JP2007253577A - インプリント用型部材、インプリント用型部材の製造方法、及びインプリント方法 - Google Patents

インプリント用型部材、インプリント用型部材の製造方法、及びインプリント方法 Download PDF

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Abstract

【課題】基板上に垂直形状に立設された転写パターンが得られるインプリント用型部材、インプリント用型部材の製造方法、及びこのインプリント用型部材を用いたインプリント方法を提供すること。
【解決手段】モールド(インプリント用型部材)1は、表面に基板用レジスト(基板用光硬化性樹脂)が配設された基板を押圧して、パターン面(一表面)1aに形成された凹部5Aと凸部5Bとからなるパターン5を基板に転写するものであって、凹部5Aが、パターン面1aから深さ方向に漸次拡開して設けられている。凹部5Aの角度θは、70度以上90度未満の所定の角度となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細なパターン形成を行うためのインプリント用型部材、インプリント用型部材の製造方法、及びインプリント方法に関する。
一般に、半導体デバイス、光導波路や回折格子等の光学部品、ハードディスクやDVD等の記録デバイス、DNA分析等のバイオチップ、拡散版や導光版などのディスプレイ等の製造プロセスにて微細加工が要求されるパターンの形成には、光学的にパターンを転写する方法(フォトリソグラフィ)が用いられている。
しかしながら、このようなパターン形成方法では、形成するパターンのサイズや形状が露光する光の波長に大きく依存する。例えば、先端的な半導体デバイスの製造においては、フォトリソグラフィに用いる露光波長は150nm以上であるのに対し、最小線幅は65nm以下であり、光の回折現象による解像限界に達している。
そこで、レジストの解像度を増すために、近接効果補正(OPC:Optical Proximity Correction)や位相シフトマスク、変形照明等の超解像技術が用いられている。しかし、マスクパターンを半導体基板上に忠実に転写することが困難となっている。また、マスクや露光装置価格の高騰の問題を抱えている。
フォトリソグラフィ法を用いている限り、半導体デバイスの製造のみならず、ディスプレイや記録メディア、バイオチップ、光デバイスなど様々なパターン形成においても、これらの光の回折現象によるパターンボケや複雑な機構を必要とする装置コストの問題が同様に存在し、マスクパターンを忠実に転写することが出来ない。
このような背景から、インプリント法(もしくはナノインプリント法)と呼ばれる非常に簡易であるが大量生産に向き、従来の方法よりも格段に微細なパターンを忠実に転写可能な技術が提案されている(例えば、非特許文献1参照。)。
ここで、インプリント法には、大きく分けて光インプリントと熱インプリントとの二種類が提案されている。ここでは、光インプリントによるパターン形成方法について説明する。
具体的には、石英などの透光性を有する材料からなるモールド基板(型部材作製用素材)を電子ビームリソグラフィ法などにより露光、現像し、図6(a)に示すようにエッチングにより表面に凹凸のパターン100を有するモールド(型部材)101を作製する。次に、図6(b)に示すように、パターン形成させる基板102上に粘度の低い液体状のレジスト(光硬化性樹脂組成物)103を塗布し、図6(c)に示すように、モールド101をレジスト103に圧着させる。このときのプレス圧力は0.01〜5MPa程度と小さくて良い。
この状態で、モールド101の裏面から光を照射し、図6(d)に示すように、レジスト103を硬化させる。そして、モールド101を離型し、パターン100が転写されたレジスト103の薄い残膜をO反応性イオンエッチング(RIE)法などにより除去することによって、図6(e) に示すように、基板102上に転写パターン105が形成される。
S.Y.Chou、et.al.、Appl.Phys.Lett.、vol.67、p.3314、1995
しかしながら、上記従来のインプリント用型部材を用いてインプリントする場合、モールドの凹部が垂直に形成されていても、光硬化性樹脂を硬化する際に収縮が起こり、図6(e)に示すように、転写パターンが傾斜した形状となってしまい、所望する形状や寸法のものが得られないという問題がある。
そのため、このパターンをエッチングしても、形状不良によりエッチング後に所望の寸法が得られない。また、ラインエッジラフネスが悪化してしまうなどの品質の低下や、それに伴う歩留まりを引き起こしてしまう。
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、基板上に垂直形状に立設された転写パターンが得られるインプリント用型部材、インプリント用型部材の製造方法、及びこのインプリント用型部材を用いたインプリント方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係るインプリント用型部材は、表面に基板用光硬化性樹脂が配設された基板を押圧して、一表面に形成された凹部と凸部とからなるパターンを前記基板に転写するためのインプリント用型部材であって、前記凹部が、前記一表面から深さ方向に漸次拡開して設けられていることを特徴とする。
この発明は、基板用光硬化性樹脂が配設された基板表面に一表面を押圧したときに、凹部内に圧入された基板上の基板用光硬化性樹脂を、基板側からインプリント用型部材の内部に向かって漸次拡開するように立設させることができる。この際、基板用光硬化性樹脂を硬化させることによって樹脂の先端側が基板側よりも収縮するので、硬化した樹脂を最終的に垂直方向に立設させることができる。
また、本発明に係るインプリント用型部材は、前記インプリント用型部材であって、透明部材からなる型部材作製用素材から構成されていることを特徴とする。
この発明は、型部材作製用素材が透光性を有するので、型部材の裏面から露光して基板上の光硬化性樹脂を硬化させることができる。
また、本発明に係るインプリント用型部材の製造方法は、基板用光硬化性樹脂が配設された基板表面を押圧して、一表面に形成された凹部と凸部とからなるパターンを転写するためのインプリント用型部材の製造方法であって、前記型用光硬化性樹脂を硬化させた後、ドライエッチングによって前記インプリント用型部材の前記一表面から深さ方向に漸次拡開した凹部を形成する工程を備えていることを特徴とする。
また、本発明に係るインプリント用型部材の製造方法は、基板用光硬化性樹脂が配設された基板表面を押圧して、一表面に形成された凹部と凸部とからなるパターンを転写するためのインプリント用型部材の製造方法であって、収束イオンビームを用いて前記インプリント用型部材の前記一表面から深さ方向に漸次拡開した凹部を形成する工程を備えていることを特徴とする。
この発明は、型部材作製用素材に対して、所望の傾斜角度で一表面から深さ方向に漸次拡開する凹部を高精度に加工することができる。
また、本発明に係るインプリント用型部材の製造方法は、前記インプリント用型部材の製造方法であって、前記凹部の深さと幅とのアスペクト比、及び前記基板用光硬化性樹脂の体積収縮率から前記凹部の傾斜角度を決める工程を備えていることを特徴とする。
この発明は、基板上の基板用光硬化性樹脂を硬化収縮後に垂直方向に立設させることができる。
また、本発明に係るインプリント方法は、本発明に係るインプリント用型部材の前記一表面を前記基板用光硬化性樹脂が塗布された前記基板に押し付けて変形させて、前記基板上に転写パターン形成することを特徴とする。
この発明は、凹部に圧入された基板上の基板用光硬化性樹脂が、基板側からインプリント用型部材側に向かって漸次拡開した形状となっていても、基板用光硬化性樹脂を硬化させることによって先端側が基板側よりも収縮するので、垂直に立設させることができる。
本発明によれば、基板上に垂直形状に立設された転写パターンを得ることができる。
本発明に係る一実施形態について、図1から図4を参照して説明する。
本実施形態に係るモールド(インプリント用型部材)1は、図1から図3に示すように、表面に基板用レジスト(基板用光硬化性樹脂)2が配設された基板3を押圧して、パターン面(一表面)1aに形成された凹部5Aと凸部5Bとからなるパターン5を基板3に転写するものであって、凹部5Aが、パターン面1aから深さ方向に漸次拡開して設けられている。図1に示すように、凹部5Aの角度θは、70度以上90度未満の所定の角度となっている。
モールド1は、石英、ガラス、パイレックス(登録商標)といったSiOを含むものや、サファイアを含む透明部材からなるモールド基板(型部材作製用素材)6から構成されている。
次に、本実施形態に係るモールド1の製造方法について説明する。
モールド1の製造方法は、モールド基板6に型用レジスト(型用光硬化性樹脂)7を塗布する工程と、露光、現像してモールド基板6のパターン面1aにパターン5を形成する工程と、凹部5Aの深さと幅とのアスペクト比、及び基板用レジスト2の体積収縮率から凹部5Aの傾斜角度を決める工程と、パターン面1aから深さ方向に漸次拡開した凹部5Aを形成するドライエッチング工程とを備えている。以下、各工程について詳述する。
モールド基板6に型用レジスト7を塗布する工程では、まず、モールド基板6として例えば6インチの水晶基板を準備し、例えばZEP520(日本ゼオン株式会社製)といった型用レジスト7を500nmの厚さで表面に塗布する。
露光、現像してモールド基板6のパターン面1aにパターン5を形成する工程では、図示しない電子線描画装置によって、図2(a)に示すように、型用レジスト7に対して100nm〜400nmのラインパターンを描画し、かつ有機現像して、図2(b)に示すようにパターン5を形成する。このときの条件は、例えば、描画時のドーズを100μC/cm、現像時間を2分とする。
凹部5Aの傾斜角度を決める工程では、基板用レジスト2の収縮に係る有限要素法シミュレーションや実験データを元に角度θを決定する。インプリントに用いられる基板用レジスト2は3%〜20%の硬化収縮率を持っていることが分かっており、例えば体積収縮率14%とした場合、図3に示すような硬化収縮シミュレーション結果となる。
こうして得られた収縮シミュレーション結果に基づいた傾斜角度を実現するために、例えば図示しないICPドライエッチング装置を用いてドライエッチング工程を行う。このときの条件は、例えば、CFの流量を30cm/s(30sccm)、Oの流量を30cm/s(30sccm)、Arの流量を50cm/s(50sccm)、圧力を2Pa、ICPパワーを500W、RIEパワーを500Wとする。
そして、Oプラズマアッシングによって、型用レジスト7を基板3から剥離する。このときの条件は、例えば、Oの流量を500cm/s(500sccm)、圧力30Pa、RFパワーを1000Wとする。
次に、こうして得られたモールド1を用いて基板3上に転写パターン8を形成するインプリント方法について説明する。
まず、図4(a)に示すモールド1のパターン面1aに離型剤として図示しないフッ素系表面処理剤EGC−1720(住友スリーエム株式会社製)を浸漬処理しておく。ここで、インプリントの対象となる基板3として、4インチシリコン基板を使用し、図4(b)に示すように、基板3上にラジカル重合型の基板用レジスト2を、例えば350nm厚で塗布する。
そして、モールド1を上側、基板3を下側として、モールド1のパターン面1aと基板3とを対向させ、例えば、プレス圧力0.5Mpaにて、図4(c)に示すように、基板用レジスト2を加圧する。このとき、押圧された基板用レジスト2が凹部5A内に圧入される。このとき、基板用レジスト2は、凹部5Aの形状に合わせて基板3側からモールド1側に向かって漸次拡開して立設した状態となる。
この押圧状態を維持しながら、例えば、露光量1000mJ/cmにてモールド1の裏面1bから露光して基板用レジスト2を硬化させる。このときの保持時間は1分とする。この際、図4(d)に示すように、凹部5A内の基板用レジスト2の先端側が基板3側よりも収縮して硬化するので、基板3に対して垂直方向に同一断面積に立設された状態となる。こうして、モールド1を離型することにより、図4(e)に示すような転写パターン8が基板3に形成される。
このモールド1によれば、基板用レジスト2が配設された基板3にモールド1のパターン面1aを押圧したときに、凹部5A内に圧入された基板3上の基板用レジスト2を、基板3側からモールド1の内部に向かって漸次拡開するように立設させることができる。この際、基板用レジスト2を硬化させることによって、基板用レジスト2の先端側が基板3側よりも収縮するので、硬化した基板用レジスト2を最終的に垂直方向に立設させることができ、基板3上に垂直形状に立設された転写パターン8を得ることができる。
また、モールド基板6が透明部材からなるので、インプリントの際、モールド1の裏面1bから露光して基板3上の基板用レジスト2を硬化させることができる。
さらに、このモールド1の製造方法によれば、凹部5Aの深さと幅とのアスペクト比、及び基板用レジスト2の体積収縮率から凹部5Aの傾斜角度を決める工程を備えているので、基板3上の基板用レジスト2を硬化収縮後に垂直方向に立設させることができる。
また、ドライエッチングにより凹部5Aを形成する工程を備えているので、モールド基板6に対して、所望の傾斜角度でパターン面1aから深さ方向に漸次拡開する凹部5Aを高精度に加工することができる。
また、このモールド1を用いたインプリント方法によれば、基板3上に垂直形状に立設された転写パターン8を得ることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、モールド1を製造する際に、ドライエッチング工程によって凹部5Aを形成しているが、代わりに、図5に示すように、垂直形状の原凹部10が形成されたモールド基板11に対して、深さ方向に漸次拡開するように収束イオンビーム12を用いて上述の形状の凹部5Aを形成してもよい。
この場合、所望の傾斜角度にモールド基板11を保持し、加速電圧5kV〜50kV、電流値5nA〜30nAの収束イオンビーム(FIB)を照射して加工する。
又は、型用レジスト7によるリソグラフィによらずに、平面状のガラス基板に対して収束イオンビームを照射して、上述した形状の凹部5Aを直接加工してもよい。
また、ドライエッチング工程にて使用するドライエッチング装置は、ICP型ドライエッチング装置に限らず、RIE型ドライエッチング装置、ECR型ドライエッチング装置、マイクロ波型ドライエッチング装置、並行平板型ドライエッチング装置、ヘリコン派型ドライエッチング装置等、プラズマ発生方法に依存せず、任意のドライエッチング装置を使用しても構わない。
本発明の一実施形態に係るインプリント用型部材を示す正面図である。 本発明の一実施形態に係るインプリント用型部材の製造方法を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るインプリント用型部材の製造方法における基板用光硬化性樹脂の硬化収縮シミュレーション結果を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係るインプリント用型部材を用いたインプリント法を示す説明図である。 本発明の他の実施形態に係るインプリント用型部材の製造方法の一部を示す説明図である。 従来のインプリント用型部材の製造方法を示す説明図である。
符号の説明
1 モールド(インプリント用型部材)
1a パターン面(一表面)
2 基板用レジスト(基板用光硬化性樹脂)
3 基板
5 パターン
6,11 モールド基板(型部材作製用素材)
7 型用レジスト(型用光硬化性樹脂)
8 転写パターン

Claims (6)

  1. 表面に基板用光硬化性樹脂が配設された基板を押圧して、一表面に形成された凹部と凸部とからなるパターンを前記基板に転写するためのインプリント用型部材であって、
    前記凹部が、前記一表面から深さ方向に漸次拡開して設けられていることを特徴とするインプリント用型部材。
  2. 透明部材からなる型部材作製用素材から構成されていることを特徴とする請求項1に記載のインプリント用型部材。
  3. 基板用光硬化性樹脂が配設された基板表面を押圧して、一表面に形成された凹部と凸部とからなるパターンを転写するためのインプリント用型部材の製造方法であって、
    前記型用光硬化性樹脂を硬化させた後、ドライエッチングによって前記インプリント用型部材の前記一表面から深さ方向に漸次拡開した凹部を形成する工程を備えていることを特徴とするインプリント用型部材の製造方法。
  4. 基板用光硬化性樹脂が配設された基板表面を押圧して、一表面に形成された凹部と凸部とからなるパターンを転写するためのインプリント用型部材の製造方法であって、
    収束イオンビームを用いて前記インプリント用型部材の前記一表面から深さ方向に漸次拡開した凹部を形成する工程を備えていることを特徴とするインプリント用型部材の製造方法。
  5. 前記凹部の深さと幅とのアスペクト比、及び前記基板用光硬化性樹脂の体積収縮率から前記凹部の傾斜角度を決める工程を備えていることを特徴とする請求項3又は4に記載のインプリント用型部材の製造方法。
  6. 請求項1又は2に記載のインプリント用型部材の前記一表面を前記基板用光硬化性樹脂が塗布された前記基板に押し付けて変形させて、前記基板上に転写パターン形成することを特徴とするインプリント方法。
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