JP2011011959A - コークス炉ガスの無触媒改質方法及び改質装置 - Google Patents

コークス炉ガスの無触媒改質方法及び改質装置 Download PDF

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Abstract

【課題】改質運転開始前の起動時間を短縮すること。
【解決手段】コークス製造過程で副生されたコークス炉ガスを改質炉に導入して無触媒で部分酸化反応及び水蒸気改質反応させるコークス炉ガスの無触媒改質方法において、複数の起動用バーナ15を起動させて発生する燃焼ガスを改質炉1内に導入し、この改質炉1内の導入部41の温度を起動用バーナ15の燃料ガスの自己着火温度以上に昇温させた後、起動用バーナ15の一部の起動用バーナ15の酸素含有ガスの供給を停止させてから、起動用バーナ15より供給された燃料ガスが改質炉1内の導入部に到達するまでの時間内に、導入部41に酸素含有ガスを直接供給し、燃料ガスを自己着火燃焼させて改質炉1内の温度を昇温させた後、コークス炉ガスを改質炉1に導入する。
【選択図】図1

Description

本発明は、コークス製造過程で副生するコークス炉ガスの無触媒改質方法及び改質装置に関する。
石炭から製鉄高炉用や鋳物キュポラ用のコークスを製造する過程においては、低発熱量のコークス炉ガスが大量に副生される。このコークス炉ガスは、所内発電用ボイラや加熱炉用の燃料等に用いられるが、余剰のガスが大気に放散されたり、単純燃焼処理されると、大気中に多量の二酸化炭素が放出される。
コークス炉ガスは、石炭が熱分解したときに生成される多様な成分から構成され、例えば、非特許文献1、非特許文献2で示すように、水素、一酸化炭素、窒素、メタン、エチレン等とともに、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族、ナフタレン、ピリジン、アントラセン等の多環芳香族、さらに重質なタール、アンモニア、硫化水素、シアン化水素等が含まれている。
したがって、コークス炉ガスを水素や一酸化炭素がリッチなガスに改質し、特に重質成分を軽質炭化水素に改質することにより、原料ガスとしての利用価値が高まり、二酸化炭素排出量の削減につながる。
特許文献1には、酸素、燃焼ガス(コークス炉ガスを含まず)、高温の水蒸気等をコークス炉ガスに直接吹き込んでコークス炉ガスの一部を燃焼して昇温させ、無触媒で、吸熱反応によりコークス炉ガス中の重質成分を軽質炭化水素に水蒸気改質する技術が開示されている。
特開2001−220584号公報
日本エネルギー学会誌、Vol.85(2006)、P364−370 日本エネルギー学会誌、Vol.85(2006)、P342−347
ところで、特許文献1によれば、コークス炉ガスの温度を900℃以上に加熱して水蒸気改質を行うことが記載されている。しかしながら、コークス炉ガスは、例えば1200℃以下では改質反応がほとんど進まないのに対し、例えば1500℃以上ではタール等の重質分の分解は進むが、注入する酸素や燃焼ガスが過剰に必要となり、燃焼により消費される水素などの原料ロスが増えるため、改質時の効率が大幅に低下する。したがって、コークス炉ガスの改質効率を高める上で加熱温度の適正化は重要な課題となる。
また、設備を起動させて改質運転を開始するまでに、コークス炉ガスを改質する改質炉内の温度を常温から1200℃以上に予熱昇温するためには長時間を要するため、起動昇温時には多量のエネルギー(燃料)が必要となる。
また、コークス炉ガスの水蒸気改質反応時には、改質炉内で反応ガス中の水分当量とカーボン当量が所定の比率で反応するが、水分当量が不足する場合、生成される改質ガス中にカーボンが析出してガス流路を閉塞させるおそれがある。一方、水分当量が過剰の場合、ガス温度が低下するため、吸熱反応による水蒸気改質反応の効率が低下し、改質ガスの品質が低下するおそれがある。ここで、反応ガス中における水分量は、コークスの原料石炭中に含まれる水分量と、改質炉内に投入された酸素がコークス炉ガス中の炭化水素と反応して生成される水分量によって変動するため、例えば原料石炭の含水率が変動すると、改質ガスの品質や改質効率に影響を与えるおそれがある。
本発明は、改質運転開始前の起動時間を短縮することを第1の課題とする。
本発明は、コークス炉ガス中の水分量の変動に関わらず、改質ガス中のカーボンの析出を抑制するとともに改質反応の効率を高め、改質ガスの品質を安定化させることを第2の課題とする。
ここで、本発明のコークス炉ガスの無触媒改質方法において、改質炉を起動させる方法について説明する。改質炉の起動時には、改質炉内を改質反応が進行する温度まで昇温させる必要がある。ところが、改質反応時の改質炉内の温度は、例えば1300℃以上であるため、例えば炉内に昇温用バーナを設けると、改質運転中に溶損するおそれがある。そのため、炉内には、例えば、融点が1400℃以下の材料からなる昇温バーナをそのまま設置することができない。そこで、コークス炉ガスを改質炉の入口に導く導入路の入口側に起動用バーナを設置して、その燃焼ガスの流れを改質炉内に導くことにより炉内を昇温する方法が考えられる。しかし、この昇温方法は、燃焼ガスの対流熱伝達を利用しているため、昇温速度が遅く、例えば炉内を1300℃以上にするためには、数十時間を要する。
そこで、本発明は、上記の課題を解決するため、コークス製造過程で副生されたコークス炉ガスを改質炉に導入して無触媒で部分酸化反応及び水蒸気改質反応させる無触媒改質方法において、複数の起動用バーナを起動させて発生する燃焼ガスを改質炉に導入し、この改質炉内の導入部の温度を起動用バーナの燃料ガスの自己着火温度以上に昇温させた後、起動用バーナの一部の起動用バーナの酸素含有ガスの供給を停止させてから、この起動用バーナより供給された燃料ガスが改質炉内の導入部に到達するまでの時間内に、導入部に酸素含有ガスを直接供給し、燃料ガスを自己着火燃焼させて改質炉内の温度を昇温させた後、コークス炉ガスを改質炉に導入することを特徴とする。
本発明によれば、改質炉内にバーナなどの構造物を設けることなく、改質炉内で直接燃料を燃焼させて火炎を形成することができるため、改質炉内の耐火物を火炎からの直接輻射熱により加熱することができる。これにより、改質反応に必要な温度まで短時間で昇温することができ、起動用の燃料の使用量を低減することができる。
この場合において、改質炉内の温度が昇温された後、改質炉にコークス炉ガスを導入するときの改質炉内の導入部の温度を、1260℃以上1430℃以下、好ましくは1340℃以上1390℃以下とする。
このように、改質炉内の温度をコークス炉ガスの温度(例えば600℃〜900℃)よりも高い所定の温度まで加熱させた状態で、コークス炉ガスを改質炉に導入することにより、コークス炉ガスを部分酸化反応により容易に上記の温度まで昇温させることができるため、水蒸気改質反応を高い効率で行うことが可能となる。そして、導入部には、コークス炉ガスとともに酸素含有ガスを供給し、導入部の温度を1260℃以上1430℃以下、好ましくは1340℃以上1390℃以下となるように維持して水蒸気改質反応を行うことにより、コークス炉ガスは、ガスに含まれる通常は分解しにくい重質炭化水素が、熱分解反応により軽質炭化水素、主としてメタンに変換される。そして、このメタンは、コークス炉ガス自身に含まれる水分及び部分酸化反応で生成された水分と反応して水蒸気改質反応が進行するため、水素及び一酸化炭素に富んだ改質ガスを得ることができる。
改質炉内の実際の反応は非常に複雑で、コークス炉ガスの場合、原料自身にメタンを30%ほど含んでいるため、熱分解とメタン改質は見かけ上同時に進行する。ただし、反応速度の順番は、部分酸化反応>熱分解反応>水蒸気改質となるため、同時進行の場合でも改質炉内での反応の収束は、部分酸化反応と熱分解反応は改質炉のほとんど前の方で終了し、吸熱反応であるメタンの改質反応と、一酸化炭素と水蒸気が反応して水素と二酸化炭素に変換するシフト反応が改質炉内の後側まで長く継続する。このことからも改質炉の反応温度を適切に設定することが最重要事項となる。
ここで、熱分解反応とメタンの改質反応は温度が高い方が進み易いが、温度を上げるには、酸素含有ガスとして、例えば酸素又は空気よりも高濃度の酸素を含むガス量の供給量を増やす必要がある。また、温度を上げた場合、燃焼ロスとして、改質ガス中の二酸化炭素が多くなり効率が低下する。これに対し、本発明では、改質炉内の反応温度を1450℃以下、望ましくは1390℃以下としているため、このような効率の低下を防ぐことができる。
また、本発明のコークス炉ガスの改質装置は、コークス炉から排出されたコークス炉ガスを導入して無触媒で部分酸化反応及び水蒸気改質反応させる改質炉と、コークス炉から排出されたコークス炉ガスを改質炉に導く導入路に設けられ、燃料ガスと酸素含有ガスを導入路に供給して燃料ガスを燃焼させる複数の起動用バーナと、改質炉内のコークス炉ガスの導入部に酸素含有ガスを供給する複数の酸素含有ガス供給孔とを備えた改質装置において、起動用バーナは、燃料ガスと酸素含有ガスを導入路にそれぞれ供給する供給管に開閉弁を備えていることを特徴とする。
このように構成すれば、改質炉の起動時には、各起動用バーナにおいて燃料ガスと酸素含有ガスの供給停止を自在に調整することができるため、起動運転時には、燃料ガスを改質炉内で直接燃焼させて火炎を形成することができる。これにより、改質炉を改質反応に必要な温度まで短時間で昇温させることができ、起動用の燃料の使用量を低減することができる。
また、改質装置は、導入路を加熱する加熱手段と、導入路の温度を計測する温度計測手段と、この温度計測手段の計測結果に基づいて加熱手段の加熱出力を制御する制御手段とを備え、制御手段は、導入路の温度を400℃以上800℃以下に保持するように制御するものとする。
これにより、コークス炉ガスに含まれる重質炭化水素が400℃未満で液化凝集することによる流路の閉塞を防ぐことができ、さらに、800℃を超える温度で生じる炭化水素の高温熱分解カーボンの析出による流路の閉塞や、流路途中で原料となるコークス炉ガス中の成分損失が生じることがないため、コークス炉ガスを安定して改質炉に導くことができる。
また、改質装置は、コークス炉に投入する原料石炭中の含水率を計測する含水率計測手段と、改質炉への水蒸気の供給量を調整する流量調整弁と、この流量調整弁の弁開度を制御する制御手段とを備え、制御手段は、含水率計測手段で計測された原料石炭中の含水率からコークス炉ガス中の水蒸気量を算出し、改質炉に供給する酸素量から部分酸化反応により生じる水分量を算出し、これらの合計による水分当量とコークス炉ガス中のカーボン当量とから、カーボン当量に対する水分当量の比率を算出し、この比率が設定値未満の場合は、比率を設定値とするために必要な水分量を原料石炭の乾留時間で除して算出された単位時間当たりの水分量に基づいて流量調整弁の弁開度を制御し、比率が設定値以上の場合は、流量調整弁を閉じるように制御するものとする。
すなわち、改質装置は、改質炉内の水蒸気改質反応に必要な水蒸気の要否とその供給量を原料石炭中の含水率から予め算定した後、その算定された量の水蒸気を改質炉内に供給する。これにより、原料石炭中の含水率の変動に起因するコークス炉ガス中の水分量の変動に関わらず、改質炉内への不必要な水蒸気の供給を防ぐことができるため、改質ガスの品質を安定化させるとともに、水蒸気の供給量を一定に保持する制御が可能となる。また、改質炉内での水蒸気不足によるカーボンの析出を抑制するとともに、改質ガス中の未改質のメタン含有率の増加に伴う改質ガスの品質低下等を防止することができる。
さらに、改質装置は、改質炉から排出される改質ガスを、冷却手段を介して吸引する吸引手段と、冷却手段と吸引手段との間に設けられ、冷却手段で冷却された改質ガスから分離された凝縮水を貯めて排水する排水手段とを備えるものとする。
すなわち、改質ガスの成分は、そのほとんどが水素、一酸化炭素、二酸化炭素及び水蒸気であるため、改質炉から排出された改質ガスを冷却手段で100℃以下に冷却すると、大量に凝縮液が発生する。そのため、この凝縮液を貯めてから排水する排水手段を設けることにより、例えば、改質ガスの流路が凝縮水により閉塞することを防ぐことができ、かつ、2層流化による流動抵抗増大による補機動力増加を防ぐことができる。
本発明を適用してなるコークス炉ガスの改質炉を組み込んだ改質システムの構成及び改質システムのフローを示す図である。 改質炉内の導入部の最高温度と改質ガス中の残留メタン濃度との関係を示す図である。 改質炉内の導入部の最高温度と改質ガス中の水素濃度、一酸化炭素濃度及び二酸化炭素濃度との関係を示す図である。 ガス増幅比と冷ガス効率との関係を示す図である。 改質炉内の導入部の最高温度と改質ガスのガス増幅比及びR値との関係を示す図である。 本発明を適用してなるコークス炉ガスの改質炉の起動開始後の時間と改質炉の導入部の温度との関係を示す図である。 含水率10%の原料石炭を用いたときのコークス炉の1つの窯から発生するコークス炉ガス中の水分含有量について、装炭からコークス押し出しまでの時間変化を示す図である。 含水率5%と10%の原料石炭を用いてコークス炉の5つの窯から発生するコークス炉ガスを合流させたコークス炉ガス中の水分当量とカーボン当量の比について、装炭からコークス押し出しまでの時間変化を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明を適用してなるコークス炉ガスの改質装置を組み込んだ改質システムの構成及び改質システムのフローを示す図である。
本実施形態の改質システムは、改質炉1とコークス炉3を備えて構成される。コークス炉3とは、原料石炭を乾留してコークスを製造するための炉であり、複数の窯から構成される。改質炉1とは、コークス炉3で副生されたコークス炉ガスを無触媒で改質するための炉である。ここで、コークス炉3から出たコークス炉ガスは、狭義では、水噴射で冷却し、タール分、ベンゼン等の芳香族類、硫黄分、塩分、アンモニア、水分等を除去して精製されたガスのことをいうが、本実施形態における、コークス炉ガスとは、コークス炉3から出た未処理のタール分を含む高温の生のガス(いわゆる高温コークス炉ガス)を意味するものとする。
コークス炉3には、1番窯5a、2番窯5b、3番窯5c、4番窯5d及びN番窯5eが設けられ、各窯5の排出口にはそれぞれ取出管7a,7b,7c,7d,7eが接続されている。取出管7a,7b,7c,7d,7eは、それぞれ導入管9と連結されており、導入管9は改質炉1の入口部に一端が接続された導入管11と連結されている。取出管7a,7b,7c,7d,7eには、それぞれスライドダンパー13a,13b,13c,13d,13eが設けられ、各窯5の排出口が開閉可能になっている。
導入管11には2個の起動用バーナ15a,15bが設けられている。より具体的には、導入管11の改質炉1と反対側の端部に起動用バーナ15aが設けられ、導入管11の起動用バーナ15aよりも改質炉1に近い方の所定位置に起動用バーナ15bが設けられている。起動用バーナ15a,15bには、燃料ガスと酸素含有ガスを導入管11内に供給するための供給管(図示せず)がそれぞれ設けられ、各供給管には供給量を調整するための調整弁(図示せず)が設けられている。ここで、酸素含有ガスとは、酸素又は空気よりも高濃度の酸素を含むガスをいう。燃料ガスとは、炭化水素などの周知の可燃性ガスをいう。
改質炉1は、例えば横型筒状の容器で形成され、長手方向の一端の入口側には導入管11が接続され、他端の出口側には吸引管17が接続されている。改質炉1の炉内空間は例えば円柱状に形成され、入口付近と出口付近はそれぞれ空間断面積が入口と出口に向かって次第に減少するように、例えば円錐状に形成されている。炉内空間の入口側には炉壁を貫いて複数の酸素供給管19が設けられている。改質炉1の出口側には炉壁を貫いて炉内に水蒸気を供給する蒸気ノズル21が設けられている。酸素供給管19及び蒸気ノズル21は、炉内温度で加熱されても溶損しない耐熱材料で形成され、特に酸素供給管19は高温の炉内温度の影響を少なくするため、先端部分が炉壁内に位置するようになっている。以下、酸素供給管19及び蒸気ノズル21などを備えた改質炉1を改質装置と総称する。
改質炉1に一端が接続された吸引管17は、熱交換器23を経由して他端が貯水容器25内に装入されている。貯水容器25には水封式の自動排出装置27が設けられ、貯水容器25内に貯められた水を自動的に排水するようになっている。吸引管17の途中から分岐した吸引管29を介して遠心式固形物分離装置31の入口部に接続され、遠心式固形物分離装置31の出口部は排出管33を介して散水式固形物分離装置35のガス導入口に接続されている。散水式固形物分離装置35のガス排出口は、排出管37を介して吸引送風機39の吸引口に接続されている。なお、散水式固形物分離装置35の底部には配水管が接続されている。
次に、このようにして構成される改質システムにおける改質装置の起動方法について説明する。
本実施形態において、改質装置の起動時は、コークス炉3の各窯5a,5b,5c,5d,5eのスライドダンパー7a,7b,7c,7d,7eをすべて閉止した状態で開始する。ここで、改質炉1の炉内空間の入口側で酸素供給管19の酸素供給口付近(以下、導入部41という。)の温度は、起動前の常温から、無触媒の改質反応が可能なおよそ1260℃以上に昇温させる必要がある。そのため、起動用バーナ15a,15bは、それぞれ燃料ガスと酸素含有ガスを供給口から噴出させて燃焼させ、その燃焼ガスの流れ43を改質炉1内に導入して昇温を開始する。
続いて、導入部41の温度が起動用バーナ15a,15bの燃料ガスの自己着火温度以上になると、一部の起動用バーナ15、つまり2個のうち1個の起動用バーナ15の燃焼に必要な酸素含有ガスの供給を停止させ、燃焼を停止させる。そして、その起動用バーナ15の酸素含有ガスの供給を停止させた後、その起動用バーナ15の供給口から供給された燃料ガスが導入管11を通って改質炉1内の導入部41に到達するまでの時間以内に、改質炉1の酸素供給管19から酸素含有ガスを導入部41に供給する。これにより、導入部41に到達した燃料ガスは自己着火燃焼し、その火炎の輻射熱により導入部41の空間温度(炉壁などの耐火物を含む)を直接昇温する。
ここで、起動用バーナ15が1個の場合は、その起動用バーナを消火すると火炎(着火源)がなくなるため、例えば、改質炉1内で燃焼に失敗して失火すると改質炉1の後流側で爆発性ガスが充満するおそれがあるため、起動用バーナ15は少なくとも2個以上設けておくことが必要となる。つまり、火炎すなわち着火源を最低一つ以上残しておくことで失火や異常燃焼、爆発等を防止することができる。例えば、3個の起動用バーナ15を設置した場合、1個または2個の起動用バーナ15の酸素含有ガスの供給を停止させるようにする。
また、改質炉1内の酸素供給口が1個の場合は、改質炉1内に偏流が生じて酸素供給部の対向面側が過度の高温となり溶融してしまうおそれが高く、一方で、改質炉1の内面には昇温できない領域が生じてしまうおそれがある。そのため、改質炉1内には酸素供給口を2個以上、望ましくは相互に対象な位置に複数設けることにより、均一に改質炉1内を昇温することができる。
起動用バーナ15から供給される燃料ガスとしては、例えば、精製コークス炉ガス(コークス炉ガスからタール分、ベンゼン等の芳香族、硫黄分、塩分、アンモニア、水分等を除去したもの)、プロパンガス、都市ガスなどを用いることができるが、燃料費や設備費の点から、改質炉1から出る改質ガスを除塵、脱硫、脱水したガス(主成分は水素、一酸化炭素、二酸化炭素、少量のメタン)を用いることが好ましい。また、燃料ガスの着火温度は、これらのガスの主要成分によって決まるが、正確には実験で測定される。例えば、精製コークス炉ガスや改質ガスは、主要成分である水素が50%以上を占めるため、約560℃で自己着火するのに対し、都市ガスの場合は595℃以上にならなければ自己着火しない。
図6は、本発明を適用してなる改質炉1の起動後の時間と導入部41の温度との関係を示す図である。図の下側の線bは、起動用バーナ15a,15bの燃焼ガスを改質炉1内に導入することにより昇温した場合を示し、上側の線aは、本実施形態による起動方法により昇温した場合を示す。
線bに示すように、起動用バーナ15a,15bの燃焼ガスを改質炉1内に導入して昇温する場合、無触媒の改質反応が可能な条件であるおよそ1260℃以上に導入部41の温度を昇温させるためには9時間以上かかる。この場合、起動用バーナ15a,15bの燃焼量を大きくすれば、昇温時間を短くできるが、時間当たりの燃料の消費量が多くなり、燃料の消費量と二酸化炭素発生量が多くなるため望ましくない。
これに対し、線aに示すように、起動後に導入部41の温度が燃料ガスの自己着火温度に達したときに1個の起動用バーナ15の燃焼に必要な酸素含有ガスの供給を停止させた後、その起動用バーナ15の燃料ガスが導入部41に到達する時間以内に、酸素含有ガスを改質炉1内に直接供給し、起動用バーナ15からの燃料ガスを導入部41に導いて自己着火燃焼させ、導入部41を直接昇温させた場合、4時間以内に導入部41の温度を1260℃まで昇温させることができる。
次に、このようにして改質炉1の導入部41を所定の温度まで昇温させた後、コークス炉ガスを改質炉1内に導入する。スライドダンパー13a,13b,13c,13d,13eを開放し、コークス炉3の1番窯5a,2番窯5b,3番窯5c,4番窯5d,N番窯5eから取出されたコークス炉ガスは、図1の矢印で示すように、それぞれ取出管7a,7b,7c,7d,7eを流れて導入管9に入り、その後、導入管11を経由して改質炉1内に入る。改質炉1内には、酸素供給管19から酸素含有ガスが吹込まれるため、コークス炉ガスの一部は、発熱反応である部分酸化反応により温度が上がる。ここで、導入部41に吹込む酸素含有ガスの供給量を調整することにより、導入部41の温度を1260℃以上の所定温度範囲に保持することができる。
コークス炉ガスが改質反応を開始すると、コークス炉ガス中の重質炭化水素がメタン等に軽質化する。軽質化されたガスは引続き水蒸気改質反応により約1100℃の改質ガスとなる。その後、改質炉1内の出口手前で蒸気ノズル21から吹き込まれる水蒸気45で約700℃〜800℃に冷却されて高温改質ガス47となる。改質炉1の出口から排出された高温改質ガス47は、熱交換器23で冷却された後、遠心式固形物分離装置31、散水式固形物分離装置35を経由して、吸引送風機39に導かれ、その後、改質ガス49として次の工程へ送られる。
次に、コークス炉ガスを高効率で改質するための適正な温度範囲について検討した内容について説明する。
ここで、コークス炉ガスの水蒸気改質性能を評価する指標について説明する。
評価指標の一つとして、有効に利用できる合成ガス成分(水素と一酸化炭素)に注目し、改質前のコークス炉ガス中の水素と一酸化炭素量に対する改質後のガス(改質ガス)中の水素と一酸化炭素量の比を有効ガス増幅比とする(次式)。
有効ガス増幅比=A/B
A:改質ガス中の水素と一酸化炭素の0℃、1気圧の標準状態における合計体積
B:コークス炉ガス中の水素と一酸化炭素の0℃、1気圧の標準状態における合計体積
一方、改質炉1の性能評価の指標であるガス増幅比に対して、一般的に発電用ガスとして使用する石炭ガス化炉の性能評価指標として使用される冷ガス効率がある(次式)。
冷ガス効率=C/D×100 : 単位%
C:改質ガスの単位時間当たりの高品位総発熱量
D:投入したすべての原料の単位時間当たりの高品位総発熱量
発電用として開発を進めている多くの石炭ガス化炉では、冷ガス効率78%以上が効率のよいガス化炉の目標値として設定されており、冷ガス効率78%以上とするためには、改質炉1で評価するガス増幅比に換算すると2.0以上が必要である。
また、メタノール合成ガス原料としては、以下の式で定義されるR値(ガス組成最適評価指標)が指標となる。
R値=E/F≒2(理想値)
E:改質ガス中の0℃、1気圧の標準状態における水素体積と二酸化炭素体積の差。つまり、E=(水素の体積−二酸化炭素の体積)となる。
F:改質ガス中の0℃、1気圧の標準状態における一酸化炭素体積と二酸化炭素体積の合計。つまり、F=(一酸化炭素の体積+二酸化炭素の体積)となる。
ただし、メタノール合成時の想定反応として主反応を、CO+2H→CHOH、及び、随伴反応をCO+H→CO+HOとする。
また、炭素数が2以上の炭化水素の熱分解あるいは改質を経た後、炭化水素の最小要素であるメタンが改質ガス中の残留している濃度が改質性能の指標として有効である。本実施形態では、本発明を検証する目的で、コークス炉ガス取出管、改質炉、改質ガス冷却装置、配管、制御装置及びガス分析器から構成される試験装置を稼動中のコークス炉建屋に設置して実際のコークス炉ガスを使用した無触媒の改質試験を行って試験データを取得した。
図2は、稼動中のコークス炉から取り出して行ったコークス炉ガスの無触媒の改質試験における、導入部41の最高温度と改質ガス49中に残っているメタンガス濃度との関係を示した図である。図3は、導入部41の最高温度と改質ガス49中の水素濃度、一酸化濃度及び二酸化炭素濃度との関係を実測して調べた結果を示す図である。図4は、前述した有効ガス増幅比と冷ガス効率との関係を示す。図5は、前述の有効ガス増幅比及びR値と導入部41の最高温度との関係を実測して調べた結果を示す図である。以下、本実施形態におけるコークス炉ガスのガス組成例を表1、改質ガス49のガス組成例を表2に示した上で、図2〜5の内容について詳細に説明する。
Figure 2011011959

Figure 2011011959
改質炉1内に入ったコークス炉ガスに酸素供給管19より供給する酸素量を増加させて、導入部41の最高温度を上げていくと吸熱反応である改質反応CH+2HO→4H+COが進み、改質ガス中に残留するメタン濃度が減少する。図2に示すように、導入部41の最高温度が1260℃以上になると、改質ガス49中の残留メタン濃度が2%以下に、1440℃以上ではほぼ0%となる。これに対し、導入部41の最高温度が1100℃以下では、改質ガス中の残留メタン濃度は25%以上となる。このことは、表1に示したコークス炉ガス中に含まれるメタン濃度が31.8%であることから、導入部41の最高温度が1100℃以下では、大半のメタンが改質されないことがわかる。また、導入部41の最高温度が1100℃を超えて1260未満の温度域では、改質ガス49中の残留メタン濃度は導入部41の最高温度の上昇とともに低下するが、2〜22%の範囲であり、十分にメタンの改質が行われていないことがわかる。つまり、改質ガス49中の残留メタン濃度を2%以下にするためには、導入部41の最高温度が1260℃を超えている必要がある。
図3に示すように、改質ガス49の化学原料用として有効な成分である原料のコークス炉ガスの含有率である水素の濃度が60%以上となり、投入した原料に元々含まれている濃度以上の水素が改質により増加していることを示す結果が得られる導入部41の最高温度は1290℃以上1410℃以下である。さらに、メタノール合成用原料ガスとしての最適値R2.0付近を満足するため、及び、ガス増幅比2以上とするためには、燃焼ロスにより発生する二酸化炭素の濃度が10%以下である必要があり、そのためには導入部41の最高温度は1330℃以上1390℃以下の範囲でなければならない。
図4に示すように、ガス増幅比が1.0から2.5まで増加した場合に、これを冷ガス効率として換算すると、40%から98%に相当し、冷ガス効率を78%以上とするためには、ガス増幅比を2.0以上とすることが必要である。
また、図5の結果から次のことがわかる。改質炉1内に入ったコークス炉ガス中に供給する酸素量を増加させて、導入部41の最高温度を上げていくと吸熱反応である改質反応CH+2HO→4H+COが進み、改質ガス中の有効成分である水素ガス量が増加する。また、導入部41の最高温度を1340℃以上にするとガス増幅比は2以上となり、導入部41の最高温度を1430℃以上にすると燃焼ロスする原料ガス量が増えるため、ガス増幅比は2以下となる。一方、化学原料用ガスとしてメタノール原料ガスとしての最適な改質ガス組成の指標であるR値が2付近となるのは、導入部41の最高温度が1280℃以上1390℃以下の範囲である。したがって、これらのガス増幅比2以上でかつR値2付近の両方を満足する導入部41の最適な最高温度は、1340℃以上1390℃以下の範囲となる。
ここで、本実施形態の説明で用いる最高温度とは、周知の温度計測手段(例えば、温度センサ)により計測された温度を意味するが、改質炉1を製造する時点では、改質炉1内のどの位置に温度センサを設置して最高温度を計測すればよいのかわからない場合がある。このことから、実際の最高温度を計測するため、例えば、実際の改質炉1に入口から流れ込む原料ガスの流れ方向の中心軸線上に複数(5〜6個程度)の温度センサを等間隔で設置した後、試運転で改質反応試験を行い、複数の温度センサの中から最も計測温度の高いものを、最高温度を計測する温度センサとして改質炉1の運転制御用に採用する方法が取られる。
次に、本実施形態では、図1に示すように、コークス炉3から取り出したコークス炉ガスが流れる流路となる導入管9を、配管昇温用ヒータ51,53で予め加熱するようにしている。ここで、配管昇温用ヒータ51,53は、周知の発熱手段を導入管9に巻きつけて管壁を直接加熱する構造になっているが、管壁を加熱するものであれば、これに限られるものではない。配管昇温用ヒータ51,53の温度は、導入管9に取り付けた温度計55により導入管9の管壁の温度を計測し、その温度を電気信号に変換して温度制御装置(図示せず)により配管昇温用ヒータ51,53の出力制御又はオンオフ制御を行うことにより常時所定の温度範囲に保持することができる。
例えば、各窯5の取出管7a,7b,7c,7d,7eにそれぞれ設けたスライドダンパー13a,13b,13c,13d,13eを閉じた状態でコークス炉ガスを導入する前に、導入管9を例えば400℃以上800℃以下に予め加熱しておく。このようにすれば、各窯5のスライドダンパー7a、7b、7c、7d,7eをあけてコークス炉ガスを導入するときに、コークス炉ガスに含まれる重質炭化水素が400℃未満の温度で液化凝集することによる流路閉塞が生じない。また、800℃を超える温度でコークス炉ガスに含まれる炭化水素が高温熱分解することによりカーボンが析出して流路を閉塞することがなく、さらに流路の途中で原料成分の損失が生じることがない。したがって、コークス炉ガスを安定して改質炉1に導入することができる。
また、導入管9の加熱手段としては、配管昇温用ヒータ51,53に代えて、或いは、これとともに、配管昇温用バーナ57を改質炉1から最も遠い位置の導入管9の端部に取り付け、燃料ガスを導入管9内に通流させることにより、導入管9を内部から加熱するようにしてもよい。
ところで、コークス炉ガスを水蒸気改質する際に、改質炉1内の反応ガス中の水分が不足すると、生成された改質ガス中にカーボンが析出することが知られている。この水分不足の判定は、改質炉1内の反応ガス中の水分当量とカーボン当量との比率により判断することができる。例えばメタンの水蒸気改質反応において、その反応式はCH+2HO→3H+CO+HO→4H+CO又はCH+HO→3H+COである。つまり、反応ガス中のカーボン当量に対する水分当量の比率は、前者の反応式では2.0であるため、比率が2.0以上となる量の水分又は水蒸気を改質炉1内に投入する必要がある。また、後者の反応式では改質するガス中のカーボン当量に対する水分当量の比率は1.0であり、同様に比率が1.0以上となる量の水分又は水蒸気を改質炉1内に投入する必要がある。つまり、これより低い比率で水分が不足する場合、例えば比率を0.5とした場合は、化学反応式を一例で示すと2CH+HO→5H+CO+Cとなり、カーボンが析出する反応となる。
本実施形態では、酸素を原料として改質炉1内に投入しているが、その酸素の投入により導入部41で生じる部分酸化反応の反応式は、メタンの場合に例えばCH+O→CO+HO+H、水素の場合に例えば2H+O→2HOとなる。つまり、酸素を原料として部分酸化反応が起こると反応ガス中には水蒸気が発生する。この水蒸気の発生量は炉内に投入される酸素量から算定することができる。このため、改質ガス中にカーボンが析出しない条件は、反応ガス中におけるカーボン当量に対する水分当量の比率が、例えば1.0未満のときであり、この水分当量には、部分酸化反応により生じた水分量が含まれる。
したがって、原料石炭中の含水率から算定されるコークス炉ガス中の水分量と酸素を原料として部分酸化反応により生じる水分量とから求めた水分当量の合計値と、コークス炉ガス中のカーボン当量との比率を算定し、コークス炉ガス中のカーボン当量に対する水分当量の合計値の比率がカーボン析出条件で決定される値未満の場合、不足する水分量を外部から補給すれば、改質ガス中のカーボンの析出を防ぐことができる。例えば、改質炉1内でのコークス炉ガス中のカーボン当量と投入する酸素当量の比率が1.0対0.25の場合、2H+O→2HOの反応が導入部41で主として生じるので、部分酸化反応により生じる水分当量は0.25×2=0.5となる。
ところで、コークスの原料である石炭は、外部で保管中に大気中の水分を大量に吸収することや粉塵防止のために散水することから、年間を通じて石炭の重量比で7%から10%程度の含水率を有することが知られている。最近のコークス製造設備においては、原料石炭の含水率を減少させてコークス製造に必要となる燃料使用量を削減するために原料石炭の水分調湿設備を設けていることが多く、一般的に含水量を石炭の重量比で5%程度に調節している。
この原料石炭中に含まれる水分はコークス製造中にコークス炉ガス中に放出されることから、コークス炉への装炭から押し出し(乾留終了)までに排出されるコークス炉ガス中の水分量の時間変化を調べた。図7は、原料石炭中の含水率が重量比で10%の場合の1つの窯から発生するコークス炉ガス中の単位体積当たりの水分含有量の時間変化を調べた結果を示すものである。
本実施形態では、図1で示したように、コークス炉3の1番窯5a,2番窯5b,3番窯5c,4番窯5d及びN番窯5eからそれぞれ発生するコークス炉ガスが混合された状態で改質炉1に導入されるため、混合したコークス炉ガスに含まれる水分含有量の変化は、図7の水分含有量の変化を、時間軸をずらして重ね合わせた変化となる。
図8は、原料石炭中の含水率が重量比で5%及び10%の場合に、5つの窯5から排出されたコークス炉ガスを合流したコークス炉ガス中における、カーボン当量に対する水分当量の比率変化を計算した結果を示している。ここで、図8の上側の線aは原料石炭の含水率が10%の場合の比率変化を示し、下側の線bは含水率が5%の場合の比率変化を示している。図8からわかるように含水率が5%の原料石炭を用いた場合でも、コークス炉ガスのカーボン当量に対する水分当量の比率は、約0.3〜0.4の範囲で変動している。
ここで、上述した説明を踏まえたうえで、本実施形態の改質システムにおける改質炉1への水蒸気の供給方法について具体的に説明する。まず、改質炉1において、コークス炉3に装入する原料石炭中の含水率を測定し、その測定値からコークス炉ガス中の水分量(水蒸気量)を算定し、改質炉1に投入する酸素量から部分酸化反応で生じる水分量を算定する。そして、これらの水分量の合計の水分当量とコークス炉ガス中のカーボン当量とから、カーボン当量に対する水分当量の比率Xを求める。
次に、改質炉1内の想定される反応式から改質ガス中にカーボンが析出する比率Yを求める。ここで、Y<Xであればカーボンは析出しないことからY=Xとなるときの原料石炭中の必要含水率を逆算してカーボンが析出しない含水率A%の値を決定する。そして、相当する原料石炭中の含水率がA%以下のB%の場合は、装入する原料石炭重量の(A−B)%に相当する合計重量の水蒸気を乾留時間で除した単位時間当たりの平均供給量を蒸気ノズル21から改質炉1内に供給する。これにより、投入する原料石炭中に不足する水蒸気を補うことができるため、コークス炉ガス中の水分当量とカーボン当量の比率はすべての時間帯でY<Xとなる。これにより、改質ガス中にカーボンが析出することがないため、改質炉1や配管系統の詰まりを防止することができ、改質ガスの品質の低下を防止することができる。また、原料石炭中の含水率がA%以上の場合は水蒸気を供給しないため、不必要な水蒸気の投入がなく、結果として、改質ガスの品質を向上させることができるとともに、水蒸気の供給流量を一定に保持して制御を簡単化することができる。
本実施形態の改質システムでは、このような水蒸気の供給方法を実現するため、原料石炭中の含水率に基づいて改質炉1に供給する水蒸気の供給量を制御する構成として、コークス炉3に投入する原料石炭中の含水率を計測する含水率計測手段と、水蒸気供給手段から供給される水蒸気の供給量を調整する流量調整弁と、この流量調整弁の弁開度を制御する制御手段を有している。
水蒸気供給手段としては、所定の水蒸気量を各々の酸素供給管19の酸素含有ガスに混ぜて、酸素供給管19から炉内に供給することが最も効果的であるが、これに限られず、例えば、改質炉1の入口部又は導入管11等に水蒸気供給管を接続するようにしてもよい。ただし、水蒸気供給管を用いる場合は、低温の水蒸気の導入によりコークス炉ガスの温度が例えば400℃以下まで下がると、コークス炉ガス中のタール分が凝集して流路を閉塞させるおそれがあるため、投入する水蒸気の温度を例えば400℃以上とする必要がある。これに対し、水蒸気を酸素供給管19から導入する場合は、水蒸気の凝縮を防ぐため、酸素供給管19の温度を100℃以上とすればよいため、設備が簡単になる。なお、水蒸気はコークス炉ガスが改質炉1に導入された後の早い段階で投入しなければ、分解反応によりタールが生じるおそれがあるため、蒸気ノズル21を水蒸気供給手段として用いることは適切ではない。
制御手段は、含水率計測手段で計測された原料石炭中の含水率からコークス炉ガス中の水蒸気量を算出し、改質炉1内に供給する酸素量から部分酸化反応により生じる水分量を算出し、これらの合計による水分当量とコークス炉ガス中のカーボン当量とから、カーボン当量に対する水分当量の比率を算出する。そして、この比率が設定値未満の場合は、比率を設定値とするために必要な水分量を原料石炭の乾留時間で除した単位時間当たりの水分量を算出し、この算出された水分量が水蒸気供給手段から改質炉1内へ供給されるように、流量調整弁の弁開度を制御する。一方、前記比率が設定値以上の場合は、流量調整弁を閉じるように制御する。なお、設定値は、適宜に定めることができるが、通常は、想定される改質反応の化学式に基づく、カーボン当量に対する水蒸気当量の比率が適用される。
ところで、本実施形態の改質システムでは、改質炉1から抜き出された高温の改質ガスが吸引管17を流れて改質炉1の後流側に設置された熱交換器23を通過する際に、100℃以下に冷却されて凝縮水が大量に発生する。しかし、この凝縮水は貯水容器25に一時貯留された後、水封式自動排水装置27により自動的に排水されるため、凝縮水による配管流路の閉塞を防ぐことができる。また、2層流化による流動抵抗増大による吸引送風機39の動力増加を防ぐことができる。
1 改質炉
3 コークス炉
5a〜5e 1番窯〜N番窯
9,11 導入管
13a〜13e スライドダンパー
15a,15b 起動用バーナ
19 酸素供給管
21 蒸気ノズル
23 熱交換器
27 自動排出装置
39 吸引送風機
41 導入部
43 燃焼ガスの流れ
47 高温改質ガス
49 改質ガス

Claims (6)

  1. コークス製造過程で副生されたコークス炉ガスを改質炉に導入して無触媒で部分酸化反応及び水蒸気改質反応させる無触媒改質方法において、
    複数の起動用バーナを起動させて発生する燃焼ガスを前記改質炉に導入し、該改質炉内の導入部の温度を前記起動用バーナの燃料ガスの自己着火温度以上に昇温させた後、前記起動用バーナの一部の起動用バーナの酸素含有ガスの供給を停止させてから、該起動用バーナより供給された燃料ガスが前記改質炉内の前記導入部に到達するまでの時間内に、前記導入部に前記酸素含有ガスを直接供給し、前記燃料ガスを自己着火燃焼させて前記改質炉内の温度を昇温させた後、前記コークス炉ガスを前記改質炉に導入することを特徴とするコークス炉ガスの無触媒改質方法。
  2. 前記改質炉内の温度が昇温された後、該改質炉に前記コークス炉ガスを導入するときの前記導入部の温度を、1260℃以上1430℃以下、好ましくは1340℃以上1390℃以下とすることを特徴とする請求項1に記載のコークス炉ガスの無触媒改質方法。
  3. コークス炉から排出されたコークス炉ガスを導入して無触媒で部分酸化反応及び水蒸気改質反応させる改質炉と、前記コークス炉から排出された前記コークス炉ガスを前記改質炉に導く導入路に設けられ、燃料ガスと酸素含有ガスを前記導入路に供給して前記燃料ガスを燃焼させる複数の起動用バーナと、前記改質炉内の前記コークス炉ガスの導入部に酸素含有ガスを供給する複数の酸素含有ガス供給孔とを備えた改質装置において、
    前記起動用バーナは、前記燃料ガスと前記酸素含有ガスを前記導入路にそれぞれ供給する供給管に開閉弁を備えていることを特徴とするコークス炉ガスの改質装置。
  4. 前記導入路を加熱する加熱手段と、該導入路の温度を計測する温度計測手段と、該温度計測手段の計測結果に基づいて前記加熱手段の加熱出力を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記導入路の温度を400℃以上800℃以下に保持するように制御することを特徴とする請求項3に記載のコークス炉ガスの改質装置。
  5. 前記コークス炉に投入する原料石炭中の含水率を計測する含水率計測手段と、前記改質炉への水蒸気の供給量を調整する流量調整弁と、該流量調整弁の弁開度を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記含水率計測手段で計測された原料石炭中の含水率から前記コークス炉ガス中の水蒸気量を算出し、前記改質炉に供給する酸素量から部分酸化反応により生じる水分量を算出し、これらの合計による水分当量と前記コークス炉ガス中のカーボン当量とから、前記カーボン当量に対する前記水分当量の比率を算出し、
    前記比率が設定値未満の場合は、前記比率を前記設定値とするために必要な水分量を前記原料石炭の乾留時間で除して算出された単位時間当たりの水分量に基づいて前記流量調整弁の弁開度を制御し、
    前記比率が前記設定値以上の場合は、前記流量調整弁を閉じるように制御することを特徴とする請求項3又は4に記載のコークス炉ガスの改質装置。
  6. 前記改質炉から排出される改質ガスを冷却手段を介して吸引する吸引手段と、前記冷却手段と前記吸引手段との間に設けられ、前記冷却手段で冷却された前記改質ガスから分離された凝縮水を貯めて排水する排水手段とを備えることを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載のコークス炉ガスの改質装置。
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