JP2010194733A - ナノインプリント用モールドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコンエッチングマスタを用いることによる微細パターン形状の自由度の高さを活かしつつ、インプリント等の方法で樹脂複製版を作製するのが困難な場合に、樹脂層にパターンを複製して金属モールドを形成するナノインプリント用モールドの製造方法を提供すること。
【解決手段】シリコン基板表面に所望の形状を有するシリコン微細パターンを形成した、シリコンエッチングマスタを製造し、シリコンエッチングマスタの表面に樹脂層を形成し、樹脂層の表面を部分的に除去することによって、シリコンエッチングマスタの微細パターンの表面を露出し、露出したシリコン微細パターンをエッチングすることによって、シリコン基板上の樹脂層に所望の形状の樹脂層微細パターンを形成した複製版を製造し、複製版を用いて電鋳を行い、金属製のモールドを製造することを特徴とするナノインプリント用モールドの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ナノインプリント用モールドの製造方法に関するものである。
近年、微細なパターンの転写方法の一つとして、ナノインプリント技術への期待が高まっている。
S.Y.Chou等が提案したナノインプリント法は、微細な溝や穴等のパターンを形成した、原版となるモールド(金型、テンプレート等とも呼ばれる)を、被転写材に押し当てることで、機械的にパターンを転写する手法である(非特許文献1参照)。
ナノインプリント法の原理は比較的単純なものであるが、近年、数十nmから数nmといった超微細パターンを転写できることが実証されてきたことで、次世代リソグラフィ技術の候補の一つとして注目されつつある。また、三次元的な転写手法という特徴を活かして、高アスペクト比構造のパターンや、曲面状・階段状などの複雑な形状のパターンを転写する技術として、一部で実用化が始まっている。
ナノインプリント法によるパターン転写においては、その原理から明らかなように、モールド上のパターンは、凹凸が反転した形状で被転写材に転写されるが、その転写の忠実性が非常に高い。この点は、光の回折や、レジスト分子の溶解挙動の影響によって、形成されるパターン形状が変化するフォトリソグラフィ法と異なる、ナノインプリント法の大きな特徴の一つである。
このため、ナノインプリント法では、原版となるモールドに対して、非常に高い加工精度が要求される。この精度を実現するために、半導体デバイスやフォトマスクの製造プロセスの一部を用いることが一般的であり、シリコンや石英基板の表面に微細パターンを形成したものがモールドとして使用されることが多い。
また、これらとは別に、ニッケル等の金属を用いたモールドも使用されるが、この製造法としては、微細なレジストやシリコン、石英などのパターンをマスタとして用い、メッキにより凹凸反転した複製品を製造する電鋳工程が採用されることが多い。この場合のマスタ微細パターンの形成には、やはり半導体デバイスやフォトマスク製造プロセスの一部が用いられることが一般的である。
ニッケル電鋳のマスタとして、特にシリコン基板をエッチングした物を用いる場合の利点として、パターン形状の自由度が高い点が挙げられる。シリコン基板は、フォトリソグラフィや電子線リソグラフィで形成したレジストパターンをマスクとしてドライエッチングすることが可能であり、この手法を用いることで、数十nmといった微細な幅のパターンを、任意の形状で形成することができる。
また、シリコンのドライエッチング技術は、半導体やマイクロマシンの製造に使われてきた結果として、開口幅に対し深くエッチングする手法や、エッチング時の断面形状を制御する手法がある程度確立されている。一例として、パターン幅に対してエッチング深さが5倍以上となるような高アスペクト比の構造や、側壁がテーパ状や曲面を形成する構造なども実現している。このような構造は、特にマイクロマシンやバイオ、光学等の分野において重要となっており、幅広い応用範囲が期待される。
しかしながら、シリコン基板の表面に微細なパターンを形成したマスタを用いて電鋳を行う場合、レジストパターンをマスタとする場合には起こりにくい問題が生じることが多い。その一つは、電鋳後のニッケルモールドを、シリコンエッチングマスタから剥がすことが困難な場合が多々有るということである。これは、シリコンエッチングマスタの形状が特殊なことが多い点も原因の一つでは有るが、本質的にはレジストとシリコンの弾性変形の容易さの差に原因が有ると考えられる。
つまり、レジストマスタにおいては弾性変形が生じやすいため、剥離の過程で加わる外力によって、レジストマスタパターンに微細な変形が生じた結果、ニッケルモールドパターンとの間に隙間が生じて、モールドの剥離が容易になるものと考えられる。一方、シリコンエッチングマスタではレジストに比べ格段に弾性変形が生じにくいため、このような隙間が生じず、結果としてモールドの剥離が困難になるものと考えられる。
また別の問題として、シリコンエッチングマスタを用いる場合、電鋳や剥離に際して、シリコンエッチングマスタが割れやすい点が挙げられる。レジストマスタの基材として用いる、表面が平滑なシリコン基板と異なり、シリコンエッチングマスタではシリコン基板表面に凹凸パターンが形成されている。このため、電鋳や剥離の際等に、温度変化等によって応力が生じると、この凹凸パターン部に応力集中が生じることで亀裂が発生し、シリコン基板が割れてしまうものと考えられる。
電鋳途中に基板が割れることが大きな問題となることはもちろんだが、電鋳後のマスタ剥離時に発生する基板の割れも、実際には問題となる。なぜなら、電鋳後のシリコンエッチングマスタとニッケルモールドは直接接触しており、かつニッケルよりシリコンの方が硬いため、シリコンエッチングマスタに割れが生じると、その破断面がニッケルモールドに接触することで、ニッケルモールドに容易に傷が生じるからである。
このように、ニッケルモールドのマスタとしてはレジストマスタの方が好ましいと言えるが、一方で、高アスペクト比の構造や垂直に近いテーパ構造などは、レジストパターンでは形成するのが困難であり、シリコンエッチングマスタを用いざるを得ない。
この問題の解決策の一つとして、最初に凹凸反転したシリコンエッチングマスタを作製し、この表面構造を、インプリントやホットプレス、UV複製、射出成形などの手法を用いて、樹脂基板またはシリコンやガラス基板上に塗布した樹脂層の表面に複製し、この複製物からニッケルモールドを電鋳する工程が考えられる。
この手法を用いれば上述の問題を解決できるが、実用上では別の問題が生じることが考えられる。なぜなら、シリコンエッチングマスタから樹脂にパターンを複製する工程において、シリコンエッチングマスタ上のパターンに応力が加わると、ニッケルと異なりシリコンでは弾性変形がほとんど生じずに脆性破壊が生じることから、特に複製版の剥離時に、シリコンエッチングマスタの微細パターンが破壊する恐れが生じる。このような破壊は、特に高アスペクト比の構造で生じやすくなる。このような破壊が生じると、複製版の表面に破損したシリコンの破片が残存することとなり、そのまま電鋳のマスタとして使用することは不可能となる。
また、前述のような破壊が生じなくても、例えば側壁形状が逆テーパ状を形成するような微細パターンでは、やはり複製版を剥離するのがかなり困難となるケースが考えられる。このようなパターンでは、仮に複製版や電鋳ニッケルモールドが形成できたとしても、その後のインプリントが不可能なため問題は無いとも考えられる。しかし実際には、インプリントされる樹脂の変形特性などによってはそのような逆テーパ状のパターンでも、インプリントが可能となるケースは有り得るので、このような逆テーパ状のパターンの必要性が皆無であるとは言えない。
以上述べたように、一旦樹脂製の複製版をインプリントなどの方法で作製する方法は、有効な方法ではあるが、微細パターンの形状によっては適用が困難となる点が課題として残ってしまう。
Appl. Phys. Lett., vol.67, P.3314 (1995)
本発明は、シリコンエッチングマスタを用いることによる微細パターン形状の自由度の高さを活かしつつ、インプリント等の方法で樹脂複製版を作製するのが困難な場合に、樹脂層にパターンを複製して金属モールドを形成するナノインプリント用モールドの製造方法を提供することである。
本発明の請求項1に係る発明は、シリコン基板表面に所望の形状を有するシリコン微細パターンを形成した、シリコンエッチングマスタを製造し、シリコンエッチングマスタの表面に樹脂層を形成し、樹脂層の表面を部分的に除去することによって、シリコンエッチングマスタの微細パターンの表面を露出し、露出したシリコン微細パターンをエッチングすることによって、シリコン基板上の樹脂層に所望の形状の樹脂層微細パターンを形成した複製版を製造し、複製版を用いて電鋳を行い、金属製のモールドを製造することを特徴とするナノインプリント用モールドの製造方法としたものである。
本発明の請求項2に係る発明は、シリコン微細パターンは、単結晶シリコン基板上に電子線レジストを形成し、電子線レジストを選択的にパターニングして微細レジストパターンを形成し、微細レジストパターンをマスクに単結晶シリコン基板をエッチングして形成することを特徴とする請求項1に記載のナノインプリント用モールドの製造方法としたものである。
本発明の請求項3に係る発明は、シリコン微細パターンは断面が逆テーパ形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載のナノインプリント用モールドの製造方法としたものである。
本発明の請求項4に係る発明は、単結晶シリコン基板のエッチングは、反応性ドライエッチングにより行うことによって、シリコン微細パターンは断面が逆テーパ形状にすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のナノインプリント用モールドの製造方法としたものである。
本発明の請求項5に係る発明は、樹脂層はPMMA層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のナノインプリント用モールドの製造方法としたものである。
本発明によれば、シリコンエッチングマスタを用いることによる微細パターン形状の自由度の高さを活かしつつ、インプリント等の方法で樹脂複製版を作製するのが困難な場合に、樹脂層にパターンを複製して金属モールドを形成するナノインプリント用モールドの製造方法を提供することができる。
(a)〜(j)は、本発明の実施の形態に係るナノインプリント用モールドの製造方法の工程を説明する概略断面図である。 (a)〜(i)は、本発明の実施の形態に係るナノインプリント用モールドの製造方法の工程を説明する概略断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ、説明する。実施の形態において、同一構成要素には同一符号を付け、実施の形態の間において重複する説明は省略する。
図1(a)〜(j)及び図2(a)〜(i)は、本発明の実施の形態に係るナノインプリント用モールドの製造方法の工程を説明する概略断面図である。図1(a)〜(j)及び図2(a)〜(i)の違いは、図1(d)に示す、シリコンエッチングマスタの形状が単結晶シリコン基板100の底面に向かって垂直に形成していることと、図2(d)に示す、シリコンエッチングマスタの形状が逆テーパ状に形成していることである。ここで、逆テーパ状とは、上面が広く下面に向かって狭くなっていく形状のことをいう。以下、ナノインプリント用モールドの製造方法の工程を説明する。
まず、図1(a)及び図2(a)に示すように、単結晶シリコン基板100及び200の表面に電子線レジスト110及び210を塗布する。次に、図1(b)及び図2(b)に示すように、電子線レジスト110及び210をパターニングすることで、所望の微細レジストパターン111及び211を形成する。電子線レジスト110及び210のパターニング方法としては、例えば電子線リソグラフィによる方法が考えられるが、所望する設計パターンに応じて、適宜公知の方法を用いて良い。例えば、公知のフォトリソグラフィやナノインプリント技術などを用いても良い。
次に、図1(c)及び図2(c)に示すように、前述の微細レジストパターン111及び211をマスクとして単結晶シリコン基板100及び200のエッチングを行い、単結晶シリコン基板100及び200の表面に所望の微細構造を形成する。単結晶シリコン基板100及び200のエッチング方法としては、フッ素系のガスを用いた反応性イオンエッチングが最も適しているが、所望の微細レジストパターン111及び211に応じて、その他公知の方法、例えばプラズマエッチングやウェットエッチングなどを用いても良い。
次に、図1(d)及び図2(d)に示すように、エッチングマスクとして用いた微細レジストパターン111及び211を除去すると共に、所望のシリコン微細パターン101及び201を形成した単結晶シリコン基板100及び200の表面の不要な異物などを除去する洗浄を行い、シリコンエッチングマスタを完成する。この洗浄方法としては、酸素プラズマによるアッシングと、各種の有機・無機薬品を用いたウェット洗浄を併用するのが一般的であるが、その後の工程に影響が無ければ、どちらかを単独で用いても良いし、その他公知の方法、例えばオゾン水を用いた洗浄などを用いても良い。
次に、図1(e)及び図2(e)に示すように、シリコンエッチングマスタの表面に、最終的に電鋳の鋳型となる樹脂層120及び220を塗布する。樹脂層120及び220としては、例えばPMMA(Poly(methyl methacrylate)、ポリメタクリル酸メチル樹脂)などが考えられるが、その後の工程において不都合が無ければ、その他公知の樹脂やレジストを用いても構わない。
次に、図1(f)及び図2(f)に示すように、樹脂膜120及び220の表面を、下地のシリコンエッチングマスタにおけるシリコン微細パターン101及び201の上面が露出するまで削り取る。この手法としては、酸素ガスプラズマを用いたアッシングが好適であるが、その他公知の手法を用いても構わない。例えば、樹脂層120及び220を有機あるいは無機の薬品を用いて溶解除去しても良いし、イオンミリングのような物理的な方法で除去しても良い。更には、機械的な研磨のような方法で削り取っても構わない。
この工程ではシリコン微細パターン101及び201の上面が露出していれば、多少樹脂を余計に除去して、僅かにシリコン微細パターン101及び201が突出していても構わない。また、機械的研磨などで僅かにシリコン微細パターン101及び201が削れてしまっても構わない。
次に、図1(g)及び図2(g)に示すように、露出したシリコンエッチングマスタ表面のシリコン微細パターン101及び201を、上面から徐々にエッチングして、樹脂層微細パターン121及び221を形成する。この際、シリコン微細パターン101及び201の一部を残した段階で停止しても構わないし、図1(h)に示すように、シリコン微細パターン101の全体をエッチングしても構わない。いずれの場合においても、電鋳過程で金属がシリコンエッチングマスタのシリコン微細パターン101及び201の間に食い込むことが無いので、電鋳時の応力でシリコンエッチングマスタが割れることを防ぐことができる。
同様に、図1(h’)に示すように、樹脂層120の底面より若干エッチングを進行させても、製造工程上大きな問題は無い。しかし、この場合は電鋳過程で金属が若干シリコンエッチングマスタのシリコン微細パターン101及び201の間に食い込むため、シリコンエッチングマスタが割れる可能性が大きくなるので注意が必要となる。
上述したエッチングの方法としては、樹脂層120及び220に対し単結晶シリコン基板100及び200が選択的にエッチングされる方法であれば、その手法は特に限定されない。上述したフッ素系プラズマを用いた反応性イオンエッチングでも良いし、それ以外の公知の方法でも構わない。例えば、同じくフッ素系プラズマを用いた、等方的なドライエッチングを用いても良いし、プラズマによる樹脂層120及び220へのダメージが問題となる場合には、XeFガスを用いた、プラズマを用いない等方的なドライエッチングを用いても良い。
また、樹脂層120及び220が強アルカリ性水溶液に対して十分な耐性を有していれば、水酸化カリウム水溶液や水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液などでエッチングしても構わない。但し、この場合はエッチング液に対する樹脂層120及び220の耐性やエッチング形状の異方性などについて、予め十分に検討する必要がある。
次に、図示しないが上述の工程で微細な開口が形成された樹脂層微細パターン121及び221の表面に、ごく薄い導電膜を形成する。この導電膜は、後述の電解メッキ工程のシード層となる。この導電膜の材料としては、ニッケル・銅・銀・金・アルミなどの金属が用いられることが多いが、その選択にあたっては、最終的なインプリント用モールドの機能や製膜方法等に応じて最適なものを選択すればよい。また、製膜方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法、無電解メッキなどが一般的に用いられるが、工程上の問題が生じない範囲において、適宜公知の方法を用いても良い。
次に、図1(i)及び図2(h)に示すように、導電膜をシード層として電解メッキを行い、表面に微細構造を有する厚い電鋳金属層130及び230を形成する。この電鋳金属層130及び230の材料としては、一般的にニッケルが用いられるが、その他の成分を含んだニッケル合金メッキを用いても構わない。また、ナノインプリントモールドとして必要な特性が得られる範囲において、その他公知の金属の電解メッキ、例えば銅メッキなどを用いても構わない。
最後に、図1(j)及び図2(i)に示すように、電鋳金属層130及び230を剥離し、最終的な金属モールド131及び231を得る。剥離方法は物理的に剥がしても構わないし、シリコンエッチングマスタと樹脂層120及び220を、水酸化カリウムなどの強アルカリ水溶液を用いて溶解しても構わない。
本発明の実施の形態に係る金属モールド131及び231に形成される微細パターンは、シリコンエッチングマスタに形成されたシリコン微細パターン101及び201をほぼ忠実に複製できるために、自由度の高い微細パターンの形成能力をそのまま活用することができる。
また、電鋳の原版として用いられるのは、単結晶シリコン基板100及び200上の樹脂層120及び220に微細パターンが形成された複製版となるので、シリコンエッチングマスタをそのまま用いる際に問題となる、金属モールド131及び231との剥離不良やシリコンエッチングマスタの割れといった問題を解決することができる。
更に、複製版を製造する際に、インプリントやエンボス等の機械的な手法を使わず、科学的なエッチング手法を用いるので、シリコンエッチングマスタと樹脂層複製版の剥離不良、あるいは各々の破損といった問題も回避できる。
上述したように、本発明の実施の形態に係るナノインプリント用モールドの製造方法は、一旦シリコンエッチングマスタを製作した後、このシリコンエッチングマスタのシリコン微細パターン101及び201を樹脂層120及び220で埋め込み、樹脂層120及び220の表面を除去した後、ドライエッチングまたはウェットエッチングによって露出したシリコン微細パターン101及び201を除去することで、シリコンエッチングマスタの形状を忠実に反映した樹脂層複製版を作製する。この樹脂層複製版を用いてニッケルを用いた金属モールド131及び231を製作することで、電鋳時や剥離時の単結晶シリコン基板100及び200の破損を防止することができる。
以下、本発明のナノインプリント用モールド製造方法について、実施例1及び2を挙げて説明を行う。
本実施例1としては、図1(a)〜(j)を参照して説明をする。まず、図1(a)に示すように、厚さ725μmの単結晶シリコンからなる200mmΦの単結晶シリコン基板100を用意し、単結晶シリコン基板100の表面に電子線レジスト110を厚さ200nmでスピンコートした。
次に、図1(b)に示すように、電子線レジスト110に、電子ビームの描画、現像等のパターニング処理を行って、開口幅100nm、ピッチ200nmの線状の微細レジストパターン111を形成した。
次に、図1(c)に示すように、微細レジストパターン111をエッチングマスクとして、フロロカーボン系の混合ガスプラズマを用いた反応性イオンエッチングにより、単結晶シリコン基板100をほぼ垂直に、深さ500nmまでエッチングした。
次に、図1(d)に示すように、酸素プラズマによるアッシング処理、及び各種薬液を使ったウェット処理により、残留した微細レジストパターン111を除去し、単結晶シリコン基板100を洗浄することで、単結晶シリコン基板100の表面に、開口幅100nm、ピッチ200nm、深さ500nmのシリコン微細パターン101を形成して、シリコンエッチングマスタとした。
次に、図1(e)に示すように、シリコン微細パターン101の表面上に、PMMAを厚さ1μm〜2μm程度でスピンコートし、更にベークすることで、シリコン微細パターン101の開口部全体を埋め込んだ樹脂層120を形成した。
次に、図1(f)に示すように、酸素プラズマによるアッシング処理を行い、シリコン微細パターン101の上面が露出するまで、樹脂層120の表面を除去した。
次に、図1(g)に示すように、フロロカーボン系の混合ガスプラズマを用いた反応性イオンエッチングにより、シリコン微細パターン101を、露出した面から下方に向けてエッチングした。次に、図1(h)に示すように、シリコン微細パターン101の凸部が消失する、深さ500nmまでエッチングすることで、樹脂層微細パターン121を得た。
但し、本実施例1に係るナノインプリント用モールドの製作工程においては、エッチング途中の状態、例えば深さ450nmまでエッチングして(図1(g))から、次の電鋳の工程に進んでもよい。逆に、更にエッチングを進めた状態、例えば、深さ520nmまでエッチングして(図1(h’))から次の電鋳工程に進んでもよいが、この場合は、その後の工程での単結晶シリコン基板100の割れに注意する必要がある。
次に、図1(i)に示すように、樹脂層微細パターン121の表面に無電解メッキで薄いニッケル層を形成した後、樹脂層微細パターン121を鋳型としてニッケル電鋳を行い、ニッケルを用いた電鋳金属層130を得た。
次に、図1(j)に示すように、単結晶シリコン基板100及び樹脂層微細パターン121から、電鋳金属層130を物理的に剥離することで、金属モールド131を得た。
本実施例1に係る金属モールド131に形成された微細パターンは、シリコンエッチングマスタに形成されたシリコン微細パターン101をほぼ忠実に複製できるために、自由度の高い微細パターンを得ることができた。
また、電鋳の原版として用いられるのは、単結晶シリコン基板100上の樹脂層120に微細パターンが形成された複製版となるので、シリコンエッチングマスタをそのまま用いる際に問題となる、金属モールド131との剥離不良やシリコンエッチングマスタの割れといった問題を解決することができた。
本実施例2としては、図2(a)〜(i)を参照して、側壁がテーパ形状を有するナノインプリント用モールドの製作方法の例を説明する。まず、図2(a)に示すように、厚さ725μmの単結晶シリコンからなる200mmΦの単結晶シリコン基板200を用意し、単結晶シリコン基板200の表面に電子線レジスト210を厚さ200nmでスピンコートして形成した。
次に、図2(b)に示すように、電子線レジスト210に、電子ビームの描画、現像等のパターニング処理を行って、開口幅200nm、ピッチ400nmの線状の微細レジストパターン211を形成した。
次に、図2(c)に示すように、微細レジストパターン211をエッチングマスクとして、フロロカーボン系の混合ガスプラズマを用いた反応性イオンエッチングにより、単結晶シリコン基板200を深さ500nmまでエッチングするが、この時のエッチング側壁が逆テーパ形状となるように、反応性イオンエッチングの諸条件を調整した。
次に、図2(d)に示すように、酸素プラズマによるアッシング処理、及び各種薬液を使ったウェット処理により、残留した微細レジストパターン211を除去し、単結晶シリコン基板200を洗浄することで、単結晶シリコン基板200の表面に、上部開口幅200nm、下部開口幅300nm、ピッチ400nm、深さ500nmのシリコン微細パターン201を形成して、シリコンエッチングマスタとした。
次に、図2(e)に示すように、シリコン微細パターン201の表面上に、PMMAを厚さ1μm〜2μm程度でスピンコートし、更にベークすることで、シリコン微細パターン201の開口部全体を埋め込んだ樹脂層220を形成した。
次に、図2(f)に示すように、樹脂層220の表面を除去することを目的とした研磨を行い、シリコン微細パターン201の上面を露出させた。
次に、図2(g)に示すように、XeFガスを用いた等方性のドライエッチングを行い、シリコン微細パターン201を、露出した面から下方に向けて、深さ400nmまでエッチングを行った。これにより、順テーパの側壁形状を有する、樹脂層微細パターン221が得られた。
次に、図2(h)に示すように、樹脂層微細パターン221の表面に真空蒸着法またはスパッタリング法でごく薄いニッケル層を形成した後、樹脂層微細パターン221を鋳型としてニッケル電鋳を行い、ニッケルを用いた電鋳金属層230を得た。
次に、図2(i)に示すように、水酸化カリウム水溶液を用いて単結晶シリコン基板201及び樹脂層微細パターン221を溶解除去することで、金属モールド231を得た。
本実施例2に係る金属モールド231に形成された微細パターンは、シリコンエッチングマスタに形成されたシリコン微細パターン201をほぼ忠実に複製できたために、自由度の高い微細パターンを得ることができた。
また、電鋳の原版として用いられるのは、単結晶シリコン基板200上の樹脂層220に微細パターンが形成された複製版となるので、シリコンエッチングマスタをそのまま用いる際に問題となる、金属モールド231との剥離不良やシリコンエッチングマスタの割れといった問題を解決することができた。
以上述べたように、本発明によって、シリコンエッチングマスタの活用範囲を広げることができ、特に高いアスペクト比の微細構造を有する金属モールドや、逆テーパ状などの特殊な形状の金属モールドを製造することができる。
本発明によれば、マイクロマシンやバイオ、光学デバイスなど、幅広い分野への応用が期待できる。
100、200…単結晶シリコン基板
101、201…シリコン微細パターン
110、210…電子線レジスト
111、211…微細レジストパターン
120、220…樹脂層
121、221…樹脂層微細パターン
130、230…電鋳金属層
131、231…金属モールド

Claims (5)

  1. シリコン基板表面に所望の形状を有するシリコン微細パターンを形成した、シリコンエッチングマスタを製造し、
    前記シリコンエッチングマスタの表面に樹脂層を形成し、
    前記樹脂層の表面を部分的に除去することによって、前記シリコンエッチングマスタの微細パターンの表面を露出し、
    前記露出したシリコン微細パターンをエッチングすることによって、前記シリコン基板上の前記樹脂層に所望の形状の樹脂層微細パターンを形成した複製版を製造し、
    前記複製版を用いて電鋳を行い、金属製のモールドを製造することを特徴とするナノインプリント用モールドの製造方法。
  2. 前記シリコン微細パターンは、単結晶シリコン基板上に電子線レジストを形成し、
    前記電子線レジストを選択的にパターニングして微細レジストパターンを形成し、
    前記微細レジストパターンをマスクに前記単結晶シリコン基板をエッチングして形成することを特徴とする請求項1に記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
  3. 前記シリコン微細パターンは断面が逆テーパ形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
  4. 前記単結晶シリコン基板のエッチングは、反応性ドライエッチングにより行うことによって、前記シリコン微細パターンは断面が逆テーパ形状にすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
  5. 前記樹脂層はPMMA層であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載のナノインプリント用モールドの製造方法。
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