JP2007256469A - トナー濃度制御装置及び画像形成装置 - Google Patents

トナー濃度制御装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】この発明は、2成分現像剤のトナー濃度変化量が大きい時に、トナー濃度センサの出力が飽和し、トナー濃度を検知できないという課題を解決しようとするものである。
【解決手段】 この発明は、未使用の2成分現像剤でトナー濃度一定の条件下にてトナー濃度センサ56Y、56M、56C、56Kの外部入力電圧を変化させてトナー濃度センサで2成分現像剤のトナー濃度を検出し、トナー濃度センサ56Y、56M、56C、56Kから適正なトナー濃度検出信号が得られるように前記外部入力電圧を調整するモードを有し、前記外部入力電圧の変化量に対するトナー濃度センサ56Y、56M、56C、56Kの出力変化量を利用して、2成分現像剤が未使用の現像剤から大きくトナー濃度が変化した場合に前記外部入力電圧を変更し、トナー濃度センサ56Y、56M、56C、56Kの出力を補正するトナー濃度センサ出力補正手段を備えたものである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、2成分現像剤のトナー濃度を制御するトナー濃度制御装置、及び、複写機,プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に関する。
近年の複写機、レーザプリンタにおいては、高画質が求められると同時に、高耐久性、高安定も望まれている。つまり、環境変動による画質の変化が少なく、また、常に安定した画像を経時において提供していかなければならない。従来より、非磁性トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤(以下現像剤という)を現像剤担持体としての現像スリーブ上に保持し、該現像スリーブに内包されている磁極によって現像スリーブ上に磁気ブラシを形成し、現像スリーブに潜像担持体としての感光体と対向する位置で現像バイアスを印加することにより感光体上の静電潜像を現像する二成分現像方式が広く知られている。この二成分現像方式は、カラー化が容易なことから現在広く用いられている。この二成分現像方式においては、二成分現像剤は、現像スリーブの回転に伴い、現像スリーブと感光体との間の現像領域に搬送される。現像剤は、現像領域に搬送されるに従い、現像スリーブ内の現像極の磁力線に沿いながら、現像剤中の多数の磁性キャリアがトナーを伴って集合し、磁気ブラシを形成する。
これら二成分現像方式は、1成分現像方式と異なり、トナーとキャリアの重量比(トナー濃度)を精度よく制御することが、安定性を向上させる上で非常に重要とされている。例えばトナー濃度が高すぎると、画像に地肌汚れが発生し、細部解像力の低下が生じる。また、トナー濃度が低い場合には、ベタ画像部の濃度が低下したり、キャリア付着が発生したりするという不具合が生じる。そのため、現像剤に対するトナー補給量を制御して、現像剤のトナー濃度を適正な範囲に調整する必要がある。ここで、トナー濃度制御は、トナー濃度検知手段としての透磁率センサの出力値Vtをトナー濃度の基準値Vrefと比較し、その結果に基づきトナー補給量を設定することにより行われる。
トナー濃度を検知する方式としては、透磁率センサを用いたものが一般的である。この方式においては、現像剤のトナー濃度が変化することによる現像剤の透磁率変化を検知して基準濃度の出力値と比較し、トナー濃度の現在値を検知するものである。また、別のトナー濃度検知方式としては、光学センサを用いる方式があり、感光体または中間転写ベルト上に基準パターンを形成し、この基準パターンの画像部と非画像部の反射濃度を光学センサにより検出し、その結果に基づいてトナー濃度を検知するものである。また、画像形成中においても、紙間(感光体または中間転写ベルトから各記録体としての紙への画像転写の間)で基準パターンを作成し、この基準パターンの画像部と非画像部の反射濃度を光学センサにより検出し、その結果に基づいて逐次透磁率センサの基準値Vrefを制御する方式も公知である。しかしながら、紙間で基準パターンを作成することによるトナーの過剰な消費を極力低減する要望があり、紙間での基準パターン作成による透磁率センサの基準値Vref制御は行わない方向である。さらに、中間転写ベルト上に基準パターンを作成する場合、中間転写ベルトから記録体としての紙への画像転写を行うための二次転写ローラ上にクリーニング装置を設置する必要があり、メカ的なコスト削減の観点からも紙間での基準パターン作成を極力抑える傾向がある。こうした場合、連続画像形成時や画像モード変更(プロセス線速変更)時の透磁率センサ単独によるトナー濃度制御がさらに正確に行われることが必要となってくる。
特許文献1記載のものは、現像装置内のトナー濃度をトナー濃度検知手段としての透磁率センサにて検知してその検出値をしきい値と比較し、その比較結果に基づいて現像装置内の現像剤のトナー濃度を制御するとともに、感光体の線速の変化に応じてトナー濃度検知手段の検知値に対するしきい値を変更するという手法を用いている。
特開2002−207357号公報
上記特許文献1に記載されているような、感光体の線速変化に応じてトナー濃度検知手段の検知値に対するしきい値を一律に変化させる手法では、感光体線速の変化量が大きい場合、透磁率センサの出力が飽和してしまい、トナー濃度を検出できないことがあった。
本発明は、2成分現像剤のトナー濃度変化量が大きい時にも、トナー濃度センサの出力が飽和することがなく、正確にトナー濃度を検知することが可能で、精度良くトナー濃度を制御することが可能となるトナー濃度制御装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、2成分現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサと、このトナー濃度センサのトナー濃度検知値によりトナー補給量を制御するトナー濃度制御手段とを有するトナー濃度制御装置において、前記トナー濃度センサは出力ばらつきを外部入力電圧により調整可能なトナー濃度センサであり、未使用の2成分現像剤でトナー濃度一定の条件下にて前記トナー濃度センサの外部入力電圧を変化させて前記トナー濃度センサで前記2成分現像剤のトナー濃度を検知し、前記トナー濃度センサから適正なトナー濃度検知信号が得られるように前記外部入力電圧を調整するモードを有し、前記外部入力電圧の変化量に対する前記トナー濃度センサの出力変化量を利用して、前記2成分現像剤のトナー濃度が未使用の現像剤のトナー濃度から大きく変化した場合に前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正するトナー濃度センサ出力補正手段を備えたものである。
請求項2に係る発明は、請求項1記載のトナー濃度制御装置において、前記トナー濃度センサは、コイルのインダクタンスの変化により、前記2成分現像剤の透磁率の変化を検知することで前記2成分現像剤のトナー濃度を検知し、前記コイルを含む共振回路の共振周波数近傍に発振周波数を持つ発振器を備え、前記共振回路からの出力のばらつきを外部入力電圧により調整する手段を備えた透磁率センサからなるものである。
請求項3に係る発明は、請求項1または2記載のトナー濃度制御装置において、トナー濃度一定の条件下で前記外部入力電圧を変化させ、前記2成分現像剤のトナー濃度を前記トナー濃度センサで検知し、前記外部入力電圧の変化量に対する前記トナー濃度センサの出力変化量を記憶するモードを有し、前記トナー濃度センサ出力補正手段は前記記憶した前記外部入力電圧の変化量に対する前記トナー濃度センサの出力変化量を利用して、前記2成分現像剤が未使用の現像剤から大きくトナー濃度が変化した時に前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正するものである。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1つに記載のトナー濃度制御装置において、前記トナー濃度センサ出力補正手段は、前記2成分現像剤の透磁率が未使用の現像剤の透磁率から大きく変化した時に、前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正するものである。
請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載のトナー濃度制御装置において、前記トナー濃度センサ出力補正手段は、線速が変更された時に、前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正するものである。
請求項6に係る発明は、請求項1〜5のいずれか1つに記載のトナー濃度制御装置において、前記トナー濃度センサ出力補正手段は、温湿度が変化した時に、前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正するものである。
請求項7に係る発明は、請求項1〜6のいずれか1つに記載のトナー濃度制御装置において、前記トナー濃度センサ出力補正手段は、画像の画像部比率に応じて、前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正するものである。
請求項8に係る発明は、2成分現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサと、このトナー濃度センサのトナー濃度検知値によりトナー補給量を制御するトナー濃度制御手段とを有する画像形成装置において、前記トナー濃度センサは出力ばらつきを外部入力電圧により調整可能なトナー濃度センサであり、未使用の2成分現像剤でトナー濃度一定の条件下にて前記トナー濃度センサの外部入力電圧を変化させて前記トナー濃度センサで前記2成分現像剤のトナー濃度を検知し、前記トナー濃度センサから適正なトナー濃度検知信号が得られるように前記外部入力電圧を調整するモードを有し、前記外部入力電圧の変化量に対する前記トナー濃度センサの出力変化量を利用して、前記2成分現像剤のトナー濃度が未使用の現像剤のトナー濃度から大きく変化した場合に前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正するトナー濃度センサ出力補正手段を備えたものである。
請求項9に係る発明は、請求項8記載の画像形成装置において、前記トナー濃度センサは、コイルのインダクタンスの変化により、前記2成分現像剤の透磁率の変化を検知することで前記2成分現像剤のトナー濃度を検知し、前記コイルを含む共振回路の共振周波数近傍に発振周波数を持つ発振器を備え、前記共振回路からの出力のばらつきを外部入力電圧により調整する手段を備えた透磁率センサからなるものである。
請求項10に係る発明は、請求項8または9記載の画像形成装置において、トナー濃度一定の条件下で前記外部入力電圧を変化させ、前記2成分現像剤のトナー濃度を前記トナー濃度センサで検知し、前記外部入力電圧の変化量に対する前記トナー濃度センサの出力変化量を記憶するモードを有し、前記トナー濃度センサ出力補正手段は前記記憶した前記外部入力電圧の変化量に対する前記トナー濃度センサの出力変化量を利用して、前記2成分現像剤のトナー濃度が未使用の現像剤のトナー濃度から大きく変化した時に前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正するものである。
請求項11に係る発明は、請求項8〜10のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記トナー濃度センサ出力補正手段は、前記2成分現像剤の透磁率が未使用の現像剤の透磁率から大きく変化した時に、前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正するものである。
請求項12に係る発明は、請求項8〜11のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記トナー濃度センサ出力補正手段は、線速が変更された時に、前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正するものである。
請求項13に係る発明は、請求項8〜12のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記トナー濃度センサ出力補正手段は、温湿度が変化した時に、前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正するものである。
請求項14に係る発明は、請求項8〜13のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記トナー濃度センサ出力補正手段は、画像の画像部比率に応じて、前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正するものである。
本発明によれば、2成分現像剤のトナー濃度変化量が大きい時にも、トナー濃度センサの出力が飽和することなく、正確にトナー濃度を検知することが可能で、精度良くトナー濃度を制御することが可能となる。
本発明によれば、2成分現像剤の透磁率変化量が大きい時にも、トナー濃度センサの出力が飽和することなく、正確にトナー濃度を検知することが可能で、精度良くトナー濃度を制御することが可能となる。
本発明によれば、線速の変化により2成分現像剤のトナー濃度変化量が大きい時にも、トナー濃度センサの出力が飽和することなく、正確にトナー濃度を検知することが可能で、精度良くトナー濃度を制御することが可能となる。
本発明によれば、温湿度の変化により2成分現像剤のトナー濃度変化量が大きい時にも、トナー濃度センサの出力が飽和することなく、正確にトナー濃度を検知することが可能で、精度良くトナー濃度を制御することが可能となる。
本発明によれば、画像の画像部比率の変化により2成分現像剤のトナー濃度変化量が大きい時にも、トナー濃度センサの出力が飽和することなく、正確にトナー濃度を検知することが可能で、精度良くトナー濃度を制御することが可能となる。
以下、本発明を適用した画像形成装置としての電子写真方式のプリンタの実施形態1について説明する。まず、本プリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本プリンタの概略構成を示す。図1において、本プリンタ100は、イエロー:Y、マゼンタ:M、シアン:C、ブラック:Kの各色のトナー像をそれぞれ形成するための4つのトナー像形成部6Y,6M,6C,6Kを備えている。このトナー像形成部6Y、6M、6C、6Kは、プリンタ100の本体に対して着脱自在に装着されるプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kを構成している。
このプロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6Kは、画像形成物質として、互いに異なる色であるY、M、C、Kのトナーをそれぞれ用いるが、それ以外は同様の構成になっており、寿命到達時に交換される。Yトナー像を形成するためのプロセスカートリッジ6Yを例にとると、図2に示すように、像担持体としてのドラム状の感光体1Y、ドラムクリーニング装置2Y、図示しない除電装置、帯電装置4Y、現像装置5Y等を備え、これらが一体化されている。現像装置5Yの下部には、現像装置5Y内のトナー濃度を検知するトナー濃度センサとしての透磁率センサ(以下Tセンサという)56Yが設置されている。このプロセスカートリッジ6Yは、プリンタ100の本体に脱着可能であり、一度に消耗部品として交換できるようになっている。
帯電装置4Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転せしめられる感光体1Yの表面を一様に帯電せしめる。一様に帯電せしめられた感光体1Yの表面は、露光装置としての光書込ユニット7(図1参照)からの、Y画像情報に基づいたレーザ光Lによって露光走査されてY用の静電潜像が形成される。このY用の静電潜像は、非磁性のYトナーと磁性キャリアからなる2成分現像剤を用いる現像装置5YによってYトナー像に現像される。転写手段としての1次転写バイアスローラ9Yは図示しない高圧電源から転写バイアスが印加されて感光体1Yとの間に転写電界を形成し、この転写電界により感光体1Y上のYトナー像が感光体1Yと中間転写ベルト8との間の中間転写位置で中間転写ベルト8上に転写される。ドラムクリーニング装置2Yは、中間転写位置を経た後の感光体1Yの表面に残留したトナーを除去する。また、図示しない除電装置はクリーニング後の感光体1Y上の残留電荷を除電し、この除電により感光体1Yの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
現像装置5Yは、現像容器54Y内の非磁性トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤53Yを攪拌搬送部材55Yにより攪拌して搬送し、現像剤担持体としての現像スリーブ51Yに内包される磁極によって磁気ブラシを形成する。攪拌搬送部材55Y及び現像スリーブ51Yは図示しない回転駆動装置により回転駆動され、本プリンタのプロセス線速切り替え時には上記回転駆動装置により現像装置5Yの攪拌搬送部材55Y及び現像スリーブ51Yの線速が切り替えられる。現像スリーブ51Y上の現像剤53Yは、現像スリーブ51Yの回転に伴って現像領域に搬送される。現像剤53Yが現像領域に搬送されるに従い、現像スリーブ51Y内の現像極の磁力線に沿いながら、現像剤53Y中の多数の磁性キャリアがトナーを伴って集合し、磁気ブラシを形成する。現像スリーブ51Y上の現像剤53Yは、規制部材52Yにより厚さが規制される。現像スリーブ51Yには潜像担持体としての感光体1Yと対向する位置で高圧電源から現像バイアスが印加され、感光体1Y上の静電潜像は現像スリーブ51Y上の現像剤中のトナーが付着して現像される。現像装置5Yの現像容器54Y内にはトナー補給装置32Yからトナーが補給され、このトナー補給装置32Yは駆動モータ41Yにより駆動されてトナーを現像容器54Y内に補給する。
他のプロセスカートリッジ6M,6C,6Kの各現像装置(以下5M,5C,5Kという)は、プロセスカートリッジ6Yの現像装置5Yと同様に、各現像容器内のそれぞれM,C,K各色の非磁性トナーと磁性キャリアからなる二成分現像剤を攪拌搬送部材により攪拌して搬送し、現像剤担持体としての現像スリーブに内包される磁極によって磁気ブラシを形成する。上記攪拌搬送部材及び上記現像スリーブは図示しない回転駆動装置により回転駆動され、本プリンタのプロセス線速切り替え時には上記回転駆動装置により各現像装置の攪拌搬送部材及び現像スリーブの線速が切り替えられる。上記現像スリーブ上の現像剤は上記現像スリーブの回転に伴って現像領域に搬送される。現像剤が現像領域に搬送されるに従い、上記現像スリーブ内の現像極の磁力線に沿いながら、現像剤中の多数の磁性キャリアがトナーを伴って集合し、磁気ブラシを形成する。上記現像スリーブ上の現像剤は、規制部材により厚さが規制される。上記現像スリーブには潜像担持体としての感光体1M,1C,1Kと対向する位置で高圧電源から現像バイアスが印加され、感光体1M,1C,1K上の静電潜像はそれぞれ上記各現像スリーブ上の現像剤中のトナーが付着して現像される。各現像装置5M,5C,5Kの現像容器内にはそれぞれトナー補給装置32M,32C,32K(図1参照)からM,C,K各色のトナーが補給され、これらのトナー補給装置32M,32C,32Kはそれぞれ駆動モータ(以下41M,41C,41Kという)により駆動されてトナーを各現像装置5M,5C,5Kの現像容器内に補給する。
図1に示すように、他のプロセスカートリッジ6M、6C、6Kにおいても、プロセスカートリッジ6Yと同様に像担持体としてのドラム状の感光体1M,1C,1K、ドラムクリーニング装置、除電装置、帯電装置、現像装置5M,5C,5K等を備え、プロセスカートリッジ6Yと同様に動作して感光体1M,1C,1K上にM、C、K各色のトナー像を形成する。これらの各色のトナー像は転写手段としての1次転写バイアスローラ9M,9C,9Kにより中間転写ベルト8上に上記Yトナー像と重ねて転写されてフルカラー画像が形成される。
プロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kの図中下方には、潜像形成手段としての露光装置7が配設されている。露光装置7は、複数の光源からY、M、C、K各色の画像情報に基づいてそれぞれ発した各レーザ光Lを、プロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kの各感光体1Y,1M,1C,1Kにそれぞれ照射して露光する。この露光により、感光体1Y,1M,1C,1K上にはY,M,C,K用の静電潜像が形成される。なお、露光装置7は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラーで走査しながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体1Y,1M,1C,1Kに照射する。
露光装置7の図中下側には、紙収容カセット26、これらに組み込まれた給紙ローラ27など有する給紙手段が配設されている。紙収容カセット26は、記録体としての転写紙Pが複数枚重ねて収納しており、それぞれの一番上の転写紙Pには給紙ローラ27が当接している。給紙ローラ27が図示しない駆動手段によって図中反時計回りに回転せしめられると、紙収容カセット26の一番上の転写紙Pが給紙ローラ27により給紙されてレジストローラ対28のローラ間に向けて給送される。レジストローラ対28は、転写紙Pを挟み込むべく回転するが、転写紙Pを挟み込んですぐに回転を一旦停止する。そして、レジストローラ対28は、転写紙Pを適切なタイミングで後述の2次転写ニップに向けて送り出す。
プロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kの図中上方には、像担当持体である中間転写体としての無端状中間転写ベルト8を複数のローラで張架しながら移動せしめる中間転写ユニット15が配設されている。この中間転写ユニット15は、中間転写ベルト8の他、4つの1次転写バイアスローラ9Y,9M,9C,9K、クリーニング装置10、2次転写バックアップローラ12、クリーニングバックアップローラ13、テンションローラ14なども備えている。中間転写ベルト8は、2次転写バックアップローラ12、クリーニングバックアップローラ13、テンションローラ14に張架されながら、少なくとも何れか1つのローラが回転駆動部によって回転駆動されることで図中反時計回りに移動せしめられる。1次転写バイアスローラ9Y,9M,9C,9Kは、このように移動せしめられる中間転写ベルト8を感光体1Y,1M,1C,1Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。1次転写バイアスローラ9Y,9M,9C,9Kは中間転写ベルト8の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスが高圧電源から印加される。1次転写バイアスローラ9Y,9M,9C,9Kを除くローラ12〜14は、全て電気的に接地されている。中間転写ベルト8は、その移動に伴ってY,M,C,K用の1次転写ニップを順次に通過していく過程で、感光体1Y、1M、1C、1K上のY,M,C,K各色のトナー像を重ね合わせて1次転写させる。これにより、中間転写ベルト8上には4色重ね合わせトナー像(4色トナー像:フルカラー画像)が形成される。
2次転写バックアップローラ12は、転写手段としての2次転写ローラ19との間に中間転写ベルト8を挟み込んで2次転写ニップを形成し、2次転写ローラ19は高圧電源から転写バイアスが印加される。中間転写ベルト8上に形成された4色重ね合わせトナー像は、2次転写ニップで2次転写ローラ19によりレジストローラ対28からの転写紙Pに転写される。2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト8には、転写紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、クリーニング装置10によってクリーニングされる。
2次転写ニップにおいては、転写紙Pは、互いに順方向に表面が移動する中間転写ベルト8と2次転写ローラ19との間に挟まれて、レジストローラ対28側とは反対の方向に搬送される。2次転写ニップから送り出された転写紙Pは、定着装置20を通過する際に熱と圧力とにより、表面に転写された4色重ね合わせトナー像が定着される。その後、転写紙Pは、排紙ローラ対29の間を経て機外へと排出される。プリンタ100の本体上面には、スタック部30が形成されており、排紙ローラ対29によって機外に排出された転写紙Pは、そのスタック部30に順次にスタックされる。
2次転写バックアップローラ12の上方には画像濃度検知手段としての反射型フォトセンサ40が配設されており、この反射型フォトセンサ40は中間転写ベルト8上の光反射率に応じた信号を出力する。この反射型フォトセンサには、拡散光検出型か正反射光検出型のうち、中間転写ベルト8の表面の反射光量と、後述する基準パターン像の反射光量との差を十分な値にし得る方が用いられる。なお、反射型フォトセンサ40の役割については後述する。
図3は本プリンタの電気回路の一部を示すブロック図である。図3において、制御部150は、それぞれ電気的に接続されたトナー像形成部6Y、6M、6C、6K、光書込みユニット7、給紙カセット26、レジストローラ対28の回転駆動部、中間転写ユニット15、反射型フォトセンサ40、各プロセスカートリッジ6Y、6M、6C、6KのTセンサ56(56Y、56M、56C、56K)などを制御する。また、この制御部150は、演算部などを制御するCPU150aと、データを記憶するRAM150bとを備えている。
この制御部150は、本プリンタの図示しない主電源の投入時や、主電源の投入から所定時間が経過した後の待機時、所定枚数以上の画像形成を行った後の待機時などの所定のタイミングで、各トナー像形成部6Y、6M、6C、6Kの像形成性能などの作像性能を試験し、通紙中における各色のトナー補給装置32Y,32M,32C,32Kから現像装置5Y、5M、5C、5Kへのトナー補給を制御する。
具体的には、制御部150は、上記所定のタイミングが到来すると、まず、フォトセンサ40の校正を行う。制御部150は、フォトセンサ40の校正時には、作像しない状態で、フォトセンサ40の発光光量を順次に変化させ、フォトセンサ40の検知電圧が4.0V±0.2Vとなる発光光量を求める。制御部150は、その発光光量を基準パターン像のトナー付着量検知時に用いる。次に、制御部150は、感光体1Y、1M、1C、1Kを回転しながら帯電装置4Y、4M、4C、4Kに感光体1Y、1M、1C、1Kを一様に帯電させる。この帯電については、制御部150は、通常のプリント(画像形成)時における一様な帯電(例えば−700V)とは異なり、帯電装置4Y、4M、4C、4Kに電圧を印加する高圧電源を制御して感光体1Y、1M、1C、1Kの帯電電位を徐々に大きくしていくようにする。そして、制御部150は、光書込ユニット7を制御して上記レーザ光の走査によって基準パターン像用の静電潜像を感光体1Y、1M、1C、1K上に形成しながら、現像装置6Y、6M、6C、6Kに感光体1Y、1M、1C、1K上の基準パターン像用の静電潜像を現像させる。この現像により、各色の基準パターン像が感光体1Y、1M、1C、1K上に形成される。なお、現像の際、制御部150は、高圧電源を制御して該高圧電源から各現像装置6Y、6M、6C、6Kの現像ローラに印加される現像バイアスの値も徐々に高くしていくように制御する。このようにして、感光体1Y、1M、1C、1K上には、画像濃度が薄い基準パターン像から作像され、徐々に濃い基準パターン像が作像される。このパタ−ン作像方式については、後程詳細を述べる。逆に感光体1Y、1M、1C、1Kの帯電電位・現像バイアスを共に徐々に下げれば、画像濃度が濃い基準パターン像から作像して徐々に薄い基準パターン像を作像することになるが、一般的に高圧電源は電圧を下げる方が電圧を上げるよりも時間がかかるため、基準パターン作像時間が長くなるという欠点がある。
これらの感光体1Y、1M、1C、1K上の各色の基準パターン像は、中間転写ベルト8上に重なり合わずに並ぶように転写される。この各基準パターン像は、中間転写ベルト8の移動に伴って反射型フォトセンサ40との対向位置を通過する際に、反射型フォトセンサ40により検知されて電気信号として制御部150に出力される。制御部150は、反射型フォトセンサ40から順次に送られてくる出力信号に基づいて、各基準パターン像の各基準像の光反射率を演算して濃度パターンデータとしてRAM150aに格納していく。中間転写ベルト8と反射型フォトセンサ40との対向位置を通過した中間転写ベルト8上の基準パターン像は、クリーニング装置10によってクリーニングされる。
図4は上記中間転写ベルト8上の各色の基準パターン像P(図示しないYの基準パターン像Py、図示しないMの基準パターン像Pm、Cの基準パターン像Pc、Kの基準パターン像Pk)を示す模式図である。図4において、各色の基準パターン像Pは、それぞれ互いに間隔13mmを置いて並ぶ10個の基準像(Py1〜Py10、Pm1〜Pm10、Pc1〜Pc10、Pk1〜Pk10)で構成されている。本プリンタにおいて、基準パターン像の各基準像は縦13mm×横15mmの大きさで、13mmの間隙を介して形成される。よって、中間転写ベルト8上の各色の基準パターン像Pk、Pm、Pc、Pyの長さL2はそれぞれL2=247mmとなる。基準パターン像Pk、Pm、Pc、Pyは、プリントプロセス時に形成される各色のトナー像とは異なり、中間転写ベルト8上に重なり合わずにPy、Pm、Pc、Pkの順に並ぶようにタイミングをずらして作像され、中間転写ベルト8に転写される。
図4において、中間転写ベルト8を備える中間転写ユニット15の図中右上側には、反射型フォトセンサ40が配設されている。中間転写ベルト8上の各基準パターン像は移動に伴って反射型フォトセンサ40により検知された後、中間転写ユニット15のクリーニング装置10にて除去される。反射型フォトセンサ40は、基準パターン像Pk,Pc,Pm,Pyを構成する各基準像からの反射光量を次のような順序で検知する。即ち、反射型フォトセンサ40は、基準パターン像Pkの10個の基準像、基準パターン像Pcの10個の基準像、基準パターン像Pmの10個の基準像、基準パターン像Pyの10個の基準像という順序で検知する。この際、反射型フォトセンサ40は、各基準像の光反射量に応じた電圧信号を後述する方式で検知して制御部150に順次に出力する。制御部150は、反射型フォトセンサ40から順次に送られてくる電圧信号に基づいて、各基準像の画像濃度を順次に演算してRAM150bに格納していく。
制御部150は、各基準像の画像濃度を次に示す方法でトナー付着量に変換する。制御部150は、反射型フォトセンサ40の各色10個の基準像からなる基準パターン像Pk,Pc,Pm,Pyに対する検知出力を図5に示す反射型フォトセンサ40の検知電圧(基準パターン像の現像ポテンシャル)とトナー付着量との関係から基準像のトナー付着量へ変換し、RAM150bに格納していく。ここで、制御部150は、基準像のトナー付着量をRAM150bに格納すると同時に、各色の基準パターン像の作像条件から基準パターン像の現像ポテンシャルを推定し、基準パターンの情報もRAM150bに格納する。
上記工程は基準パターンPk1、Pc1、Pm1、Py1の順に順次に行われる。ここで得られた、各基準パターン像の現像ポテンシャルとトナー付着量との関係をX−Y平面上にプロットしたものが図5である。図5はX軸に電位ポテンシャル(現像バイアスVと基準パターン像電位Vの差:V−V)(単位V)を、Y軸に単位面積当たりのトナー付着量M/A(mg/cm)を割り振っている。制御部150は、上記プロットしたデータより基準パターン像の現像ポテンシャルとトナー付着量の関係の直線区域を選択し、その直線区間内のデータに対して最小自乗法を適用することにより直線近似を行って得られる直線方程式(A=A×X+B)を各色毎に計算する。制御部150は、この直線方程式により、目標のトナー付着量が得られる現像ポテンシャルを計算し、この現像ポテンシャルを作像条件にフィードバックする(現像ポテンシャルにより作像条件を制御する)ことで画像濃度維持を図る。
図11は上記Tセンサ56(56Y、56M、56C、56K)の構成を示す。Tセンサ56は、発振器21、共振回路22、位相比較回路23、積分回路24及びインピーダンス変換回路25により構成される。発振器21は、水晶やセラミックなどの固体の発振子OS、コンデンサC1,C2、排他的オア回路EOR1及び抵抗R1により構成され、固体の発振子OSの持つ固有の振動数により決まる発振周波数で発振する。共振回路22は、コイルL1、コンデンサC3及び可変容量ダイオードとしてのバリキャップダイオードDからなる第1のLC共振回路と、コイルL2及びコンデンサC4からなる第2のLC共振回路と、抵抗R3、R8により構成され、コイルL1,L2は磁気的結合定数kで結合されている。
発振器21の発振周波数は第1のLC共振回路及び第2のLC共振回路の共振周波数の近傍にあり、コイルL1,L2は現像装置5内の現像剤53(53Y、53M、53C、53K)の透磁率(トナー濃度)によりインダクタンスが変化する。バリキャップダイオードDは、制御部150から抵抗R8を介して制御電圧が外部入力電圧Vcntとして両端子間に印加され、静電容量がその外部入力電圧Vcntに応じて変化する。共振回路22は、発振器21の出力が入力されて発振器21の発振周波数と共振回路22の共振周波数との差に応じて出力が変化し、現像装置5内の現像剤53(53Y、53M、53C、53K)の透磁率(トナー濃度)により共振回路22の共振周波数が変化して共振回路22の出力が変化することで現像剤53(53Y、53M、53C、53K)の透磁率(トナー濃度)を検知する。
位相比較回路23は、排他的オア回路EOR2、コンデンサC5及び抵抗R4,R5により構成され、発振器21の出力位相と共振回路22の出力位相とを比較してその位相差を検出する。積分回路24は、抵抗R6及びコンデンサC6からなり、位相比較回路23の出力値を積分する。インピーダンス変換回路25はトランジスタQ及び抵抗R7により構成されてインピーダンス変換を行い、積分回路24の出力値は現像装置5内の現像剤53(53Y、53M、53C、53K)の透磁率(トナー濃度)の変化に応じたトナー濃度検知信号としてインピーダンス変換回路25を介して制御部150へ出力される。
本プリンタは、新品のプロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kが挿入されると、Tセンサ56Y,56M,56C,56Kの校正が未使用の2成分現像剤でトナー濃度一定の条件下にて制御部150により行われる。新品のプロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kの現像装置5Y,5M,5C,5Kには、トナー濃度が8wt%である未使用の現像剤が充填されており、制御部150は、そのトナー濃度8wt%の現像剤に対してTセンサ56Y,56M,56C,56Kの出力Vtが各色毎に2.5VになるようにTセンサ56Y,56M,56C,56Kの外部入力電圧Vcntを順次に変化させてTセンサ56Y,56M,56C,56Kの校正を行う。制御部150は、Tセンサ56Y,56M,56C,56Kを校正した時のVcnt値を各色RAM150bに記憶させておき、Tセンサ56Y,56M,56C,56Kでトナー濃度検知を行う時にはその各色RAM150bに記憶された各色のVcnt値を各色のTセンサ56Y,56M,56C,56Kの外部入力電圧Vcntにセットする。
通紙時には、通紙中の現像装置5内の現像剤53のトナー濃度をTセンサ56Y,56M,56C,56Kで検知し、制御部150がTセンサ目標値VtrefとTセンサ56Y,56M,56C,56Kの出力値Vtとの差に応じて、各色毎にトナー補給装置32Y,32M,32C,32Kの駆動モータ41Y、41M,41C,41Kを制御してトナー補給装置32Y,32M,32C,32Kから現像装置5Y,5M,5C,5Kへのトナー補給を制御する。具体的には、制御部150は、以下の式(1)、(2)にてトナー補給量を決定し、そのトナー補給量に応じて次の作像時に各色毎にトナー補給装置32Y,32M,32C,32Kのトナー補給モータ(上記駆動モータ41Y、41M,41C,41K)を回転させてトナー補給装置32Y,32M,32C,32Kから現像装置5Y,5M,5C,5Kへのトナー補給を行う。
Vt>Vtrefの場合、トナー補給量=α×(Vt−Vtref)/Tセンサ感度・・・(1)
Vt≦Vtrefの場合、トナー補給量=0・・・(2)
ここに、制御部150は、前述した作像能力検査時にVtを測定し、その値を元にVtrefを更新する。αは、比例係数で、Tセンサ56Y,56M,56C,56Kのトナー濃度検知に対するトナー補給量の応答性を決める係数である。本実施形態1では、α=0.3とする。
図6はTセンサ56Y,56M,56C,56Kの出力値Vtとトナー濃度の関係を示す。図6に示すように、トナー濃度が低すぎる場合、Vtが5Vで飽和してしまい、正確なトナー濃度が検知できない。逆に、トナー濃度が高すぎる場合も、Vtが0Vで飽和してしまい、正確なトナー濃度が検知できない。そこで、制御部150は、トナー濃度が低い場合、すなわち、Vtが所定値以上で飽和するほど高い場合には、Vcnt値を新品時にセットした値から変えて使用する。本実施形態1では、制御部150は、2成分現像剤が未使用の現像剤から大きくトナー濃度が変化した場合、たとえばVt>4.0Vの場合、Vcnt値として現状値に対して0.2V低い値を使用し、3.6VとしてVt検知を行う。このようにすることによって、Vtが飽和して検知できなかったトナー濃度が低い領域も検知することが可能となる。また、制御部150は、2成分現像剤が未使用の現像剤から大きくトナー濃度が変化してトナー濃度が高い場合、すなわちVtが所定値以下で飽和するほど低い場合にも、Vcnt値をプロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kの新品時にセットした値から変えて使用する。この場合、制御部150は、トナー濃度が低い場合とは逆にVcnt値として現状値に対して0.2V高い値を使用し、4.0VとしてVt検知を行う。このようにすることによって、Vtが飽和して検知できなかったトナー濃度が高い領域もVtを検知することが可能となる。
しかし、Vcnt値を変化させると、Vt値は図6のように変化してしまうため、Vcnt値を変化させた分のVt補正が必要となる。透磁率センサによって多少のばらつきはあるが、おおよそVcntとVtの関係は図7に示すように一定であるため、制御部150は、
補正後Vt=Vt検出値−ΔVcnt×S、S=4.0・・・(3)
の式によってVtを補正する。ここに、ΔVcntはトナー濃度変化時のVcnt変化量であり、Sは図7の傾き(VcntとVtとの関係の傾き)である。
制御部150がこのようにVtを補正して用いることにより、図6に示す補正後Vtのようにトナー濃度が低い領域から高い領域までトナー濃度とVtの関係が一つの直線上になり、Vtに対してトナー濃度を1対1の関係で求めることが可能となる。
この実施形態1によれば、トナー濃度センサとしてのTセンサ56Y,56M,56C,56Kは出力ばらつきを外部入力電圧Vcntにより調整可能なトナー濃度センサであり、未使用の2成分現像剤でトナー濃度一定の条件下にてTセンサ56Y,56M,56C,56Kの外部入力電圧Vcntを変化させてTセンサ56Y,56M,56C,56Kで2成分現像剤のトナー濃度を検出し、Tセンサ56Y,56M,56C,56Kから適正なトナー濃度検出信号が得られるように外部入力電圧Vcntを調整するモード(Tセンサ56Y,56M,56C,56Kの校正を行うモード)を有し、外部入力電圧Vcntの変化量に対するTセンサ56Y,56M,56C,56Kの出力変化量を利用して、2成分現像剤のトナー濃度が未使用の現像剤のトナー濃度から大きく変化した場合に外部入力電圧Vcntを変更し、Tセンサ56Y,56M,56C,56Kの出力を補正するトナー濃度センサ出力補正手段としての制御部150を備えたので、2成分現像剤のトナー濃度変化量が大きい時も、Tセンサ56Y,56M,56C,56Kの出力が飽和することなく、正確にトナー濃度を検知することが可能となる。
次に、本発明を適用した画像形成装置としての電子写真方式のプリンタの実施形態2について説明する。この実施形態2のプリンタでは、上記実施形態1において、制御部150は、図7に示すVcntとVtとの関係の直線の傾きSを、新品のプロセスカートリッジ6Y,6M,6C,6Kの現像装置5Y,5M,5C,5K内のトナー濃度8wt%の現像剤に対してVtが2.5VになるようにTセンサ56Y,56M,56C,56KのVcntを順次に変化させてTセンサ56Y,56M,56C,56Kの校正を行う時に求めるようにする。この校正時には、Vcntを順次に変化させた時のVtは図7の点のように求まるため、制御部150は、そのVcntとVtとの関係の直線区間を最小2乗法で近似し、その直線区間の傾きを算出して該傾きを上記Sとして用いる。このように上記Sを直接に検知することにより、Tセンサ56Y,56M,56C,56KによるVtばらつきを補正でき、補正後Vtの検出精度が向上する。
この実施形態2によれば、トナー濃度一定の条件下で外部入力電圧Vcntを変化させ、2成分現像剤のトナー濃度をTセンサ56Y,56M,56C,56Kで検知し、外部入力電圧Vcntの変化量に対するTセンサ56Y,56M,56C,56Kの出力変化量を記憶するモード(Tセンサ56Y,56M,56C,56Kの校正を行うモード)を有し、上記トナー濃度センサ出力補正手段としての制御部150はRAM150bに記憶した外部入力電圧Vcntの変化量に対するTセンサ56Y,56M,56C,56Kの出力変化量を利用して、2成分現像剤が未使用の現像剤から大きくトナー濃度が変化した時に外部入力電圧を変更し、Tセンサ56Y,56M,56C,56Kの出力を補正するので、Vcnt変化時のVt変化量を検知することによりさらに高精度にトナー濃度を検知することが可能となる。
また、上記実施形態1、2によれば、トナー濃度センサ出力補正手段としての制御部150は、2成分現像剤の透磁率が未使用の現像剤の透磁率から大きく変化した時に、外部入力電圧Vcntを変更し、Tセンサ56Y,56M,56C,56Kの出力を補正するので、2成分現像剤の透磁率変化量が大きい時も、Tセンサ出力が飽和することなく、正確にトナー濃度を検知することが可能となる。
次に、本発明を適用した画像形成装置としての電子写真方式のプリンタの実施形態3について説明する。この実施形態3のプリンタでは、上記実施形態1または実施形態2において、本プリンタの線速切り替え時もVcnt値を切り替える。これは、普通速に対して半速のように線速が遅くなると、Vcntが線速の変化前後で同じであれば見かけの2成分現像剤の透磁率が上昇することになるため、Vtが上昇し、図8に示すようにトナー濃度が低い領域ではVtが5Vに飽和してしまい、トナー濃度を検知できない。そこで、制御部150は、本プリンタのプロセス線速が線速切替手段により普通速の155mm/secから半速の75.5mm/secに切り替えられた場合には、線速切替手段からの線速切替信号に基づき、Vcnt値を普通速の場合のVcntよりも所定値だけ低い値にセットし、トナー濃度とVtとの関係が普通速の場合と同一になるようにする。ここで、Vcntを変化させた量は、上記実施形態1の式(3)のΔVcntには反映しないようにする。このようにすることで、プロセス線速によらず、同一のトナー濃度検知領域を確保することが可能となる。
この実施形態3によれば、トナー濃度センサ出力補正手段としての制御部150は、線速が変更された時に、外部入力電圧Vcntを変更し、Tセンサ56Y,56M,56C,56Kの出力を補正するので、線速の変化によりトナー濃度変化量が大きい時も、Tセンサ56Y,56M,56C,56Kの出力が飽和することなく、正確にトナー濃度を検知することが可能となる。
次に、本発明を適用した画像形成装置としての電子写真方式のプリンタの実施形態4について説明する。この実施形態4のプリンタでは、上記実施形態1〜3において、それぞれ、図示しない環境センサによって検知した温湿度によってもVcnt値を切り替える。これは、高温高湿度になると、見かけの2成分現像剤の透磁率が上昇し、逆に低温低湿度になると、見かけの2成分現像剤の透磁率が低下するため、図9に示すように、高温高湿度になると、トナー濃度が高い領域が検知できず、低温低湿度になると、トナー濃度が低い領域が検知できない。そこで、制御部150は、本プリンタの内部または外部近辺で温度及び湿度を検知する環境センサからの検知信号に基づいて、高温高湿度の場合にはVcnt値を所定値だけ低い値に補正し、低温低湿度の場合にはVcnt値を所定値だけ高い値に補正し、トナー濃度とVtとの関係が高温高湿度及び低温低湿度の場合に通常の環境温湿度と同一となるようにする。ここで、Vcntを変化させる(補正する)量は、上記実施形態1の式(3)のΔVcntには反映しないようにする。このようにすることで、温湿度によらず、同一のトナー濃度検知領域を確保することが可能となる。
この実施形態4によれば、トナー濃度センサ出力補正手段としての制御部150は、温湿度が変化した時に、外部入力電圧Vcntを変更し、Tセンサ56Y,56M,56C,56Kの出力を補正するので、温湿度の変化により透磁率変化量が大きい時も、Tセンサ56Y,56M,56C,56Kの出力が飽和することなく、正確にトナー濃度を検知すること検知が可能となる。
次に、本発明を適用した画像形成装置としての電子写真方式のプリンタの実施形態5について説明する。この実施形態5のプリンタでは、上記実施形態1〜4において、それぞれ、通紙画像(転写紙上に転写される画像または現像装置5Y、5M、5C、5Kで現像すべき静電潜像または露光装置7に入力される画像)の画像部比率によってもVcnt値を切り替える。これは、通紙画像の画像部比率が高いと、見かけの2成分現像剤の透磁率が上昇し、逆に画像部比率が低いと、見かけの2成分現像剤の透磁率が低下する。このため、図10に示すように、通紙画像の画像部比率が高いと、トナー濃度が高い領域でトナー濃度が検知できず、通紙画像の画像部比率が低いと、トナー濃度が低い領域でトナー濃度が検知できない。そこで、制御部150は、例えば外部から本プリンタに入力されて露光装置7に転送される画像データよりその画像部の画像部比率を求め、この画像部比率を通紙画像の画像部比率として、通紙画像の画像部比率が第1の所定値以上に高い時にはVcnt値を低い値に補正し、通紙画像の画像部比率が第2の所定値以下に低い時にはVcnt値を高い値に補正し、トナー濃度とVtとの関係を通紙画像の画像部比率が通常の時と同一となるようにする。ここで、Vcntを変化させた量は、上記実施形態1の式(3)のΔVcntには反映しないようにする。このようにすることで、通紙画像の画像部比率によらず、同一のトナー濃度検知領域を確保することが可能となる。
この実施形態5によれば、トナー濃度センサ出力補正手段としての制御部150は、通紙画像の画像部比率に応じて、外部入力電圧Vcntを変更し、Tセンサ56Y,56M,56C,56Kの出力を補正するので、通紙時の画像部比率により2成分現像剤のトナー濃度変化量が大きい時も、Tセンサ56Y,56M,56C,56Kの出力が飽和することなく、正確にトナー濃度を検知すること検知が可能となる。
本発明を適用した画像形成装置の実施形態1を示す断面図である。 同実施形態1のトナー像形成部付近を示す断面図である。 同実施形態1の電気回路の一部を示すブロック図である。 同実施形態1の中間転写ベルト上の各色の基準パターン像を示す模式図である。 同実施形態1における電位ポテンシャルとトナー付着量との関係を示す特性図である。 トナー濃度が大きく変化した場合の2成分現像剤のトナー濃度とTセンサの出力値Vtとの関係を示す特性図である。 Vcnt値を変化させた場合のVcntとVtの関係を示す特性図である。 各線速でのVcntとVtの関係を示す特性図である。 各温湿度でのVcntとVtの関係を示す特性図である。 通紙画像の画像部比率でのVcntとVtの関係を示す特性を示す図である。 上記実施形態1におけるTセンサの構成を示すブロック図である。
符号の説明
5M,5C,5K 現像装置
6Y、6M、6C、6K トナー像形成部
56Y、56M、56C、56K Tセンサ
150 制御部

Claims (14)

  1. 2成分現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサと、このトナー濃度センサのトナー濃度検知値によりトナー補給量を制御するトナー濃度制御手段とを有するトナー濃度制御装置において、前記トナー濃度センサは出力ばらつきを外部入力電圧により調整可能なトナー濃度センサであり、未使用の2成分現像剤でトナー濃度一定の条件下にて前記トナー濃度センサの外部入力電圧を変化させて前記トナー濃度センサで前記2成分現像剤のトナー濃度を検知し、前記トナー濃度センサから適正なトナー濃度検知信号が得られるように前記外部入力電圧を調整するモードを有し、前記外部入力電圧の変化量に対する前記トナー濃度センサの出力変化量を利用して、前記2成分現像剤のトナー濃度が未使用の現像剤のトナー濃度から大きく変化した場合に前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正するトナー濃度センサ出力補正手段を備えたことを特徴とするトナー濃度制御装置。
  2. 請求項1記載のトナー濃度制御装置において、前記トナー濃度センサは、コイルのインダクタンスの変化により、前記2成分現像剤の透磁率の変化を検知することで前記2成分現像剤のトナー濃度を検知し、前記コイルを含む共振回路の共振周波数近傍に発振周波数を持つ発振器を備え、前記共振回路からの出力のばらつきを外部入力電圧により調整する手段を備えた透磁率センサからなることを特徴とするトナー濃度制御装置。
  3. 請求項1または2記載のトナー濃度制御装置において、トナー濃度一定の条件下で前記外部入力電圧を変化させ、前記2成分現像剤のトナー濃度を前記トナー濃度センサで検知し、前記外部入力電圧の変化量に対する前記トナー濃度センサの出力変化量を記憶するモードを有し、前記トナー濃度センサ出力補正手段は前記記憶した前記外部入力電圧の変化量に対する前記トナー濃度センサの出力変化量を利用して、前記2成分現像剤が未使用の現像剤から大きくトナー濃度が変化した時に前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正することを特徴とするトナー濃度制御装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載のトナー濃度制御装置において、前記トナー濃度センサ出力補正手段は、前記2成分現像剤の透磁率が未使用の現像剤の透磁率から大きく変化した時に、前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正することを特徴とするトナー濃度制御装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のトナー濃度制御装置において、前記トナー濃度センサ出力補正手段は、線速が変更された時に、前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正することを特徴とするトナー濃度制御装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載のトナー濃度制御装置において、前記トナー濃度センサ出力補正手段は、温湿度が変化した時に、前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正することを特徴とするトナー濃度制御装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載のトナー濃度制御装置において、前記トナー濃度センサ出力補正手段は、画像の画像部比率に応じて、前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正することを特徴とするトナー濃度制御装置。
  8. 2成分現像剤のトナー濃度を検知するトナー濃度センサと、このトナー濃度センサのトナー濃度検知値によりトナー補給量を制御するトナー濃度制御手段とを有する画像形成装置において、前記トナー濃度センサは出力ばらつきを外部入力電圧により調整可能なトナー濃度センサであり、未使用の2成分現像剤でトナー濃度一定の条件下にて前記トナー濃度センサの外部入力電圧を変化させて前記トナー濃度センサで前記2成分現像剤のトナー濃度を検知し、前記トナー濃度センサから適正なトナー濃度検知信号が得られるように前記外部入力電圧を調整するモードを有し、前記外部入力電圧の変化量に対する前記トナー濃度センサの出力変化量を利用して、前記2成分現像剤のトナー濃度が未使用の現像剤のトナー濃度から大きくが変化した場合に前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正するトナー濃度センサ出力補正手段を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項8記載の画像形成装置において、前記トナー濃度センサは、コイルのインダクタンスの変化により、前記2成分現像剤の透磁率の変化を検知することで前記2成分現像剤のトナー濃度を検知し、前記コイルを含む共振回路の共振周波数近傍に発振周波数を持つ発振器を備え、前記共振回路からの出力のばらつきを外部入力電圧により調整する手段を備えた透磁率センサからなることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項8または9記載の画像形成装置において、トナー濃度一定の条件下で前記外部入力電圧を変化させ、前記2成分現像剤のトナー濃度を前記トナー濃度センサで検知し、前記外部入力電圧の変化量に対する前記トナー濃度センサの出力変化量を記憶するモードを有し、前記トナー濃度センサ出力補正手段は前記記憶した前記外部入力電圧の変化量に対する前記トナー濃度センサの出力変化量を利用して、前記2成分現像剤のトナー濃度が未使用の現像剤のトナー濃度から大きく変化した時に前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正することを特徴とする画像形成装置。
  11. 請求項8〜10のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記トナー濃度センサ出力補正手段は、前記2成分現像剤の透磁率が未使用の現像剤の透磁率から大きく変化した時に、前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正することを特徴とする画像形成装置。
  12. 請求項8〜11のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記トナー濃度センサ出力補正手段は、線速が変更された時に、前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正することを特徴とする画像形成装置。
  13. 請求項8〜12のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記トナー濃度センサ出力補正手段は、温湿度が変化した時に、前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正することを特徴とする画像形成装置。
  14. 請求項8〜13のいずれか1つに記載の画像形成装置において、前記トナー濃度センサ出力補正手段は、画像の画像部比率に応じて、前記外部入力電圧を変更し、前記トナー濃度センサの出力を補正することを特徴とする画像形成装置。
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