JP2007250820A - 磁性シート - Google Patents
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Abstract
【課題】高い透磁率を有する磁性シートを提供する。
【解決手段】ベースフィルム3と、ベースフィルム3の上面に形成された磁性層2とを有する磁性シート1であって、磁性層2は、軟磁性粒子(透磁率が大きく、かつ保磁力Hcの小さな磁性粒子)と、バインダーとしてのポリカーボネートポリウレタン樹脂とを含有している。このポリカーボネートポリウレタン樹脂は、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートのウレタン化反応によって合成される。
【選択図】図1
【解決手段】ベースフィルム3と、ベースフィルム3の上面に形成された磁性層2とを有する磁性シート1であって、磁性層2は、軟磁性粒子(透磁率が大きく、かつ保磁力Hcの小さな磁性粒子)と、バインダーとしてのポリカーボネートポリウレタン樹脂とを含有している。このポリカーボネートポリウレタン樹脂は、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートのウレタン化反応によって合成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、軟磁性粒子およびバインダーを含有する磁性シートに関するものである。
この種の磁性シートとして、特開2003−243877号公報に開示されている磁性シート(防磁性シート)が知られている。この磁性シートは、少なくとも一種類の軟磁性粒子と、高分子材料と、揮発性溶剤とからなる液状(ペースト状)の防磁性組成物を絶縁性支持体の少なくとも一方の表面に塗布することによって得られるものであり、柔軟性を有し、薄くて軽量であるという特徴を備えている。この場合、高分子材料としては、ウレタン樹脂やポリカーボネート樹脂などを用いることができる。この磁性シートによれば、上記の特徴を備えたことにより、電子装置のプラスチック筐体の壁面に貼り付けたり、導体ケーブルの外面に巻回したりして、都合良く使用することができる。
特開2003−243877号公報(第1,4,9頁)
ところが、従来のこの種の磁性シートには、以下の問題点がある。すなわち、この種の磁性シートには、塗布した防磁性組成物を乾燥させる際に、揮発した揮発性溶剤の痕跡が空孔として残存する割合が多いため、密度が低下して、実質的な軟磁性粒子の充填割合が低下する結果、透磁率を高めるのが困難であるという問題点が存在する。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、高い透磁率を有する磁性シートを提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく本発明に係る磁性シートは、バインダーおよび少なくとも一種類の軟磁性粒子を含有し、前記バインダーはポリカーボネートポリウレタン樹脂を含有する。
この場合、前記軟磁性粒子100重量部に対して8重量部以上22重量部以下の範囲内で前記バインダーを含有している。
また、前記軟磁性粒子100重量部に対して8重量部以上18重量部以下の範囲内で前記バインダーを含有させるのが好ましい。
本発明に係る磁性シートによれば、バインダーにポリカーボネートポリウレタン樹脂を含有させたことにより、磁性層の密度を高めることができる結果、磁性層の透磁率、つまり磁性シートの透磁率を高めることができる。なお、磁性層の密度を高めることができる理由は定かではないが、同量の塗布液量で形成した塗膜同士(ポリカーボネートポリウレタン樹脂を含有させた塗膜と例えばポリエステルポリウレタン樹脂を含有させた塗膜)を比較したときに、ポリカーボネートポリウレタン樹脂を含有させた塗膜は、乾燥後の厚みが薄いため、揮発性溶剤が揮発し易い結果、揮発性溶剤の残存に起因する空孔が少なくなるためか、または、分散性が良いために、軟磁性粒子同士が互いに重なったときに生じる軟磁性粒子相互間の空隙が少なくなるためとも考えられる。
また、本発明に係る磁性シートによれば、軟磁性粒子100重量部に対して8重量部以上22重量部以下の範囲内でバインダーを含有させたことにより、磁性シートの透磁率を十分に(40以上に)高めることができる。
また、軟磁性粒子100重量部に対して8重量部以上18重量部以下の範囲内でバインダーを含有させることで、磁性シートの透磁率をより高く(50以上に)することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る磁性シートの最良の形態について説明する。
最初に、本発明に係る磁性シート1の構成について、図面を参照して説明する。
図1に示す磁性シート1は、磁性層2がベースフィルム(非磁性支持体)3の少なくとも一方の面(本例では、同図に示すように上面)上に形成されて構成されている。
(ベースフィルム)
ベースフィルム3として用いる支持体には特に制限はなく、目的に応じて公知の絶縁性材料で形成された支持体を用いることができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテート、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、アラミド、芳香族ポリアミド等の樹脂材料で形成された絶縁性支持体(絶縁フィルム)を用いることができる。また、ベースフィルム3は、通常、その厚みが3μm〜100μmの範囲内に設定される。また、ベースフィルム3は、長尺な帯状(テープ状)、シート状、カード状、ディスク状等、各種の平面視形状に形成することができる。
ベースフィルム3として用いる支持体には特に制限はなく、目的に応じて公知の絶縁性材料で形成された支持体を用いることができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテート、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、アラミド、芳香族ポリアミド等の樹脂材料で形成された絶縁性支持体(絶縁フィルム)を用いることができる。また、ベースフィルム3は、通常、その厚みが3μm〜100μmの範囲内に設定される。また、ベースフィルム3は、長尺な帯状(テープ状)、シート状、カード状、ディスク状等、各種の平面視形状に形成することができる。
(磁性層)
磁性層2は、バインダーおよび少なくとも一種類の軟磁性粒子を含有する。この場合、軟磁性粒子としては、一般的に、透磁率が大きく、かつ保磁力Hcの小さな(例えば約790A/m(10エルステッド)以下の)磁性材料が好ましい。このような軟磁性粒子としては、例えば、フェライトなどが挙げられるが、軟磁性合金または軟磁性アモルファス合金として分類される合金系軟磁性粒子なども好ましい。この場合、上記した軟磁性粒子を1種類用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。
磁性層2は、バインダーおよび少なくとも一種類の軟磁性粒子を含有する。この場合、軟磁性粒子としては、一般的に、透磁率が大きく、かつ保磁力Hcの小さな(例えば約790A/m(10エルステッド)以下の)磁性材料が好ましい。このような軟磁性粒子としては、例えば、フェライトなどが挙げられるが、軟磁性合金または軟磁性アモルファス合金として分類される合金系軟磁性粒子なども好ましい。この場合、上記した軟磁性粒子を1種類用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。
磁性層2用のバインダー(結合剤)としては、ポリカーボネートポリウレタン樹脂を用いる。このポリカーボネートポリウレタン樹脂は、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートのウレタン化反応によって合成される。この場合、ポリカーボネートポリオールとしては、ジアリルカーボネートまたはジアルキルカーボネートと、公知の多価アルコールとの縮合反応によって得られるものが用いられる。ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等が挙げられる。
また、バインダーの配合比は、軟磁性粒子100重量部に対し、好ましくは8重量部以上22重量部以下の範囲内に、特に好ましくは8重量部以上18重量部以下の範囲内に設定される。結合剤としてポリカーボネートポリウレタン樹脂をこの範囲で配合することにより、磁性層2の密度を高めることができる結果、磁性層2の透磁率、つまり磁性シート1の透磁率を高めることができる。なお、磁性層2の密度を高めることができる理由は定かではないが、同量の塗布液量で形成した塗膜同士(ポリカーボネートポリウレタン樹脂を含有させた塗膜と例えばポリエステルポリウレタン樹脂を含有させた塗膜)を比較したときに、ポリカーボネートポリウレタン樹脂を含有させた塗膜は、乾燥後の厚みが薄いため、揮発性溶剤が揮発し易い結果、揮発性溶剤の残存に起因する空孔が少なくなるためか、または、分散性が良いために、軟磁性粒子同士が互いに重なったときに生じる軟磁性粒子相互間の空隙が少なくなるためとも考えられる。
また、バインダーの配合比を低下させていくと、ある程度までは、バインダーの含有量の低下に応じて軟磁性粒子の配合比が増加するため、密度が増加して透磁率が高まる。ところが、さらにバインダーの含有量が低下したときには、分散性が低下して軟磁性粒子同士の互いの重なり合いが増加し、これに起因して各軟磁性粒子相互間に生じる空隙が増加する(充填率が低下する)。このため、密度の増加が減少に転じて、透磁率も上昇傾向から低下傾向に転じることとなる。したがって、バインダーの配合比が少なすぎると、透磁率が、低下傾向に転じて、必要な値を確保できなくなる。他方、バインダーの含有量が多すぎると、軟磁性粒子の含有量が低下して、磁性層2の透磁率が低下する。
磁性層2を形成するための磁性塗料の調整に際しては揮発性溶剤を用いるが、このような揮発性溶剤としては、例えば、トルエンやキシレンなどの芳香族系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチルなどの酢酸エステル系溶剤、エタノールやイソプロパノールなどのアルコール系溶剤の他、ヘキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
磁性層2を形成するための磁性塗料は、公知の方法で、上記各成分に上記揮発性溶剤を加えて、混合、攪拌、混練、分散等を行うことにより調製される。一例として、磁性層2を形成するための磁性塗料は、上記の軟磁性粒子およびバインダーに、揮発性溶剤として例えばメチルエチルケトンおよびトルエンを軟磁性粒子100重量部に対して25重量部ずつ投入して十分に混練し、その後に、さらにメチルエチルケトンおよびトルエンを軟磁性粒子100重量部に対して50重量部ずつ追加投入して十分に混練を行うことで調整する。この場合、軟磁性粒子を揮発性溶剤およびバインダーと混練し、これらを均一に分散させる方法としては、ニーダー、ボールミル、ロールミル、ジェットミルなどを使用して行う方法を採用することができる。
また、磁性層2中には、必要に応じて、分散剤、安定剤、滑剤、充填剤、増量剤、可塑剤、架橋剤、硬化剤、老化防止剤、加硫促進剤、難燃性材料などの各種添加剤を添加してもよい。このような添加剤は、例えば、上記方法で作製した磁性塗料に添加および混合する。この場合、硬化剤としては、ポリイソシアネート化合物、具体的には、イソシアヌレート環を有するポリイソシアネート化合物を用いるのが好ましい。これにより、磁性シート1の製造後における膨張率を低下させることができる。市販品の具体例としては、例えば、コロネート2030(日本ポリウレタン社製)などが挙げられる。
(磁性シート1の製造)
上記のようにして調製された磁性塗料を用いて、塗布、配向、乾燥、カレンダーおよび硬化等することにより、磁性層2をベースフィルム3上に形成して、図1に示す磁性シート1を製造する。
上記のようにして調製された磁性塗料を用いて、塗布、配向、乾燥、カレンダーおよび硬化等することにより、磁性層2をベースフィルム3上に形成して、図1に示す磁性シート1を製造する。
具体的には、まず、塗布工程を行うことにより、ベースフィルム3の一方の面上に調製された磁性塗料を塗布して、未硬化の磁性層2を形成する。この場合、磁性塗料の塗布に際しては、グラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布などの公知の塗布方法を用いることができる。次いで、未硬化の磁性層2に対して配向磁界を印加して軟磁性粒子を配向する。
続いて、乾燥工程を行うことにより、磁性層2を乾燥させる。この乾燥工程では、磁性層2を60℃雰囲気内で乾燥させて、磁性層2内の揮発性溶剤を揮発させ、その後に、加熱状態の磁性層2に対して金属ロールによりカレンダー処理を行う。揮発性溶剤の揮発によって磁性層2に空孔(気孔)が残ったときには、磁性層2およびベースフィルム3全体の密度(具体的には磁性層2の密度)が高くならないことがあるが、バインダーとしてポリカーボネートポリウレタン樹脂を用いることにより、揮発性溶剤が揮発する際の空孔の発生を軽減することができる。また、加熱状態の磁性層2にカレンダー処理を行い、磁性層2に対して垂直な方向(厚み方向)に圧力を加えることにより、磁性層2に発生した空孔を減少させて、磁性層2およびベースフィルム3全体の密度(具体的には磁性層2の密度)を高めると共に、軟磁性粒子の配向性を改善することができる。
次いで、カレンダー処理を完了した磁性層2およびベースフィルム3(磁性シート1の原反)を巻取りロールに巻き取る。最後に、巻き取った状態の磁性シート1の原反に対して、60℃雰囲気内で24時間放置する熱硬化処理を行い、磁性シート1の作製が完了する。
このように、この磁性シート1によれば、ポリカーボネートポリウレタン樹脂をバインダーとして調整された磁性塗料を用いることにより、磁性層2の密度を高めることができる結果、磁性層2の透磁率、つまり磁性シート1の透磁率を高めることができる。また、この磁性シート1は、その透磁率が高いため、例えば電子機器の輻射ノイズ対策等に、電波干渉防止材や電波吸収体として好適に使用することができる。また、RFIDタグの安定動作に不可欠である搬送波(磁界)収束部材としても好適に用いることができる。
なお、磁性層2がベースフィルム3上に一体的に形成された磁性シート1について上記したが、図3に示すように、ベースフィルム3の表面に剥離層12が形成されたフィルム13を使用し、この剥離層12の表面に磁性層2を形成して磁性シート11を構成することもできる。この場合、磁性層2は、ベースフィルム3から剥離して単体でも用いられるため、本発明における磁性シートとして機能する。なお、磁性シート1と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
次に、実施例を挙げて本発明に係る磁性シート1について詳細に説明する。
[軟磁性粒子の製造例]
水アトマイズ法により、合金粒子(Fe/Si/Cr=75/24/1(原子比))を作製し、次いで、媒体撹拌ミルにより、合金粒子を扁平化する。続いて、熱処理を施して、扁平状軟磁性合金粒子からなる軟磁性粒子を得た。媒体撹拌ミルによる扁平化は、扁平状軟磁性合金粒子の重量平均粒径D50が25μmとなるまで行った。重量平均粒径D50は、光散乱を使用した粒度分析計によって測定した。熱処理は、0.1体積%〜1体積%の酸素を含む窒素雰囲気中にて、350℃で20分間から1時間行った。なお、分析型走査型電子顕微鏡で測定したところ、軟磁性粒子の平均厚さは、0.1μm〜1.0μmであった。
水アトマイズ法により、合金粒子(Fe/Si/Cr=75/24/1(原子比))を作製し、次いで、媒体撹拌ミルにより、合金粒子を扁平化する。続いて、熱処理を施して、扁平状軟磁性合金粒子からなる軟磁性粒子を得た。媒体撹拌ミルによる扁平化は、扁平状軟磁性合金粒子の重量平均粒径D50が25μmとなるまで行った。重量平均粒径D50は、光散乱を使用した粒度分析計によって測定した。熱処理は、0.1体積%〜1体積%の酸素を含む窒素雰囲気中にて、350℃で20分間から1時間行った。なお、分析型走査型電子顕微鏡で測定したところ、軟磁性粒子の平均厚さは、0.1μm〜1.0μmであった。
[実施例1]
(磁性塗料の調製)
軟磁性粒子(上記製造例で製造したもの) 100重量部
(Fe/Si/Cr=75/24/1(原子比)、Hc:490A/m、厚み:0.1μm〜1.0μm、D50:25μm)
バインダー(結合剤) ポリカーボネートポリウレタン樹脂 8重量部
(日本ポリウレタン工業(株)製 商品名:N5230、粘度:8000〜18000cp/25℃、Tg:−33℃)
揮発性溶剤 メチルエチルケトン 25重量部
揮発性溶剤 トルエン 25重量部
(磁性塗料の調製)
軟磁性粒子(上記製造例で製造したもの) 100重量部
(Fe/Si/Cr=75/24/1(原子比)、Hc:490A/m、厚み:0.1μm〜1.0μm、D50:25μm)
バインダー(結合剤) ポリカーボネートポリウレタン樹脂 8重量部
(日本ポリウレタン工業(株)製 商品名:N5230、粘度:8000〜18000cp/25℃、Tg:−33℃)
揮発性溶剤 メチルエチルケトン 25重量部
揮発性溶剤 トルエン 25重量部
上記の各材料をニーダーで混練した後、揮発性溶剤としてメチルエチルケトンおよびトルエンをさらに50重量部ずつ投入して混練を行い、最後に、硬化剤(日本ポリウレタン工業(株)製 商品名:コロネート2030)を0.8重量部(バインダーの配合量の10重量%)、添加および混合して、磁性塗料を作製した。なお、上記したバインダー、各揮発性溶剤および硬化剤の各配合比は、軟磁性粒子の配合量を100としたときの数値で示したものである。
(磁性層形成工程)
25μm厚のPET製のベースフィルム3の一方の面上に、ブレード塗布方式により、カレンダー加工後の厚みが50μmとなるように磁性塗料を塗布し、次いで、配向磁界を印加して配向を行い、続いて、60℃雰囲気内で乾燥させた。その後に、金属ロールを用いたカレンダーによって、ニップ数1回で加工を行い、磁性層2を形成した。
25μm厚のPET製のベースフィルム3の一方の面上に、ブレード塗布方式により、カレンダー加工後の厚みが50μmとなるように磁性塗料を塗布し、次いで、配向磁界を印加して配向を行い、続いて、60℃雰囲気内で乾燥させた。その後に、金属ロールを用いたカレンダーによって、ニップ数1回で加工を行い、磁性層2を形成した。
以上のようにして得られた磁性シート1の原反を、巻取りロールに巻き取った状態で、60℃で24時間熱硬化させ、この磁性シート1を以下の各評価で規定されている形状に裁断することにより、磁性シートのサンプルを作製した。
[実施例2〜5]
また、上記した磁性塗料の調製において、バインダーであるポリカーボネートポリウレタン樹脂の配合比を図2に示すように変え、かつ硬化剤の配合量をポリカーボネートポリウレタン樹脂の配合量の10重量%に調整した以外は、上記した実施例1と同様にして、磁性シート1を作製し、この磁性シート1を以下の各評価で規定されている形状に裁断することにより、実施例2〜5としての磁性シートのサンプルを作製した。
また、上記した磁性塗料の調製において、バインダーであるポリカーボネートポリウレタン樹脂の配合比を図2に示すように変え、かつ硬化剤の配合量をポリカーボネートポリウレタン樹脂の配合量の10重量%に調整した以外は、上記した実施例1と同様にして、磁性シート1を作製し、この磁性シート1を以下の各評価で規定されている形状に裁断することにより、実施例2〜5としての磁性シートのサンプルを作製した。
[比較例1〜3]
また、上記した磁性塗料の調製において、ポリカーボネートポリウレタン樹脂に代えて、ポリエステルポリウレタン樹脂(1)(日本ポリウレタン工業(株)製 商品名:N3315)、ポリエステルポリウレタン樹脂(2)(東洋紡績(株)製 商品名:UR2300)、ポリエステルポリウレタン樹脂(3)(日本ポリウレタン工業(株)製 商品名:N2304)をバインダーとして用いると共に、図2に示すように、その配合比を18重量部とし、かつ硬化剤の配合量をバインダーの配合量の10重量%に調整した以外は、上記した実施例1と同様にして、磁性シート1を作製し、この磁性シート1を以下の各評価で規定されている形状に裁断することにより、比較例1〜3としての磁性シートの各サンプルを作製した。
また、上記した磁性塗料の調製において、ポリカーボネートポリウレタン樹脂に代えて、ポリエステルポリウレタン樹脂(1)(日本ポリウレタン工業(株)製 商品名:N3315)、ポリエステルポリウレタン樹脂(2)(東洋紡績(株)製 商品名:UR2300)、ポリエステルポリウレタン樹脂(3)(日本ポリウレタン工業(株)製 商品名:N2304)をバインダーとして用いると共に、図2に示すように、その配合比を18重量部とし、かつ硬化剤の配合量をバインダーの配合量の10重量%に調整した以外は、上記した実施例1と同様にして、磁性シート1を作製し、この磁性シート1を以下の各評価で規定されている形状に裁断することにより、比較例1〜3としての磁性シートの各サンプルを作製した。
[磁性シートの評価]
各磁性シートのサンプルについて、次の評価試験を実施した。
各磁性シートのサンプルについて、次の評価試験を実施した。
(透磁率)
磁性シート1を外径14mm、内径6mmのリング状体に打ち抜いて作製したサンプルについて、アジレントテクノロジー社製の測定器「Agilent 4291B RFインピーダンス/マテリアル・アナライザ」を使用して、13.56MHzでの透磁率を測定した。
磁性シート1を外径14mm、内径6mmのリング状体に打ち抜いて作製したサンプルについて、アジレントテクノロジー社製の測定器「Agilent 4291B RFインピーダンス/マテリアル・アナライザ」を使用して、13.56MHzでの透磁率を測定した。
(密度)
磁性シート1を20mm×20mmの方形状体に裁断して作製したサンプルについて、ソニー社製の測定器「μ−mate」を使用して磁性層2の厚みを測定し、また磁性層2の重量も測定して、得られた厚みと重量とから磁性層2の密度を算出した。
磁性シート1を20mm×20mmの方形状体に裁断して作製したサンプルについて、ソニー社製の測定器「μ−mate」を使用して磁性層2の厚みを測定し、また磁性層2の重量も測定して、得られた厚みと重量とから磁性層2の密度を算出した。
以上の各実施例1〜5および各比較例1〜3についての透磁率および密度の測定結果を、バインダーの種類および配合比と共に図2の測定結果図に示す。この測定結果から、透磁率については、各実施例1〜5の磁性シートサンプルが40以上の高い値を示し、いずれも良好な透磁率であることが確認された。特に、各実施例1〜4の磁性シートサンプルでは50を超える極めて高い値であり、一層良好な透磁率であることが確認された。一方、各比較例1〜3の磁性シートサンプルは、いずれも30以下の低い値になることが確認された。
この場合、バインダーとしてポリカーボネートポリウレタン樹脂を使用した各実施例1〜5の磁性シートサンプルは、ポリエステルポリウレタン樹脂をバインダーとして使用した各比較例1〜3の磁性シートサンプルと比較して、密度も2.8g/cm3を超える高い値であることが確認された。これは、バインダーとしてポリカーボネートポリウレタン樹脂を用いて磁性塗料を調整することにより、乾燥処理において揮発性溶剤の揮発に起因した空孔の発生を軽減でき、しかもその後のカレンダー処理において、磁性層2内に発生した空孔を減少させることができ、これによって磁性層2の密度を高めて、磁性層2の透磁率、ひいては磁性シート1の透磁率を向上させることができるものと考えられる。
その一方で、実施例3,4,5の各密度および各透磁率の変化の様子から、バインダーとしてポリカーボネートポリウレタン樹脂を用いたとしても、バインダーが多すぎると、磁性層2における軟磁性粒子の比率が低下して、密度が次第に低下する結果、透磁率が次第に低下するという傾向を有することが確認できる。他方、バインダーが少なすぎると、分散性が低下して軟磁性粒子同士の互いの重なり合いが増加し、これに起因して各軟磁性粒子相互間に生じる空隙が増加する(充填率が低下する)ため、密度の増加が減少に転じて、透磁率も上昇傾向から低下傾向に転じるという傾向を有することが確認できる。したがって、十分な(40以上の)透磁率を確保するためには、ポリカーボネートポリウレタン樹脂の配合比を8重量部以上22重量部以下の範囲内にするのが好ましく、さらに、より高い(50以上の)透磁率を確保するためには、8重量部以上18重量部以下の範囲内にするのが好ましいことが確認された。
1,11 磁性シート
2 磁性層
3 ベースフィルム
2 磁性層
3 ベースフィルム
Claims (2)
- バインダーおよび軟磁性粒子を含有する磁性層を含み、前記バインダーはポリカーボネートポリウレタン樹脂を含有する磁性シート。
- 前記軟磁性粒子100重量部に対して8重量部以上22重量部以下の範囲内で前記バインダーを含有している請求項1記載の磁性シート。
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