JP2016169910A - 冷媒蒸発器 - Google Patents

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Abstract

【課題】結露した水分の乾燥に伴う臭い成分の発生を抑えることが可能な冷媒蒸発器を提供する。
【解決手段】一端側ヘッダタンク20、24は他端側ヘッダタンク22、26に対して上方に配置されている。そして、上側ヘッダタンクである一端側ヘッダタンク20、24が、各熱交換部32、34の冷媒流通経路の中間部分を形成し、その上側ヘッダタンク内を冷媒がチューブ積層方向DRsへと流れる。そのため、本実施形態の上流側熱交換部32および下流側熱交換部34では、上記冷媒流通経路は逆U字状になっている。従って、本実施形態の冷媒蒸発器10では低温箇所を上側に偏らせることができる。その結果、空調装置の稼働停止後において各冷媒チューブの表面温度の上昇が抑えられ、結露した水分が乾きにくくなり、その水分の乾燥に伴う臭い成分の発生を抑えることが可能である。
【選択図】図2

Description

本発明は、冷凍サイクルの冷媒を蒸発させる冷媒蒸発器に関するもので、例えば、車両用空調装置に用いて好適なものである。
従来、この種の冷媒蒸発器として、例えば特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1に記載された冷媒蒸発器は、チューブ積層方向へ積層配置された複数本のチューブとチューブの上下それぞれに接続された一対のタンク部とから成る熱交換部を空気(外部流体)の流れ方向に偶数列配置したものである。この特許文献1の冷媒蒸発器では、冷媒は、チューブとタンク部とによって形成された蛇行する経路を流れる。
具体的には、空気流れ上流側の熱交換部に含まれる上側タンク部に冷媒入口が設けられ、その空気流れ上流側の上側タンク部は、冷媒入口が設けられた入口タンク空間と、その入口タンク空間とは別のタンク空間とに仕切り分けられている。また、空気流れ下流側の熱交換部に含まれる上側タンク部に冷媒出口が設けられ、その空気流れ下流側の上側タンク部は、冷媒出口が設けられた出口タンク空間と、その出口タンク空間とは別のタンク空間とに仕切り分けられている。更に、空気流れ上流側および下流側の上記別のタンク空間は互いに連通している。
そのため、空気流れ上流側の熱交換部では、冷媒は、複数本のチューブのうち冷媒入口に近い側の一部のチューブ内を上から下へ流れ、残部のチューブ内を下から上へ流れる。そして、冷媒は下側タンク部内をチューブ積層方向へ流れる。
一方、空気流れ下流側の熱交換部では、冷媒は、複数本のチューブのうち冷媒出口から遠い側の一部のチューブ内を上から下へ流れ、残部のチューブ内を下から上へ流れる。そして、冷媒は下側タンク部内をチューブ積層方向へ流れる。
特許文献1の冷媒蒸発器では、冷媒蒸発器内でこのような冷媒流れを構成することで、冷媒蒸発器から吹き出される吹出空気の温度分布の均一化を図られている。それと共に、空気流れと直交するチューブ積層方向におけるタンク部の一端側に冷媒入口および冷媒出口をともに配置することが可能となっている。
特開2001−74388号公報
冷媒蒸発器が適用された空調装置において、その空調装置の稼動停止後に冷媒蒸発器から異臭が発生することが従来から知られている。これは、空調装置の稼動停止後に、冷媒蒸発器で結露した水分内に溶け込んでいた臭い成分が、その水分の蒸発とともに空調ケース内に放出され滞留し、次に空調装置を作動させたときに異臭(こもり臭)となって空調ケースから吹き出すためである。このような異臭が生じることは、乗員の快適性を低下させる原因となる。
ここで、上述した特許文献1の冷媒蒸発器について見ると、冷媒が冷媒入口から冷媒出口へと進むに従ってチューブ内で冷媒の液相部分が蒸発する。そして、冷媒を上から下へ流すチューブと冷媒を下から上へ流すチューブとを中継すると共に冷媒がタンク部内でチューブ積層方向へ流れるタンク部は、上側タンク部ではなく下側タンク部である。言い換えれば、その下側タンク部には、下側タンク部から流出しチューブにて蒸発させられる前の冷媒の液相部分が多く入っている。
そのため、空調装置の稼働中には冷媒蒸発器内の冷媒のうちの液相部分が冷媒蒸発器の下側に偏在し、そのときの冷媒蒸発器の温度分布では冷媒蒸発器の低温箇所が下側に偏ることになる。すなわち、空調装置の稼働停止直後には上記稼働中における液相部分の偏在は継続するので、冷媒蒸発器内の冷媒のうち液相部分は重力により冷媒蒸発器の中で下側に偏って停留する。従って、空調装置の稼働停止後においては、結露した水分は冷媒蒸発器の中で上側ほど温度上昇しやすく、乾きやすくなっている。
以上のことから、特許文献1の冷媒蒸発器では、結露した水分が空調装置の稼働停止後に乾きやすいので、空調装置の稼働停止直後に異臭を発生させやすいと考えられる。
これに対し、空調装置の再稼働当初に送風機を止めるなどの制御を実行することが考えられる。しかし、この場合、空調装置の再稼働時から遅れて送風機が送風を開始し、そのときに異臭が吹き出されることがあるので、十分な対策とは言えない。
本発明は上記点に鑑みて、結露した水分の乾燥に伴う臭い成分の発生を抑えることが可能な冷媒蒸発器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、送風空気と冷媒とを熱交換させることでその送風空気を冷却すると共にその冷媒を蒸発させる冷媒蒸発器であって、
送風空気が通過する間隔を空けてチューブ積層方向(DRs)へ積層配置され、冷媒を送風空気と熱交換させつつ流す複数本の冷媒チューブ(12、14、16、18、36、38)と、
その複数本の冷媒チューブの一端それぞれに接続された一端側ヘッダタンク(20、24)と、
その複数本の冷媒チューブの他端それぞれに接続された他端側ヘッダタンク(22、26)とを備え、
一端側ヘッダタンクには、第1一端側タンク空間(201、241)と、その第1一端側タンク空間に対してチューブ積層方向の一方に配置され且つその第1一端側タンク空間に連通する第2一端側タンク空間(202、242)とが形成され、
他端側ヘッダタンクには、第1他端側タンク空間(221、261)と、その第1他端側タンク空間に対して別個に区画され且つその第1他端側タンク空間に対してチューブ積層方向の一方に配置された第2他端側タンク空間(222、262)とが形成され、
複数本の冷媒チューブは、第1一端側タンク空間と第1他端側タンク空間とへ接続された第1冷媒チューブ(12、16)と、第2一端側タンク空間と第2他端側タンク空間とへ接続された第2冷媒チューブ(14、18)とを含み、
一端側ヘッダタンクは他端側ヘッダタンクに対して上方に配置され、第1冷媒チューブから第1一端側タンク空間へ流入した冷媒を第2一端側タンク空間へ流し、その第2一端側タンク空間内の冷媒を第2冷媒チューブへ流すことを特徴とする。
上述の請求項1に記載の発明によれば、一端側ヘッダタンクは他端側ヘッダタンクに対して上方に配置され、第1冷媒チューブから第1一端側タンク空間へ流入した冷媒を第2一端側タンク空間へ流し、その第2一端側タンク空間内の冷媒を第2冷媒チューブへ流すので、その第1冷媒チューブと第1一端側タンク空間と第2一端側タンク空間と第2冷媒チューブとから成る冷媒流通経路は逆U字状になる。その一方で、特許文献1の冷媒蒸発器においてその冷媒流通経路に相当する経路は、冷媒が上側タンク部ではなく下側タンク部内をチューブ積層方向へ流れるので、U字状になっている。
すなわち、上述の請求項1に記載の発明において冷媒蒸発器内の冷媒流通経路は、特許文献1の冷媒蒸発器に対し上下方向に逆転したものとなっているので、冷媒蒸発器の温度分布も上下方向に逆転する。従って、請求項1に記載の発明の冷媒蒸発器では低温箇所を上側に偏らせ、上側の一端側ヘッダタンクに偏った液相冷媒を、熱交換の停止後に徐々に下側の他端側ヘッダタンクへ移動させることができる。その結果、その熱交換の停止後すなわち空調装置の稼働停止後において各冷媒チューブの表面温度の上昇が抑えられ、結露した水分が乾きにくくなり、その水分の乾燥に伴う臭い成分の発生を抑えることが可能である。要するに、空調装置の空調ケース内に臭い成分を滞留しにくくすることで、空調装置の次の稼働時に異臭を発生しにくくすることが可能である。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した括弧内の各符号は、後述する実施形態に記載の具体的内容との対応関係を示す一例である。
第1実施形態における冷媒蒸発器10の全体構成の概要を示した斜視図である。 図1の冷媒蒸発器10内の冷媒通路構成を示した概略斜視図である。 第1実施形態に対する比較例における冷媒蒸発器10の全体構成の概要を示した斜視図であって、第1実施形態の図1に相当する図である。 図3の比較例における冷媒蒸発器10内の冷媒通路構成を示した概略斜視図である。 第2実施形態における冷媒蒸発器10内の冷媒通路構成を示した概略斜視図であって、第1実施形態の図2に相当する図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1は車両用空調装置の冷凍サイクルにおける冷媒蒸発器10に本発明を適用した第1実施形態を示すもので、冷媒蒸発器10の全体構成の概要を示している。冷媒蒸発器10は図1の上下方向を上下にして、図示しない車両用空調装置の空調ユニットケース内に設置される。すなわち、図1の両端矢印DR1は、冷媒蒸発器10を有する車両用空調装置を搭載した車両の車両上下方向DR1を示している。図1の冷媒蒸発器10には、不図示の送風機によって矢印FLa方向へ空気が送風される。そして、冷媒蒸発器10は、この矢印FLa方向に流れる送風空気と冷媒とを熱交換させることで、その送風空気を冷却すると共に冷媒を蒸発させる。
図1および図2に示すように、冷媒蒸発器10は、冷媒を送風空気と熱交換させつつ流す複数本の冷媒チューブ12、14、16、18と、複数のコルゲートフィン19とを備えている。図2は、冷媒蒸発器10内の冷媒通路構成を示した概略斜視図である。
冷媒チューブ12、14、16、18は何れも、断面偏平状の冷媒通路を構成する偏平チューブであり、例えばアルミニウム等の金属で構成されている。冷媒チューブ12、14、16、18は、後述のヘッダタンク20、22、24、26と比較して、冷媒が流れる通路断面が大幅に狭く形成されているので、送風空気と冷媒との熱交換を良好に行うことができる一方で冷媒流通抵抗が大きくなっている。
また、冷媒チューブ12、14、16、18は、送風空気が通過する間隔を相互に空けて、空気流れ方向FLaに直交するチューブ積層方向DRsへ積層配置されており2列配置となっている。更に、冷媒蒸発器10は、冷媒チューブ12、14、16、18の一端が他端よりも上方に位置するように配設されている。要するに、冷媒蒸発器10は、冷媒チューブ12、14、16、18が車両上下方向DR1へ延びるように配設されている。
コルゲートフィン19は、例えばアルミニウム等の金属で構成されており、薄肉の帯板材から波形に成形されたものである。コルゲートフィン19は、各冷媒チューブ12、14、16、18の相対向する平坦面の間に介装され、コルゲートフィン19に隣接する冷媒チューブ12、14、16、18にロウ付け等によって接合されている。これにより、コルゲートフィン19は、冷媒チューブ12、14、16、18内を流れる冷媒と送風空気との熱交換を促進すると共に、各冷媒チューブ12、14、16、18を補強する。
また、冷媒蒸発器10は、複数本の冷媒チューブ12、14、16、18の一端それぞれに接続された2つの一端側ヘッダタンク20、24と、その複数本の冷媒チューブ12、14、16、18の他端それぞれに接続された2つの他端側ヘッダタンク22、26とを備えている。それらのヘッダタンク20、22、24、26は何れも、チューブ積層方向DRsへ延びるように形成されている。また、一端側ヘッダタンク20、24は他端側ヘッダタンク22、26に対して上方に配置されている。すなわち、一端側ヘッダタンク20、24は上側ヘッダタンクであり、他端側ヘッダタンク22、26は下側ヘッダタンクである。各冷媒チューブ12、14、16、18は、各ヘッダタンク20、22、24、26と例えばロウ付け等によって接合されている。
具体的に、2つの一端側ヘッダタンク20、24のうちの一方のヘッダタンクである第1一端側ヘッダタンク20は、他方のヘッダタンクである第2一端側ヘッダタンク24に対し空気流れ上流側に位置している。そして、2つの他端側ヘッダタンク22、26のうちの一方のヘッダタンクである第1他端側ヘッダタンク22は、他方のヘッダタンクである第2他端側ヘッダタンク26に対し空気流れ上流側に位置している。
また、第1一端側ヘッダタンク20の内部には、第1一端側タンク空間201と、その第1一端側タンク空間201に対してチューブ積層方向DRsの一方に隣接して配置された第2一端側タンク空間202とが形成されている。そして、その第1一端側タンク空間201および第2一端側タンク空間202は互いに連通し、第1一端側ヘッダタンク20内にチューブ積層方向DRsへ延びるように形成された1つのタンク空間を成している。
第2一端側ヘッダタンク24の内部構造もこれと同様である。すなわち、第2一端側ヘッダタンク24の内部には、第1一端側タンク空間241と、その第1一端側タンク空間241に対してチューブ積層方向DRsの一方に隣接して配置された第2一端側タンク空間242とが形成されている。そして、その第1一端側タンク空間241および第2一端側タンク空間242は互いに連通し、第2一端側ヘッダタンク24内にチューブ積層方向DRsへ延びるように形成された1つのタンク空間を成している。
また、第2一端側ヘッダタンク24において第2一端側タンク空間242は、チューブ積層方向DRsにおいて第1一端側タンク空間241に対し、第1一端側ヘッダタンク20での第2一端側タンク空間202に対する第1一端側タンク空間201側と同じ側に配置されている。すなわち、第2一端側ヘッダタンク24の第1一端側タンク空間241は、第1一端側ヘッダタンク20の第2一端側タンク空間202と空気流れ方向FLaに並んで位置している。それと共に、第2一端側ヘッダタンク24の第2一端側タンク空間242は、第1一端側ヘッダタンク20の第1一端側タンク空間201と空気流れ方向FLaに並んで位置している。
第1他端側ヘッダタンク22の内部には、第1他端側タンク空間221と、その第1他端側タンク空間221に対してチューブ積層方向DRsの一方に隣接して配置された第2他端側タンク空間222とが形成されている。但し、第1他端側ヘッダタンク22は上記の一端側ヘッダタンク20、24とは異なり、第1他端側ヘッダタンク22内のタンク空間を分割する仕切板としてのセパレータ225を有している。そのため、第1他端側ヘッダタンク22の第1他端側タンク空間221および第2他端側タンク空間222は、互いに別個に区画形成されている。
例えばそのセパレータ225は、チューブ積層方向DRsすなわち第1他端側ヘッダタンク22の長手方向において第1他端側ヘッダタンク22の中心に配置されており、言い換えれば、第1他端側タンク空間221の容積と第2他端側タンク空間222の容積とが互いに同じになるように配置されている。
第2他端側ヘッダタンク26の内部構造もこれと同様である。すなわち、第2他端側ヘッダタンク26の内部には、第1他端側タンク空間261と、その第1他端側タンク空間261に対してチューブ積層方向DRsの一方に隣接して配置された第2他端側タンク空間262とが形成されている。そして、第2他端側ヘッダタンク26は、第2他端側ヘッダタンク26内のタンク空間を分割する仕切板としてのセパレータ265を有している。そのため、第2他端側ヘッダタンク26の第1他端側タンク空間261および第2他端側タンク空間262は、互いに別個に区画形成されている。
例えばそのセパレータ265は、チューブ積層方向DRsすなわち第2他端側ヘッダタンク26の長手方向において第2他端側ヘッダタンク26の中心に配置されており、言い換えれば、第1他端側タンク空間261の容積と第2他端側タンク空間262の容積とが互いに同じになるように配置されている。
また、第2他端側ヘッダタンク26において第2他端側タンク空間262は、チューブ積層方向DRsにおいて第1他端側タンク空間261に対し、第1一端側ヘッダタンク20での第2一端側タンク空間202に対する第1一端側タンク空間201側と同じ側に配置されている。更に、第1他端側ヘッダタンク22において第1他端側タンク空間221は、チューブ積層方向DRsにおいて第2他端側タンク空間222に対し、第1一端側ヘッダタンク20での第2一端側タンク空間202に対する第1一端側タンク空間201側と同じ側に配置されている。
従って、第2他端側ヘッダタンク26の第2他端側タンク空間262は、第1他端側ヘッダタンク22の第1他端側タンク空間221と空気流れ方向FLaに並んで位置している。それと共に、第2他端側ヘッダタンク26の第1他端側タンク空間261は、第1他端側ヘッダタンク22の第2他端側タンク空間222と空気流れ方向FLaに並んで位置している。
また、第1一端側ヘッダタンク20と第2一端側ヘッダタンク24とは互いに連通してはいないが、第1他端側ヘッダタンク22と第2他端側ヘッダタンク26とは部分的に、冷媒チューブを介さずに連通している。詳細に言えば、第1他端側ヘッダタンク22の第2他端側タンク空間222は、第2他端側ヘッダタンク26の第1他端側タンク空間261へ直接に連通している。
冷媒蒸発器10が有する複数本の冷媒チューブ12、14、16、18は、接続先のタンク空間が互いに異なる4つのチューブ群を構成している。すなわち、冷媒蒸発器10は、2列に並んだ冷媒チューブ12、14、16、18のうち空気流れ上流側の列を成す複数本の上流側第1冷媒チューブ12および複数本の上流側第2冷媒チューブ14と、空気流れ下流側の列を成す複数本の下流側第1冷媒チューブ16および複数本の下流側第2冷媒チューブ18とを有している。
その冷媒チューブ12、14、16、18の各本数は、例えば互いに同数になっている。また、空気流れ上流側の冷媒チューブ12、14はチューブ積層方向DRsに等間隔で配置され、空気流れ下流側の冷媒チューブ16、18もチューブ積層方向DRsに等間隔で配置されている。
そして、上流側第1冷媒チューブ12の一端である上端は第1一端側ヘッダタンク20の第1一端側タンク空間201へ接続され、上流側第1冷媒チューブ12の他端である下端は第1他端側ヘッダタンク22の第1他端側タンク空間221へ接続されている。また、上流側第2冷媒チューブ14の一端である上端は第1一端側ヘッダタンク20の第2一端側タンク空間202へ接続され、上流側第2冷媒チューブ14の他端である下端は第1他端側ヘッダタンク22の第2他端側タンク空間222へ接続されている。
また、下流側第1冷媒チューブ16の一端である上端は第2一端側ヘッダタンク24の第1一端側タンク空間241へ接続され、下流側第1冷媒チューブ16の他端である下端は第2他端側ヘッダタンク26の第1他端側タンク空間261へ接続されている。また、下流側第2冷媒チューブ18の一端である上端は第2一端側ヘッダタンク24の第2一端側タンク空間242へ接続され、下流側第2冷媒チューブ18の他端である下端は第2他端側ヘッダタンク26の第2他端側タンク空間262へ接続されている。
図1および図2に示すように、第1他端側ヘッダタンク22には、第1他端側タンク空間221に連通した冷媒入口224が形成され、その冷媒入口224には冷媒入口配管28が接続されている。この冷媒入口224には、冷凍サイクルの一部を構成する不図示の温度作動式膨張弁で減圧され膨張した低温低圧の気液二相冷媒が、冷媒入口配管28を介して流入する。
また、第2他端側ヘッダタンク26には、第2他端側タンク空間262に連通した冷媒出口264が形成され、その冷媒出口264には冷媒出口配管30が接続されている。この冷媒出口264は、第2他端側ヘッダタンク26の第2他端側タンク空間262から冷媒を冷媒出口配管30へ流出させる。その冷媒出口配管30へ流れた冷媒は、冷凍サイクルの一部を構成し冷媒を圧縮する不図示の圧縮機の冷媒吸入口へと流れる。冷媒出口264は、他端側ヘッダタンク22、26に対しチューブ積層方向DRsにおける冷媒入口224側と同じ側に配置されている。
以上のように構成された冷媒蒸発器10では、図2にて一点鎖線の矢印で示すように冷媒が流れる。すなわち、冷媒は先ず、冷媒入口配管28から第1他端側ヘッダタンク22の第1他端側タンク空間221へ流入し、その第1他端側タンク空間221から複数本の上流側第1冷媒チューブ12のそれぞれへ分配される。その上流側第1冷媒チューブ12のそれぞれを流れた冷媒は第1一端側ヘッダタンク20の第1一端側タンク空間201へ流入すると共に合流する。
そして、第1一端側ヘッダタンク20は、その上流側第1冷媒チューブ12から第1一端側タンク空間201へ流入した冷媒を第2一端側タンク空間202へ流し、その第2一端側タンク空間202内の冷媒を複数本の上流側第2冷媒チューブ14のそれぞれへ分配して流す。その上流側第2冷媒チューブ14のそれぞれを流れた冷媒は第1他端側ヘッダタンク22の第2他端側タンク空間222へ流入すると共に合流する。
その第2他端側タンク空間222へ流入した冷媒は第2他端側ヘッダタンク26の第1他端側タンク空間261へと流れ、その第1他端側タンク空間261から複数本の下流側第1冷媒チューブ16のそれぞれへ分配される。その下流側第1冷媒チューブ16のそれぞれを流れた冷媒は第2一端側ヘッダタンク24の第1一端側タンク空間241へ流入すると共に合流する。
そして、第2一端側ヘッダタンク24は、その下流側第1冷媒チューブ16から第1一端側タンク空間241へ流入した冷媒を第2一端側タンク空間242へ流し、その第2一端側タンク空間242内の冷媒を複数本の下流側第2冷媒チューブ18のそれぞれへ分配して流す。その下流側第2冷媒チューブ18のそれぞれを流れた冷媒は第2他端側ヘッダタンク26の第2他端側タンク空間262へ流入すると共に合流する。その第2他端側タンク空間262へ流入した冷媒は、冷媒出口264から冷媒出口配管30へと流れ出る。
このように流れる冷媒は、各冷媒チューブ12、14、16、18内を流れているときに送風空気と熱交換させられその送風空気から吸熱する。従って、冷媒蒸発器10は、冷媒と送風空気とを熱交換させる4つの熱交換部を含んでいる。すなわち、冷媒蒸発器10は、上流側第1冷媒チューブ12とその上流側第1冷媒チューブ12の相互間に設けられたコルゲートフィン19とから成る第1の熱交換部と、上流側第2冷媒チューブ14とその上流側第2冷媒チューブ14の相互間に設けられたコルゲートフィン19とから成る第2の熱交換部と、下流側第1冷媒チューブ16とその下流側第1冷媒チューブ16の相互間に設けられたコルゲートフィン19とから成る第3の熱交換部と、下流側第2冷媒チューブ18とその下流側第2冷媒チューブ18の相互間に設けられたコルゲートフィン19とから成る第4の熱交換部とを含んでいる。
そして、上記第1の熱交換部および第2の熱交換部は、冷媒蒸発器10の中で空気流れ上流側に配置された上流側熱交換部32を構成し、上記第3の熱交換部および第4の熱交換部は、冷媒蒸発器10の中で空気流れ下流側に配置された下流側熱交換部34を構成している。図2では、上流側熱交換部32の符号は、それを構成する冷媒チューブ12、14の符号に括弧書きで付記されており、下流側熱交換部34の符号は、それを構成する冷媒チューブ16、18の符号に括弧書きで付記されている。
ここで、冷媒と空気流れ方向FLaに流れる送風空気との熱交換により、その送風空気に含まれていた水分が、冷媒チューブ12、14、16、18およびコルゲートフィン19の表面に結露する。このとき、その結露により生じた結露水(凝縮水)は、上流側熱交換部32と下流側熱交換部34との各々において一様に生じるわけではなく、チューブ表面温度のばらつき等に起因して結露水の発生量にばらつきがあると考えられる。例えばチューブ積層方向DRsにおいては、複数本の冷媒チューブ12、14、16、18のうち中央寄りに配置されたものほど、その表面に付着する結露水の発生量が多くなると考えられる。すなわち、上流側熱交換部32と下流側熱交換部34とにおいて結露する結露水量の最大位置はチューブ積層方向DRsの中央部分になると考えられる。
従って、上流側熱交換部32では、上流側第1冷媒チューブ12および上流側第2冷媒チューブ14から成る一群の冷媒チューブが積層配置されるチューブ積層範囲WT1は、チューブ積層方向DRsにおいて、上流側熱交換部32の結露水量の最大位置を挟んでその最大位置の一方側から他方側へと及んでいる。これと同様に、下流側熱交換部34では、下流側第1冷媒チューブ16および下流側第2冷媒チューブ18から成る一群の冷媒チューブが積層配置されるチューブ積層範囲WT2は、チューブ積層方向DRsにおいて、下流側熱交換部34の結露水量の最大位置を挟んでその最大位置の一方側から他方側へと及んでいる。要するに、上流側熱交換部32と下流側熱交換部34との何れでも結露水量の最大位置は、チューブ積層方向DRsにおけるチューブ積層範囲WT1、WT2内に入っている。なお、冷媒蒸発器10が熱交換しているときの結露水量の最大位置は、その熱交換が終わった直後においても結露水が残存するので変わらないと考えられる。
次に、本実施形態の冷媒蒸発器10の効果を説明するための比較例に関して図3および図4を用いて説明する。図3は、比較例における冷媒蒸発器10の全体構成の概要を示した斜視図であって、本実施形態の図1に相当する図である。また、図4は、図3の比較例における冷媒蒸発器10内の冷媒通路構成を示した概略斜視図である。
この図3および図4に示すように、比較例の冷媒蒸発器10は、本実施形態の冷媒蒸発器10を、空気流れ方向FLaに平行な中心線まわりに180°回転させたものである。すなわち、比較例の冷媒蒸発器10は、本実施形態の冷媒蒸発器10に対し、一端側ヘッダタンク20、24と他端側ヘッダタンク22、26との上下関係を逆転させたものとなっている。従って、図3および図4に示す比較例では、一端側ヘッダタンク20、24は下側ヘッダタンクであり、他端側ヘッダタンク22、26は上側ヘッダタンクである。
比較例では、図4にて一点鎖線の矢印で示すように、冷媒入口配管28から冷媒入口224へ流入する冷媒は、冷媒入口224→第1他端側ヘッダタンク22の第1他端側タンク空間221→複数本の上流側第1冷媒チューブ12→第1一端側ヘッダタンク20の第1一端側タンク空間201→第2一端側タンク空間202→複数本の上流側第2冷媒チューブ14→第1他端側ヘッダタンク22の第2他端側タンク空間222→第2他端側ヘッダタンク26の第1他端側タンク空間261→複数本の下流側第1冷媒チューブ16→第2一端側ヘッダタンク24の第1一端側タンク空間241→第2一端側タンク空間242→複数本の下流側第2冷媒チューブ18→第2他端側ヘッダタンク26の第2他端側タンク空間262→冷媒出口264の順に流れる。そして、冷媒は冷媒出口264から冷媒出口配管30へと流れ出る。
従って、比較例の上流側熱交換部32では、上流側第1冷媒チューブ12と第1一端側タンク空間201と第2一端側タンク空間202と上流側第2冷媒チューブ14とから成る冷媒流通経路は、特許文献1の冷媒蒸発器と同様にU字状になっている。そして、比較例の下流側熱交換部34でも同様に、冷媒流通経路はU字状になっている。
これに対し、本実施形態によれば、図2に示すように、一端側ヘッダタンク20、24は他端側ヘッダタンク22、26に対して上方に配置されている。そして、上側ヘッダタンクである一端側ヘッダタンク20、24が、各熱交換部32、34の冷媒流通経路の末端ではなく中間部分を形成し、その上側ヘッダタンク内を冷媒がチューブ積層方向DRsへと流れる。そのため、本実施形態の上流側熱交換部32および下流側熱交換部34では、上記冷媒流通経路は逆U字状になっている。
すなわち、本実施形態において各熱交換部32、34の冷媒流通経路は、特許文献1の冷媒蒸発器と同様の上記比較例(図3および図4参照)に対し上下に逆転したものとなっているので、冷媒蒸発器10の温度分布も上下に逆転する。従って、本実施形態の冷媒蒸発器10では低温箇所を上側に偏らせることができる。そして、冷媒蒸発器10内の冷媒循環が停止された場合すなわち冷媒蒸発器10の熱交換が停止された場合、その停止後に、上側ヘッダタンクである一端側ヘッダタンク20、24に偏った液相冷媒を、下側ヘッダタンクである他端側ヘッダタンク22、26へ向けて、冷媒チューブ12、14、16、18の冷媒流通抵抗を利用して徐々に移動させることができる。その結果、冷媒蒸発器10での熱交換の停止後すなわち空調装置の稼働停止後において各冷媒チューブ12、14、16、18の表面温度の上昇が抑えられ、結露した水分が乾きにくくなり、その水分の乾燥に伴う臭い成分の発生を抑えることが可能である。要するに、空調装置の空調ケース内に臭い成分を滞留しにくくすることで、空調装置の次の稼働時に異臭を発生しにくくすることが可能である。
また、本実施形態によれば、上流側第1冷媒チューブ12および上流側第2冷媒チューブ14から成る一群の冷媒チューブが積層配置されるチューブ積層範囲WT1は、チューブ積層方向DRsにおいて、上流側熱交換部32の結露水量の最大位置を挟んでその最大位置の一方側から他方側へと及んでいる。これにより、その結露水量の最大位置において、結露した水分を乾きにくくすることができ、その水分の乾燥に伴う臭い成分の発生量を低減することが可能である。このことは上流側熱交換部32に関する説明であるが、下流側熱交換部34についても同様である。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明し、第1実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。
図5は、冷媒蒸発器10内の冷媒通路構成を示した概略斜視図であって、第1実施形態の図2に相当する図である。図5に示すように、本実施形態は、冷媒蒸発器10内の冷媒通路構成が第1実施形態と異なっている。
具体的に、本実施形態の冷媒蒸発器10では、冷媒入口配管28が接続される冷媒入口204は、2つの上側ヘッダタンクのうちの一方である第1一端側ヘッダタンク20に形成されている。また、冷媒出口配管30が接続される冷媒出口244は、2つの上側ヘッダタンクのうちの他方である第2一端側ヘッダタンク24に形成されている。また、冷媒出口244は、一端側ヘッダタンク20、24に対しチューブ積層方向DRsにおける冷媒入口204側と同じ側に配置されている。従って、本実施形態の冷媒蒸発器10の外観は、図3に示す比較例の冷媒蒸発器10と同様である。
第1一端側ヘッダタンク20は、その第1一端側ヘッダタンク20内のタンク空間を分割するセパレータ205を有している。そのため、第1一端側ヘッダタンク20には、第3一端側タンク空間203が、第1一端側タンク空間201および第2一端側タンク空間202から成る単一のタンク空間201、202に対して別個に区画形成されている。そして、その第3一端側タンク空間203は、その単一のタンク空間201、202に対しチューブ積層方向DRsに並んで配置されている。
また、第1一端側ヘッダタンク20の第3一端側タンク空間203には、冷媒入口204が連通している。
第2一端側ヘッダタンク24の構造は上記の第1一端側ヘッダタンク20と同様である。すなわち、第2一端側ヘッダタンク24は、その第2一端側ヘッダタンク24内のタンク空間を分割するセパレータ245を有している。そのため、第2一端側ヘッダタンク24には、第3一端側タンク空間243が、第1一端側タンク空間241および第2一端側タンク空間242から成る単一のタンク空間241、242に対して別個に区画形成されている。そして、その第3一端側タンク空間243は、その単一のタンク空間241、242に対しチューブ積層方向DRsに並んで配置されている。
また、第2一端側ヘッダタンク24の第3一端側タンク空間243には、冷媒出口244が連通している。
第1他端側ヘッダタンク22には第3他端側タンク空間223が形成されており、その第3他端側タンク空間223は、第1他端側タンク空間221および第2他端側タンク空間222に対しチューブ積層方向DRsに並んで配置されている。そして、第3他端側タンク空間223は第1他端側タンク空間221に連通し、第1他端側タンク空間221および第3他端側タンク空間223は単一のタンク空間221、223となっている。
第2他端側ヘッダタンク26の構造は上記の第1他端側ヘッダタンク22と同様である。すなわち、第2他端側ヘッダタンク26には第3他端側タンク空間263が形成されており、その第3他端側タンク空間263は、第1他端側タンク空間261および第2他端側タンク空間262に対しチューブ積層方向DRsに並んで配置されている。そして、第3他端側タンク空間263は第2他端側タンク空間262に連通し、第2他端側タンク空間262および第3他端側タンク空間263は単一のタンク空間262、263となっている。
一端側ヘッダタンク20、24の第3一端側タンク空間203、243および他端側ヘッダタンク22、26の第3他端側タンク空間223、263は、それぞれのヘッダタンク20、22、24、26の中で、チューブ積層方向DRsにおける冷媒出入口204、244側と同じ側に配置されている。
本実施形態では、冷媒蒸発器10が有する複数本の冷媒チューブ12、14、16、18、36、38は、接続先のタンク空間が互いに異なる6つのチューブ群を構成している。すなわち、図5の冷媒蒸発器10は、第1実施形態における冷媒チューブ12、14、16、18から成る4つのチューブ群に加えて、複数本の上流側第3冷媒チューブ36から成るチューブ群と、複数本の下流側第3冷媒チューブ38から成るチューブ群とを含んでいる。
そして、上流側第3冷媒チューブ36の一端である上端は第1一端側ヘッダタンク20の第3一端側タンク空間203へ接続され、上流側第3冷媒チューブ36の他端である下端は第1他端側ヘッダタンク22の第3他端側タンク空間223へ接続されている。また、下流側第3冷媒チューブ38の一端である上端は第2一端側ヘッダタンク24の第3一端側タンク空間243へ接続され、下流側第3冷媒チューブ38の他端である下端は第2他端側ヘッダタンク26の第3他端側タンク空間263へ接続されている。
また、上流側第3冷媒チューブ36は、上流側第1冷媒チューブ12および上流側第2冷媒チューブ14と共に、空気流れ上流側の列を構成し、下流側第3冷媒チューブ38は、下流側第1冷媒チューブ16および下流側第2冷媒チューブ18と共に、空気流れ下流側の列を構成している。従って、本実施形態の上流側熱交換部32は、第1実施形態の上流側熱交換部32と比較して更に、上流側第3冷媒チューブ36とその上流側第3冷媒チューブ36の相互間に設けられたコルゲートフィン19とを含んでいる。そして、本実施形態の下流側熱交換部34は、第1実施形態の下流側熱交換部34と比較して更に、下流側第3冷媒チューブ38とその下流側第3冷媒チューブ38の相互間に設けられたコルゲートフィン19とを含んでいる。
本実施形態では、各セパレータ205、225、245、265の配置によって定まる各タンク空間の大きさは次のようになっている。すなわち、チューブ積層方向DRsにおいて、第1一端側ヘッダタンク20の第1一端側タンク空間201と第2一端側タンク空間202とを合わせたタンク空間長さL1aと、第2一端側ヘッダタンク24の第1一端側タンク空間241と第2一端側タンク空間242とを合わせたタンク空間長さL1bとは互いに同じになっている。このタンク空間長さL1a、L1bを第1のタンク空間長さL1a、L1bと呼ぶものとする。
また、第1他端側ヘッダタンク22の第1他端側タンク空間221と第3他端側タンク空間223とを合わせたタンク空間長さL2aと、第2他端側ヘッダタンク26の第2他端側タンク空間262と第3他端側タンク空間263とを合わせたタンク空間長さL2bとは互いに同じになっている。このタンク空間長さL2a、L2bを第2のタンク空間長さL2a、L2bと呼ぶものとする。
また、第1一端側ヘッダタンク20の第3一端側タンク空間203が有するタンク空間長さL3aと第2一端側ヘッダタンク24の第3一端側タンク空間243が有するタンク空間長さL3bとは互いに同じになっている。このタンク空間長さL3a、L3bを第3のタンク空間長さL3a、L3bと呼ぶものとする。
更に、第1のタンク空間長さL1a、L1bは第2のタンク空間長さL2a、L2bよりも長く、第2のタンク空間長さL2a、L2bは第3のタンク空間長さL3a、L3bよりも長くなっている(L1a>L2a>L3a、L1b>L2b>L3b)。
従って、タンク空間の容積に着目すると、第1一端側ヘッダタンク20の第1一端側タンク空間201の容積と第2一端側タンク空間202の容積とを合計したタンク空間容積は、第1他端側ヘッダタンク22の第1他端側タンク空間221の容積と第3他端側タンク空間223の容積とを合計したタンク空間容積よりも大きくなっている。そして、第1他端側ヘッダタンク22の第1他端側タンク空間221の容積と第3他端側タンク空間223の容積とを合計したタンク空間容積は、第1一端側ヘッダタンク20の第3一端側タンク空間203の容積よりも大きくなっている。
これと同様に、第2一端側ヘッダタンク24の第1一端側タンク空間241の容積と第2一端側タンク空間242の容積とを合計したタンク空間容積は、第2他端側ヘッダタンク26の第2他端側タンク空間262の容積と第3他端側タンク空間263の容積とを合計したタンク空間容積よりも大きくなっている。そして、第2他端側ヘッダタンク26の第2他端側タンク空間262の容積と第3他端側タンク空間263の容積とを合計したタンク空間容積は、第2一端側ヘッダタンク24の第3一端側タンク空間243の容積よりも大きくなっている。
以上のように構成された冷媒蒸発器10では、図5にて一点鎖線の矢印で示すように冷媒が流れる。すなわち、冷媒入口配管28から冷媒入口204へ流入する冷媒は、冷媒入口204→第1一端側ヘッダタンク20の第3一端側タンク空間203→複数本の上流側第3冷媒チューブ36→第1他端側ヘッダタンク22の第3他端側タンク空間223→
第1他端側タンク空間221→複数本の上流側第1冷媒チューブ12→第1一端側ヘッダタンク20の第1一端側タンク空間201→第2一端側タンク空間202→複数本の上流側第2冷媒チューブ14→第1他端側ヘッダタンク22の第2他端側タンク空間222→第2他端側ヘッダタンク26の第1他端側タンク空間261→複数本の下流側第1冷媒チューブ16→第2一端側ヘッダタンク24の第1一端側タンク空間241→第2一端側タンク空間242→複数本の下流側第2冷媒チューブ18→第2他端側ヘッダタンク26の第2他端側タンク空間262→第3他端側タンク空間263→複数本の下流側第3冷媒チューブ38→第2一端側ヘッダタンク24の第3一端側タンク空間243→冷媒出口244の順に流れる。そして、冷媒は冷媒出口244から冷媒出口配管30へと流れ出る。
従って、本実施形態の冷媒蒸発器10では、第1他端側ヘッダタンク22の第1他端側タンク空間221から第2他端側タンク空間222までの冷媒流通経路と、第2他端側ヘッダタンク26の第1他端側タンク空間261から第2他端側タンク空間262までの冷媒流通経路とが、第1実施形態と同様に逆U字状になっている。
本実施形態によれば、第1一端側ヘッダタンク20の第1一端側タンク空間201の容積と第2一端側タンク空間202の容積とを合計したタンク空間容積は、第1他端側ヘッダタンク22の第1他端側タンク空間221の容積と第3他端側タンク空間223の容積とを合計したタンク空間容積よりも大きくなっている。言い換えれば、逆U字状を成す冷媒流通経路の中間に位置するタンク空間201、202の容積は、第1一端側ヘッダタンク20の第3一端側タンク空間203から第1一端側タンク空間201までのU字状を成す冷媒流通経路の中間に位置するタンク空間221、223の容積よりも大きくなっている。従って、空気流れ上流側のヘッダタンク20、22同士を比較すれば、上側ヘッダタンクである第1一端側ヘッダタンク20へ多くの液相冷媒を偏らせることができるので、第1実施形態と同様に、空調装置の稼働停止後において、結露した水分が乾きにくくなり、その水分の乾燥に伴う臭い成分の発生を抑えることが可能である。
このことは上流側熱交換部32のことであるが下流側熱交換部34でも同様である。すなわち、空気流れ下流側のヘッダタンク24、26同士を比較すれば、第2一端側ヘッダタンク24の第1一端側タンク空間241の容積と第2一端側タンク空間242の容積とを合計したタンク空間容積は、第2他端側ヘッダタンク26の第2他端側タンク空間262の容積と第3他端側タンク空間263の容積とを合計したタンク空間容積よりも大きくなっている。従って、下流側熱交換部34でも上流側熱交換部32と同様に、空調装置の稼働停止後において、結露した水分の乾燥に伴う臭い成分の発生を抑えることが可能である。
また、本実施形態によれば、第1実施形態とは異なり、冷媒入口204および冷媒出口244は、上側ヘッダタンクである一端側ヘッダタンク20、24にそれぞれ形成されている。従って、冷媒入口204および冷媒出口244を冷媒蒸発器10の中で上側ヘッダタンクに配置する必要がある場合には、本実施形態の冷媒蒸発器10のような構成とすることで、冷媒出入口204、244の上側ヘッダタンクへの配置を実現しつつ、空調装置の稼働停止後における臭い成分の発生を抑えることが可能である。
また、本実施形態の冷媒蒸発器10では、第1実施形態と同様に、上流側第1冷媒チューブ12および上流側第2冷媒チューブ14から成る一群の冷媒チューブが積層配置されるチューブ積層範囲WT1(図2参照)は、チューブ積層方向DRsにおいて、上流側熱交換部32の結露水量の最大位置を挟んでその最大位置の一方側から他方側へと及んでいる。従って、これによる効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
また、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(他の実施形態)
(1)上述の第1実施形態において、冷媒チューブ12、14、16、18は、チューブ積層方向DRsへ積層配置されており2列配置となっているが、1列配置であっても3列以上の配置であっても差し支えない。このことは、上述の第2実施形態でも同様である。
(2)上述の各実施形態では、冷媒入口204、224および冷媒出口244、264は互いに、ヘッダタンク20、22、24、26に対しチューブ積層方向DRsにおける同じ側に設けられているが、同じ側に設けられていなくても差し支えない。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
12 上流側第1冷媒チューブ(第1冷媒チューブ)
14 上流側第2冷媒チューブ(第2冷媒チューブ)
16 下流側第1冷媒チューブ(第1冷媒チューブ)
18 下流側第2冷媒チューブ(第2冷媒チューブ)
20 第1一端側ヘッダタンク(一端側ヘッダタンク)
22 第1他端側ヘッダタンク(他端側ヘッダタンク)
24 第2一端側ヘッダタンク(一端側ヘッダタンク)
26 第2他端側ヘッダタンク(他端側ヘッダタンク)
201、241 第1一端側タンク空間
202、242 第2一端側タンク空間
221、261 第1他端側タンク空間
222、262 第2他端側タンク空間

Claims (2)

  1. 送風空気と冷媒とを熱交換させることで該送風空気を冷却すると共に該冷媒を蒸発させる冷媒蒸発器であって、
    前記送風空気が通過する間隔を空けてチューブ積層方向(DRs)へ積層配置され、前記冷媒を前記送風空気と熱交換させつつ流す複数本の冷媒チューブ(12、14、16、18、36、38)と、
    該複数本の冷媒チューブの一端それぞれに接続された一端側ヘッダタンク(20、24)と、
    該複数本の冷媒チューブの他端それぞれに接続された他端側ヘッダタンク(22、26)とを備え、
    前記一端側ヘッダタンクには、第1一端側タンク空間(201、241)と、該第1一端側タンク空間に対して前記チューブ積層方向の一方に配置され且つ該第1一端側タンク空間に連通する第2一端側タンク空間(202、242)とが形成され、
    前記他端側ヘッダタンクには、第1他端側タンク空間(221、261)と、該第1他端側タンク空間に対して別個に区画され且つ該第1他端側タンク空間に対して前記チューブ積層方向の一方に配置された第2他端側タンク空間(222、262)とが形成され、
    前記複数本の冷媒チューブは、前記第1一端側タンク空間と前記第1他端側タンク空間とへ接続された第1冷媒チューブ(12、16)と、前記第2一端側タンク空間と前記第2他端側タンク空間とへ接続された第2冷媒チューブ(14、18)とを含み、
    前記一端側ヘッダタンクは前記他端側ヘッダタンクに対して上方に配置され、前記第1冷媒チューブから前記第1一端側タンク空間へ流入した前記冷媒を前記第2一端側タンク空間へ流し、該第2一端側タンク空間内の前記冷媒を前記第2冷媒チューブへ流すことを特徴とする冷媒蒸発器。
  2. 前記一端側ヘッダタンクには、前記第1一端側タンク空間および前記第2一端側タンク空間に対し前記チューブ積層方向に並んで配置された第3一端側タンク空間(203、243)が形成され、
    該第3一端側タンク空間は、前記第1一端側タンク空間および前記第2一端側タンク空間に対して別個に区画され、
    前記他端側ヘッダタンクには、前記第1他端側タンク空間および前記第2他端側タンク空間に対し前記チューブ積層方向に並んで配置された第3他端側タンク空間(223、263)が形成され、
    該第3他端側タンク空間は、前記第1他端側タンク空間と前記第2他端側タンク空間とのうちの一方の他端側タンク空間に連通し、
    前記複数本の冷媒チューブは、前記第3一端側タンク空間と前記第3他端側タンク空間とへ接続された第3冷媒チューブ(36、38)を含み、
    前記第1一端側タンク空間の容積と前記第2一端側タンク空間の容積とを合計したタンク空間容積は、前記一方の他端側タンク空間の容積と前記第3他端側タンク空間の容積とを合計したタンク空間容積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の冷媒蒸発器。
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