JP5254409B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。詳細には、本発明は、タイヤのトレッドの改良に関する。
タイヤにとって、操縦安定性と乗り心地とは、重要な性能である。特開2001−347809公報には、トレッドがベース層とキャップ層とからなるタイヤが開示されている。このベース層は、半径方向に配向した短繊維を備えている。この短繊維は、操縦安定性を高める。この短繊維は、乗り心地を阻害しない。
タイヤの性能は、プロファイル(凹凸模様がないと仮定されたときのトレッド面の形状)にも依存する。タイヤのコンセプトに応じ、適正なプロファイルが決定される必要がある。特開平8−337101号公報には、インボリュート関数が用いられたトレッドプロファイルの決定方法が開示されている。この方法によって決定されたプロファイルでは、赤道からトレッド端に向かい、トレッド面の曲率半径が徐々に減少する。このプロファイルは、CTTプロファイルと称されている。CTTプロファイルの採用により、タイヤの諸性能が高められうる。
ところで近年、サイドウォールの内側に荷重支持層を備えたランフラットタイヤが開発され、普及しつつある。このランフラットタイヤは、サイド補強型ランフラットタイヤと称されている。サイド補強型ランフラットタイヤでは、パンクによって内圧が低下すると、荷重支持層によって車重が支えられる。このランフラットタイヤでは、パンクした状態でも、ある程度の距離の走行が可能である。このランフラットタイヤが装着された自動車には、スペアタイヤの常備は不要である。このランフラットタイヤの採用により、不便な場所でのタイヤ交換が避けられうる。CTTプロファイルを備えたサイド補強型ランフラットタイヤが、特開2001−80320公報に開示されている。
特開2001−347809公報 特開平8−337101号公報 特開2001−80320公報
一般的なタイヤでは、走行時にトレッド及びサイドウォールが撓む。ところがサイド補強型ランフラットタイヤの場合、荷重支持層の影響で、サイドウォールの撓みが抑制される。このランフラットタイヤでは、主としてトレッドが撓む。サイド補強型ランフラットタイヤのトレッドの撓み量は、一般的なタイヤのそれと比べて大きい。トレッドの過大な撓みは、操縦安定性及び耐摩耗性を阻害する。
一般的なタイヤでは、走行によって徐々に寸法が成長する。寸法の成長は、トレッドでもサイドウォールでも生じる。換言すれば、成長は半径方向においても軸方向においても生じる。軸方向の成長に比べて半径方向の成長が大きい場合、プロファイルが歪む。前述の通り、プロファイルはタイヤの諸性能に大きく影響する。プロファイルの歪みは、諸性能に悪影響を及ぼす。
サイド補強型ランフラットタイヤの場合、荷重支持層の影響で、軸方向における成長が抑制される。このランフラットタイヤでは、主として半径方向における成長が生じる。偏った成長の影響で、このランフラットタイヤでは、トレッドのプロファイルが大きく歪む。サイド補強型ランフラットタイヤでは、使用初期の諸性能が維持されにくい。特に、CTTプロファイルが採用されたタイヤにおいてプロファイルが歪むと、意図された性能が発揮されない。
パンクした状態でランフラットタイヤが用いられると、トレッドの中央部が路面から浮き上がる。浮き上がりが大きい場合、接地面積が不足する。厚いトレッドが設けられる、トレッドに硬いゴムが用いられる、強度の高いカーカスコードが用いられる、強度の高いベルトコードが用いられる等の手法により、浮き上がりが抑制されうる。しかし、これらの手法が施されたランフラットタイヤでは、通常の走行時の縦剛性が大きい。大きな縦剛性は、乗り心地を阻害する。
本発明の目的は、荷重が負荷されたときの撓みが適正であり、かつ偏った成長が生じにくい空気入りタイヤの提供にある。本発明の他の目的は、通常走行時の乗り心地がよく、かつパンク時にトレッドの浮き上がりが生じにくい空気入りタイヤの提供にある。
本発明に係る空気入りタイヤは、その外面がトレッド面をなすトレッドと、このトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、このサイドウォールよりも半径方向略内側に位置する一対のビードと、トレッド及びサイドウォールの内側に沿って両ビードの間に架け渡されたカーカスとを備える。このトレッドは、ベース層とこのベース層の半径方向外側に位置するキャップ層とを備える。このベース層の全部又は一部は、その平均長さLが10μm以上1000μm以下であり、その平均直径Dが0.05μm以上50μm以下であり、そのアスペクト比(L/D)が10以上であり、原料紙を叩解によって解繊することにより得られる多数の紙繊維を含む。
紙繊維を含んだベース層は、サイド補強型ランフラットタイヤにおいて、優れた効果を発揮する。サイド補強型ランフラットタイヤは、サイドウォールの軸方向内側に位置する荷重支持層を備える。
紙繊維を含んだベース層は、赤道上の点TCから軸方向外側に向けてその曲率半径が徐々に減少するプロファイルを備えたタイヤにおいて、優れた効果を発揮する。特に、下記数式(1)から(4)を満たすタイヤにおいて、このベース層は優れた効果を発揮する。
0.05 < Y60/H ≦ 0.10 (1)
0.10 < Y75/H ≦ 0.2 (2)
0.2 < Y90/H ≦ 0.4 (3)
0.4 < Y100/H ≦ 0.7 (4)
この数式(1)から(4)において、Hはタイヤの高さを表す。この数式(1)から(4)において、Y60、Y75、Y90及びY100は、それぞれ点TCと点P60、点P75、点P90及び点P100との半径方向距離を表す。点P60、点P75、点P90及び点P100は、それぞれ点TCからの軸方向距離がタイヤ幅半分の60%、75%、90%及び100%であるプロファイル上の点を表す。
好ましくは、ベース層は、センター部とこのセンター部の軸方向外側に位置する一対のショルダー部とを備える。このセンター部が、紙繊維を含む。好ましくは、ベース層の幅に対するセンター部の幅の比率は、25%以上75%以下である。好ましくは、紙繊維は、半径方向に配向している。紙繊維が軸方向に配向してもよい。
半径方向に配向した紙繊維をセンター部が含み、軸方向に配向した紙繊維をショルダー部が含んでもよい。好ましくは、ベース層の幅に対するセンター部の幅の比率は、25%以上75%以下である。
本発明に係るタイヤでは、ベース層の紙繊維がトレッドの撓み及び成長を抑制する。この紙繊維が軸方向に配向する場合は、パンク状態の走行においてトレッドの浮き上がりが抑制される。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤの一部が示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの一部が示された断面図である。 図3は、本発明の他の実施形態に係るタイヤの一部が示された断面図である。 図4は、本発明のさらに他の実施形態に係るタイヤの一部が示された断面図である。 図5は、本発明のさらに他の実施形態に係るタイヤの一部が示された断面図である。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ2の一部が示された断面図である。この図1において、上下方向がタイヤ2の半径方向であり、左右方向がタイヤ2の軸方向である。このタイヤ2は、図1中の一点鎖線CLを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する。この一点鎖線CLは、タイヤ2の赤道を表す。この図1において、両矢印Hで示されているのはベースラインBLからのタイヤ2の高さであり、両矢印W/2で示されているのはタイヤ2の幅Wの半分である。幅Wは、クリンチ部を除いて最も外側にある点P100が基準とされて決定される。
このタイヤ2は、トレッド4、ウイング6、サイドウォール8、クリンチ部10、ビード12、カーカス14、荷重支持層16、ベルト18、インナーライナー20及びチェーファー22を備えている。このタイヤ2は、チューブレスタイプの空気入りタイヤである。
トレッド4は架橋ゴムからなり、半径方向外向きに凸な形状を呈している。トレッド4は、路面と接地するトレッド面24を形成する。トレッド面24には、溝26が刻まれている。この溝26により、トレッドパターンが形成されている。
サイドウォール8は、トレッド4の端から半径方向略内向きに延びている。このサイドウォール8は、架橋ゴムからなる。サイドウォール8は、カーカス14の外傷を防止する。
ビード12は、サイドウォール8の半径方向内側に位置している。ビード12は、コア28と、このコア28から半径方向外向きに延びるエイペックス30とを備えている。コア28はリング状であり、複数本の非伸縮性ワイヤー(典型的にはスチール製ワイヤー)を含む。エイペックス30は、半径方向外向きに先細りであるテーパ状であり、高硬度な架橋ゴムからなる。
カーカス14は、カーカスプライ32からなる。カーカスプライ32は、両側のビード12の間に架け渡されており、トレッド4及びサイドウォール8の内側に沿っている。カーカスプライ32は、コア28の周りを、軸方向内側から外側に向かって巻かれている。カーカスプライ32の端34は、トレッド4の近傍にまで至っている。このカーカス14は、ハイターンアップ構造と称される。図示されていないが、カーカスプライ32は、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。コードが赤道面に対してなす角度の絶対値は、通常は75°から90°である。換言すれば、このタイヤ2はラジアルタイヤである。カーカス14のコードは、通常は有機繊維からなる。好ましい有機繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリエチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維が例示される。
荷重支持層16は、サイドウォール8の軸方向内側に位置している。荷重支持層16は、カーカス14とインナーライナー20とに挟まれてる。荷重支持層16は、三日月に類似の形状である。荷重支持層16の下端36は、エイペックス30の上端38よりも、半径方向において内側に位置している。換言すれば、荷重支持層16はエイペックス30とオーバーラップしている。荷重支持層16の上端40の近傍は、ベルト18とオーバーラップしている。荷重支持層16は、高硬度な架橋ゴムからなる。パンクによってタイヤ2の内圧が低下した場合、この荷重支持層16が車重を支える。この荷重支持層16により、内圧が低い場合でも、タイヤ2はある程度の距離を走行しうる。このタイヤ2は、ランフラットタイヤ2である。このランフラットタイヤ2は、サイド補強型である。タイヤ2が、図1に示された形状とは異なる形状を備えた荷重支持層を備えてもよい。
ベルト18は、カーカス14の半径方向外側に位置している。ベルト18は、カーカス14と積層されている。ベルト18は、カーカス14を補強する。ベルト18は、内側ベルトプライ42及び外側ベルトプライ44からなる。図1から明らかなように、内側ベルトプライ42の軸方向幅は、外側ベルトプライ44のそれよりも若干大きい。図示されていないが、内側ベルトプライ42及び外側ベルトプライ44のそれぞれは、並列された多数のコードとトッピングゴムとからなる。コードは、赤道面に対して傾斜している。傾斜角度の絶対値は、通常は10°以上35°以下である。内側ベルトプライ42のコードの赤道面に対する方向は、外側ベルトプライ44のコードの赤道面に対する方向とは逆である。コードの好ましい材質は、スチールである。コードに、有機繊維が用いられてもよい。ベルト18が、3枚以上のベルトプライを備えてもよい。
インナーライナー20は、タイヤ2の内周面を形成する。インナーライナー20は、架橋ゴムからなる。インナーライナー20には、空気透過性の少ないゴムが用いられている。インナーライナー20は、タイヤ2の内圧を保持する役割を果たす。
チェーファー22は、ビード12の近傍に位置している。タイヤ2がリムに組み込まれると、このチェーファー22がリムと当接する。この当接により、ビード12の近傍が保護される。チェーファー22は、通常は布とこの布に含浸したゴムとからなる。ゴム単体からなるチェーファー22が用いられてもよい。
図2は、図1のタイヤ2の一部が示された断面図である。この図2には、トレッド4、ウイング6及びサイドウォール8が示されている。トレッド4からウイング6を経てサイドウォール8に至る面の形状は、プロファイルと称される。図2において符号TCで示されているのは、プロファイルと赤道CLとの交点である。点P100は、前述の通り、最も外側にある点である。プロファイルは点TCから点P100に至っている。
このタイヤ2は、CTTプロファイルを有している。CTTプロファイルでは、点TCから点P100の間において、その曲率半径が徐々に減少する。CTTプロファイルは、典型的には、インボリュート曲線に基づいて決定される。インボリュート曲線に近似された多数の円弧から、CTTプロファイルが構成されてもよい。他の関数曲線に依拠して、CTTプロファイルが決定されてもよい。
図2において、点P60は点TCからの軸方向距離がタイヤ2の幅の半分(W/2)の60%であるプロファイル上の点を表し、点P75は点TCからの軸方向距離がタイヤ2の幅の半分(W/2)の75%であるプロファイル上の点を表し、点P90は点TCからの軸方向距離がタイヤ2の幅の半分(W/2)の90%であるプロファイル上の点を表す。図2において、Y60は点TCと点P60との半径方向距離を表し、Y75は点TCと点P75との半径方向距離を表し、Y90は点TCと点P90との半径方向距離を表し、Y100は点TCと点P100との半径方向距離を表す。このCTTプロファイルは、下記数式(1)から(4)を満たす。
0.05 < Y60/H ≦ 0.10 (1)
0.10 < Y75/H ≦ 0.2 (2)
0.2 < Y90/H ≦ 0.4 (3)
0.4 < Y100/H ≦ 0.7 (4)
このCTTプロファイルは、タイヤ2の諸性能に寄与する。
図2に示されるように、トレッド4はベース層46とキャップ層48とからなる。ベース層46は、ゴム組成物が架橋されることで得られる。このゴム組成物は、多数の短繊維50を含んでいる。ベース層46には、この短繊維50が分散している。短繊維50の平均直径Dは、0.05μm以上50μm以下が好ましい。短繊維50の平均長さLは、10μm以上1000μm以下が好ましい。短繊維50のアスペクト比(L/D)は、10以上300以下が好ましい。
キャップ層48は、ベース層46の半径方向外側に位置している。キャップ層48は、ゴム組成物が架橋されることで得られる。キャップ層48は、短繊維50を含んでいない。キャップ層48は、路面と接触する。キャップ層48には、グリップ性能及び耐摩耗性能に優れたゴムが用いられる。
従来のランフラットタイヤでは、荷重支持層の影響により、サイドウォールの剛性に比べたトレッドの相対的剛性が不十分である。本発明に係るランフラットタイヤ2では、短繊維50を含むベース層46がトレッド4の剛性を高める。このタイヤ2では、荷重支持層16があるにもかかわらず、トレッド4の過大な撓みが抑制される。このタイヤ2では、適正な接地形状が得られる。適正な接地形状は、操縦安定性に寄与する。適正な接地形状はまた、偏摩耗を抑制する。従来のランフラットタイヤでは、撓みの抑制の目的で、バンドが設けられている。本発明に係るタイヤ2では、バンドは不要である。バンドを備えていないタイヤ2は、軽量である。このタイヤ2がバンドを備えてもよい。
従来のランフラットタイヤでは、荷重支持層16によって軸方向における成長が抑制されるので、プロファイルが永久的に歪む。本発明に係るタイヤ2では、短繊維50を含むベース層46が半径方向における成長を抑制するので、プロファイルの歪みが抑制される。このタイヤ2では、長期間の使用によっても、CTTプロファイルが大幅には歪まない。このタイヤ2では、使用初期の諸性能が維持される。従来のランフラットタイヤでは、プロファイルの歪みの抑制の目的で、バンドが設けられている。本発明に係るタイヤ2では、バンドは不要である。バンドを備えていないタイヤ2は、軽量である。このタイヤ2がバンドを備えてもよい。
短繊維50の配合量は、基材ゴム100質量部に対して0.5質量部以上50質量部以下である。配合量が0.5質量部以上に設定されることにより、トレッド4の撓み及びプロファイルの永久歪みが抑制される。この観点から、配合量は3質量部以上がより好ましい。配合量が50質量部以下に設定されることにより、ゴム組成物の良好な混練性が達成される。この観点から、配合量は20質量部以下がより好ましい。
ベース層46には、有機繊維及び無機繊維が用いられうる。有機繊維の具体例としては、アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維及びレーヨン繊維が挙げられる。無機繊維の具体例としては、ガラス繊維、カーボン繊維及びボロン繊維が挙げられる。プロファイルの歪み抑制の観点から、アラミド繊維が好ましい。
ベース層46に紙繊維が用いられてもよい。紙繊維は安価なので、この紙繊維はタイヤ2の低コストに寄与する。紙繊維の製作では、原料紙が裁断又は粉砕される。この原料紙が、さらに叩解によって解繊され、紙繊維が得られる。叩解されているので、この紙繊維の表面積は大きい。
原料紙は、クラフトパルプ、セミケミカルパルプ、機械パルプ、非木材パルプ、古紙パルプ等から得られる。クラフトパルプには、針葉樹クラフトパルプ及び広葉樹クラフトパルプが含まれる。非木材パルプの原料としては、ケナフ、バガス、竹、コットン、海藻等が挙げられる。古紙パルプは、使用済みコピー用紙、新聞古紙、段ボール紙等が脱墨されることで得られる。強度の観点から、クラフトパルプから得られる紙が好ましく、特に針葉樹クラフトパルプから得られる紙が好ましい。クラフトパルプから得られる紙には、未晒クラフト紙及び晒クラフト紙が含まれる。地球環境及び低コストの観点からは、新聞古紙から得られる原料紙が好ましい。
図2に示されるように、このベース層46では、短繊維50は半径方向に配向している。この短繊維50は、トレッド4の撓み及びプロファイルの永久歪みを十分に抑制する。半径方向に対する角度の絶対値が20°以下である短繊維50の数の、短繊維50の総数に対する比率は、90%以上が好ましい。このベース層46では、半径方向に沿った断面に露出した短繊維50の角度が、測定される。無作為に抽出された100本の短繊維50について、角度の測定がなされる。角度の絶対値は、0°以上90°以下である。
短繊維50の補強効果が十分に発揮されるとの観点から、ベース層46の厚みは0.5mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましく、2mm以上が特に好ましい。厚みは、8mm以下が好ましい。厚みは、赤道CLに沿って測定される。
タイヤ2の各部位の寸法及び角度は、タイヤ2が正規リムに組み込まれ、正規内圧となるようにタイヤ2に空気が充填された状態で測定される。測定時には、タイヤ2には荷重がかけられない。本明細書において正規リムとは、タイヤ2が依拠する規格において定められたリムを意味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA規格における「Design Rim」、及びETRTO規格における「Measuring Rim」は、正規リムである。本明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依拠する規格において定められた内圧を意味する。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びETRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規内圧である。便宜上、乗用車用タイヤ2の内圧は180kPaに設定される。
図3は、本発明の他の実施形態に係るタイヤ52の一部が示された断面図である。この図3には、トレッド54、ウイング56及びサイドウォール58が示されている。図示されていないが、このタイヤ52は、図1に示されたタイヤ2と同様に、クリンチ部、ビード、カーカス、荷重支持層、ベルト、インナーライナー及びチェーファーを備えている。このタイヤ52は、サイド補強型ランフラットタイヤである。このタイヤ52の点TCから点P100までのプロファイルは、図2に示されたタイヤ2のプロファイルと同一である。
図3に示されるように、トレッド54はベース層60とキャップ層62とからなる。ベース層60は、ゴム組成物が架橋されることで得られる。このゴム組成物は、多数の短繊維64を含んでいる。ベース層60には、この短繊維64が分散している。短繊維64のサイズ、量及び材質は、図2に示された短繊維50と同等である。
キャップ層62は、ベース層60の半径方向外側に位置している。キャップ層62は、ゴム組成物が架橋されることで得られる。キャップ層62は、短繊維64を含んでいない。キャップ層62は、路面と接触する。キャップ層62には、グリップ性能及び耐摩耗性能に優れたゴムが用いられる。
図3に示されるように、このベース層60では、短繊維64は軸方向に配向している。このベース層60では、軸方向の引っ張り応力が高い。パンク状態での走行において、このベース層60は、路面からのトレッド54の浮き上がりを抑制する。通常走行時には、軸方向に配向した短繊維64は、タイヤ52の縦剛性を大幅には高めない。このタイヤ52は、通常走行時の乗り心地にも優れる。軸方向に対する角度の絶対値が20°以下である短繊維64の数の、短繊維64の総数に対する比率は、90%以上が好ましい。このベース層60では、軸方向に沿った断面に露出した短繊維64の角度が、測定される。無作為に抽出された100本の短繊維64について、角度の測定がなされる。角度の絶対値は、0°以上90°以下である。短繊維64が軸方向に配向するベース層60には、アラミド繊維が特に好ましい。
短繊維64の補強効果が十分に発揮されるとの観点から、ベース層60の厚みは0.5mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましく、2mm以上が特に好ましい。厚みは、8mm以下が好ましい。
図4は、本発明のさらに他の実施形態に係るタイヤ66の一部が示された断面図である。この図4には、トレッド68、ウイング70及びサイドウォール72が示されている。図示されていないが、このタイヤ66は、図1に示されたタイヤ2と同様に、クリンチ部、ビード、カーカス、荷重支持層、ベルト、インナーライナー及びチェーファーを備えている。このタイヤ66は、サイド補強型ランフラットタイヤである。このタイヤ66の点TCから点P100までのプロファイルは、図2に示されたタイヤ2のプロファイルと同一である。
図4に示されるように、トレッド68はベース層74とキャップ層76とからなる。ベース層74は、センター部78と一対のショルダー部80とからなる。センター部78は、ゴム組成物が架橋されることで得られる。このゴム組成物は、多数の短繊維82を含んでいる。センター部78には、この短繊維82が分散している。短繊維82のサイズ、量及び材質は、図2に示された短繊維50と同等である。
ショルダー部80は、センター部78の軸方向外側に位置している。ショルダー部80は、ゴム組成物が架橋されることで得られる。ショルダー部80は、短繊維82を含んでいない。キャップ層76は、ベース層74の半径方向外側に位置している。キャップ層76は、ゴム組成物が架橋されることで得られる。キャップ層76は、短繊維82を含んでいない。キャップ層76は、路面と接触する。キャップ層76には、グリップ性能及び耐摩耗性能に優れたゴムが用いられる。
従来のランフラットタイヤでは、赤道の近傍においてトレッド68が大きく撓む。本発明に係るランフラットタイヤ66では、短繊維82を含むショルダー部80が、この撓みを抑制する。従来のランフラットタイヤでは、赤道の近傍においてプロファイルが大幅に成長する。本発明に係るタイヤ66では、短繊維82を含むショルダー部80が半径方向における成長を抑制する。
ベース層74の幅Wbに対するセンター部78の幅Wcの比率は、25%以上75%以下が好ましい。比率が25%以上に設定されることにより、プロファイルの成長が抑制される。この観点から、比率は35%以上がより好ましい。比率が75%以下に設定されることにより、操縦安定性が阻害されない。この観点から、比率は65%以下がより好ましい。幅Wb及び幅Wcは、軸方向において測定される。
図4に示されるように、このセンター部78では、短繊維82は半径方向に配向している。この短繊維82は、トレッド68の撓み及びプロファイルの永久歪みを十分に抑制する。半径方向に対する角度の絶対値が20°以下である短繊維82の数の、短繊維82の総数に対する比率は、90%以上が好ましい。角度の測定方法は、図2に示されたタイヤ2と同等である。
短繊維82が軸方向に配向してもよい。このセンター部78は、軸方向の引っ張り応力が高い。パンク状態での走行において、このセンター部78は、路面からのトレッド68の浮き上がりを抑制する。通常走行時には、軸方向に配向した短繊維82は、タイヤ66の縦剛性を大幅には高めない。このタイヤ66は、通常走行時の乗り心地にも優れる。軸方向に対する角度の絶対値が20°以下である短繊維82の数の、短繊維82の総数に対する比率は、90%以上が好ましい。角度の測定方法は、図3に示されたタイヤ52と同等である。
短繊維82の補強効果が十分に発揮されるとの観点から、センター部78の厚みは0.5mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましく、2mm以上が特に好ましい。厚みは、8mm以下が好ましい。センター部の厚みは、赤道CLに沿って測定される。
図5は、本発明のさらに他の実施形態に係るタイヤ84の一部が示された断面図である。この図5には、トレッド86、ウイング88及びサイドウォール90が示されている。図示されていないが、このタイヤ84は、図1に示されたタイヤ2と同様に、クリンチ部、ビード、カーカス、荷重支持層、ベルト、インナーライナー及びチェーファーを備えている。このタイヤ84は、サイド補強型ランフラットタイヤである。このタイヤ84の点TCから点P100までのプロファイルは、図2に示されたタイヤ2のプロファイルと同一である。
図5に示されるように、トレッド86はベース層92とキャップ層94とからなる。ベース層92は、センター部96と一対のショルダー部98とからなる。センター部96は、ゴム組成物が架橋されることで得られる。このゴム組成物は、多数の短繊維100を含んでいる。センター部96には、この短繊維100が分散している。短繊維100のサイズ、量及び材質は、図2に示された短繊維50と同等である。
ショルダー部98は、センター部96の軸方向外側に位置している。ショルダー部98は、ゴム組成物が架橋されることで得られる。このゴム組成物は、多数の短繊維102を含んでいる。ショルダー部98には、この短繊維102が分散している。短繊維102のサイズ、量及び材質は、図2に示された短繊維50と同等である。
キャップ層94は、ベース層92の半径方向外側に位置している。キャップ層94は、ゴム組成物が架橋されることで得られる。キャップ層94は、短繊維100、102を含んでいない。キャップ層94は、路面と接触する。キャップ層94には、グリップ性能及び耐摩耗性能に優れたゴムが用いられる。
図5に示されるように、このセンター部96では、短繊維100は半径方向に配向している。この短繊維100は、トレッド86の撓み及びプロファイルの永久歪みを十分に抑制する。半径方向に対する角度の絶対値が20°以下である短繊維100の数の、短繊維100の総数に対する比率は、90%以上が好ましい。角度の測定方法は、図2に示されたタイヤ2と同等である。
図5に示されるように、このショルダー部98では、短繊維102は軸方向に配向している。この短繊維102は、パンク状態での走行時にトレッド86の浮き上がりを抑制する。軸方向に対する角度の絶対値が20°以下である短繊維102の数の、短繊維102の総数に対する比率は、90%以上が好ましい。角度の測定方法は、図3に示されたタイヤ52と同等である。
ベース層92の幅Wbに対するセンター部96の幅Wcの比率は、25%以上75%以下が好ましい。比率が25%以上に設定されることにより、プロファイルの成長が抑制される。この観点から、比率は35%以上がより好ましい。比率が75%以下に設定されることにより、パンク状態での走行時にトレッド86の浮き上がりが抑制される。この観点から、比率は65%以下がより好ましい。幅Wb及び幅Wcは、軸方向において測定される。
短繊維100の補強効果が十分に発揮されるとの観点から、センター部96の厚みは0.5mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましく、2mm以上が特に好ましい。厚みは、8mm以下が好ましい。短繊維102の補強効果が十分に発揮されるとの観点から、ショルダー部98の厚みは0.5mm以上が好ましく、1.0mm以上がより好ましく、2mm以上が特に好ましい。厚みは、8mm以下が好ましい。ショルダー部98の厚みは、センター部96との境界近傍にて測定される。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実験1]
[実施例1]
図1及び2に示された構造を備えたランフラットタイヤを得た。このタイヤのサイズは、「225/50R17」である。このタイヤのベース層の厚みは、2mmである。このベース層には、多数の紙繊維が分散している。紙繊維の配合量は、基材ゴム100質量部に対して10質量部である。この紙繊維の平均直径Dは、10μmであり、平均長さLは400μmであり、アスペクト比(L/D)は40である。この紙繊維は、半径方向に配向している。
[実施例4から7]
ベース層の厚みを下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例4から7のタイヤを得た。
[実施例2から3及び8]
紙繊維の配合量を下記の表1に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2から3及び8のタイヤを得た。
[比較例]
ベース層に短繊維を配合しなかった他は実施例1と同様にして、比較例のタイヤを得た。
[実施例9]
紙繊維に代えてアラミド繊維を用いた他は実施例1と同様にして、実施例9のタイヤを得た。このアラミド繊維の平均直径Dは、10μmであり、平均長さLは400μmであり、アスペクト比(L/D)は40である。
[実施例12から15]
ベース層の厚みを下記の表2に示される通りとした他は実施例9と同様にして、実施例12から15のタイヤを得た。
[実施例9から11及び16]
アラミド繊維の配合量を下記の表2に示される通りとした他は実施例9と同様にして、実施例9から11及び16のタイヤを得た。
[評価]
タイヤを標準リムに組み込み、標準内圧となるようにタイヤに空気を充填した。そして、このタイヤの外径を測定した。さらに、このリムを、排気量が3.0リットルであり、前側エンジン後輪駆動の乗用車に装着した。この乗用車をサーキットで、100km走行させた。走行の初期と終了直前とにおいて、ドライバーに操縦安定性を指数で評価させた。また、走行後にタイヤの外径を測定し、外径変化量を算出した。これらの結果が、下記の表1及び表2に示されている。
Figure 0005254409
Figure 0005254409
表1及び表2に示されるように、実施例のタイヤでは、外径変化量が小さい。また、実施例のタイヤは操縦安定性に優れ、かつ優れた操縦安定性が維持されている。
[実験2]
[実施例17]
図3に示された構造を備えたランフラットタイヤを得た。このタイヤのサイズは、「225/50R17」である。このタイヤのベース層の厚みは、2mmである。このベース層には、多数の紙繊維が分散している。紙繊維の配合量は、基材ゴム100質量部に対して10質量部である。この紙繊維の平均直径Dは、10μmであり、平均長さLは400μmであり、アスペクト比(L/D)は40である。この紙繊維は、軸方向に配向している。
[実施例20から23]
ベース層の厚みを下記の表3に示される通りとした他は実施例17と同様にして、実施例20から23のタイヤを得た。
[実施例18から19及び24]
紙繊維の配合量を下記の表3に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例18から19及び24のタイヤを得た。
[実施例25]
紙繊維に代えてアラミド繊維を用いた他は実施例17と同様にして、実施例25のタイヤを得た。このアラミド繊維の平均直径Dは、10μmであり、平均長さLは400μmであり、アスペクト比(L/D)は40である。
[実施例28から31]
ベース層の厚みを下記の表4に示される通りとした他は実施例25と同様にして、実施例28から31のタイヤを得た。
[実施例16から27及び32]
アラミド繊維の配合量を下記の表4に示される通りとした他は実施例25と同様にして、実施例16から27及び32のタイヤを得た。
[評価]
タイヤを標準リムに組み込み、標準内圧となるようにタイヤに空気を充填した。このリムを、排気量が3.0リットルであり、前側エンジン後輪駆動の乗用車に装着した。この乗用車をサーキットで走行させ、ドライバーに乗り心地を指数で評価させた。さらに、このタイヤの内圧を常圧としてパンク状態を再現し、走行させて走行性を評価した。これらの結果が、下記の表3及び表4に示されている。
Figure 0005254409
Figure 0005254409
表3及び表4に示されるように、実施例のタイヤは、パンク時の走行性に優れる。しかも、実施例のタイヤでは、通常走行時の乗り心地は悪くない。
[実験3]
[実施例33]
図4に示された構造を備えたランフラットタイヤを得た。このタイヤのサイズは、「225/50R17」である。このタイヤのベース層の厚みは、2mmである。このベース層は、センター部とショルダー部とからなる。ベース層74の幅Wbに対するセンター部78の幅Wcの比率は、10%である。センター部には、多数の紙繊維が分散している。紙繊維の配合量は、基材ゴム100質量部に対して10質量部である。この紙繊維の平均直径Dは、10μmであり、平均長さLは400μmであり、アスペクト比(L/D)は10である。この紙繊維は、半径方向に配向している。ショルダー部は、短繊維を含んでいない。
[実施例34から39]
ベース層74の幅Wbに対するセンター部78の幅Wcの比率を下記の表5に示される通りとした他は実施例33と同様にして、実施例34から39のタイヤを得た。
[実施例40]
紙繊維に代えてアラミド繊維を用いた他は実施例33と同様にして、実施例40のタイヤを得た。このアラミド繊維の平均直径Dは、10μmであり、平均長さLは400μmであり、アスペクト比(L/D)は40である。
[実施例41から46]
ベース層74の幅Wbに対するセンター部78の幅Wcの比率を下記の表6に示される通りとした他は実施例40と同様にして、実施例41から46のタイヤを得た。
[評価]
タイヤを「17×7−JJ」のリムに組み込み、内圧が230kPaとなるようにタイヤに空気を充填した。そして、このタイヤの外径を測定した。さらに、このリムを、排気量が3.0リットルであり、前側エンジン後輪駆動の乗用車に装着した。この乗用車をサーキットで、100km走行させた。走行の初期と終了直前とにおいて、ドライバーに操縦安定性を指数で評価させた。また、走行後にタイヤの外径を測定し、外径変化量を算出した。さらに、走行距離が5000kmの段階でトレッドの表面を目視観察し、摩耗の状態を判定した。これらの結果が、下記の表5及び表6に示されている。
Figure 0005254409
Figure 0005254409
表5及び表6に示されるように、実施例のタイヤでは、外径変化量が小さい。また、実施例のタイヤは操縦安定性に優れ、かつ優れた操縦安定性が維持されている。
[実験4]
[実施例47]
図5に示された構造を備えたランフラットタイヤを得た。このタイヤのサイズは、「225/50R17」である。このタイヤのベース層の厚みは、2mmである。このベース層は、センター部とショルダー部とからなる。ベース層74の幅Wbに対するセンター部78の幅Wcの比率は、10%である。センター部及びショルダー部には、多数の紙繊維が分散している。紙繊維の配合量は、基材ゴム100質量部に対して10質量部である。この紙繊維の平均直径Dは、10μmであり、平均長さLは400μmであり、アスペクト比(L/D)は40である。センター部では、紙繊維は半径方向に配向している。ショルダー部では、紙繊維は軸方向に配向している。
[実施例48から53]
ベース層74の幅Wbに対するセンター部78の幅Wcの比率を下記の表7に示される通りとした他は実施例47と同様にして、実施例48から53のタイヤを得た。
[実施例54]
紙繊維に代えてアラミド繊維を用いた他は実施例47と同様にして、実施例54のタイヤを得た。このアラミド繊維の平均直径Dは、10μmであり、平均長さLは400μmであり、アスペクト比(L/D)は40である。
[実施例55から60]
ベース層74の幅Wbに対するセンター部78の幅Wcの比率を下記の表8に示される通りとした他は実施例54と同様にして、実施例55から60のタイヤを得た。
[評価]
タイヤを標準リムに組み込み、標準内圧となるようにタイヤに空気を充填した。そして、このタイヤの外径を測定した。さらに、このリムを、排気量が3.0リットルであり、前側エンジン後輪駆動の乗用車に装着した。この乗用車をサーキットで、100km走行させた。走行の初期と終了直前とにおいて、ドライバーに操縦安定性を指数で評価させた。また、走行後にタイヤの外径を測定し、外径変化量を算出した。さらに、このタイヤの内圧を常圧としてパンク状態を再現し、走行させて走行性を評価した。これらの結果が、下記の表7及び表8に示されている。
Figure 0005254409
Figure 0005254409
表7及び表8に示されるように、実施例のタイヤでは、外径変化量が小さい。また、実施例のタイヤは操縦安定性に優れ、かつ優れた操縦安定性が維持されている。しかも、実施例のタイヤはパンク時の走行性に優れる。
以上の評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
短繊維を含むベース層は、種々の空気入りタイヤに適用されうる。
2、52、66、84・・・タイヤ
4、54、68、86・・・トレッド
6、56、70、88・・・ウイング
8、58、72、90・・・サイドウォール
10・・・クリンチ部
12・・・ビード
14・・・カーカス
16・・・荷重支持層
18・・・ベルト
20・・・インナーライナー
22・・・チェーファー
46、60、74、92・・・ベース層
48、62、76、94・・・キャップ層
50、64、82、100、102・・・短繊維
78、96・・・センター部
80、98・・・ショルダー部

Claims (7)

  1. その外面がトレッド面をなすトレッドと、
    このトレッドの端から半径方向略内向きに延びる一対のサイドウォールと、
    このサイドウォールよりも半径方向略内側に位置する一対のビードと、
    トレッド及びサイドウォールの内側に沿って両ビードの間に架け渡されたカーカスとを備えており、
    このトレッドが、ベース層とこのベース層の半径方向外側に位置するキャップ層とを備えており、
    このベース層が、センター部とこのセンター部の軸方向外側に位置する一対のショルダー部とを備えており、
    このセンター部が、その平均長さLが10μm以上1000μm以下であり、その平均直径Dが0.05μm以上50μm以下であり、そのアスペクト比(L/D)が10以上であり、原料紙を叩解によって解繊することにより得られる多数の紙繊維を含んでおり、
    このベース層の幅に対するこのセンター部の幅の比率が25%以上75%以下である空気入りタイヤ。
  2. 上記サイドウォールの軸方向内側に位置する荷重支持層をさらに備えており、ランフラットタイプである請求項1に記載のタイヤ。
  3. 赤道上の点TCから軸方向外側に向けてその曲率半径が徐々に減少するプロファイルを備えた請求項1又は2に記載のタイヤ。
  4. 上記プロファイルが、下記数式(1)から(4)を満たす請求項3に記載のタイヤ。
    0.05 < Y60/H ≦ 0.10 (1)
    0.10 < Y75/H ≦ 0.2 (2)
    0.2 < Y90/H ≦ 0.4 (3)
    0.4 < Y100/H ≦ 0.7 (4)
    (この数式(1)から(4)において、Hはタイヤの高さを表し、Y60、Y75、Y90及びY100は、それぞれ点TCと点P60、点P75、点P90及び点P100との半径方向距離を表す。点P60、点P75、点P90及び点P100は、それぞれ点TCからの軸方向距離がタイヤ幅半分の60%、75%、90%及び100%であるプロファイル上の点を表す。)
  5. 上記紙繊維が半径方向に配向している請求項1からのいずれかに記載のタイヤ。
  6. 上記紙繊維が軸方向に配向している請求項1からのいずれかに記載のタイヤ。
  7. 記ショルダー部が紙繊維を含んでおり、
    上記センター部において紙繊維が半径方向に配向しており、
    このショルダー部において紙繊維が軸方向に配向している請求項1からのいずれかに記載のタイヤ。
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