JP2007262309A - 高分子ゲル、該ゲル製造用組成物及び粘着テープ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】疎水性モノマーに由来する重合体から構成される高分子マトリックスと、ポリオキシプロピレン(ポリ)グリセリルエーテルとを含むことを特徴とする高分子ゲルにより上記課題を解決する。
【選択図】なし
Description
しかし、オルガノゲルは、透湿性が殆どないため、長時間生体に貼付すると皮膚かぶれが生じるという課題がある。また、吸水性がないため、貼付対象物が湿っていると粘着力が低下するという課題がある。そこで、オルガノゲルに親水性の可塑剤を保持させることで、透湿性を向上させることが考えられる。しかし、疎水性モノマーと親水性の可塑剤とは通常相溶しないので、ゲルを形成することが難しい。また、まれにゲルを形成できても、時間の経過により可塑剤がゲルからブリードしてしまうため、粘着性に乏しいゲルとなってしまう。
(1)アクリル系共重合体100重量部と、室温で液状又はペースト状のカルボン酸エステル20〜120重量部とを含有する粘着剤層と、通気度が5cc/cm2/秒以上である基材とからなり、
(2)粘着テープ全体の透湿度が600g/m2・24h・40℃・30%(相対湿度)R.H.以上であり、
(3)アクリル系共重合体が、アクリル酸アルキルエステル40〜80重量%、アルコキシ基含有エチレン性不飽和単量体10〜60重量%、及び、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体1〜10重量%を含む単量体混合物から得られる。
上記公報では、疎水性モノマーとしてのアクリル酸エステルと、透湿性付与剤としてのアルコキシ基含有エチレン性不飽和単量体とを使用して高分子ゲルを形成している。
そのため、皮膚かぶれを防止しうる、具体的には、好ましくは2000g/m2以上の十分な透湿性を有しながらも、優れた粘着性を発揮する粘着性高分子ゲルの提供が望まれている。
また、ポリオキシプロピレン(ポリ)グリセリルエーテルは、耐水性を有しつつ、わずかな水分を吸放湿する性質を有するため、本発明の高分子ゲルは、湿った被着対象物にも貼付可能である。
本発明によれば、皮膚に長時間貼付した際に、発汗が生じた場合でも蒸れることがなく、かつ皮膚刺激を生じにくい高分子ゲルを提供できる。
本発明に使用されるポリオキシプロピレン(ポリ)グリセリルエーテルとは、(ポリ)グリセリンにプロピレンオキシドを付加した複雑な分岐構造を有した多価アルコールである。即ち、(ポリ)グリセリンのヒドロキシル基がポリオキシプロピレンで変性されており、分岐構造を有している。そのため、立体障害性が高く結晶性に劣り、通常の直鎖状物質と比較して高分子量であっても、25℃で液体である。このものは、ゲルに対して、可塑化効果、粘着性向上機能を有する。
=分子内のヒドロキシル基の数/ポリオキシプロピレン(ポリ)グリセリルエーテルの分子量×100
ポリオキシプロピレン(ポリ)グリセリルエーテルの使用量は、高分子マトリックス100重量部に対して、20〜300重量部であることが好ましい。この範囲であれば、ゲルに適度な柔軟性と粘着性を付与すると同時に、十分な透湿性を発現できる。より好ましくは、50〜200重量部である。
(1)メタクリレートの場合、ジヒドロキシシクロアルカン誘導体部分の全炭素原子の数は4以上であることが好ましく、4〜18であることがより好ましく、
(2)アクリレートの場合、ジヒドロキシシクロアルカン誘導体部分の全炭素原子の数が6以上であることが好ましく、6〜18であることがより好ましい。
更に、シクロアルカンジオール(メタ)アクリレート又はシクロアルカンジアルコール(メタ)アクリレートは、シクロアルカンジオール又はシクロアルカンジアルコールと(メタ)アクリル酸とを1:1でエステル化することで得ることができる。
被着対象物が湿っている場合、初期粘着性を向上させるために、イオン性モノマーを高分子マトリックス形成用のモノマーと共重合させてもよい。イオン性モノマーは、高分子マトリックス形成用の全モノマー中、5重量%以下であることが好ましい。
本発明のゲルは、通常、液状のモノマー配合液を重合してゲル化させるため、用途に合わせて適宜成型できる。例えば、粘着テープとして使用する場合は、厚さが0.01mm〜2.0mmのシート状に成型されていることが望ましい。
ゲルは、例えば、(1)疎水性モノマー及びポリオキシプロピレン(ポリ)グリセリルエーテルを含むモノマー配合液を作製し、(2)重合反応と同時に任意の形状に成型することにより得られる。
疎水性モノマーと、必要に応じて架橋性モノマー、イオン性モノマー、重合開始剤を混合・攪拌して溶解する。次に、必要に応じて電解質、添加剤等を添加して溶解するまで攪拌する。次に、ポリオキシプロピレン(ポリ)グリセリルエーテルを添加して無色透明のモノマー配合液を作製する。なお、添加剤がもともと着色している場合や、染料、顔料を添加した場合、無色透明でなくてもよい。
得られたモノマー配合液を任意の形状の型枠に注入し、次いで重合させることでゲルが得られる。また、2枚の樹脂フィルム(ベースフィルム、トップフィルム)の間にモノマー配合液を流し込み、一定の厚みに保持した状態で重合させることでシート状のゲルが得られる。更に、1枚の樹脂フィルム(ベースフィルム又は支持体)上にモノマー配合液を薄層コーティングし、重合させることでフィルム状(シート状より薄い)のゲルが得られる。
(透湿度(g/m2・24h・40℃・90%R.H.))
ゲルの透湿度(水蒸気透過度)は、JIS Z0208 防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)により、40℃、90%R.H.の条件で測定する。ここで、湿度90%の条件は、多量の水とゲルが接触した場合を想定している。なお、透湿度は、特開2005−304756に記載の通り、ゲルの厚みに反比例すると考えられるため、実際に使用する状況を想定して厚さ50μm又は目付50g/m2あたりの透湿度に換算する。
なお、35000g/m2・24h・40℃・90%R.H.を超える透湿度は、測定用のポットが飽和するため測定できない。この透湿度を超える場合、「>35000」と標記する。
予め重量(g)を測定したゲルを20℃のイオン交換水に60分浸水させた後の重量(g)を測定する。下記式から給水倍率を算出する。
吸水倍率(倍)=浸水後のゲル重量/浸水前のゲル重量
予め重量(g)を測定したゲルを20℃のイオン交換水に60分浸水させた後、120℃オーブン中で120分乾燥させた後の重量(g)を測定する。下記式から、多価アルコールの流失率を算出する。
流失率(%)=(浸水前のゲル重量−乾燥後のゲル重量)/浸水前のゲル重量×100
ゲルの片面に、支持体としての合成紙を貼付し、20mm幅の短冊状にカットして測定用サンプルを得る。このサンプルを用いて、JISZ0237「90度剥離」に従い、ベークライトに対する粘着力を測定する。
ゲルの耐水粘着力を次の方法で測定する。
20mm幅の短冊状にカットしたシート状のゲルをベークライト板に貼付してサンプルを得る。このサンプルをイオン交換水に浸水する。20分後イオン交換水からサンプルを取り出し、表面の水を切った後にポリエステル不織布を貼付して補強する。次いで、上記粘着力測定と同様にして粘着力を測定する。測定された粘着力が耐水粘着力を意味する。
弾性率及び粘性率は、Reologica Instruments A.B.社製のDynAlyser DAR−100を使用して測定する。サンプルは、シートから直径20mmの円状に打ち抜いたゲルを使用する。測定条件は、温度37℃、周波数0.1〜0.01rad/sとする。
まず、疎水性モノマーとしてのシクロヘキサンジメタノールアクリレート(CHDM)100重量部に対して、重合開始剤としての1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン(商品名:イルガキュア2959,チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.38重量部を混合、撹拌し、完全溶解した。得られた溶液にポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル(ポリオキシプロピレンの重合度:14,25℃で液状,ヒドロキシル価:0.408,製品名:SCP−1000,阪本薬品工業社製)150重量部を混合、更に撹拌し、無色透明のモノマー配合液を得た。
得られたゲルの透湿度、給水倍率、流失率、粘着力及び耐水粘着力を測定し、結果を表1に示す。また、得られたゲルの粘弾性を測定し、結果を表2に示す。
重合開始剤を0.3重量部、ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルを100重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして高分子ゲルを得た。得られたゲルは、無色透明で、ブリードが見られなかった。
得られたゲルの透湿度、給水倍率、流失率、粘着力及び耐水粘着力を測定し、結果を表1に示す。また、得られたゲルの粘弾性を測定し、結果を表2に示す。
ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル(ポリオキシプロピレンの重合度:9,25℃で液状,ヒドロキシル価:0.581,製品名:SCP−750,阪本薬品工業社製)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして高分子ゲルを得た。得られたゲルは、無色透明で、ブリードが見られなかった。
得られたゲルの透湿度、給水倍率、流失率、粘着力及び耐水粘着力を測定し、結果を表1に示す。また、得られたゲルの粘弾性を測定し、結果を表2に示す。
ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル(ポリオキシプロピレンの重合度:18,25℃で液状,ヒドロキシル価:0.330,製品名:SCP−1200,阪本薬品工業社製)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして高分子ゲルを得た。得られたゲルは、無色透明で、ブリードが見られなかった。
得られたゲルの透湿度、給水倍率、流失率、粘着力及び耐水粘着力を測定し、結果を表1に示す。また、得られたゲルの粘弾性を測定し、結果を表2に示す。
疎水性モノマーとしてプロピレングリコールメタクリレート(PPGMA)100重量部に対して、架橋性モノマーとしてポリエチレングリコールジメタクリレート(PDE)を1.25重量部、重合開始剤として1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン0.38重量部を混合、撹拌し、完全溶解した。以降の工程を実施例3と同様にすることで高分子ゲルを得た。得られたゲルは、無色透明で、ブリードが見られなかった。
得られたゲルの透湿度、給水倍率、流失率、粘着力及び耐水粘着力を測定し、結果を表1に示す。また、得られたゲルの粘弾性を測定し、結果を表2に示す。
疎水性モノマーとしてプロピレングリコールメタクリレート100重量部に対して、同じく疎水性モノマーとしてシクロヘキサンジメタノールアクリレート100重量部、架橋性モノマーとしてポリエチレングリコールジメタクリレートを2.5重量部、重合開始剤として1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン0.75重量部を混合、撹拌し、完全溶解した。得られた溶液にポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル(ポリオキシプロピレンの重合度:9,25℃で液状,ヒドロキシル価:0.581,製品名:SCP−750,阪本薬品工業社製)300重量部を混合、更に撹拌し、無色透明のモノマー配合液を得た。
得られたゲルの透湿度、給水倍率、流失率、粘着力及び耐水粘着力を測定し、結果を表1に示す。また、得られたゲルの粘弾性を測定し、結果を表2に示す。
疎水性モノマーとしてシクロヘキサンジメタノールアクリレート100重量部に対して、イオン性モノマーとしてアクリル酸を0.5重量部、重合開始剤としての1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン0.38重量部を混合、撹拌し、完全溶解した。以降の工程を実施例3と同様にすることで高分子ゲルを得た。得られたゲルは、無色透明で、ブリードが見られなかった。
得られたゲルの透湿度、給水倍率、流失率、粘着力及び耐水粘着力を測定し、結果を表1に示す。また、得られたゲルの粘弾性を測定し、結果を表2に示す。
疎水性モノマーとしてシクロヘキサンジメタノールアクリレート100重量部に対して、架橋性モノマーとしてのポリエチレングリコールジメタクリレートを0.25重量部、重合開始剤としての1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン0.38重量部を混合、撹拌し、完全溶解した。以降の工程を実施例3と同様にすることで高分子ゲルを得た。得られたゲルは、無色透明で、ブリードが見られなかった。
得られたゲルの透湿度、給水倍率、流失率、粘着力及び耐水粘着力を測定し、結果を表1に示す。また、得られたゲルの粘弾性を測定し、結果を表2に示す。
ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテルを65重量部、重合開始剤としての1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オンを0.25重量部としたこと以外は、実施例3と同様にすることで高分子ゲルを得た。得られたゲルは、無色透明で、ブリードが見られなかった。
得られたゲルの透湿度、給水倍率、流失率、粘着力及び耐水粘着力を測定し、結果を表1に示す。また、得られたゲルの粘弾性を測定し、結果を表2に示す。
重合性モノマーとしてのN,N−ジメチルアクリルアミド(DMAA)100重量部に対して、架橋性モノマーとしてのN,N’−メチレンビスアクリルアミド(MBAA)を0.17重量部、水を65重量部混合撹拌し、均一に溶解した。得られた溶液に、ポリグリセリンを335重量部添加し、更に、重合開始剤としての1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オンを0.65重量部添加し、均一に溶解するまで撹拌し、無色透明なモノマー配合液を得た。
得られたゲルの透湿度、給水倍率、流失率及び粘着力を測定し、結果を表1に示す。なお、耐水粘着力は、ゲルが脱落したため測定できなかった。
重合性モノマーとしてのアクリルアミド100重量部に対して、架橋性モノマーとしてのN,N’−メチレンビスアクリルアミドを0.14重量部、水を90重量部混合撹拌し、均一に溶解した。得られた溶液に、グリセリンを300重量部添加し、更に、重合開始剤としての1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オンを0.5重量部添加し、均一に溶解するまで撹拌し、無色透明なモノマー配合液を得た。
得られたゲルの透湿度、給水倍率、流失率及び粘着力を測定し、結果を表1に示す。なお、耐水粘着力は、ゲルが脱落したため測定できなかった。
疎水性モノマーとしてのイソブチルアクリルアミド(IBMA)100重量部に対して、重合開始剤としての1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン0.15重量部を添加し均一に溶解するまで撹拌し、無色透明なモノマー配合液を得た。
得られたシートの透湿度及び給水倍率を測定し、結果を表1に示す。なお、粘着力及び耐水粘着力は、シートが粘着性を有していないため測定できなかった。
疎水性モノマーとしてシクロヘキサンジメタノールアクリレート100重量部に対して、重合開始剤としての1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン0.38重量部を混合、撹拌し、完全溶解した。得られた溶液に脂肪族エステルであるステアリン酸n−ブチルを150重量部混合、更に撹拌し、無色透明のモノマー配合液を得た。
ステアリン酸n−ブチルのかわりにフタル酸ジオクチルを使用したこと以外は比較例4と同様にしてゲルの作製を試みた。しかし、比較例4と同様の結果になり、ゲルが得られなかった。従って、各種特性の正確な測定が不可能であるため測定の対象としなかった。
シクロヘキサンジメタノールアクリレート100重量部に対して、重合開始剤としての1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン0.15重量部を混合、撹拌し、完全溶解して無色透明のモノマー配合液を得た。
得られたシートの透湿度及び給水倍率を測定し、結果を表1に示す。なお、粘着力及び耐水粘着力は、シートが粘着力を有していないため測定できなかった。
アクリル酸2−エチルヘキシル100重量部に対して、イソブチルアクリルアミド46重量部、架橋性モノマーとしての1,9−ノナンジオールジアクリレート(NDA)を0.15重量部、イオン性モノマーとしてアクリル酸を7.6重量部、重合開始剤としての1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン0.45重量部を混合、撹拌し、完全溶解した。得られた溶液に脂肪族エステルであるフタル酸ジオクチルを70重量部混合、更に撹拌し、無色透明のモノマー配合液を得た。
得られたゲルの透湿度、給水倍率、流失率、粘着力及び耐水粘着力を測定し、結果を表1に示す。
(透湿度)
実施例のゲルは、50μm換算で、2800〜5000g/m2・24h・40℃・90%R.H.という非常に高い透湿度を発揮した。比較例1及び2のハイドロゲルは吸湿性が非常に高く、ゲルが膨潤し透湿度が測定不能であった。比較例3及び6の疎水性樹脂のシートは、透湿度が780g/m2・24h・40℃・90%R.H.以下とかなり低かった。また、比較例7は、特開2005−304756号公報に含まれる高分子ゲルであり、その透湿度は1080g/m2・24h・40℃・90%R.H.とかなり低かった。
比較例1と2のハイドロゲルの2.8倍と2.3倍に対して、実施例のゲルの吸水倍率は1.1〜1.6倍と、約半分である。測定の際、比較例のハイドロゲルは完全に水切りするのは困難なため、より吸水倍率の少ない実施例のゲルの方が、実際より高めの吸水倍率になっている可能性がある。また、ハイドロゲルは吸水しながら多価アルコール(ポリグリセリン、グリセリン)の流失が進んでいるため、高分子マトリックスに対する吸水倍率は測定値よりも多くなると考えられる。更に、比較例3及び6の疎水性樹脂のシートは全く水を吸わないことがわかる。また、比較例7の高分子ゲルは、その構成成分がいずれも疎水性であるため、全く水を吸わないことがわかる。
実施例のゲルの流失率がいずれも10%以下であるのに対して、比較例のハイドロゲルの流失率は70〜80%と極めて多い。この結果より、実施例のゲルは、優れた耐水性を有することがわかる。
実施例のゲルは、380g〜600g程度を示し、実用上特に支障はない。また、この粘着力の差に応じて、用途を使い分けすることが好ましい。比較例7の高分子ゲルは、粘着力が低いことがわかる。また、比較例3及び6の疎水性樹脂のシートは、そもそも粘着性がなく測定しなかった。
実施例のゲルは、多量の水と接触した後でも粘着力が低下することなく、ベークライト板にしっかりと粘着していた。通常、この様に多量の水と接触する等、特に耐水性を要求される用途においては、裏面に防水性の支持体を用いる等の工夫がなされるが、上記実施例はこのような支持体を設けず、ゲル単体での評価を行っている。このことからも実施例のゲルが優れた耐水粘着力を有することが分かる。逆に、比較例1と2のハイドロゲルは浸水中に膨潤し、粘着力がなくなってしまい、ベークライト板から剥離、脱落し、浸水後の粘着力を測定することができなかった。比較例7の高分子ゲルは、耐水粘着力が低いことがわかる。また、比較例3及び6の疎水性樹脂のシートは、そもそも粘着性がなく測定しなかった。
以上のように、実施例のゲルは、高レベルの透湿性と、従来のハイドロゲルでは到底実現できない耐水性を兼ね備えていることが確認できた。
なお、実施例及び比較例で使用した原料の使用量を表3にまとめて示す。
Roll to Roll装置を用いたロール状の粘着テープの製造方法を図1を用いて説明する。
原反ロールから繰り出されたシリコーンコーティングされたPETフィルム1上に、実施例1で使用したモノマー配合液8を滴下した。モノマー配合液滴下面に、原反ロールから繰り出されたシリコーンコーティングされたPETフィルム2を被せる。この際、ゲル補強のための中間基材として原反ロールから繰り出されたトリコットハーフ(ナイロン製15デニール)3をモノマー配合液滴下面に位置するように、PETフィルム1と2の間に介在させた。
得られた粘着テープのPETフィルム2を剥離してロールに巻き取った。次いで、原反ロールから繰り出されたシリコーンコーティングされたポリエチレンフィルム6を、PETフィルム2に代えて粘着テープ上に貼付した。
この後、ポリエチレンフィルム6が外側になるようにシート状の粘着テープを巻き取ることで、ロール状の粘着テープ7を得た。
得られたロール状の粘着テープ7の概略図を図2に示す。図中、9はゲルを意味する。
3 トリコットハーフ
4 ロール
5 メタルハライドランプ
6 ポリエチレンフィルム
7 ロール状の粘着テープ
8 モノマー配合液
9 ゲル
Claims (8)
- 疎水性モノマーに由来する重合体から構成される高分子マトリックスと、ポリオキシプロピレン(ポリ)グリセリルエーテルとを含むことを特徴とする高分子ゲル。
- 前記ポリオキシプロピレン(ポリ)グリセリルエーテルが、前記高分子マトリックス100重量部に対して、20〜300重量部含有される請求項1に記載の高分子ゲル。
- 前記ゲルが、2000g/m2・24h・40℃・90%R.H.以上の透湿性を有する請求項1又は2に記載の高分子ゲル。
- 前記ゲルが、1rad/sで400〜15000Pa、100rad/sで1000〜20000Paの弾性率、1rad/sで100〜4000Pa、100rad/sで1000〜15000Paの粘性率を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の高分子ゲル。
- 支持体と、該支持体の少なくとも一方の面に設けられた請求項1〜4いずれか1つに記載の高分子ゲルの層とを含み、前記支持体が、2000g/m2・24h・40℃・90%R.H.以上の透湿性を有することを特徴とする粘着テープ。
- 前記高分子ゲルの層が、セパレータフィルムで覆われている請求項5に記載の粘着テープ。
- ロール状に巻かれている請求項5又は6に記載の粘着テープ。
- 疎水性モノマー、ポリオキシプロピレン(ポリ)グリセリルエーテル及び重合開始剤とを含むことを特徴とする高分子ゲル製造用組成物。
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