JP2007267633A - 揚げ菓子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 長期間保管しても酸化され難い揚げ菓子の製造方法を提供する。
【解決手段】 揚げ処理物に、卵白酵素加水分解物が添加された水中油型乳化物を付着させる揚げ菓子の製造方法。
【選択図】 無し

Description

本発明は、長期間保管しても酸化され難い揚げ菓子の製造方法に関する。詳しくは、揚げ処理物に、卵白酵素加水分解物が添加された水中油型乳化物を付着させる長期間保管しても酸化され難い揚げ菓子の製造方法に関する。
我が国の代表的な菓子類の一つとしてせんべい、あられ、おかき等の米菓がある。米菓は、例えば、粳米やもち米を水浸漬したもの、あるいはこれらの製粉と水を混合したものを加水しながら蒸煮した後、もち搗き機等で練り、冷却し、次いで成形して、乾燥させた後、これを焼成、あるいは油で揚げ、次いで味付けし乾燥する等の方法で製造されている。
米菓の原料である粳米やもち米には、その一部に油脂成分を含有している。また、米菓の製造方法は、上述したとおり焼成による方法以外に油で揚げる方法がある。したがって、米菓を長期間保存すると、これらの油脂が酸化され酸化臭を発生し米菓の商品価値を損なうことから、米菓の賞味期限は、米菓の香味を損なわない範囲で賞味期限が設定されている。
米菓の賞味期限を長くする方法としては、例えば、特開2001−17088号公報(特許文献1)に、米菓の原料である米穀又はその粉末をジメチルエーテル、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の低分子有機溶剤で脱脂して、これを原料として製造する方法が提案されている。しかしながら、同文献は、主に焼成による方法で製造した米菓をターゲットとするもので、焼成して得られた米菓では、その効果が期待されるものの、油で揚げる方法により製造した米菓では、前記脱脂した米穀又はその粉末を用いたとしてもその効果が期待し難いものであった。
したがって、油で揚げた米菓やその他のスナック、例えば、ポテトチップ等の揚げ菓子においては、油脂の酸化を抑えるために、光や酸素を透過し難い包材を使用したり、あるいは容器内のスペースを窒素等の不活性ガスで置換する等の次善策がなされる程度であった。
特開2001−17088号公報
そこで、本発明の目的は、長期間保管しても酸化され難い揚げ菓子の製造方法を提供するものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、揚げ処理物に、抗酸化性を有する卵白酵素加水分解物の水溶液ではなく、卵白酵素加水分解物が添加された水中油型乳化物を付着させて製造するならば、意外にも長期間保管しても酸化され難い揚げ菓子が得られることを見出し本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)揚げ処理物に、卵白酵素加水分解物が添加された水中油型乳化物を付着させる揚げ菓子の製造方法、
(2)揚げ処理物100部に対し前記水中油型乳化物を0.05〜20部付着させる(1)の揚げ菓子の製造法、
(3)前記卵白酵素加水分解物の添加量が前記水中油型乳化物に対し0.05〜10%である(1)又は(2)の揚げ菓子の製造方法、
(4)前記卵白酵素加水分解物の平均分子量が300〜5000である(1)乃至(3)のいずれかの揚げ菓子の製造方法、
である。
本発明によれば、油で揚げた揚げ菓子において、長期間保管しても酸化され難いものが得られることから、揚げ菓子の賞味期限を長くすることが可能であり更なる需要の拡大が期待される。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を、「部」は「質量部」をそれぞれ意味する。
本発明の製造方法は、揚げ処理物に、卵白酵素加水分解物が添加された水中油型乳化物を付着させることを特徴とする。ここで、揚げ菓子とは、油で揚げることにより原料中の水分を脱水して製した菓子をいい、例えば、油で揚げて製したせんべい、あられ、おかき等の米菓、ポテトチップ等のスナック等が挙げられ、通常、これらの揚げ菓子は、サクサクとした食感を有している。また、揚げ処理物とは、油で揚げた素揚げの状態のものをいう。
また、水中油型乳化物とは、食用油脂が油滴として水相中に略均一に分散し水中油型に乳化されたものである。使用する食用油脂としては、食品に供される油脂であればいずれのものでも良く、例えば、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油、卵黄油等の動植物油又はこれらの精製油(サラダ油)、あるいはMCT(中鎖脂肪酸トリグリセリド)、ジグリセリド、硬化油、エステル交換油等のような化学的、酵素的処理等を施して得られる油脂、あるいは各種スパイスオイル等調味油等が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いると良い。
食用油脂の配合量としては、10〜70%が好ましく、20〜60%がより好ましい。前記範囲より少ないと後述する卵白酵素加水分解物を添加した水中油型乳化物を用いたとしても本発明が期待する油脂の酸化防止効果が得られ難く好ましくない。一方、前記範囲より多いと乳化物の粘性が高くなる場合があり、揚げ菓子の全面に乳化物を均一に付着させ難く好ましくない。また、前記付着性の理由より、水中油型乳化物の粘度としては、10Pa・s以下が好ましく、8Pa・s以下がより好ましい。なお、前記粘度は、BH型粘度計を用い、粘度が4Pa・s以下の場合は、回転数:10rpm、ローター:No.2、品温:20℃の測定条件で、粘度が4Pa・s超10Pa・s以下の場合は、回転数:4rpm、ローター:No.2、品温:20℃の測定条件で、30秒後の示度から換算した値である。
また、水中油型乳化物で使用する乳化材としては、食品用の乳化材として使用されているものであればいずれのものでも良く、例えば、卵黄、モノグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン、リゾレシチン、オクテニルコハク酸処理澱粉等が挙げられる。特に、上記乳化材のうち卵黄を用いた水中油型乳化物は、揚げ菓子の製造工程で一般的に行なわれる味付け後の乾燥工程でも、水中油型乳化物由来の油脂分離による油にじみが発生し難く好ましい。また、卵黄としては、鶏卵を割卵し卵白と分離して得られた生卵黄ばかりでなく、当該生卵黄に殺菌処理、冷凍処理、スプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理、ホスフォリパーゼA1、ホスフォリパーゼA2、ホスフォリパーゼC、ホスフォリパーゼD又はプロテアーゼ等による酵素処理、酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、超臨界二酸化炭素処理等の脱コレステロール処理、食塩若又は糖類等の混合処理等の1種又は2種以上の処理を施したもの等も使用出来る。また、本発明では、鶏卵を割卵して得られる全卵、あるいは卵黄と卵白とを任意の割合で混合したもの、あるいはこれらに上記処理を施したもの等を用いても良い。乳化材の使用量としては、乳化安定性の点で、水中油型乳化物に対し固形分換算で、0.5〜10%が好ましく。1〜10%がより好ましい。
また、本発明で用いる水中油型乳化物に添加する卵白酵素加水分解物とは、卵白を蛋白質分解酵素で加水分解したものである。当該卵白酵素加水分解物を製造する際に使用する原料卵白としては、例えば、鶏卵を割卵し卵黄と分離して得られた生卵白、冷凍卵白、スプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理を施した乾燥卵白の水戻ししたもの、特定の卵白蛋白(例えば、リゾチーム)を除去した卵白等が挙げられる。またこれらの卵白に酵母又はグルコースオキシダーゼ等による脱糖処理、殺菌処理又は熱蔵処理等の1種又は2種以上の処理を施したものも使用できる。
卵白酵素加水分解物を製造する際に使用する蛋白質分解酵素としては、例えば、動物由来(例えば、ペプシン、キモトリプシン、トリプシン、パンクレアチン)、植物由来(例えば、パパイン、ブロメライン、フィシン)、微生物由来(例えば、乳酸菌、枯草菌、放線菌、カビ、酵母)のエンドプロテアーゼおよびエキソプロテアーゼ、ならびにこれらの粗精製物および菌体破砕物等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このうち、風味的に好ましい卵白酵素加水分解物を得るためには、蛋白分解酵素として、アスペルギルス(Aspergillus)属菌起源の中性プロテアーゼを使用して卵白を加水分解するのが好ましい。市販されているアスペルギルス属菌起源の中性プロテアーゼとしては、例えば、商品名:プロテアーゼP「アマノ」3G(起源:Aspergillus melleus、天野エンザイム(株))、商品名:スミチームFP(起源:Aspergillus oryzae、新日本化学工業(株))、商品名:デナチームAP(起源:Aspergillus oryzae、ナガセケムテックス(株))等が挙げられる。
蛋白分解酵素により加水分解して卵白酵素加水分解物を得る製造方法としては、例えば、アスペルギルス属菌起源の中性プロテアーゼを例に挙げると、卵白のpHを6.5〜9.5、好ましくはpH7に調整し、この卵白にアスペルギルス属菌起源の中性プロテアーゼを添加し、ゆっくりと攪拌しながら、35〜60℃、好ましくは45〜55℃にて2〜24時間保持する。次に、この液を加熱殺菌処理し、次いで冷却した後、スプレードライ又はフリーズドライ等の乾燥処理により、粉末状の卵白加水分解物を得ることができる。
なお、pH、温度条件および加熱時間は、使用する蛋白分解酵素の種類および組み合わせに応じて適宜調整するのが好ましい。また、pHの調整に使用する酸材としては、特に限定するものではないが、有機酸としては、例えば、酢酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸等、無機酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜選択し使用すると良い。
本発明において、前記卵白酵素加水分解物の添加量は、水中油型乳化物に対し0.05〜10%が好ましく、0.1〜8%がより好ましい。また、前記卵白酵素加水分解物の加水分解の程度は、当該加水分解物の平均分子量が300〜5000が好ましく、500〜3000がより好ましい。卵白酵素加水分解物の添加量が前記範囲を下回ったり、あるいは平均分子量が前記範囲を外れると、当該卵白酵素加水分解物を添加された水中油型乳化物を揚げ処理物に付着させたとしても本発明の効果である長期間保管しても酸化され難い揚げ菓子が得られず好ましくない。更に、分解物の平均分子量が前記範囲を下回ると、製造方法によっては卵白酵素加水分解物自身が異臭を生じる場合があり好ましくない。一方、添加量が前記範囲を上回ったとしても添加量に応じた本発明の効果が得られ難く経済的でない。
本発明で使用する水中油型乳化物には、上述の原料以外に本発明の効果を損なわない範囲で各種原料を適宜選択し含有させることが出来る。例えば、食塩、砂糖、醤油、味噌、核酸系旨味調味料、グルタミン酸ナトリウム等の各種調味料、食酢、クエン酸、酒石酸、コハク酸、リンゴ酸、柑橘果汁等の酸材、香辛料、アスコルビン酸又はその塩、ビタミンE等の酸化防止剤、色素、デキストリン、還元デキストリン、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ジェランガム、アラビアガム、馬鈴薯澱粉、トウモロコシ澱粉、うるち米澱粉、小麦澱粉、タピオカ澱粉、ワキシコーンスターチ、もち米澱粉等の澱粉、湿熱処理澱粉、化工澱粉等の多糖類等が挙げられる。また、味付けした水中油型乳化物を使用するならば、本発明の揚げ菓子の製造工程である味付け工程も兼ねることができ好ましい。
水中油型乳化物の製造方法は、常法に則り製すれば良く、例えば、本発明で用いる卵白酵素加水分解物とその他の水相原料をミキサー内で均一として水相部調製した後、当該水相部を攪拌させながら油相部である食用油脂を徐々に注加して粗乳化物を製する。次いで、得られた粗乳化物をコロイドミル、高圧ホモゲナイザー等の乳化機で仕上げ乳化して水中油型乳化物を製する。また、必要に応じ得られた水中油型乳化物に更に殺菌処理を施しても良い。
本発明の揚げ菓子の製造方法は、揚げ処理物に、上述した卵白酵素加水分解物を添加された水中油型乳化物を付着させることを特徴とするが、揚げ処理物100部に対し水中油型乳化物を0.05〜20部付着させることが好ましく、0.2〜15部付着させることがより好ましい。前記範囲を下回ると長期間保管しても酸化され難い揚げ菓子が得られ難く、一方前記範囲を上回ると揚げ菓子の本来の食感であるサクサクとした食感が得られ難く好ましくない。
本発明の揚げ菓子の代表的な製造方法は、揚げ処理物に、卵白酵素加水分解物を添加された水中油型乳化物を付着させる工程を含む以外は、常法に則り製すれば良く、特に限定するものではない。例えば、もち米を用いた揚げ米菓を例に挙げると、精米したもち米を水浸漬した後、当該吸水米を途中、加水しながら芯が残らないまで蒸煮して40〜50%程度の水分とする。次いでもち搗き機で搗く等の方法により練り処理を行い、冷蔵庫あるいは冷凍庫等で冷却した後、所定の形状に切断して成形し、15〜20%程度の水分となるまで乾燥させる。次いで、当該乾燥物を油で揚げた後、油切りし、当該揚げ処理物に塗布や噴霧等の方法で本発明で使用する卵白酵素加水分解物を添加された水中油型乳化物を付着させ、必要に応じ同様の方法で味付けし、次いで乾燥する方法等が挙げられる。
揚げ処理物に本発明で使用する卵白酵素加水分解物を添加された水中油型乳化物を付着させることで、如何なる理由により長期間保管しても酸化され難い揚げ菓子が得られるかは定かではないが、水中油型乳化物中の乳化物が乳化材のような作用を示し揚げ処理物に残存した油脂の大気との接触を遮断すると共に卵白酵素加水分解物の抗酸化機能が相まって油脂の酸化を防止したのではないかと推定する。
以下、本発明の揚げ菓子の製造方法について、実施例、比較例並びに試験例に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
まず、本発明で用いる蛋白分解酵素により加水分解した卵白酵素加水分解物の調製例を示す。
[調製例1]
液卵白(キユーピー(株)製)180kgをタンクに投入し、クエン酸を用いてpH7に調整した。次に、この液卵白にAspergillus oryzae起源の中性プロテアーゼ(商品名「スミチームFP」、新日本化学工業(株)製)200gを添加し、液温を45℃に保持して、ゆっくり攪拌しながら8時間酵素処理を行った。次いで、得られた酵素処理液をニーダーにて液温97℃で10分間処理した後、10℃以下に冷却し、スプレードライを行い卵白酵素加水分解物を得た。得られた卵白酵素加水分解物の平均分子量は約1400であった。なお、卵白酵素加水分解物の平均分子量は、ホルモル滴定法により算出した値である。
[調製例2]
液卵白(キユーピー(株)製)180kgをタンクに投入し、クエン酸を用いてpH7に調整した。次に、イースト(オリエンタル酵母(株)製)300gを添加し、液温を35℃に保持して、ゆっくり攪拌しながら4時間脱糖処理を行った。次いで、得られた脱糖処理液にAspergillus melleus起源の中性プロテアーゼ(商品名「プロテアーゼP(アマノ)」、天野エンザイム(株)製)300gを添加し、液温を50℃に保持して、ゆっくり攪拌しながら12時間酵素処理を行った。さらに、得られた酵素処理液をニーダーにて液温97℃で10分間処理した後、10℃以下に冷却し、スプレードライを行い卵白酵素加水分解物を得た。得られた卵白酵素加水分解物の平均分子量は約1250であった。
[調製例3]
液卵白(キユーピー(株)製)180kgをタンクに投入し、クエン酸を用いてpH7に調整した。次に、イースト(オリエンタル酵母(株)製)300gを添加し、液温を35℃に保持して、ゆっくり攪拌しながら4時間脱糖処理を行った。その後、液温を65℃まで昇温した後、65℃にて30分間攪拌した。次いで、得られた脱糖処理液にAspergillus oryzae起源の中性プロテアーゼ(商品名「デナチームAP」、ナガセケムテックス(株)製)150gを添加し、液温を55℃に保持して、ゆっくり攪拌しながら6時間酵素処理を行った。さらに、得られた酵素処理液をニーダーにて液温97℃で10分間処理した後、10℃以下に冷却し、スプレードライを行い卵白酵素加水分解物を得た。得られた卵白酵素加水分解物の平均分子量は約1200であった。
次に、本発明で用いる卵白酵素加水分解物が添加された水中油型乳化物の調製例を示す。
[調製例4]
下記に示す配合割合で仕上がり10kgの水中油型乳化物を製した。つまり、サラダ油以外の原料をミキサーで均一に混合し水相部を調製した後、当該水相部を攪拌させながらサラダ油を徐々に注加して粗乳化物を製した。次いで、得られた粗乳化物をコロイドミルで仕上げ乳化し、水中油型乳化物を得た。なお、添加した卵白酵素加水分解物は、調製品1で得られたものを使用した。また得られた水中油型乳化物の粘度は3840mPa・sであった。
<配合割合>
サラダ油 50%
食酢(酸度4.5%) 15%
生卵黄 10%
食塩 5%
卵白酵素加水分解物 2%
辛子粉 0.5%
グルタミン酸ナトリウム 0.3%
キサンタンガム 0.1
清水 残余
―――――――――――――――――――――――
合計 100%
[調製例5]
調製例4の水中油型乳化物の製造方法において、添加した調製例1で得られた卵白酵素加水分解物に換えて調製例2で得られた卵白酵素加水分解物を用いた以外は、調製例4と同様の方法で水中油型乳化物を製した。得られた水中油型乳化物の粘度は、調製例4のものと同程度であった。
[調製例6]
調製例4の水中油型乳化物の製造方法において、添加した調製例1で得られた卵白酵素加水分解物に換えて調製例3で得られた卵白酵素加水分解物を用いた以外は、調製例4と同様の方法で水中油型乳化物を製した。得られた水中油型乳化物の粘度は、調製例4のものと同程度であった。
[実施例1]
精米したもち米を水に4時間浸漬した後、当該吸水米をセイロに移し蒸煮した。蒸煮の途中で打ち水で加水しながら芯が残らないまで蒸煮し約46%の水分とした。得られた蒸煮米をもち搗き機で搗き練り処理を行い、冷蔵庫(4℃)で一晩冷却した後、直径4cm、厚さ0.3cmに大きさに切断して成形し、次いで15〜16%の水分となるまで乾燥させた。次いで、当該乾燥物を油温約240℃の油で1分間揚げた後、油切りし、当該揚げ処理物に調製例4で得られた水中油型乳化物を揚げ処理物100部に対し5部となるように噴霧して付着させ、次いで90℃の熱風で30分間乾燥させて揚げせんべい(発明品1)を得た。得られた揚げせんべいを袋詰して、室温で保管したところ長期間にわたり油脂の酸化臭が感じられなかった。
[比較例1]
実施例1において、使用した調製例4で得られた水中油型乳化物に換えて、当該乳化物からサラダ油、生卵黄及び卵白酵素加水分解物を除いた下記の調味液(非乳化物)を用いた以外は同様の方法で揚げせんべい(比較品1)を製した。得られた揚げせんべいを袋詰して、室温で保管したところ、しばらくした後、油脂の酸化臭が感じられた。なお、使用した調味液は全原料を混合して製した。
<比較例1で使用した調味液の配合割合>
食酢(酸度4.5%) 15%
食塩 5%
辛子粉 0.5%
グルタミン酸ナトリウム 0.3%
キサンタンガム 0.1
清水 残余
―――――――――――――――――――――――
合計 100%
[比較例2]
実施例1において、使用した調製例4で得られた水中油型乳化物に換えて、当該乳化物からサラダ油及び生卵黄を除いた下記の卵白酵素加水分解物配合調味液(非乳化物)を用いた以外は同様の方法で揚げせんばい(比較品2)を製した。得られた揚げせんべいを袋詰して、室温で保管したところ、しばらくした後、油脂の酸化臭が感じられた。なお、使用した調味液は全原料を混合して製した。
<比較例2で使用した卵白酵素加水分解物配合調味液の配合割合>
食酢(酸度4.5%) 15%
食塩 5%
卵白酵素加水分解物 2%
辛子粉 0.5%
グルタミン酸ナトリウム 0.3%
キサンタンガム 0.1
清水 残余
―――――――――――――――――――――――
合計 100%
[試験例]
実施例1(発明品1)、並びに比較例1(比較品1)及び比較例2(比較品2)で得られたそれぞれの袋詰の揚げせんべいを60℃で保管し、スタート、3日後及び6日後の過酸化物価(POV)を測定した。過酸化物価は、揚げせんべい一枚(約5g)の質量を精秤した後、乳鉢で粉砕する。得られた粉砕物にクロロホルム:メタノール=2:1(容量比)を50mL添加して脂質成分を抽出し、濾過した後、濾液をエバポレーター(温度40℃、圧力70mmHg)にて蒸発乾固して得られた乾固物を精秤した。得られた乾個物を抽出脂質試料として過酸化物価測定装置(飯島電子工業(株)POV計IP2000 レンジ3)を用いて過酸化物価を測定した。なお、60℃で3日間の保管は、室温で1ヶ月の保管に相当する。
Figure 2007267633
表1より、卵白酵素加水分解物が添加された水中油型乳化物を付着させた発明品1(実施例1の揚げ煎餅)は、卵白酵素加水分解物が添加されておらず非乳化物の調味液を付着させた比較品1(比較例1の揚げ煎餅)、及び卵白酵素加水分解物は添加されているが非乳化物の調味液を付着させた比較品2(比較例2の揚げ煎餅)に比べ、明らかに油脂の劣化を示す過酸化物価の上昇を抑制しており、室温で2ヶ月に相当する60℃で6日間保管後も、揚げ菓子で問題とされる過酸化物価の値である30meq/kgを優位に下回っていた。
[実施例2]
実施例1において、使用した調製例4で得られた水中油型乳化物に換えて、調製例5で得られた水中油型乳化物を用いて揚げ処理物100部に対し8部付着させた以外は同様の方法で揚げ煎餅を製した。得られた揚げ煎餅を袋詰して、室温で保管したところ長期間にわたり油脂の酸化臭が感じられなかった。
[実施例3]
じゃがいもの皮を剥ぎ1mmにスライスしたものを油温170℃の油で2分間フライした後、油切りし、当該揚げ処理物に調製例6で得られた水中油型乳化物を揚げ処理物100部に対し4部となるように噴霧して付着させ、次いで90℃の熱風で30分間乾燥させてポテトチップを得た。得られたポテトチップを袋詰して、室温で保管したところ長期間にわたり油脂の酸化臭が感じられなかった。

Claims (4)

  1. 揚げ処理物に、卵白酵素加水分解物が添加された水中油型乳化物を付着させることを特徴とする揚げ菓子の製造方法。
  2. 揚げ処理物100部に対し前記水中油型乳化物を0.05〜20部付着させる請求項1記載の揚げ菓子の製造法。
  3. 前記卵白酵素加水分解物の添加量が前記水中油型乳化物に対し0.05〜10%である請求項1又は2記載の揚げ菓子の製造方法。
  4. 前記卵白酵素加水分解物の平均分子量が300〜5000である請求項1乃至3のいずれかに記載の揚げ菓子の製造方法。
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