JP2007269153A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】タイヤ2は、トレッド4を備えている。トレッド4は、ベース層46とキャップ層48とからなる。ベース層46は、ゴム組成物が架橋されることで得られる。ベース層46には、短繊維50が分散している。短繊維50の配合量は、基材ゴム100質量部に対して0.5質量部以上50質量部以下である。この短繊維50は、半径方向に配向している。好ましい短繊維50は、紙繊維又はアラミド繊維である。ベース層46の厚みは、0.5mm以上8mm以下である。キャップ層48は、短繊維を含んでいない。ベース層46の赤道CLの近傍のみに、短繊維が配合されてもよい。
【選択図】図2
Description
0.05 < Y60/H ≦ 0.10 (1)
0.10 < Y75/H ≦ 0.2 (2)
0.2 < Y90/H ≦ 0.4 (3)
0.4 < Y100/H ≦ 0.7 (4)
この数式(1)から(4)において、Hはタイヤの高さを表す。この数式(1)から(4)において、Y60、Y75、Y90及びY100は、それぞれ点TCと点P60、点P75、点P90及び点P100との半径方向距離を表す。点P60、点P75、点P90及び点P100は、それぞれ点TCからの軸方向距離がタイヤ幅半分の60%、75%、90%及び100%であるプロファイル上の点を表す。
0.05 < Y60/H ≦ 0.10 (1)
0.10 < Y75/H ≦ 0.2 (2)
0.2 < Y90/H ≦ 0.4 (3)
0.4 < Y100/H ≦ 0.7 (4)
このCTTプロファイルは、タイヤ2の諸性能に寄与する。
[実施例1]
図1及び2に示された構造を備えたランフラットタイヤを得た。このタイヤのサイズは、「225/50R17」である。このタイヤのベース層の厚みは、2mmである。このベース層には、多数の紙繊維が分散している。紙繊維の配合量は、基材ゴム100質量部に対して10質量部である。この紙繊維の平均直径Dは、10μmであり、平均長さLは400μmであり、アスペクト比(L/D)は40である。この紙繊維は、半径方向に配向している。
ベース層の厚みを下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例4から7のタイヤを得た。
紙繊維の配合量を下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2から3及び8のタイヤを得た。
ベース層に短繊維を配合しなかった他は実施例1と同様にして、比較例のタイヤを得た。
紙繊維に代えてアラミド繊維を用いた他は実施例1と同様にして、実施例9のタイヤを得た。このアラミド繊維の平均直径Dは、10μmであり、平均長さLは400μmであり、アスペクト比(L/D)は40である。
ベース層の厚みを下記の表2に示される通りとした他は実施例9と同様にして、実施例12から15のタイヤを得た。
アラミド繊維の配合量を下記の表2に示される通りとした他は実施例9と同様にして、実施例9から11及び16のタイヤを得た。
タイヤを標準リムに組み込み、標準内圧となるようにタイヤに空気を充填した。そして、このタイヤの外径を測定した。さらに、このリムを、排気量が3.0リットルであり、前側エンジン後輪駆動の乗用車に装着した。この乗用車をサーキットで、100km走行させた。走行の初期と終了直前とにおいて、ドライバーに操縦安定性を指数で評価させた。また、走行後にタイヤの外径を測定し、外径変化量を算出した。これらの結果が、下記の表1及び表2に示されている。
[実施例17]
図3に示された構造を備えたランフラットタイヤを得た。このタイヤのサイズは、「225/50R17」である。このタイヤのベース層の厚みは、2mmである。このベース層には、多数の紙繊維が分散している。紙繊維の配合量は、基材ゴム100質量部に対して10質量部である。この紙繊維の平均直径Dは、10μmであり、平均長さLは400μmであり、アスペクト比(L/D)は40である。この紙繊維は、軸方向に配向している。
ベース層の厚みを下記の表3に示される通りとした他は実施例17と同様にして、実施例20から23のタイヤを得た。
紙繊維の配合量を下記の表3に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例18から19及び24のタイヤを得た。
紙繊維に代えてアラミド繊維を用いた他は実施例17と同様にして、実施例25のタイヤを得た。このアラミド繊維の平均直径Dは、10μmであり、平均長さLは400μmであり、アスペクト比(L/D)は40である。
ベース層の厚みを下記の表4に示される通りとした他は実施例25と同様にして、実施例28から31のタイヤを得た。
アラミド繊維の配合量を下記の表4に示される通りとした他は実施例25と同様にして、実施例16から27及び32のタイヤを得た。
タイヤを標準リムに組み込み、標準内圧となるようにタイヤに空気を充填した。このリムを、排気量が3.0リットルであり、前側エンジン後輪駆動の乗用車に装着した。この乗用車をサーキットで走行させ、ドライバーに乗り心地を指数で評価させた。さらに、このタイヤの内圧を常圧としてパンク状態を再現し、走行させて走行性を評価した。これらの結果が、下記の表3及び表4に示されている。
[実施例33]
図4に示された構造を備えたランフラットタイヤを得た。このタイヤのサイズは、「225/50R17」である。このタイヤのベース層の厚みは、2mmである。このベース層は、センター部とショルダー部とからなる。ベース層74の幅Wbに対するセンター部78の幅Wcの比率は、10%である。センター部には、多数の紙繊維が分散している。紙繊維の配合量は、基材ゴム100質量部に対して10質量部である。この紙繊維の平均直径Dは、10μmであり、平均長さLは400μmであり、アスペクト比(L/D)は10である。この紙繊維は、半径方向に配向している。ショルダー部は、短繊維を含んでいない。
ベース層74の幅Wbに対するセンター部78の幅Wcの比率を下記の表5に示される通りとした他は実施例33と同様にして、実施例34から39のタイヤを得た。
紙繊維に代えてアラミド繊維を用いた他は実施例33と同様にして、実施例40のタイヤを得た。このアラミド繊維の平均直径Dは、10μmであり、平均長さLは400μmであり、アスペクト比(L/D)は40である。
ベース層74の幅Wbに対するセンター部78の幅Wcの比率を下記の表6に示される通りとした他は実施例40と同様にして、実施例41から46のタイヤを得た。
タイヤを「17×7−JJ」のリムに組み込み、内圧が230kPaとなるようにタイヤに空気を充填した。そして、このタイヤの外径を測定した。さらに、このリムを、排気量が3.0リットルであり、前側エンジン後輪駆動の乗用車に装着した。この乗用車をサーキットで、100km走行させた。走行の初期と終了直前とにおいて、ドライバーに操縦安定性を指数で評価させた。また、走行後にタイヤの外径を測定し、外径変化量を算出した。さらに、走行距離が5000kmの段階でトレッドの表面を目視観察し、摩耗の状態を判定した。これらの結果が、下記の表5及び表6に示されている。
[実施例47]
図5に示された構造を備えたランフラットタイヤを得た。このタイヤのサイズは、「225/50R17」である。このタイヤのベース層の厚みは、2mmである。このベース層は、センター部とショルダー部とからなる。ベース層74の幅Wbに対するセンター部78の幅Wcの比率は、10%である。センター部及びショルダー部には、多数の紙繊維が分散している。紙繊維の配合量は、基材ゴム100質量部に対して10質量部である。この紙繊維の平均直径Dは、10μmであり、平均長さLは400μmであり、アスペクト比(L/D)は40である。センター部では、紙繊維は半径方向に配向している。ショルダー部では、紙繊維は軸方向に配向している。
ベース層74の幅Wbに対するセンター部78の幅Wcの比率を下記の表7に示される通りとした他は実施例47と同様にして、実施例48から53のタイヤを得た。
紙繊維に代えてアラミド繊維を用いた他は実施例47と同様にして、実施例54のタイヤを得た。このアラミド繊維の平均直径Dは、10μmであり、平均長さLは400μmであり、アスペクト比(L/D)は40である。
ベース層74の幅Wbに対するセンター部78の幅Wcの比率を下記の表8に示される通りとした他は実施例54と同様にして、実施例55から60のタイヤを得た。
タイヤを標準リムに組み込み、標準内圧となるようにタイヤに空気を充填した。そして、このタイヤの外径を測定した。さらに、このリムを、排気量が3.0リットルであり、前側エンジン後輪駆動の乗用車に装着した。この乗用車をサーキットで、100km走行させた。走行の初期と終了直前とにおいて、ドライバーに操縦安定性を指数で評価させた。また、走行後にタイヤの外径を測定し、外径変化量を算出した。さらに、このタイヤの内圧を常圧としてパンク状態を再現し、走行させて走行性を評価した。これらの結果が、下記の表7及び表8に示されている。
4、54、68、86・・・トレッド
6、56、70、88・・・ウイング
8、58、72、90・・・サイドウォール
10・・・クリンチ部
12・・・ビード
14・・・カーカス
16・・・荷重支持層
18・・・ベルト
20・・・インナーライナー
22・・・チェーファー
46、60、74、92・・・ベース層
48、62、76、94・・・キャップ層
50、64、82、100、102・・・短繊維
78、96・・・センター部
80、98・・・ショルダー部
Claims (11)
- その外面がトレッド面をなすトレッドと、
このトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、
このサイドウォールよりも半径方向略内側に位置する一対のビードと、
トレッド及びサイドウォールの内側に沿って両ビードの間に架け渡されたカーカスとを備えており、
このトレッドが、ベース層とこのベース層の半径方向外側に位置するキャップ層とを備えており、
このベース層の全部又は一部が、その平均長さLが10μm以上1000μm以下であり、その平均直径Dが0.05μm以上50μm以下であり、そのアスペクト比(L/D)が10以上である多数の短繊維を含む空気入りタイヤ。 - 上記ベース層が紙繊維を含む請求項1に記載のタイヤ。
- 上記サイドウォールの軸方向内側に位置する荷重支持層をさらに備えており、ランフラットタイプである請求項1又は2に記載のタイヤ。
- 赤道上の点TCから軸方向外側に向けてその曲率半径が徐々に減少するプロファイルを備えた請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ。
- 上記プロファイルが、下記数式(1)から(4)を満たす請求項4に記載のタイヤ。
0.05 < Y60/H ≦ 0.10 (1)
0.10 < Y75/H ≦ 0.2 (2)
0.2 < Y90/H ≦ 0.4 (3)
0.4 < Y100/H ≦ 0.7 (4)
(この数式(1)から(4)において、Hはタイヤの高さを表し、Y60、Y75、Y90及びY100は、それぞれ点TCと点P60、点P75、点P90及び点P100との半径方向距離を表す。点P60、点P75、点P90及び点P100は、それぞれ点TCからの軸方向距離がタイヤ幅半分の60%、75%、90%及び100%であるプロファイル上の点を表す。) - 上記ベース層がセンター部とこのセンター部の軸方向外側に位置する一対のショルダー部とを備えており、このセンター部が短繊維を含んでいる請求項1から5のいずれかに記載のタイヤ。
- 上記ベース層の幅に対するセンター部の幅の比率が25%以上75%以下である請求項6に記載のタイヤ。
- 上記短繊維が半径方向に配向している請求項1から7のいずれかに記載のタイヤ。
- 上記短繊維が軸方向に配向している請求項1から7のいずれかに記載のタイヤ。
- 上記ベース層がセンター部とこのセンター部の軸方向外側に位置する一対のショルダー部とを備えており、
このセンター部及びショルダー部が短繊維を含んでおり、
このセンター部において短繊維が半径方向に配向しており、
このショルダー部において短繊維が軸方向に配向している請求項1から5のいずれかに記載のタイヤ。 - 上記ベース層の幅に対するセンター部の幅の比率が25%以上75%以下である請求項10に記載のタイヤ。
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