JP2007254977A - 折戸 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】折戸の吊元側縦框23Aと可動側縦框23Bの上端部に、同一構造の吊元側上戸車30Aおよび可動側上戸車30Bをそれぞれ取り付ける。枠体の上枠11には、上枠に沿って連続するガイドレール14を設け、かつ、上枠において吊元側縦框23Aが設けられる端部側には取付孔を形成する。この取付孔に吊元側設定部材40を挿入して取り付けることによって、吊元側上戸車30Aをガイドレールに対して移動不能に設定する。従って、吊元側設定部材40を取付孔に挿入させるだけで、吊元側設定部材を容易に上枠に取り付けることができ、施工作業性が向上される。
【選択図】図7
Description
また、同一構造の上戸車を吊元側上戸車および可動側上戸車として兼用することができ、部品点数を少なくしてコストを低減させることができる。
また、吊元側設定部材を取付孔に挿入させるだけで、吊元側設定部材を上枠に容易に取り付けることができ、吊元側上戸車は、縦枠内側面と吊元側設定部材とに当接されることによって移動不能に設定される。従って、少ない部品点数で吊元側設定部材を構成することができるとともに、容易に吊元側設定部材を取り付けることができて、施工作業性が向上される。
つまり、縦枠内側面と吊元側設定部材との間隔寸法が、可動側上戸車の見付け方向の長さ寸法未満に設定されているので、吊元側縦框における上戸車を誤って可動側上戸車の向きに設定した場合には、上戸車と吊元側設定部材とが互いに干渉して、戸本体を枠体内に取り付けることができない。
従って、吊元側設定部材を設けることによって、枠体内に戸本体を取り付ける際に、吊元側縦框における上戸車が、可動側上戸車となる向きではなく、吊元側上戸車となる向きに正しく設定されていなければ取り付けることができないため、その向きを確認する手間を省くことができる。従って、施工作業の効率化を図ることができる。
このような構成によれば、上枠の両端部のどちらでも吊元側設定部材を取り付けることができるので、上枠の両端部を吊元側端部と可動側端部のどちらにも設定することができる。従って、折戸の開閉方向(右開き、左開き)に関わらず枠体を共通化させることができ、枠体の生産性を向上できる。
また、係止部が設定部本体から切除可能に形成されているので、係止部を設定部本体との連結部分で折って、設定部本体のみを上枠にビス止めで固定することができる。従って、取付孔が形成されていない上枠であっても、吊元側設定部材をビス止めで上枠に固定させることができる。
本実施形態は、浴室出入口に設けられる折戸1であり、図1は折戸1を浴室側から見た正面図、図2および3は折戸1の縦断面図および横断面図である。
折戸1は、浴室出入口に固定される枠体10と、この枠体10内に配置される2枚の障子20A,20Bを備えた戸本体20とを備えて構成されている。
ガイドレール14,15は、上枠11、下枠12の長手方向に連続して形成されているが、各縦枠13間の長さ寸法(見付け寸法)よりも短くされている。このため、ガイドレール14,15の両端と縦枠13との間には、隙間(図示略)が形成されている。本実施形態では、この隙間によってレールの両端部に形成される切欠部が構成されている。
各障子20A,20Bは、上框21と、下框22と、左右の縦框23,24とを四周枠組みした内部に面材25を配置して構成されている。
縦框23,24は、戸本体20の左右両端に設けられる縦框(戸先框)23と、戸本体20の見付け方向中央部に設けられて前記連結框20Cで回動自在に連結された縦框(召合せ框)24とされている。また、各障子20A,20Bの一方の障子の縦框23は、戸本体20の吊元側縦框23Aとされ、他方の障子の縦框23は、戸本体20の可動側縦框23Bとされている。
上戸車30は、ガイドレール14に沿って摺動される摺動戸車である。そして、吊元側縦框23Aに設けられる上戸車30は、吊元側上戸車30Aとしてガイドレール14に沿って移動できないように設けられている。また、可動側縦框23Bに設けられる上戸車30は、可動側上戸車30Bとしてガイドレール14に沿って摺動移動可能に設けられている。
吊元側上戸車30Aは、図4,5に示すように、縦框23の上端内部に取り付けられたケース31と、ケース31内に挿入配置されたガイドホルダ32と、ケース31内に配置されて前記ガイドホルダ32を上方に付勢する付勢手段としてのコイルバネ33と、前記ガイドホルダ32をコイルバネ33の付勢力に抗して下方に移動可能な操作部材34と、ガイドホルダ32に対して着脱可能に取り付けられたガイド片35とを備えている。
ガイドホルダ32は、図4に示すように、略円筒状に形成されて内部に前記各ガイド片35が着脱可能に取り付けられるホルダ本体321と、前記ホルダ本体321の下方に設けられた円板状のフランジ322と、フランジ322から下方に向かって延長された係止軸部323とを備えている。
そして、ガイドホルダ32は、前記ケース31内に上下方向に移動可能にかつ回動可能に挿入されている。
フランジ322は、円板状に形成され、ホルダ本体321の下面から所定寸法離れて配置されている。
係止軸部323は、コイルバネ33で付勢されたガイドホルダ32が、ケース31から外れないように係止するために設けられている。具体的には、図5にも示すように、係止軸部323は下方に向かって延長され、その先端(下端)は二股に分かれている。ケース31の下面に突出された係止軸部323の先端には、係止部324が左右方向に突設されており、この係止部324をケース31の下面部311に形成された係止穴に係合することで、ガイドホルダ32はケース31から抜け出ることがないように係止されている。
操作部材34は、縦框23の側面に形成された開口231に対して上下方向に移動可能に取り付けられている。この操作部材34は、利用者が指を掛けて操作部材34を押し下げるための操作摘み341と、前記フランジ322の上面に係合する係合突起342とを備えている。
取付部351には、前記突条部321Aに案内される溝部351Aと、前記係止溝321Bに係合する係合部351Bとが設けられている。このため、ガイド片35は、ガイドホルダ32に対して回り止めされた状態で着脱可能に取り付けられている。
上面プレート部352には、吊元用ガイド溝353および可動用ガイド溝356が直交して形成されている。吊元用ガイド溝353および可動用ガイド溝356は、前記ガイドレール14に係合するように構成されている。
可動用ガイド溝356は、その両端は上面プレート部352の端縁まで形成されて上面プレート部352の端部に開口されている。
一方、図4の右半分および図7に示すように、可動用ガイド溝356を戸本体20の見付け方向に向ければ、ガイド片35はガイドレール14に沿った方向に移動可能となる。このため、このガイド片35は、可動側ガイド片35Bとして利用されている。
また、図6に示すように、上戸車30のガイド片35において吊元用ガイド溝353に沿った方向の外形寸法L2は、可動用ガイド溝356に沿った方向の外形寸法L3よりも小さく設定されている。
吊元側設定部材40と縦枠内側面131との間隔寸法L1は、吊元側ガイド片35Aの見付け方向の長さ寸法(上面プレート部352において吊元用ガイド溝353に沿った方向の外形寸法L2)以上、かつ、可動側ガイド片35Bの見付け方向の長さ寸法(上面プレート部352において可動用ガイド溝356に沿った方向の外形寸法L3)未満に設定されている。
図8,9に示すように、吊元側設定部材40は、設定部本体41と係止部42とを有している。設定部本体41は、平面略正方形状に形成され、中央部にビス止め用のザグリ部411が設けられている。係止部42は、設定部本体41よりも厚さ寸法が小さく形成され、中央部にスナップ部421が設けられている。スナップ部421は、係止部42において先端部(図9中、右部分)から設定部本体41に向かう方向に傾斜して構成され、傾斜部分の先端部は、係止部42の厚さ方向に移動可能に設けられている。
取付孔142は、ガイドレール14の両端部において、それぞれ隣設する縦枠13の内側面131から等しい寸法の位置に形成されている。これによって、吊元側設定部材40を吊元側ガイド片35Aの設定される側に選択的に取り付けることができ、設置作業時に折戸1の開方向の向きが変更されても、すぐに対応できるように構成されている。
次に、このように構成された本実施形態の折戸1の施工手順に関して説明する。
まず、工場等において、戸本体20を製造する際には、図4に示すように、上戸車30のケース31、ガイドホルダ32、コイルバネ33、操作部材34、ガイド片35は、予め縦框23に組み付けておく。同様に、下戸車のケース、ガイドホルダ、ガイド片も予め縦框23に組み付けておく。なお、吊元側上戸車30Aにおけるガイド片35は、吊元用ガイド溝353を戸本体20の見付け方向に向け、吊元側ガイド片35Aとしておく。また、可動側上戸車30Bにおけるガイド片35は、可動用ガイド溝356を戸本体20の見付け方向に向け、可動側ガイド片35Bとしておく。
また、図10に示すように、吊元側設定部材40は、上枠11の吊元側の端部に取り付けておく(図10中、実線で示す位置)。なお、折戸1の施工現場において、吊元側が上枠11の左右反対に変更された場合には、吊元側設定部材40を取り外して、反対側の取付孔142に取り付ければよい(図10中、2点鎖線で示す手順)。
すなわち、図5(B)に示すように、操作部材34で上戸車30をコイルバネ33に抗して下方に押し下げた状態で、戸本体20の下戸車をガイドレール15に係合する。次いで、戸本体20を垂直に配置した後、図5(A)に示すように、前記上戸車30を上方に戻して各吊元用ガイド溝353、可動用ガイド溝356をガイドレール14に係合する。
一方、可動側ガイド片35Bは、ガイドレール14に対して移動可能であるため、可動側ガイド片35Bが取り付けられた縦框23は可動側の縦框23となる。
なお、吊元側ガイド片35Aは、縦枠13と吊元側設定部材40との間に配置される。この際、万が一、ガイド片35が可動側ガイド片35Bとなる向きになっていた場合には、縦枠13と吊元側設定部材40との間隔寸法L1が可動側上戸車30Bの見込み方向の長さ寸法L3より小さく設定されているので、ガイド片35が間違った向きで取り付けられることはない。このため、吊元側ガイド片35Aは、吊元側設定部材40によって、ガイドレール14に対して移動不能となる向きに必ず設定されて取り付けられる。
折戸1の通常使用時には、可動側縦框23Bを吊元側に移動すれば、可動側ガイド片35Bはガイドレール14に沿って移動する。この際、各縦框23は上戸車30、下戸車に対して回動する。このため、各障子20A,20Bは、各縦框23を回動軸として回動し、連結框20C側の各縦框24は、ガイドレール14,15に対して浴室内に移動されるとともに、戸本体20は連結框20C部分で二つ折りにされ、折戸1は開かれる。折戸1を閉める場合には、上記と逆の操作を行えばよい。
また、万一、浴室内で事故が発生したため等で、折戸1を取り外す必要がある場合には、作業者は操作摘み34を操作し、ガイドホルダ32および吊元側ガイド片35Aや可動側ガイド片35Bを押し下げる。これにより、ガイドレール14と各ガイド片35A,35Bとの係合状態が解除されるので、戸本体20を枠体10から取り外すことができる。
なお、浴室内の人を救出した後は、取外作業と逆の手順(ドア施工時と同様の手順)で戸本体20を取り付ければよい。
この際、吊元側ガイド片35Aは、縦枠13と吊元側設定部材40との間に配置されるので、間違ってガイド片35を可動側ガイド片35Bとなる向きに設定した場合には、縦枠13と吊元側設定部材40との間隔寸法L1が可動側上戸車30Bの見込み方向の長さ寸法L3より小さく設定されているので、ガイド片35が間違った向きのままで取り付けられることはない。
(1) 吊元側設定部材40の係止部42をガイドレール14の取付孔142に挿入して係止させるだけで、吊元側設定部材40を上枠11に容易に取り付けることができ、ビス等の固定具を必要としないので、施工作業性を向上できる。
また、戸本体20を枠体10内に再度取り付ける際に、吊元側設定部材40が設けられているので、吊元側のガイド片35が正しい向きに設定されていることを確認する手間を省くことができ、緊急時に利用者が戸本体20を確実に取り付けることができ、かつ、取付作業の効率化を図ることができる。
例えば、前記実施形態では、戸本体20を開状態にした際に、吊元側設定部材40が可動側上戸車30Bと当接しないように、各上戸車30A,30B間の間隔を保持する当接部として操作部材34を兼用していたが、各縦框23,24に専用の当接部を設けてもよい。
このような吊元側設定部材40を用いれば、係止部42を取付孔142に挿入することで取り付ける場合と、係止部42を切除してビス止めのみで取り付ける場合と、係止部42の挿入およびビス止めで取り付ける場合との3パターンの取付に対応可能な吊元側設定部材にでき、吊元側設定部材の種類を軽減できる利点がある。
なお、吊元側設定部材は、ビス止め可能に形成されていなくてもよく、係止部42が設定部本体41から切除可能に形成されていなくてもよく、少なくとも取付孔142に挿入されることで上枠11に取り付けられるように形成されていればよい。
また、前記実施形態では、吊元側設定部材40は上枠11に着脱自在に構成されていたが、吊元側設定部材40は、一旦、上枠11に固定すれば、その後は外すことができないように構成されていてもよい。
また、前記実施形態では、ガイドホルダ32とガイド片35とは互いに別体で構成されていたが、上戸車30としてはガイドホルダ32とガイド片35とが一体的に構成されていてもよい。
具体的には、上戸車の上面に両端が上戸車側面に開口されてガイドレールに案内されるガイド溝を形成し、吊元側上戸車が上枠の吊元側端部において縦枠内側面と前記吊元側設定部材との間に配置され、これらに当接されるように構成してもよい。
このような構成によれば、ガイド溝が形成された上戸車を吊元側上戸車および可動側上戸車として兼用できるので、ガイド溝を有する一般的な戸車を上戸車として採用できる。
Claims (6)
- 上枠、下枠および縦枠を枠組みして構成された枠体と、二つ折り可能に構成されて前記枠体内に開閉可能に取り付けられた戸本体とを備えた折戸であって、
前記戸本体は、吊元側縦框と可動側縦框とを有し、これら各縦框の上端部には同一構造の吊元側上戸車および可動側上戸車がそれぞれ取り付けられ、
前記枠体の上枠には、上枠に沿って連続するレールが設けられ、かつ、上枠において前記吊元側縦框が設けられる端部側には取付孔が形成され、この取付孔には吊元側設定部材が挿入されて取り付けられ、
前記吊元側上戸車は、前記吊元側設定部材によって、前記レールに対して移動不能に設定されている折戸。 - 前記各上戸車の上面には、両端が上戸車側面に開口されて前記レールに案内されるガイド溝が形成され、
前記吊元側上戸車は、前記上枠の吊元側端部において縦枠内側面と前記吊元側設定部材との間に配置され、これらに当接されることで前記レールに対して移動不能に設定されている請求項1に記載の折戸。 - 前記各上戸車の上面には、一端側のみが上戸車側面に開口され、他端は係止壁部で塞がれている吊元用ガイド溝と、両端が上戸車側面に開口された可動用ガイド溝とが形成され、
前記各上戸車の前記吊元用ガイド溝に沿った方向の長さ寸法は、前記可動用ガイド溝に沿った方向の長さ寸法よりも小さく設定され、
前記吊元側設定部材は、前記縦枠内側面から前記上戸車の吊元側ガイド溝に沿った方向の長さ寸法以上、かつ、前記可動用ガイド溝に沿った方向の長さ寸法未満離れた位置に配置されて、前記縦枠内側面と当該吊元側設定部材との間隔を前記吊元側上戸車のみが配置可能な寸法に設定し、
前記吊元側上戸車は、前記吊元側縦框に対して前記吊元用ガイド溝が見付け方向となる向きに取り付けられ、前記係止壁部が前記レールに形成された切欠部に係止されることで前記レールに対して移動不能に設定され、
前記可動側上戸車は、前記可動側縦框に対して前記可動用ガイド溝が見付け方向となる向きに取り付けられている請求項1に記載の折戸。 - 前記取付孔は、前記上枠の両端部に形成され、
前記吊元側設定部材は、前記各取付孔のうち、前記上枠の吊元側端部の取付孔に着脱可能に取り付けられている請求項1から請求項3のいずれかに記載の折戸。 - 前記吊元側設定部材は、設定部本体と、係止部とを備え、
前記設定部本体は、前記上枠にビス止め可能に形成され、
前記係止部は、前記上枠の取付孔に係止可能かつ前記設定部本体から切除可能に形成されている請求項1から請求項4のいずれかに記載の折戸。 - 前記吊元側縦框および前記可動側縦框には、前記戸本体を開状態にした際に互いに当接して、前記吊元側上戸車と可動側上戸車との間に所定寸法の間隔が保持されるように構成された当接部がそれぞれ設けられ、
前記吊元側設定部材は、前記戸本体を開状態にした際に前記吊元側上戸車および可動側上戸車間に配置されている請求項1から請求項5のいずれかに記載の折戸。
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