JP2005222604A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】SN比が高く、良好なオーバーライト特性を示す塗布型の磁気記録媒体を提供すること。
【解決手段】可撓性のある非磁性支持体上に、強磁性合金粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、磁性層の平均厚みが0.03〜0.2μmであり、強磁性合金粉末の平均長軸長が10〜65nmであり、磁性層の記録方向の保持力Hcが180〜290kA/mであり、該Hcと磁性層の記録方向の反転磁界分布SFDとの積Hc×SFDが30〜130kA/mである磁気記録媒体。
【選択図】 なし

Description

本発明は磁気記録媒体に関し、特にSN比が高く、オーバーライト特性に優れた高密度記録用の塗布型記録媒体に関する。
近年、磁気ディスク、磁気テープなどの磁気記録媒体において、記録密度の向上が著しい。高密度記録に適応する磁気記録媒体では、磁性粒子の抗磁力Hcの向上および微細化、磁性層の薄層化などが進んでいる。
磁性層の薄層化は、デジタル記録の分解能を向上させるのに有効な手段であり、特に、高感度の磁気抵抗型(MR)ヘッドを用いたときに効果が大きい。このことは、磁性金属薄膜を蒸着で形成した蒸着テープを使った実験結果の報告がある(例えば、非特許文献1および2参照)。
一方、塗布型の磁気記録媒体において磁性粒子が従来の誘導型ヘッドで高性能が得られる強磁性合金粉末では、MRヘッドでの再生時にノイズが大きいうえに、MR素子の飽和現象も引き起こしやすく、高いSN比(SNR)を得ることができない。そこで、特にMRヘッドでの再生に使用する高密度記録用に、従来から知られている鉄を主体とする針状合金粉末(以下、メタル粉末ともいう。)の粒子サイズの微細化が行われてきており、100nm以下の長軸長を有するメタル粉末も実用化されている。これらメタル粉末のHcの発現は、主として形状異方性により、長軸長が短くなるにつれて形状保持が困難になり高いHcが得られにくくなるので、コバルトを合金成分として用いることにより平均的なHcを向上させている。しかし、微細化にともない磁性粒子の形状のばらつきが大きくなり、形状分布に起因する反転磁界分布(SFD)の増大により、高密度記録での分解能とオーバーライト(O/W)特性が低下することが問題である。このSFDは磁性粒子の形状のばらつき以外に粒子の配向も影響する。微粒子になると磁性塗料の流動による配向性が低下してSFDが大きくなる傾向にある。
微細な磁性粒子を用いた場合に、HcやSFDを規定する先行技術があり、例えば特許文献1には、高出力を得る目的で、磁性粉末として六方晶フェライトを用い、SFDを0.3以下にした磁気記録媒体が開示されている。しかし、六方晶フェライトの様な板状の磁性粒子を磁場で配列させ低いSFDを達成しようとすると、磁性体同士が板面で重なりあう(スタッキング)が発生するので、出力は高くなってもノイズが高くSNRは充分ではない。
また、SFDが生じる原因としては、磁性層の塗布欠陥も挙げられる。特に、磁性層を薄くするために、支持体上に非磁性層を設け、その上に薄い磁性層を形成させる方法が知られているが、磁性層厚みが0.2μm以下になると非磁性層中の非磁性粉末の磁性層への混合や、微小なピンホールにより、塗布欠陥を生じやすくなる。このような塗布欠陥が多発すると磁性粒子の配向性も低下し、これらに起因する磁化のばらつきにより、ノイズが増加してSNRが低下し、オーバーライト特性も劣化してしまうことになる。
特開平6−215351号公報 IEEE trans. mag.,1999年,第35巻,第2号,729頁 映像情報メディア学会技術報告,1999年,第23巻,第78号,21頁
本発明は、特にMRヘッドを使用する高密度記録用で、SN比が高く、良好なオーバーライト特性を示す塗布型の磁気記録媒体を提供することを課題とする。
上記課題は、下記構成の磁気記録媒体によって解決される。
(1)可撓性のある非磁性支持体上に、強磁性合金粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、
磁性層の平均厚みが0.03〜0.2μmであり、
強磁性合金粉末の平均長軸長が10〜65nmであり、
磁性層の記録方向の保持力Hcが180〜290kA/mであり、
該Hcと磁性層の記録方向の反転磁界分布SFDとの積Hc×SFDが30〜130kA/mである、
ことを特徴とする磁気記録媒体。
(2)強磁性合金粉末の針状比の変動係数(標準偏差/平均値)が25%以下であることを特徴とする上記(1)に記載の磁気記録媒体。
(3)非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層を有し、磁性層表面に露出する非磁性粉末の占める面積比率が20%以下であることを特徴とする上記(1)または(2)に記載の磁気記録媒体。
発明者らは、生産性や保存性の優れた塗布型の磁気記録媒体において、高密度記録に適した磁気記録媒体の検討を行い、本発明に至った。
本発明では、平均長軸長が10〜65nmと小さい強磁性合金粉末を用い、次性層の記録方向の保持力Hcを180〜290kA/mとすることで、SN比を向上させることができる。前述のとおり、このように微細な磁性粒子では反転磁界分布SFDが大きくなりやすく、分解能とオーバーライト特性が低下しがちであるが、本発明ではHcとSFDの積を30〜130kA/mにすることにより、分解能とオーバーライト特性とを両立することができる。また、Hcを高くすることによってもオーバーライト特性は低下しがちであるが、本発明では磁性層を0.03〜2μmと薄層化することにより防ぐことができる。磁性層の薄層化は、記録再生における分解能を向上させ、高密度記録を行う上でも好ましい。
以上のように、本発明では、磁性層の平均厚み、強磁性合金粉末の平均長軸長、磁性層のHc、およびHcとSFDの積を制御することにより、良好なSN比とオーバーライト特性を得ることができる。
HcとSFDの積を30〜130kA/mにするためには、磁性粒子の形状や配向のばらつきを小さくすること、また磁性層の塗布欠陥を減らし均一な磁性層を形成することが有効である。
磁性粒子の配向については、前述のとおり、本発明のように平均長軸長の短い強磁性合金粉末では、塗料の流動により配向にばらつきが生じやすいので、形状のばらつきを小さくすることが好ましい。すなわち、本発明では、強磁性合金粉末の針状比の変動係数(標準偏差/平均値)を25%以下とすることが好ましい。
また、均一な磁性層として、磁性層の下層として非磁性層を設ける場合に、磁性層表面に露出する非磁性粉末の占める面積比率が20%以下であることが好ましい。
本発明によれば、SN比が高く、オーバーライト特性に優れた高密度記録用の塗布型磁気記録媒体を提供することができる。本発明の磁気記録媒体は、MRヘッドと組み合わせての使用に適しており、生産性や保存性にも優れている。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の磁気記録媒体は、可撓性のある非磁性支持体上に、強磁性合金粉末および結合剤を含む磁性層を有する。非磁性支持体と磁性層との間には、磁性層の下層として、非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層を設けることが、磁性層を薄層化し、高密度記録に適したものとしやすい点で好ましい。必要に応じて、非磁性支持体の磁性層を有する側とは反対側の表面にバックコート層を設けたり、磁性層を有する側の表面に下塗層を設けたりすることもできる。
これらの各層はそれぞれ単一の組成からなる単層でも、互いに組成の異なる複数の層でもよい。例えば、複数磁性層を設ける場合には、特開平6−13955号公報に記載されるような技術を適用できる。
<磁性層>
本発明では、磁性層の平均厚みdを0.03〜0.2μm、好ましくは0.05〜0.16μmとする。
本発明の磁気記録媒体では磁性層の厚みが薄いため飽和記録状態になるので、磁性層の厚み変動がないことが理想である。実用上、磁性層厚みの標準偏差σと平均厚みdの関係がσ/d≦0.3であることが好ましく、σ/d≦0.2であることがより好ましい。σを小さくする具体的手段は、特登第2566096号に記載の方法が挙げられる。例えば、磁性層の下層として非磁性層を設け、非磁性層形成用の非磁性塗料にチクソトロピック性をもたせる、非磁性層に針状非磁性粉末を用いる、非磁性塗料を塗布乾燥後に磁性層形成用の磁性塗料を塗布するwet on dry方式を採用するなどが挙げられる。
本発明では、非磁性層を設ける場合に、磁性層表面に露出する非磁性粉末の占める面積比率が、20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。該面積比率が20%以下の磁性層は、磁化の均一性が高く、SFDを小さく(磁性層のHcとSFDの積を制御でき)、オーバーライト特性が向上する。このために、非磁性塗料と同時または塗布後、乾燥前に磁性塗料を塗布するwet on wet方式において、磁性塗料の粘度を低減して、非磁性粉末が磁性層に混合すること防止したり、wet on dry方式で磁性塗料の粘度を低減して塗布時にピンホールの形成を防止することが好ましい。
本発明において、磁性層の記録方向に測定した抗磁力Hcは、180〜290kA/mであり、好ましくは185〜270kA/mである。SFDは0.15〜0.7が好ましく、0.2〜0.6がより好ましい。Hc×SFDは、30〜130kA/mであり、好ましくは55〜125、より好ましくは60〜120である。SFDは小さいほど好ましいが現実的に得られるのは0.15程度である。Hc×SFDが130kA/mを超えると、高いSN比、良好なオーバーライト特性を両立させて得ることが困難となる。磁性層のHcは、主に用いる強磁性合金粉末のHcなどの磁気的特性を変えることにより調整することができ、SFDは強磁性合金粉末の形状や磁性層の磁化の均一性を変えるにより調整することができる。
本発明において、磁性層の残留磁化量φrは50〜500G・μmが好ましく、使用するMRヘッドが飽和しない範囲で最適化する。例えば、特開平10−134306号公報や「映像情報メディア学会技術報告,1999年,第23巻,第78号,21頁」には、蒸着テープにおけるφrとMRヘッドの飽和磁化・厚みの関係が開示されている。本発明の塗布型磁気記録媒体においても同様の関係を満たすことが望ましい。残留磁化量を上記に設定する方法は、使用する結合剤の量や、使用する強磁性合金粉末の飽和磁化を変えることなどが挙げられる。例えば、O/Wの要求から、磁性層を薄め(例えば、0.08μm以下)に設定するときは、強磁性合金粉末としては、飽和磁化σsが大きい(例えば、110〜120Am2/kg)ものを用いるのが好ましい。
(強磁性合金粉末)
本発明の磁性層に用いる強磁性合金粉末は、飽和磁化σsが好ましくは130Am2/kg以下、より好ましくは80〜120Am2/kg、さらに好ましくはは90〜120Am2/kgの合金粉末を用いる。
強磁性合金粉末の平均長軸長は、10〜65nmであり、好ましくは20〜50nmである。短軸径は好ましくは5〜20nm、より好ましくは8〜15nmである。針状比(長軸長/短軸長)は好ましくは2.5〜10、より好ましくは3〜8である。針状比の分布を示す変動係数(標準偏差/平均値)は25%以下であることが好ましく、20%以下であることがより好ましく、18%以下であることがより好ましい。針状比の変動係数が25%以下と粉末の形状のばらつきを小さくすることで、SFDを小さくし(磁性層のHcとSFDの積を制御でき)、オーバーライト特性を向上させることができる。
強磁性合金粉末の平均粒子体積は、好ましくは1500〜15000nm3、より好ましくは2000〜12000nm3、さらに好ましくは3000〜10000nm3である。
強磁性合金粉末の保持力Hcは、好ましくは180〜290kA/m、より好ましくは185〜270kA/mである。記録の原理から大きい方が好ましいが、記録ヘッドの能力を考えると、現状では、180〜290KA/mが適している。
強磁性合金粉末の結晶子サイズは5〜25nmであることが好ましく、8〜15nmであることがより好ましく、8〜12nmであることがさらに好ましい。
強磁性金属粉末のBET法による比表面積(SBET)は、40〜90m2/gであることが好ましく、50〜80m2/gであることがさらに好ましい。
本発明で用いる強磁性合金粉末は、主成分となるα−Fe以外に、Al、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、Sm、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。熱的な安定性向上のために、Al、Si、Ta、Y等を表面に被着または固溶させることもできる。特にHcを高くするためには、CoやSm、Nd等をFeに対して5〜40質量%添加することが好ましい。
強磁性合金粉末は、必要に応じ、Al、Si、P又はこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。また、分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあらかじめ処理を行ってもかまわない。
(結合剤)
本発明の磁性層には公知の結合剤が使用でき、例えば、特登第2566096号、同第2571351号公報に記載のものを使用できる。これら結合剤には、強磁性合金粉末との吸着を促進する官能基(SO3M、PO3Mなど。Mは水素原子又はアルカリ金属塩基)を含んでいることが好ましく、さらにエポキシ基を含むものも好ましい。分子量は好ましくは10000〜100000、より好ましくは20000〜60000である。使用量は、強磁性合金粉末100質量部に対して好ましくは5〜25質量部、より好ましくは5〜20質量部、さらに好ましくは5〜15質量部である。
(添加剤など)
本発明では、磁性層には、後述する種々の添加剤を使用することができる。
例えば、研磨剤としてα−アルミナ、Cr23等を含むことが可能である。研磨剤の平均粒径はwet on wet方式で塗布する場合、磁性層厚みの1/3以上5倍以下、wet on dry方式の塗布では磁性層厚みの1/3以上2倍以下が好ましい。大きすぎるとノイズやドロップアウトの原因となる。特にwet on dry方式の塗布では研磨剤が突起になりやすいので微粒子のものが好ましい。
磁性層には、このほか固体潤滑剤(粒径30nm以上のカーボン)や、脂肪酸や脂肪酸エステルなど液体潤滑剤を添加できる。
他にも、磁性層組成のpH、表面処理については公知の技術を使うことができる。
<非磁性層>
非磁性層に主成分として用いる非磁性粉末は、針状で、平均長軸長が好ましくは0.2μm以下、より好ましくは0.05〜0.15μmで、針状比が磁性層中の強磁性合金粉末より小さいことが好ましい。非磁性粉末の針状比は5〜20が好ましく、0.3≦強磁性合金粉末の針状比/非磁性粉末の針状比≦0.9、の関係にあることがさらに好ましい。
針状の非磁性粉末としては、具体的には、TiO2、ヘマタイト、α−アルミナ、γ−アルミナ、ZrO2、CeO2、Cr23、SiO2などの酸化物、非磁性金属などが挙げられる。
本発明で特に好ましい非磁性粉末は、pH5以上の針状の金属酸化物である。これらは結合剤中の官能基との吸着性が高いので分散がよく、また塗膜の機械的な強度も高いので好ましい。
非磁性粉末のその他の好ましい態様として、DBP吸油量が好ましくは5〜100ml/100g、より好ましくは10〜80ml/100g、更に好ましくは20〜60ml/100gである。比重は好ましくは1〜12、より好ましくは3〜6である。強熱減量は20質量%以下であることが好ましい。モース硬度は4以上のものが好ましい。粉体表面のラフネスファクターは0.8〜1.5が好ましく、更に好ましいのは0.9〜1.2である。ステアリン酸(SA)吸着量は好ましくは1〜20μmol/m2、更に好ましくは2〜15μmol/m2である。25℃での水への湿潤熱は200〜600erg/cm2の範囲にあることが好ましい。
非磁性粉末の粉体表面は、Al23、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb23、ZnOで表面処理することが好ましい。特に分散性向上の点で好ましいのは、Al23、SiO2、TiO2、ZrO2である。これらは組み合わせて使用してもよいし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いてもよいし、先ずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する構造、その逆の構造を取ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
非磁性層には、針状の非磁性粉末に加えて、平均粒子サイズ50nm以下、好ましくは40nm以下で、かつ真比重5以下の粒状粉末を針状非磁性粉末100質量部に対して5〜30質量部混合することが好ましい。これら粒状粉末としてはTiO2、ヘマタイト、アルミナ、ZrO2、CeO2、Cr23、SiO2などの酸化物、非磁性金属、有機樹脂フィラー、カーボンブラック等が用いられる。特に平均粒子サイズ30nm以下のカーボンブラックが好適である。
非磁性層に用いる結合剤は、磁性層と同様のものでよいが、分散性を向上させる官能基(SO3M、PO3Mなど。Mは水素原子又はアルカリ金属塩基)を含むことはさらに好ましく、また分子量は好ましくは2〜5万、より好ましくは3〜5万である。分子量が大きすぎるとカレンダ成形効果が劣化する傾向がある。
非磁性粉末と結合剤との分散性を向上させるためには、上記官能基を有する結合剤を用いるとともに、非磁性粉末に分散を促進するアルミナや芳香族リン化合物を表面処理するとさらに有効である。
詳しくは特登第2566088号、同第2634792号公報に記載されており、これらに記載の技術は本発明にも適用できる。
非磁性層の厚みは、好ましくは0.3〜3μm、より好ましくは0.5〜2μmである。
<結合剤>
本発明では、磁性層および非磁性層に結合剤としてポリイソシアネートを用いることができる。具体的には、トリレンジイソシアネート、4−4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート等を使用することができる。これらを単独または硬化反応性の差を利用して2つまたはそれ以上の組合せで用いることもできる。
上記のポリイソシアネートを含め結合剤は、磁性層や非磁性層以外にも、バックコート層などにも用いることができる。また、磁性層を2層以上設ける場合には、各磁性層に用いることができる。その場合、結合剤量、結合剤中に占める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート、またはそれ以外の樹脂量、磁性層を形成する各樹脂の分子量、極性基量、あるいは樹脂の物理特性などを必要に応じ非磁性層、バックコート層、各磁性層とで変えることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきである。多層磁性層に関する公知技術を適用することもでき、例えば、各層で結合剤量を変更する場合、磁性層表面の擦傷を減らすためには磁性層の結合剤量を増量することが有効であり、ヘッドに対するヘッドタッチを良好にするためには、非磁性層の結合剤量を多くして柔軟性を持たせることができる。
<添加剤>
(カーボンブラック)
本発明では、磁性層や非磁性層およびバックコート層などその他の層にカーボンブラックを使用することができる。使用されるカーボンブラックの例は、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等が挙げられる。
カーボンブラックの比表面積は5〜500m2/g、DBP吸油量は10〜400ml/100g、粒子径は5〜300nm、pHは2〜10、含水率は0.1〜10質量%、タップ密度は0.1〜1g/ml、が好ましい。
カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは単独、または組合せで使用することができる。
カーボンブラックは、強磁性合金粉末または非磁性粉末に対して、0.1〜30質量%で用いることが好ましい。
カーボンブラックは、帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。したがって、本発明に使用されるこれらのカーボンブラックは、添加する層に応じて、その種類、量、組合せを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性をもとに目的に応じて使い分けることはもちろん可能である。
本発明で使用できるカーボンブラックは、例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協会編)を参考にすることができる。
(研磨剤)
本発明で使用することのできる研磨剤としては、α化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイヤモンド、窒化珪素、炭化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主としてモース硬度6以上の公知の材料が単独又は組み合わせで使用される。 また、これらの研磨剤どうしの複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。これらの研磨剤は、主成分以外の化合物又は元素を含む場合もあるが、主成分が90質量%以上であれば効果に変わりはない。
研磨剤のタップ密度は、0.3〜2g/ml、含水率は0.1〜5質量%、pHは2〜11、比表面積は1〜30m2/gであることが好ましい。本発明に用いられる研磨剤の形状は、針状、球状及びサイコロ状のいずれでもよいが、形状の一部に角を有するものが、研磨性が高くて好ましい。
研磨剤は、磁性層、非磁性層など添加する各層で、種類、量および組合せを変え、目的に応じて使い分けることはもちろん可能である。これらの研磨剤はあらかじめ結合剤で分散処理したのち塗料中に添加してもかまわない。
(その他の添加剤)
本発明では、添加剤として、潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果、などをもつものを使用することができる。例えば、二硫化モリブデン、二硫化タングステングラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)およびこれらの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)、炭素数12〜22の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、炭素数12〜22のアルコキシアルコール、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコールのいずれか一つ(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)とからなるモノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、などが挙げられる。
これらの具体例において、脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸などが挙げられる。エステル類としては、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレートなどが挙げられる。アルコール類としては、オレイルアルコール、ラウリルアルコールなどが挙げられる。
添加剤としては、また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基、などの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。
これらの潤滑剤、帯電防止剤等の添加剤は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。
本発明で使用されるこれらの添加剤は各層でその種類、量を必要に応じ使い分けることができる。例えば、非磁性層、磁性層で、融点の異なる脂肪酸を用いて表面へのにじみ出しを制御する、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多くして潤滑効果を向上させるなどが考えられ、無論ここに示した例のみに限られるものではない。また本発明で用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、塗料製造のどの工程で添加してもかまわない。例えば、混練工程前に強磁性合金粉末と混合する場合、強磁性合金粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。また、目的に応じて磁性層を塗布した後、同時または逐次塗布で、添加剤の一部または全部を塗布することにより目的が達成される場合がある。また、目的によっては、カレンダ処理した後、またはスリット終了後、磁性層表面に潤滑剤を塗布することもできる。
(塗料溶媒)
本発明で磁性層等の形成用塗料に用いることのできる有機溶媒は、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等のものが挙げられる。これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれていてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。
本発明で用いる有機溶媒は、磁性層と非磁性層とでその種類は同じであることが好ましい。その添加量は変えてもかまわない。非磁性層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性をあげる、具体的には磁性層溶剤組成の算術平均値が非磁性層溶剤組成の算術平均値を下回らないことが好ましい。
分散性を向上させるためにはある程度極性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電率が15以上の溶剤が50%以上含まれることが好ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが好ましい。
<バックコート層、下塗層>
本発明では、支持体と下層の間に密着性向上のための下塗層を設けてもかまわない。下塗層の厚みは、好ましくは0.01〜2μm、より好ましくは0.02〜0.5μmである。
また、支持体の磁性層側と反対側にバックコート層を設けてもかまわない。バックコート層の厚みは、好ましくは0.1〜2μm、好ましくは0.3〜1.0μmである。
これらの下塗層、バックコート層は公知のものが使用できる。
<可撓性非磁性支持体>
本発明で用いる可撓性非磁性支持体の厚みは、好ましくは1〜100μm、より好ましくは3〜80μmである。
可撓性非磁性支持体としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル類、ポリオレフィン類、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、アラミド、芳香族ポリアミドなどの公知のフィルムが使用できる。
これらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理などをおこなってもよい。
本発明に用いられる支持体は、磁気テープとする場合、MD方向のヤング率が好ましくは400〜1500kg/mm2、より好ましくは500〜1300kg/mm2、TD方向のヤング率が好ましくは500〜2000kg/mm2、より好ましくは700〜1800kg/mm2で、ヤング率のTD/MD比が好ましくは1/1〜1/5、より好ましくは1/1〜1/3である。
また、支持体のテープ走行方向および幅方向の100℃30分での熱収縮率は好ましくは3%以下、さらに好ましくは1.5%以下、80℃30分での熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。破断強度は両方向とも5〜100kg/mm2が好ましい。
<磁気記録媒体の製法>
本発明の磁気記録媒体の磁性塗料および非磁性塗料などを製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上にわかれていてもかまわない。本発明に使用する強磁性合金粉末や非磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。
本発明では、例えば非磁性層と磁性層からなる重層構成を塗布する装置および方法としては、以下のような装置および方法を採用することができる。
(1)磁性塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗布装置、ロール塗布装置、ブレード塗布装置、エクストルージョン塗布装置等により、まず非磁性層を塗布し、非磁性層がウェット状態のうちに特公平1−46186号公報や特開昭660−238179号公報、特開平2−265672号公報に開示されている支持体加圧型エクストルージョン塗布装置により磁性層を塗布する。
(2)特開昭63−88080号公報、特開平2−17971号公報、特開平2−265672号公報に開示されているような塗布液通液スリットを2つ内蔵する1つの塗布ヘッドにより磁性層と非磁性層をほぼ同時に塗布する。
(3)特開平2−174965号公報に開示されているようなバックアップロール付きエクストルージョン塗布装置により磁性層と非磁性層をほぼ同時に塗布する。
なお、磁性粒子の凝集による磁気記録媒体の電磁変換特性等の低下を防止するため、特開昭62−95174号公報や特開平1−236968号公報に開示されているような方法により塗布ヘッド内部の塗布液にせん断を付与することが望ましい。さらに、塗布液の粘度については、特開平3−8471号公報に開示されている数値範囲を満足することが好ましい。
磁性塗料を塗布後、強磁性合金粉末を配向させる。このとき、1000G以上のソレノイドと2000G以上のコバルト磁石を同極対向で併用することが好ましく、さらには乾燥後の配向性が最も高くなるように配向前に予め適度の乾燥工程を設けることが好ましい。また、ディスク媒体とする場合には、むしろ配向をランダマイズするような配向法が必要である。
配向後、カレンダ処理を行うことが好ましい。カレンダ処理ロールとしては、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性のあるプラスチックロールを使用することができる。また、金属ロールを用いることもできる。処理温度は、好ましくは70℃以上、さらに好ましくは80℃以上である。線圧力は好ましくは200kg/cm、さらに好ましくは300kg/cm以上である。
<媒体特性>
本発明の磁気記録媒体では、磁性層面およびその反対面のSUS420Jに対する摩擦係数は好ましくは0.5以下、より好ましくは0.3以下であり、表面固有抵抗は好ましくは104〜1012Ω/sqである。
磁性層の0.5%伸びでの弾性率は走行方向、幅方向とも好ましくは100〜2000kg/mm2、破断強度は好ましくは1〜30kg/cm2である。
磁気記録媒体としての弾性率は走行方向、幅方向とも好ましくは100〜1500kg/mm2、残留のびは好ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下、最も好ましくは0.1%以下である。
磁性層のガラス転移温度(110Hzで測定した動的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)は50℃以上120℃以下が好ましく、非磁性層のそれは0℃〜100℃が好ましい。損失弾性率は1×108〜8×109dyne/cm2の範囲にあることが好ましく、損失正接は0.2以下であることが好ましい。損失正接が大きすぎると粘着故障が出やすい。
磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは100mg/m2以下、さらに好ましくは10mg/m2以下である。磁性層が有する空隙率は非磁性層、磁性層とも好ましくは30容量%以下、さらに好ましくは20容量%以下である。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、目的によってはある値を確保した方が良い場合がある。
磁性層の表面は粗さスペクトルにおいて、波長1〜5μmの粗さ成分強度が0.2nm2以下、波長0.5〜1.0μmの粗さ成分強度が0.02〜0.1nm2が好ましい。SNRを良好にするためには、粗さ強度が小さい程好ましいが、走行耐久性を良好にするためには、波長0.5〜1.0μmの粗さ成分強度が0.02〜0.1nm2に保つことが好ましい。
本発明の磁気記録媒体は、目的の応じて、非磁性層と磁性層でこれらの物理特性を変えることができる。例えば、磁性層の弾性率を高くし走行耐久性を向上させると同時に非磁性層の弾性率を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当りを良くするなどである。2層以上の磁性層にそれぞれどのような物理特性をもたらすかは、公知の磁性層重層に関する技術を参考にすることができる。例えば磁性層のHcを非磁性層のHcより高くすることは、特公昭37−2218号公報、特開昭58−56228号公報等により知られているが、本発明のように磁性層を薄層にすることにより、より高いHcの磁性層でも記録が可能になる。
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、実施例中の「部」特に示さない限り質量部を示す。
(実施例1)
(1)非磁性層用塗料組成
非磁性粉末(α−Fe23) 80部
平均長軸長:0.15μm、針状比:8.5
BET法による比表面積:56m2/g
pH:8
Fe23含有量:90%以上
DBP吸油量:27〜38ml/100g
表面処理剤:Al23
カーボンブラック 20部
平均一次粒子径:16nm
DBP吸油量:80ml/100g
pH:8.0
BET法による比表面積:250m2/g
揮発分:1.5%
塩化ビニル共重合体 10部
(日本ゼオン社製MR−110)
ポリエステルポリウレタン樹脂 5部
分子量:3.5万
ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI
=0.9/2.6/1
−SO3Na基含有量:1×10-4eq/g
ブチルステアレート 1部
ステアリン酸 1部
メチルエチルケトン 100部
シクロヘキサノン 50部
トルエン 50部
(1)磁性層用塗料組成
強磁性合金粉末(組成:Fe/Co=75/25) 100部
Hc:191kA/mk
BET法による比表面積:63m2/g
結晶子サイズ:12nm
表面処理剤:Al23
粒子サイズ(長軸径):45nm、針状比:4.5(変動係数15%)
σs:112Am2/kg
塩化ビニル共重合体 5部
(日本ゼオン社製MR−110)
ポリエステルポリウレタン樹脂 3部
分子量:3.5万
ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI
=0.9/2.6/1
−SO3Na基含有量:1×10-4eq/g
α−アルミナ(粒子サイズ0.1μm) 5部
カーボンブラック(粒子サイズ0.10μm) 0.5部
ブチルステアレート 1.5部
ステアリン酸 0.5部
メチルエチルケトン 120部
シクロヘキサノン 120部
トルエン 60部
上記2つの塗料のそれぞれについて、各成分を連続ニーダで混練したのち、サンドミルを用いて分散させた。得られた分散液にポリイソシアネートを非磁性層用塗料には3部、磁性層用塗料には1部を加え、さらにそれぞれにメチルエチルケトン、シクロヘキサノン混合溶媒40部を加え,1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性層、磁性層用の塗料をそれぞれ調整した。得られた非磁性層用塗料を乾燥後の厚さが1.2μmになるように、さらにその直後にその上に磁性層用塗料を乾燥後の厚さが0.1μmになるように、厚さ5.5μmで、MD方向、TD方向のヤング率がそれぞれ600kg/mm2、900kg/mm2のポリエチレンナフタレート支持体上に同時重層塗布を行い、両層がまだ湿潤状態にあるうちに3000Gの磁力をもつコバルト磁石と1500Gの磁力をもつソレノイドにより配向させた後、乾燥した。そのカレンダで表面平滑化処理を行い、1/2インチ幅にスリットし、磁気テ−プを製造した。
(実施例2〜6、比較例1〜3)
実施例1の磁気テープの作製と同様にして、表1に示す特性を有する磁気テープを作製した。ここで、各実施例、比較例の非磁性粉末露出率は、磁性層および非磁性層の塗料の粘度を用いた固形分成分に応じてそれぞれ変えることにより調整した。粘度は各塗料の固形分濃度により調整することができる。表1に各実施例、比較例での磁性層用塗料と非磁性層用塗料との粘度比(磁性層/非磁性層)を示す(ブルックフィールド型粘度計で測定)。本発明では、この粘度比が1.0より小さいことが好ましい。
各実施例、比較例において、磁性層の記録方向でのHcとSFD、強磁性合金粉末の針状比、磁性層表面に露出する非磁性粉末の面積比率は、下記の測定方法により測定した。
(1)Hc、SFD
東英工業製VSMを用い、外部印加磁場10kOe(796kA/m)にて測定した。
(2)強磁性合金粉末針状比
強磁性合金粉末をTEM(透過型電子顕微鏡)を用い10万倍の写真を撮影し、500個の粒子について長軸、短軸長を測定し、それぞれ短軸長/長軸長を求め、その平均値を針状比とした。
(3)磁性層表面に占める非磁性粉末の面積比率(露出率)
媒体を直流磁化した後、平均粒径15nmの磁性コロイドにて磁気現像する。現像後の磁性層表面をSEM(走査型電子顕微鏡)にて10000倍で観察し、磁性コロイドのない部分の面積を画像解析装置で求め、全体との面積比率を計算し、これを露出率と定義した。
得られた磁気テープの性能を以下のように評価した。その結果を表1に示す。
(1)BB−SNR(広帯域SNR)
LTO Gen2用ヘッドをプレートテスターに取り付けて、相対速度4m/secにて測定した。磁化反転密度150kfciの矩形波信号を最適記録電流にて記録し、再生信号をスペクトルアナライザーで周波数分析を行い得られたスペクトルから、記録信号出力と全帯域の積分ノイズパワーの比をdB表示した。この値は大きいほど好ましい。
(2)オーバーライト消去率
(1)と同様の測定器を用いた。始めに37.5kfciの信号を記録し再生出力V1を測定する。次に同じ場所に150kfciの信号を記録後に、37.5kfciの再生信号出力V2を測定する。オーバーライト消去率は、20log(V2/V1)にて計算される。この値が小さいほどオーバーライト特性が優れることを意味する。
Figure 2005222604
表1に示すように、実施例の磁気テープは、SNR、オーバーライト消去率とも、比較例の磁気テープに比べ優れている。
実施例2の磁気テープは、磁性層が厚めだがHc×SFDが小さく、SNRが高く、オーバーライト消去率も良好である。実施例3の磁気テープは、磁性層が薄く、磁性粒子が大きく、オーバーライト消去率は良好であるが、SNRが優れたレベルにあるが若干低い。また、実施例4の磁気テープは、磁性粒子が小さく、SNRが高くなるが、オーバーライト消去率がやや低い。実施例5、6の結果より、磁性粒子の変動係数や非磁性粉末の針状比が大きいと、SNRやオーバーライト消去率がやや低くなることが分かる。

Claims (3)

  1. 可撓性のある非磁性支持体上に、強磁性合金粉末および結合剤を含む磁性層を有する磁気記録媒体であって、
    磁性層の平均厚みが0.03〜0.2μmであり、
    強磁性合金粉末の平均長軸長が10〜65nmであり、
    磁性層の記録方向の保持力Hcが180〜290kA/mであり、
    該Hcと磁性層の記録方向の反転磁界分布SFDとの積Hc×SFDが30〜130kA/mである、
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 強磁性合金粉末の針状比の変動係数(標準偏差/平均値)が25%以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 非磁性支持体と磁性層との間に、非磁性粉末および結合剤を含む非磁性層を有し、磁性層表面に露出する非磁性粉末の占める面積比率が20%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体。
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