JP2005222604A - 磁気記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】可撓性のある非磁性支持体上に、強磁性合金粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、磁性層の平均厚みが0.03〜0.2μmであり、強磁性合金粉末の平均長軸長が10〜65nmであり、磁性層の記録方向の保持力Hcが180〜290kA/mであり、該Hcと磁性層の記録方向の反転磁界分布SFDとの積Hc×SFDが30〜130kA/mである磁気記録媒体。
【選択図】 なし
Description
(1)可撓性のある非磁性支持体上に、強磁性合金粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、
磁性層の平均厚みが0.03〜0.2μmであり、
強磁性合金粉末の平均長軸長が10〜65nmであり、
磁性層の記録方向の保持力Hcが180〜290kA/mであり、
該Hcと磁性層の記録方向の反転磁界分布SFDとの積Hc×SFDが30〜130kA/mである、
ことを特徴とする磁気記録媒体。
(2)強磁性合金粉末の針状比の変動係数(標準偏差/平均値)が25%以下であることを特徴とする上記(1)に記載の磁気記録媒体。
(3)非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層を有し、磁性層表面に露出する非磁性粉末の占める面積比率が20%以下であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の磁気記録媒体。
本発明では、平均長軸長が10〜65nmと小さい強磁性合金粉末を用い、次性層の記録方向の保持力Hcを180〜290kA/mとすることで、SN比を向上させることができる。前述のとおり、このように微細な磁性粒子では反転磁界分布SFDが大きくなりやすく、分解能とオーバーライト特性が低下しがちであるが、本発明ではHcとSFDの積を30〜130kA/mにすることにより、分解能とオーバーライト特性とを両立することができる。また、Hcを高くすることによってもオーバーライト特性は低下しがちであるが、本発明では磁性層を0.03〜2μmと薄層化することにより防ぐことができる。磁性層の薄層化は、記録再生における分解能を向上させ、高密度記録を行う上でも好ましい。
以上のように、本発明では、磁性層の平均厚み、強磁性合金粉末の平均長軸長、磁性層のHc、およびHcとSFDの積を制御することにより、良好なSN比とオーバーライト特性を得ることができる。
磁性粒子の配向については、前述のとおり、本発明のように平均長軸長の短い強磁性合金粉末では、塗料の流動により配向にばらつきが生じやすいので、形状のばらつきを小さくすることが好ましい。すなわち、本発明では、強磁性合金粉末の針状比の変動係数(標準偏差/平均値)を25%以下とすることが好ましい。
また、均一な磁性層として、磁性層の下層として非磁性層を設ける場合に、磁性層表面に露出する非磁性粉末の占める面積比率が20%以下であることが好ましい。
本発明の磁気記録媒体は、可撓性のある非磁性支持体上に、強磁性合金粉末および結合剤を含む磁性層を有する。非磁性支持体と磁性層との間には、磁性層の下層として、非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層を設けることが、磁性層を薄層化し、高密度記録に適したものとしやすい点で好ましい。必要に応じて、非磁性支持体の磁性層を有する側とは反対側の表面にバックコート層を設けたり、磁性層を有する側の表面に下塗層を設けたりすることもできる。
これらの各層はそれぞれ単一の組成からなる単層でも、互いに組成の異なる複数の層でもよい。例えば、複数磁性層を設ける場合には、特開平6−13955号公報に記載されるような技術を適用できる。
本発明では、磁性層の平均厚みdを0.03〜0.2μm、好ましくは0.05〜0.16μmとする。
本発明の磁気記録媒体では磁性層の厚みが薄いため飽和記録状態になるので、磁性層の厚み変動がないことが理想である。実用上、磁性層厚みの標準偏差σと平均厚みdの関係がσ/d≦0.3であることが好ましく、σ/d≦0.2であることがより好ましい。σを小さくする具体的手段は、特登第2566096号に記載の方法が挙げられる。例えば、磁性層の下層として非磁性層を設け、非磁性層形成用の非磁性塗料にチクソトロピック性をもたせる、非磁性層に針状非磁性粉末を用いる、非磁性塗料を塗布乾燥後に磁性層形成用の磁性塗料を塗布するwet on dry方式を採用するなどが挙げられる。
本発明の磁性層に用いる強磁性合金粉末は、飽和磁化σsが好ましくは130Am2/kg以下、より好ましくは80〜120Am2/kg、さらに好ましくはは90〜120Am2/kgの合金粉末を用いる。
強磁性合金粉末の平均長軸長は、10〜65nmであり、好ましくは20〜50nmである。短軸径は好ましくは5〜20nm、より好ましくは8〜15nmである。針状比(長軸長/短軸長)は好ましくは2.5〜10、より好ましくは3〜8である。針状比の分布を示す変動係数(標準偏差/平均値)は25%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、18%以下であることがより好ましい。針状比の変動係数が25%以下と粉末の形状のばらつきを小さくすることで、SFDを小さくし(磁性層のHcとSFDの積を制御でき)、オーバーライト特性を向上させることができる。
強磁性合金粉末の保持力Hcは、好ましくは180〜290kA/m、より好ましくは185〜270kA/mである。記録の原理から大きい方が好ましいが、記録ヘッドの能力を考えると、現状では、180〜290KA/mが適している。
強磁性合金粉末の結晶子サイズは5〜25nmであることが好ましく、8〜15nmであることがより好ましく、8〜12nmであることがさらに好ましい。
強磁性金属粉末のBET法による比表面積(SBET)は、40〜90m2/gであることが好ましく、50〜80m2/gであることがさらに好ましい。
強磁性合金粉末は、必要に応じ、Al、Si、P又はこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。また、分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあらかじめ処理を行ってもかまわない。
本発明の磁性層には公知の結合剤が使用でき、例えば、特登第2566096号、同第2571351号公報に記載のものを使用できる。これら結合剤には、強磁性合金粉末との吸着を促進する官能基(SO3M、PO3Mなど。Mは水素原子又はアルカリ金属塩基)を含んでいることが好ましく、さらにエポキシ基を含むものも好ましい。分子量は好ましくは10000〜100000、より好ましくは20000〜60000である。使用量は、強磁性合金粉末100質量部に対して好ましくは5〜25質量部、より好ましくは5〜20質量部、さらに好ましくは5〜15質量部である。
本発明では、磁性層には、後述する種々の添加剤を使用することができる。
例えば、研磨剤としてα−アルミナ、Cr2O3等を含むことが可能である。研磨剤の平均粒径はwet on wet方式で塗布する場合、磁性層厚みの1/3以上5倍以下、wet on dry方式の塗布では磁性層厚みの1/3以上2倍以下が好ましい。大きすぎるとノイズやドロップアウトの原因となる。特にwet on dry方式の塗布では研磨剤が突起になりやすいので微粒子のものが好ましい。
磁性層には、このほか固体潤滑剤(粒径30nm以上のカーボン)や、脂肪酸や脂肪酸エステルなど液体潤滑剤を添加できる。
他にも、磁性層組成のpH、表面処理については公知の技術を使うことができる。
非磁性層に主成分として用いる非磁性粉末は、針状で、平均長軸長が好ましくは0.2μm以下、より好ましくは0.05〜0.15μmで、針状比が磁性層中の強磁性合金粉末より小さいことが好ましい。非磁性粉末の針状比は5〜20が好ましく、0.3≦強磁性合金粉末の針状比/非磁性粉末の針状比≦0.9、の関係にあることがさらに好ましい。
針状の非磁性粉末としては、具体的には、TiO2、ヘマタイト、α−アルミナ、γ−アルミナ、ZrO2、CeO2、Cr2O3、SiO2などの酸化物、非磁性金属などが挙げられる。
本発明で特に好ましい非磁性粉末は、pH5以上の針状の金属酸化物である。これらは結合剤中の官能基との吸着性が高いので分散がよく、また塗膜の機械的な強度も高いので好ましい。
非磁性粉末と結合剤との分散性を向上させるためには、上記官能基を有する結合剤を用いるとともに、非磁性粉末に分散を促進するアルミナや芳香族リン化合物を表面処理するとさらに有効である。
詳しくは特登第2566088号、同第2634792号公報に記載されており、これらに記載の技術は本発明にも適用できる。
本発明では、磁性層および非磁性層に結合剤としてポリイソシアネートを用いることができる。具体的には、トリレンジイソシアネート、4−4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート等を使用することができる。これらを単独または硬化反応性の差を利用して2つまたはそれ以上の組合せで用いることもできる。
(カーボンブラック)
本発明では、磁性層や非磁性層およびバックコート層などその他の層にカーボンブラックを使用することができる。使用されるカーボンブラックの例は、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等が挙げられる。
カーボンブラックの比表面積は5〜500m2/g、DBP吸油量は10〜400ml/100g、粒子径は5〜300nm、pHは2〜10、含水率は0.1〜10質量%、タップ密度は0.1〜1g/ml、が好ましい。
カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは単独、または組合せで使用することができる。
カーボンブラックは、強磁性合金粉末または非磁性粉末に対して、0.1〜30質量%で用いることが好ましい。
本発明で使用できるカーボンブラックは、例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協会編)を参考にすることができる。
本発明で使用することのできる研磨剤としては、α化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイヤモンド、窒化珪素、炭化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主としてモース硬度6以上の公知の材料が単独又は組み合わせで使用される。 また、これらの研磨剤どうしの複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。これらの研磨剤は、主成分以外の化合物又は元素を含む場合もあるが、主成分が90質量%以上であれば効果に変わりはない。
研磨剤のタップ密度は、0.3〜2g/ml、含水率は0.1〜5質量%、pHは2〜11、比表面積は1〜30m2/gであることが好ましい。本発明に用いられる研磨剤の形状は、針状、球状及びサイコロ状のいずれでもよいが、形状の一部に角を有するものが、研磨性が高くて好ましい。
研磨剤は、磁性層、非磁性層など添加する各層で、種類、量および組合せを変え、目的に応じて使い分けることはもちろん可能である。これらの研磨剤はあらかじめ結合剤で分散処理したのち塗料中に添加してもかまわない。
本発明では、添加剤として、潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果、などをもつものを使用することができる。例えば、二硫化モリブデン、二硫化タングステングラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)およびこれらの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)、炭素数12〜22の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、炭素数12〜22のアルコキシアルコール、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコールのいずれか一つ(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)とからなるモノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、などが挙げられる。
本発明で磁性層等の形成用塗料に用いることのできる有機溶媒は、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等のものが挙げられる。これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれていてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。
分散性を向上させるためにはある程度極性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電率が15以上の溶剤が50%以上含まれることが好ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが好ましい。
本発明では、支持体と下層の間に密着性向上のための下塗層を設けてもかまわない。下塗層の厚みは、好ましくは0.01〜2μm、より好ましくは0.02〜0.5μmである。
また、支持体の磁性層側と反対側にバックコート層を設けてもかまわない。バックコート層の厚みは、好ましくは0.1〜2μm、好ましくは0.3〜1.0μmである。
これらの下塗層、バックコート層は公知のものが使用できる。
本発明で用いる可撓性非磁性支持体の厚みは、好ましくは1〜100μm、より好ましくは3〜80μmである。
可撓性非磁性支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリオレフィン類、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、アラミド、芳香族ポリアミドなどの公知のフィルムが使用できる。
これらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理などをおこなってもよい。
また、支持体のテープ走行方向および幅方向の100℃30分での熱収縮率は好ましくは3%以下、さらに好ましくは1.5%以下、80℃30分での熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。破断強度は両方向とも5〜100kg/mm2が好ましい。
本発明の磁気記録媒体の磁性塗料および非磁性塗料などを製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上にわかれていてもかまわない。本発明に使用する強磁性合金粉末や非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。
(1)磁性塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗布装置、ロール塗布装置、ブレード塗布装置、エクストルージョン塗布装置等により、まず非磁性層を塗布し、非磁性層がウェット状態のうちに特公平1−46186号公報や特開昭660−238179号公報、特開平2−265672号公報に開示されている支持体加圧型エクストルージョン塗布装置により磁性層を塗布する。
(2)特開昭63−88080号公報、特開平2−17971号公報、特開平2−265672号公報に開示されているような塗布液通液スリットを2つ内蔵する1つの塗布ヘッドにより磁性層と非磁性層をほぼ同時に塗布する。
(3)特開平2−174965号公報に開示されているようなバックアップロール付きエクストルージョン塗布装置により磁性層と非磁性層をほぼ同時に塗布する。
本発明の磁気記録媒体では、磁性層面およびその反対面のSUS420Jに対する摩擦係数は好ましくは0.5以下、より好ましくは0.3以下であり、表面固有抵抗は好ましくは104〜1012Ω/sqである。
磁性層の0.5%伸びでの弾性率は走行方向、幅方向とも好ましくは100〜2000kg/mm2、破断強度は好ましくは1〜30kg/cm2である。
磁気記録媒体としての弾性率は走行方向、幅方向とも好ましくは100〜1500kg/mm2、残留のびは好ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下、最も好ましくは0.1%以下である。
(1)非磁性層用塗料組成
非磁性粉末(α−Fe2O3) 80部
平均長軸長:0.15μm、針状比:8.5
BET法による比表面積:56m2/g
pH:8
Fe2O3含有量:90%以上
DBP吸油量:27〜38ml/100g
表面処理剤:Al2O3
カーボンブラック 20部
平均一次粒子径:16nm
DBP吸油量:80ml/100g
pH:8.0
BET法による比表面積:250m2/g
揮発分:1.5%
塩化ビニル共重合体 10部
(日本ゼオン社製MR−110)
ポリエステルポリウレタン樹脂 5部
分子量:3.5万
ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI
=0.9/2.6/1
−SO3Na基含有量:1×10-4eq/g
ブチルステアレート 1部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 100部
シクロヘキサノン 50部
トルエン 50部
強磁性合金粉末(組成:Fe/Co=75/25) 100部
Hc:191kA/mk
BET法による比表面積:63m2/g
結晶子サイズ:12nm
表面処理剤:Al2O3
粒子サイズ(長軸径):45nm、針状比:4.5(変動係数15%)
σs:112Am2/kg
塩化ビニル共重合体 5部
(日本ゼオン社製MR−110)
ポリエステルポリウレタン樹脂 3部
分子量:3.5万
ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI
=0.9/2.6/1
−SO3Na基含有量:1×10-4eq/g
α−アルミナ(粒子サイズ0.1μm) 5部
カーボンブラック(粒子サイズ0.10μm) 0.5部
ブチルステアレート 1.5部
ステアリン酸 0.5部
メチルエチルケトン 120部
シクロヘキサノン 120部
トルエン 60部
実施例1の磁気テープの作製と同様にして、表1に示す特性を有する磁気テープを作製した。ここで、各実施例、比較例の非磁性粉末露出率は、磁性層および非磁性層の塗料の粘度を用いた固形分成分に応じてそれぞれ変えることにより調整した。粘度は各塗料の固形分濃度により調整することができる。表1に各実施例、比較例での磁性層用塗料と非磁性層用塗料との粘度比(磁性層/非磁性層)を示す(ブルックフィールド型粘度計で測定)。本発明では、この粘度比が1.0より小さいことが好ましい。
(1)Hc、SFD
東英工業製VSMを用い、外部印加磁場10kOe(796kA/m)にて測定した。
(2)強磁性合金粉末針状比
強磁性合金粉末をTEM(透過型電子顕微鏡)を用い10万倍の写真を撮影し、500個の粒子について長軸、短軸長を測定し、それぞれ短軸長/長軸長を求め、その平均値を針状比とした。
(3)磁性層表面に占める非磁性粉末の面積比率(露出率)
媒体を直流磁化した後、平均粒径15nmの磁性コロイドにて磁気現像する。現像後の磁性層表面をSEM(走査型電子顕微鏡)にて10000倍で観察し、磁性コロイドのない部分の面積を画像解析装置で求め、全体との面積比率を計算し、これを露出率と定義した。
(1)BB−SNR(広帯域SNR)
LTO Gen2用ヘッドをプレートテスターに取り付けて、相対速度4m/secにて測定した。磁化反転密度150kfciの矩形波信号を最適記録電流にて記録し、再生信号をスペクトルアナライザーで周波数分析を行い得られたスペクトルから、記録信号出力と全帯域の積分ノイズパワーの比をdB表示した。この値は大きいほど好ましい。
(2)オーバーライト消去率
(1)と同様の測定器を用いた。始めに37.5kfciの信号を記録し再生出力V1を測定する。次に同じ場所に150kfciの信号を記録後に、37.5kfciの再生信号出力V2を測定する。オーバーライト消去率は、20log(V2/V1)にて計算される。この値が小さいほどオーバーライト特性が優れることを意味する。
実施例2の磁気テープは、磁性層が厚めだがHc×SFDが小さく、SNRが高く、オーバーライト消去率も良好である。実施例3の磁気テープは、磁性層が薄く、磁性粒子が大きく、オーバーライト消去率は良好であるが、SNRが優れたレベルにあるが若干低い。また、実施例4の磁気テープは、磁性粒子が小さく、SNRが高くなるが、オーバーライト消去率がやや低い。実施例5、6の結果より、磁性粒子の変動係数や非磁性粉末の針状比が大きいと、SNRやオーバーライト消去率がやや低くなることが分かる。
Claims (3)
- 可撓性のある非磁性支持体上に、強磁性合金粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、
磁性層の平均厚みが0.03〜0.2μmであり、
強磁性合金粉末の平均長軸長が10〜65nmであり、
磁性層の記録方向の保持力Hcが180〜290kA/mであり、
該Hcと磁性層の記録方向の反転磁界分布SFDとの積Hc×SFDが30〜130kA/mである、
ことを特徴とする磁気記録媒体。 - 強磁性合金粉末の針状比の変動係数(標準偏差/平均値)が25%以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
- 非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層を有し、磁性層表面に露出する非磁性粉末の占める面積比率が20%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
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