JP2013074990A - ゲルシートロールの製造方法およびゲルシートロール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ゲル13の内側に芯材12を有しシート状に形成されるゲルシート14の少なくとも一方面を保護フィルムで被覆してロール状とするゲルシートロール10の製造方法であって、前記保護フィルムが少なくともロールの表面側に位置する表面保護フィルム15であり、この保護フィルム15を非伸長性フィルムで形成し、かつロール形成時における前記芯材12を供給する供給速度を前記表面保護フィルム15を供給する供給速度に対して99.3%〜99.7%とした。
【選択図】図2
Description
また、経時による粘着力の低下や保護フィルムの剥離のばらつきの少ないゲルシートロールの製造方法を提供することである。
さらには、トンネルや波打ちがなく見栄えの良いゲルシートロールを提供することである。
即ち、ゲルの内側に芯材を有しシート状に形成されるゲルシートの少なくとも一方面を保護フィルムで被覆してロール状とするゲルシートロールの製造方法であって、前記保護フィルムが少なくともロールの表面側に位置する表面保護フィルムであり、この保護フィルムを非伸長性フィルムで形成し、かつロール形成時における前記芯材を供給する供給速度を前記表面保護フィルムを供給する供給速度に対して99.3%〜99.7%とするゲルシートロールの製造方法である。
より具体的には、この保護フィルム自体が収縮しないので保護フィルムとゲルとの間にトンネルやオレシワが入りにくい。また、保護フィルムが収縮するとすればその内側の芯材にも影響し伸縮性のない芯材であればよれが発生しやすい。ところが、保護フィルムが収縮しないので芯材へも影響がなく芯材の波打ちやフィルムとゲルの間でのトンネルも生じない。
ゲルシートの中央よりも表面保護フィルムとは反対側寄り、即ち、裏面保護フィルムを設けた場合にはその裏面保護フィルム側に芯材が偏倚するように巻き込むと、トンネルやオレシワ、さらには波打ちの発生を抑えることができる。
芯材の破断に到るまでの伸びが、幅:20mm、厚さ:0.1mm、長さ:65mmの試験片で評価したときに5mm以下であるような伸縮性のない芯材を用いてもトンネルやオレシワ、波打ちの発生しにくいゲルシートロールを得ることができる。
また、芯材に波打ちがなく、経時による粘着力の低下や保護フィルムの剥離のばらつきの少ないゲルシートロールを得ることができる。
本発明のゲルシートロール10は、ポリエステルなどの不織布から得られた芯材12をゲル13で被覆してシート状に形成したゲルシート14に、その表裏両面を保護フィルム15,16で被覆して被覆ゲルシート11を形成し、この被覆ゲルシート11をロール状に巻き取ったものである。図1にはこの保護フィルム15,16で覆われたゲルシート14をロールから引き出した状態の被覆ゲルシート11の模式断面図を示す。
しかしながら、ゲル13はポリアクリル酸などのカルボキシル基含有ポリマーやt−ブチルアクリルアミドスルホン酸などのスルホン酸基含有ポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロドンなどの各種水溶性ポリマーを、水やアルコールの水溶液等の親水性溶媒に溶解若しくは懸濁させてなる液状体に、多価金属塩を混合することでゲル化した含水ゲル等であっても良い。
また、ゲルシート14を構成する芯材12の厚さは、0.05mm〜0.6mmであり、ゲル13の厚さは、芯材12の中心から表面保護フィルム15までの厚さ、即ち表面保護フィルム15側の厚さで0.1mm〜0.5mm、芯材12の中心から裏面保護フィルム16までの厚さ、即ち裏面保護フィルム16側の厚さで0.2mm〜1.0mmである。但し、裏面保護フィルム16側の厚さを表面保護フィルム15側の厚さより厚くする。なお、芯材12を挟んで両側のゲル13,13の厚さを同程度とすることもできるが、芯材12によれが入る場合があり、ゲル13,13の厚さを偏倚させた方が好ましい。
裏面保護フィルム16としては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の合成樹脂フィルム、ポリエステル不織布などの合成樹脂繊維からなり、その厚さは好ましくは10μm〜125μmである。伸長し易い素材、具体的には弾性率が500MPa以下である材質の樹脂フィルムが好ましいが、そうした一方で、伸長し難い樹脂フィルムを用いることもできる。
また、裏面保護フィルム16を設けずに省略することも可能である。
こうした非伸長性フィルムを用いることで被覆ゲルシート11を巻き取る際に、表面保護フィルム15が殆ど伸びることなくゲルシートロール10を得ることができる。そのため、経時による表面保護フィルム15の収縮が起きずトンネルやオレシワの発生を防ぐことができる。表面保護フィルム15の厚さは、好ましくは10μm〜150μmである。
それから、ゲル13を形成するためのゲル組成物を配合してなる液状体3を芯材12に滴下し、厚み設定ロール5を通過させる。厚み設定ロール5に掛け渡した押圧フィルム7により液状体3を押し拡げると、液状体3は不織布(芯材12)の一方面側から不織布の空隙を通じて他方面へ浸みだし、この不織布の両面に一定厚みのゲル13層が設けられる(図2(A))。そしてまた、厚み設定ロール5を通過する間に紫外線の照射等によって液状体3を硬化させる(図示せず)。
裏面保護フィルム16や芯材12のの供給速度の調整は、これらの原反を送る駆動ロール(図示せず)の回転速度の調整等により行うことができる。
さらに、裏面保護フィルム16、芯材12、表面保護フィルム15を順次積層したり、裏面保護フィルム16、芯材12、表面保護フィルム15の積層を同時に行うようにしたりしても良い。
即ち、ゲル13の塗布と裏面保護フィルム16や芯材12、表面保護フィルム15からなる各層の積層は適宜行うことができる。
まず原料として、表面保護フィルムには、厚さが100μmでゲルとの接触面にシリコーンコーティングされたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを用い、裏面保護フィルムには、厚さが60μmのポリエチレンフィルムを用い、ゲルシートの芯材には、ポリエステル製繊維からなる厚さ100μmの不織布を用い、ゲル用の液状体には、アクリル系親水性モノマー、架橋剤、水、多価アルコールを含んでなる液状組成物を用いた。
ゲルの形成は、表面保護フィルム側のゲルの厚さを芯材の中心から300μmとし、裏面保護フィルム側のゲルの厚さを芯材の中心から200μmとして、芯材を挟んだゲルシートの厚さが500μmとなるようにした。
試料4のゲルシートロールは、表面保護フィルムには上記ポリエチレンフィルムを、裏面保護フィルムには上記PETフィルムとなるように、原反フィルムを入れ替えて被覆ゲルシートを形成した後ロール状に巻き取った。
試料5のゲルシートロールは、試料4の被覆ゲルシートを、表裏が反対となるように、即ち、ポリエチレンフィルムがロールの内側にくるようにロール状に巻き取った。
試料6のゲルシートロールは、ポリエチレンフィルムの原反を用いず、裏面保護フィルムを設けなかった。
試料1〜試料6のゲルシートロールについて、ゲルシート中の芯材の位置についても「芯材の偏倚方向」とした項目で表1に記載した。ゲルシートの中央よりも表面保護フィルム側に芯材が偏倚している場合を“表寄り”、ゲルシートの中央よりも裏面保護フィルム側に芯材が偏倚している場合を“裏寄り”と表記した。
表中、「トンネル」の項目は、保護フィルムや芯材とゲルが分離してトンネルが生じている場合を“×”このトンネルが生じていない場合を“○”とした。
また、「波打ち」の項目は、芯材がよれて波打っている場合を“×”、波打っているとまでは言えないが芯材が若干よれている場合を“△”、よれが無い場合を“○”とした。
これらの結果も表1に示した。
(2)試料4では、表面保護フィルムに伸長性のあるポリエチレンフィルムを用いたが、経時でポリエチレンフィルムに収縮する力が働いたようで、このポリエチレンフィルムがゲルから浮いてトンネルが生じてしまい、見た目の悪いゲルシートロールとなった。
(4)試料6は、裏面保護フィルムを設けなかったものであるが、表裏両面に保護フィルムを設けた試料1や試料2と同様に、トンネルや波打ちが表れず、外観に優れたゲルシートロールとなった。
2 巻取りロール
3 液状体
5 厚み設定ロール
7 押圧フィルム
8 タッチロール
10 ゲルシートロール
11 被覆ゲルシート
12 芯材
13 ゲル
14 ゲルシート
15 表面保護フィルム
16 裏面保護フィルム
Claims (6)
- ゲルの内側に芯材を有しシート状に形成されるゲルシートの少なくとも一方面を保護フィルムで被覆してロール状とするゲルシートロールの製造方法であって、
前記保護フィルムが少なくともロールの表面側に位置する表面保護フィルムであり、この保護フィルムを非伸長性フィルムで形成し、かつ
ロール形成時における前記芯材を供給する供給速度を前記表面保護フィルムを供給する供給速度に対して99.3%〜99.7%とするゲルシートロールの製造方法。 - 前記ゲルシートの中央よりも表面保護フィルムとは反対側寄りに芯材が偏倚するようにゲルシートを巻き付ける請求項1記載のゲルシートロールの製造方法。
- 前記芯材の破断に到るまでの伸びが、幅:20mm、厚さ:0.1mm、長さ:65mmの試験片で評価したときに5mm以下である請求項1または請求項2記載のゲルシートロールの製造方法。
- 表面保護フィルムをPETとする請求項1〜請求項3何れか1項記載のゲルシートロールの製造方法。
- ゲルシートの裏面を保護する裏面保護フィルムを有する請求項1〜請求項4何れか1項記載のゲルシートロールの製造方法。
- ゲルの内側に芯材を有しシート状に形成されるゲルシートの少なくとも一方面を保護フィルムで被覆してロール状としたゲルシートロールであって、
前記保護フィルムが少なくともロールの表面側に位置するゲルシート表面を保護する表面保護フィルムであり、この表面保護フィルムを非伸長性フィルムで形成し、かつ
前記ゲルシートの中央よりも表面保護フィルムとは反対側寄りに芯材が偏倚するようにゲルシートを巻き付けて形成しているゲルシートロール。
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