JP2007267614A - 乗用型田植機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 整地装置53を苗植付装置の前部に昇降自在に支持し、整地装置53を苗植付装置に対して昇降駆動するアクチュエータ56を備える。苗植付装置の植付設定高さA1の変更に基づいて、整地装置53が田面Gから整地設定高さA2に維持されるようにアクチュエータ56を作動させる。
【選択図】 図9
Description
この場合、植付設定高さが人為的に変更可能に構成されており、植付設定高さを高側に変更することにより(設定深さを浅側に変更することにより)、苗植付装置による苗の植付深さが浅くなり、植付設定高さを低側に変更することにより(設定深さを深側に変更することにより)、苗植付装置による苗の植付深さが深くなる。
本発明は乗用型田植機において、苗植付装置の前部に整地装置を支持した場合、植付設定高さを変更しても(設定深さを変更しても)、田面から整地装置までの高さ(整地深さ)が変化しないように構成することを目的としている。
(構成)
本発明の第1特徴は、乗用型田植機において次のように構成することにある。
機体の後部に苗植付装置を昇降自在に支持し、苗植付装置を機体に対して昇降駆動する昇降機構と、田面から苗植付装置までの高さを検出する高さセンサーと、高さセンサーの検出値に基づいて苗植付装置が田面から植付設定高さに維持されるように昇降機構を作動させる植付制御手段と、植付設定高さを人為的に変更可能な植付設定手段とを備える。田面に接地した状態で左右方向の横軸芯周りに回転駆動されることにより田面を整地する整地装置を、苗植付装置の前部に昇降自在に支持し、整地装置を苗植付装置に対して昇降駆動するアクチュエータを備える。植付設定高さの変更に基づいて、整地装置が田面から整地設定高さに維持されるように、アクチュエータを作動させる整地制御手段を備える。
本発明の第1特徴によると、苗植付装置が田面から植付設定高さに維持されている状態(整地装置が田面から整地設定高さ(整地深さ)に維持されている状態)において、植付設定高さを高側に変更することにより(設定深さを浅側に変更することにより)、田面から苗植付装置までの高さが高くなると、苗植付装置に対して整地装置がアクチュエータにより自動的に下降駆動されて(苗植付装置に対する整地装置の高さが自動的に下方に変更されて)、整地装置が田面から整地設定高さ(整地深さ)に維持される。
本発明の第1特徴によると、乗用型田植機において、苗植付装置の前部に整地装置を支持した場合、植付設定高さの変更に伴って(設定深さの変更に伴って)、苗植付装置に対して整地装置がアクチュエータにより自動的に昇降駆動され、整地装置が田面から整地設定高さ(整地深さ)に維持されるようになって、植付設定高さの変更に関係なく(設定深さの変更に関係なく)、整地装置の整地機能を安定して発揮させることができるようになり、整地装置の整地性能を向上させることができた。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の乗用型田植機において次のように構成することにある。
整地設定高さを人為的に変更可能な整地設定手段を備える。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第2特徴によると、前項[I]に記載のように、整地装置が田面から整地設定高さ(整地深さ)に維持される状態において、運転者が整地設定高さを変更することにより、田面の状態や苗植付装置の状態に応じて、整地装置の整地機能を強弱に変更することができる。
本発明の第2特徴によると、本発明の第1特徴と同様に前項[I]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第2特徴によると、田面の状態や苗植付装置の状態に応じて、整地装置の整地機能を強弱に変更することができるようになって、整地装置の整地性能を向上させることができた。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第1又は第2特徴の乗用型田植機において次のように構成することにある。
植付制御手段の作動感度を変更する感度設定手段を備える。感度設定手段により植付制御手段の作動感度が敏感側に変更されると、整地設定高さを高側に変更し、感度設定手段により植付制御手段の作動感度が鈍感側に変更されると、整地設定高さを低側に変更する感度補助手段を備える。
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
前項[I]に記載のように、高さセンサーの検出値に基づいて苗植付装置が田面から植付設定高さに維持されるように昇降機構を作動させる植付制御手段を備えた場合、植付制御手段の作動感度を変更する感度設定手段を備えることが多くある。一般に、田面に水が比較的多く泥が柔らかい場合には、田面が比較的平坦な状態なので、植付制御手段の作動感度を敏感側に設定して、苗植付装置が田面に敏感に追従していくようにする。逆に田面に水が比較的少なく泥が硬い場合には、田面が比較的凹凸のある状態なので、植付制御手段の作動感度を鈍感側に設定して、苗植付装置が田面にあまり敏感に追従していかないようにする。
逆に植付制御手段の作動感度が鈍感側に変更されると、整地設定高さが自動的に低側に変更されるのであり、整地装置の整地深さが深側に変更される(整地装置の整地機能が強側に変更される)。これにより、田面に水が比較的少なく泥が硬い状態(田面が比較的凹凸のある状態)において、整地装置により田面の泥が砕かれ、比較的凹凸のある田面が積極的に整地される。
本発明の第3特徴によると、本発明の第1又は第2特徴と同様に前項[I][II]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第3特徴によると、植付制御手段の作動感度の変更に伴って、整地設定高さが自動的に変更されるように構成することにより、田面の状態に応じて整地装置の整地機能を適切に発揮させることができるようになって、整地装置の整地性能を向上させることができた。
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第1〜第3特徴の乗用型田植機のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することにある。
機体の走行速度を検出する走行速度検出手段を備える。走行速度検出手段によって検出された機体の走行速度が高速側になると、整地設定高さを高側に変更し、走行速度検出手段によって検出された機体の走行速度が低速側になると、整地設定高さを低側に変更する速度補助手段を備える。
本発明の第4特徴によると、本発明の第1〜第3特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
前項[III]に記載のように、例えば田面に水が比較的多く泥が柔らかい状態(田面が比較的平坦な状態)の場合、機体の進行に伴って整地装置により田面の泥や水を押し退けてしまうような状態になることが考えられるのであり、このような状態は機体の走行速度が高速側になるほど顕著なものになると考えられる。
逆に、機体の走行速度が低速側になると、整地設定高さが自動的に低側に変更され、整地装置の整地深さが深側に変更されるので(整地装置の整地機能が強側に変更されるので)、整地装置の整地機能が維持される。
本発明の第4特徴によると、本発明の第1〜第3特徴のうちのいずれか一つと同様に前項[I]〜[III]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第4特徴によると、整地装置の整地機能を適切に維持しながら、機体の進行に伴って整地装置により田面の泥や水を押し退けてしまうような状態を少なくすることができるようになって、整地装置の整地性能を向上させることができた。
(構成)
本発明の第5特徴は、本発明の第4特徴の乗用型田植機において次のように構成することにある。
下限整地設定高さを設定可能に構成する。整地設定高さが下限整地設定高さを越えて低側に変更されないように、速度補助手段を構成する。
本発明の第5特徴によると、本発明の第4特徴と同様に前項[I]〜[IV]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第5特徴によると、前項[IV]に記載のように、機体の走行速度に応じて整地設定高さが自動的に高側及び低側に変更される場合、整地設定高さが下限整地設定高さを越えて低側に変更されなので、整地設定高さが不必要に低側(整地装置の整地深さが深側)に変更され、機体の進行に伴って整地装置により田面の泥や水を押し退けてしまうような状態を少なくすることができる。
本発明の第5特徴によると、本発明の第4特徴と同様に前項[I]〜[IV]に記載の「発明の効果」を備えておりこれに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第5特徴によると、整地設定高さが不必要に低側(整地装置の整地深さが深側)に変更され、機体の進行に伴って整地装置により田面の泥や水を押し退けてしまうような状態を少なくすることができるようになって、整地装置の整地性能を向上させることができた。
図1に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2で支持された機体の後部に、リンク機構3により6条植型式の苗植付装置5が昇降自在に支持され、リンク機構3を昇降駆動する油圧シリンダ4(昇降機構に相当)が備えられて、乗用型田植機が構成されている。
図1,2,4に示すように、苗植付装置5は、1個のフィードケース17、3個の伝動ケース6、伝動ケース6の後部に回転駆動自在に支持された一対の回転ケース7、回転ケース7の両端に備えられた一対の植付アーム8、中央のセンターフロート9及びサイドフロート11、6個の苗のせ面を備えて左右方向に往復横送り駆動される苗のせ台10、苗のせ台10の苗のせ面の各々に備えられた縦送り機構25等を備えて構成されている。左右方向に配置された支持フレーム18に、フィードケース17及び伝動ケース6が連結されており、フィードケース17がリンク機構3の後部下部の前後軸芯P1(図3参照)周りにローリング自在に支持されている(苗植付装置5がリンク機構3の後部下部の前後軸芯P1周りにローリング自在に支持されている)。
次に、苗植付装置5の植付制御手段について説明する。
図2,5,6に示すように、伝動ケース6の下部の横軸芯P4周りに支持軸41が回転自在に支持され、支持軸41に固定された支持アーム41aが後方に延出されており、支持アーム41aの後端の横軸芯P5周りに、センターフロート9及びサイドフロート11の後部が上下に揺動自在に支持されている。人為的に操作可能な植付設定高さレバー42(植付設定手段に相当)が支持軸41に固定されて前方上方に延出されており、支持フレーム18に固定されたレバーガイド43に植付設定高さレバー42が挿入されている。
次に、苗植付装置5のローリング制御手段について説明する。
前項[1]の記載及び図3に示すように、フィードケース17がリンク機構3の後部下部の前後軸芯P1周りにローリング自在に支持されている(苗植付装置5がリンク機構3の後部下部の前後軸芯P1周りにローリング自在に支持されている)。図3及び図9に示すように、フィードケース17に傾斜センサー48が固定されて、水平面(田面G)に対する苗植付装置5の左右方向の傾斜角度が傾斜センサー48によって検出されており、傾斜センサー48の検出値が制御装置40に入力されている。
次に、植付制御手段及びローリング制御手段の作動及び停止について説明する。
図1に示すように、運転座席31の右横側に昇降レバー73が備えられており、昇降レバー73は上昇位置、中立位置、下降位置及び植付位置に操作自在に構成されている。昇降レバー73を上昇位置に操作すると、苗植付装置5(PTO軸22)に動力を伝達する植付クラッチ(図示せず)が遮断状態に操作され、前項[2][3]に記載の植付制御手段及びローリング制御手段が停止した状態で、油圧シリンダ4により苗植付装置5が上昇駆動される。昇降レバー73を中立位置に操作すると、植付クラッチが遮断状態に操作され、前項[2][3]に記載の植付制御手段及びローリング制御制御が停止した状態で、油圧シリンダ4による苗植付装置5の昇降駆動が停止する。
次に、整地装置53について説明する。
図2,3,4,8に示すように、支持フレーム18の左の端部にボス部材64が固定され、ボス部材64と左の伝動ケース6とに亘って円筒部材74が固定されており、伝動軸23及び入力軸32の横軸芯P2周りに、伝動ケース81がボス部材64に上下に揺動自在に支持されている。支持フレーム18の右の端部にブラケット82が固定されて、ブラケット82の横軸芯P2(伝動軸23及び入力軸32の横軸芯P2)周りに、支持アーム83が上下に揺動自在に支持されており、伝動ケース81及び支持アーム83に亘って駆動軸61が回転自在に支持されている。
次に、整地装置53の駆動構造及び昇降駆動構造について説明する。
図8に示すように、円筒状の連結部材76により伝動軸75が入力軸32に連結され、伝動軸75がボス部材64及び円筒部材74、伝動ケース81の内部に配置されている。伝動ケース80の内部において、伝動軸75にスプロケット78が相対回転自在に外嵌され、駆動軸61にスプロケット79が連結されて、スプロケット78,79に亘って伝動チェーン80が巻回されており、伝動軸75とスプロケット78との間にトルクリミッター77が備えられている。
次に、整地装置53の作動状態及び整地制御手段の前半について説明する。
図6及び図9に示すように、ポテンショメータ68の検出値が設定検出値B1(植付設定高さA1(設定深さ))となるように(田面G(センターフロート9)から苗植付装置5までの高さ(植付アーム8による苗の植付深さ)が、植付設定高さA1(設定深さ)となるように)、油圧シリンダ4により苗植付装置5が昇降駆動された状態において、ポテンショメータ67により苗植付装置5に対する整地装置53(駆動軸61及び回転体62)の高さが検出され、田面Gから整地装置53(例えば駆動軸61の軸芯の位置)までの高さが制御装置40で演算される。
次に、整地装置53の整地制御手段の後半及び感度補助手段について説明する。
図9及び前項[2]に記載のように、植付設定高さレバー42により横軸芯P5(センターフロート9及びサイドフロート11)の位置を変更して(苗植付装置5(植付アーム8)による苗の植付深さを変更して)、設定検出値B1(植付設定高さA1(設定深さ))が新たに設定されると、ポテンショメータ68の検出値が設定検出値B1(植付設定高さA1(設定深さ))となるように(田面G(センターフロート9)から苗植付装置5までの高さ(植付アーム8による苗の植付深さ)が、植付設定高さA1(設定深さ)となるように)、油圧シリンダ4により苗植付装置5が昇降駆動されて、田面Gから整地装置53(例えば駆動軸61の軸芯の位置)までの高さが変化する。
図9に示すように、設定検出値B1(植付設定高さA1(設定深さ))が下側に変更されると(苗植付装置5(植付アーム8)による苗の植付深さが深側に変更されると)、整地装置53(駆動軸61及び回転体62)が苗植付装置5に対して上昇駆動されて、田面Gから整地装置53(例えば駆動軸61の軸芯の位置)までの高さが整地設定高さA2(整地深さ)に維持される。
次に、整地切換スイッチ85について説明する。
図9に示すように、人為的に操作可能な整地切換スイッチ85が備えられて、整地切換スイッチ85の操作位置が制御装置40に入力されている。整地切換スイッチ85を入り位置に操作していると、前項[7][8]に記載のように、整地制御手段及び感度補助手段が作動する。
前述の[発明を実施するための最良の形態]において、以下に示すような構成を加えてもよい。
走行用として静油圧式無段変速装置(図示せず)が備えられており、図1に示す変速レバー72により静油圧式無段変速装置を操作する。エンジン49のアクセルと変速レバー72とが機械的に連係されており、変速レバー72を高速側に操作するとエンジン49のアクセルも高速側に操作される。これにより、エンジン49の回転数と機体の走行速度とが所定の関係となるので、エンジン49の回転数を検出する回転数センサー(図示せず)を備え、回転数センサーの検出値を制御装置40に入力しており、回転数センサーの検出値により機体の走行速度が制御装置40で算出される(走行速度検出手段に相当)。
この場合、整地設定スイッチ84による整地設定高さA2(整地深さ)とは別に、下限整地設定高さを設定するように構成してもよい。
5 苗植付装置
42 植付設定手段
53 整地装置
56 アクチュエータ
68 高さセンサー
70 感度設定手段
84 整地設定手段
G 田面
A1 植付設定高さ
A2 整地設定高さ
Claims (5)
- 機体の後部に苗植付装置を昇降自在に支持して、
前記苗植付装置を機体に対して昇降駆動する昇降機構と、田面から前記苗植付装置までの高さを検出する高さセンサーと、前記高さセンサーの検出値に基づいて苗植付装置が田面から植付設定高さに維持されるように昇降機構を作動させる植付制御手段と、前記植付設定高さを人為的に変更可能な植付設定手段とを備えると共に、
田面に接地した状態で左右方向の横軸芯周りに回転駆動されることにより田面を整地する整地装置を、前記苗植付装置の前部に昇降自在に支持し、前記整地装置を苗植付装置に対して昇降駆動するアクチュエータを備え、
前記植付設定高さの変更に基づいて、前記整地装置が田面から整地設定高さに維持されるように、前記アクチュエータを作動させる整地制御手段を備えてある乗用型田植機。 - 前記整地設定高さを人為的に変更可能な整地設定手段を備えてある請求項1に記載の乗用型田植機。
- 前記植付制御手段の作動感度を変更する感度設定手段を備え、
前記感度設定手段により植付制御手段の作動感度が敏感側に変更されると、前記整地設定高さを高側に変更し、前記感度設定手段により植付制御手段の作動感度が鈍感側に変更されると、前記整地設定高さを低側に変更する感度補助手段を備えてある請求項1又は2に記載の乗用型田植機。 - 機体の走行速度を検出する走行速度検出手段を備え、
前記走行速度検出手段によって検出された機体の走行速度が高速側になると、前記整地設定高さを高側に変更し、前記走行速度検出手段によって検出された機体の走行速度が低速側になると、前記整地設定高さを低側に変更する速度補助手段を備えてある請求項1〜3のうちのいずれか一つに記載の乗用型田植機。 - 下限整地設定高さを設定可能に構成して、
前記整地設定高さが下限整地設定高さを越えて低側に変更されないように、前記速度補助手段を構成してある請求項4に記載の乗用型田植機。
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