JP2007254182A - オゾン発生装置用放電セル - Google Patents

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Abstract

【課題】放電式オゾン発生装置において、原料ガスとして窒素無添加の高純度酸素を使用する場合のオゾン濃度低下を防止する。
【解決手段】一対の電極30,30の間にオゾン発生用の放電空隙20を形成するために、少なくとも一方の電極30に接して誘電体10が配置されたオゾン発生装置において、ペロブスカイト構造のA位置に原子が存在しない結晶構造をもつ遷移金属酸化物のA位置にアルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類金属が入った遷移金属ブロンズを、前記誘電体10の表面に存在させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、放電式オゾン発生装置に使用される放電セルに関する。
オゾナイザーと呼ばれる放電式オゾン発生装置に使用される放電セルは板型と管型に大別される。いずれの放電セルも隙間をあけて配置された一対の電極を有しており、この電極間に放電空隙を形成するべく、一対の電極のうちの少なくとも一方の電極表面に接して、電極間に誘電体を配置した構成になっている。そして、放電空隙に所定の高周波高電圧を印加して無声放電を発生させた状態で、ここに酸素等の原料ガスを流通させることにより、オゾンガスが生成される。
最近は、金属からなる電極を放電空隙に曝さないために、一対の電極の各内側に一対の誘電体を配置して、一対の誘電体の間に放電空隙を形成する構成が増加してきている。更に、これを1ユニットとして厚み方向に複数積層した多層構造が多用されている。
放電セルにおける誘電体は、形状的には剛性のある基板タイプのものと、剛性のある電極の空隙側の表面にコーティングされた被覆タイプに大別される。被覆タイプの場合、厚み分布の不均一が避けられず、これが放電空隙のギャップ量の不均一につながるなどの問題があり、最近は硬くて化学的にも強いセラミックス板などの基板タイプが主流になりつつある。
ところで、オゾン発生装置は種々の化学処理設備に使用される一方で、半導体製造設備にも広く使用され始めた。酸化膜の形成、レジストのアッシング、シリコンウエーハの洗浄等に使用される半導体製造用オゾン発生装置の場合、高いクリーン度が要求されることから、コンタミネーション(金属不純物及びパーティクル)の極めて少ない純粋なオゾンガスを発生させる必要があり、このために原料ガスとしては高純度の酸素ガスが使用される。
また、基板タイプの誘電体としては、機械的強度が高く、耐オゾン性及び耐スパッタリング性等にも優れた高純度のアルミナ基板が、クリーン度確保などの点から推奨されている。更に、高濃度のオゾンガスを生成する必要から、酸素ガスの高純度化と共に、放電空隙におけるギャップ量の縮小、均一化が図られており、そのギャップ量は現在0.2mm以下まで縮小されたものものも見受けられる。
原料ガスとして高純度の酸素ガスを使用した場合、オゾンガスのオゾン濃度が運転開始直後から急激に低下し、所定の性能がでないという問題のあることは、既に広く知られている。この問題を解決するためには、高純度の酸素ガスに微量の触媒ガスを添加することが有効とされており、その触媒ガスとしては、半導体製造工程において入手が容易な高純度の窒素ガスが多用されている。
誘電体が前述した高純度のアルミナ基板の場合も例外ではなく、原料ガスが高純度の酸素ガスの場合はオゾナイザーとしての性能が殆どでない。それどころか、高純度のアルミナ基板の場合は酸素ガスに窒素ガスを混合しても、オゾン濃度が十分に上がらないことが分かってきた。より詳しくは、放電空隙の両面側に高純度のアルミナ基板を配置した場合に、特に触媒ガスの添加効果が十分に得られないのである。これは放電空隙と接する誘電体の表面から不純物が極度に排除されていることが原因と考えられる。
このような事情から、触媒ガスを使用せずにオゾン濃度を上昇させる試みが各方面で進められており、その一つが特許文献1,2などに記載された誘電体への酸化チタンの使用である。また、特許文献3,4に示すように誘電体表面へのタングステン系物質のコーティングも考えられている。
特開平11−21110号公報 特開2005−350336号公報 米国特許5932180号明細書 特開2005−320223号公報
特許文献1,2に記載された酸化チタンは、誘電体の表面にコーティングしたり誘電体の全体に含有させることにより、オゾンガスの濃度を上げることができる。しかし、原料ガスである酸素ガスの純度が99.9%以上の場合、窒素ガス無添加ではオゾン濃度は上がらない。ただし、窒素ガスを微量添加(例えば0.5vol%程度)添加することにより、オゾン濃度は飛躍的に上昇し、オゾン発生装置の能力を最大限引き出すことが可能となる。つまり、酸化チタンは窒素ガスの使用量を減らす効果はあるものの、窒素ガス無添加でオゾン濃度を高める効果は小さいのである。
一方、タングステン系物質に関しては、特許文献3では誘電体の表面に金属タングステンがコーティングされており、特許文献4では放電空隙に接する誘電体の表面や電極の表面に、所定の電気抵抗率を有するタングステン酸化物がコーティングされている。
特許文献3では、誘電体の表面に金属タングステンがコーティングされるが、放電空隙で生成されるオゾンの強力な酸化力により、この金属タングステンはタングステン酸化物(WO3 )に変化し、実際はこのWO3 が誘電体の表面を覆っていると考えられる。ちなみに、WO3 は絶縁体である。
これに対し、特許文献4では、所定の抵抗率を有する導電性タングステン酸化物が、放電空隙に接する誘電体の表面や電極の表面にコーティングされる。タングステン酸化物のうち、WO3 は電気的な絶縁体であるが、WO2 は導電性が良好であり、酸素量を変化させることにより、タングステン酸化物の抵抗率を変化させることが可能なのは事実である。しかし、この導電性タングステン酸化物も放電空隙に接しており、オゾンに直接接触するので、WOX (X<3)も使用により結局は絶縁体であるWO3 に変化すると考えられる。
つまり、引用文献3に記載された技術も引用文献4に記載された技術も、表現は異なるものの、実際に使用する放電セルでは、放電空隙と接する面にWO3 がコーティングされていると考えられるのである。
しかしながら、本発明者らがWO3 の有効性を確認するために、誘電体の表面にWO3 をコーティングしたり、誘電体中にWO3 を配合したところ、酸素無添加の場合にオゾン濃度を高める効果はTiO2 より相当大きいことが確認された。しかし、オゾン発生装置の能力を最大限引き出すまでには至らない。むしろ、微量の窒素ガスを添加しても、その効果はそれほど改善されず、オゾン発生装置の能力を最大限に引き出すまでには至らない。つまり、微量の窒素ガスを添加する場合のオゾン濃度は、WO3 よりもTiO2 の方が高くなるのである。
本発明の目的は、窒素無添加の場合にオゾン発生装置の能力を最大限に引き出すことができるオゾン発生装置用放電セルを提供することにある。
オゾン発生装置用放電セルにおいて原料ガスとして高純度の酸素ガスを使用した場合にオゾン濃度が低下する現象の理由については諸説があり、定説と言われるものはまだ存在しない。例えば引用文献4では、誘電体の表面に負極性電荷(O2 - 、O3 - などの−イオン)が蓄積し過ぎることにより、電子電流比k(オゾン生成に寄与する電子によるエネルギー消費とオゾン生成には寄与しないイオンによるエネルギー消費の比)が減少し、これがオゾン生成効率の低下につながるとされており、この観点から、誘電体表面の電気抵抗率を下げて、負極性電荷の蓄積を抑制するのが、オゾン生成効率の向上に有効とされている。
これに対し、高純度の酸素ガスを使用した場合にオゾン濃度が低下する現象の理由として、オゾンの活性に着目する研究者も少なくない。すなわち、オゾン(O3 )は酸化力が非常に強い。これは酸素(O2 )から生成されたオゾン(O3 )が瞬時に酸素(O2 )戻ることを意味する。つまり、オゾンは非常に不安定であり、高純度の酸素ガスを使用した場合もオゾンは十分に生成されているにもかかわらず、そのオゾンが酸素に戻り、結果的にオゾン濃度が上がらないという考え方である。そして、この理由としては、オゾンが励起し、エネルギー準位が必要以上に上がっていることが考えられている。オゾン濃度を上げることは、生成されたオゾンの分解を阻止することと同義と言われる所以もここにある。
以上のような事情から、本発明者は高純度の酸素ガスを使用した場合のオゾン低下を防止するためには次の2つの条件を満足させることが不可欠であると考えた。一つは、生成されたオゾンの余剰エネルギー準位を下げることによりオゾンが安定化し、その分解が抑制され、その結果としてオゾン濃度が上昇するとの考えから、生成されたオゾンの余剰エネルギーを吸収してオゾンを安定化させる物質、具体的には酸素空孔をもつ物質を誘電体の表面に存在させることであり、今一つは、その物質がオゾンと接触しても酸化されない安定な物質であることである。
これら2つの条件を満足する物質として、本発明者は遷移金属ブロンズに着目した。遷移金属ブロンズをタングステン(W)を例にとって説明すると、WO3 はReO3 と同じ結晶構造をしているが、Wの価電子がReの価電子よりも一つ少ないために絶縁体となる。しかし、その結晶構造はReO3 と同じようにペロブスカイト構造のA位置に原子がないものであり、単純立方格子の陵をつなぐ3方向に大きなトンネルが存在することになる。ここに水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属の入ったものはMX WO3 で表されるタングステンブロンズとなる。タングステンブロンズは酸素空孔を有しており、オゾンとの共存下では、オゾンを不安定にしている要因である余分なエネルギー、即ち励起電子をその空孔に電子を吸収し、オゾンを安定化する。また、そのタングステンブロンズは非常に安定な化合物であるためにオゾン共存下でも安定であり、オゾンによる酸化変質を生じない。
代表的なタングステンブロンズはKWO3 であり、本発明者は純度99.5%の高純度アルミナにこれを例えば1wt%含有させた誘電体を放電セルに使用したところ、原料ガスに高純度の酸素ガスを使用した場合にも、非常に高濃度のオゾンガスが生成され、オゾン発生装置の能力を最大限に発揮させることが確認できた。その酸素ガスに微量の窒素ガスを添加しても、オゾン濃度が上昇しなかったことから、KWO3 の含有により、高純度酸素ガスを使用した場合のオゾン濃度の低下が効果的に阻止され、オゾン発生装置の能力が最大限に引き出されていることは確実と考えられる。
本発明のオゾン発生装置用放電セルは、かかる知見を基礎として開発されたものであり、一対の電極間にオゾン発生用の放電空隙を形成するために、少なくとも一方の電極に接して誘電体が配置されたオゾン発生装置において、ペロブスカイト構造のA位置に原子が存在しない結晶構造をもつ遷移金属酸化物のA位置にアルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類金属が入った遷移金属ブロンズが、前記誘電体の表面に存在したものである。
本発明のオゾン発生装置用放電セルにおいては、放電セルの放電空隙でオゾンが生成される。そのオゾンは励起状態にありエネルギー準位が上っていて不安定である。しかるに、放電空隙に接する誘電体の表面に酸素空孔を有する遷移金属ブロンズが存在しているために、その励起状態のオゾンの余剰エネルギー準位が下がり、安定化する。その結果、高濃度酸素を使用した場合に問題となる生成オゾンの酸素への瞬時分解が回避され、結果としてオゾン濃度が上がる。
遷移金属ブロンズは誘電体の表面に0.1〜2wt%の濃度で存在すればよい。0.1wt%未満の場合はオゾン濃度を上昇させる効果が不十分であり、一方、2wt%を超える存在は、遷移金属ブロンズと誘電体との密着性を悪くし、オゾンガス中にコンタミネーションが混入する原因となる可能性を生じさせる。
遷移金属の種類は多く、その酸化物の種類は更に多い。その酸化物の種類を特に限定するものではないが、オゾン濃度上昇効果、安定性、耐久性等を総合的に判断すると、V2 5 、Sb2 3 、WO3 、Mn3 4 、Fe2 3 、NiO又はCo3 4 が好ましく、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。特に好ましい遷移金属酸化物はWO3 であり、遷移金属ブロンズとしてはタングステンブロンズ(MX WO3 )が特に好ましい。また、タングステンブロンズとしてはKWO3 ,NaWO3 などがあり、なかでも特にKWO3 が好ましい。なぜなら、KWO3 は非常に安定した化合物であり、オゾン暴露による金属コンタミネーションの原因となる可能性が少ないためである。
遷移金属ブロンズは、コーティング等により誘電体の表面乃至表層部にのみ存在させることも可能であるが、誘電体の全体に含有させた所謂バルク材が好ましい。遷移金属ブロンズを誘電体中に分散して混合させたバルク材の第1の利点は、少量の遷移金属ブロンズでオゾン濃度の上昇を効果的に実現できることにある。遷移金属ブロンズの使用量を抑制できることにより、基板表面には多量のアルミナなどの誘電体構成物質が露出し、その本来の構成物質を使用する目的が阻害されるのを回避できる。
第2の利点は、少量の遷移金属ブロンズを誘電体構成物質中に分散させることにより、コーティング、特に厚コーティングで問題となる表面の平坦度悪化を回避でき、この平坦度の悪化によるギャップ量分布の不均一化を回避できることである。最近はオゾン発生効率の点からギャップ量が小さくされる傾向が強く、オゾナイザーによっては0.1mmオーダー、更にはそれ以下に低減されており、ギャップ量分布の均一化は重要な技術課題である。ちなみにギャップ量分布が不均一になると不均一な放電により性能が低下する。
誘電体構成物質としては、高純度セラミックス、特に純度80%以上のアルミナが好ましく、90%以上、なかでも95%以上、そのなかでも99%以上のアルミナが好ましい。アルミナを使用する目的は、耐オゾン性や耐スパッタリング性によるクリーン度の確保である。
実際の誘電体では、誘電体構成物質と遷移金属ブロンズの他に、若干量のSiO2 (シリカ)、CaO(カルシア)、MgO(マグネシア)などが副原料(焼成助剤)として含有される。副原料以外には、微量のNa2 O、K2 O、Fe2 3 などが原料使用に伴う不可避的不純物として含有される。副原料(焼成助剤)としてCr2 3 などのクロム酸化物が含有されることがあるが、これはオゾンガスのメタルコンタミネーション抑制の点からCr元素量比率で3重量%以下に制限することが望まれる。
誘電体の厚みは0.05〜1mmが好ましい。これが薄すぎると耐電圧値が低くなり、また必要な機械的強度の確保が困難になる。厚すぎる場合は電極間距離が広がり、放電電圧が高くなる。
電極構造としては、導電板の使用が一般的であるが、誘電体の反放電空隙側の表面に電極を薄膜として形成するのも、異常放電防止の点から好ましい。電極膜の材質としてはCu,Ag,Al,Auなどをあげることかできる。電極膜の厚さは5〜70μmが好ましい。これが薄すぎるとパターン幅が狭い部分で発熱し、断線が発生するおそれがある。厚すぎる場合は技術的な課題が多く、均一な膜厚形成が難しい。電極膜の形成法としては膜厚均一化の点から金属箔接着、スパッタリング、蒸着、溶射、スクリーン印刷などが好ましい。
本発明のオゾン発生装置用放電セルは、放電空隙を形成するための誘電体の表面に、酸素空孔を有する遷移金属ブロンズを存在させたことにより、放電空隙で生成された極めて活性で不安定なオゾンをエネルギー準位的に安定化させることができる。これにより、生成オゾンの分解を抑止し、酸素ガスへの窒素添加なしにオゾン濃度の低下を極めて効果的に防止することができる。その結果、窒素無添加でオゾン発生装置の能力を最大限に引き出すことができる。
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示すオゾン発生装置用放電セルの模式断面図である。
本実施形態のオゾン発生装置用放電セルは、所定の間隔をあけて平行に配置された平板状の誘電体10,10を備えている。誘電体10,10は高純度のアルミナ粉末の焼結体からなり、遷移金属ブロンズとしてタングステンブロンズ(MX WO3 )、特に0.1〜2wt%のKWO3 を含んでいる。このような誘電体10は、所定量のアルミナ粉末、KWO3 粉末、副原料(焼成助剤)としての各種粉末及びバインダーを混合し、板状に成形した後、焼成することにより製造される。焼成段階でバインダーは消失する。
誘電体10,10は、ガラス系のリブを介してガラス系の封止剤により接合一体化されており、これにより、周囲を封止された放電空隙20を対向面間に形成している。誘電体10,10間に形成された放電空隙20は、誘電体10,10の外縁部に直角方向に形成された原料ガス流路及びオゾンガス流路と連通している。放電空隙20のギャップ量はオゾンガスの高純度化のために小さいほどよく、具体的には200μm以下が好ましく、100以下が特に好ましい。
誘電体10、10の反放電空隙側(背面側)の表面には、外縁部を額縁状に残して膜状の電極30,30が金属箔接着などによりそれぞれ形成されており、これには高周波高圧電源40が接続されている。電源40の一方の端子は接地されており、その端子と接続される電極30が低圧電極、他方の電極30が高圧電極と称される。
誘電体10,10の更に背面側には絶縁板を介して板状の冷却体等が設けられることにより、放電セルが構成される。板状の冷却体は、誘電体10と同様のセラミック板でもよいし、金属板でもよい。いずれの冷却体も、内部を板面に平行な方向に冷媒が流通する構成になっている。
オゾン発生装置の運転においては、放電セルの放電空隙20に原料ガスとして高純度の酸素ガスを供給する。酸素ガスの純度としては、クリーン度等の点から99.9%以上が好ましく、99.99%以上が特に好ましい。また、放電空隙20に無声放電を発生させるべく、電極30,30の間に所定の高周波高電圧を印加する。更に、電極30,30の背面側に配置された冷却体に冷媒としての冷却水を供給する。
放電空隙20を流通する高純度の酸素ガスが無声放電に曝されてオゾン化され、オゾンガスが生成される。誘電体10,10に高純度のアルミナを使用し、原料ガスに高純度の酸素ガスを使用しているため、本来なら、オゾンガスにおけるオゾン濃度は低い。しかるに、誘電体10,10を構成するアルミナに遷移金属ブロンズであるKWO3 が含有され、誘電体10,10の表面に存在して放電空隙20に露出していることから、高濃度のオゾンガスが生成される。
次に、誘電体10,10を構成するアルミナに遷移金属ブロンズを配合することのメリットをKWO3 について説明する。
従来例として、誘電体として純度が99.5%の高純度アルミナ粉末焼結基板を用いた。遷移金属ブロンズは含有されておらず、コーティングもされていない。厚さは0.5mmとした。放電空隙の面積は100cm2 、ギャップ量は0.1mm(100μm)とした。原料ガスとして純度が99.99%以上の酸素ガスを1L/minの流量、0.2MPaの圧力で供給した。供給電力は当該オゾン発生装置の最大出力とした。生成されるオゾンガスのオゾン濃度は10g/m3 (N)と極めて低かった。ちなみに、目標オゾン濃度は300g/m3 (N)である。
前記高純度酸素ガスに0.5vol%の窒素ガスを添加したが、オゾン濃度は10g/m3 (N)のままであった。つまり、窒素ガスの添加による効果は発現しなかった。
比較例1として、前記従来例において、誘電体を作製する際に、純度が99.5%の高純度アルミナに酸化タングステン(WO3 )を1wt%配合した。これ以外の条件は従来例と同じである。生成されるオゾンガスのオゾン濃度は100g/m3 (N)に上昇したが、目標オゾン濃度には達しない。前記高純度酸素ガスに0.5vol%の窒素ガスを添加したところ、オゾン濃度は200g/m3 (N)に上昇した。
比較例2として、前記従来例において、誘電体を作製する際に、純度が99.5%の高純度アルミナに酸化チタン(TiO2 )を1wt%配合した。これ以外の条件は従来例と同じである。生成されるオゾンガスのオゾン濃度は10g/m3 (N)と低かった。しかるに、前記高純度酸素ガスに0.5vol%の窒素ガスを添加したところ、オゾン濃度は目標濃度である300g/m3 (N)に到達した。つまり、酸化チタンは微量の窒素添加でオゾン濃度を飛躍的に高める効果はあるが、窒素無添加ではオゾン濃度を高める効果は殆どない。
本発明の実施例1として、前記従来例において、誘電体を作製する際に、純度が99.5%の高純度アルミナにタングステンブロンズであるKWO3 を1wt%配合した。これ以外の条件は従来例と同じである。原料ガスとして窒素無添加の高純度酸素を使用しているにもかかわらず、生成されるオゾンガスのオゾン濃度は、目標濃度である300g/m3 (N)に達した。前記高純度酸素ガスに0.5vol%の窒素ガスを添加してもオゾン濃度は変わらず、300g/m3 (N)のままであった。
本発明の実施例2として、実施例1においてKWO3 の配合量を様々に変化させた。KWO3 の配合量とオゾン濃度との関係を表1に示す。オゾン濃度は、原料ガスである高純度酸素に窒素を添加しない場合と、0.5vol%の窒素ガスを添加した場合のそれぞれについて示した。
表1から分かるように、窒素添加の有無に関係なく、KWO3 の配合量が0.1wt%からオゾン濃度低下の阻止に効果のあることが確認された。また、KWO3 の配合量が2wt%を超えると、前述したとおり、コンタミネーションの問題が生じるが、それ以外ににも、若干の差はあるものの、窒素添加の有無に関係なくオゾン発生性能が低下する傾向もみられる。したがって、KWO3 の配合量としては0.1〜2wt%が好ましい。
本発明の一実施形態を示すオゾン発生装置用放電セルの模式断面図である。
符号の説明
10 誘電体
20 放電空隙
30 電極
40 電源

Claims (7)

  1. 一対の電極間にオゾン発生用の放電空隙を形成するために、少なくとも一方の電極に接して誘電体が電極間に配置されたオゾン発生装置用放電セルにおいて、ペロブスカイト構造のA位置に原子が存在しない結晶構造をもつ遷移金属酸化物のA位置にアルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類元素が入った遷移金属ブロンズが、前記誘電体の表面に存在するオゾン発生装置用放電セル。
  2. 遷移金属ブロンズは、前記誘電体の表面に0.1〜2wt%の濃度で存在する請求項1に記載のオゾン発生装置用放電セル。
  3. 遷移金属酸化物はV2 5 、Sb2 3 、WO3 、Mn3 4 、Fe2 3 、NiO又はCo3 4 である請求項1に記載のオゾン発生装置用放電セル。
  4. 遷移金属酸化物はWO3 であり、遷移金属ブロンズはMX WO3 である請求項3に記載のオゾン発生装置用放電セル。
  5. X WO3 はKWO3 である請求項4に記載のオゾン発生装置用放電セル。
  6. 誘電体はその全体に遷移金属ブロンズを含有するバルク材である請求項1に記載のオゾン発生装置用放電セル。
  7. 誘電体は純度80%以上のアルミナである請求項1に記載のオゾン発生装置用放電セル。
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