JP2004163602A - 透磁率検知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁性体の透磁率検知に際して検出感度を向上させるとともに、周囲温度に影響されずに安定して透磁率検知を行えること。
【解決手段】磁性体に近接配置されたコイルを用いて磁性体の透磁率を検知する透磁率検知装置において、コイルは、第1の共振回路の第1コイルL1と第1コイルに磁気的結合された第2の共振回路の第2コイルL2とからなり、第1共振回路のコンデンサは、第2共振回路のコンデンサと兼用した共有コンデンサC3であり、共有コンデンサは負の温度係数を有する温度補償コンデンサC3であり、温度補償コンデンサに対して、制御電圧の大きさにより静電容量を可変するバリキャップVCを並列接続すること。また、トリマコンデンサC4を温度補償コンデンサC3に並列接続して製品出荷時に総合静電容量を所定値に調整すること。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、乾式電子写真方式を用いた画像形成装置に関し、特に、トナー等の磁性体の透磁率を非接触で検知する透磁率検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真複写装置においては、一般に、感光体ドラムの表面を帯電器によって一様に帯電させ、感光体を画像情報に基づいて露光することにより静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを選択的に付着させて現像し、得られたトナー像を普通紙に転写した後に定着して最終画像を得ている。
【0003】
現像装置の一般的な構成例を図2に示す。図2に示す現像装置は小径2段現像ローラ方式であり、感光体ドラムに隣接して上現像スリーブと下現像スリーブが配置され、着色剤を主体とする非磁性体トナーと磁性キャリアとからなる現像剤をパドルローラで感光体ドラム表面に送給する。現像が実施されるにつれて磁性キャリアは殆ど減少することはないがトナーは減少するので、減少したトナーを補充するためにトナーホッパが設けられ、このホッパに補充用トナーが収容されている。
【0004】
磁性キャリアに対するトナーの混合比率が低下すると現像画像の濃度が薄くなり、混合比率が高くなるとその逆になる。適正品質の画像を得るために現像装置に収容されているトナーを常に適正な一定レベル範囲に保持する必要があり、そのために、現像剤中のトナー濃度を検知するトナー濃度検知装置(Tセンサ)が設置されている。また、現像装置には現像剤と補充用トナーとの混合状態を均一にするために撹拌ローラが設けられている。
【0005】
従来例として、現像装置中におけるトナー濃度を検知する具体的な磁気的検知装置は、現像剤に隣接した検知コイルと現像剤に離隔した基準コイルを直列接続して交流駆動源で駆動され、両コイル接続点の差動出力電圧と交流駆動源の電圧との位相差を求めて現像剤中の磁気変動を検知している。即ち、いわゆる差動トランス型の位相差検知を用いたものである(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、トナーホッパ内のトナー量が基準量まで低下したか否かを感度良く安定に検知する従来技術として、互いに磁気的結合されたコイルL1とコイルL2の近傍に現像装置を配置し、当該L1とL2のそれぞれに並列接続されたコンデンサC1とC2を設け、L1とC1で第1の共振回路を形成し、L2とC2で第2の共振回路を形成して全体として同調回路を構成したものがある(例えば、特許文献2参照)。そして、この同調回路はその前流の固体発振回路と接続されるとともに、この同調回路の出力は、検波回路に入力された後に比較回路で基準電圧とそのレベルを比較されて、トナーレベルが基準レベルにまで達したか否かが検知される。この従来技術では、現像装置のトナーレベルが基準量と略等しくなるときに、当該トナーレベルの磁性キャリアの磁気的影響によって共振回路の共振周波数が前記固体発振器の発振周波数に近似するようになっているので、同調回路してのインピーダンスは最小となる。また、コイルL1に並列にコンデンサC1を接続して共振回路を形成し、更にL2とC2の共振回路と相俟って、同調回路のQ値を高くしているので、トナーレベルを高感度に検知することができるものである。
【0007】
また、従来技術の磁性体検知の回路構成として、トランスの一次側のコイルと、これに並列に接続したコンデンサで共振回路を形成し、反転回路の入出力に接続することで発振回路(共振周波数f1)を構成したものがある(例えば、特許文献3参照)。これによると、検知部は一次コイルと差動的に結合する2つの二次コイルとコンデンサからなる共振回路で構成され、一次の共振周波の0.7〜1.4倍差動トランスの一次と二次電圧を一部混合して検波し、零クロスを回避して動作を安定させ、スイッチング特性からアナログ特性にしている。
【0008】
【特許文献1】
特開平6ー289717号公報
【0009】
【特許文献2】
特開2000ー131120号公報
【0010】
【特許文献3】
特許第2501429号公報参照
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の特許文献1は、検知コイルと基準コイルとを用いた差動トランスによる位相差検出であって、その特徴は両コイルのいずれか一方のコイルに並列に感度調整用抵抗を接続することにより、差動出力電圧の位相は検知コイル側の急激なインダクタンス変化に対して徐々に変化することになってトナー濃度制御を安定して行おうとするものである。この技術では、両コイルと交流電源で発振回路を形成しているので、検知する磁性体に個別に合わせて、差動トランスの中の磁性体のコアを調整する必要がある。また、安定に発振させるのが難しく、発振周波数は数百ヘルツと低く、LやCを大きくする必要が有るため、小型化や低コスト化に課題がある。
【0012】
また、従来技術の特許文献2では、固体発振回路と第1共振回路及び第2共振回路を用いてトナー濃度を検知することができる旨を記述していて、トナー濃度検知は第1及び第2共振回路からなる同調回路の出力レベルとして取り出している。この特許文献2によれば、磁性体の有無により、同調回路の出力振幅の変化を出力信号として取り出しているので(位相差信号を検出していない)、精度・感度共に不十分であり、磁性体の有無の検知は可能かも知れないが、トナー濃度の様な連続量のアナログ的な検知は困難であるという課題がある。
【0013】
また、従来技術の特許文献3では、検知する磁性体の個別毎に、差動トランスの中の磁性体コアを位置調整する必要があって煩雑である。また、安定に発振させることが難しく、発振周波数は数百ヘルツと低く、LやCを大きくする必要があるため、小型化や低コスト化に課題がある。
【0014】
本発明の目的は、トナー濃度等の磁性体の透磁率検知に際して検出感度を向上させるとともに、周囲温度に影響されずに安定して透磁率検知を行える透磁率検知装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は主として次のような構成を採用する。
【0016】
磁性体に近接配置されたコイルを用いて前記磁性体の透磁率を検知する透磁率検知装置において、前記コイルは、第1の共振回路の第1コイルと前記第1コイルに磁気的結合された第2の共振回路の第2コイルとからなり、前記第1共振回路のコンデンサは、前記第2共振回路のコンデンサと兼用した共有コンデンサであり、前記共有コンデンサに対して、制御電圧の大きさにより静電容量を可変するバリキャップと直流カットオフコンデンサとの直列接続回路を並列接続し、前記直流カットオフコンデンサは、前記制御電圧をカットオフする機能を奏するものであるとともに、前記制御電圧の調整幅に対する前記直列接続回路の合成静電容量の変化幅を適正にするようにその静電容量値を設定されるものである構成である。
【0017】
また、磁性体に近接配置されたコイルを用いて前記磁性体の透磁率を検知する透磁率検知装置において、前記コイルは、第1の共振回路の第1コイルと前記第1コイルに磁気的結合された第2の共振回路の第2コイルとからなり、前記第1共振回路のコンデンサは、前記第2共振回路のコンデンサと兼用した共有コンデンサであり、前記共有コンデンサは負の温度係数を有する温度補償コンデンサであり、前記温度補償コンデンサに対して、制御電圧の大きさにより静電容量を可変するバリキャップを並列接続する構成である。
【0018】
また、磁性体に近接配置されたコイルを用いて前記磁性体の透磁率を検知する透磁率検知装置において、前記コイルは、第1の共振回路の第1コイルと前記第1コイルに磁気的結合された第2の共振回路の第2コイルとからなり、前記第1共振回路のコンデンサは、前記第2共振回路のコンデンサと兼用した共有コンデンサであり、前記共有コンデンサは負の温度係数を有する温度補償コンデンサであり、前記温度補償コンデンサに対して静電容量の可変可能なトリマコンデンサを並列接続する構成である。
【0019】
また、磁性体に近接配置されたコイルを用いて前記磁性体の透磁率を検知する透磁率検知装置において、前記コイルは、第1の共振回路の第1コイルと前記第1コイルに磁気的結合された第2の共振回路の第2コイルとからなり、前記第1共振回路のコンデンサは、前記第2共振回路のコンデンサと兼用した共有コンデンサであり、前記共有コンデンサは負の温度係数を有する温度補償コンデンサであり、前記温度補償コンデンサに対して静電容量の可変可能なトリマコンデンサを並列接続し、前記トリマコンデンサに対して制御電圧の大きさにより静電容量を可変するバリキャップを並列接続する構成である。
【0020】
このような構成を採用することによって、コンデンサとしてバリキャップを用いることによって装置の使用中に総合コンデンサ容量を適宜に調整することができるとともに、バリキャップに直流カットオフコンデンサを直列接続することで制御電圧による合成容量の変動幅を適正な値として安定した制御応答性をも確保することができる。
【0021】
また、共振回路に負の温度補償コンデンサを用いることによって、バリキャップ等における温度係数のばらつきの影響を少なくすることができる。
【0022】
また、トリマコンデンサを温度補償コンデンサとともに採用することによって、温度補償コンデンサの容量ばらつきを吸収することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態に係る、磁性体の透磁率に応じてインダクタンスが変化することを利用した種々の透磁率検知装置について、図面を用いて以下説明する。図1は本発明の実施形態に係る透磁率検知装置を適用する電子写真複写装置に関する概要を示す図であり、図2はトナー濃度センサなどの透磁率検知装置を設置した現像装置の構成を示す図であり、図3は本実施形態に係る透磁率検知装置の基本的な回路構成を示す図であり、図4は本実施形態に係る透磁率検知装置に関する基本的な機能を説明するための図である。
【0024】
また、図5は本実施形態に係る透磁率検知装置の回路構成例1を示す図であり、図6は本実施形態に係る透磁率検知装置の回路構成例2を示す図であり、図7は本実施形態に係る透磁率検知装置の回路構成例3を示す図であり、図8は本実施形態に係る透磁率検知装置の回路構成例4を示す図である。また、図9は本実施形態の共振回路におけるバリキャップの制御電圧とバリキャップ及びカットオフコンデンサの合成容量との関係を示す特性図であり、図10は本実施形態の共振回路に温度補償コンデンサを用いたときの透磁率検知装置の検地電圧−温度特性を示す図であり、図11は本実施形態の共振回路にトリマコンデンサを用いたときの合成容量の調整幅特性を示す図であり、図12は本実施形態の共振回路に調整幅の異なるトリマコンデンサを用いたときのレベル調整に要した時間を示す図である。
【0025】
ここで、1は読取部、2はランプ、3はCCD、4は増幅器、5はA/D変換部、6は画像処理部、8はシューディング補正、9はフィルタ、10はγ補正、11は階調処理、12は像形成部、13は書き込み部、14は露光、15は帯電チャージャ、16は現像スリーブ、17は給紙トレー、20は磁性体検知回路、1は発振回路、22は共振回路(検知回路)、23は位相比較回路、24は積分回路、25はインピーダンス変換回路、26は現像剤、をそれぞれ表す。
【0026】
図1に示す電子写真複写装置は、その全体構成を見れば、読取部1において、ランプ2から照射された光は原稿面で反射してCCD3により電気信号に変換され、増幅器4で振幅調整された後にA/D変換器5で量子化されたディジタル画像データとなる。生成されたディジタル画像データは、画像処理部6に入力され、シェーディング補正処理8、フィルタ処理9、γ補正処理10、階調処理11等をこの順序で施されて像形成部12に送られる。
【0027】
像形成部12に入力されたディジタル画像データは、書き込み部13で、そのデータ値に従いレーザ光14に変換され、帯電チャージャー15により帯電された感光体に照射され、感光体面に静電潜像を形成する。現像スリーブ16は、形成された静電潜像に従い、感光体面にトナーを付着させる。感光体面に付着したトナーは、給紙トレー17から送られてきた紙面上に転写され、定着部18を通り、複写原稿として出力される。
【0028】
図2に示す現像装置において、磁性キャリアに対するトナーの混合比率を常に適正値に保って高品質の画像を得るために、現像装置内のトナー濃度を検知してこれを所定値に維持する必要がある。トナー濃度が低下したことが検知されれば、トナーホッパから補充用のトナーを補給して適正なトナー濃度とするように制御されるものである。そのため、現像剤中のトナー濃度を検知するトナー濃度検知装置(Tセンサ)が設置されている。
【0029】
図3にトナー濃度検知を具体的な一例とする透磁率検知回路20を示す。この透磁率検知回路20は、本発明の実施形態の基本的構成を表しており、発振回路21、共振回路22、位相比較回路23、積分回路24、インピーダンス変換回路25とから構成されている。発振回路21は、水晶やセラミックなどの固体の発振子を用いて発振するものであり、水晶やセラミックなどの固体の発振子の持つ固有の振動数に基づいて発振周波数が決定するので、装置の使用環境や電源電圧の影響を受け難く、透磁率検知の一構成要素として安定した且つ精度の良い検知が可能となるものである。
【0030】
また、共振回路(検知回路:磁性体の有無又はその量を実質的に検知する回路であり、磁性体の透磁率に応じてインダクタンスが変化することを利用した透磁率検知回路)22は、発振回路21からの出力を抵抗R3を通して第1コイルL1に入力される。共振回路22は、第1コイルL1とコンデンサを共有する共有コンデンサC3とからなる第1共振回路と、第1コイルL1と磁気的結合定数kで結合された第2コイルL2と前記共有コンデンサC3とからなる第2共振回路と、を備えている。図2で第1コイルL1及び第2コイルL2の近傍に非接触で現像装置内の磁性キャリアと非磁性トナーの混合した現像剤26が配置され、現像剤における磁性体の有無、その量又は具体的にはトナー濃度など(透磁率の数値)によってコイルL1及びL2の実質的インダクタンスに影響を与える。
【0031】
本実施形態の基本的構成においては、第1と第2の共振回路のコンデンサを共通化又は共有させてコンデンサC3とすることによって、共振回路の構成要素の中でその値のバラツキの大きなコンデンサを共有にすることで容易に一次と二次の共振周波数の差を最小限に抑えることができる。
【0032】
また、コンデンサを共有とすることで、それぞれの共振回路にそれぞれコンデンサを設けるものと同等の共振特性を保持することができるとともに、コンデンサの数を減少させることによるコストダウンも図れる。
【0033】
更に、トナー濃度などの磁性体透磁率の検知出力を大きく取るために、発振回路21の発振周波数foscと共振回路22の共振周波数fcを一致させることが望ましいが(一例として、トナー濃度が最適値である状態のときに、foscとfcとを略一致させる)、その際、共振周波数fcを調整するにはコンデンサC3の容量値のみを調整すれば良いことになり、周波数調整を容易に行える。この場合、第1と第2のコイルは適宜のコイル成形手法から容易に双方のインダクタンスを同程度にすることができ得る。また、発振周波数foscと共振周波数fcを略一致させることにより、トナー濃度の変化に対する大きな出力変動値を得ることができ(その詳細は図4の説明で後述する)、トナー濃度検知で十分な感度を確保することができる。
【0034】
共振回路22の出力は位相差として取り出すようになっているが、図3に示す具体的構成では、発振回路の出力V1と第2コイルの共有コンデンサ側端の出力V2を(即ち、共振回路(検知回路)の入力端と出力端の信号を)、位相比較回路23のイクシクルーシブORのそれぞれの入力端に印加して、V1とV2の位相差に依存した出力信号を得るようにしている。図3に示す位相比較回路23のイクシクルーシブORの他方の入力信号は、図示の第2コイルL2のV2に代えて、抵抗R3の第1コイル側端から導いても良い。即ち、抵抗R3の両端からイクシクルーシブORの両入力端に接続しても位相差を得ることができる。これは、発振回路21の出力側、抵抗R3、第1コイルL1及び共有コンデンサC3からなる閉回路に流れる電流が、抵抗成分とリアクタンス成分からなるインピーダンスにしたがったベクトル量であるから、抵抗R3の両端における電圧間には位差が生じるのである。この位相差の取り出し方法は信号として安定はしているがその信号値は小さい。これに対して、図3に示す位相差の取り出し方法はその信号値が大きいものとなり、確実で十分な位相差出力を得ることができる。
【0035】
次に、位相比較回路23における共振回路側からの出力による位相比較の機能乃至作用について、図4を用いて説明する。図4に示すグラフにおいて、横は共振回路22での周波数、縦軸は図3に示すV1とV2の位相差である。実線がトナー濃度が適正の場合の周波数に対する位相差特性を示し、破線はトナー濃度が適正値よりも低い場合の周波数に対する位相差特性を示す。
【0036】
図3に示す共振回路のV1とV2の位相差出力をプロットすると、図4に示す実線と破線の特性を得ることができ(実験的に得たデータである)、共振回路で使用する周波数が発振回路の周波数foscに一致又は略等しい領域において位相差出力は大きく変動する特性を示す。この特性はトナー濃度の高低によらず同様の傾向を表す。今、共振周波数foscに一致する周波数である場合に、トナー濃度が適正であれば位相差は47度であり、トナー濃度が低ければ位相差は88度であって、トナー濃度が適正値から低下すると、位相差が47度から88度に変化して十分な出力差を得ることができる。
【0037】
図4に示すように、発振周波数と一致する共振周波数の点で大きな位相差出力が得られる定性的な説明として、第1共振回路(L1,C3)のQ1と第2共振回路(L2,C3)のQ2を乗じた統合のQに基づいた出力が得られることに加えて、コンデンサC3を共有したことによる第1と第2の共振回路への互いのフィードバックによる相乗効果によるものと考えられる。
【0038】
これに対して、共振回路22において発振周波数foscより低い共振周波数fcを用いた場合には、図4に示す実線と破線の位相差特性から明らかなように、トナー濃度の適正値と低減値とで位相差出力が殆ど生じない。
【0039】
また、図3に戻って、位相比較回路23の出力は、積分回路24とインピーダンス変換回路25を経て波形変換処理されて、磁性体の透磁率検知回路20全体の出力とされる。
【0040】
上述したような透磁率検知回路は、図2に示すような現像装置を備えた画像形成装置に適用できるものであり、更に、図1に示すようなプリンタ、スキャナを含めたディジタル複写機にも当然に採用できるものである。更に、以上の説明では、第1コイル及び第2コイルに対して近傍で非接触で磁性体を配置することで、透磁率に応じてインダクタンスが変化することを利用したものであるが、これに限らず、両コイルに近接した領域に導体を配置して、コイルからの磁束による導体内渦電流での磁界の影響でコイルインダクタンスが変化することを利用するものであっても良い。即ち、電気電導率に応じてインダクタンスが変化することを利用した導体検知にも適用できる。
【0041】
また、図3の回路構成では、共振回路(検知回路)の出力を位相差として取り出して位相比較する例を示したが、検知回路の出力を位相差として取り出すことに代えて、例えば、コイル近接領域の磁性体の透磁率変化による第1のコイルと第2のコイルのインダクタンス変化が引き起こす、第1及び第2共振回路に流れる電流の振幅変化を検知回路を通して出力として取り出しても良い。また、現像剤26が第1及び第2のコイルL1,L2に近接して設けられることを説明したが、コイルの一方に近接したものでも良い。
【0042】
次に、本発明の実施形態に係る透磁率検知装置に関する具体的な構成例について、図5〜図12を参照しながら以下説明する。本実施形態の基本的構成を示す図3の共振回路は鋭い感度特性を備えているので、個々の構成部品のばらつきによって、回路定数が共振条件よりずれてしまうということも有り得る。即ち、回路設計を行う上で、部品単体が規格として持っている数パーセントの公差分を、厳密な共振条件保持のために、調整する何らかの手段が必要とされる。
【0043】
そこで、本実施形態では、調整手段として図5に示すように、共振回路の共有コンデンサC3にバリキャップ(バリアブルキャパシタ:VC)を並列接続する構成を採用した。バリキャップVCは制御電圧の大きさによって容量が変化するコンデンサである。即ち、制御電圧Vcontのレベルを調整することにより、共有コンデンサC3とバリキャップVCの合成容量が調整可能となり、共振条件へコンデンサ容量を合わせ込むことができる。ここで、C2は制御電圧に対する直流カットオフコンデンサであり、この直列接続されたC2によっても、共振回路の総合コンデンサ容量が調整できる。このように、図5に示す共振回路においては、図3に示す単一の共有コンデンサC3に代えて、コンデンサ容量を変化させるために、バリキャップVCと直流カットオフコンデンサC2を直列接続し且つその接続点に制御電圧を印加する構成を用いて、制御電圧を変えることで可変容量を得ている。また、図5の構成例ではコンデンサC3に並列に前記可変容量を接続しているが、前記C3を用いないで、バリキャップVCと直流カットオフコンデンサC2からなる回路構成としても良い。
【0044】
図9には、バリキャップVCと直流カットオフコンデンサC2を直列に接続した合成容量の制御電圧による変化、及びC2の容量の大・小による合成容量の変化を表している。制御電圧を変えるという簡易な手法で、適宜の合成容量値に調整することができ、多少の構成部品のばらつきがあっても共振周波数を所定値に設定できる回路を実現することができる。図9によると、制御電圧を1〜5Vの範囲内で変えると合成容量を大きく変化させることができ、この変化はC2が大であるほど大きいことが分かる。また、C2は、印加した制御電圧がコイルを通過して、直接そのままグランドに落ちてしまうことを防ぐ(直流カットオフ)という役割も当然に併せ持っている。直流カットオフコンデンサC2を挿入することで、常にバリキャップVCに規定の電圧の供給が可能となるのである。
【0045】
以上のように、バリキャップVCは制御電圧(外部印加電圧)Vcontによって容量を変化させることができ、VCの容量を変化させることで、共振回路の共振周波数をずらすことができる。このようにして、制御電圧による制御の幅を持たせることができ、トナー濃度センサに使用する場合にはこの特性を用いて、制御電圧による検知レベルの調整を行なうことができる。現像装置の特性は機種によっても異なる上、現像剤の特性ばらつきも比較的大きいことが想定されるため、このような特性のばらつくものと組み合わせて使用する本実施形態に関するトナー濃度センサは、制御電圧によるVC容量の調整よって、現像装置側のばらつきを吸収し、所定の出力レベルを保つことができるようになる。
【0046】
ここで、制御電圧に対するトナー濃度センサを一例とする透磁率検知装置の応答性について考察すると、上述した吸収するべき種々のばらつき以上の大きな調整(制御)能力、即ちVCの可変領域が大き過ぎると、制御電圧に対する応答性が俊敏になりすぎて、少し制御電圧を動かしただけで、大きく出力が変化してしまうことになり、不安定な制御となってしまう。そこで、VCの可変容量範囲は、現像装置側のばらつきを吸収できる調整幅を持ちつつ、適宜に小さいことが望ましい。そこで、本実施形態では、バリキャップVCと直列に直流カットオフコンデンサC2を接続し、C2の容量によりVCとの合成容量が変化することを利用したものであり、図9に制御電圧に対する合成容量の変化の様子を示している。
【0047】
図9で、VCとC2の直列接続であるため、C2が大きくなると合成容量も大きくなるが、C2が無くて短絡されている場合(黒菱形の特性曲線)が最も大きな合成容量であり、且つ、最も大きな可変領域を持つことがわかる。このように、制御電圧の応答性や必要とする調整範囲の双方を考慮し、最適なC2容量を選択することで、より安定した制御を行なうことが可能となる。換言すると、C2は、制御電圧のカットオフ機能を有するばかりではなくて、VCとの合成容量における安定した制御応答性の機能をも有しているのである。
【0048】
次に、本実施形態に関する共振回路の共有コンデンサとして、負の温度係数を有する温度補償コンデンサを用いる構成を説明する。一般的に、電子部品には温度変化によってその特性値が変化してしまう素子があり、特に、電子部品の中でとりわけ大きな正の温度係数を有するものがバリキャップVCである。装置の周囲温度変化に伴うバリキャップの容量変化によって、透磁率検知装置の出力値が変動するという事態が生じ、周囲温度変化に対する補償を行う必要が生じる。そこで、本実施形態では、温度補償の方法として、図5に示す共振回路の共有コンデンサC3に負の温度係数を持つ温度補償コンデンサを採用する。即ち、正の温度係数を持つバリキャップVCに並列又は直列に負の温度係数の温度補償コンデンサを接続し、周囲の温度変化を補正しようとするものである。
【0049】
図10に透磁率検知装置の検知電圧−温度特性を示す。一般的に、検知装置としては、検知対象(例えば、透磁率)以外の要因で出力が変動することは望ましくない。図10に示す実験結果によると、温度補償を何も施さない検知装置においては、25℃〜60℃(仕様上の温度範囲)の周囲温度変化によって、検知装置の出力に変動が生じることを確認した。そこで、本実施形態における、負の温度係数をもった温度補償コンデンサC3をバリキャップと並列又は直列に接続して構成すると、温度変化が抑えられ、温度によって検知電圧が変動せず、一定値を保つことができた(図10では25℃からの特性を図示しているが、装置の周囲温度が10℃の場合においても図10に示す特性傾向を示すことを確認できた)。なお、VC以外でも正の温度係数をもった電子部品に対しても同等の効果がある。以上の説明では、バリキャップVCに対する温度補償コンデンサC3の有効性を述べたが、これに限らず、図5に示すように、VCとC2の直列接続された複数のコンデンサを用いた場合においても、同様な効果を奏する。
【0050】
また、温度係数の大きいコンデンサ(複数でも構わない)、例えばバリキャップVCに温度補償コンデンサC3を並列接続する場合に、この温度補償コンデンサC3にもその温度係数を異にする複数のコンデンサがあり、具体的には例えば、容量10pFと30pFの温度補償コンデンサには、それぞれ温度係数−120ppm/℃、−330ppm/℃、−400ppm/℃のような異なる温度係数のコンデンサが市販されており(この温度係数は、温度に対する容量の変動分を表しているが、温度補償コンデンサ自体の静電容量の大きさにも関連するものである。したがって、温度補償コンデンサ自体の静電容量が大きければ、同じ温度係数−120ppm/℃のものであっても温度変化に対する容量の変動分は大きい。)、その内で温度係数の大きいものの方がその温度係数のばらつきが大きい傾向があり、温度係数のばらつき(引いては静電容量のばらつき)の影響を少なくするためにはできるだけ温度係数の小さいものを選択する方が望ましい。
【0051】
そこで、バリキャップの容量が、温度補償コンデンサの容量と比較して大きいと、温度上昇によるバリキャップ容量の変動上昇分が大きいので、この変動上昇分を補償するために、温度係数の大きい温度補償コンデンサを採用せざるを得ないが、逆に、温度補償コンデンサの容量が並列接続されたバリキャップの最大容量よりも大きい場合には、その容量大の温度補償コンデンサにおける小さい温度係数のものであっても、容量小のバリキャップの温度上昇による容量変動分を十分に補償でき得ることとなる(容量大の温度補償コンデンサを用いることによって、温度係数の大きいものを採用するまでもなく、バリキャップの温度上昇による容量変動分を補償できるのである)。このように、温度変動分の大きいコンデンサ、例えばバリキャップに対して、バリキャップ容量よりも容量大の温度補償コンデンサを並列接続すると、バリキャップの温度変動分を補償するのに、温度係数の小さい方の温度補償コンデンサを採用することができて、温度係数のばらつき、引いては静電容量のばらつきの影響を小さくできるという効果がある。
【0052】
更に、本実施形態における温度補償コンデンサC3の機能を敷衍して述べる。環境温度の変化により、コンデンサの容量が変化するなど、その特性が変化する他の回路部品がある。これらの変化は、共振回路の共振条件をずらしてしまい、出力が変化することにつながるので、温度変化に対する補正を行なう必要がある。大きな温度変化をする(温度係数の大きい)部品は、バリキャップVCや発振子などがあり、後述するが、回路構成例A,Bで用いたバリキャップVCの温度係数は4〜350ppm/℃、発振子の温度係数は42.5ppm/℃(実測)である。本実施形態では、これらを含めた共振回路の温度補償を適正なC3の容量と温度係数(負)を選択することによって行なう。
【0053】
ここで、温度補償コンデンサC3の容量は、共振条件のCと温度係数の双方に寄与するパラメータであるが、市販されている温度補償コンデンサは、その仕様規格値が限定されてしまうため、温度補償コンデンサ単独で、適正な温度補償が行なえない場合がでてくる。そこで、図5に示す回路のように、他のコンデンサ(VC、C2など)を加え、容量調整を行ない、回路に適した温度補償コンデンサの容量と温度係数を最適化するものである(C2に温度補償コンデンサを用いても良くその場合にはVCの容量調整も加わる)。また、図5の回路において、温度補償コンデンサC3と直列に別のコンデンサを用いて調整することも可能ではある。ただ、直列になると計算が多少複雑になり、並列であると単純な加算で定数を決定できる利点があるため、図5では並列接続を例示している。
【0054】
次に、図6には、本実施形態に関する共振回路のコンデンサとして、温度補償コンデンサC3にトリマコンデンサC4を並列接続する構成例を示す。温度補償コンデンサC3は温度係数の特性上からその容量の規格公差が比較的広く許容されており、容量のばらつきが大きくなるのが一般的である。したがって、共振回路に温度補償コンデンサを用いた場合に、共振回路の共振周波数の調整範囲をさらに幅広くするために、図6の温度補償コンデンサC3にトリマコンデンサC4(容量可変型コンデンサ)を並列接続する。なお、以上の説明ではトリマコンデンサの採用は、温度補償コンデンサC3の容量のばらつきが大であることを理由としたが、これに限らず、共振回路に接続された共有コンデンサの容量を変更したい場合に、トリマコンデンサの接続でその容量を適宜に調整することで全体のコンデンサ容量を所望の値に調整しても良い。要は、トリマコンデンサの接続配置によって、図4に示す共振回路の共振周波数fcを発振回路の発振周波数foscに一致又は近似させることが容易に可能となるのである。
【0055】
図11は、調整可能幅が温度補償コンデンサ容量の5〜30%の値を有するトリマコンデンサC4と、温度補償コンデンサC3等との合成容量を10サンプルについて表した図である。図11によると、温度補償コンデンサC3等とトリマコンデンサC4のそれぞれの容量値のばらつきにより、合成容量にもばらつきが生じる。しかしながら、トリマコンデンサを調整することで各透磁率検知装置のサンプル毎に生じる温度補償コンデンサC3等の容量ばらつきを、トリマコンデンサC4の調整範囲内であれば、合成容量をある一定の値に揃えることが容易に可能となるのである。即ち、図11で、合成容量を40pFにしたいときに、32〜37pFで容量ばらつきのある温度補償コンデンサ等(温度補償コンデンサの他に、コンデンサVCやC2との組み合わせ)であっても、調整幅が約12pFのトリマコンデンサを接続すれば、10サンプルすべてについて合成容量を所望の40pFに揃えることができる。
【0056】
更に、トリマコンデンサC4を用いた具体的な回路構成について説明する。上述したように、温度補償コンデンサC3のコンデンサはばらつきが±5%(一般的な仕様公差)と大きく、共振回路においては、この容量ばらつきを無視することはできない。そこで、トリマコンデンサc4の持つ容量幅が温度補償コンデンサC3やその他共振回路を構成する部品のばらつきを吸収するのであるが、一方において、トリマコンデンサの可変容量範囲を大きくし過ぎると、調整範囲が広いために最適なトリマコンデンサの容量値を見つける作業が困難になる。
【0057】
図12に調整範囲の異なるトリマコンデンサを用いたトナー濃度センサにおけるレベル調整に要した時間を示す。生産工程上の調整時間は30秒(s)を目標としているが、トリマコンデンサの容量幅が大きいものは、調整に時間がかかり(中には最適値を見つけられずに調整不可のサンプルもあった)、作業の困難性を引き起こすことがわかった。尚、トリマコンデンサの規格値はとびとびの値しか存在していない。適正な時間で調整するためには、図12からわかるように、容量調整幅が15.5pFのものが適しており、最大でも20pF程度のものが限界である。このことから、トリマコンデンサの容量としては、部品のばらつきを吸収する幅を持ち、且つ適正な時間で調整できる容量であることが必要であると云える。
【0058】
加えて、具体的な回路構成上の数値を挙げてトリマコンデンサの機能乃至作用を説明する。まず、回路構成例Aとして、図6の回路にバリキャップVC及び直流カットオフコンデンサC2を並列接続した、後述する図7の回路を例示する。即ち、VC=10pF、C2=10pF、C3=33pF(温度係数−330ppm/℃(=−0.01089pF/℃))、トリマコンデンサ=3〜10pF(変化幅7pF)を例示する。これらの4つのコンデンサを図7のように構成した場合の総容量Cは約45pFであり、この総容量値はコイルL1,L2のインダクタンス値(L値)との関係によって決まる。なお、共振条件を満たすような、L値とC値の組み合わせは、任意に選択ことができる。回路構成Aの組み合わせが、共振条件を満たし、制御電圧応答性や制御電圧調整範囲、部品ばらつきの吸収等の条件を満たし、トナー濃度センサとして成立することを実験的に確認した。更に、10℃〜50℃の温度変化において温度変動もしないことを実験的に確認した。
【0059】
そこで、図11には、回路構成例Aの組み合わせによる総容量を表した。黒色の棒グラフはVC+C2+C3+トリマコンデンサ最小値であり、白色棒グラフの上限がVC+C2+C3+トリマコンデンサ最大値の実測データである(サンプルN=10)。このように、トリマコンデンサC4によって調整できる幅は白色棒グラフの幅となり、トリマコンデンサの調整範囲で、総容量約40pF付近の共振点へ合わせ込むことができる。回路構成例Aで選択したトリマコンデンサの変化幅7pFは総容量Cの17.5%、C3の21%である。また、回路構成例Aのトリマコンデンサの可変領域を広げ、変化幅15.5pF(4.5〜20pF)のトリマコンデンサを用いても成立し、総容量Cの38.75%、C3の45.9%であることが分かった。しかし、変化幅33pFという容量変化の大きなトリマコンデンサを用いると、トリマコンデンサの調整が困難になり、生産工程上で適正でない。
【0060】
次に、バリキャップVCを無くするとともに、コイルのL値を小さくし、総容量Cを175pFにした回路構成例B(VC無し、C2=5pF、C3=150pF(温度係数−150ppm/℃(:−0.0225pF/℃))、トリマコンデンサ=3〜10pF(変化幅7pF))を例に挙げると、回路構成例Bの場合も回路構成例Aと同様にトナー濃度センサとして成立することを確認した。この時のトリマコンデンサの変化幅7pFは総容量Cの4%、C3の4.67%である。また、回路構成例Bのトリマコンデンサの容量可変範囲を広げ、変化幅15.5pF(4.5〜20pF)のトリマコンデンサを用いても成立する(この時のトリマコンデンサの変化幅は総容量Cの8.85%、C3の10.3%)ことを確認した。
【0061】
以上の具体的な実験結果から、トリマコンデンサの適正な調整範囲は総容量の40%以下、温度補償コンデンサC3の50%以下であることが適正であると見い出した。敷衍して述べると、トリマコンデンサは主に温度補償コンデンサC3のばらつき吸収のために用いる。温度補償コンデンサは公差±5%品が主流であるが、選別すれば±1%品を入手できることから、温度補償コンデンサ容量の2%分以上をトリマコンデンサで調整できれば、温度補償コンデンサのばらつきは吸収できる。更に、温度補償コンデンサは、温度係数の大きいVCを補償するために用いていることから、ほぼ同容量のコンデンサを並列に接続し、それぞれの公差は±1%品であることを想定すると、合成容量の1%以上をトリマコンデンサで吸収できればよいことになる。
【0062】
図7は、温度補償コンデンサC3と、バリキャップVCと直流カットオフコンデンサC2の直列接続回路と、トリマコンデンサC4と、を並列接続した本実施形態の構成例である。ここで、バリキャップVCを含めて一般のコンデンサは周囲温度が上昇するとそのキャパシタンスは増す傾向にあるので、周囲温度の影響を少なくするために、温度補償コンデンサC3は負の温度係数を有するものを使用する。
【0063】
ここで、バリキャップVCは、トナー条件や共振回路の構成要素の値などによって共振条件が変化した場合において、透磁率検知装置の使用中に制御電圧を変えることによってバリキャップの容量を可変させ、引いてはコンデンサの全体容量を所望の値に設定するためのものである(図4に示すfcをfoscに一致させるように)。また、トリマコンデンサC4は、容量ばらつきの大きい温度補償コンデンサC3の容量調整のためのものであるとともに、共振条件を最適化するためのコンデンサ容量調整用であり、通常は工場出荷時に調整されるものである。このような、バリキャップVCとトリマコンデンサC4の機能、役割は、図7に示す回路構成に限られるものでは無くてこれらのコンデンサを用いた全ての回路構成でも同様である。
【0064】
図8に示す本実施形態に関する共振回路の他の構成例では、温度補償コンデンサC3と、トリマコンデンサC4と、バリキャップVCと、の並列接続コンデンサが共有コンデンサとして機能しており、制御電圧の直流カットオフコンデンサは、図8の各コイルL1,L2のA点側、B点側にC2−1,C2−2のように接続されていて、図7の回路と同様の効果を奏する。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、第1共振回路と第2共振回路に共有コンデンサを用いることで、共振回路(検知回路)の共振周波数を容易に調整することができるとともに、第1と第2の共振回路の共振周波数をたやすく揃えることができる。更に、第1共振回路と第2共振回路を備えた透磁率検知装置の共振周波数を発振回路の発振周波数と略一致させることで透磁率検知出力を大きく取り出すことができる。更に、共有コンデンサを有した共振回路の入出力端の位相差出力を検出することで磁性体検知感度を向上させることができる。
【0066】
また、コンデンサとしてバリキャップを用いることによって装置の使用中にコンデンサ容量を適宜に調整することができるとともに、バリキャップに直流カットオフコンデンサを直列接続することで制御電圧による合成容量の変動幅を適正な値として安定した制御応答性をも確保することができる。
【0067】
また、共振回路に負の温度補償コンデンサを用いることによって、バリキャップ等を含めた現像装置内構成要素における温度係数のばらつきの影響を少なくし、温度ドリフトを無くすることができる。
【0068】
また、トリマコンデンサを温度補償コンデンサとともに採用することによって、温度補償コンデンサの容量ばらつきを吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る透磁率検知装置を適用する電子写真複写装置に関する概要を示す図でである。
【図2】トナー濃度センサなどの透磁率検知装置を設置した現像装置の構成を示す図でである。
【図3】本実施形態に係る透磁率検知装置の基本的な回路構成を示す図でである。
【図4】本実施形態に係る透磁率検知装置に関する基本的な機能を説明するための図である。
【図5】本実施形態に係る透磁率検知装置の回路構成例1を示す図でである。
【図6】本実施形態に係る透磁率検知装置の回路構成例2を示す図でである。
【図7】本実施形態に係る透磁率検知装置の回路構成例3を示す図でである。
【図8】本実施形態に係る透磁率検知装置の回路構成例4を示す図である。
【図9】本実施形態の共振回路におけるバリキャップの制御電圧とバリキャップ及びカットオフコンデンサの合成容量との関係を示す特性図でである。
【図10】本実施形態の共振回路に温度補償コンデンサを用いたときの透磁率検知装置の検地電圧−温度特性を示す図でである。
【図11】本実施形態の共振回路にトリマコンデンサを用いたときの合成容量の調整幅特性を示す図でである。
【図12】本実施形態の共振回路に調整幅の異なるトリマコンデンサを用いたときのレベル調整に要した時間を示す図である。
【符号の説明】
1 読取部
2 ランプ
3 CCD
4 増幅器
5 A/D変換部
6 画像処理部
8 シューディング補正
9 フィルタ
10 γ補正
11 階調処理
12 像形成部
13 書き込み部
14 露光
15 帯電チャージャ
16 現像スリーブ
17 給紙トレー
20 磁性体検知回路
21 発振回路
22 共振回路(検知回路)
23 位相比較回路
24 積分回路
25 インピーダンス変換回路
26 現像剤
L1 一次コイル
L2 二次コイル
C,C3 共有コンデンサ
C2 直流カットオフコンデンサ
C4 トリマコンデンサ
VC バリキャップ(バリアブルキャパシタ)
OSC 発振回路

Claims (17)

  1. 磁性体に近接配置されたコイルを用いて前記磁性体の透磁率を検知する透磁率検知装置において、
    前記コイルは、第1の共振回路の第1コイルと前記第1コイルに磁気的結合された第2の共振回路の第2コイルとからなり、
    前記第1共振回路のコンデンサは、前記第2共振回路のコンデンサと兼用した共有コンデンサであり、
    前記共有コンデンサに対して、制御電圧の大きさにより静電容量を可変するバリキャップと直流カットオフコンデンサとの直列接続回路を並列接続し、
    前記直流カットオフコンデンサは、前記制御電圧をカットオフする機能を奏するものであるとともに、前記制御電圧の調整幅に対する前記直列接続回路の合成静電容量の変化幅を適正にするようにその静電容量値を設定されるものである
    ことを特徴とする透磁率検知装置。
  2. 請求項1において、
    前記第1コイルと前記第2コイルの接続点に前記直流カットオフコンデンサが接続されていることを特徴とする透磁率検知装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記共有コンデンサは負の温度係数を有する温度補償コンデンサであることを特徴とする透磁率検知装置。
  4. 磁性体に近接配置されたコイルを用いて前記磁性体の透磁率を検知する透磁率検知装置において、
    前記コイルは、第1の共振回路の第1コイルと前記第1コイルに磁気的結合された第2の共振回路の第2コイルとからなり、
    前記第1共振回路のコンデンサは、前記第2共振回路のコンデンサと兼用した共有コンデンサであり、
    前記共有コンデンサは負の温度係数を有する温度補償コンデンサであり、
    前記温度補償コンデンサに対して、制御電圧の大きさにより静電容量を可変するバリキャップを並列接続する
    ことを特徴とする透磁率検知装置。
  5. 請求項4において、
    前記バリキャップに直流カットオフコンデンサを直列接続することを特徴とする透磁率検知装置。
  6. 請求項4において、
    前記温度補償コンデンサの静電容量が前記バリキャップの最大容量よりも大きいことを特徴とする透磁率検知装置。
  7. 請求項5において、
    前記温度補償コンデンサの静電容量が、前記バリキャップと前記直流カットオフコンデンサの合成静電容量の最大値よりも大きいことを特徴とする透磁率検知装置。
  8. 磁性体に近接配置されたコイルを用いて前記磁性体の透磁率を検知する透磁率検知装置において、
    前記コイルは、第1の共振回路の第1コイルと前記第1コイルに磁気的結合された第2の共振回路の第2コイルとからなり、
    前記第1共振回路のコンデンサは、前記第2共振回路のコンデンサと兼用した共有コンデンサであり、
    前記共有コンデンサは負の温度係数を有する温度補償コンデンサであり、
    前記温度補償コンデンサに対して静電容量の可変可能なトリマコンデンサを並列接続する
    ことを特徴とする透磁率検知装置。
  9. 請求項8において、
    前記トリマコンデンサの静電容量の可変幅が、総静電容量の1%〜40%、前記温度補償コンデンサの2〜50%の範囲であることを特徴とする透磁率検知装置。
  10. 磁性体に近接配置されたコイルを用いて前記磁性体の透磁率を検知する透磁率検知装置において、
    前記コイルは、第1の共振回路の第1コイルと前記第1コイルに磁気的結合された第2の共振回路の第2コイルとからなり、
    前記第1共振回路のコンデンサは、前記第2共振回路のコンデンサと兼用した共有コンデンサであり、
    前記共有コンデンサは負の温度係数を有する温度補償コンデンサであり、
    前記温度補償コンデンサに対して静電容量の可変可能なトリマコンデンサを並列接続し、
    前記トリマコンデンサに対して制御電圧の大きさにより静電容量を可変するバリキャップを並列接続する
    ことを特徴とする透磁率検知装置。
  11. 請求項10において、
    前記トリマコンデンサの静電容量の可変幅が、総静電容量の1%〜40%、前記温度補償コンデンサの2〜50%の範囲であることを特徴とする透磁率検知装置。
  12. 請求項10において、
    前記バリキャップに直流カットオフコンデンサを直列接続することを特徴とする透磁率検知装置。
  13. 請求項12において、
    前記トリマコンデンサの静電容量の可変幅が、総静電容量の1%〜40%、前記温度補償コンデンサの2〜50%の範囲であることを特徴とする透磁率検知装置。
  14. 請求項1乃至13のいずれか1つの請求項に記載の透磁率検知装置を現像装置に付設した画像形成装置。
  15. 請求項1乃至13のいずれか1つの請求項に記載の透磁率検知装置を現像装置に付設したディジタル複写機。
  16. 請求項1乃至13のいずれか1つの請求項に記載の透磁率検知装置を用いて現像装置のトナー濃度を検知することを特徴とするトナー濃度検知装置。
  17. 請求項1乃至13のいずれか1つの請求項に記載の透磁率検知装置において、
    前記コイルに近接配置した磁性体に代えて、導体を配置して前記導体の有無を検知する導体検知装置。
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