JP2007253911A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車室内の複数のゾーンを個別に空調する車両用空調装置において、複数のパスが形成された冷媒蒸発器を熱交換器として用いる場合に、冷媒蒸発器から運転席側通路に吹き出す空気の温度と助手席側通路に吹き出す温度との差を小さくして、両ゾーンに供給する空気の温度の個別制御を容易にする。
【解決手段】運転席ゾーン及び助手席ゾーンに空調風を供給する運転席側通路41と助手席側通路42とをケーシングに並設する。冷媒蒸発器35を運転席側通路41及び助手席側通路42に臨むようにして配置する。冷媒蒸発器35には、冷媒の流れ方向に接続された複数のパスP1、P2を設ける。冷媒流れ方向の最も下流に位置する最下流パスP2と、最下流パスP2の冷媒流れ方向上流側に隣接する上流側パスP1とを、助手席側通路42と運転席側通路41との並設方向に順に配置する。最下流パスP2と上流側パスP1との境界を助手席側通路42に位置付ける。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば自動車等の車両に搭載される空調装置に関し、特に、車室内の複数の空調ゾーンを個別に空調可能にする構造の技術分野に属する。
従来より、この種の車両用空調装置として、例えば自動車の車室内の運転席ゾーンと助手席ゾーンとを個別に空調するように構成されたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この車両用空調装置のケーシング内には、空気流れ上流側から順に送風ファン、冷却用熱交換器及び加熱用熱交換器が配設されている。ケーシング内の冷却用熱交換器よりも空気流れ下流側は、区画壁によって、運転席ゾーンに供給する空調風が流れる運転席側通路と、助手席ゾーンに供給する空調風が流れる助手席側通路とに区画されている。ケーシング内の運転席側通路及び助手席側通路には、温度調節手段としての運転席用エアミックスドア及び助手席用エアミックスドアがそれぞれ配設されている。これらエアミックスドアは、冷却用熱交換器を通過する空気と加熱用熱交換器を通過する空気との混合比率を変更して運転席側通路及び助手席側通路を流れる空調風の温度をそれぞれ調節するように構成されたものであり、ケーシング外部に設けられたアクチュエータにより個別に作動するようになっている。
上記特許文献1の空調装置は、上記アクチュエータを制御するための制御装置を備えている。この制御装置には、運転者が運転席ゾーンの温度を設定するための運転席側温度設定スイッチと、助手席乗員が助手席ゾーンの温度を設定するための助手席側温度設定スイッチと、車室内の温度を検出する内気温度センサとが接続されている。制御装置は、上記2つの温度設定スイッチにより設定された設定温度や、内気温度センサで検出された温度等に基づいて運転席側の目標温度と助手席側の目標温度とを設定し、上記アクチュエータを個別に制御して運転席用エアミックスドアと助手席用エアミックスドアとを開閉動作させる。これより、運転席ゾーン及び助手席ゾーンが個別に空調される。
また、従来より、車両用空調装置のケーシング内に収容される冷却用熱交換器として、冷凍サイクルの一要素を構成する冷媒蒸発器100(図11に示す)が用いられている(例えば、特許文献2参照)。この冷媒蒸発器100は、上下方向に延びる多数の扁平チューブ101と、該チューブ101の上端部及び下端部にそれぞれ配設された上側タンク102及び下側タンク103とを備えている。チューブ101は、空気流れ方向Aに2列配置されるとともに、空気流れ方向Aに交差する方向に多数並んでいる。上側タンク102及び下側タンク103は、空気流れ方向上流側のチューブ群101aに連通する上流側空間102a、103aと、下流側のチューブ群101bに連通する下流側空間102b、103bとに区画されている。下側タンク103の下流側空間103bは、チューブ101の並ぶ方向の略中央部に設けられた仕切板104により2つの空間103c、103dに区画され、下流側チューブ群101bにより2つのパスP1、P2が形成されている。下側タンク103の上流側空間103aも、同様に仕切板104により2つの空間103e、103fに区画され、上流側チューブ群101aにより2つのパスP3、P4が形成されている。下側タンク103の空間103cは、冷媒導入空間とされ、また、下側タンク103の空間103eは、冷媒排出空間とされている。さらに、下側タンク103の空間103dと空間103fとは連通している。
上記冷媒蒸発器100の冷媒導入空間103cには、矢印で示すように、膨張弁(図示せず)から吐出された低温低圧の気液二相冷媒が導入される。この冷媒は、パスP1を流れて上側タンク102の空間102bに流入した後、パスP2を流れて下側タンク103の空間103dに流入してから、この下側タンク103の空間103fに流入する。この空間103fに流入した冷媒は、パスP4を流れて上側タンク102の空間102aに流入した後、パスP3を流れて冷媒排出空間103eに流入して外部に排出される。このように、冷媒蒸発器100に複数のパスP1〜P4を形成して冷媒の流路を長く確保することで、冷媒と空気との熱交換効率を向上させることができる。
特開平10−147135号公報 特開2001−74388号公報
ところが、上記特許文献2の冷媒蒸発器に導入された気液二相冷媒は、その後、蒸発が進むので、冷媒蒸発器の冷媒流れ方向下流側へ行くほど、液冷媒の量が減ってガス冷媒の量が増えることになる。このため、冷媒蒸発器においては、複数のパスのうち、冷媒流れ方向の最も下流に位置する最下流パスを流れる液冷媒の量は少なくなっており、ガス冷媒の量が多くなっている。このように最下流パスで液冷媒の量が少なくなると、冷媒蒸発器における最下流パスに対応する部位では、液冷媒の蒸発潜熱による効果的な空気の冷却が行われにくくなる。一方、最下流パスよりも冷媒流れ方向上流側のパスでは液冷媒の量が多いので、このパスに対応する部位では、液冷媒の蒸発潜熱により空気の冷却が効果的に行われる。従って、冷媒蒸発器における最下流パスに対応する部位で冷却された空気の温度は、冷媒蒸発器における他のパスに対応する部位で冷却された空気の温度に比べて高くなってしまう。
上記したような複数のパスを備えた冷媒蒸発器を特許文献1の空調装置に用いた場合、例えば、運転席側通路に最下流パスが位置していると、冷媒蒸発器を通って運転席側通路に吹き出す空気の温度と、助手席側通路に吹き出す空気の温度との差が大きくなってしまう。このように冷媒蒸発器から運転席側通路に吹き出す空気の温度と助手席側通路に吹き出す温度との差が大きいと、そのことを考慮して運転席ゾーン及び助手席ゾーンの温度調節を行わなければならないので、運転席用エアミックスドア及び助手席用エアミックスドアの制御が難しいものになる。
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、車室内の複数のゾーンを個別に空調するように構成された車両用空調装置において、冷却用熱交換器として複数のパスが形成された冷媒蒸発器を用いる場合に、冷媒蒸発器からケーシングの第1通路に吹き出す空気の温度と第2通路に吹き出す温度との差を小さくすることで、両ゾーンに供給する空気の温度の個別制御を容易にすることにある。
上記目的を達成するために、本発明では、冷媒蒸発器の最下流パスとこのパスに隣接する上流側パスとを第1通路及び第2通路の並設方向に並ぶように順に配置し、最下流パスと上流側パスとの境界を両通路の境界よりも第1通路側に位置付けるようにした。
具体的には、請求項1の発明では、車室内の第1空調ゾーン及び第2空調ゾーンを個別に空調するように構成された車両用空調装置であって、上記第1空調ゾーン及び第2空調ゾーンの各々に空調風を供給するための第1通路及び第2通路が並設されたケーシングと、上記第1通路及び第2通路に臨むようにして上記ケーシングに収容され、上記第1通路及び第2通路を流れる空気を冷却する冷媒蒸発器と、上記ケーシングに収容され、上記第1通路及び第2通路を流れる空気を加熱する加熱用熱交換器と、上記ケーシングに収容され、上記冷媒蒸発器を通過する空気と上記加熱用熱交換器を通過する空気との混合比率を変更して、上記第1通路及び第2通路を流れる空調風の温度をそれぞれ調節する第1温度調節手段及び第2温度調節手段とを備え、上記冷媒蒸発器には、複数のパスが冷媒流れ方向に接続された状態で形成され、上記冷媒蒸発器における冷媒流れ方向の最も下流に位置する最下流パスと該最下流パスの冷媒流れ方向上流側に隣接する上流側パスとは、上記第1通路及び第2通路の並設方向に順に並ぶように配置され、上記最下流パスと上流側パスとの境界は、上記第1通路と第2通路との境界よりも第1通路側に位置付けられている構成とする。
この構成によれば、最下流パスと上流側パスとがケーシングの第1通路及び第2通路の並設方向に順に並んでいるので、最下流パスが第1通路に臨むことになる。この最下流パスと上流側パスとの境界は上記2つの通路の境界よりも第1通路側に位置しているので、空気流れ方向に見て、冷媒蒸発器における最下流パスに対応する部位を、第1通路に臨む部位よりも小さくすることが可能になる。このように冷媒蒸発器における最下流パスに対応する部位を小さくすることで、冷媒の蒸発潜熱による効果的な空気の冷却が行われにくい最下流パスが、第1通路での空調風の生成に影響を与えにくくなる。さらに、最下流パスと上流側パスとの境界が上記のように位置していることにより、第1通路には、最下流パスよりも液冷媒が多く流れている上流側パスの少なくとも一部が臨むことになる。これにより、第1通路を流れる空気が、冷媒蒸発器における上流側パスに対応する部位で冷媒の蒸発潜熱により冷却されるようになる。
請求項2の発明では、請求項1の発明において、ケーシングの冷媒蒸発器よりも空気流れ方向上流側には、送風ファンが収容されたファンハウジングが設けられ、上記ファンハウジングは、上記冷媒蒸発器よりも上記ケーシングの第1通路側にオフセットして配置されている構成とする。
この構成によれば、ファンハウジング内の空気が第1通路側から第2通路側へ向けて吹き出す。このため、ケーシング内の冷媒蒸発器よりも空気流れ方向上流側では、空気が第2通路側に偏った状態で流れることになり、冷媒蒸発器の上流側パスが臨んでいる第2通路側への送風量が多くなる一方、冷媒蒸発器の最下流パスが臨んでいる第1通路側への送風量が少なくなる。これにより、冷媒の蒸発潜熱による効果的な空気の冷却が行われにくい最下流パスへの送風量を少なくするとともに、効果的な空気の冷却が行われる上流側パスへの送風量を多くすることが可能になる。
請求項3の発明では、請求項1または2の発明において、冷媒蒸発器のパスは、空気流れ方向に複数列形成されている構成とする。
この構成によれば、最下流パスの空気流れ方向に別のパスが重なるように位置することになり、このパスに対応する部位によっても第1通路を流れる空気を冷却することが可能になる。これにより、冷媒蒸発器における最下流パスに対応する部位による空気の冷却度合いの低さを補うことが可能になる。
請求項4の発明では、請求項1から3のいずれか1つの発明において、冷媒蒸発器の最下流パスは、該冷媒蒸発器を空気流れ方向に見たときに該冷媒蒸発器の1/3以下の領域に形成されている構成とする。
この構成によれば、冷媒蒸発器における最下流パスが形成される領域を十分に狭くすることが可能になる。これにより、効果的な空気の冷却が行われにくい最下流パスが第1通路での空調風の生成に与える影響をより一層小さくすることが可能になる。
請求項5の発明では、請求項1から4のいずれか1つの発明において、冷媒蒸発器のパスは、第1通路及び第2通路の並設方向に3つ並ぶように設けられ、該冷媒蒸発器を空気流れ方向に見たときに、これら3つのパスの大きさが同じになるように設定されている構成とする。
この構成によれば、冷媒蒸発器を空気流れ方向に見たとき、各パスの大きさが該冷媒蒸発器の1/3の大きさになる。このように各パスの大きさを同じように小さくすることで、液冷媒やガス冷媒の流れが冷媒蒸発器内で大きく偏るのが抑制され、該冷媒蒸発器の部位による温度差を小さくすることが可能になる。
請求項6の発明では、請求項3から5のいずれか1つの発明において、冷媒蒸発器における冷媒流れ方向の最も上流に位置する最上流パスと、最下流パスとは、空気流れ方向に隣接しており、上記最上流パスに冷媒を供給する冷媒供給部と、上記最下流パスを流れた冷媒を排出させる冷媒排出部とが、上記冷媒蒸発器の同一側面に設けられている構成とする。
この構成によれば、冷媒供給部と冷媒排出部とを接近させることが可能になる。
請求項1の発明によれば、冷媒蒸発器の最下流パスと上流側パスとをケーシングの第1通路及び第2通路の並設方向に順に配置し、両パスの境界を両通路の境界よりも第1通路側に位置付けたので、液冷媒の少ない最下流パスが第1通路での空調風の生成に与える影響を小さくすることができるとともに、第1通路を流れる空気を冷媒蒸発器における上流側パスに対応する部位で効果的に冷却することができる。これにより、冷媒蒸発器から第1通路に吹き出す空気の温度と第2通路に吹き出す空気の温度との差を小さくすることができ、2つの温度調節手段の制御を簡単にすることができる。
請求項2の発明によれば、ファンハウジングを冷媒蒸発器よりもケーシングの第1通路側にオフセット配置したので、冷媒の蒸発潜熱による効果的な空気の冷却が行われにくい最下流パスへの送風量を上流側パスへの送風量よりも少なくすることができるとともに、効果的な空気の冷却が行われる上流側パスへの送風量を最下流パスへの送風量よりも多くすることができる。これにより、冷媒蒸発器全体としての空気の冷却性能を向上させることができる。
請求項3の発明によれば、冷媒蒸発器のパスを空気流れ方向に複数列形成したので、最下流パスによる空気の冷却度合いの低さを、この最下流パスの空気流れ方向に重なる別のパスによって補うことができる。これにより、冷媒蒸発器から第1通路に吹き出す空気の温度と第2通路に吹き出す温度との差をより一層小さくすることができる。
請求項4の発明によれば、冷媒蒸発器の最下流パスを該冷媒蒸発器の1/3以下の領域に形成したので、冷媒蒸発器における最下流パスに対応する部位が第1通路での空調風の生成に与える影響をより一層小さくでき、冷媒蒸発器から第1通路に吹き出す空気の温度と第2通路に吹き出す温度との差をより一層小さくすることができる。
請求項5の発明によれば、冷媒蒸発器のパスを第1通路及び第2通路の並設方向に3つ並ぶように設け、各パスの大きさを同じに設定したので、パスの大きさを同じように小さくことができ、冷媒蒸発器の部位による温度差を小さくすることができる。これにより、冷媒蒸発器から第1通路に吹き出す空気の温度と第2通路に吹き出す温度との差をより一層小さくすることができる。
請求項6の発明によれば、冷媒蒸発器の最上流パスと最下流パスとを空気流れ方向に隣接させ、最上流パスに冷媒を流入させる冷媒供給部と、最下流パスを流れた冷媒を排出させる冷媒排出部とを冷媒蒸発器の同一側面に設けたので、これら冷媒供給部と冷媒排出部とを接近させることができる。これにより、冷媒供給部及び冷媒排出部に接続される配管をまとめて配置することができ、構造の簡素化を図ることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る車両用空調装置1の概略構造を示すものである。この実施形態の説明では、空調装置1の構造を説明する前に、車両の構造について説明する。図2に示すように、車室の前端部には、インストルメントパネルIPが配設されている。インストルメントパネルIPの車体左右方向の略中央部には、空調装置1の操作パネル2が配設されている。このインストルメントパネルIPの車体後方には、車体右側に運転席(図示せず)が配設され、左側に助手席(図示せず)が配設されている。尚、この実施形態の説明では、車体右側を単に「右」といい、車体左側を単に「左」というものとする。
上記インストルメントパネルIPの前端部には、フロントウインド(図示せず)の内面に向けて空調風が吹き出すデフロスタ口3が開口している。インストルメントパネルIPの上側の左右両端部には、サイドウインド(図示せず)の内面に向けて空調風が吹き出すデミスタ口4がそれぞれ開口している。インストルメントパネルIPの上下方向略中央部の運転席側には、運転席の乗員の上半身に向けて空調風が吹き出すセンタベント口5とサイドベント口6とが開口している。インストルメントパネルIPの上下方向略中央部の助手席側には、助手席の乗員の上半身に向けて空調風が吹き出すセンタベント口7とサイドベント口8とが開口している。
また、車体の運転席と助手席との間には、車体前後方向に延びるフロアトンネル(図示せず)が設けられている。このフロアトンネルは、車体前後方向に延びるセンターコンソール10により上方から覆われている。
上記空調装置1は、上記インストルメントパネルIPの内部に収容されている。この空調装置1は、車室内の第1空調ゾーンとしての助手席ゾーンPsと、第2空調ゾーンとしての運転席ゾーンDrとを個別に空調するものである。上記運転席ゾーンDrとは、車室内の左右方向中心部よりも右側、即ち運転席が設置されている側であり、助手席ゾーンPsとは、車室内の左右方向中心部よりも左側、即ち助手席が設置されている側である。
上記空調装置1は、後述の制御装置(図示せず)と、樹脂材を成形してなるケーシング20(図1に示す)とを備えている。このケーシング20には空気導入部21と温度調節部22と空調風分配部23とが設けられている。尚、ケーシング20は、例えば空気導入部21と温度調節部22と空調風分配部23とに3分割されたものや、空気導入部21と、温度調節部22及び空調風分配部23とに2分割されたものであってもよい。
上記空気導入部21は、本発明のファンハウジングを構成するものであり、温度調節部22よりも左側に位置している。この空気導入部21には、車室内で開口し車室内の空気をケーシング20内に取り入れるための内気導入口25と、車室外に連通するダクト(図示せず)に接続され車室外の空気をケーシング20内に取り入れるための外気導入口26とが形成されている。空気導入部21の内部には、上記内気導入口25と外気導入口26との一方を開いて他方を閉じる内外気切替ドア27が設けられている。この内外気切替ドア27は、ケーシング20の外面に固定された内外気切替ドアアクチュエータ28により作動するようになっている。この内外気切替ドアアクチュエータ28は、サーボモータを内蔵した周知の構造のものである。この内外気切替ドアアクチュエータ28により、空気導入モードが内気循環モードと外気導入モードとに切り替えられるようになっている。
上記空気導入部21の内部における内外気切替ドア27よりも空気流れ方向下流側には、ケーシング20内に導入された空気を濾過するためのエアフィルタ31と送風ファン32とが下流側へ向けて順に設けられている。送風ファン32は遠心式ファンであり、回転軸が上下方向に延びるように配置されている。送風ファン32の下部には、該送風ファン32を回転駆動するためのブロアモータ33が配置されている。このブロアモータ33は、一部がケーシング20の外部に突出した状態で該ケーシング20に固定されている。上記空気導入部21の空気流れ方向下流端には、空気吹出口29が形成されている。
上記空気導入部21の空気流れ方向下流側に上記温度調節部22が位置している。この温度調節部22の左側壁に上記空気導入部21の空気吹出口29が開口しており、空気導入部21の空気は、温度調節部22に対し左側から導入されるようになっている。
上記温度調節部22の内部には、冷却用熱交換器としての冷媒蒸発器35が収容されている。この冷媒蒸発器35と、エンジン(図示せず)からの動力が電磁クラッチ36(図3に示す)を介して伝達されるコンプレッサ(図示せず)と、冷媒凝縮器(図示せず)と、膨張弁(図示せず)とで周知の冷凍サイクルが構成されている。冷媒蒸発器35の空気流れ下流側の面には、該冷媒蒸発器35を通過した空気の温度を検出するためのエバポレータ温度センサ37が取り付けられている。
上記温度調節部22内部のエバポレータ温度センサ37よりも空気流れ方向(図に矢印Aで示す)の下流側には、該温度調節部22内部を左右方向に区画する区画壁40が設けられている。区画壁40は、温度調節部22内の左右方向略中央部に位置付けられ、略鉛直にかつ空気流れ方向に延びている。温度調節部22内の区画壁40よりも左側が助手席ゾーンPsに連通する第1通路としての助手席側通路42とされ、右側が運転席ゾーンDrに連通する第2通路としての運転席側通路41とされており、区画壁40が運転席側通路41と助手席側通路42との境界を構成している。上記運転席側通路41及び助手席側通路42は、左右方向に並んでおり、上流側が互いに平行に延びている。また、上記運転席側通路41の上流側の断面積及び助手席側通路42の上流側の断面積は、互いに略同じに設定されている。
つまり、温度調節部22の右側に運転席側通路41が位置している。そして、上記空気導入部21は、この温度調節部22よりも左側に位置していることから、冷媒蒸発器35よりもケーシング20の助手席側通路42側にオフセットして配置されることになる。
上記冷媒蒸発器35は、コア60と、該コア60の上端部及び下端部に配設された上側ヘッダタンク61及び下側ヘッダタンク62とを備えている。コア60は、多数のチューブ63及びフィン64が空気の流れ方向と略直交する左右方向に交互に配置されて構成されている。コア60の左右両端部には、エンドプレート65がそれぞれ配設されている。
上記チューブ63は、空気の流れ方向に長い断面形状を有する板状の扁平チューブある。一方、上記フィン64は、空気の流れ方向に見て上下方向に連続する波形をなすコルゲートフィンである。フィン64は、該フィン64に隣接するチューブ63の外面にろう付けされている。また、上記エンドプレート65は、アルミニウム合金製の板材からなるものであり、コア60の左右両端部に位置するフィン64にろう付けされている。
上記上側ヘッダタンク61は、コア60の左右両端部に亘って延びる筒状に形成されている。この上側ヘッダタンク61は、該上側ヘッダタンク61の下半部を構成する半割状の上側ヘッダプレート61aと、上半部を構成する半割状の上側タンクプレート61bとを備えている。上記上側ヘッダプレート61aは、ろう材がクラッドされたアルミニウム合金製の板材を、上方に開放するチャンネル状に成形してなるものである。上側ヘッダプレート61aには、上記チューブ63の端部が挿入されるチューブ挿入孔(図示せず)が該チューブ63の間隔に対応して多数形成されている。チューブ63の端部は、チューブ挿入孔に挿入された状態で該チューブ挿入孔の周縁部にろう付けされている。
上記上側タンクプレート61bは、ろう材がクラッドされたアルミニウム合金製の板材を、下方に開放するチャンネル状に成形してなるものである。上側タンクプレート61bが上側ヘッダプレート61aの開放部分に内嵌合されて該上側ヘッダプレート61aにろう付けされている。
上記上側ヘッダタンク61の内部には、該ヘッダタンク61の内部空間を右側空間R1と左側空間R2とに仕切るための上側仕切板66が設けられている。この上側仕切板66は、冷媒蒸発器35の左右方向略中央部よりも左寄りに位置付けられている。
上側ヘッダタンク61の右側空間R1に連通するチューブ63により第1パスP1が形成され、左側空間R2に連通するチューブ63により第2パスP2が形成されており、従って、上側仕切板66が第1パスP1と第2パスP2との境界に位置している。第1パスP1を構成するチューブ63の本数は、第2パスP2を構成するチューブ63の本数よりも多いため、第1パスP1の合計の流路断面積は第2パスP2の合計の流路断面積よりも大きい。
上記上側ヘッダタンク61の左右両端には、該両端の開口を閉塞する板状の上側閉塞部材67、67が嵌め込まれている。上側閉塞部材67、67は、上記上側ヘッダプレート61a及び上側タンクプレート61bにろう付けされている。右側の上側閉塞部材67には、冷媒供給管68が取り付けられている。この冷媒供給管68は、上側閉塞部材67を貫通して上側ヘッダタンク61の右側空間R1に連通している。この冷媒供給管69には、図示しないが、上記膨張弁を内蔵した膨張弁ブロックが接続されている。冷媒供給管68には、上記膨張弁ブロックから低温低圧の気液二相冷媒が導入されるようになっている。
上記左側の上側閉塞部材67には、冷媒排出管69が取り付けられている。この冷媒排出管69は、上側閉塞部材67を貫通して上側ヘッダタンク61の左側空間R2に連通している。冷媒排出管69には、図示しないが上記圧縮機の吸入口から延びる冷媒配管が接続されている。
上記下側ヘッダタンク62は、上記上側ヘッダタンク61と同様に構成されており、下側ヘッダプレート62aと、下側タンクプレート62bと、左右両端の開口を閉塞する下側閉塞部材70、70とを備えている。
図4に太線で示すように、上記冷媒蒸発器35の冷媒供給管68から上側ヘッダタンク61の右側空間R1に流入した冷媒は、第1パスP1を下側へ流れて下側ヘッダタンク62の内部空間に流入する。この下側ヘッダタンク62の内部空間に流入した冷媒は第2パスP2を上側へ流れて上側ヘッダタンク61の左側空間R2に流入して冷媒排出管69から外部に排出される。つまり、冷媒蒸発器35の右側が冷媒流れ方向上流側であり、左側が冷媒流れ方向下流側である。また、この実施形態では、第2パスP2が最下流パスを構成し、第1パスP1が上流側パスを構成している。
上記冷媒蒸発器35は、図1及び図4に示すように、温度調節部22内部で右側及び左側が運転席側及び助手席側にそれぞれ位置するように、かつ上側ヘッダタンク61が上側に位置するように配置されている。このとき、区画壁40は、冷媒蒸発器35の左右方向略中央部に対応するように位置している。従って、冷媒蒸発器35の右半分が運転席側通路41に臨み、左半分が助手席側通路42に臨んでいる。
この冷媒蒸発器35が温度調節部22内部に配置された状態では、第1パスP1と第2パスP2とが運転席側通路41と助手席側通路42との並設方向に順に並ぶように位置付けられ、第1パスP1と第2パスP2との境界が、運転席側通路41と助手席側通路42との境界よりも助手席側通路42側に位置している。これにより、運転席側通路41には、第1パスP1のみが臨むことになり、助手席側通路42には、第2パスP1及び第1パスP1の第2パスP2側が臨むことになる。
図1に示すように、上記温度調節部22内部の冷媒蒸発器35よりも下流側には、エンジンの冷却水が循環するように構成された加熱用熱交換器としてのヒータコア43が収容されている。このヒータコア43は、上記区画壁40の空気流れ方向中途部を貫通している。このヒータコア43の右半分が運転席側通路41の一部を塞ぐように区画壁40から突出しており、運転席側通路41の残りは、冷媒蒸発器35を通過した空気をヒータコア43をバイパスして流すバイパス通路44となっている。ヒータコア43の左半分は同様に助手席側通路42に突出しており、助手席側通路42にもバイパス通路45が形成されている。
上記ヒータコア43の空気流れ上流側には、第1温度調節手段としての助手席側エアミックスドア47と、第2温度調節手段としての運転席側エアミックスドア46とが配設されている。
上記運転席側エアミックスドア46及び助手席側エアミックスドア47は、ケーシング20の外面に固定された運転席側エアミックスドアアクチュエータ48及び助手席側エアミックスドアアクチュエータ49により個別に作動するようになっている。これらアクチュエータ48、49は、上記内外気切替ドアアクチュエータ28と同様に構成されている。
上記運転席側エアミックスドアアクチュエータ48を作動させて運転席側エアミックスドア46によるバイパス通路44の開度を変更することにより、冷媒蒸発器35を通過する空気とヒータコア43を通過する空気との混合比率が変更され、運転席側通路41のバイパス通路44よりも下流側を流れる空調風の温度が変更される。運転席側エアミックスドア46の開度が0%のときにはヒータコア43側の通路が全閉とされかつバイパス通路44が全開とされ、100%のときにはヒータコア43側の通路が全開とされかつバイパス通路44が全閉とされるようになっている。
また、上記助手席側エアミックスドアアクチュエータ49を作動させて助手席側エアミックスドア47によるバイパス通路45の開度を変更することにより、同様に、助手席側通路42のバイパス通路45よりも下流側を流れる空調風の温度が変更される。この助手席側エアミックスドア47も、開度が0%のときにヒータコア43側の通路が全閉とされかつバイパス通路45が全開とされ、100%のときにはヒータコア43側の通路が全開とされかつバイパス通路44が全閉とされる。
上記運転席側エアミックスドア46によって空調風の温度が調節されることで、運転席ゾーンDrに吹き出す空調風の温度が変化して該ゾーンに供給される運転席供給熱量が変化することになる。また、助手席側エアミックスドア47によって空調風の温度が調節されることで、助手席ゾーンPsに吹き出す空調風の温度が変化して該ゾーンに供給される助手席供給熱量が変化することになる。
上記温度調節部22の空気流れ方向下流側に空調風分配部23が位置している。この空調風分配部23内部は、上記区画壁40により運転席側通路41と助手席側通路42とに区画されている。運転席側通路41には、運転席側のセンタベント口5及びサイドベント口6に空調風を導く運転席側ベントダクト50の上流端が連通している。この運転席側ベントダクト50の上流端開口は、ケーシング20に形成された吹出口と接続され、運転席側通路41に配設された運転席側ベントドア51により開閉されるようになっている。上記運転席側通路41には、運転席の足元近傍及び運転席側の後席の足元近傍に空調風を導く運転席側フットダクト52の上流端が連通している。この運転席側フットダクト52の上流端開口もケーシング20に形成された吹出口と接続され、運転席側通路41に配設された運転席側フットドア53により開閉されるようになっている。
上記助手席側通路42には、助手席側のセンタベント口7及びサイドベント口8に空調風を導く助手席側ベントダクト56の上流端が連通している。この助手席側ベントダクト56の上流端開口はケーシング20に形成された吹出口と接続され、助手席側通路42に配設された助手席側ベントドア57により開閉されるようになっている。上記助手席側通路42には、助手席の足元近傍及び助手席側の後席の足元近傍に空調風を導く助手席側フットダクト58の上流端が連通している。この助手席側フットダクト58の上流端開口もケーシング20に形成された吹出口に接続され、助手席側通路42に配設された助手席側フットドア59により開閉されるようになっている。
また、上記助手席側通路42には、上記デフロスタ口3及びデミスタ口4に空調風を導くデフロスタダクト54の上流端が連通している。このデフロスタダクト54の上流端開口もケーシング20に形成された吹出口に接続され、助手席側通路42に配設されたデフロスタドア55により開閉されるようになっている。
上記運転席側ベントドア51及び助手席側ベントドア57は、吹出口切替用アクチュエータ(図示せず)により作動するようになっている。また、運転席側フットドア53及び助手席側フットドア59も、上記吹出口切替用アクチュエータにより作動するようになっている。さらに、デフロスタドア55も、上記吹出口切替用アクチュエータにより作動するようになっている。上記吹出口切替用アクチュエータは、上記内外気切替用アクチュエータ28と同様にサーボモータを内蔵した周知の構造のものであり、ケーシング20の内面に固定されている。
図2に示すように、この空調装置1は、内気温度センサS1、外気温度センサ(図示せず)及び日射センサS2を備えている。上記内気温度センサS1は、インストルメントパネルIPの運転席側に配設されている。上記外気温度センサは、車室外の空気の温度を検出するためのものであり、フロントグリル(図示せず)近傍やドアミラー(図示せず)近傍等に配設されている。上記日射センサS2は、車室内に差し込んでくる太陽光の強さである日射量を検出するためのものであり、インストルメントパネルIPの前端部に配設されている。この日射センサS2は、車体の右側、即ち運転席側の日射量と、車体の左側、即ち助手席用の日射量とを個別に検出することが可能に構成された指向性を有するものである。尚、上記内気温度センサS1を配設する位置は、上記した位置に限られるものではなく、車室内であればよい。
上記インストルメントパネルIPの操作パネル2には、図示しないが、運転席側温度設定スイッチ、助手席側温度設定スイッチ、独立/連動スイッチ、AUTOスイッチ、OFFスイッチ、風量切替スイッチ、吹出モード切替スイッチ、デフロスタスイッチ、内外気切替スイッチ、A/Cスイッチが設けられている。
上記運転席側温度設定スイッチは、乗員が操作して運転席ゾーンDrの設定温度をセットするためのものである。上記助手席側温度設定スイッチは、乗員が操作して助手席ゾーンPsの設定温度をセットするためのものである。上記独立/連動スイッチは、運転席ゾーンDrと助手席ゾーンPsとを個別に空調する独立モードと、両ゾーンDr、Psを同様に空調する連動モードとを切り替えるためのものである。上記AUTOスイッチは、空調装置1を自動モードにするためのものである。上記OFFスイッチは、空調装置1の作動を停止させるためのものである。上記風量切替スイッチは、空調風量を多段階に増減させるためのものである。
上記吹出モード切替スイッチは、空調風の吹出モードを、空調風がデフロスタ口3及びデミスタ口4から吹き出すデフロスタモードと、デフロスタ口3、デミスタ口4及びフットダクト52、58から吹き出すデフフットモードと、センタベント口5、7及びサイドベント口6、8から吹き出すベントモードと、フットダクト52、58から吹き出すフットモードと、センタベント口5、7、サイドベント口6、8及びフットダクト52、58から吹き出すバイレベルモードとの中から、1つを選択するためのものである。上記デフロスタスイッチは、吹出モードをデフロスタモードとするためのものである。上記内気循環スイッチは、内気循環モードと外気導入モードとを切り替えるためのものである。上記A/Cスイッチは、冷凍サイクルを作動させるか否かを選択するためのものである。
上記制御装置は、中央演算処理装置、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、入出力ポート等(図示せず)を有しており、車載バッテリー(図示せず)から電力供給を受けて作動するようになっている。制御装置の入出力ポートには、上記各スイッチが接続されるとともに、エバポレータ温度センサ37、エンジン水温センサ(図示せず)、内気温度センサS1、外気温度センサ、日射センサS2、ブロワモータ33、アクチュエータ28、48、49及び冷凍サイクルのコンプレッサ用の電磁クラッチの制御信号線が接続されている。上記エンジン水温センサは、エンジンの冷却水温を検出するためのものである。
上記制御装置は、従来例のように、所定のプログラムに従って上記各センサ37、S1、S2からの信号やスイッチからの信号を処理し、運転席ゾーンDrに供給する空気の目標温度及び助手席ゾーンPsに供給する空気の目標温度を演算する。この目標温度に基づいて、制御装置は、運転席側エアミックスドア46及び助手席側エアミックスドア47の回動角度を決定して、これらエアミックスドア46,47が決定された回動角度となるようにアクチュエータ48、49を作動させる。このとき、ブロアモータ33の回転数や電磁クラッチの断続等も制御される。
上記のように構成された空調装置1では、冷媒蒸発器35に供給された冷媒は、第1パスP1から第2パスP2を流れる間に、運転席側通路41及び助手席側通路42内の空気と熱交換することで蒸発する。このため、冷媒蒸発器35の冷媒流れ方向下流側へ行くほど液冷媒の量が減ってガス冷媒の量が増えることになる。従って、冷媒流れ方向下流に位置する第2パスP2を流れる液冷媒の量は第1パスP1よりも少なくなっている。
このように第2パスP2を流れる液冷媒の量が少ないと、冷媒蒸発器35における第2パスP2に対応する部位では、液冷媒の蒸発潜熱による効果的な空気の冷却が行われにくくなる。一方、第1パスP1を流れる液冷媒の量は第2パスP2よりも多いので、冷媒蒸発器35における第1パスP1に対応する部位では、液冷媒の蒸発潜熱により空気の冷却が効果的に行われる。
また、冷媒蒸発器35の上側ヘッダタンク61に導入された気液二相冷媒のうち液冷媒は、慣性によって上側ヘッダタンク61の奥の方(図3の矢印で示す左側)に流れ易く、ガス冷媒は上側ヘッダタンク61の手前の方(同右側)に留まり易いため、図5に示すように、第1パスP1のうち、上側ヘッダタンク61の手前の方に連通するチューブ63の下側にはガス冷媒が存在し、他のチューブ63には液冷媒が存在することになる。同様に、下側ヘッダタンク62に流入した冷媒のうち液冷媒は、下側ヘッダタンク62の奥の方に流れ易いため、第2パスP2における手前の方に連通するチューブ63の上側にはガス冷媒が存在することになる。
また、図4に示すように、上記第1パスP1と第2パスP2との境界が助手席側通路42側に位置しているので、空気流れ方向に見て、冷媒蒸発器35における第2パスP2に対応する部位を、冷媒蒸発器35における助手席側通路42に臨む部位よりも小さくすることが可能になる。このように冷媒蒸発器35における第2パスP2に対応する部位を小さくすることで、冷媒の蒸発潜熱による空気の冷却が行われにくい第2パスP2が、助手席側通路42での空調風の生成に影響を与えにくくなる。さらに、助手席側通路42には、第2パスP2よりも液冷媒が多く流れている第1パスP1の一部が臨んでいる。これにより、助手席側通路42を流れる空気が、冷媒蒸発器35における第1パスP1に対応する部位で冷媒の蒸発潜熱により冷却されるようになる。
以上説明したように、この実施形態1に係る空調装置1によれば、冷媒蒸発器35における第2パスP2に対応する部位を、冷媒蒸発器35における助手席側通路42に臨む部位よりも小さくするとともに、第1パスP1の一部を助手席側通路42に臨ませたので、冷媒蒸発器35から運転席側通路41に吹き出す空気の温度と助手席側通路42に吹き出す空気の温度との差を小さくすることができる。これにより、運転席側エアミックスドア46及び助手席側エアミックスドア47の制御を簡単にすることができる。
また、空気導入部21が温度調節部22よりも左側に位置しているので、空気導入部21の空気は、温度調節部22の助手席側通路42側から運転席側通路41側へ向けて吹き出す。このため、温度調節部22内に吹き出された空気は、運転席側通路41側に偏った状態で下流側へ流れていくことになり、運転席側通路41側への送風量が多くなる一方、助手席側通路42側への送風量が少なくなる。つまり、冷媒の蒸発潜熱による効果的な空気の冷却が行われにくい第2パスP2への送風量を少なくし、効果的な空気の冷却が行われる第1パスP1への送風量を多くすることが可能になる。これにより、冷媒蒸発器35全体としての空気の冷却性能を向上させることができる。
また、冷媒蒸発器35のパスは2つに限られるものではなく、図6に示す実施形態1の変形例のように3つにしてもよい。この変形例では、下側ヘッダタンク62の内部に、該ヘッダタンク62の内部を右側空間T1と左側空間T2とに仕切るための下側仕切板75が設けられている。この下側仕切板75は、冷媒蒸発器35の左右方向略中央部よりも右寄りに位置付けられている。上記下側仕切板75及び上側仕切板66は、冷媒蒸発器35のコア60のチューブ63を左右方向に1/3ずつに分割するように位置付けられている。
上記下側ヘッダタンク62の右側空間T1に連通するチューブ63により第1パスP1が形成され、下側ヘッダタンク62の左側空間T2及び上側ヘッダタンク61の右側空間R1に連通するチューブ63により第2パスP2が形成され、上側ヘッダタンク61の左側空間R2に連通するチューブ63により第3パスP3が形成されている。冷媒蒸発器35における第1〜第3パスP1〜P3が形成された各領域の大きさは、空気流れ方向に見て、冷媒蒸発器35の1/3の大きさであり、各パスP1〜P3の流路断面積は同じに設定されている。
冷媒供給管68は、下側ヘッダタンク62の右側に位置する閉塞部材70に取り付けられている。また、冷媒排出管69は、上側ヘッダタンク61の左側に位置する閉塞部材67に取り付けられている。従って、この変形例の冷媒蒸発器35では、冷媒供給管68から下側ヘッダタンク62の右側空間T1に流入した冷媒は、第1パスP1を上側へ流れてから上側ヘッダタンク61の右側空間R1に流入した後、第2パスP2を下側へ流れて下側ヘッダタンク62の左側空間T2に流入する。この下側ヘッダタンク62の左側空間T2に流入した冷媒は、第3パスP3を上側へ流れて上側ヘッダタンク61の左側空間R2に流入して排出される。つまり、第3パスP3が最下流パスを構成し、第2パスP2が上流側パスを構成しており、第3パスP3を流れる液冷媒は第2パスP2に比べて少ないものとなる。
この冷媒蒸発器35が温度調節部22内部に配置された状態では、第1〜第3パスP1〜P3が運転席側通路41と助手席側通路42との並設方向に順に並ぶように位置付けられる。そして、この冷媒蒸発器35では、第2パスP2と第3パスP3との境界が冷媒蒸発器35の左右方向中央部よりも左側に位置しているため、第2パスP2と第3パスP3との境界が、運転席側通路41と助手席側通路42との境界よりも助手席側通路42側に位置することになる。これにより、助手席側通路42には、第3パスP3と、第2パスP2の第3パスP3側とが臨み、運転席側通路41には、第1パスP1と、第2パスPの第1パスP1側とが臨むことになる。
この変形例では、冷媒蒸発器35における第3パスP3に対応する部位を、冷媒蒸発器35における助手席側通路42に臨む部位よりも小さくすることが可能になり、冷媒の蒸発潜熱による空気の冷却が行われにくい第3パスP3が、助手席側通路42での空調風の生成に影響を与えにくくなる。さらに、助手席側通路42には、第3パスP3よりも液冷媒が多く流れている第2パスP2の一部が臨んでいるので、冷媒蒸発器35における第2パスP2に対応する部位で、冷媒の蒸発潜熱により助手席側通路42を流れる空気が冷却されるようになる。
また、第3パスP3が形成される領域を冷媒蒸発器35の1/3としているので、冷媒蒸発器35における第3パスP3が形成される部位を十分に小さくすることが可能になる。これにより、冷媒蒸発器35における第3パスP3に対応する部位が助手席側通路42での空調風の生成に与える影響をより一層小さくすることが可能になる。その結果、冷媒蒸発器35から運転席側通路41に吹き出す空気の温度と助手席側通路42に吹き出す空気の温度との差をより一層小さくすることができる。
また、冷媒蒸発器35を空気流れ方向に見たときに、冷媒蒸発器35における各パスP1〜P3に対応する部位が該冷媒蒸発器35の1/3になる。これにより、冷媒蒸発器35における各パスP1〜P3に対応する部位が同じように小さくなるので、図6から明らかなように、上記したパスが2つの場合に比べて、各パスP1〜P3において液冷媒やガス冷媒の流れが大きく偏るのが抑制され、冷媒蒸発器35の部位による温度差を小さくすることが可能になる。このことによっても、冷媒蒸発器35から運転席側通路41に吹き出す空気の温度と助手席側通路42に吹き出す空気の温度との差をより一層小さくすることができる。
(実施形態2)
図7及び図8は、本発明の実施形態2に係る空調装置1の冷媒蒸発器35を示すものである。この実施形態2の空調装置1は、実施形態1のものとは、冷媒蒸発器35の構造が異なるだけで他の部分は同じであるため、以下、異なる部分について詳細に説明する。
すなわち、この実施形態2の冷媒蒸発器35のチューブ63は、空気の流れ方向に2列配置されている。これに対応して上側ヘッダタンク61及び下側ヘッダタンク62は空気流れ方向の寸法が実施形態1のものに比べて長くなっている。上側ヘッダタンク61は、空気流れ方向上流側の上流側空間W1と下流側空間W2とに区画されている。上側ヘッダタンク61の上流側空間W1に、空気流れ方向上流側に位置する上流側チューブ63群の上端部が連通し、下流側空間W2に空気流れ方向下流側に位置するチューブ63群の上端部が連通している。また、下側ヘッダタンク62も上流側空間Y1と下流側空間Y2とに区画され、上流側空間Y1に上流側チューブ63群の上端部が連通し、下流側空間Y2に下流側チューブ63群の上端部が連通している。
上記下側ヘッダタンク62の下流側空間Y2には、該下流側空間Y2を右側空間Y3と左側空間Y4とに仕切るための仕切板80が設けられている。この仕切板80は、冷媒蒸発器35の左右方向略中央部よりも左寄りに位置付けられている。上側ヘッダタンク61の下流側空間W2には、該下流側空間W2を右側空間W3と左側空間W4とに仕切るための仕切板81が設けられている。この仕切板81は、冷媒蒸発器35の左右方向略中央部よりも右寄りに位置付けられている。また、上側ヘッダタンク61の上流側空間W1には、該上流側空間W1を右側空間W5と左側空間W6とに仕切るための仕切板82が設けられている。この仕切板82は、冷媒蒸発器35の左右方向略中央部よりも左寄りに位置付けられている。また、上側ヘッダタンク61の右側空間W3と右側空間W5とは連通している。
下側ヘッダタンク62の空気流れ方向下流側の左側空間Y4に連通するチューブ63により第1パスP1が形成され、下側ヘッダタンク62の空気流れ方向下流側の右側空間Y3及び上側ヘッダタンク61の空気流れ方向下流側の左側空間W4に連通するチューブ63により第2パスP2が形成されている。また、上側ヘッダタンク61の空気流れ方向下流側の右側空間W3に連通するチューブ63により第3パスP3が形成され、上側ヘッダタンク61の空気流れ方向上流側の右側空間W5に連通するチューブ63により第4パスP4が形成され、上側ヘッダタンク61の空気流れ方向上流側の左側空間W6に連通するチューブ63により第5パスP5(図8に示す)が形成されている。
冷媒供給管68は、下側ヘッダタンク62の左側に位置する閉塞部材に取り付けられており、空気流れ方向下流側の左側空間Y4に連通している。また、冷媒排出管69は、上側ヘッダタンク61の左側に位置する閉塞部材に取り付けられており、空気流れ方向上流側の左側空間W6に連通している。つまり、冷媒供給管68と冷媒排出管69とは、冷媒蒸発器35の左側面に設けられている。
従って、この冷媒蒸発器35では、冷媒供給管68から下側ヘッダタンク62の空気流れ方向下流側の左側空間Y4に流入した冷媒は、第1パスP1、第2パスP2及び第3パスP3を順に流れて上側ヘッダタンク61の空気流れ方向下流側の右側空間W3に流入した後、該ヘッダタンク61の空気流れ方向上流側の右側空間W5に流入する。この上側ヘッダタンク61の空気流れ方向上流側の右側空間W5に流入した冷媒は、第4パスP4及び第5パスP5を順に流れて冷媒排出管69から外部に排出される。つまり、第5パスP5が最下流パスを構成し、第4パスP4が上流側パスを構成しており、第5パスP5を流れる液冷媒の量は第4パスP4に比べて少ないものとなる。
この冷媒蒸発器35が温度調節部22内部に配置された状態では、第4パスP4及び第5パスP5が運転席側通路41と助手席側通路42との並設方向に順に並ぶように位置付けられる。そして、この冷媒蒸発器35では、第4パスP4と第5パスP5との境界が冷媒蒸発器35の左右方向中央部よりも左側に位置している。このため、第4パスP4と第5パスP5との境界が、運転席側通路41と助手席側通路42との境界よりも助手席側通路42側に位置することになる。これにより、助手席側通路42には、第5パスP5と、第4パスP4の第5パスP5側とが臨み、運転席側通路41には、第4パスP4のみが臨むことになる。
この実施形態2では、冷媒蒸発器35における第5パスP5に対応する部位を、冷媒蒸発器35における助手席側通路42に臨む部位よりも小さくすることが可能になり、冷媒の蒸発潜熱による空気の冷却が行われにくい第5パスP5が、助手席側通路42での空調風の生成に影響を与えにくくなる。さらに、助手席側通路42には、第5パスP5よりも液冷媒が多く流れている第4パスP4の一部が臨んでいる。これにより、助手席側通路42を流れる空気が、冷媒蒸発器35における第4パスP4に対応する部位で冷媒の蒸発潜熱により冷却されるようになる。
したがって、この実施形態2に係る空調装置1によれば、実施形態1のものと同様に、冷媒蒸発器35から運転席側通路41に吹き出す空気の温度と助手席側通路42に吹き出す空気の温度との差を小さくすることができるので、運転席側エアミックスドア46及び助手席側エアミックスドア47の制御を簡単にすることができる。
また、この実施形態2では、第5パスP5の空気流れ方向に第1パスP1が重なるように位置することになり、冷媒蒸発器35の第1パスP1に対応する部位によって助手席側通路42を流れる空気を冷却することができる。これにより、冷媒蒸発器35における第5パスP5に対応する部位による空気の冷却度合いの低さを補うことが可能になる。その結果、冷媒蒸発器35から運転席側通路41に吹き出す空気の温度と助手席側通路42に吹き出す温度との差をより一層小さくすることができる。
また、図9及び図10に示す実施形態2の変形例のように、冷媒蒸発器35のパスを6つにしてもよい。この変形例では、上側ヘッダタンク61の下流側空間W2には、該下流側空間W2を右側空間W3と左側空間W4とに仕切るための仕切板85が設けられている。この仕切板85は、冷媒蒸発器35の左右方向略中央部よりも左寄りに位置付けられている。下側ヘッダタンク62の下流側空間Y2には、該下流側空間Y2を右側空間Y3と左側空間Y4とに仕切るための仕切板86が設けられている。この仕切板86は、冷媒蒸発器35の左右方向略中央部よりも右寄りに位置付けられている。また、下側ヘッダタンク62の上流側空間Y1には、該上流側空間Y1を右側空間Y5と左側空間Y6とに仕切るための仕切板87が設けられている。この仕切板87は、冷媒蒸発器35の左右方向略中央部よりも右寄りに位置付けられている。また、上側ヘッダタンク61の上流側空間W1には、該上流側空間W1を右側空間W5と左側空間W6とに仕切るための仕切板88が設けられている。この仕切板88は、冷媒蒸発器35の左右方向略中央部よりも左寄りに位置付けられている。また、下側ヘッダタンク62の右側空間Y3と右側空間Y5とは連通している。
上記上側ヘッダタンク61の空気流れ方向下流側の左側空間W4に連通するチューブ63により第1パスP1が形成され、上側ヘッダタンク61の空気流れ方向下流側の右側空間W3及び下側ヘッダタンク62の空気流れ下流側の左側空間Y4に連通するチューブ63により第2パスP2が形成されている。また、下側ヘッダタンク62の空気流れ方向下流側の右側空間Y3に連通するチューブ63により第3パスP3が形成され、下側ヘッダタンク62の空気流れ方向上流側の右側空間Y5に連通するチューブ63により第4パスP4が形成され、下側ヘッダタンク62の空気流れ上流側の左側空間Y6及び上側ヘッダタンク61の空気流れ方向上流側の右側空間W5に連通するチューブ63により第5パスP5(図10に示す)が形成されている。また、上側ヘッダタンク61の空気流れ方向上流側の左側空間W6に連通するチューブ63により第6パスP6(図10に示す)が形成されている。
冷媒供給管68及び冷媒排出管69は、上側ヘッダタンク61の左側に位置する閉塞部材に取り付けられている。冷媒供給管68は、空気流れ方向下流側の左側空間W4に連通している。また、冷媒排出管69は、空気流れ方向上流側の左側空間W6に連通している。
従って、この冷媒蒸発器35では、冷媒供給管68から上側ヘッダタンク61の空気流れ方向下流側の左側空間W4に流入した冷媒は、第1パスP1、第2パスP2及び第3パスP3を順に流れて下側ヘッダタンク62の空気流れ方向下流側の右側空間Y3に流入した後、該ヘッダタンク62の空気流れ方向上流側の右側空間Y5に流入する。この下側ヘッダタンク62の空気流れ方向上流側の右側空間Y5に流入した冷媒は、第4パスP4、第5パスP5及び第6パスP6を順に流れて冷媒排出管69から外部に排出される。つまり、第6パスP6が最下流パスを構成し、第5パスP5が上流側パスを構成しており、第6パスP6を流れる液冷媒の量は第5パスP5に比べて少ないものとなる。
この冷媒蒸発器35が温度調節部22内部に配置された状態では、第4〜第6パスP4〜P6が運転席側通路41と助手席側通路42との並設方向に順に並ぶように位置付けられる。そして、この冷媒蒸発器35では、第5パスP5と第6パスP6との境界が冷媒蒸発器35の左右方向中央部よりも左側に位置している。このため、第5パスP5と第6パスP6との境界が、運転席側通路41と助手席側通路42との境界よりも助手席側通路42側に位置することになる。これにより、助手席側通路42には、第6パスP6と、第5パスP5の第6パスP6側とが臨み、運転席側通路41には、第4パスP4と、第5パスP5の第4パスP4側とが臨むことになる。
この変形例では、冷媒蒸発器35における第6パスP6に対応する部位を、冷媒蒸発器35における助手席側通路42に臨む部位よりも小さくすることが可能になり、冷媒の蒸発潜熱による空気の冷却が行われにくい第6パスP6が、助手席側通路42での空調風の生成に影響を与えにくくなる。さらに、助手席側通路42には、第6パスP6よりも液冷媒が多く流れている第5パスP5の一部が臨んでいるので、助手席側通路42を流れる空気が、冷媒蒸発器35における第5パスP5に対応する部位で冷媒の蒸発潜熱により冷却されるようになる。
また、冷媒蒸発器35の最上流パスである第1パスP1と、第6パスP6とを空気流れ方向に隣接させ、しかも、冷媒供給管68と冷媒排出管69とを共に冷媒蒸発器35の左側面に設けたので、冷媒供給管68と冷媒排出管69とを接近させることができる。これにより、冷媒供給管68及び冷媒排出管69に接続される冷媒配管をまとめて配置することができ、構造を簡素化することができる。
また、上記実施形態1、2では、第1空調ゾーンを助手席ゾーンPsとし、第2空調ゾーンを運転席ゾーンDrとしたが、これに限らず、第1空調ゾーンを運転席ゾーンDrとし、第2空調ゾーンを助手席ゾーンPsとしてもよい。また、車室の前側ゾーンを第1空調ゾーンとし、後側を第2空調ゾーンとしてもよい。このようにゾーンを上記した実施形態のものと変える場合には、それに対応するように冷媒蒸発器35の配置や構造を変更すればよい。また、本発明は、車両の左側に運転席が配置された左ハンドル車にも適用することができる。また、空気導入部21は、温度調節部22よりも右側に配置してもよいし、空気吹出口29が冷媒蒸発器35の空気流れ上流側の面に対向するように配置してもよい。
また、上記実施形態1、2では、第1温度調節手段及び第2温度調節手段を板状のドアで構成しているが、例えば、フィルム状の開閉部材等で構成してもよい。
以上説明したように、本発明に係る車両用空調装置は、例えば、自動車の車室の運転席側と助手席側とを個別に空調するのに用いることができる。
本発明の実施形態1に係る空調装置の概略構造を説明する図である。 空調装置が搭載された車両の室内の斜視図である。 実施形態1に係る冷媒蒸発器を空気流れ下流側から見た図である。 実施形態1に係る冷媒蒸発器の斜視図である。 実施形態1に係る冷媒蒸発器内部の冷媒の流れを説明するための図である。 実施形態1の変形例に係る図5相当図である。 実施形態2の図4相当図である。 実施形態2に係る冷媒蒸発器内部の空気流れ方向上流側における冷媒の流れを説明するための図である。 実施形態2の変形例に係る図4相当図である。 実施形態2の変形例に係る図8相当図である。 従来例の冷媒蒸発器の斜視図である。
符号の説明
1 車両用空調装置
20 ケーシング
21 空気導入部(ファンハウジング)
22 温度調節部
23 空調風分配部
29 空気吹出口
32 送風ファン
35 冷媒蒸発器
41 運転席側通路(第1通路)
42 助手席側通路(第2通路)
43 ヒータコア(加熱用熱交換器)
46 運転席側エアミックスドア(第1温度調節手段)
47 助手席側エアミックスドア(第2温度調節手段)
68 冷媒供給管(冷媒供給部)
69 冷媒排出管(冷媒排出部)
P1 第1パス
P2 第2パス
Dr 運転席ゾーン(第1ゾーン)
Ps 助手席ゾーン(第2ゾーン)

Claims (6)

  1. 車室内の第1空調ゾーン及び第2空調ゾーンを個別に空調するように構成された車両用空調装置であって、
    上記第1空調ゾーン及び第2空調ゾーンの各々に空調風を供給するための第1通路及び第2通路が並設されたケーシングと、
    上記第1通路及び第2通路に臨むようにして上記ケーシングに収容され、上記第1通路及び第2通路を流れる空気を冷却する冷媒蒸発器と、
    上記ケーシングに収容され、上記第1通路及び第2通路を流れる空気を加熱する加熱用熱交換器と、
    上記ケーシングに収容され、上記冷媒蒸発器を通過する空気と上記加熱用熱交換器を通過する空気との混合比率を変更して、上記第1通路及び第2通路を流れる空調風の温度をそれぞれ調節する第1温度調節手段及び第2温度調節手段とを備え、
    上記冷媒蒸発器には、複数のパスが冷媒流れ方向に接続された状態で形成され、
    上記冷媒蒸発器における冷媒流れ方向の最も下流に位置する最下流パスと該最下流パスの冷媒流れ方向上流側に隣接する上流側パスとは、上記第1通路及び第2通路の並設方向に順に並ぶように配置され、
    上記最下流パスと上流側パスとの境界は、上記第1通路と第2通路との境界よりも第1通路側に位置付けられていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 請求項1に記載の車両用空調装置において、
    ケーシングの冷媒蒸発器よりも空気流れ方向上流側には、送風ファンが収容されたファンハウジングが設けられ、
    上記ファンハウジングは、上記冷媒蒸発器よりも上記ケーシングの第1通路側にオフセットして配置されていることを特徴とする車両用空調装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両用空調装置において、
    冷媒蒸発器のパスは、空気流れ方向に複数列形成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    冷媒蒸発器の最下流パスは、該冷媒蒸発器を空気流れ方向に見たときに該冷媒蒸発器の1/3以下の領域に形成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    冷媒蒸発器のパスは、第1通路及び第2通路の並設方向に3つ並ぶように設けられ、該冷媒蒸発器を空気流れ方向に見たときに、これら3つのパスの大きさが同じになるように設定されていることを特徴とする車両用空調装置。
  6. 請求項3から5のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、
    冷媒蒸発器における冷媒流れ方向の最も上流に位置する最上流パスと、最下流パスとは、空気流れ方向に隣接しており、
    上記最上流パスに冷媒を供給する冷媒供給部と、上記最下流パスを流れた冷媒を排出させる冷媒排出部とが、上記冷媒蒸発器の同一側面に設けられていることを特徴とする車両用空調装置。
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