JP5476888B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5476888B2
JP5476888B2 JP2009218268A JP2009218268A JP5476888B2 JP 5476888 B2 JP5476888 B2 JP 5476888B2 JP 2009218268 A JP2009218268 A JP 2009218268A JP 2009218268 A JP2009218268 A JP 2009218268A JP 5476888 B2 JP5476888 B2 JP 5476888B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
driver
suction port
outlet
conditioned
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009218268A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011068148A (ja
Inventor
好則 一志
穣 上沼
柳町  佳宣
誠文 川島
春樹 三角
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2009218268A priority Critical patent/JP5476888B2/ja
Publication of JP2011068148A publication Critical patent/JP2011068148A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5476888B2 publication Critical patent/JP5476888B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/88Optimized components or subsystems, e.g. lighting, actively controlled glasses

Description

本発明は、空調空気を吹き出す車両用空調装置に関する。
従来、この種の車両用空調装置は、吸込口から室内空調ユニット内に導入した空気を室内空調ユニット内で冷却または加熱して所望温度の空調空気にして車室内に吹き出す。
特許文献1には、この種の車両用空調装置において、室内空調ユニット内の空調空気の一部を車室内に吹き出すことなく吸込口に循環させることが記載されている。
特許文献1の従来技術によると、吸込口から導入される空気に所望温度の空調空気を混ぜることで、吸込空気温度(吸込口から導入される空気の温度)を目標吹出温度(必要とされる吹出温度)に近づける。具体的には、冷房時には吸込空気温度が低くなり、暖房時には吸込空気温度が高くなる。このため、空調効率が良くなって空調の省エネルギー化が図られる。
特開2003−104033号公報
しかしながら、上記従来技術では、本来であれば車室内に吹き出される空調空気の一部を、車室内に吹き出すことなく吸込口に循環させるので、吸込口に循環させる分だけ車室内に吹き出される空調空気の風量が減少してしまう。その結果、乗員の空調感が悪化してしまうという問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、乗員の空調感の悪化を抑制しつつ空調の省エネルギー化を図ることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、送風空気を発生する送風機(12)と、
送風空気の温度を調整する空調機器(13、14)と、
空調機器(13、14)が配置された主空気通路(11a)、および空調機器(13、14)で温度調整された空調空気を空調機器(13、14)の上流側に導く空調空気通路(41、84、86)が形成された空気通路形成部材(11、42、83、85)とを備え、
空気通路形成部材(11、42、83、85)には、
主空気通路(11a)の空調空気を運転席乗員に向けて吹き出すための運転席側吹出口(24、25、26、27)と、
主空気通路(11a)の空調空気を非運転席乗員に向けて吹き出すための非運転席側吹出口(28、29、30、31)とが形成されており、
さらに、空気通路形成部材(11、42、83、85)には、主空気通路(11a)を、運転席側吹出口(24、25、26、27)と連通する運転席側空間(16)と、非運転席側吹出口(28、29、30、31)と連通する非運転席側空間(17)とに仕切る仕切り板(15)が配置され、
主空気通路(11a)の空調空気のうち非運転席側空間(17)を流れる非運転席側空調空気を空調空気通路(41、84、86)に取り出す取出口(43、81、82)が非運転席側空間(17)に形成されていることを特徴とする。
これによると、主空気通路(11a)は運転席側空間(16)と非運転席側空間(17)とに仕切られ、取出口(43、81、82)は非運転席側空間(17)に形成されているので、非運転席側側空間(17)を流れる非運転席側空調空気が空調空気通路(41、84、86)に取り出されて空調機器(13、14)の上流側に循環する。このため、在席頻度の低い非運転席側への吹出風量を減少させて、在席頻度の高い運転席側への吹出風量の減少を抑制することができ、ひいては運転席乗員の空調感の悪化をより効果的に抑制できる。
このため、空調の省エネルギー化を図るべく空調空気を空調機器(13、14)の上流側に循環させても、在席頻度の高い運転席乗員の空調感の悪化を抑制することができる。したがって、乗員の空調感の悪化を抑制しつつ空調の省エネルギー化を図ることができる。
しかも、主空気通路(11a)が運転席側空間(16)と非運転席側空間(17)とに仕切られているので、非運転席側空調空気を空調空気通路(41、84、86)に取り出しても運転席側空間(16)の圧力損失が変化しにくくなる。このため、空調機器(13、14)で温度調整された運転席側空調空気の温度の変化を抑制でき、運転席側吹出口(24、25、26、27)からの吹出温度を安定させることができる。
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車両用空調装置において、空調機器は、送風空気を冷却する冷却用熱交換器(13)、および冷却用熱交換器(13)の下流側に配置されて送風空気を加熱する加熱用熱交換器(14)を含み、
取出口(43、81、82)は、加熱用熱交換器(14)の下流側に配置されていることを特徴とする。
これにより、冷却用熱交換器(13)で冷却された冷風および加熱用熱交換器(14)で加熱された温風の両方を空調空気通路(41、84、86)によって循環させることができるので、冷房および暖房の両方において省エネルギー化を図ることができる。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の車両用空調装置において、取出口(43、81、82)は、加熱用熱交換器(14)の下流側における非運転席側空調空気の流れに対向して配置されていることを特徴とする。
これにより、非運転席側空調空気を空調空気通路(41、84、86)に効率良く取り出すことができるので、空調空気通路(41、84、86)によって循環する非運転席側空調空気の風量を増加させることができる。このため、空調の省エネルギー化を一層図ることができる。
請求項4に記載の発明では、請求項1ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置において、空気通路形成部材(11、42、83、85)には、主空気通路(11a)に内気を導入する内気吸込口(21)と、主空気通路(11a)に外気を導入する外気吸込口(22)とが形成され、
空調空気通路(41、84、86)、内気吸込口(21)および外気吸込口(22)を開閉することで吸込口モードを切り替える吸込口モード切替機構(23、46)を備えることを特徴とする。
これにより、空調空気通路(41、84、86)による空調空気の循環を吸込口モード切替機構(23、46)によって遮断することができる。このため、必要に応じて非運転席側への吹出風量を確保して非運転席乗員の空調感を確保できる。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の車両用空調装置において、吸込口モードは、吸込口モード切替機構(23、46)が空調空気通路(41、84、86)および外気吸込口(22)を開けて内気吸込口(21)を閉じる第1循環モードを含むことを特徴とする。
これにより、空調空気通路(41、84、86)で空調空気を循環させることによって空調の省エネルギー化を図るとともに、湿度の低い外気を導入することによって窓曇りを抑制することができる。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の車両用空調装置において、非運転席側吹出口は、空調空気を助手席乗員の足元に向けて吹き出すための非運転席側フット吹出口(31)を含み、
取出口(82)は、非運転席側フット吹出口(31)からの吹出空気が流入するように非運転席側フット吹出口(31)の近傍に配置されていることを特徴とする。
これにより、非運転席側フット吹出口(31)から空調空気が吹き出される場合に、非運転席側空調空気を空調空気通路(86)に効率良く取り出すことができるので、空調空気通路(86)によって循環する空調空気の風量を増加させることができ、ひいては空調の省エネルギー化を更に図ることができる。
請求項に記載の発明では、請求項またはに記載の車両用空調装置において、吸込口モード切替機構(23、46)を制御する制御手段(50)を備え、
制御手段(50)は、外気吸込口(22)から外気を導入する必要があると判断した場合には、第1循環モードになるように吸込口モード切替機構(23、46)を制御することを特徴とする。
これによると、第1循環モードを必要に応じて自動的に設定できるので、窓曇りの抑制と空調の省エネルギー化とを効果的に両立できる。
請求項に記載の発明では、請求項ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置において、吸込口モードは、吸込口モード切替機構(23、46)が空調空気通路(41、84、86)および内気吸込口(21)を開けて外気吸込口(22)を閉じる第2循環モードを含むことを特徴とする。
これによると、空調空気通路(41、84、86)で空調空気を循環させるのみならず、内気を導入することによって換気損失を抑制できるので、空調の省エネルギー化を更に図ることができる。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の車両用空調装置において、非運転席側吹出口は、空調空気を助手席乗員の上半身に向けて吹き出すための非運転席側フェイス吹出口(29、30)を含み、
取出口(81)は、非運転席側フェイス吹出口(29、30)からの吹出空気が流入するように非運転席側フェイス吹出口(29、30)の近傍に配置されていることを特徴とする。
これにより、非運転席側フェイス吹出口(29、30)から空調空気が吹き出される場合に、非運転席側空調空気を空調空気通路(84)に効率良く取り出すことができるので、空調空気通路(84)によって循環する空調空気の風量を増加させることができ、ひいては空調の省エネルギー化をより一層図ることができる。
請求項10に記載の発明では、請求項4ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、吸込口モード切替機構(23、46)を制御する制御手段(50)を備え、
吸込口モードは、吸込口モード切替機構(23、46)が空調空気通路(41、84、86)および内気吸込口(21)を開けて外気吸込口(22)を閉じる第2循環モードを含み、
制御手段(50)は、内気吸込口(21)から内気を導入する必要があると判断した場合には、第2循環モードになるように吸込口モード切替機構(23、46)を制御することを特徴とする。
これにより、第2循環モードを必要に応じて自動的に設定できるので、空調の省エネルギー化をより一層図ることができる。
請求項11に記載の発明では、請求項ないし10のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、吸込口モードは、吸込口モード切替機構(23、46)が内気吸込口(21)を開けて外気吸込口(22)および空調空気通路(41、84、86)を閉じる内気モードと、吸込口モード切替機構(23、46)が外気吸込口(22)を開けて内気吸込口(21)および空調空気通路(41、84、86)を閉じる外気モードとを含み、
吸込口モード切替機構(23、46)は、空調空気通路(41、84、86)を閉じたままで内気モードと外気モードとを切替可能な構造になっていることを特徴とする。
これにより、内気モードと外気モードとの切替時に非運転席側空調空気が空調空気通路(41、84、86)に一時的に取り出されてしまうことを回避できる。このため、内気モードと外気モードとの切替時に非運転席側吹出口(28、29、30、31)からの吹出風量が一時的に減って乗員が違和感を感じてしまうことを回避できる。
請求項12に記載の発明では、請求項ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置において、非運転席に乗員が着座したことを検出する非運転席着座検出手段(71)と、吸込口モード切替機構(23、46)を制御する制御手段(50)とを備え、
制御手段(50)は、助手席に乗員が着座したことを非運転席着座検出手段(71)が検出した場合に、空調空気通路(41、84、86)を開けるように吸込口モード切替機構(23、46)を制御することを特徴とする。
これによると、空調空気通路(41、84、86)による空調空気の循環を、非運転席乗員が不在の場合に自動的に行うことができるので、乗員の空調感の悪化抑制と空調の省エネルギー化とを効果的に両立できる。
請求項13に記載の発明では、請求項ないし12のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、乗員による空調空気通路(41、84、86)の開閉の選択に用いられる操作手段(60d)を備え、
吸込口モード切替機構(23、46)は、操作手段(60d)の操作状態に基づいて空調空気通路(41、84、86)を開閉することを特徴とする。
これにより、空調空気通路(41、84、86)による空調空気の循環を乗員の選択に応じて行うことができるので、乗員の空調感の悪化抑制と空調の省エネルギー化とを乗員の選択に応じて適切に両立できる。
請求項14に記載の発明では、請求項ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置において、非運転席側吹出口(29、31)を開閉する非運転席側吹出口開閉機構(87、88)と、吸込口モード切替機構(23、46)を制御する制御手段(50)とを備え、
制御手段(50)は、吸込口モード切替機構(23、46)が空調空気通路(41)を開けている場合に非運転席側吹出口開閉機構(87、88)が非運転席側吹出口(29、31)を閉じることを特徴とする。
これによると、非運転席側吹出口開閉機構(87、88)が非運転席側吹出口(28、29、30、31)を閉じることによって空調空気通路(41、84、86)に取り出される空調空気の風量を増加させることができるので、空調空気通路(41、84、86)によって循環する空調空気の風量を増加させることができ、ひいては空調の省エネルギー化を更に図ることができる。
請求項15に記載の発明では、請求項ないし14のいずれか1つに記載の車両用空調装置において、空気通路形成部材(11、42、83、85)のうち内気吸込口(21)および外気吸込口(22)に隣接する部位には、空調空気通路(41、84、86)を通過した非運転席側空調空気を吸い込む空調空気吸込口(44、45)が形成され、
吸込口モード切替機構(23)は、回転軸(23a)と、回転軸(23a)を中心とする円弧壁面(23b)と、円弧壁面(23b)のうち回転軸(23a)が延びる方向における両端部を回転軸(23a)に連結する側面板部(23c)とを有するロータリードアであり、
内気吸込口(21)、外気吸込口(22)および空調空気吸込口(44、45)は、ロータリードア(23)の回転方向に沿って配置されていることを特徴とする。
これによると、1つのロータリードア(23)で内気吸込口(21)、外気吸込口(22)および空調空気吸込口(44、45)を開閉できるので、構成を簡素化できる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態における車両用空調装置の構成図である。 図1の車両用空調装置の電気制御部の構成図である。 図1の車両用空調装置の制御処理を示すフローチャートである。 図4のステップS7の詳細を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態における車両用空調装置の構成図である。 本発明の第3実施形態におけるステップS7の詳細を示すフローチャートである。 本発明の第4実施形態における車両用空調装置の構成図である。 本発明の第5実施形態における車両用空調装置の構成図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を説明する。図1に、本実施形態における車両用空調装置の全体構成を示し、図2に、この車両用空調装置の電気制御部の構成を示す。
車両用空調装置は、図1に示す室内空調ユニット10と、図2に示す空調制御装置50とを備えている。室内空調ユニット10は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されて、その外殻を形成するケーシング11内に送風機12、蒸発器13、ヒータコア14等を収容したものである。
ケーシング11は、車室内に送風される送風空気の主空気通路11aを形成しており、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。ケーシング11内の空気流れ最上流側には、内気(車室内空気)と外気(車室外空気)とを切替導入する内外気切替箱20が配置されている。
より具体的には、内外気切替箱20には、ケーシング11内に内気を導入させる内気吸込口21および外気を導入させる外気吸込口22が形成されている。さらに、内外気切替箱20の内部には、内気吸込口21および外気吸込口22の開口面積を連続的に調整して、内気の風量と外気の風量との風量割合を変化させる内外気切替ドア23が配置されている。
したがって、内外気切替ドア23は、ケーシング11内に導入される内気の風量と外気の風量との風量割合を変化させる風量割合変更手段を構成する。より具体的には、内外気切替ドア23は、内外気切替ドア23用の電動アクチュエータ62(図2)によって駆動され、この電動アクチュエータ62は、空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
内外気切替箱20の空気流れ下流側には、内外気切替箱20を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する送風機(ブロワ)12が配置されている。この送風機12は、遠心多翼ファン(シロッコファン)12aを電動モータ12bにて駆動する電動送風機であって、空調制御装置50から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される。
送風機12の空気流れ下流側には、送風空気の温度を調整する空調機器13、14が配置されている。本例では、空調機器13、14として、蒸発器13およびヒータコア14が用いられている。
蒸発器13は、その内部を流通する冷媒と送風空気とを熱交換させて送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。蒸発器13は、圧縮機(コンプレッサ)、凝縮器、気液分離器、膨張弁(いずれも図示せず)等とともに、冷凍サイクルを構成している。
圧縮機は、エンジンルーム内に配置され、冷凍サイクルにおいて冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものであり、吐出容量が固定された固定容量型圧縮機構を電動モータにて駆動する電動圧縮機として構成されている。電動モータは、インバータ61から出力される交流電圧によって、その作動(回転数)が制御される交流モータである。
また、インバータ61は、後述する空調制御装置50から出力される制御信号に応じた周波数の交流電圧を出力する。そして、この回転数制御によって、圧縮機の冷媒吐出能力が変更される。なお、圧縮機を、車両走行用駆動力を出力するエンジン(図示せず)によって駆動してもよい。
凝縮器は、エンジンルーム内に配置されて、内部を流通する冷媒と、室外送風機としての室外ファン63(図2)から送風された車室外空気(外気)とを熱交換させることにより、圧縮された冷媒を凝縮液化させるものである。室外ファン63は、空調制御装置50から出力される制御電圧によって稼働率、すなわち、回転数(送風空気量)が制御される電動式送風機である。
気液分離器は、凝縮液化された冷媒を気液分離して液冷媒のみを下流に流すものである。膨張弁は、液冷媒を減圧膨張させる減圧手段である。蒸発器13は、冷媒と送風空気との熱交換により、減圧膨張された冷媒を蒸発気化させるものである。
ケーシング11内において、蒸発器13の空気流れ下流側には仕切り板15が配置されている。仕切り板15により、ケーシング11内の主空気通路11aのうち蒸発器13の空気流れ下流側部位は運転席側空間16と助手席側空間17とに仕切られている。
運転席側空間16および助手席側空間17の各々には、蒸発器13通過後の空気を流す加熱用冷風通路16a、17a、冷風バイパス通路16b、17bといった空気通路、並びに、加熱用冷風通路16a、17aおよび冷風バイパス通路16b、17bから流出した空気を混合させる混合空間16c、17cが形成されている。
加熱用冷風通路16a、17aには、蒸発器13通過後の送風空気を加熱するための加熱手段としてのヒータコア14が配置されている。ヒータコア14は、エンジンの冷却水と蒸発器13通過後の送風空気とを熱交換させて、蒸発器13通過後の送風空気を加熱する加熱用熱交換器である。
具体的には、ヒータコア14とエンジンとの間に冷却水流路(図示せず)が設けられて、ヒータコア14とエンジンとの間を冷却水が循環する冷却水回路(図示せず)が構成されている。そして、この冷却水回路には、冷却水を循環させるためのウォータポンプ(図示せず)が設置されている。
一方、冷風バイパス通路16b、17bは、蒸発器13通過後の空気を、ヒータコア14を通過させることなく、混合空間16c、17cに導くための空気通路である。したがって、混合空間16c、17cにて混合された送風空気の温度は、加熱用冷風通路16a、17aを通過する空気および冷風バイパス通路16b、17bを通過する空気の風量割合によって変化する。
そこで、本実施形態では、蒸発器13の空気流れ下流側であって、加熱用冷風通路16a、17aおよび冷風バイパス通路16b、17bの入口側に、加熱用冷風通路16a、17aおよび冷風バイパス通路16b、17bへ流入させる冷風の風量割合を連続的に変化させるエアミックスドア18、19を配置している。
したがって、エアミックスドア18、19は、混合空間16c、17c内の空気温度(車室内へ吹き出される吹出空気の温度)を調整する温度調整手段を構成する。より具体的には、エアミックスドア18、19は、エアミックスドア用の電動アクチュエータ64、65(図2)によって独立して駆動され、この電動アクチュエータ64、65は、空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
さらに、ケーシング11の空気流れ最下流部には、混合空間16c、17cから空調対象空間である車室内へ温度調整された送風空気を吹き出す吹出口24〜31が配置されている。この吹出口24〜31としては、具体的に、運転席側空間16の最下流部に配置された運転席側吹出口24〜27、および助手席側空間17の最下流部に配置された助手席側吹出口28〜31が設けられている。
より具体的には、運転席側吹出口24〜27としては、運転席側デフロスタ吹出口24、運転席側センタフェイス吹出口25、運転席側サイドフェイス吹出口26、運転席側フット吹出口27が設けられている。助手席側吹出口28〜31としては、助手席側デフロスタ吹出口28、助手席側センタフェイス吹出口29、助手席側サイドフェイス吹出口30、助手席側フット吹出口31が設けられている。
運転席側デフロスタ吹出口24および助手席側デフロスタ吹出口28は、車両前面窓ガラスの内側の面に向けて空調風を吹き出す。運転席側センタフェイス吹出口25および運転席側サイドフェイス吹出口26は、運転席の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出す。運転席側フット吹出口27は、運転席の乗員の足元に向けて空調風を吹き出す。
助手席側センタフェイス吹出口29、助手席側サイドフェイス吹出口30は、助手席の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出す。助手席側フット吹出口31は、助手席の乗員の足元に向けて空調風を吹き出す。
これらの吹出口24〜31の空気流れ上流側には、吹出口モードを切り替える吹出口モード切替手段32〜37が配置されている。この吹出口モード切替手段32〜37としては、具体的に、運転席側デフロスタドア32、運転席側フェイスドア33、運転席側フットドア34、助手席側デフロスタドア35、助手席側フェイスドア36、助手席側フットドア37が設けられている。
運転席側デフロスタドア32は、運転席側デフロスタ吹出口24の開口面積を調整する。運転席側フェイスドア33は、運転席側センタフェイス吹出口25および運転席側サイドフェイス吹出口26の開口面積を調整する。運転席側フットドア34は、運転席側フット吹出口27の開口面積を調整する。
助手席側デフロスタドア35は、助手席側デフロスタ吹出口28の開口面積を調整する。助手席側フェイスドア36は、助手席側センタフェイス吹出口29および助手席側サイドフェイス吹出口30の開口面積を調整する。助手席側フットドア37は、助手席側フット吹出口31の開口面積を調整する。
これらの吹出口モードドア32〜37は、図示しないリンク機構を介して、吹出口モードドア駆動用の電動アクチュエータ66(図2)に連結されて連動して回転操作される。なお、この電動アクチュエータ66も、空調制御装置50から出力される制御信号によってその作動が制御される。
また、吹出口モードとしては、フェイス吹出口25、26、29、30を全開してフェイス吹出口25、26、29、30から車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出すフェイスモード、フェイス吹出口25、26、29、30とフット吹出口27、31の両方を開口して車室内乗員の上半身と足元に向けて空気を吹き出すバイレベルモード、フット吹出口27、31を全開するとともにデフロスタ吹出口24、28を小開度だけ開口して、フット吹出口27、31から主に空気を吹き出すフットモード、およびフット吹出口27、31およびデフロスタ吹出口24、28を同程度開口して、フット吹出口27、31およびデフロスタ吹出口24、28の双方から空気を吹き出すフットデフロスタモードがある。
ケーシング11の外部には、空調空気通路41を形成する空調空気ダクト42が配置されている。この空調空気ダクト42は、ケーシング11とともに、空気通路形成部材を構成している。
空調空気通路41は、ケーシング11内の空調空気を蒸発器13の上流側に循環(ショートカット)させる。具体的には、空調空気ダクト42の一端部は、ケーシング11のうち助手席側吹出口28〜31の近傍部位に接続されており、空調空気ダクト42の他端部は、内外気切替箱20に接続されている。
したがって、空調空気ダクト42の一端部は、ケーシング11内の空調空気を空調空気通路41に取り出す取出口43を構成し、空調空気ダクト42の他端部は、空調空気通路41の空調空気をケーシング11内に導入する空調空気吸込口44、45を構成する。
これにより、空調空気通路41は、本来であれば助手席側吹出口28〜31から吹き出される空調空気(助手席側空調空気)を、内外気切替箱20に導入させることができる。
取出口43は、助手席側吹出口28〜31よりも空調空気が通りやすくなるように、ケーシング11の形状を考慮した配置がなされている。図1(a)の例では、取出口43は、ヒータコア14の下流側における空調空気の流れに対向して配置されている。
空調空気吸込口44、45は、具体的には、内気吸込口21に隣接する内気側空調空気吸込口44、および外気吸込口22に隣接する外気側空調空気吸込口45である。したがって、空調空気ダクト42は、内気側空調空気吸込口44側と外気側空調空気吸込口45側とに分岐しており、空調空気ダクト42の内部に形成される空調空気通路41も、内気側空調空気吸込口44側と外気側空調空気吸込口45側とに分岐している。
内気側空調空気吸込口44および外気側空調空気吸込口45は、内外気切替ドア23によって開閉される。したがって、内外気切替ドア23は、内気吸込口21、外気吸込口22、内気側空調空気吸込口44および外気側空調空気吸込口45の4つの吸込口を開閉する。
内外気切替ドア23は、いわゆるロータリードアで構成されており、4つの吸込口21、22、44、45は、ロータリードア23の回転方向に沿って配置されている。より具体的には、4つの吸込口21、22、44、45は、ロータリードア23の回転方向に沿って、内気側空調空気吸込口44、内気吸込口21、外気吸込口22、外気側空調空気吸込口45の順に配置されている。
図1(b)に示すように、内外気切替ドア23は、回転軸23aを中心とする円弧壁面23bが設けられ、この円弧壁面23bの軸方向(図1(b)の紙面垂直方向)の両端部を2枚の側面板部23cにより回転軸23aに連結する構造になっている。
円弧壁面23bの中央部には、4つの吸込口21、22、44、45のうち1つまたは2つの吸込口と重合可能な開口部23dが形成されている。4つの吸込口21、22、44、45のうち開口部23dと重合している吸込口は開状態になり、開口部23dと重合してしない吸込口は円弧壁面23bによって塞がれて全閉状態になる。
内外気切替ドア23は、吸込口モード切替機構を構成する。吸込口モードとしては、外気モード、内気モード、第1循環モード、第2循環モードの4つのモードがある。内外気切替ドア23の回転位置は、これら吸込口モードに応じて決定される。
外気モードでは、内外気切替ドア23が外気吸込口22を開けるとともに内気側空調空気吸込口44および外気側空調空気吸込口45を閉じる。これにより、ケーシング11内に外気が導入される。この外気モードでは、内外気切替ドア23が内気吸込口21および外気吸込口22の開口面積を連続的に調整することにより、内気と外気の導入比率を連続的に変化させることが可能になっている。
内気モードでは、内外気切替ドア23が内気吸込口21を開けるとともに外気吸込口22、内気側空調空気吸込口44および外気側空調空気吸込口45を閉じる。これにより、ケーシング11内に内気のみが導入される。
第1循環モードでは、内外気切替ドア23が外気吸込口22および外気側空調空気吸込口45を開けるとともに内気吸込口21および内気側空調空気吸込口44を閉じる。これにより、ケーシング11内に外気と助手席側空調空気とが導入される。
より具体的には、第1循環モードでは、ケーシング11内に外気が導入されると同時に、助手席側空調空気の一部が車室内に吹き出されることなく蒸発器13の上流側に循環(ショートカット)する。したがって、第1循環モードは、助手席側ショートカット+外気導入モードと表現することもできる。
第2循環モードでは、内外気切替ドア23が内気吸込口21および内気側空調空気吸込口44を開けるとともに外気吸込口22および外気側空調空気吸込口45を閉じる。これにより、ケーシング11内に内気と助手席側空調空気とが導入される。
より具体的には、第2循環モードでは、ケーシング11内に内気が導入されると同時に、助手席側空調空気の一部が車室内に吹き出されることなく蒸発器13の上流側に循環(ショートカット)する。したがって、第2循環モードは、助手席側ショートカット+内気導入モードと表現することもできる。
次に、図2により、本実施形態の電気制御部について説明する。制御手段をなす空調制御装置50は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された送風機12、圧縮機の電動モータ用のインバータ61、室外ファン63、各種電動アクチュエータ62、64、65、66等の作動を制御する。
また、空調制御装置50の入力側には、車室内温度Trを検出する内気センサ51、外気温Tamを検出する外気センサ52(外気温検出手段)、車室内の日射量Tsを検出する日射センサ53、圧縮機吐出冷媒温度Tdを検出する吐出温度センサ54(吐出温度検出手段)、圧縮機吐出冷媒圧力Pdを検出する吐出圧力センサ55(吐出圧力検出手段)、蒸発器からの吹出空気温度(蒸発器温度)TEを検出する蒸発器温度センサ56(蒸発器温度検出手段)、圧縮機に吸入される冷媒の温度Tsiを検出する吸入温度センサ57、エンジン冷却水温度TWを検出する冷却水温度センサ58等のセンサ群の検出信号が入力される。
なお、本実施形態の蒸発器温度センサ56は、具体的に蒸発器13の熱交換フィン温度を検出している。もちろん、蒸発器温度センサ56として、蒸発器13のその他の部位の温度を検出する温度検出手段を採用してもよいし、蒸発器13を流通する冷媒自体の温度を直接検出する温度検出手段を採用してもよい。
さらに、空調制御装置50の入力側には、車室内前部の計器盤付近に配置された操作パネル60に設けられた各種空調操作スイッチからの操作信号が入力される。操作パネル60に設けられた各種空調操作スイッチとしては、具体的に、車両用空調装置の作動スイッチ(図示せず)、エアコンのオン・オフ(具体的には圧縮機のオン・オフ)を切り替えるエアコンスイッチ(図示せず)、車両用空調装置の自動制御を設定・解除するオートスイッチ60a、運転モードの切替スイッチ(図示せず)、吸込口モードを切り替える吸込口モードスイッチ60b、吹出口モードを切り替える吹出口モードスイッチ(図示せず)、送風機12の風量設定スイッチ(図示せず)、車室内温度を設定する車室内温度設定スイッチ60c、運転席側吹出口24〜27からの吹出温度の温度調節と助手席側吹出口28〜31からの吹出温度の温度調節とを互いに独立して行う左右独立温度制御を設定・解除するDUALスイッチ60d等が設けられている。
さらに、空調制御装置50は、パワーウインドウやドア等の車体の駆動機構を制御するボデー制御装置70に電気的接続されており、空調制御装置50およびボデー制御装置70は互いに電気的に通信可能に構成されている。これにより、一方の制御装置に入力された検出信号あるいは操作信号に基づいて、他方の制御装置が出力側に接続された各種機器の作動を制御することもできる。
本例では、ボデー制御装置70の入力側に助手席着座センサ71の検出信号が入力される。助手席着座センサ71は、助手席に乗員が着座したことを助手席着座検出手段をなす。助手席着座センサ71としては、助手席に乗員が着座しているときに乗員から受ける圧力を検出する圧力センサの他、赤外線センサ等を用いることができる。
そして、助手席着座センサ71の検出信号に基づいてボデー制御装置70が空調制御装置50へ内外気切替ドア用電動アクチュエータ62の作動要求信号を出力することによって内外気切替ドア23を作動させることができる。
次に、図3により、上記構成における本実施形態の作動を説明する。図3は、本実施形態の車両用空調装置の制御処理を示すフローチャートである。なお、図3中の各ステップS1〜S11は、空調制御装置50が有する各機能手段S1〜S11に相当する。
まず、ステップS1では、フラグ、タイマ等の初期化、および上述した電動アクチュエータを構成するステッピングモータの初期位置合わせ等が行われる。
次のステップS2では、操作パネル60の操作信号を読み込んでステップS3へ進む。具体的な操作信号としては、車室内温度設定スイッチ60cによって設定される車室内設定温度Tset、吹出口モードの選択信号、吸込口モードの選択信号、送風機12の風量の設定信号等がある。
ステップS3では、空調制御に用いられる車両環境状態の信号、すなわち上述のセンサ群51〜58等の検出信号を読み込んで、ステップS4へ進む。ステップS4では、車室内吹出空気の目標吹出温度TAOを算出する。目標吹出温度TAOは、下記数式F1により算出される。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C…(F1)
ここで、Tsetは車室内温度設定スイッチ60cによって設定された車室内設定温度、Trは内気センサ51によって検出された車室内温度(内気温)、Tamは外気センサ52によって検出された外気温、Tsは日射センサ53によって検出された日射量である。Kset、Kr、Kam、Ksは制御ゲインであり、Cは補正用の定数である。
続くステップS5〜S12では、空調制御装置50に接続された各種機器の制御状態が決定される。
まず、ステップS5では、エアミックスドア18、19の目標開度SWを上記TAO、蒸発器温度センサ56によって検出された蒸発器13からの吹出空気温度TE、および冷却水温度センサ58によって検出されたエンジン冷却水温度TWに基づいて算出する。具体的には、目標開度SWは、次の数式F2により算出できる。
SW=[(TAO−TE)/(TW−TE)]×100(%)…(F2)
なお、SW=0(%)は、エアミックスドア18、19の最大冷房位置であり、冷風バイパス通路16b、17bを全開し、加熱用冷風通路16a、17aを全閉する。これに対し、SW=100(%)は、エアミックスドア18、19の最大暖房位置であり、冷風バイパス通路16b、17bを全閉し、加熱用冷風通路16a、17aを全開する。
ステップS6では、送風機12により送風される空気の目標送風量を決定する。具体的には電動モータ12bに印加するブロワモータ電圧をステップS4にて決定されたTAOに基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して決定する。
具体的には、本実施形態では、TAOの極低温域(最大冷房域)および極高温域(最大暖房域)でブロワモータ電圧を最大値付近の高電圧にして、送風機12の風量を最大風量付近に制御する。また、TAOが極低温域から中間温度域に向かって上昇すると、TAOの上昇に応じてブロワモータ電圧を減少して、送風機12の風量を減少させる。
さらに、TAOが極高温域から中間温度域に向かって低下すると、TAOの低下に応じてブロワモータ電圧を減少して、送風機12の風量を減少させる。また、TAOが所定の中間温度域内に入ると、ブロワモータ電圧を最小値にして送風機12の風量を最小値にするようになっている。
ステップS7では、吸込口モード、すなわち内外気切替ドア23の回転位置を決定する。この吸込口モードもTAOに基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して決定する。本実施形態では、基本的に外気を導入する外気モードが優先されるが、TAOが極低温域となって高い冷房性能を得たい場合等に内気を導入する内気モードが選択される。さらに、外気の排ガス濃度を検出する排ガス濃度検出手段を設け、排ガス濃度が予め定めた基準濃度以上となったときに、内気モードを選択するようにしてもよい。本実施形態のステップS7のより詳細な内容については後述する。
ステップS8では、吹出口モードを決定する。この吹出口モードも、TAOに基づいて、予め空調制御装置50に記憶された制御マップを参照して決定する。本実施形態では、TAOが低温域から高温域へと上昇するにつれて吹出口モードをフットモード→バイレベルモード→フェイスモードへと順次切り替える。
したがって、夏季は主にフェイスモード、春秋季は主にバイレベルモード、そして冬季は主にフットモードが選択される。さらに、湿度センサの検出値から窓ガラスに曇りが発生する可能性が高い場合には、フットデフロスタモードあるいはデフロスタモードを選択するようにしてもよい。
ステップS9では、圧縮機の冷媒吐出能力(具体的には、回転数)を決定する。本実施形態の基本的な圧縮機の回転数の決定手法は以下の通りである。例えば、ステップS4で決定したTAO等に基づいて、予め空調制御装置50に記憶されている制御マップを参照して、蒸発器13からの吹出空気温度TEの目標吹出温度TEOを決定する。
さらに、この目標吹出温度TEOと吹出空気温度TEの偏差En(TEO−TE)を算出し、この偏差Enと、今回算出された偏差Enから前回算出された偏差En−1を減算した偏差変化率Edot(En−(En−1))とを用いて、予め空調制御装置50に記憶されたメンバシップ関数とルールとに基づいたファジー推論に基づいて、前回の圧縮機回転数fCn−1に対する回転数変化量ΔfCを求める。そして、前回の圧縮機回転数fCn−1に回転数変化量ΔfCを加算したものを今回の圧縮機回転数fCnとする。
ステップS10では、上述のステップS5〜S12で決定された制御状態が得られるように、空調制御装置50より各種機器12、61〜66やボデー制御装置70に対して制御信号および制御電圧が出力される。
これにより、例えば、内外気切替ドア23は、ステップS7で決定された吸込口モードになるように作動する。
次のステップS11では、制御周期τの間待機し、制御周期τの経過を判定するとステップS2に戻るようになっている。なお、本実施形態は制御周期τを250msとしている。これは、車室内の空調制御は、エンジン制御等と比較して遅い制御周期であってもその制御性に悪影響を与えないからである。さらに、車両内における空調制御のための通信量を抑制して、エンジン制御等のように高速制御を行う必要のある制御系の通信量を充分に確保することができる。
次に、図3のステップS7の吸込口モード決定処理の詳細な内容を説明する。図4は、このステップS7の詳細を示すフローチャートである。
図4に示すように、ステップS71では、ステップS4にて決定されたTAOに基づいて仮の吸込口モードを決定する。具体的には、まずTAOに基づいて外気導入割合を決定し、この外気導入割合に基づいて仮の吸込口モードを決定する。
ここで、外気導入割合とは、ケーシング11内に導入される空気の全風量に対する外気の風量の割合である。例えば、外気のみが導入される場合、外気導入割合は100%であり、外気が導入されない場合、外気導入割合は0%である。
本例では、図4のステップS71中に示す制御マップの通り、TAO<−5のとき外気導入割合を0%とし、TAO>20のとき外気導入割合を100%とし、TAOが5以上20以下の間はTAOが増加するにつれて外気導入割合を20から100まで増加させる。
そして、外気導入割合が0%の場合、仮の吸込口モードとして内気モードを決定し、外気導入割合が20%以上100%以下の場合、仮の吸込口モードとして外気モードを決定する。
続いてステップS72では、助手席乗員が不在であるか否かを判定する。具体的には、ボデー制御装置70を介して空調制御装置50に入力される助手席着座センサ71からの検出信号に基づいて助手席乗員が不在であるか否かを判定する。
助手席乗員が在席と判定した場合(NO判定の場合)、ステップS73へ進み、ステップS71で決定された外気導入割合に応じて吸込口モード、すなわち内外気切替ドア23の回転位置を決定する。
具体的には、図4のステップS73中に示すように、外気導入割合が0%(内気モード)の場合、内外気切替ドア23は内気吸込口21のみを開ける。これにより、ケーシング11内に内気のみが導入されるので、換気損失が低減されて空調の省エネルギー化が図られる。
外気導入割合が20%以上100%以下(外気モード)の場合、内外気切替ドア23は内気吸込口21および外気吸込口22の開口面積を外気導入割合に応じて調整する。外気導入割合が100%の場合、内外気切替ドア23は外気吸込口22のみを開ける。これにより、ケーシング11内に外気が導入されるので、湿度の高い内気が湿度の低い外気に換気されて窓曇りが防止される。
一方、ステップS72で助手席乗員が不在と判定した場合(YES判定の場合)、ステップS74へ進み、ステップS71で決定された仮の吸込口モードが外気モードであるか否かを判定する。
仮の吸込口モードが外気モードであると判定した場合(YES判定の場合)、ステップS75へ進み、吸込口モードとして助手席側ショートカット+外気導入モード(第1循環モード)を決定する。これにより、図4のステップS75中に示すように、内外気切替ドア23が外気吸込口22および外気側空調空気吸込口45を開けるとともに内気吸込口21および内気側空調空気吸込口44を閉じるので、ケーシング11内に外気と助手席側空調空気(図4のステップS75中に示すPa吹出)とが導入される。
その結果、ステップS73で外気モードが決定された場合と同様に外気の導入によって窓曇りを防止できるとともに、助手席側空調空気の導入により空調効率が良くなって空調の省エネルギー化を図ることができる。
このとき、助手席側空調空気の導入に伴って助手席側吹出口28〜31からの吹出風量が減少することとなるが、ステップS72の判定結果のごとく助手席乗員は不在であるので、乗員の空調感は悪化しない。
一方、ステップS74で仮の吸込口モードが外気モードでないと判定した場合(NO判定の場合)、ステップS76へ進み、吸込口モードとして助手席側ショートカット+内気導入モード(第2循環モード)を決定する。これにより、図4のステップS76中に示すように、内外気切替ドア23が内気吸込口21および内気側空調空気吸込口44を開けるとともに外気吸込口22および外気側空調空気吸込口45を閉じるので、ケーシング11内に内気と助手席側空調空気(図4のステップS75中に示すPa吹出)とが導入される。
その結果、ステップS73で内気モードが決定された場合と同様に内気の導入によって換気損失を低減できるとともに、助手席側空調空気の導入により空調効率を向上できるので、空調の省エネルギー化を更に図ることができる。
このとき、助手席側空調空気の導入に伴って助手席側吹出口28〜31からの吹出風量が減少することとなるが、ステップS72の判定結果のごとく助手席乗員は不在であるので、乗員の空調感は悪化しない。
このように、ステップS75の助手席側ショートカット+外気導入モード、およびステップS76の助手席側ショートカット+内気導入モードでは、助手席側空調空気の導入に伴って助手席側吹出口28〜31からの吹出風量が減少し、主に運転席席側吹出口24〜27から空調空気が吹き出されることとなる。したがって、助手席側ショートカット+外気導入モードおよび助手席側ショートカット+内気導入モードを、運転席集中空調モードと表現することもできる。
なお、本実施形態では、空調空気が運転席側と助手席側とに吹き出される車両用空調装置について説明したが、必ずしも助手席側に吹き出される必要はなく、空調空気が運転席側と非運転席側(例えば後席側)とに吹き出される構成であればよい。すなわち、上記説明における「助手席」という用語は、「非運転席」という用語に置き換えることができる。
本実施形態によると、非運転席側吹出口28、29、30、31の近くを流れる非運転席側空調空気が空調空気通路41に取り出されて空調機器(蒸発器、ヒータコア)13、14の上流側に循環するので、在席頻度の低い非運転席側への吹出風量を減少させて、在席頻度の高い運転席側への吹出風量の減少を抑制することができる。
このため、空調の省エネルギー化を図るべく空調空気を空調機器13、14の上流側に循環させても、在席頻度の高い運転席乗員の空調感の悪化を抑制することができる。したがって、乗員の空調感の悪化を抑制しつつ空調の省エネルギー化を図ることができる。
また、空調空気通路41に空調空気を取り出す取出口43は、蒸発器13およびヒータコア14の下流側に配置されているので、蒸発器13で冷却された冷風およびヒータコア14で加熱された温風の両方を空調空気通路41によって循環させることができるので、冷房および暖房の両方において省エネルギー化を図ることができる。
また、取出口43は、ヒータコア14の下流側における非運転席側空調空気の流れに対向して配置されているので、非運転席側空調空気を空調空気通路41に効率良く取り出すことができる。このため、空調空気通路41によって循環する非運転席側空調空気の風量を増加させることができる。このため、空調の省エネルギー化を一層図ることができる。
また、主空気通路11aは運転席側空間16と非運転席側空間17とに仕切られ、取出口43は非運転席側空間17に配置されているので、在席頻度の高い運転席側への吹出風量の減少をより抑制でき、ひいては運転席乗員の空調感の悪化をより抑制できる。
また、主空気通路11aは運転席側空間16と非運転席側空間17とに仕切られ、取出口43は非運転席側空間17に配置されているので、非運転席側空調空気を空調空気通路41に取り出しても運転席側空間16の圧力損失が変化しにくくなる。このため、空調機器13、14で温度調整された運転席側空調空気の温度の変化を抑制でき、運転席側吹出口24、25、26、27からの吹出温度を安定させることができる。
例えば、空調空気の取り出しに伴って加熱用冷風通路16aを通過する温風の風量と冷風バイパス通路16bを通過する冷風の風量との割合が変化して混合空間16cの空調空気の温度が変化してしまうことを抑制できるので、運転席側吹出口24、25、26、27からの吹出温度を安定させることができる。
また、空調空気通路41による空調空気の循環を内外気切替ドア23によって遮断することができるので、必要に応じて非運転席側への吹出風量を確保して非運転席乗員の空調感を確保できる。
また、第1循環モード(助手席側ショートカット+外気導入モード)では、内外気切替ドア23が空調空気通路41および外気吸込口22を開けて内気吸込口21を閉じるので、空調空気通路41で空調空気を循環させることによって空調の省エネルギー化を図るとともに、湿度の低い外気を導入することによって窓曇りを抑制することができる。
また、第2循環モード(助手席側ショートカット+内気導入モード)では、内外気切替ドア23が空調空気通路41および内気吸込口21を開けて外気吸込口22を閉じるので、空調空気通路41で空調空気を循環させるのみならず、内気を導入することによって換気損失を抑制できるので、空調の省エネルギー化を更に図ることができる。
また、内外気切替ドア23は空調空気通路41を閉じたままで内気モードと外気モードとを切替可能になっているので、内気モードと外気モードとの切替時に非運転席側空調空気が空調空気通路41に一時的に取り出されてしまうことを回避できる。このため、内気モードと外気モードとの切替時に非運転席側吹出口28、29、30、31からの吹出風量が一時的に減って乗員が違和感を感じてしまうことを回避できる。
また、空調制御装置50は、外気吸込口22から外気を導入する必要があると判断した場合には第1循環モードになるように内外気切替ドア23を制御するので、第1循環モードを必要に応じて自動的に設定でき、ひいては窓曇りの抑制と空調の省エネルギー化とを効果的に両立できる。
また、空調制御装置50は、内気吸込口21から内気を導入する必要があると判断した場合には第2循環モードになるように内外気切替ドア23を制御するので、第2循環モードを必要に応じて自動的に設定でき、ひいては空調の省エネルギー化をより一層図ることができる。
また、空調制御装置50は、非運転席に乗員が着座したことを非運転席着座検出手段71が検出した場合に、空調空気通路41を開けるように内外気切替ドア23を制御するので、空調空気通路41による空調空気の循環を、助手席乗員が不在の場合に自動的に行うことができ、ひいては乗員の空調感の悪化抑制と空調の省エネルギー化とを効果的に両立できる。
また、内外気切替ドア23をロータリードアで構成しているので、1つのドア23で内気吸込口21、外気吸込口22および空調空気吸込口44、45を開閉することができ、ひいては構成を簡素化できる。
また、内外気切替ドア23をロータリードアで構成しているので、各吸込口21、22、44、45の開度調整による導入空気の風量割合調整をリニアに行うことができる。
(第2実施形態)
本第2実施形態は、図5に示すように、上記第1実施形態に対して、取出口43を開閉する取出口開閉ドア46が追加されている。取出口開閉ドア46は、取出口開閉ドア46用の電動アクチュエータ(図示せず)によって駆動され、この電動アクチュエータは、空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
これによると、取出口開閉ドア46によって取出口43の開度を調整することができるので、空調空気通路41への助手席側空調空気の取出風量を調整することができる。このため、ケーシング11内への助手席側空調空気の導入風量、および助手席側吹出口28〜31からの吹出風量を調整することができる。
具体的には、取出口43の開度を小さくすることで、ケーシング11内への助手席側空調空気の導入風量を減少させるとともに、助手席側吹出口28〜31からの吹出風量を増加させることができる。これに対し、取出口43の開度を大きくすることで、ケーシング11内への助手席側空調空気の導入風量を増加させるとともに、助手席側吹出口28〜31からの吹出風量を減少させることができる。
また、取出口開閉ドア46が取出口43を閉じることにより、ケーシング11内への助手席側空調空気の導入を遮断できるので、空調空気吸込口44、45を常に開けておいてもよくなる。換言すれば、空調空気吸込口44、45を内外気切替ドア23によって閉じる必要がなくなる。したがって、取出口開閉ドア46は、吸込口モード切替機構を構成する。
これによると、内外気切替ドア23が内気側空調空気吸込口44および外気側空調空気吸込口45を開閉することなく開けっ放しにする構成を採用できるので、内外気切替ドア23および空調空気吸込口44、45の構成を簡素化することができる。
(第3実施形態)
上記第1実施形態では、助手席着座センサ71からの検出信号に基づいて助手席乗員が在席と判定した場合、運転席集中空調モードが決定されるが、本第3実施形態では、図6に示すように、DUALスイッチ60dがオンされて左右独立温度制御が設定されている場合、運転席集中空調モードが決定される。
図6は、本実施形態のステップS7の詳細を示すフローチャートであり、図4のフローチャートに対してステップS72が変更されている。
図6のステップS72では、DUALスイッチ60dがオフされているか否かを判定し、DUALスイッチ60dがオフされていると判定した場合(NO判定の場合)、ステップS73へ進み、内気モードまたは外気モードが決定される。一方、ステップS72でDUALスイッチ60dがオンされていると判定した場合(YES判定の場合)、ステップS74〜S76へ進み、運転席集中空調モードが決定される。
本実施形態によると、DUALスイッチ60dは、乗員による空調空気通路41の開閉の選択に用いられる操作手段としての役割を果たし、内外気切替ドア23は、当該操作手段をなすDUALスイッチ60dの操作状態に基づいて空調空気通路41を開閉する。
このため、空調空気通路41による空調空気の循環を乗員の選択に応じて行うことができるので、乗員の空調感の悪化抑制と空調の省エネルギー化とを乗員の選択に応じて適切に両立できる。
また、助手席着座センサ71を用いることなく運転席集中空調モードを決定できるので、助手席着座センサ71を廃止することができ、ひいてはコストを削減できる。
また、上記第1実施形態のごとく助手席着座センサ71によって助手席乗員の不在を判定すると、助手席に荷物を置いた場合、助手席乗員が在席と誤判定をしてしまうことが起こり得るが、本実施形態によると、このような誤判定に基づいて運転席集中空調モードが決定されることを防止できる。
(第4実施形態)
上記第1実施形態では、助手席側空調空気の取出口43は、ヒータコア14の下流側における空調空気の流れに対向して配置されているが、本第4実施形態では、図7に示すように、取出口81、82は、助手席側フェイス吹出口29、30の近傍と、助手席側フット吹出口31の近傍とに配置されている。
助手席側フェイス吹出口29、30近傍の取出口81は、助手席側フェイスドア36の下流側に配置され、助手席側フェイスドア36によって助手席側フェイス吹出口29、30と同時に開閉されるようになっている。
助手席側フット吹出口31近傍の取出口82は、助手席側フットドア37の下流側に配置され、助手席側フットドア37によって助手席側フット吹出口31と同時に開閉されるようになっている。
取出口81は、空調空気ダクト83内の空調空気通路84を介して内気側空調空気吸込口44と連通している。取出口82は、空調空気ダクト85内の空調空気通路86を介して外気側空調空気吸込口45と連通している。したがって、空調風導入ダクト83、85は、ケーシング11とともに、空気通路形成部材を構成している。
上記構成において、吸込口モードとして助手席側ショートカット+内気導入モードが設定されると、内気吸込口21から内気が導入されると同時に、内気側空調空気吸込口44から助手席側空調空気が導入される。
ここで、取出口81は助手席側フェイス吹出口29、30近傍に配置され、かつ内気側空調空気吸込口44と連通しているので、本来であれば助手席側フェイス吹出口29、30から吹き出される助手席側空調空気が、内気側空調空気吸込口44から導入されることとなる。
上述のごとく、助手席側フェイス吹出口29、30から空調風が吹き出されるフェイスモードは主に夏季に設定される。このため、吸込口モードとして助手席側ショートカット+内気導入モードを設定し、吹出口モードとしてフェイスモードを設定することにより、夏季の冷房時に換気損失を低減できるとともに、助手席側空調空気を効率良く導入して一層の省エネルギー化を図ることができる。
一方、吸込口モードとして助手席側ショートカット+外気導入モードが設定されると、外気吸込口22から外気が導入されると同時に、外気側空調空気吸込口45から助手席側空調空気が導入される。
ここで、取出口82が助手席側フット吹出口31近傍に配置され、かつ外気側空調空気吸込口45と連通しているので、本来であれば助手席側フット吹出口31から吹き出される助手席側空調空気が、外気側空調空気吸込口45から導入されることとなる。
上述のごとく、助手席側フット吹出口31から空調風が吹き出されるフットモードは主に冬季に設定される。このため、吸込口モードとして助手席側ショートカット+外気導入モードを設定し、吹出口モードとしてフットモードを設定することにより、冬季の暖房時に外気を導入して窓曇りを防止できるとともに、助手席側空調空気を効率良く導入して一層の省エネルギー化を図ることができる。
本実施形態によると、取出口81は、非運転席側フェイス吹出口29、30からの吹出空気が流入するように非運転席側フェイス吹出口29、30の近傍に配置されているので、非運転席側フェイス吹出口29、30から空調空気が吹き出される場合に、非運転席側空調空気を空調空気通路84に効率良く取り出すことができる。このため、空調空気通路84によって循環する空調空気の風量を増加させることができ、ひいては空調の省エネルギー化をより一層図ることができる。
また、取出口82は、非運転席側フット吹出口31からの吹出空気が流入するように非運転席側フット吹出口31の近傍に配置されているので、非運転席側フット吹出口31から空調空気が吹き出される場合に、非運転席側空調空気を空調空気通路86に効率良く取り出すことができる。このため、空調空気通路86によって循環する空調空気の風量を増加させることができ、ひいては空調の省エネルギー化を更に図ることができる。
(第5実施形態)
本第5実施形態は、図8に示すように、上記第1実施形態に対して、助手席側センターフェイス吹出口29を開閉する助手席側吹出口ドア87、および助手席側フット吹出口31を開閉する助手席側吹出口ドア88が追加されている。
助手席側吹出口ドア87、88は、助手席側吹出口ドア87、88用の電動アクチュエータ(図示せず)によって駆動され、この電動アクチュエータは、空調制御装置50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
上記構成において、空調制御装置50は、運転席集中空調モード時に、助手席側センターフェイス吹出口29および助手席側フット吹出口31を閉じるように、または助手席側センターフェイス吹出口29および助手席側フット吹出口31の開度を小さくするように助手席側吹出口ドア87、88を制御する。これにより、助手席側センターフェイス吹出口29および助手席側フット吹出口31からの吹出風量が減少してケーシング11内への助手席側空調空気の導入風量が増加する。
本実施形態によると、非運転席側吹出口開閉機構87、88が非運転席側吹出口29、31を閉じることによって、空調空気通路41に取り出される空調空気の風量を増加させることができるので、空調空気通路41によって循環する空調空気の風量を増加させることができ、ひいては空調の省エネルギー化を更に図ることができる。
(他の実施形態)
(1)上述の各実施形態では、内外気切替ドア23は、いわゆるロータリードアで構成されているが、内外気切替ドア23は、いわゆるスライドドアやフィルムドア等で構成されていてもよい。
(2)上述の各実施形態では、各吸込口21、22、44、45は1つのドア23で開閉されるようになっているが、各吸込口21、22、44、45は複数のドアで開閉されるようになっていてもよい。
(3)上述の各実施形態では、空調空気吸込口44、45は送風機12の空気流れ上流側に配置されているが、空調空気吸込口44、45は空調機器13、14の上流側に配置されていればよい。
(4)上述の各実施形態では、空調空気ダクト42をケーシング11の外部に配置して、ケーシング11の外部に空調空気通路41を形成しているが、空調空気ダクト42をケーシング11と一体化して、ケーシング11の内部に空調空気通路41を形成してもよい。
(5)本発明の車両用空調装置は、エンジン(内燃機関)EGから車両走行用の駆動力を得る車両に適用可能であることはもちろんのこと、本発明の車両用空調装置は、ハイブリッド車両、燃料電池車、および電気自動車等の車両にも適用可能である。
ここで、ハイブリッド車両としては、例えば、エンジンEGおよび走行用電動モータの双方から直接駆動力を得て走行可能な、いわゆるパラレル型のハイブリッド車両、およびエンジンEGを発電機の駆動源として用い、発電された電力をバッテリに蓄え、さらに、バッテリに蓄えられた電力を供給されることによって作動する走行用電動モータから駆動力を得て走行する、いわゆるシリアル型のハイブリッド車両等が挙げられる。
本発明の車両用空調装置を燃料電池車に適用する場合には、例えば、上述した車両用空調装置に対して、図1中のエンジンEGを燃料電池に変更し、ヒータコアが燃料電池の冷却水(熱媒体)を熱源として送風空気を加熱するように変更すればよい。
また、本発明の車両用空調装置を電気自動車に適用する場合には、例えば、上述した車両用空調装置に対して、図1中のエンジンEGを水加熱式電気ヒータに変更し、ヒータコアが水加熱式電気ヒータによって加熱された温水(熱媒体)を熱源として送風空気を加熱するように変更すればよい。
これらの車両用空調装置においても、非運転席側吹出口の近くを流れる非運転席側空調空気を空調空気通路に取り出して空調機器の上流側に循環するようにすれば、在席頻度の低い非運転席側への吹出風量を減少させて、在席頻度の高い運転席側への吹出風量の減少を抑制することができるので、乗員の空調感の悪化を抑制しつつ空調の省エネルギー化を図ることができる。
11 ケーシング(空気通路形成部材)
11a 主空気通路
12 送風機
13 蒸発器(冷却用熱交換器、空調機器)
14 ヒータコア(加熱用熱交換器、空調機器)
16 運転席側空間
17 助手席側空間
21 内気吸込口
22 外気吸込口
23 内外気切替ドア(吸込口モード切替機構)
24 運転席側デフロスタ吹出口(運転席側吹出口)
25 運転席側センタフェイス吹出口(運転席側吹出口)
26 運転席側サイドフェイス吹出口(運転席側吹出口)
27 運転席側フット吹出口(運転席側吹出口)
28 助手席側デフロスタ吹出口(非運転席側吹出口)
29 助手席側センタフェイス吹出口(非運転席側フェイス吹出口、非運転席側吹出口)
30 助手席側サイドフェイス吹出口(非運転席側フェイス吹出口、非運転席側吹出口)
31 助手席側フット吹出口(非運転席側フット吹出口、非運転席側吹出口)
41 空調空気通路
42 空調空気ダクト(空気通路形成部材)
43 取出口
44 内気側空調空気吸込口(空調空気吸込口)
45 外気側空調空気吸込口(空調空気吸込口)
50 空調制御装置(制御手段)

Claims (15)

  1. 送風空気を発生する送風機(12)と、
    前記送風空気の温度を調整する空調機器(13、14)と、
    前記空調機器(13、14)が配置された主空気通路(11a)、および前記空調機器(13、14)で温度調整された空調空気を前記空調機器(13、14)の上流側に導く空調空気通路(41、84、86)が形成された空気通路形成部材(11、42、83、85)とを備え、
    前記空気通路形成部材(11、42、83、85)には、
    前記主空気通路(11a)の前記空調空気を運転席乗員に向けて吹き出すための運転席側吹出口(24、25、26、27)と、
    前記主空気通路(11a)の前記空調空気を非運転席乗員に向けて吹き出すための非運転席側吹出口(28、29、30、31)とが形成されており、
    さらに、前記空気通路形成部材(11、42、83、85)には、前記主空気通路(11a)を、前記運転席側吹出口(24、25、26、27)と連通する運転席側空間(16)と、前記非運転席側吹出口(28、29、30、31)と連通する非運転席側空間(17)とに仕切る仕切り板(15)が配置され、
    前記主空気通路(11a)の前記空調空気のうち前記非運転席側空間(17)を流れる非運転席側空調空気を前記空調空気通路(41、84、86)に取り出す取出口(43、81、82)が前記非運転席側空間(17)に形成されていることを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記空調機器は、前記送風空気を冷却する冷却用熱交換器(13)、および前記冷却用熱交換器(13)の下流側に配置されて前記送風空気を加熱する加熱用熱交換器(14)を含み、
    前記取出口(43、81、82)は、前記加熱用熱交換器(14)の下流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記取出口(43、81、82)は、前記加熱用熱交換器(14)の下流側における前記非運転席側空調空気の流れに対向して配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記空気通路形成部材(11、42、83、85)には、前記主空気通路(11a)に内気を導入する内気吸込口(21)と、前記主空気通路(11a)に外気を導入する外気吸込口(22)とが形成され、
    前記空調空気通路(41、84、86)、前記内気吸込口(21)および前記外気吸込口(22)を開閉することで吸込口モードを切り替える吸込口モード切替機構(23、46)を備えることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  5. 前記吸込口モードは、前記吸込口モード切替機構(23、46)が前記空調空気通路(41、84、86)および前記外気吸込口(22)を開けて前記内気吸込口(21)を閉じる第1循環モードを含むことを特徴とする請求項に記載の車両用空調装置。
  6. 前記非運転席側吹出口は、前記空調空気を助手席乗員の足元に向けて吹き出すための非運転席側フット吹出口(31)を含み、
    前記取出口(82)は、前記非運転席側フット吹出口(31)からの吹出空気が流入するように前記非運転席側フット吹出口(31)の近傍に配置されていることを特徴とする請求項に記載の車両用空調装置。
  7. 前記吸込口モード切替機構(23、46)を制御する制御手段(50)を備え、
    前記制御手段(50)は、前記外気吸込口(22)から前記外気を導入する必要があると判断した場合には、前記第1循環モードになるように前記吸込口モード切替機構(23、46)を制御することを特徴とする請求項またはに記載の車両用空調装置。
  8. 前記吸込口モードは、前記吸込口モード切替機構(23、46)が前記空調空気通路(41、84、86)および前記内気吸込口(21)を開けて前記外気吸込口(22)を閉じる第2循環モードを含むことを特徴とする請求項ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  9. 前記非運転席側吹出口は、前記空調空気を助手席乗員の上半身に向けて吹き出すための非運転席側フェイス吹出口(29、30)を含み、
    前記取出口(81)は、前記非運転席側フェイス吹出口(29、30)からの吹出空気が流入するように前記非運転席側フェイス吹出口(29、30)の近傍に配置されていることを特徴とする請求項に記載の車両用空調装置。
  10. 前記吸込口モード切替機構(23、46)を制御する制御手段(50)を備え、
    前記吸込口モードは、前記吸込口モード切替機構(23、46)が前記空調空気通路(41、84、86)および前記内気吸込口(21)を開けて前記外気吸込口(22)を閉じる第2循環モードを含み、
    前記制御手段(50)は、前記内気吸込口(21)から前記内気を導入する必要があると判断した場合には、前記第2循環モードになるように前記吸込口モード切替機構(23、46)を制御することを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  11. 前記吸込口モードは、前記吸込口モード切替機構(23、46)が前記内気吸込口(21)を開けて前記外気吸込口(22)および前記空調空気通路(41、84、86)を閉じる内気モードと、前記吸込口モード切替機構(23、46)が前記外気吸込口(22)を開けて前記内気吸込口(21)および前記空調空気通路(41、84、86)を閉じる外気モードとを含み、
    前記吸込口モード切替機構(23、46)は、前記空調空気通路(41、84、86)を閉じたままで前記内気モードと前記外気モードとを切替可能な構造になっていることを特徴とする請求項ないし10のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  12. 非運転席に乗員が着座したことを検出する非運転席着座検出手段(71)と、
    前記吸込口モード切替機構(23、46)を制御する制御手段(50)とを備え、
    前記制御手段(50)は、助手席に乗員が着座したことを前記非運転席着座検出手段(71)が検出した場合に、前記空調空気通路(41、84、86)を開けるように前記吸込口モード切替機構(23、46)を制御することを特徴とする請求項ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  13. 乗員による前記空調空気通路(41、84、86)の開閉の選択に用いられる操作手段(60d)を備え、
    前記吸込口モード切替機構(23、46)は、前記操作手段(60d)の操作状態に基づいて前記空調空気通路(41、84、86)を開閉することを特徴とする請求項ないし12のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  14. 前記非運転席側吹出口(29、31)を開閉する非運転席側吹出口開閉機構(87、88)と、
    前記吸込口モード切替機構(23、46)を制御する制御手段(50)とを備え、
    前記制御手段(50)は、前記吸込口モード切替機構(23、46)が前記空調空気通路(41)を開けている場合に前記非運転席側吹出口開閉機構(87、88)が前記非運転席側吹出口(29、31)を閉じることを特徴とする請求項ないしのいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  15. 前記空気通路形成部材(11、42、83、85)のうち前記内気吸込口(21)および前記外気吸込口(22)に隣接する部位には、前記空調空気通路(41、84、86)を通過した前記非運転席側空調空気を吸い込む空調空気吸込口(44、45)が形成され、
    前記吸込口モード切替機構(23)は、回転軸(23a)と、前記回転軸(23a)を中心とする円弧壁面(23b)と、前記円弧壁面(23b)のうち前記回転軸(23a)が延びる方向における両端部を前記回転軸(23a)に連結する側面板部(23c)とを有するロータリードアであり、
    前記内気吸込口(21)、前記外気吸込口(22)および前記空調空気吸込口(44、45)は、前記ロータリードア(23)の回転方向に沿って配置されていることを特徴とする請求項ないし14のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
JP2009218268A 2009-09-22 2009-09-22 車両用空調装置 Expired - Fee Related JP5476888B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009218268A JP5476888B2 (ja) 2009-09-22 2009-09-22 車両用空調装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009218268A JP5476888B2 (ja) 2009-09-22 2009-09-22 車両用空調装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011068148A JP2011068148A (ja) 2011-04-07
JP5476888B2 true JP5476888B2 (ja) 2014-04-23

Family

ID=44013892

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009218268A Expired - Fee Related JP5476888B2 (ja) 2009-09-22 2009-09-22 車両用空調装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5476888B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6702717B2 (ja) * 2015-12-24 2020-06-03 ボルボトラックコーポレーション 自動車の空調システム

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61253211A (ja) * 1985-04-30 1986-11-11 Mazda Motor Corp 車両の空調装置
JPH0376708U (ja) * 1989-11-28 1991-07-31
JP2964600B2 (ja) * 1990-09-28 1999-10-18 スズキ株式会社 自動車用空調装置
JP3239378B2 (ja) * 1991-08-09 2001-12-17 株式会社デンソー 車両用空調装置
JP3470400B2 (ja) * 1993-09-21 2003-11-25 いすゞ自動車株式会社 空調装置
JP3690026B2 (ja) * 1997-01-09 2005-08-31 株式会社デンソー 車両用空気調和装置
JP2003104033A (ja) * 2001-09-27 2003-04-09 Denso Corp 車両用空調装置
JP2004268773A (ja) * 2003-03-10 2004-09-30 Toyota Motor Corp 車両用空調装置
JP2004359134A (ja) * 2003-06-05 2004-12-24 Nissan Motor Co Ltd 車両用空調装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011068148A (ja) 2011-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4258503B2 (ja) 車両用空調装置
US20050092479A1 (en) Air-conditioner for vehicles
JP6332558B2 (ja) 車両用空調装置
JP5609764B2 (ja) 車両用空調装置
JP4710616B2 (ja) 車両用電池冷却装置
JP2008296717A (ja) 車両用空調装置
JP6414344B2 (ja) 気流制御システム
JP2017114231A (ja) 車両用空調装置
JPH11105531A (ja) 車両用空調装置
WO2019077960A1 (ja) 車両用空調装置
JP4093019B2 (ja) 車両用空調装置
CN112088098A (zh) 车室用空调系统
JP2007137127A (ja) 車両用電池冷却・空調装置
JP2009255895A (ja) 車両用空調装置
JP2002362128A (ja) 車両用空調装置
JP5012758B2 (ja) 車両用空調装置
JP2009166629A (ja) 車両用空調装置
JP2004352085A (ja) 車両用空調装置
JP5626095B2 (ja) 車両用空調装置
JPH11115462A (ja) 車両用空調装置
JP5476888B2 (ja) 車両用空調装置
JP2006205823A (ja) 車両用空調装置
JP2019059260A (ja) 車両用空調装置
JPH11334340A (ja) 車両用空調装置
JPH10338019A (ja) 車両用空調装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130314

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130625

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140114

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140127

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5476888

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees