JP6928893B2 - 画像形成装置、及び、粉体収容装置 - Google Patents
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Description
詳しくは、特許文献1において、透磁率センサは、現像装置に収容された現像剤に対向するように、現像ケースに設置されている。そして、透磁率センサによって、磁性体であるキャリアが非磁性体であるトナーに被覆される量が磁気的に検知されることで、現像装置に収容された現像剤のトナー濃度(現像剤中のトナーの割合である。)が検知されることになる。
図1において、1は画像形成装置としてのタンデム型カラー複写機、3は原稿を原稿読込部に搬送する原稿搬送部、4は原稿の画像情報を読み込む原稿読込部、5は出力画像が積載される排紙トレイ、7は転写紙等のシートPが収容される給紙部、9はシートPの搬送タイミングを調整するレジストローラ(タイミングローラ)、を示す。
また、11Y、11M、11C、11BKは各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナー像が形成される像担持体としての感光体ドラム、13は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に形成される静電潜像を現像する現像装置、14は各感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面に形成されたトナー像をシートP上に重ねて転写する1次転写バイアスローラ、を示す。
また、17は複数色のトナー像が重ねて転写される中間転写ベルト、18は中間転写ベルト17上のカラートナー像をシートP上に転写するための2次転写バイアスローラ、20はシートP上の未定着画像を定着する定着装置、28は各色(イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック)のトナーを現像装置13に補給するための各色のトナー容器、を示す。
まず、原稿は、原稿搬送部3の搬送ローラによって、原稿台から搬送されて、原稿読込部4のコンタクトガラス上に載置される。そして、原稿読込部4で、コンタクトガラス上に載置された原稿の画像情報が光学的に読み取られる。
書込み部において、4つの光源から画像信号に対応したレーザ光が各色に対応してそれぞれ射出される。各レーザ光は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色成分ごとに別の光路を通過することになる(露光工程である。)。
その後、現像工程後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、それぞれ、中間転写ベルト17との対向部に達する。ここで、それぞれの対向部には、中間転写ベルト17の内周面に当接するように1次転写バイアスローラ14が設置されている。そして、1次転写バイアスローラ14の位置で、中間転写ベルト17上に、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BK上に形成された各色のトナー像が、順次重ねて転写される(1次転写工程である。)。
その後、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKの表面は、除電部を通過して、感光体ドラム11Y、11M、11C、11BKにおける一連の作像プロセスが終了する。
その後、中間転写ベルト17表面は、中間転写ベルトクリーニング装置の位置に達する。そして、中間転写ベルト17上に付着した未転写トナーが中間転写ベルトクリーニング装置に回収されて、中間転写ベルト17における一連の転写プロセスが終了する。
詳しくは、用紙などのシートPを収納する給紙部7から、給紙ローラ8により給送されたシートPが、搬送経路を通過した後に、レジストローラ9の位置に導かれる。レジストローラ9の位置に達したシートPは、タイミングを合わせて、2次転写ニップに向けて搬送される。
そして、定着工程後のシートPは、排紙ローラによって装置本体1外に出力画像として排出されて、排紙トレイ5上にスタックされて、一連の画像形成プロセス(画像形成動作)が完了する。
図2は、作像部を示す構成図である。図3(A)は現像装置13の上部(第2搬送スクリュ13b2の位置である。)を長手方向にみた概略断面図(水平方向の断面図)であって、図3(B)は現像装置13の下部(第1搬送スクリュ13b1の位置である。)を長手方向にみた概略断面図である。
なお、各作像部はほぼ同一構造であるために、図2及び図3にて作像部及び現像装置は符号のアルファベット(Y、C、M、BK)を除して図示する。
像担持体としての感光体ドラム11は、負帯電の有機感光体であって、駆動機構によって反時計方向に回転駆動される。
クリーニング装置15は、感光体ドラム11に摺接するクリーニングブレードが設置されていて、感光体ドラム11上の未転写トナーを機械的に除去・回収する。
図2及び図3を参照して、現像装置13は、現像剤担持体としての現像ローラ13a、第1搬送部材としての第1搬送スクリュ13b1、第2搬送部材としての第2搬送スクリュ13b2、現像剤規制部材としてのドクターブレード13c、透磁率センサ100(トナー濃度検知センサ)、等で構成されている。
現像剤担持体としての現像ローラ13aは、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂等の非磁性体を円筒形に形成してなるスリーブ13a2が駆動モータによって反時計方向に回転されるように構成されている。現像ローラ13aのスリーブ13a2内には、スリーブ13a2の周面に複数の磁極を形成するマグネット13a1が固設されている。現像ローラ13a上に担持された現像剤Gは、現像ローラ13aの矢印方向の回転にともなって搬送されて、ドクターブレード13cの位置に達する。そして、現像ローラ13a上の現像剤Gは、この位置で適量に規制された後に、感光体ドラム11との対向位置(現像領域である。)まで搬送される。そして、現像領域に形成された電界(現像電界)によって、感光体ドラム11上に形成された潜像にトナーTが吸着される。
まず、第6磁極(汲上げ磁極)が磁性体としてのキャリアに作用して、第1搬送経路に収容された現像剤Gが現像ローラ13a上に汲上げられる。現像ローラ13a上に担持された現像剤Gは、その一部がドクターブレード13cの位置で掻き取られて、第1搬送経路に戻される。一方、第6磁極による磁力が作用するドクターブレード13cの位置で、ドクターブレード13cと現像ローラ13aとのドクターギャップを通過して現像ローラ13a上に担持された現像剤Gは、第1磁極(主磁極)の位置で穂立ちして現像領域において磁気ブラシとなって感光体ドラム11に摺接する。こうして、現像ローラ13aに担持された現像剤G中のトナーTが感光体ドラム11上の潜像に付着する。その後、第1磁極の位置を通過した現像剤Gは、第2磁極、第3磁極によって第4磁極(剤離れ磁極)の位置まで搬送される。そして、剤離れ磁極の位置で、反発磁界(現像ローラ13aから離れる方向に作用する磁界である。)がキャリアに作用して、現像ローラ13a上に担持されていた現像工程後の現像剤Gが現像ローラ13aから脱離される。脱離後の現像剤Gは、第2搬送経路内に落下して第2搬送スクリュ13b2によって第2搬送経路の下流に向けて搬送される。
第1搬送スクリュ13b1は、現像ローラ13aに対向する位置に配設されていて、現像剤Gを長手方向(回転軸方向)の一端側から他端側に向けて水平に搬送する(図3(B)の破線矢印に示す左方向の搬送である。)とともに、汲上げ磁極(第6磁極)の位置で現像ローラ13a上に現像剤Gを供給(図3(B)の白矢印方向の供給である。)する。第1搬送スクリュ13b1は、図2の反時計方向に回転する。
そして、第2搬送スクリュ13b2は、第1搬送スクリュ13b1による第1搬送経路の下流側から第1中継部13fを介して流入される現像剤Gを、第1搬送スクリュ13b1による第1搬送経路の上流側に第2中継部13gを介して搬送する(図3の一点鎖線矢印に示す時計方向の搬送である。)。
2つの搬送スクリュ13b1、13b2は、現像ローラ13aや感光体ドラム11と同様に、回転軸がほぼ水平になるように配設されている。また、2つの搬送スクリュ13b1、13b2は、いずれも、軸部にスクリュ部が螺旋状に巻装されたスクリュ部材である。
図3を参照して、第2搬送スクリュ13b2による第2搬送経路の下流側と、第1搬送スクリュ13b1による第1搬送経路の上流側と、は第2中継部13gを介して連通している。第2搬送スクリュ13b2による第2搬送経路の下流側に達した現像剤Gが、第2中継部13gにて自重落下して、第1搬送経路の上流側に達することになる。
また、図3を参照して、第1搬送スクリュ13b1による第1搬送経路の下流側と、第2搬送スクリュ13b2による第2搬送経路の上流側と、は第1中継部13fを介して連通している。そして、第1搬送スクリュ13b1による第1搬送経路にて現像ローラ13a上に供給されなかった現像剤Gが、第1中継部13fの近傍に留まって盛り上がって、第1中継部13fを介して第2搬送スクリュ13b2による第2搬送経路の上流側に流入(搬送)されることになる。
なお、第1中継部13fにおける現像剤の搬送性(第1搬送経路から第2搬送経路への重力方向に逆らった現像剤の受け渡しである。)を向上させるために、第1搬送スクリュ13b1の下流側の位置(第1中継部13fに対応する位置である。)に、パドル形状部などを設けることもできる。
なお、トナー容器28は、画像形成装置本体1に対して着脱可能(交換可能)に設置されている。そして、トナー容器28は、その内部に収容されたトナーTが空になると、新品のものに交換されることになる。
本実施の形態において用いられるトナーT(現像剤G中のトナー、トナー容器28中のトナーである。)は、非磁性の重合トナーであって、結着樹脂として、スチレン−アクリロニトリル−アクリル酸エステル共重合体等のスチレン系樹脂(スチレン又はスチレン置換体を含む単重合体又は共重合体)、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、又は、それらを複合したもの、等を用いることができる。また、これらの重合トナーの製造方法(重合方法)としては、塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等を用いることができる。
また、トナーTの外添剤としては、無機微粒子(例えば、シリカ1.0重量%、酸化チタン0.5重量%のものである。)を用いることが好ましい。さらに、離型剤として、酸化ライスワックス、低分子量ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、等を用いることができる。また、必要に応じて、帯電制御剤を含有させることもできる。
また、本実施の形態において用いられるトナーTは、体積平均粒径が5.8μm程度の小径トナーであり、粒径が5μm以下のものが60〜80個数%になるように形成されている。
なお、本実施の形態では重合トナーを用いたが、粉砕トナーを用いることもできる。
詳しくは、キャリアCは、芯材となるフェライト粒子に、膜厚が0.5μmのメチルメタクリレート樹脂(MMA)をコートして、上述した粒径になるように形成した磁性体である。また、キャリアCとしては、マグネタイトを芯材としたコーティングキャリアを用いることもできる。
このような小粒径のキャリアCを用いることで、出力画像のベタ均一性やハーフトーン画質を向上させることができる。また、このような小粒径のキャリアCは、トナーのキャリア被覆率を高められるため、高画質化に適した小粒径トナーとの相性が良好である。
先に図2等を用いて説明したように、現像装置13には、現像装置13に収容された現像剤Gのトナー濃度を検知するための透磁率センサ100が設置されている。透磁率センサ100は、現像装置13に収容された現像剤Gのトナー濃度の変化とともに変化する現像剤Gの透磁率を検知するものである。具体的に、現像剤Gのトナー濃度の大きさに応じて、透磁率センサ100の発振周波数の大きさが変化して、透磁率センサ100のセンサ出力としての検知電圧が変化することになる。
詳しくは、透磁率センサ100にはコイル101が設置されていて、センサ検知面を磁性体としてのキャリアCが通過すると、コイル101に磁界が生じて、コイルにおける発振周波数(誘導電圧)が変化して、センサ出力としての検知電圧Vtが変化する。 検知電圧Vtの変化は、センサ検知面を通過する磁性体の量に比例するので、キャリアCへのトナーTの被覆量と相関する。 例えば、トナーTの被覆量が多いと密度的にはキャリアGが減少して誘導磁界の発生量が小さくなり、発振周波数が大きくなる(誘導電圧が低下する)。 そして、トナー濃度が高くなった状態が、検知電圧Vtが下がることで検知されることとなる。
具体的に、本実施の形態では、図9(又は、図8)を参照して、現像装置13に収容された現像剤Gのトナー濃度が0%から100%に変化したときに、センサ出力としての検知電圧(又は、発振周波数)が一定の傾きで、トナー濃度に比例して変化することになる。
なお、「トナー濃度」は、現像剤G中におけるトナーTの重量比率(重量%)である。したがって、トナー濃度が0%のときは、現像剤G中にトナーTがなくてキャリアCのみになっている状態であり、トナー濃度が100%のときは、現像剤G中にキャリアCがなくてトナーTのみになっている状態である。
コンデンサ103、104は、コイル101と共振電流ループを構成するように接続されている。本実施の形態では、コンデンサとして、第1コンデンサ103と第2コンデンサ104とが用いられている。
出力端子108は、上述した共振電流ループの一部の電位に応じた信号をセンサ出力として出力するものである。
パターン抵抗102は、上述した共振電流ループに直列に接続されて、基板上においてコイル101と同一面上に略つづら折り状に平面パターンによって形成されたものである。
このように構成された透磁率センサ100は、トナー濃度が0〜100%の範囲で、図8に示すようにトナー濃度と発振周波数との関係が正比例の関係になり、それにともない図9に示すようにトナー濃度と検知電圧との関係が負比例の関係になる。
本実施の形態において、接着層109は、透磁率センサ100が接着される現像ケース13kの部分よりも熱伝導率(熱伝導性)が高くなるように形成されているため、環境温度が変化しても透磁率センサ100の検知精度が低下しにくくなる。
図4に示すように、透磁率センサ100は、コルピッツ型のLC発振回路を基本とする発振回路であって、コイル101(パターンコイル)、パターン抵抗102、第1コンデンサ103、第2コンデンサ104、出力端子108の他に、フィードバック抵抗105、アンバッファIC106、107などが設置されている。
コイル101は、透磁率センサ100を構成する基板上に平面状にパターニングされた信号線によって構成されている。図1に示すように、コイル101は、コイルによって得られるインダクタンスLを有する。コイル101は、コイルが形成された平面に対向する空間の透磁率によってインダクタンスLの値が変化する。その結果、透磁率センサ100は、コイル101のコイル面が対向する空間(現像剤Gが収容された現像装置13内の空間である。)の透磁率に応じた周波数の信号を発振する。
パターン抵抗102は、コイル101と同様に基板上に形成された信号線のパターンによって構成された抵抗である。パターン抵抗102は、略つづら折り状に形成されているため、直線状に形成した場合に比べて、電流が流れにくくなる。図1に示すように、パターン抵抗102は、抵抗値RPを有する。また、コイル101とパターン抵抗102とは直列に接続されているため、透磁率センサ100は、温度にそれほど影響されることなく、対向する空間の透磁率を安定して検知することが可能となる。
第1コンデンサ103と第2コンデンサ104とは、コイル101とともにコルピッツ型LC発振回路を構成する容量である。したがって、第1コンデンサ103と第2コンデンサ104とは、コイル101やパターン抵抗102に直列に接続されている。 コイル101、パターン抵抗102、第1コンデンサ103、第2コンデンサ104によって構成されるループによって共振電流ループが構成される。
フィードバック抵抗105は、バイアス電圧を安定化させるために挿入されている。2つのアンバッファIC106、107の機能により、共振電流ループの一部の電位の変動が、共振周波数に応じた矩形波として出力端子108から出力される。このような構成により、透磁率センサ100は、インダクタンスL、抵抗値RP、第1、第2コンデンサ103、104の静電容量Cに応じた周波数で発振する。
そして、インダクタンスLは、コイル101の近傍における磁性体の存在やその濃度によっても変化する。したがって、透磁率センサ100の発振周波数により、コイル101近傍の空間における透磁率(現像装置13に収容された現像剤Gの透磁率である。)を判断することが可能となる。
第1コンデンサ103、第2コンデンサ104、フィードバック抵抗105、アンバッファIC106、107、出力端子108は、透磁率センサ100を構成する基板において、コイル101やパターン抵抗102が形成された面とは反対側の面に形成されている。これにより、透磁率センサ100においてセンシング機能を発揮する部分であるコイル101が形成された面を現像ケース13kの取付面に接触させて、透磁率センサ100を配置することが可能となる。
また、コイル101やパターン抵抗102が裏側に形成されている部分には、電子部品や信号線が実装されていない。これにより、他の電子部品や信号線によって生じる磁束がコイル101やパターン抵抗102に影響しにくくなり、透磁率の検知精度を向上することができる。
しかし、トナーTはキャリアCに比べて環境によって特性が変化しやすいため、現像剤G中にトナーTがある程度含まれた状態で、センサ校正モードを実行してしまうと、透磁率センサ100の校正の精度が低下してしまうことがある。そのため、センサ校正モードは、現像剤のトナー濃度が0%の状態(トナーTが含まれておらず、キャリアCのみの状態である。)でおこなうか、現像剤のトナー濃度が極めて小さくて0%に近い状態でおこなうか、することが好ましいことになる。
一方、従来の透磁率センサは、図11に示すように、トナー濃度と検知電圧(センサ出力)との関係が、トナー濃度が一定の範囲(実施用トナー濃度範囲)であるときに正比例になるものの、トナー濃度がその範囲から外れてしまうと比例関係がなくなっていた。したがって、現像剤のトナー濃度が0%の状態(又は、0%に近い状態)でおこなおうとしても、透磁率センサを精度良く校正することができなかった。
そして、所定のタイミングで、現像装置13(収容器)に収容された現像剤(混合粉体)中における非磁性粉体濃度(トナー濃度)が、0%、又は、通常の使用時の非磁性粉体濃度よりも低い所定値、となっている状態で、センサ出力が狙いの基準値となるように透磁率センサ100を校正する「センサ校正モード(制御モード)」が実行されるものである。
図11は、従来の透磁率センサ(特許文献1等に開示されたものである。)を用いたときの、トナー濃度と検知電圧との関係を示すグラフである。従来の透磁率センサは、透磁率によって位相が変化する検知方式を採用しているため、トナー濃度と検知電圧とのグラフの傾きが一定の直線となる領域が限られてしまう。そして、トナー濃度が0%となる領域(又は、その近傍領域)では、トナー濃度に対する透磁率センサの検知電圧の感度がほとんどない状態になる。そのため、従来は、実使用のトナー濃度範囲で、トナー濃度と検知電圧とのグラフの傾きが一定の直線となるように、透磁率センサのパラメータをチューニングする必要があった。すなわち、従来は、現像剤のトナー濃度が0%の状態(又は、0%に近い状態)で透磁率センサの校正をおこなうことができず、現像剤のトナー濃度が通常の現像工程時のものになっている状態で透磁率センサの校正をおこなっていた。
そのため、従来は、着荷時に予め現像装置に収容される現像剤(プリセット剤)として、通常の現像工程時におけるトナー濃度のものが用いられて、その現像装置が高温環境で長時間放置されて、プリセット剤中のトナー(軟化点が60〜70℃程度である。)が固着してしまうなどしたときには、透磁率センサ100の校正の精度が大きく低下してしまっていた。
また、トナー濃度が0%のときの透磁率センサの発振周波数A´や、トナー濃度が100%のときの透磁率センサの発振周波数B´は、透磁率センサ100自体の固体差によってばらつくことがあるが、トナー濃度と発振周波数とのグラフの傾きはセンサ固体差によらずに一定となることを、本願発明者は知得した。
そのため、本実施の形態における透磁率センサ100を用いた場合には、現像装置13に収容された現像剤がキャリアのみである状態(トナー濃度が0%となる状態)で、トナー濃度が0%のときの透磁率センサ100の発振周波数A´を基準周波数にあわせるように「センサ校正モード(制御モード)」を実行することが可能になる。
なお、透磁率センサ100の発振周波数は検知電圧に変換されてセンサ出力として出力されることになる。したがって、本実施の形態における透磁率センサ100を用いた場合には、現像剤のトナー濃度と、透磁率センサ100の検知電圧と、の関係も、トナー濃度が0〜100%の範囲において、傾きが一定の直線となる。具体的に、図9に示すように、現像剤のトナー濃度と、透磁率センサ100の検知電圧と、は比例の関係になる。
したがって、透磁率センサ100は、トナー濃度と検知電圧との関係がずれないように高精度に校正する必要がある。例えば、トナー濃度を4〜9%の範囲で制御したいのに、透磁率センサの校正の精度が低くてトナー濃度が5〜10%の範囲で制御されてしまうと、トナー濃度が9%以上になったときにトナー飛散やトナー落ちが生じやすくなる。
また、例えば、図10(B)に示すように、トナー濃度が狙いの値(7wt%)から小さな値(6.5wt%)にずれてしまうと、トナー濃度と検知電圧とのグラフがR0からR2のようにシフトしてしまい、トナー濃度が同じ値であっても、トナー濃度が高く検知されてしまう。このような場合には、トナー濃度の下限が狙いの値TNよりも低い値TN´に設定されてしまい、下限が低くなってしまった分、キャリア付着やキャリア劣化が生じやすくなってしまう。
また、本実施の形態におけるセンサ校正モードは、従来のもののようにトナー濃度が所定範囲になるようにトナー補給制御をおこないながら実行するのではなくて、トナー補給制御をおこなうことなく実行することができるため、センサ校正に関わる全体の制御が単純化されるとともに、センサ校正に関わる制御時間を短縮化することができる。
詳しくは、図7(A)に示すように、工場出荷時において、現像装置13の内部には、トナー濃度が0%のプリセット剤GP(キャリアC)が収容されて、その状態で現像装置13からプリセット剤GP(キャリアC)が漏出しないように、シール材13pが現像ケース13kの開口を覆うように貼着される。そして、そのような現像装置13がセットされた状態のまま、画像形成装置1が梱包されて出荷されることになる。
このように、プリセット剤GPにはトナーTが含まれずキャリアC(トナーTとは異なり高温軟化など環境による特性変化がほとんど生じない。)のみで構成されているため(又は、極めて少量のトナーTしか含まれていないため)、出荷後の現像装置13(画像形成装置1)が着荷されるまで間に高温環境で長時間放置されてしまったとしても、プリセット剤GP中のトナーTが固着してしまう不具合などは生じないことになる。
なお、プリセット剤GP(キャリアC)の容量は、通常の現像工程時に使用される現像剤G中のキャリアCの容量に合わせて設定されている。
詳しくは、図7(B)に示すように、ユーザー先で着荷作業がおこなわれるときには、現像装置13からシール材13pが取り外されて、キャリアCのみからなるプリセット剤GPが収容されたまま、トナー補給制御をおこなうことなく、「センサ校正モード(制御モード)」が精度良く実行されることになる。
そして、そのようにセンサ校正モードが実行されて、透磁率センサ100が高精度に校正された後に、ユーザー先で現像装置13(画像形成装置1)の使用が開始されることになる。このとき、現像工程前のウォーミングアップ動作として、透磁率センサ100の検知出力が狙いの値(狙いのトナー濃度7wt%に相当する検知出力である。)になるように、トナー容器28から現像装置13にトナーを補給するトナー補給制御がおこなわれることになる。
このように、本実施の形態では、プリセット剤GPが収容された状態のまま透磁率センサ100の校正を高精度におこなうことができるため、着荷時の作業性が向上することになる。
また、本実施の形態におけるプリセット剤GPは、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色の違いによる区別のないキャリアCのみからなるため、色の違いによる区別のあるトナーTがプリセット剤に含まれる場合に比べて、画像形成装置1が出荷される段階でイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのそれぞれの現像装置13を共通化することができる。
また、現像装置13や透磁率センサ100が寿命に達したり故障したりして交換されたときにも、それら自体の部品バラツキや取付け状態のバラツキなどによって、現像剤のトナー濃度と透磁率センサ100の検知出力との関係がずれてしまう可能性がある。そのため、現像装置13や透磁率センサ100を交換する場合にも、現像装置13に収容された現像剤Gのトナー濃度を0%にした状態で、トナー補給制御をすることなくセンサ校正モードを実行することになる。
なお、センサ校正モードをおこなおうとするときに、現像装置13に既に収容されている現像剤G中にトナーが含まれているような場合には、そのトナーを現像装置13から強制的に消費させるような、ダミーの現像工程をおこなって、トナー濃度を0%にしてからセンサ校正モードを実行することになる。
詳しくは、図7(B)を参照して、センサ校正モード時には、現像装置13を含めて、感光体ドラム11などの他の作像部材も、通常の画像形成動作時と同じ回転数や回転方向で駆動されることになる。すなわち、作像部を駆動する駆動機構は、センサ校正モード時にも、通常の画像形成動作時と同じように稼働されることになる。
これにより、現像装置13内において現像剤GP(キャリアC)が通常の現像工程時と同じように流動しながら透磁率センサ100の校正がおこなわれることになり、透磁率センサ100が実使用状態に近い状態で高精度に校正されることになる。
これにより、現像装置13内に収容された現像剤Gのトナー濃度を検知する透磁率センサ100の校正を高精度におこなうことができる。
そして、それらのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
なお、本願において、「プロセスカートリッジ」とは、像担持体を帯電する帯電装置と、像担持体上に形成された潜像を現像する現像装置と、像担持体上をクリーニングするクリーニング装置と、のうち少なくとも1つと、像担持体と、が一体化されて、画像形成装置本体に対して着脱可能に設置されるユニットと定義する。
そして、そのような場合であっても、本実施の形態のものと同様の効果を得ることができる。
11、11Y、11C、11M、11BK 感光体ドラム(像担持体)、
13 現像装置(収容器)、
13a 現像ローラ(現像剤担持体)、
13c ドクターブレード(現像剤規制部材)、
13k 現像ケース(ケース)、
100 透磁率センサ(トナー濃度検知センサ)、
101 コイル(パターンコイル)、
102 パターン抵抗、
103 第1コンデンサ、
104 第2コンデンサ、
105 フィードバック抵抗、
106、107 アンバッファIC,
108 出力端子、
109 接着層、
G 現像剤(2成分現像剤、混合粉体)、 GP プリセット剤、
T トナー(非磁性粉体)、 C キャリア(磁性粉体)。
Claims (10)
- トナーとキャリアとからなる現像剤が収容された状態で、像担持体の表面に形成される潜像を現像する現像工程をおこなう現像装置と、
前記現像装置に収容された現像剤のトナー濃度を検知する透磁率センサと、
を備え、
前記透磁率センサは、トナー濃度とセンサ出力との関係が比例の関係になるように構成され、
所定のタイミングで、前記現像装置に収容された現像剤のトナー濃度が、0%、又は、通常の現像工程時のトナー濃度よりも低い所定値、となっている状態で、前記現像装置にトナーを補給することなく、センサ出力が狙いの基準値となるように前記透磁率センサを校正する制御モードが実行されることを特徴とする画像形成装置。 - 前記現像装置は、トナー濃度が0%又は前記所定値である現像剤がプリセット剤として出荷前に予め収容され、
前記制御モードは、着荷後であって前記現像装置の使用が開始される前のタイミングで、前記現像装置に前記プリセット剤が収容された状態であって、前記現像装置にトナーが補給されない状態で実行されることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記制御モードは、前記現像装置に収容されていた現像剤、前記現像装置、前記透磁率センサ、のうち少なくとも1つが交換されたときに、その使用が開始される前のタイミングで、前記現像装置にトナーが補給されない状態で実行されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
- 前記制御モードは、前記現像装置が通常の現像工程時と同じ条件で駆動された状態で実行されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記透磁率センサは、トナー濃度が0〜100%の範囲で、トナー濃度とセンサ出力との関係が比例の関係になるように構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記透磁率センサは、
基板上に平面パターンによって形成されて、前記現像装置に収容された現像剤の透磁率の大きさに応じてインダクタンスが変化するコイルと、
前記コイルと共振電流ループを構成するように接続されたコンデンサと、
前記共振電流ループの一部の電位に応じた信号をセンサ出力として出力する出力端子と、
前記共振電流ループに直列に接続されて、前記基板上において前記コイルと同一面上に略つづら折り状に平面パターンによって形成されたパターン抵抗と、
を具備したことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記透磁率センサは、
前記コイルと前記パターン抵抗とを含む範囲を切れ間なく覆うように形成されて、前記コイルが前記現像装置のケースを介して内部に収容された現像剤に対向するように当該透磁率センサを前記ケースに接着して固定するための接着層を具備し、
前記接着層は、前記透磁率センサが接着される前記ケースの部分よりも熱伝導率が高くなるように形成されたことを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。 - 通常の現像工程時に、前記透磁率センサのセンサ出力に基いて前記現像装置に収容された現像剤のトナー濃度が狙いの値になるように、前記現像装置に向けてトナーを補給するためのトナー容器が、着脱可能に設置されたことを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記現像装置は、プロセスカートリッジの一部として構成されたことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の画像形成装置。
- 磁性粉体と非磁性粉体とからなる混合粉体を収容する収容器と、
前記収容器に収容された混合粉体中における非磁性粉体濃度を検知する透磁率センサと、
を備え、
前記透磁率センサは、非磁性粉体濃度とセンサ出力との関係が比例の関係になるように構成され、
所定のタイミングで、前記収容器に収容された混合粉体中における非磁性粉体濃度が、0%、又は、通常の使用時の非磁性粉体濃度よりも低い所定値、となっている状態で、前記収容器に非磁性粉体を補給することなく、センサ出力が狙いの基準値となるように前記透磁率センサを校正する制御モードが実行されることを特徴とする粉体収容装置。
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-
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