JP2007261908A - 熱改質装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転蓄熱体による熱交換方式が採用された熱改質装置において、2流体間における相互のガス混入を抑制・防止して、燃料ガスの発熱量低下を防止するとともに、蓄熱体の破損や損耗発生時の補修・交換作業を容易とする熱改質装置を提供する。
【解決手段】耐火製の炉壁12と、その内部を燃焼室15と改質室14に区画する隔壁13と、隔壁13の先端に対向して設けられた炉壁12の開口部に配置された回転式の蓄熱体2とを備え、燃焼室15で発生させた燃焼ガスEGを通過させて蓄熱体2に給熱するとともに、改質室14に導入する原料ガスSGを蓄熱体2との熱交換により昇温させて改質する熱改質装置1において、蓄熱体2と隔壁13の先端間で生じる燃焼室15と改質室14間でのガス混入を防止する圧力制御装置と、蓄熱体2の背面で生じるガス混入を防止する水蒸気噴射手段とを備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、原料となるガスと水蒸気を高温下で反応させて、水素、一酸化炭素を含む改質ガスを生成する改質装置に関し、詳しくは、改質反応において触媒を使用しない熱改質装置に関する。
廃棄物やバイオマス等を循環資源と位置付け、固形燃料として有効利用を図るとともに、排出・供給源に近接して処理可能な分散型システムを提供しようとする技術開発が活発となっている。固体燃料をガス化し、得られたガスを燃料として精製利用する熱分解ガス化・改質システムもその一つである。
このシステムにおいて、固体燃料の熱分解により得られる熱分解ガス中には、水素や一酸化炭素等の可燃性ガスに加えて、タール分や煤等の可燃性の重質炭化水素が含まれており、特にタール分は熱分解ガスが冷却されると凝固するため、配管等の閉塞を引き起こす原因になっている。
改質装置は、高温下で熱分解ガス中のタール分等の重質炭化水素を改質して、可燃性ガスに転換させるとともに、ガスを高発熱量化させることを目的に使用されるものであり、タール分の改質により、凝固の問題も解決されることになる。従来の改質装置としては、特許文献1に開示されたものがある。
図5は、特許文献1に示された従来の改質装置の概略構造を示す縦断面図であり、図6は、この改質装置を備えた熱分解ガス化・改質設備の一例を示す概略構成図である。
図5及び図6において、100は改質装置であり、耐火材料で構築された炉壁101と、該炉壁101内部を改質室103と燃焼室104に分割する耐火性の隔壁102と、この両室の底部に跨って回転可能に配設された蓄熱体120とにより主体が構成されている。
改質室103下部には、後述の熱分解ガスTGが導入される導入室105が、上部には改質ガス排出口106が配設され、燃焼室104下部には排ガス室107が、上部には燃料噴射口108とガスバーナ109とがそれぞれ配設されている。また、改質室103と燃焼室104には、それぞれの内部温度を計測する温度計110、111が設けられている。
上記蓄熱体120は、その全体が略円筒形状であり、その回転軸付近から順に、耐熱性の中心部121と、ガス通過部分となるハニカム形状の頂部122と、耐熱性の周囲部123が配置されて、一体に形成されている。上記中心部121の下方には、駆動軸124が連結されており、外部の駆動手段125によって、蓄熱体120全体が回転されるように構成されている(図5参照)。
次に、このような構造を有する従来の改質装置100を、固形燃料の熱分解ガス化・改質システムに適用したときの運転状況について、図6を参照して説明する。
まず、補助燃料AFをガスバーナ109に供給して燃焼させ、予熱された燃焼室104内温度が規定値を超えた状態で、上記予熱により昇温された蓄熱体120の回転を始め、蓄熱体120を加熱して温度低下した燃焼ガス(排ガス)EGは、ガス洗浄・浄化装置202または冷却器201に排出される。
熱分解ガス化炉200において廃棄物やバイオマス等の固形燃料RFをガス化して、発生した熱分解ガスTGは、改質装置100の導入室105に送入されたのち、改質室103への上昇時に通過する蓄熱体120で加熱されて低温粗燃料ガスLGとなり、改質ガス排出口106から冷却器201を経てガス洗浄・浄化装置202により無害化されて、排気筒203から大気中に放出される。
この始動運転により、改質室103内の温度が設定値を超えてくれば、冷却器201の熱交換により給水WSが加熱されて発生した低温水蒸気LSを熱分解ガスTGに混合させて原料ガス(混合ガス)SGとし、上述の補助燃料AFの燃焼により加熱される蓄熱体120を通過させて昇温させることで、タール等が改質されて高発熱量化された高温の粗燃料ガスHGに改質される。
この粗燃料ガスHGは、冷却器201を経てガス洗浄・浄化装置202に送られて精製された燃料ガスFGとなって、エネルギー利用設備204で有効利用される。また、必要に応じて、その一部は、補助燃料AFの代わりにガスバーナ109の燃料に使用されるようになっている。
特開2004−168872号公報
図5に示す従来の改質装置100では、補助燃料AFを燃焼させて得た高温のガスを回転する蓄熱体120に通過させて、蓄熱体120を加熱するとともに、上記高温のガスに対して原料ガスSGを向流にして上記蓄熱体120を通過させることにより、この2流体間での熱交換を行い、原料ガスSGを熱改質に必要な温度まで昇温させる給熱方式が採用されている。
しかし、熱改質に必要な高温下では、耐熱性の面で使用可能な材料の制約が大きいことから、蓄熱体120の回転部と改質装置100の固定部間でのシール性を確保することが困難であったため、熱交換する2流体間における相互のガス混入(リーク)の発生によって、燃料ガスFGの発熱量が低下し易いという問題があった。
また、蓄熱体120は、上述のように3種類の部材を一体に形成して製作されていたため、一部分の破損であっても、蓄熱体120全体の交換が必要となって費用が嵩むだけでなく、汎用品を使用できないため、補修時の部品納入に時間が掛かるという問題があった。
そこで、本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、回転蓄熱体による熱交換方式が採用された熱改質装置において、2流体間における相互のガス混入を抑制・防止して、燃料ガスの発熱量低下を防止することを目的とする。
また、本発明の第2の目的は、蓄熱体の破損や損耗発生時の補修・交換作業を容易とする熱改質装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、耐火製の炉壁と、その内部を燃焼室と改質室に区画する隔壁と、該隔壁の先端に対向して設けられた該炉壁の開口部に配置された回転式の蓄熱体とを備え、前記燃焼室で発生させた燃焼ガスを通過させて前記蓄熱体に給熱するとともに、前記改質室に導入する原料ガスを前記蓄熱体との熱交換により昇温させて改質する熱改質装置において、前記蓄熱体と前記隔壁の先端間で生じる前記燃焼室と前記改質室間でのガス混入を防止する圧力制御装置と、前記蓄熱体の背面で生じるガス混入を防止する水蒸気噴射手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、耐火製の炉壁と、その内部を燃焼室と改質室に区画する隔壁と、該隔壁の先端に対向して設けられた該炉壁の開口部に配置された回転式の蓄熱体とを備え、前記燃焼室で発生させた燃焼ガスを通過させて前記蓄熱体に給熱するとともに、前記改質室に導入する原料ガスを前記蓄熱体との熱交換により昇温させて改質する熱改質装置において、前記蓄熱体は、中央部分に複数体配列された、複数条のガス流路を有するハニカム体と、その外周に配置されたガス流路を持たない耐熱部材から構成されたことを特徴とする。
本発明に係る熱改質装置によれば、廃棄物やバイオマス等の固形燃料だけでなく、灯油、軽油等の液体化石燃料及びこれらの廃油類、或いは都市ガスやブタン等の気体燃料を元にして、水素や一酸化炭素を主体とするガスを生成・回収することができる。
また、請求項1に係る発明によれば、熱改質装置に圧力制御装置や水蒸気噴射手段を設けたことにより、原料ガスと燃焼ガスの間におけるガス混入を抑制・防止することができ、改質されたガスの発熱量の低下を低減して、高い発熱量の燃料ガスを得ることができる。
さらに、請求項2に係る発明によれば、蓄熱体の中央部分に複数のハニカム体を並べて配置し、破損や損耗等が生じた不具合箇所のみを交換可能としたため、補修・交換が容易となり、補修経費が節減できる。
上記のような熱改質装置の安定運転に寄与する優れた特徴を有する。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、背景技術の図面で説明した物質や装置と同一のものには同一の符号を付し、詳細説明は省略する。
まず、熱改質装置の構造を中心に、熱分解ガス化・改質設備に適用した構成例について説明する。
図1は、本発明に係る熱改質装置の構造の一例を示す縦断面図であり、図2は、本発明に係る熱改質装置を用いた熱分解ガス化・改質設備の一例を示す構成図である。
図1及び図2において、1は、熱改質装置であって、鋼製で直方体形状の第1ケーシング11に囲繞されるセラミックス等の耐火性材料で構築された炉壁12と、該炉壁12内部を改質室14と燃焼室15に区画する、上部・側部が炉壁12に固着され、かつ、下部のみが先端を固定されずに配置された耐火性の隔壁13と、該隔壁13の先端に対向して、前記改質室14と燃焼室15に跨るように、前記第1ケーシング11及び炉壁12に設けられた開口部に配設された蓄熱体2により主体が構成されている。
また、改質室14の上部には改質ガス排出管16が、燃焼室15の上部にはバーナ装置17が夫々配置されている。さらに、改質室14の内部には、内部温度計測のための改質室温度計110と圧力計測用の改質室圧力ノズル14pが設けられるとともに、燃焼室15の内部には、燃焼室温度計111と燃焼室圧力ノズル15pが設けられている。
蓄熱体2は、耐熱性材料により略円筒形状に形成され、中央部分に配置された導通部21と、該導通部21の外周を囲んで配置された周囲部(耐熱部材)22から構成されている。蓄熱体2の上面は、前記隔壁13の先端にほぼ接して(微少な間隔を空けて面して)配置されており、その下面は、下方にある鋼製の回転台23に接し、全体が戴置されている。
該回転台23には、駆動軸24が連結されるとともに、駆動軸24を通じて回転台23を回転させる駆動手段25が設けられており、回転台23とともに蓄熱体2を回転できるようになされている。
3は、前記蓄熱体2が載置された回転台23を支持する鋼製の第2ケーシングであり、その上端には環状の鍔部31が設けられている。該鍔部31の中間には、前記回転台23を滑らかに回転させるためのベアリング等を用いた摺動手段32が環状に設けられるとともに、該鍔部31の外周付近において、定着ボルト等を用いて第2ケーシング3を第1ケーシング11に定着するように構成されている。
前記第2ケーシング3の内面は、ガスダクトの役割を兼ねており、前記改質室14側の側面下部には原料ガス導入管33が、燃焼室15側の側面下部には燃焼ガス排出管34が接続されるとともに、蓄熱体2で熱交換される2つのガス流路を左右に区画する一対の仕切体35,35[図3(a)参照、図2においては手前側のみ図示]が、前記駆動軸24が収容される中心部の内筒36の前後に配置されている。なお、原料ガス導入管33には、当該部分の圧力計測用の入口圧力ノズル39が設けられている。
前記仕切体35,35は、その側部の2面を前記第2ケーシング3、内筒36と共通とし、上部と底部が平面視で等脚の台形状(後記図3参照、実際には二辺が円弧である)とされた、内部が空洞で箱型に形成された部材であり、上記2つのガス流路間で相互のガス混入が発生しないように、できるだけ前記回転台23の底面に近接する高さ(回転台23の回転を阻害せず、底面と接触しない程度)にその上面が位置するように配置されている。
第2ケーシング3の表面に設けられた水蒸気送入口37を介して、仕切体35,35内部には水蒸気LSが導入されるようになっており、仕切体35,35の上面に開けられた複数の水蒸気ノズル38から、回転台23の底面に向けて水蒸気が噴射される構造となっている。
また、第2ケーシング3は、前記鍔部31を第1ケーシング11に定着させる定着ボルト類を取り外すことにより、回転台23上に戴置された蓄熱体2ごと、第1ケーシング11から容易に取り外せるため、蓄熱体2の点検・清掃が簡単にできるようになっている。
図2に示す熱分解ガス化・改質設備は、熱分解ガス化炉200と、上記の熱改質装置1と、パッケージボイラ等の蒸気発生装置40と、熱改質装置1におけるガス改質によって生成された改質ガスRGを減温させる減温装置41と、バグフィルタ等のガス浄化装置42と、改質ガスRGを誘引するための誘引通風機43と、湿式洗浄塔44とが備えられており、ガス浄化・洗浄による精製後の燃料ガスFGは、エネルギー利用設備204に送られて、発電や燃料電池等の用途に使用される。なお、RSは、熱分解反応後の残渣である。
また、燃焼ガス排出管34の下流には、インバータ方式等の回転数制御可能な排気ファン50が配置されるとともに、別途、前記改質室圧力ノズル14pと燃焼室圧力ノズル15pの圧力値に基づき、前記排気ファン50を制御して改質室14と燃焼室15との差圧を調節する圧力制御装置51が設けられている。
蒸気発生装置40から供給される低温水蒸気LSは、熱分解ガス化炉200に送入されてガス化剤として利用される他、熱分解ガスTGに添加し、原料ガスSGとして熱改質装置1における水蒸気改質反応に用いられるとともに、上述の仕切体35,35の上面から回転台23の底面に向けて水蒸気を噴射するための水蒸気送入口37と、水蒸気ノズル38からなる水蒸気噴射手段への供給に使用される。
次に、熱改質装置1における蓄熱体2と回転台23及び、第2ケーシング3の仕切体35,35を含む構造の詳細について、図3に基づいて説明する。
図3は、(a)が蓄熱体2の断面構造を示す図1におけるA―A線視図、(b)が回転台23の断面構造を示す図1におけるB−B線視図、及び(c)が第2ケーシング3の上部平面構造を示す図1におけるC−C線視図である。
蓄熱体2の構造は、図3(a)に示すようにその中央部分を形成する導通部21が複数のハニカム体26で構成されている。具体的には、平面視正方形状のハニカム体26(例えば、ハニカム格子数:133cell/in2 、格子寸法:2.2mm×2.2mm、壁の厚み:0.3mm、穴のみの大きさ:1.9mm×1.9mm、材質:SiO2 、Al2 3 、MgO)を複数個並べて(図示は9体)導通部21が構成されている。
この複数のハニカム体26のガタツキを防止するため、例えば、導通部21(ハニカム体26)の外周下側に、複数本の鋼製の固定バンド27(図示は4本)を配するとともに、その端部同士を連結する接合手段28(図示は4箇所)が設けられている。該接合手段28は、回転台23の上面に配設された図示しない係止金具に共締めされており、複数の固定バンド27で胴巻きされたハニカム体26の全体を回転台23上に固定できるようになされている。
複数のハニカム体26で形成された導通部21の外側は、耐熱性部材からなる周囲部22で囲繞されており、該周囲部22は、導通部21(ハニカム体26)の移動を規制するとともに、導通部21を破損・摩耗等から保護する役割を果たしている。また、周囲部22の下部内側は、前記固定バンド27の接合手段28を設ける空間を確保できるように、若干後退されて空間が拡張されるように形成されている(図中点線部分及び図1参照)。
このように、導通部21を複数のハニカム体26を並列に配置して形成させるようにしたことにより、蓄熱体2に破損や損耗等が発生した場合でも、修理が必要となったハニカム体26のみを交換することにより、容易に性能を回復させることができ、補修費用が節減できる。
なお、導通部21を形成するハニカム体26の中央部分から遠い箇所(図3(a)で一点鎖線で示す下記環状部231の内径よりも外側部分となる角部)は、後記回転台23の環状部231に戴置されているため、ガス通路が遮断された状態となっており、運転時にガスの通過は生じない(図3(b)参照)。
回転台23は、図3(b)に示すように、蓄熱体2と略同一の外径の環状部231と中心部の軸受232と、該軸受232と環状部231とをつなぐように当該軸受232から放射状に延びる複数の連結板233からなり、該連結板233の間をガスが通過できるように構成されている。軸受232には前記駆動軸24が連結されて、回転台23とともに上部の蓄熱体2を回転できるようになされている。
第2ケーシング3は、図3(c)に示すように、その上端に設けられた鍔部31の中央に設けられた摺動手段32により上部の回転台23の荷重を支持しながら回転させるとともに、駆動軸24が収容される中心の円筒36と第2ケーシング3の側面の間に配設された一対の仕切体35,35の上面には、複数の水蒸気ノズル38(図示は各3個)が設けられている。
上述のように仕切体35,35に供給された水蒸気LSが、水蒸気ノズル38から、上方に配置された回転台23の底面に向けて噴射されることにより、仕切体35,35と回転台23の間の隙間には上記噴射した水蒸気によってシール作用が発生する。この結果、蓄熱体2(回転台23)の背面において、原料ガスSGと燃焼ガスEGの流路は水蒸気により隔てられ、相互のガス混入を防止できるため、改質・精製される改質ガスRGや燃料ガスFGの発熱量の低下を防止することができる。
なお、回転台23の連結板233は、環状部231と軸受232の間に一定間隔で配置され、平面視で台形状に形成されたガスの通路が複数路(図示は18個)設けられている。この通路の1つを形成する一組の連結板233の間隔と等しくなるように、各仕切体35の上面の寸法が設定されており、極僅かな間隔とされた該上面と回転台23の底面とは、それらの一部分が、回転台23の回転位置に拘わらず、常時ガスの通過方向で重なることによってシール性が高められている。
また、前記仕切体35,35は、蓄熱体2と回転台23の回転方向と、逆回転方向にオフセットして配置(台形形状の上面の一辺が、前記隔壁13と平行になる位置)されており、回転中の蓄熱体2を通過した原料ガスSG(または燃焼ガスEG)が燃料室15(原料ガス導入管33)側に移行しないように規制している。
次に、このような構造の改質装置を用いた熱分解ガス化・改質方法について、熱改質装置1における改質状況を中心に、図1及び図2を参照して説明する。
まず、蓄熱体2の回転を開始するとともに、補助燃料AFと燃焼用空気をバーナ装置17に供給して燃焼させ、発生した燃焼ガスEGで燃焼室15内を予熱する。この燃焼ガスEGは、燃焼室15からハニカム型の導通部21を通過する際に蓄熱体2を加熱するとともに温度低下し、排気ファン50の吸引により燃焼ガス排出管34から排出されて、図示しない下流のフレアスタックにより完全燃焼されてから、大気中に放出される。
さらに、蒸気発生装置40から水蒸気LSを単独で原料ガス導入管33に向けて送入し、蓄熱体2の導通部21を経由して改質室14に流入・通過させることにより、改質室14内のガスパージを行うとともに、上記加熱により蓄熱された蓄熱体2から熱供給してこの水蒸気を加熱し、改質室14内を昇温させる。
改質室温度計110で計測される改質室14内の温度が所定温度を超えたのち、廃棄物やバイオマス等の固形燃料RFを熱分解ガス化炉200に供給しながら、ガス化剤として空気及び水蒸気LSを送入することにより、固形燃料RFが該熱分解ガス化炉200内で熱分解燃焼されるとともに、タール分を含む熱分解ガスTGを発生させる。
該ガス化炉200から排出される熱分解ガスTGには、水蒸気LSを混合させて原料ガスSGとし、常圧のまま原料ガス導入管33から改質室14に送入させる。この場合、固形燃料RFの含水率にもよるが、水蒸気改質反応に適した原料ガスSGのS/C(例えば、2.5〜4.0程度)となるように、熱分解ガスTGに混合される水蒸気LSの量が設定される。
なお、ガスシールのために前記水蒸気ノズル38から噴射した水蒸気の一部は、仕切体35,35の上部から原料ガスSGに混入されるため、この混入相当量を熱分解ガスTGに混合する水蒸気LSから減らすようにしても良い。また、噴射した水蒸気の残余分は、燃焼ガスEGに同伴されて燃焼ガス排出管34から排出される。
原料ガスSGは、改質室14への上昇時に、高温化された蓄熱体2のハニカム体26からなる導通部21を極短時間(例えば0.01〜0.02秒程度)で通過して所定の改質温度まで一気に昇温されるとともに、ガス中の水蒸気とタール分等を含む炭化水素の改質反応によって、タール分が分解された水素や一酸化炭素を含む可燃性のガス(改質ガスRG)に改質される。
このように蓄熱体2を回転させて、燃焼室15で発生する燃焼ガスEGが保有する顕熱を蓄熱しながら、原料ガスSGへの給熱を続けることにより、吸熱反応である水蒸気改質に必要な熱量が継続的に供給される。
改質反応により生成された改質ガスRGは、誘引通風機43で吸引されるとともに、下流の減温装置41で200℃程度以下に降温されてから、ガス浄化装置42でばいじんや酸性有害物質等が除去されたのち、湿式洗浄塔44を経由してガス精製された燃料ガスFGとしてエネルギー利用設備204に供給されて利用される。
次に、熱改質装置1の制御について説明する。
改質室14と燃焼室15の内部温度は、各々に設けられた改質室温度計110及び燃焼室温度計111で計測・監視されており、蓄熱体2を介して改質室14の内部温度を設定値に保持するように、バーナ装置17への燃料供給量や燃焼用空気AGの流量を調節して温度制御がなされている。
この改質室14の内部温度の設定値は、改質効率及び経済性の面から900〜1400℃であり、好ましくは1150〜1250℃である。
また、蓄熱体2の表面と隔壁13の先端は、熱膨張により双方が接触し、ハニカム体26が破損することのないように僅かな間隔を空けて配置されているが、その隙間からの、改質室14と燃焼室15相互間のガス混入(リーク)を抑制・防止するため、改質室14と燃焼室15との差圧を、改質室圧力ノズル14pと燃焼室圧力ノズル15pから得られた圧力値の比較演算により算出し、この差圧が零となるように排気ファン50の吸引能力を回転数により調節する制御を、圧力制御装置51により行っている。
さらに、圧力制御装置51では、蓄熱体2の圧損を、改質室14の入口側に設けられた入口圧力ノズル39と改質室圧力ノズル14pからの圧力値により算出して、規定値と比較することにより、蓄熱体2の導通部21に、タール等による目詰まりの発生がないか監視している。
なお、上記の制御は、従来の蓄熱体(120)を設けた場合にも使用可能であるが、中心部(121)に高強度の材料を選択できる蓄熱体(120)に対して、中央部分の強度の低い蓄熱体2では、より安全側の隙間設定を破損防止に要するため、圧力制御の役割はより大きなものになっている。
また、本実施の形態では、熱改質装置1において蓄熱体2が改質室14と燃焼室15の下方に配置される構造として説明したが、熱改質装置1は、図1のような縦置きだけでなく、その他の配置(例えば、横置き)でも良く、また、第1ケーシング11の形状は、直方体形状に限らず、円筒形や多面体等の形状も適宜選択可能である。
さらに、蓄熱体2の中央部分に配置されるハニカム体26の形状は、上述のような平面視正方形状でなく、例えば、正六角形状等の多角形状でも差し支えなく、中心部等に空隙部分が生じる場合には、耐熱性部材を充填することができる。そして、複数のハニカム体26の固定方法は、図3(a)に例示した4本の固定バンド27と係止手段28による構成に限られず、固定バンド27等の数量を変更しても、その他の固定方法を用いても良い。
また、蓄熱体2の厚さ及び挿入位置(高さ)は、炉壁12と段差を設けても一致させて配置しても良く、導通部21の目詰まり監視のために、改質室14内の改質室圧力ノズル14pを使用しないで、別途、圧力ノズルを改質ガス排出管16以降の流路に設けても良い。
続いて、他の実施の形態について説明する。図4は、本発明に係る熱改質装置を用いた水素製造設備の一例を示す構成図である。なお、既に説明した物質や装置と同一のものには同一の符号を付し、詳細説明は省略する。
図4において、灯油、軽油等の液体化石燃料やこれらの廃油等を原料として貯留する原料タンク60と、原料ポンプ61と、原料を加熱・気化させる原料蒸発器62と、蒸気発生装置40により、原料供給装置が構成されており、原料蒸発器62によって気化された原料に、水蒸気LSが混合された原料ガスMGは、上述の予熱操作によって、改質温度にまで昇温された改質室14に向けて原料ガス導入管33に送入される。
この原料ガスMGは、蓄熱体2のハニカム型の導通部21を通過しながら所定の改質温度まで一気に昇温されるとともに、含有する水蒸気と炭化水素の改質反応により、水素や一酸化炭素を含む可燃性のガス(改質ガスRG)に改質される。
熱改質装置1における改質反応により生成された改質ガスUGは、改質ガス排出管16から排出されて、原料蒸発器62において熱交換により降温されたのち、熱回収ユニット63においてさらに熱回収及び冷却が行われ、圧縮機64で昇圧されてから、後続の水素精製装置65に送入されて製品水素HHが精製される。
さらに、水素精製装置65で水素分離がなされた残余のオフガスOGは、オフガスホルダ66に貯留されるとともに、オフガスブロワ67により前記バーナ装置17の燃料として混合制御弁68を介して流量調節されて供給される。
この実施の形態では、本発明の熱改質装置1を用いて液体燃料から水素を主体とする可燃性ガスを製造し、発電や燃料電池等の用途に使用することができる。また、原料供給装置を簡略化した同様の構成により、LPG等の炭化水素系ガスからの水素製造設備として利用することも可能である。
本発明に係る熱改質装置の構造の一例を示す縦断面図である。 本発明に係る熱改質装置を用いた熱分解ガス化・改質設備の一例を示す構成図である。 (a)が蓄熱体2の断面構造を示す図1におけるA―A線視図、(b)が回転台23の断面構造を示す図1におけるB−B線視図、及び(c)が第2ケーシング3の上部平面構造を示す図1におけるC−C線視図である。 本発明に係る熱改質装置を用いた水素製造設備の一例を示す構成図である。 従来の改質装置の概略構造を示す縦断面図である。 従来の改質装置を備えた熱分解ガス化・改質設備の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 熱改質装置
12 炉壁
13 隔壁
14 改質室
15 燃焼室
2 蓄熱体
22 耐熱部材(周囲部)
26 ハニカム体
38 水蒸気ノズル
51 圧力制御装置
EG 燃焼ガス
SG 原料ガス

Claims (2)

  1. 耐火製の炉壁と、その内部を燃焼室と改質室に区画する隔壁と、該隔壁の先端に対向して設けられた該炉壁の開口部に配置された回転式の蓄熱体とを備え、前記燃焼室で発生させた燃焼ガスを通過させて前記蓄熱体に給熱するとともに、前記改質室に導入する原料ガスを前記蓄熱体との熱交換により昇温させて改質する熱改質装置において、
    前記蓄熱体と前記隔壁の先端間で生じる前記燃焼室と前記改質室間でのガス混入を防止する圧力制御装置と、前記蓄熱体の背面で生じるガス混入を防止する水蒸気噴射手段とを備えたことを特徴とする熱改質装置。
  2. 耐火製の炉壁と、その内部を燃焼室と改質室に区画する隔壁と、該隔壁の先端に対向して設けられた該炉壁の開口部に配置された回転式の蓄熱体とを備え、前記燃焼室で発生させた燃焼ガスを通過させて前記蓄熱体に給熱するとともに、前記改質室に導入する原料ガスを前記蓄熱体との熱交換により昇温させて改質する熱改質装置において、
    前記蓄熱体は、中央部分に複数体配列された、複数条のガス流路を有するハニカム体と、その外周に配置されたガス流路を持たない耐熱部材から構成されたことを特徴とする熱改質装置。
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