であるCrMoX層のMoの含有量が、10at%以下や50at%以上の場合には、SN比が17以下であった。
本発明の磁気ディスクの層構成を示す図である。 上層であるCrMo系合金層がCrMo15Ti5の場合のCrMn比と格子定数との関係を示すグラフである。 上層であるCrMo系合金層がCrMo15Ti5の場合のCrMn比とSN比との関係を示すグラフである。 上層であるCrMo系合金層がCrMo25Ti5の場合のCrMn比と格子定数との関係を示すグラフである。 上層であるCrMo系合金層がCrMo25Ti5の場合のCrMn比とSN比との関係を示すグラフである。 上層であるCrMo系合金層がCrMo15Ta5の場合のCrMn比と格子定数との関係を示すグラフである。 上層であるCrMo系合金層がCrMo15Ta5の場合のCrMn比とSN比との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 ガラス基板
2 金属アモルファス下地層
3 体心立方構造下地層
4 磁性層
5 保護層
6 潤滑層

Claims (4)

  1. 非磁性基板上に、Crを主成分とする体心立方構造の下地層と、Coを主成分とする六方最密充填構造の磁気記録層とがこの順に積層された磁気ディスクにおいて、
    前記下地層は、前記非磁性基板側にMnを含む下部下地層と、前記磁気記録層側にMo又はTiを含む上部下地層との積層として構成され、
    前記下地層の(002)面の平均格子面間隔に基いて求められる前記下地層の平均格子定数は、前記下部下地層の格子定数に比べて大きく、かつ、前記上部下地層の格子定数に比べて小さく構成されていることを特徴とする磁気異方性の磁気ディスク。
  2. 前記下地層は、CrMnを含む合金の下部下地層と、CrMoを含む合金の上部下地層が接して構成されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気異方性の磁気ディスク。
  3. 前記下地層の(002)面の平均格子面間隔に基いて求められる前記下地層の平均格子定数は、前記下部下地層の格子定数に比べて0.2%以上大きく構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の磁気異方性の磁気ディスク。
  4. 前記下地層の(002)面の平均格子面間隔に基いて求められる前記下地層の平均格子定数は、前記上部下地層の格子定数に比べて0.2%以上小さく構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の磁気異方性の磁気ディスク。
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