JP2007254236A - 黒色複合酸化物粒子、その製造方法、黒色スラリー、黒色ペーストおよびブラックマトリックス - Google Patents

黒色複合酸化物粒子、その製造方法、黒色スラリー、黒色ペーストおよびブラックマトリックス Download PDF

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Abstract

【課題】金属酸化物を主成分とする黒色顔料として、黒色度、色相、塗料化時の分散性、塗料を塗膜化した際の塗膜の表面平滑性に関して優れており、さらには微粒でありながら、一次粒子の粒度分布のシャープさも備えた材料を提供する。
【解決手段】60質量%〜80質量%のコバルトおよび0.1質量%〜5質量%のマンガンを含有し、SEM観察で測定した一次粒子平均径が0.05μm〜0.3μmであることを特徴とする粒状黒色複合酸化物粒子。

Description

本発明は、黒色複合酸化物粒子、およびその製造方法に関する。また本発明は、該複合酸化物粒子を含む黒色スラリー、および黒色ペーストに関する。更に本発明は、該黒色ペーストにより形成されたブラックマトリックスに関する。
塗料用、インキ用、トナー用、ゴム・プラスチック用等に用いられる黒色顔料は、黒色度、色相、着色力、隠ぺい力等の特性に優れ、かつ安価であることが求められており、カーボンブラックやマグネタイトをはじめとする酸化鉄系顔料、その他複合酸化物顔料が用途に応じて利用されている。
昨今、上記いずれの分野においても高性能化及び高品質化が求められている。例えば、金属酸化物を主成分とする黒色顔料においては、単に黒色度に優れているのみならず、フラットパネルディスプレイに用いられるブラックマトリックスの形成の際の焼成時に要求される耐酸化性、樹脂や溶媒等を用いて塗料化する際に要求されるビヒクル中での分散性、塗料を塗膜化した際の塗膜の表面性等に優れたものが求められている。金属酸化物を主成分とする黒色顔料の代表例としては、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化銅といった単独組成の金属酸化物粒子や、Cu-Cr系、Cu-Mn系、Cu-Cr-Mn系、Cu-Fe-Mn系、Co-Mn-Fe系、Co-Fe-Cr系等の複合酸化物粒子が挙げられる。(特許文献1ないし3参照)。
特開平9-237570号公報 特開平10-231441号公報 特開平9-124972号公報
単独組成の金属酸化物粒子においては、粒子径が大きいものは黒色度が高いものの、サブミクロンレベルの粒子となると褐色を呈したり、あるいは、そのようなレベルの粒子の製造が困難である。
また、複合酸化物粒子においても、黒色顔料に求められる性能上、一長一短がある。例えばCu-Cr系複合酸化物粒子やCu-Cr-Mn系複合酸化物粒子のように、クロムを含む複合酸化物粒子の場合、クロムの毒性上の問題がある。
特許文献1に開示されているようなCu-Mn系複合酸化物粒子は、粒子の微細化は容易だが、形状が不定形化しやすい。また粒子の凝集が生じ易く、塗料化した際の分散性や塗料の平滑性に劣る。
同じく特許文献1に開示されているようなCu-Fe-Mn系複合酸化物粒子は、黒色度が高く、形状が均整で分散性に優れており、特許文献2に開示されているようなCo-Mn-Fe系複合酸化物粒子は、形状が均整で分散性に優れている。しかし、いずれも鉄を含有していることに起因して、耐候性に劣っており、耐酸性にも劣るといわれている。この理由は、経時劣化し易いFe2+に黒色度を依存しているためである。
以上の通り、金属酸化物を主成分とする黒色顔料として、黒色度、色相、塗料化時の分散性、塗料を塗膜化した際の塗膜の表面平滑性に関して優れており、さらには微粒でありながら、一次粒子の粒度分布のシャープさも備えた材料は、未だ見出されていないのが実情である。本発明の目的は、これらの要求に応え得る材料を提供することにある。
本発明者等は、黒色を呈する各種金属酸化物を鋭意検討した結果、特定のCo-Mn系複合酸化物粒子が前記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は60質量%〜80質量%のコバルトおよび0.1質量%〜5質量%のマンガンを含有し、一次粒子平均径が0.05μm〜0.3μmであることを特徴とする粒状黒色複合酸化物粒子を提供することにより前記目的を達成したものである。また、該複合酸化物粒子を含有する黒色スラリー、黒色ペースト、および該黒色ペーストにより形成されたブラックマトリックスを提供するものである。
本発明の黒色複合酸化物粒子は黒色度、色相、塗料化時の分散性、塗料を塗膜化した際の塗膜の表面平滑性に関して優れている。さらには、微粒でありながら、粒度が均一であることと凝集が少なく、粒度分布がシャープであることから、塗料用、インキ用、トナー用、ゴム・プラスチック用の黒色顔料として好適である。特にフラットパネルディスプレーのブラックマトリックス形成用の着色組成物や、プラズマディスプレイ、プラズマアドレス液晶等の黒色電極、遮光層の形成に好適である。また、このような黒色複合酸化物粒子を用いた黒色ペーストにより形成されたブラックマトリックスやプラズマディスプレイ、プラズマアドレス液晶は、黒色度、焼成皮膜の均一性や光沢性に優れるものである。
以下、本発明を、その好ましい形態に基づき説明する。本発明の複合酸化物粒子は、黒色であり、コバルト及びマンガンを含むものである。本発明の複合酸化物粒子は、焼成工程を経ているにもかかわらず、形状が粒状であり、微粒でありながら、黒色度および耐熱性が高いことによって特徴付けられる。
前記微粒の程度として、具体的には一次粒子平均径は0.05〜0.3μmであり、好ましくは0.1〜0.2μmである。このように微細な複合酸化物粒子を含む塗料から形成された塗膜は、その表面平滑性が良好であり、また該塗膜の光沢度が高くなる。
次に本発明の複合酸化物粒子の組成について説明すると、複合酸化物粒子におけるコバル含有量は60質量%〜80質量%であり、好ましくは65質量%〜75質量%である。コバルトの含有量が60質量%未満であると、耐熱性のみならず、基本的に高電気抵抗が好まれるブラックマトリックス用途に不向きになる。また、コバルト含有量が80質量%超であると、黒色度が低下する。
一方、本発明の複合酸化物粒子におけるマンガンの含有量は、0.1質量%〜5.0質量%であり、好ましくは0.5質量%〜4.0質量%である。マンガンの含有量が0.1質量%未満であると、湿式反応時に不定形粒子が発生しやすく、得られる複合酸化物粒子の分散性に劣る。また、マンガンの含有量が5.0質量%超であると、色相が悪くなり、電気抵抗が低下する。
本発明の複合酸化物粒子は、その一次粒子平均径が、先に述べた範囲内であることに加えて、一次粒子の粒度分布がシャープであることが好ましい。一般に粒子粉末の粒度分布の幅は、変動係数により表される。変動係数(%)は(標準偏差/一次粒子平均径)×100で算出される。変動係数が大きいことは粒度分布に幅があることを示し、逆に変動係数が小さいことは粒度分布がシャープであることを示す。本発明においては、上記変動係数が10〜40%であると好ましく、より好ましくは15〜30%である。
本発明の複合酸化物粒子は、その一次平均粒子径が小さく、かつ一次粒子の粒度分布がシャープであることに加えて、さらに、個数基準に基づく粒度分布における凝集粒子の最大径Dmaxが小さいことが好ましい。それによって、塗膜の表面平滑性を一層効果的に向上させることができる。この観点から、個数基準に基づく凝集粒子の最大径Dmaxは0.5〜4μm、特に1〜3μmであることが好ましい。凝集粒子の最大粒径Dmaxは、レーザー回折散乱法を用いた粒度分布測定装置によって測定される。
また、本発明の複合酸化物粒子は、前記個数基準に基づく粒度分布における凝集粒子のD50が0.1μm〜1.5μmであることが好ましい。このD50が0.1μm未満とすることは、一次粒子の程度からみて困難であり、1.5μmを超える場合、凝集が強すぎて、各種用途いずれにおいても分散性が不良となる。より好適な一次粒子平均径の程度0.1〜0.2μmからすると、D50は0.2μm〜1μmであることがより好ましい。
本発明の複合酸化物粒子は、微粒でありながら、BETによる比表面積が小さいものとすることができる。複合酸化物粒子のBET比表面積は、好ましくは5m/g〜30m2/gであり、更に好ましくは10m/g〜25m/gである。比表面積が小さいと、周囲の環境の影響を受けにくいという点で有利である。特に湿度の影響を受けにくくなる。このような複合酸化物粒子は、吸湿性が低く、各種用途に好適である。
吸湿性が低いことと関連して、本発明の複合酸化物粒子は、その体積電気抵抗値が高いものである。具体的には25℃、55%RHの条件下で測定された体積電気抵抗値が、好ましくは1×10Ω・cm以上であり、更に好ましくは1×10〜1×10Ω・cmである。体積電気抵抗値が高いことは、複合酸化物粒子をブラックマトリックスの用途に用いた場合に、電極間を確実に絶縁できるという有利な効果を奏する。
本発明の複合酸化物粒子は、低磁性であり、粒子どうしの凝集が起こりにくく、分散性が良好である。具体的には、796kA/m条件下での飽和磁化が3Am/kg以下、特に2Am/kg以下であることが好ましい。飽和磁化の下限値に特に制限はなく、小さいほどが好ましいが、その値が0.1Am2/kg程度であれば、粒子どうしの凝集を効果的に防止できる。
粒子の形状及び粒径と関連するが、本発明の複合酸化物粒子は、粒子の分散性が高いものである。分散性の尺度として鏡面反射率を採用した場合、本発明の複合酸化物粒子はその値が70%以上、特に85%以上という高い値になる。
本発明の複合酸化物粒子は、金属成分として、前述したコバルト及びマンガンのみを含有し、それら以外の環境負荷等の大きい重金属元素を実質的に含まないことが好ましい。金属元素を含有する場合には原子番号20以下の軽金属元素を含有させることができる。複合酸化物粒子が、コバルト及びマンガン以外の前記軽金属元素を含有する場合、その含有量は0.05質量%〜5質量%、特に0.1質量%〜3質量%である。
本発明の複合酸化物粒子は、黒色度が高いことによっても特徴付けられる。粒子の黒色度は、JIS K5101―1991に準拠して測定される。色差計を用いて測定された粒子のL値は20以下という低い値になる。またa値は0.1以下、b値は0.1以下という低い値になる。
次に、本発明の複合酸化物粒子の好ましい製造方法について説明する。本製造方法の工程は、金属水酸化物スラリーの調製工程、湿式酸化工程、熱処理工程からなる。以下それぞれの工程について説明する。
先ず金属水酸化物スラリーの調製工程について説明すると、コバルト及びマンガンの水溶性塩が溶解した金属塩混合水溶液と水酸化アルカリとを混合中和して金属水酸化物スラリーを得る。コバルト及びマンガンの水溶性塩量は、得られる複合酸化物粒子中のコバルトおよびマンガン含有量が所定値となるよう調整すれば良い。混合中和については、いかなる混合態様でも良いが、金属塩混合水溶液に水酸化アルカリを徐々に添加するのが好ましい。水酸化アルカリの添加時間に特に制限はないが60分〜120分であることが、均一な金属水酸化物核を得られる点から好ましい。水酸化アルカリの添加時間が短すぎると、不均一な組成の金属水酸化物が形成され、また不定形粒子が発生しやすい傾向にある。水酸化アルカリの添加時間が長すぎると、均一な組成の水酸化物が形成されるものの、核の成長も進行し、不定形状粒子が発生しやすい傾向にある。
金属水酸化物スラリーの調製においては、スラリー温度を30〜60℃にすることが好ましい。
上記温度が30℃未満の場合、未溶解の金属塩が水溶液中に残る可能性が高く、水酸化アルカリと混合して複合水酸化物を形成する際に、不均一な組成の水酸化物が形成される恐れがある。また、60℃を超える場合、核の大きさが不均一となりやすく、最終的に得られる複合酸化物粒子のサイズもばらつくことが推測される。
なお、コバルト及びマンガンの水溶性塩としては、例えば硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、塩化物等が挙げられる。金属塩混合水溶液中の金属イオン濃度は、生産性等を考慮して、総イオン濃度で0.5mol/L〜2.0mol/L程度に調整すれば良い。
水酸化アルカリとしては水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の苛性アルカリを用いることが好ましい。水酸化アルカリの濃度は0.5mol/L〜2.0mol/L程度であることが好ましい。水酸化アルカリの添加量は、得られる金属水酸化物スラリーのpHが10〜13程度となるように調整する。
次に湿式酸化工程について説明する。金属水酸化物スラリーが得られたら、当該スラリーに空気を吹き込み、湿式酸化を行い、複合酸化物粒子を得る。吹き込むガスは空気が好ましい。酸素を吹き込んだ場合は、反応が早すぎて粒度分布がブロードになる傾向にある。湿式酸化においては、液温を調整することが重要である。具体的には、金属水酸化物スラリーを温度40℃超、60℃以下に維持した状態で湿式酸化を行う。この温度が40℃以下の場合、粒子が微粒化して黒色度が低下する恐れがあり、60℃を超える場合、不定形状粒子の発生が多発しやすい。
湿式酸化においては液のpHを調整することも重要である。本製造方法においては液のpHを比較的高pH領域である10〜13、特にpH11〜13に維持した状態下に湿式酸化を行う。湿式酸化はスラリー中の酸化還元電位が平衡に達するまで続ける。
酸化反応は、スラリー中の酸化還元電位が平衡に達するまで続け、こうして得られたスラリーを80〜150℃まで昇温する。昇温後、80〜100℃で1〜6時間攪拌するか、オートクレーブ等を用いて100〜150℃で処理するかして、スラリー中の黒色複合酸化物粒子の熟成を行う。この熟成は、反応を進行させて粒状の粒子を形成させるために重要で、この際の処理温度が80℃(オートクレーブを用いる場合、100℃)未満の場合、反応がなかなか進行しないために粒状の粒子を形成させることができず、不定形粒子が発生しやすい。100℃(オートクレーブを用いる場合、150℃)を超える場合、反応速度が速いことに起因して得られる粒子の粒度分布が広くなり、好ましくない。
次に熱処理工程について説明する。湿式酸化が完了した複合酸化物粒子を含むスラリーは、常法の濾過、洗浄、脱水処理を経て、50〜120℃にて乾燥を行った後粉砕し、得られた黒色複合酸化物粒子を大気雰囲気500〜850℃にて1時間超、3時間以下で熱処理させ、形態を安定化させる。熱処理時間が1時間以下であると酸化物の形態が安定しないため、色相が悪くなる恐れがある。また、3時間を超えると粒子間焼結の影響により粗大粒子が発生しやすくなる恐れがある。熱処理後の複合酸化物粒子は、一部凝集が見られることがあるので、常法の解砕処理を加えれば良い。
熱処理の際の温度は500℃未満では、酸化物の形態が安定せず、各種特性の安定性に欠けるおそれがある。また、850℃を超える場合、過剰な熱負荷により、黒色度や色相が不良となるおそれがある。なお、熱処理時の雰囲気は大気中、あるいは不活性ガス雰囲気下、いずれでも構わない。
このようにして得られた複合酸化物粒子はその黒色度が高いことを利用して、塗料用、インキ用、トナー用、ゴム・プラスチック用の黒色顔料として好適に用いられる。例えば、複合酸化物粒子は各種溶媒と混合され黒色スラリーとなされる。また、複合酸化物粒子は、樹脂を含む公知の塗膜形成成分およびガラスフリット(ガラス粉末)と混合され黒色ペーストとなされる。そのような黒色ペーストは、フラットディスプレイパネルのブラックマトリックスの形成に好適に用いられる。また、そのような黒色ペーストは、プラズマディスプレイ、プラズマアドレス液晶等の前面板の黒色電極、遮光層の形成に好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明の範囲はかかる実施例に制限されない。
〔実施例1〕
表1に示す量の硫酸コバルト七水塩及び硫酸マンガン五水塩を温度45℃、6リットルの水に投入、撹拌して溶解させた。次にこの混合金属塩水溶液に、苛性ソーダ1mol/L水溶液10リットルを約90分かけて添加し、得られた水酸化物スラリーのpHが12になるように調整した。添加完了後の液温は50℃だった。得られた金属水酸化物スラリーの液温を50℃に維持しつつ、空気を3L/分の割合で約3時間吹き込んだ。その後、反応液の攪拌を続け、約60分で85℃まで昇温し、その後1時間保持した。
1時間保持後、生成した複合酸化物スラリーを濾過、洗浄して、洗浄ケーキを80℃で10時間乾燥した。乾燥品を粉砕して、大気中で、600℃、2時間の熱処理を行って、一次粒子平均径0.12μm、比表面積16m/gの複合酸化物粒子を得た。
得られた複合酸化物粒子について、以下に示す評価方法にて、諸特性を評価した。結果を表2に示す。
〔評価方法〕
(a)Co及びMn含有量
試料を溶解し、ICPにて測定した。
(b)粒子形状、一次粒子径および粒度分布の変動係数
走査型顕微鏡(倍率4万倍)により、粒子形状を観察した。同時に、任意に200個の粒子のフェレ径を計測し、その個数平均値を持って一次粒子径とした。
(c)凝集粒子の最大粒径Dmax
ベックマンコールター社製LS-230(商品名)を用いて測定した。
(d)比表面積
島津−マイクロメリティックス製2200型BET計にて測定した。
(e)電気抵抗値
試料10gをホルダーに入れ、600kgf/cmの圧力を加えて25mmφの錠剤型に成形後、電極を取り付け150kgf/cmの加圧状態で測定した。測定に使用した試料の厚さ及び断面積かと抵抗値から電気抵抗値を算出した。
(f)黒色度、色相
粉体の黒色度測定はJIS K5101−1991に準拠して行った。
試料2.0gにヒマシ油1.4ccを加え、フーバー式マーラーで練りこむ。この練り込んだサンプル2.0gにラッカー7.5gを加え、さらに練り込んだ後これをミラーコート紙上に4milのアプリケーターを用いて塗布し、乾燥後、色差計(東京電色社製、カラーアナライザーTC-1800型)にて、黒色度(L値)及び色相(a値、b値)を測定した。
(g)鏡面反射率
スチレンアクリル系樹脂(TB-1000F)を(樹脂:トルエン=1:2)にて溶解した液を60g、試料を10g、直径1mmのガラスビーズ90gを内容積140mlのビンに入れ、蓋をした後、ペイントシェーカー(トウヨウセイキ社製)にて30分混合した。これをガラス板状に4milのアプリケーターを用いて塗布し、乾燥後、ムラカミ式GLOSS METER(GM―3M)にて、60度の反射率を測定した。
(h)比表面積
島津−マイクロメリティックス製2200型BET計にて測定した。
(i)凝集度
HOSOKAWA MICRON製の「Powder Tester Type PT-R」(商品名)を用い、振動時間65秒にて測定した。
〔実施例2、比較例1及び2〕
表1に示すように各製造条件を変更した以外は、実施例1と同様の方法で複合酸化物粒子を得た。
得られた複合酸化物粒子について、実施例1と同様に諸特性を評価した。結果を表2に示す。
表2からも明らかなように、実施例の黒色複合酸化物粒子は、黒色度、色相、塗料化時の分散性、塗料を塗膜化したときの表面平滑性に優れている。また、電気抵抗も十分高く、ブラックマトリックス形成用途に好適である。
これに比べ、比較例1の複合酸化物粒子は、マンガン成分を過剰に含有していることに起因して、黒色度や色相の面で著しく劣っており、電気抵抗も低い。
また、比較例2の複合酸化物粒子は、マンガン成分が少ないことにより、粒子が板状を呈していた。変動係数大でDmaxも大きく、粒度のバラツキが大きく、分散性にも劣っていることが判る。それに起因して、鏡面反射率も凝集度が不良である。

Claims (7)

  1. 60質量%〜80質量%のコバルトおよび0.1質量%〜5質量%のマンガンを含有し、SEM観察で測定した一次粒子平均径が0.05μm〜0.3μmであることを特徴とする粒状黒色複合酸化物粒子。
  2. SEM観察で測定した粒子の個数粒度分布の変化係数が10〜40%であることを特徴とする請求項1記載の粒状黒色複合酸化物粒子。
  3. レーザー回折散乱法を用いた個数基準に基づく粒度分布における凝集粒子の最大径Dmaxが0.5〜4μmである請求項1または請求項2記載の粒状黒色複合酸化物粒子。
  4. BETによる比表面積が5m/g〜30m/gである請求項1〜3の何れかに記載の粒状黒色複合酸化物粒子。
  5. 請求項1〜4何れかに記載の粒状黒色複合酸化物粒子と有機溶媒とを含有する黒色スラリー。
  6. 請求項1〜4何れかに記載の粒状黒色複合酸化物粒子と、樹脂を含む塗膜形成成分と、ガラスフリットとを含有する黒色ペースト。
  7. 請求項6記載の黒色ペーストにより形成されたブラックマトリックス。



























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