JP2007272835A - 車両及び遠隔操作装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】遠隔操作装置と車両との相対位置に応じて車両の移動を規制する。
【解決手段】遠隔操作装置を持った操作者と車両との相対的な位置関係を検出し、相対的位置関係に応じて車両の移動を規制する。相対位置の検出は車両側で行い、移動の規制については遠隔操作装置で行う。規制を行う相対位置関係は、遠隔操作装置を持った操作者にとって車両により死角となる方向である場合に規制を行う。規制の種類としては、死角となる程度に応じて規制内容を変更する。例えば、死角程度が高い方向への移動を禁止し、死角程度が低い方向への移動の場合、死角方向以外の移動速度V1よりも低速V2(例えば、V2=V1×1/2の速度)に規制する。
【選択図】図5

Description

本発明は、車両及び遠隔操作装置に係り、例えば、車両の移動規制に関する。
車両を狭いスペースに駐車させる場合などに、運転者操作を補助するための種々の装置が提案されている。
例えば、車両外部からの操作によって車両を指示方向に移動させる遠隔操作システムを搭載した車両が特許文献1でも提案されている。
特開2002−120742公報
このような遠隔操作システムでは、車両の移動方向を指示するための遠隔操作装置が用いられており、遠隔操作装置には、例えば、「前進」「後退」「右旋回」「左旋回」などの車両の移動方向が割り当てられた方向ボタンが設けられている。
そして、操作者がこれらの方向ボタンを操作することによって、遠隔操作装置から方向指示に対応した指示信号(操作情報)が車両に送信され、外部から車両の移動方向を指示することができる。
このような車両の遠隔操作システムでは、操作者と車両との相対的な位置関係に関わらず各方向への移動を指示することが可能である。
例えば、車両自体が死角となる操作者と反対側方向であっても、車両を移動させることができる。
そこで、本発は、遠隔操作装置と車両との相対位置に応じて車両の移動を規制することを目的とする。
(1)請求項1に記載した発明では、遠隔操作により車両の移動を指示する遠隔操作装置であって、前記車両に対する自装置の相対位置を検知する相対位置検知手段と、前記検知した前記自装置の相対位置に応じて前記車両の移動を規制する規制手段と、を遠隔操作装置に具備させて前記目的を達成する。
(2)請求項2に記載した発明では、請求項1に記載の遠隔操作装置において、前記規制手段は、自装置から前記車両により死角となる方向への移動を禁止する、ことを特徴とする。
(3)請求項3に記載した発明では、請求項1に記載の遠隔操作装置において、前記規制手段は、自装置から前記車両により死角となる方向への移動速度又は移動距離を、他方向への移動速度又は移動距離よりも小さくする、ことを特徴とする。
(4)請求項4に記載した発明では、請求項1又は請求項3に記載の遠隔操作装置において、前記規制手段は、自装置から前記車両により死角となる方向への移動の場合に警告を行う、ことを特徴とする。
(5)請求項5に記載した発明では、遠隔操作装置から送信される操作情報を受信する受信手段と、前記受信した操作情報に従って自車両を移動する移動手段と、自車両に対する操作者の相対位置を検知する相対位置検知手段と、前記検知した相対位置に応じて前記移動手段による自車両の移動を規制する規制手段と、を車両に具備させて前記目的を達成する。
本発明によれば、遠隔操作装置と車両との相対位置を検出するので、検出した相対位置に応じて車両の移動を規制することができる。
特に、遠隔操作装置から見て車両の死角となる方向への移動を規制することで、車両の遠隔操作の安全性を向上させることができる。
以下、本発明の車両及び遠隔操作装置における好適な実施の形態について、図1から図6を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
本実施形態では、遠隔操作装置と車両とから構成される遠隔操作システム、すなわち、車両の外部に存在する遠隔操作装置から移動方向に関する操作情報が送信され、この操作情報を受信した車両が操作情報で指示された方向に移動する遠隔操作システムについて説明する。
本実施形態の遠隔操作システムでは、遠隔操作装置を持った操作者と車両との相対的な位置関係を検出し、相対的位置関係に応じて車両の移動を規制する。
相対位置の検出は車両側で行い、移動の規制については遠隔操作装置で行うが、両者を車両側で行うようにしてもよい。
規制を行う相対位置関係は、遠隔操作装置を持った操作者にとって車両により死角となる方向である場合に規制を行う。
規制の種類としては、死角となる程度に応じて規制内容を変更する。
例えば、死角程度が高い高死角方向(操作者の反対側を中心とする所定角の範囲)については、方向への移動を禁止する規制を行う。
一方、死角程度が低い低死角方向(高死角方向を除く死角方向)への移動の場合、死角方向以外の移動速度V1よりも低速V2(例えば、V2=V1×1/2の速度)に規制し、又は1操作による移動距離を、死角方向以外の移動距離S1より小さい移動距離S2(例えば、S2=S1×1/2の距離)に規制する。
また、本実施形態では、低死角方向、高死角方向への移動が指示された場合、遠隔操作装置では操作者に対して、死角方向の移動指示である旨、及び低速移動又は移動禁止の警告を行う。
(2)第1実施形態の詳細
図1は、本実施形態の車両及び遠隔操作装置を用いた遠隔操作システムの概要構成を表したものである。
この遠隔操作システムは、車体の外部に存在する操作者が遠隔操作装置20を用いて車両10を所望する方向へ移動操作するものである。この遠隔操作装置20は、遠隔操作装置として機能する。
本実施形態における車両10は、4つの駆動輪を備えている。これらの駆動輪にはそれぞれ独立して駆動するホイールモータが配置され、さらにそれぞれ独立して操舵方向を変更可能になっており、例えば真横や斜め方向の並行移動を含む広範囲な方向への移動が可能になっている。
図1に示されるように、車両10の車体外側の前後左右の側面には、遠隔操作装置20から送信される信号を検知するセンサ401〜404が配設されている。詳しくは、車体の左方側面にセンサ401、後方側面にセンサ402、右方側面にセンサ403、前方側面にセンサ404が配設されている。
センサ401〜404は、相対位置検知手段として機能する。
遠隔操作装置20は、車両10の移動方向を指示するための装置であり、操作者によって操作される。
車両10に対して、本実施形態の遠隔操作装置20から車両を平行移動させる場合に指示可能な方向としては、移動方向50a〜50hの矢印で示すように、前方50a、右前方50b、右方向50c、右後方50d、後方50e、左後方50f、左方向50g、左前方50hの8方向であるが、任意の方向を指示可能にしてもよい。
なお、遠隔操作装置20からは、車両を地面に投影した領域内に存在する任意の点を回転中心として車両を回転させる信地回転も指示可能である。この場合、回転中心と回転方向を遠隔操作装置20で指示する。
遠隔操作装置20には、図1に示されるように、送受信部21、ディスプレイ23、操作デバイス(入力装置)25が配置されている。
ディスプレイ23には、遠隔操作装置20の位置を検出した車両10から送信される操作画面選択信号に基づいて、操作者が見ている車両10の方向と一致する方向の車両画像が表示されるようになっている。
例えば、遠隔操作装置20からの信号をセンサ401で検出すると、車両10は遠隔操作装置20の相対位置として、操作者(遠隔操作装置20)が車両の左側の領域に存在すると認識する。
そして、遠隔操作装置20に対して、操作者から見て左向きの車両画像を表示することを指示する操作画面選択信号を送信し、これを受信した遠隔操作装置20のディスプレイ23には、操作者が見ている車両の方向と同一方向(左向き)の車両画像が表示される。
一方、操作者が車両の後側の領域に移動すると、車両10はセンサ402で遠隔操作装置20からの信号を検出して後方領域に存在すると認識し、操作者から見て上向きの操作画面選択信号を送信する。これを受信した遠隔操作装置20のディスプレイ23には、上向き(車両前方が送受信部21側)の車両画像が表示される。
また、操作者が車両の左後側の領域に移動すると、遠隔操作装置20からの信号は車両10はセンサ401と402の2カ所で受信するため、車両10は、遠隔操作装置20左後方領域に存在すると認識し、操作者から見て上方左向きの操作画面選択信号を送信する。これを受信した遠隔操作装置20のディスプレイ23には、上向きで左に傾いた車両画像が表示される。
このように、ディスプレイ23に、操作者が見た状態と同じ方向の車両画像が表示されるので、操作者は遠隔操作装置20自体の向きを車両の向きと一致させて考えてしまうことが防止される。
すなわち、操作者の位置を基準にした移動方向であることが車両画像から確認できるので、操作者が方向性を混乱することが一層防止される。
遠隔操作装置20は、送受信部21、ディスプレイ23、操作デバイス25等を有する専用の操作装置を用いることも可能であるが、本実施形態では、携帯電話等の携帯端末装置が用いられる。
詳しくは、通信機能の他、入力、記憶、演算、制御、出力のコンピュータにおける5大機能を備えた携帯端末装置に、車両10の遠隔操作制御を実行させる専用アプリケーションソフト(応用ソフトウェア)をインストールしたものを遠隔操作装置20として用いる。
なお、携帯電話を遠隔操作装置20として機能させるための専用アプリケーションソフトは、車両10のメーカが運営するウェブサイトなどからダウンロートすることにより取得することができる。
専用アプリケーションソフトは、操作対象の車両10以外の車両に対する誤操作などを防止するために、車種ごとに操作信号が個別設定されていることが好ましい。
また、予め遠隔操作装置20に操作対象となる車両10の認証登録(車両10の識別情報の登録)をしておき、遠隔操作装置20による遠隔操作を実行する際に車両10の認証処理を行うようにしてもよい。
図2は、本実施形態の車両10についての遠隔操作システム構成を表したものである。
図2に示されるように、車両10は、センサ401〜404、シリアル通信信号処理部41、ECU(電子制御装置)42、ROM(リード・オンリ・メモリ)43、シリアルI/F44を備えており、これらはバス45を介して電気的に接続されている。
また、遠隔操作システムでは、シリアルI/F44を介して、ECU42と車両信号処理部46とが接続されている。
センサ401〜404は、車両10の外部に位置する遠隔操作装置20の信号を検知する検知装置である。なお、センサ401〜404は、指向性を有する装置で構成され、その感知方向が車体の外側方向を向くように配設されている。
センサ401〜404には、それぞれ遠隔操作装置20から送信されるリモコン信号(操作情報)を受信(検知)する受信機と、車両10側(例えばECU42など)において処理された各種制御信号を遠隔操作装置20へ送信する送信機を備えている。
シリアル通信信号処理部41は、センサ401〜404で受信したリモコン信号、及び、センサ401〜404に送信する信号を、適切な形式の信号へ変換する処理を行う。即ち、シリアル通信信号処理部41は、車両10と遠隔操作装置との間の通信I/F(インターフェース)として機能する。
センサ401〜404では、いずれのセンサ401〜404の受信機において受信された信号であるかを判別するために、受信箇所の識別信号が受信したリモコン信号に付加される。
そして、シリアル通信信号処理部41へは、受信箇所の識別信号を付加したリモコン信号が入力される。
ECU42は、CPU(中央演算処理装置)、RAM等の内部記憶装置等のコンピュータシステムで構成されている。
ECU42は、ROM43や外部記憶装置に格納された各種プログラム、例えば、本実施形態における車両遠隔操作処理プログラムを実行することで、対応する各種処理を行う。
ECU42は、車両遠隔操作処理プログラムに従って、操舵方向及び車両の駆動信号を供給するようになっている。
ROM43には、車両遠隔操作処理プログラムやセキュリティー処理プログラムなどの各種コントロールプログラムの他、各種処理で用いられる変換テーブルや車両IDデータなどの各種データが格納されている。
シリアルI/F44は、ECU42と車両信号処理部46とを接続するためのインターフェースである。
車両信号処理部46は、ECU42から供給される操舵方向及び車両10の駆動信号に応じて、車両10に設けられた4輪を独立して制御する操舵機構や、車両10の駆動力を制御する駆動力機構などの内部機構を制御する車両制御用のECUに供給する。
図3は、本実施形態の遠隔操作装置20についてのシステム構成を表したものである。
図3に示されるように、遠隔操作装置20は、送受信部21、シリアル通信信号処理部22、ディスプレイ23、ディスプレイコントローラ24、操作デバイス25、操作デバイス信号処理部26、ECU(電子制御装置)27、ROM28を備えており、これらはバス29を介して電気的に接続されている。
送受信部21は、遠隔操作装置20の上端に配設され、車両10のセンサ401〜404から送信される信号を受信(検知)する受信機と、遠隔操作装置20側(例えばECU27など)において処理されたリモコン信号を車両10のセンサ401〜404へ送信する送信機を備えている。
なお、遠隔操作装置20と車両10間の通信は、光、電磁波等の各種方法を採用することが可能である。
シリアル通信信号処理部22は、送受信部21において受信された信号、及びセンサ401〜404へ送信される信号を、所定形式の信号へ変換する処理を行う。
ディスプレイ23は、ECU27で処理された処理結果を表示出力する出力装置であり、液晶ディスプレイ等の各種表示手段で構成される。
ディスプレイコントローラ24は、ディスプレイ23における表示出力を制御する。ディスプレイ23が例えば、液晶ディスプレイから構成される場合には、液晶に印加する電圧やバックライトの制御を行う。
ディスプレイ23には、車両10のセンサ401〜404から送信される操作画面選択信号に基づいて、操作者が見ている車両10の方向と一致する方向の車両画像が表示される。
操作デバイス25は、遠隔操作装置20に車両の移動に関する操作情報、具体的には方向指示コマンドを入力する入力装置であり、本実施形態では、十字型の方向キー251から構成されているが、ジョイスティックや4つの方向指示ボタンで構成するようにしてもよい。
また、遠隔操作装置20は、操作デバイス25の他、電源のON/OFFスイッチ、リセットボタンなどの入力装置を備えている。
操作デバイス信号処理部26は、操作デバイス25の操作状態を検出し、対応信号をバス29を介してECU27に供給する。
ECU27は、CPU(中央演算処理装置)、RAMなどの内部記憶装置等のコンピュータシステムで構成されている。
ECU27は、ROM28に格納された各種プログラム、例えば、方向指示処理プログラムや車体方向表示処理プログラムを実行することで、対応する各種処理を行う。
ECU27は、方向指示処理プログラムや車体方向表示処理プログラムに従って、シリアル通信信号処理部22やディスプレイコントローラ24を制御する。
ROM28は、遠隔操作装置20の内部記憶装置であり、携帯電話としての各種基本処理プログラムや、本実施形態で使用する遠隔操作制御を実現する専用のアプリケーション
や各種データをダウンロード等により取得するための取得プログラム等が格納されている。
そして、取得プログラムに従って取得した、車両10の遠隔操作制御を実現する専用のアプリケーションプログラム(応用ソフトウェア)、例えば、方向指示処理プログラム、車体方向表示処理プログラム、セキュリティー処理プログラムなどの各種コントロールプログラムの他、各種処理で用いられる車両画像データや、予め登録される車両の識別情報(車両ID)などの各種データは、外部記憶装置に保存される。
なお、遠隔操作装置20として専用装置を使用する場合には、これらダウンロードするプログラムやデータは予めROM28に格納しておくようにしてもよいし、ダウンロードにより取得するようにしてもよい。
次に、このように構成された遠隔操作システムにおける車両10の移動処理について説明する。
図4は、車両10と遠隔操作装置20との相対位置及と車両10の移動が規制される死角方向との関係について表したものである。
図4(a)に示されるように、操作者及び遠隔操作装置20が車両10の左側にいる場合、移動方向50a〜50hのうち、操作者にとって車両10により死角となる移動方向50a〜50eの方向が死角方向となる。
図4(b)に示されるように、操作者及び遠隔操作装置20が車両10の左後方にいる場合、移動方向50a〜50hのうち、移動方向50a〜50dの方向が死角方向となる。
同様に、図4(c)〜(e)に示されるように、操作者及び遠隔操作装置20が存在する位置に応じて、死角方向が決められている。
このように、死角方向は、車両の4側面(前面、左右側面、後面)のうち、操作者が確認できる面を確認可能面とした場合、確認可能面以外の面(死角面)の方向が死角方向となる。
すなわち、操作者が車両10の左側にいる場合には左側面、左後にいる場合には左側面と後面、後側にいる場合には後面、右後方にいる場合には右側面と後面、右側にいる場合には右側面、右前方にいる場合には右側面と前面、前方にいる場合には前面、がそれぞれ確認可能面である。
そして、車両の中心から見て、死角面の方向に移動する方向が死角方向である。
図5は、死角方向のうち、死角の程度が低い(確認しにくい程度が低い)低死角方向と、死角の程度が高い(確認しにくい程度が高い)高死角方向につて表したものである。
低死角方向は、図5(a)、(b)に示されるように、操作者と遠隔操作装置20とが、前方と後方にいる場合の、左方向と右方向の移動方向50c、50dが該当する。
死角方向のうち、低死角方向以外の死角方向が高死角方向となり、高死角方向に対する移動は禁止される。ただし、操作者は遠隔操作装置20を持って場所を移動することで、高死角方向も変更され、移動前の高死角方向への移動が可能である。
一方、低死角方向に対する移動は、操作者が左又は右に身体を傾けることで車両の左右方向の確認が可能な場所であるので、移動速度が低速となるように規制される。
すなわち、死角方向以外の移動可能方向(確認可能方向)への車両の移動速度をV1とした場合、低死角方向への移動速度V2は、移動速度V1の1/2とする。
なお、高死角方向への移動についても移動を禁止するのではなく、V2よりも更に低い速度V3、例えば、移動速度V1の1/4に規制して移動するようにしてもよい。
ここで、遠隔操作装置20により車両を移動する場合の移動速度V1について説明する。
本実施形態において移動速度V1は、例えば、駐車時における幅寄せを考慮して、秒速10cmに設定されている。
但し、移動速度V1は、ユーザが任意に設定出来るようにしてもよいが、この場合には最大速度として時速4kmの制限が設けられる。
また、本実施形態では、操作開始により移動速度V1、V2で移動するのではなく、操作開始から徐々に速度が上がり所定の移動速度V1、V2まで上昇するように制御される。
なお、V1、V2まで徐々に速度を上昇させるのではなく、1操作により予め決められた所定距離(例えば、10cm)づつ車両を移動させるようにしてもよく、また移動距離を遠隔操作装置20で入力しその距離だけ移動するようにしてもよい。
徐々に速度を上昇させる移動方法は、例えば、比較的長い距離を移動させる場合に便利であり、一方、距離の指定による移動は駐車等における狭い範囲での移動に便利である。
そこで、上昇モードと距離モードを設け、操作者が遠隔操作装置20で選択したモードに応じて移動するようにしてもよい。
この場合、距離モードが選択され、低死角方向へ移動する場合、1操作による移動距離を、死角方向以外の移動距離S1より小さい移動距離S2(例えば、S2=S1×1/2の距離)に規制するようにしてもよい。
図5は、車両遠隔操作処理の動作について表したフローチャートである。
操作者によって、車両10の遠隔操作制御を実行させる、遠隔操作装置20のアプリケーションが起動されると、遠隔操作機能がオン状態に移行する。
そして、遠隔操作装置20の遠隔操作機能がオン状態になると、特定の周波数の位置検知用信号が送受信部21から車両10に送信される(ステップ10)。
なお、本実施形態において、位置検知用信号は遠隔操作装置20の遠隔操作機能がオン状態にある間常時発信されるようになっているが、所定時間間隔ごとに送信するように構成してもよい。
車両10側では、遠隔操作装置20から送信される位置検知用信号をセンサ401〜404で検知し、この位置検知用信号の検知結果に基づいて、所定の遠隔操作装置20の位置検知処理を行う(ステップ21)。
すなわち、車両10のECU42は、車両10の左側面のセンサ401だけが位置検知用信号を受信した場合、遠隔操作装置20が当該車両10の左側面方向に位置すると判断し、操作画面選択信号「左側」を、位置検知用信号を受信したセンサ401から遠隔操作装置20へ送信する。
なお、ECU42は、シリアル通信信号処理部41を介して受信する位置検知用信号に付加されている受信箇所(センサ401〜404)の識別番号から、遠隔操作装置20の位置を判断する。
同様に、ECU42は、位置検知用信号をセンサ402で受信した場合には操作画面選択信号「後方」を、センサ403で受信した場合には操作画面選択信号「右側」を、センサ404で受信した場合には操作画面選択信号「前方」を、遠隔操作装置20に送信する。
また、ECU42は、位置検知用信号をセンサ402と402で受信した場合には「左後方」の、センサ402と403で受信した場合には「右後方」の、センサ403と404で受信した場合には「右前方」の、センサ404と401で受信した場合には「左前方」の操作画面選択信号をそれぞれ送信する。
操作画面選択信号の送信は、位置検知用信号を最も強く受信したセンサから送信する。
なお、3つ以上のセンサで位置検知用信号を受信した場合には、受信強度の高い2つのセンサの受信を有効とする。
遠隔操作装置20の位置検知処理(ステップ21)により車両10から操作画面選択信号がセンサ401〜404の送信機から送信されると、遠隔操作装置20は、送信された操作画面選択信号を送受信部21で受信する(ステップ11)。
次に、遠隔操作装置20のECU27は、受信した操作画面選択信号の種別(「左側」「左後方」「後方」「右後方」「右側」「右前方」「前方」「左前方」)に該当する車両画像データをROM28から読み出し、対応付けされた車両模式図(車両画像)をディスプレイ23に表示させる(ステップ12)。
ディスプレイ23には、図4に示した車両10と同様な方向の車両図が表示される。
即ち、ディスプレイ23における送受信部21の配置側(上側)に、位置検知用信号に反応したセンサ401の配置側の反対側の車体の部位が向くように車両画像が表示される。
このように、遠隔操作装置20のディスプレイ23には、操作者から見た実際の車両10の配置されている方向と一致する車両画像が表示される。
これにより、操作者は遠隔操作装置20の向き、又は自分の向きを基準として、車両の移動方向を指示すればよいことを容易に理解できる。
車両図をディスプレイ23に表示すると、遠隔操作装置20のECU27は、受信した操作画面選択信号の種別から、遠隔操作装置20と車両10との相対的位置関係を特定(検知)する(ステップ13)。
そして遠隔操作装置20のECU27は、特定した相対的位置関係から、図4、図5に示されるように、現在の操作者(遠隔操作装置20)位置に対する死角方向(高死角方向と低死角方向)を決定し、死角方向の操作を規制する(ステップ14)。
すなわち、ECU27は、高死角方向に対する操作を無効とすることで、車両10が高死角方向に移動することを禁止する。
なお、遠隔操作装置20のディスプレイ23に表示している車両図と重ねて、図5に示すように、移動可能方向(確認可能方向)、高死角方向、低死角方向の矢印をそれぞれ区別可能に表示するようにしてもよい。
この場合、低死角方向の矢印は図5に示されるように移動可能方向の矢印よりも短く(例えば、速度比に応じて1/2)表示する。
なお、高死角方向は車両の移動が禁止されるので、移動操作できないことを明示するために、高死角方向の矢印については非表示、又は薄く表示するようにしてもよい。
操作者がディスプレイ23に表示された車両図と移動方向矢印を確認しながら、操作部デバイス25から車両10の移動方向を指定すると、ECU27は、指定された移動操作を取得し(ステップ15)、操作方向を確認する(ステップ16)。
指定された操作方向が移動可能方向であればステップ19に移行する。
指定された操作方向が高死角方向である場合(ステップ16;高死角方向)、ECU27は、指定された操作をキャンセルして(ステップ17)、ステップ20に移行する。
なお、このキャンセルの際、操作者にキャンセルされたことを認知させるために、その旨の表示例えば、「指定操作方向への移動はできません」等のテキスト表示及び警告音出力の少なくとも一方を行う。
一方、指定された操作方向が低死角方向である場合(ステップ16;低死角方向)、ECU27は、その旨を確認する(ステップ18)。
その旨の確認として、ECU27は、低速V2で移動すること、及び、移動方向の目視による確認依頼を、音声及び画像表示の少なくとも一方で行う。
次にECU27は、ステップ15で取得した操作に対応した操作信号を車両10に送信する(ステップ19)。
操作信号を送信した後、ECU27は、電源のOFF処理が行われた否か、即ち、当該遠隔操作装置20の電源スイッチがOFFされたか否かを判断する(ステップ20)。
電源のOFF処理が行われた場合(ステップ20;Y)、遠隔操作装置20は処理を終了する。
電源のOFF処理が行われなければ(ステップ20;N)、ECU27は、引き続きステップ11からの一連の処理を繰り返す。
一方、遠隔操作装置20から操作信号(移動方向)が送信されると、車両10は、センサ401〜404を介してこの操作信号を受信する(ステップ22)。
次に、車両10のECU42は、車両遠隔操作処理プログラムに従って、ステップ21で検知した遠隔操作装置20の位置と、ステップ22で取得した移動方向を指示する操作信号の情報に基づいて車輪の操舵方向を決定する(ステップ23)。
ここでは、車両10と遠隔操作装置20の位置関係から、受信した操作信号が指示する操作者の所望する車両の移動方向、即ち車輪の操舵方向を決定(設定)する。
この操舵方向の設定は、例えば、ROM43に格納されている変換テーブルを用いて行う。変換テーブルを参照することにより、遠隔操作装置20の位置と操作信号が示す方向とから、指示された車両10の移動方向、即ち車輪の操舵方向を一義的に決定することができる。
例えば、遠隔操作装置20が車両10の左側に位置し、操作信号が「右方向」を指示している場合、操舵方向は、車両10を「後退」させる方向に決定される。
次に、ECU42は、決定した車両10の操舵方向に適した(対応した)実際の車両10の車輪の操舵制御を行う(ステップ24)。
この車輪の操舵制御は、決定された車両10の操舵方向を示す操舵信号を、ECU42からシリアルI/F44を介して車両信号処理部46に出力し、車両信号処理部46から4輪を制御する操舵機構へ制御信号を送信することにより実行される。
車輪の操舵制御が完了すると、ECU42は、移動方向が低死角方向であれば速度V2、移動可能方向であれば速度V1まで徐々に車速が上昇するように駆動力を出力し、車両を移動させる(ステップ25)。
即ち、ECU42は、車両10の移動方向に応じて駆動力に対応した駆動信号を、シリアルI/F44を介して車両信号処理部46に出力し、車両信号処理部46から車両10の駆動力を制御する車両制御用のECUに制御信号を供給することにより実行される。
車両制御用のECUは、供給された制御信号に基づいて、駆動輪の各ホイールモータに対して駆動力に応じた電流を供給し、指定された方向に車両が移動される。
車輪の駆動力制御による指定方向への車両10の移動が完了すると、車両10のECU42は、遠隔操作装置20の電源がOFF状態であるか否かを判断する(ステップ26)。
遠隔操作装置20の電源の投入状態(ON/OFF状態)は、遠隔操作装置20から送信される位置検知用信号の検知の有無に基づいて判断する。
即ち、ECU42は、センサ401〜404で遠隔操作装置20から送信される位置検知用信号を受信している場合には、遠隔操作装置20がON状態であると判断し、位置検知用信号を受信していない場合には、遠隔操作装置20がOFF状態であると判断する。
遠隔操作装置20の電源がOFF状態である判断された場合(ステップ26;Y)、ECU42は処理を終了する。
一方、遠隔操作装置20の電源がON状態であると判断された場合(ステップ26;N)、ECU42は、ステップ21からの一連の処理を繰り返す。
このようにステップ21に戻ることで、操作者と遠隔操作装置20が移動した場合には、遠隔操作装置20から送信される位置検知用信号を受信するセンサ401〜404が変わるため、車両10のECU42は、移動後の位置を認識し、移動後の位置に対応した処理が実行される。
なお、本実施形態では、遠隔操作装置20による車両10の遠隔操作操作が有効な状態であっても、無効な状態であっても、即ち、無条件で車両10の停止指示(停止操作)は、行うことができるように構成されている。
すなわち、本実施形態の遠隔操作装置20による車両10の遠隔操作は、車両10を移動させる場合には、遠隔操作許可条件を満たす場合に操作を有効にし、満たさない場合に遠隔操作が禁止されるが、操作中及び車両の移動中における停止指示については無条件で行うことが可能に構成されている。
以上、本発明の車両及び遠隔操作装置における1実施形態について説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲において各種の変形を行うことが可能である。
例えば、説明した実施形態では、遠隔操作装置20側で車両の移動を規制するようにしたが、相対位置に応じた移動の規制を車両10側で行うようにしてもよい。
この場合、遠隔操作装置20は、ステップ16〜18の処理は省略され、ステップ15で取得した移動操作に基づく操作信号が車両10に送信される(ステップ19)。
一方、車両10側のECU42では、ステップ21による位置検知用信号の検知結果から、又は遠隔操作装置20に送信した操作画面選択信号の種別から、遠隔操作装置20と車両10との相対的位置関係、及び移動可能方向、低死角方向、高死角方向を特定(検知)する。
そして、ECU42は、遠隔操作装置20から受信した操作信号で指示されている移動方向に応じて、移動可能方向であれば車速V1で、低死角方向であれば低車速V2で車両を移動させ、高死角方向であれば移動を禁止する(移動を行わない)。
なお、遠隔操作装置20においても、ECU27が相対的位置関係を特定し、ディスプレイ23に車両図と共に表示する移動方向矢印について、移動可能方向、低死角方向、高死角方向に対応した表示とするようにしてもよい。
また、説明した実施形態では、高死角方向への移動を禁止し、低死角方向への移動を低速V2となるように規制する場合について説明したが、高死角方向と低死角方向の区別なく、死角方向については全て移動禁止とし、又は低速走行とするようにしてもよい。
また説明した実施形態では、低死角方向への移動操作がされた場合に警告をするようにしたが、高死角方向への移動操作がされた場合にも警告するようにしてもよい。この場合の警告は、説明した実施形態や上記変形例の場合に応じて、低速になる旨、又は禁止されている旨の警告となる。
また、説明した実施形態では、ディスプレイ23と操作デバイス25をそれぞれ独立した装置によって構成した携帯電話を遠隔操作装置20として用いた場合について説明したが、ディスプレイ23と操作デバイス25を、入力機能と表示機能を兼備したタッチパネルやタッチスクリーンを用いて構成するようにしてもよい。
このように、ディスプレイ23と操作デバイス25を一体化した場合には、上述した車両画像を操作デバイス(方向キー)と重ね合わせて表示させることができる。
本実施形態の車両及び遠隔操作装置を用いた遠隔操作システムの概要構成を表した説明図である。 本実施形態の車両についての遠隔操作システム構成を表した説明図である。 本実施形態の遠隔操作装置についてのシステム構成を表した説明図である。 車両と遠隔操作装置との相対位置及び車両の移動が規制される死角方向との関係について表した説明図である。 死角方向のうち、低死角方向と、高死角方向についての説明図である。 車両遠隔操作処理の動作について表したフローチャートである。
符号の説明
10 車両
20 遠隔操作装置
21 送受信部
22 シリアル通信信号処理部
23 ディスプレイ
24 ディスプレイコントローラ
25 操作デバイス
26 操作デバイス信号処理部
27 ECU
28 ROM
29 バス
401〜404 センサ
41 シリアル通信信号処理部
42 ECU
43 ROM
44 シリアルI/F
45 バス
46 車両信号処理部

Claims (5)

  1. 遠隔操作により車両の移動を指示する遠隔操作装置であって、
    前記車両に対する自装置の相対位置を検知する相対位置検知手段と、
    前記検知した前記自装置の相対位置に応じて前記車両の移動を規制する規制手段と、
    を具備したことを特徴とする遠隔操作装置。
  2. 前記規制手段は、自装置から前記車両により死角となる方向への移動を禁止する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔操作装置。
  3. 前記規制手段は、自装置から前記車両により死角となる方向への移動速度又は移動距離を、他方向への移動速度又は移動距離よりも小さくする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の遠隔操作装置。
  4. 前記規制手段は、自装置から前記車両により死角となる方向への移動の場合に警告を行う、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の遠隔操作装置。
  5. 遠隔操作装置から送信される操作情報を受信する受信手段と、
    前記受信した操作情報に従って自車両を移動する移動手段と、
    自車両に対する操作者の相対位置を検知する相対位置検知手段と、
    前記検知した相対位置に応じて前記移動手段による自車両の移動を規制する規制手段と、
    を具備したことを特徴とする車両。
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