JP2008149986A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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直明 岩崎
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Abstract

【課題】乗り心地を維持しつつ耐久性に優れる空気入りタイヤ2の提供。
【解決手段】このタイヤ2は、トレッド4と、一対のサイドウォール6と、一対のビード8と、トレッド4及びサイドウォール6の内側に沿って両ビード8の間に架け渡されておりラジアル構造を有するカーカス10と、このトレッド4とサイドウォール6との境界領域においてこのカーカス10に沿って配置される一対の補助プライ20とを備える。このカーカス10のカーカスプライ30、32は、このビード8で折り返される。この補助プライ20は、この折り返されたカーカスプライ30の半径方向略外側に位置している。この補助プライ20は、半径方向に延在する補助コードを備える。この補助コードがカーカスプライ30、32のカーカスコードに対してなす角度の絶対値は、0°以上5°未満である。
【選択図】図1

Description

本発明は、主として乗用車に装着される空気入りタイヤに関する。
舗装路には、センターライン等を強調するために、路面から突出する反射物が設けられる場合がある。この反射物は、キャッツアイと称される。
タイヤの、トレッドとサイドウォールとの境界領域はバットレスと称される。タイヤが、キャッツアイを乗り越すとき、このバットレスに応力が集中する。この応力集中は、タイヤの耐久性に影響を与える。
連続高速走行性能及び高負荷時の耐久性に優れる空気入りタイヤが、特開2005−199758公報に開示されている。このタイヤでは、バットレスが有機繊維コードを含んだコード補強層で補強されている。このコードが周方向に対してなす角度は、0°以上70°以下とされている。
特開2005−199758公報
高い性能を有する車両においては、車両の運動性能が重視されて、低い偏平率を有するタイヤが装着される事例が増えている。
低い偏平率を有するタイヤでは、そのタイヤ高さは低い。このタイヤがキャッツアイを乗り越えるとき、このタイヤは路面とリムのフランジとの間に挟まれて圧縮される。この圧縮により、タイヤは屈曲される。この屈曲は、このタイヤのバットレスに応力を集中させる。この応力集中は、カーカスプライの破断を招来する。このタイヤは、高い偏平率を有するタイヤに比べて耐久性に劣る。
前述のカーカスプライの破断の原因がカーカスプライに作用する剪断力であるという観点から、大きな厚みを有するゴムでカーカスプライが補強される場合がある。しかし、この場合においても、このカーカスプライの破断は充分に防止されない。
カーカスプライは、トレッド及びサイドウォールの内側に沿って両ビードに架け渡されている。このカーカスプライは通常、このビードで折り返される。耐久性の改善の観点から、このカーカスプライの端がバッドレスの近傍に配置されたタイヤがある。このタイヤは、耐久性に優れる。しかし、このタイヤは大きな縦剛性を有するので、乗り心地に劣る。
本発明の目的は、乗り心地を維持しつつ耐久性に優れる空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る乗車用空気入りタイヤは、その外面がトレッド面をなすトレッドと、このトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、このサイドウォールよりも半径方向略内側に位置する一対のビードと、トレッド及びサイドウォールの内側に沿って両ビードの間に架け渡されておりラジアル構造を有するカーカスと、このトレッドとサイドウォールとの境界領域においてこのカーカスに沿って配置される一対の補助プライとを備えている。このカーカスは、カーカスコードを有するカーカスプライを備えている。このカーカスプライは、このビードで折り返されている。この補助プライは、この折り返されたカーカスプライの半径方向略外側に位置している。この補助プライは、半径方向に延在する補助コードを備えている。この補助コードがこのカーカスコードに対してなす角度の絶対値は、0°以上5°未満である。
好ましくは、このタイヤでは、上記境界領域における外面の近似半径の、タイヤ最大幅における外面の近似半径に対する比は、10以上である。
好ましくは、このタイヤでは、上記補助プライは、上記カーカスプライの内側に位置している。
好ましくは、このタイヤでは、上記カーカスプライの端と、上記補助プライの、半径方向において内側に位置する一端との間の距離は、0mm以上10mm以下である。
好ましくは、このタイヤでは、上記トレッドの内側において、上記カーカスの半径方向外側に位置しており軸方向に延在するベルトをさらに備えている。このベルトの端と、上記補助プライの他端との間の距離は、0mm以上10mm以下である。
このタイヤでは、トレッドとサイドウォールとの境界領域(バットレス)において、補助プライがカーカスに沿って配置される。この補助プライは、略半径方向に延在する補助コードを備えている。この補助プライは、キャッツアイを乗り越す時にカーカスプライに作用する張力を低減させる。このタイヤでは、カーカスプライは破断しない。このタイヤは、耐久性に優れる。この補助プライの半径方向内側に位置する一端は、ビードで折り返されたカーカスプライの端の半径方向外側に位置している。このため、この補助プライが縦剛性に与える影響は小さい。従って、このカーカスプライの端がバットレスの近傍に配置されて耐久性が改善されたタイヤのように、このタイヤが大きな縦剛性を有することはない。このタイヤでは、乗り心地が維持されうる。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ2の一部が示された断面図である。図2は、図1のタイヤ2の一部が示された部分拡大断面図である。この図1及び図2において、上下方向が半径方向であり、左右方向が軸方向であり、紙面との垂直方向が周方向である。このタイヤ2は、図1中の一点鎖線CLを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線CLは、タイヤ2の赤道面を表す。このタイヤ2は、トレッド4、サイドウォール6、ビード8、カーカス10、ベルト12、バンド14、インナーライナー16、チェーファー18及び補助プライ20を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプである。このタイヤ2は、乗用車に装着される。なお、実線BBLは、ビードベースラインを表している。
トレッド4は、耐摩耗性に優れた架橋ゴムからなる。トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、トレッド面22を備えている。このトレッド面22は、路面と接地する。トレッド面22には、溝24が刻まれている。この溝24により、トレッドパターンが形成されている。トレッド4に溝24が刻まれなくてもよい。
サイドウォール6は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール6は、架橋ゴムからなる。サイドウォール6は、撓みによって路面からの衝撃を吸収する。さらにサイドウォール6は、カーカス10の外傷を防止する。
ビード8は、サイドウォール6よりも半径方向略内側に位置している。ビード8は、コア26と、このコア26から半径方向外向きに延びるエイペックス28とを備えている。コア26は、リング状である。コア26は、複数本の非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイヤー)を含む。エイペックス28は、半径方向外向きに先細りである。エイペックス28は、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス10は、第一のカーカスプライ30及び第二のカーカスプライ32からなる。第一のカーカスプライ30及び第二のカーカスプライ32は、両側のビード8の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール6の内側に沿っている。第一のカーカスプライ30及び第二のカーカスプライ32は、コア26の周りを、軸方向内側から外側に向かって折り返されている。このタイヤ2では、この第一のカーカスプライ30の端34は、半径方向において第二のカーカスプライ32の端36の外側に位置している。
図示されていないが、第一のカーカスプライ30及び第二のカーカスプライ32は、並列された多数のカーカスコードとトッピングゴムとからなる。各カーカスコードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、実質的に90°である。換言すれば、このカーカス10はラジアル構造を有する。カーカスコードは、通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
ベルト12は、トレッド4の内側においてカーカス10の半径方向外側に位置している。このベルト12は、軸方向に延在している。このベルト12は、カーカス10と積層されている。ベルト12は、カーカス10を補強する。ベルト12は、内側プライ38及び外側プライ40からなる。図示されていないが、内側プライ38及び外側プライ40のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。各コードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の絶対値は、10°以上35°以下である。内側プライ38のコードの傾斜方向は、外側プライ40のコードの傾斜方向とは逆である。内側プライ38と外側プライ40とは、いわゆるクロスプライ構造を構成する。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。
バンド14は、トレッド4の内側においてベルト12の半径方向外側に位置している。このバンド14は、軸方向に延在している。このバンド14は、ベルト12を覆っている。このバンド14は、ベルト12を拘束する。このバンド14は、フルバンド42と、このフルバンド42の半径方向内側に位置しており軸方向において離間して配置される一対のエッジバンド44とからなる。このフルバンド42は、コードとトッピングゴムとからなる。図示されていないが、このコードは螺旋状に巻かれている。このコードは、いわゆるジョイントレスである。このコードは、実質的に周方向に延びている。前述のようにコードは螺旋状に巻かれるので、厳密にはこのコードは周方向に対して若干傾斜している。コードと周方向とのなす角度の絶対値は、5°以下である。本発明では、周方向に対する角度の絶対値が5°以下である方向は、「実質的な周方向」とされる。このコードは、通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。エッジバンド44は、コードとトッピングゴムとからなる。このコードは、螺旋状に巻かれている。このコードは、いわゆるジョイントレスである。このコードも、フルバンド42のコードと同様、実質的に周方向に延びている。このコードは、通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
インナーライナー16は、カーカス10の内周面に接合されている。インナーライナー16は、架橋ゴムからなる。インナーライナー16には、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられている。インナーライナー16は、タイヤ2の内圧を保持する役割を果たす。
チェーファー18は、ビード8の近傍に位置している。タイヤ2がリムに組み込まれると、このチェーファー18がリムと当接する。この当接により、ビード8の近傍が保護される。チェーファー18は、通常は布とこの布に含浸したゴムとからなる。ゴム単体からなるチェーファー18が用いられてもよい。
図1において、BRで示される領域は、トレッド4とサイドウォール6との境界領域である。この境界領域は、バットレスと称される。このタイヤ2では、補助プライ20はこのバットレスにおいてカーカス10に沿って配置されている。図示されているように、この補助プライ20は、カーカス10の内側に位置している。
このタイヤ2では、補助プライ20は並列された多数の補助コードとトッピングゴムとからなる。各補助コードは、このタイヤ2を軸方向に側面視した状態において、半径方向に延在している。この補助コードがカーカス10のカーカスコードに対してなす角度の絶対値は、0°以上5°未満である。このタイヤ2では、この補助コードは通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
舗装路にセンターライン等を強調するために設けられているキャッツアイを、このタイヤ2が乗り越えるとき、このキャッツアイと路面との間に挟まれて、このタイヤ2は屈曲する。この屈曲により、このタイヤ2のバットレスに応力が集中する。発明者は、キャッツアイを乗り越しているタイヤの状態を有限要素法を用いてシュミレーションした。このシュミレーションの結果、この屈曲によりタイヤに生じる応力は、カーカスプライを半径方向に引き延ばすように作用していることが確認された。この知見は、タイヤがキャッツアイを乗り越すとき、このバットレスにあるカーカスプライには大きな張力が作用していることを示唆している。前述したように、このタイヤ2では、このバットレスに補助プライ20が設けられている。この補助プライ20の補助コードは、半径方向に延在している。このタイヤ2では、この補助プライ20がカーカスプライ30、32に作用する張力の低減に寄与しうる。このため、このタイヤ2がキャッツアイを乗り越しても、カーカスプライ30、32が破断することはない。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
図示されているように、このタイヤ2では、補助プライ20の半径方向内側に位置する一端46は、半径方向において第一のカーカスプライ30の端34の外側に位置している。この補助プライ20は、折り返された第一のカーカスプライ30とは重なり合ってはいない。この補助プライ20の半径方向外側に位置する他端48は、半径方向において内側プライ38の端50の内側に位置している。この補助プライ20は、内側プライ38とも重なり合ってはいない。このタイヤ2では、この補助プライ20がタイヤ2の縦剛性に与える影響は小さい。従って、折り返されたカーカスプライの端がバットレスの近傍に配置されて耐久性が改善されたタイヤのように、このタイヤ2が大きな縦剛性を有することはない。このタイヤ2では、乗り心地が維持されうる。
このタイヤ2には、サイドウォール6の外面にリムプロテクター52がさらに設けられている。図1において、二点鎖線L1はこのサイドウォール6の外面を表している。点P1は、タイヤ2の幅が最大となる点を表している。この明細書では、タイヤ最大幅にリムプロテクター52の軸方向幅は考慮されない。両矢印線H1は、タイヤ高さを表している。点P2は、この外面上にあり、点P1からこの点P2までの半径方向の距離がタイヤ高さH1の1/10に相当する位置を表している。この点P2は、半径方向において点P1の外側に位置している。点P3は、この外面上にあり、点P1からこの点P3までの半径方向の距離がタイヤ高さH1の1/10に相当する位置を表している。この点P3は、半径方向において点P1の内側に位置している。この点P1、点P2及び点P3は、図2においても示されている。
図2において、実線L2は内側プライ38の端50を通りタイヤ外面と垂直に交わる直線を表している。換言すれば、この実線L2は、ベルト12の端50を通る直線である。点P4は、この直線L2とタイヤ外面との交点である。点P5は、点P4から半径方向内向きに、周長として5mm離れた位置を表している。点P6は、この点P5からさらに半径方向内向きに、周長として18mm離れた位置を表している。本明細書では、このタイヤ2の、この点P5から点P6に至る領域は、バットレスに相当する。
図2において、二点鎖線で示された円弧CAは、点P5から点P6までの外面の断面形状を表している。二点鎖線で示された円弧CBは、点P2から点P3までの外面の断面形状を表している。このタイヤ2では、図1で示された二点鎖線L1は、この円弧CBと一致する。矢印線Ruは、この円弧CAの半径を表している。この半径Ruは、バットレスにおける外面の近似半径である。矢印線Rwは、この円弧CBの半径を表している。この半径Rwは、タイヤ最大幅における外面の近似半径である。
このタイヤ2では、近似半径Ruの、近似半径Rwに対する比は10以上であるのが好ましい。この比が10以上に設定されることにより、このバットレスの外面は平面状を呈する。このため、このタイヤ2がキャッツアイを乗り越すとき、このバットレスにあるカーカスプライ30、32に作用する張力は低い。このタイヤ2では、カーカスプライ30、32の破断が抑えられる。このタイヤ2は、耐久性に優れる。カーカスプライ30、32の破断防止の観点から、この外面は限りなく平面に近い状態とされるのが好ましい。従って、この比の上限値は、規定されない。
バットレスにおける外面が外向きに凸な形状を呈するタイヤでは、キャッツアイを乗り越すとき、このバットレスの内面側は引き延ばされる。この場合においても、このバットレスにあるカーカスプライには大きな張力が作用する。一方、本発明のタイヤ2では、後述するように、このバットレスにおける外面は略平面状とされる。このため、このタイヤ2がキャッツアイを乗り越すとき、このバットレスにあるカーカスプライ30、32に作用する張力は低減される。このタイヤ2では、カーカスプライ30、32の破断が抑えられる。このタイヤ2は、耐久性に優れる。
図2において、両矢印線DAは第一のカーカスプライ30の端34と補助プライ20の一端46との間の距離を表している。両矢印線DBは、内側プライ38の端50と補助プライ20の他端48との間の距離を表している。
このタイヤ2では、距離DAは0mm以上10mm以下であるのが好ましい。この距離が0mm以上に設定されることにより、このタイヤ2の剛性過大が防止されうる。この補助プライ20がタイヤ2の縦剛性に与える影響は、小さい。このタイヤ2では、縦剛性が維持されうるので、乗り心地が損なわれることはない。この観点から、この距離は3mm以上がより好ましく、5mm以上が特に好ましい。この距離が10mm以下に設定されることにより、この補助プライ20がカーカスプライ30、32の破断を効果的に防止しうる。この観点から、この距離は8mm以下がより好ましく、6mm以下が特に好ましい。
このタイヤ2では、距離DBは0mm以上10mm以下であるのが好ましい。この距離が0mm以上に設定されることにより、このタイヤ2の剛性過大が防止されうる。この補助プライ20がタイヤ2の縦剛性に与える影響は、小さい。このタイヤ2では、縦剛性が維持されうるので、乗り心地が損なわれることはない。この観点から、この距離は3mm以上がより好ましく、5mm以上が特に好ましい。この距離が10mm以下に設定されることにより、この補助プライ20がカーカスプライ30、32の破断を効果的に防止しうる。この観点から、この距離は8mm以下がより好ましく、6mm以下が特に好ましい。
このタイヤ2では、補助プライ20の補助コードがカーカスプライ10のカーカスコードに対してなす角度の絶対値は、0°以上5°未満である。この角度の絶対値が0°以上に設定されることにより、この補助コードのカーカス10へのめり込みが防止されうる。この観点から、この角度の絶対値は1°以上がより好ましい。この角度の絶対値が5°未満に設定されることにより、この補助プライ20がカーカスプライ30、32の破断を効果的に防止しうる。この観点から、この角度の絶対値は、3°以下がより好ましい。
本発明では、タイヤ2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。便宜上、乗用車用タイヤ2の内圧は180kPaに設定される。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
図1に示された基本構成を備え、表2に示された仕様の乗用車用空気入りタイヤを得た。このタイヤのサイズは、225/40R18である。カーカスには、2枚のカーカスプライが用いられている。これらのカーカスプライは、ビードで折り返されている。折り返された第一のカーカスプライの端は、半径方向においてバットレスの略内側に位置している。このカーカスの構成は、表2においてHTUとして表されている。このカーカスプライに用いられているカーカスコードは、ポリエステル繊維からなる。補助プライは、カーカスの内側に位置している。この補助プライの補助コードは、ポリエステル繊維からなる。この補助コードがカーカスプライのカーカスコードに対してなす角度の絶対値は、0°(degree)である。バットレスにおける外面の近似半径Ruの、タイヤ最大幅における外面の近似半径Rwに対する比Ru/Rwは、10.6である。この補助プライの一端と第一のカーカスプライの端との間の距離DAは、5mmである。この補助プライの他端と内側ベルトプライの端との間の距離DBは、5mmである。
[比較例5]
補助プライを設けなかった他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[比較例6並びに実施例8及び9]
補助プライの補助コードの角度を下記表2の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[実施例10]
距離DA及び距離DBを下記表2の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[実施例6]
比Ru/Rwを下記表2の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[実施例7]
比Ru/Rw及び補助プライの補助コードの角度を下記表2の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[実施例4]
補助プライの位置及び比Ru/Rwを下記表1の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[実施例2、3及び5]
補助プライの位置、比Ru/Rw、距離DA及び距離DBを下記表1の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。なお、実施例2では、補助プライの一端が第一のカーカスプライの端と付き合わされており、補助プライの他端の側が内側プライと重なり合っている。
[比較例3及び4]
補助プライをカーカスの外側に配置して、その一端を折り返された第一のカーカスプライと重ね合わせて、その他端を内側ベルトプライと重ね合わせて、カーカスプライの枚数、補助プライの補助コードの角度及び比Ru/Rwを下記表1の通りとした他は実施例1と同様にして、タイヤを得た。
[比較例1]
市販されている従来のタイヤである。このタイヤには、補助プライは設けられていない。このタイヤは、2枚のカーカスプライからなるカーカスが設けられている。これらのカーカスプライは、ビードで折り返されている。折り返された第一のカーカスプライの端は、半径方向においてバットレスの略内側に位置している。
[比較例2]
市販されている従来のタイヤである。このタイヤには、補助プライは設けられていない。このタイヤは、2枚のカーカスプライからなるカーカスが設けられている。これらのカーカスプライは、ビードで折り返されている。折り返された第一のカーカスプライは、内側プライと重なり合っている。このタイヤの構成は、表1においてUHTUとして表されている。
[実車評価]
試作タイヤを、国産の、前側エンジン後輪駆動の乗用車に装着した。タイヤの内圧を220kPaとした。この乗用車で、センターラインにキャッツアイが設けられたアスファルト製路面の上で、走行テストを行った。4km/hステップで走行速度を上げながら、このセンターライン上を走行し、カーカスプライの破断が発生した速度を計測した。この結果が、比較例1を100とした指数値で表されている。この値が高いほど、良好であることが示される。この走行テストに併せて、ドライバーが10点を満点とした乗り心地に関する官能評価を行った。この数値が高いほど、良好であることが示される。この結果が、下記の表1及び表2に示されている。
[静的評価]
タイヤ静的評価試験装置に試作タイヤが装着された。この試験装置により、試作タイヤの縦バネ定数が計測された。この結果が、比較例1を100とした指数値で表されている。この数値が大きいほど、計測値が大きいことを表している。この結果が、下記表1及び表2に示されている。
Figure 2008149986
Figure 2008149986
表1に示されるように、実施例のタイヤは、乗り心地を損なうことなく、耐久性に優れる。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るタイヤは、種々の車両に装着されうる。
図1は、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの一部が示された部分拡大断面図である。
符号の説明
2・・・タイヤ
4・・・トレッド
6・・・サイドウォール
8・・・ビード
10・・・カーカス
12・・・ベルト
14・・・バンド
16・・・インナーライナー
18・・・チェーファー
20・・・補助プライ
22・・・トレッド面
24・・・溝
26・・・コア
28・・・エイペックス
30・・・第一のカーカスプライ
32・・・第二のカーカスプライ
34、36、50・・・端
38・・・内側プライ
40・・・外側プライ
42・・・フルバンド
44・・・エッジバンド
46・・・一端
48・・・他端
52・・・リムプロテクター

Claims (5)

  1. その外面がトレッド面をなすトレッドと、このトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、このサイドウォールよりも半径方向略内側に位置する一対のビードと、トレッド及びサイドウォールの内側に沿って両ビードの間に架け渡されておりラジアル構造を有するカーカスと、このトレッドとサイドウォールとの境界領域においてこのカーカスに沿って配置される一対の補助プライとを備えており、
    このカーカスが、カーカスコードを有するカーカスプライを備えており、
    このカーカスプライが、このビードで折り返されており、
    この補助プライが、この折り返されたカーカスプライの半径方向略外側に位置しており、
    この補助プライが、半径方向に延在する補助コードを備えており、
    この補助コードがこのカーカスコードに対してなす角度の絶対値が、0°以上5°未満である乗用車用空気入りタイヤ。
  2. 上記境界領域における外面の近似半径の、タイヤ最大幅における外面の近似半径に対する比が、10以上である請求項1に記載のタイヤ。
  3. 上記補助プライが、上記カーカスプライの内側に位置している請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 上記カーカスプライの端と、上記補助プライの、半径方向において内側に位置する一端との間の距離が、0mm以上10mm以下である請求項1から3のいずれかに記載のタイヤ。
  5. 上記トレッドの内側において、上記カーカスの半径方向外側に位置しており軸方向に延在するベルトをさらに備えており、
    このベルトの端と、上記補助プライの他端との間の距離が、0mm以上10mm以下である請求項1から4のいずれかに記載のタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8445595B2 (en) 2007-08-24 2013-05-21 Total Petrochemicals Research Feluy Polypropylene prepared with a single-site catalyst and poly(hydroxyl carboxylic acid) blends
KR20150035504A (ko) 2012-06-29 2015-04-06 미쓰비시 쥬시 가부시끼가이샤 적층 다공 필름, 비수 전해액 이차 전지용 세퍼레이터, 및 비수 전해액 이차 전지
US9343719B2 (en) 2011-09-22 2016-05-17 Mitsubishi Plastics, Inc. Method for producing laminated porous film, and laminated porous film

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