JP2007250821A - 磁性シート - Google Patents

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Abstract

【課題】高い透磁率を有し、かつ形状変化の少ない磁性シートを提供する。
【解決手段】ベースフィルム3と、ベースフィルム3の上面に形成された磁性層2とを有する磁性シート1であって、磁性層2は、軟磁性粒子(透磁率が大きく、かつ保磁力Hcの小さな磁性粒子)と、バインダーとしてのポリカーボネートポリウレタン樹脂と、硬化剤としてのイソシアヌレート環を有するイソシアヌレート化合物とを含有している。この場合、例えば、バインダー100重量部に対して5重量部以上30重量部以下の範囲内で硬化剤を含有させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、軟磁性粒子、バインダーおよび硬化剤を含有する磁性シートに関するものである。
この種の磁性シートとして、特開2003−243877号公報に開示されている磁性シート(防磁性シート)が知られている。この磁性シートは、少なくとも一種類の軟磁性粒子と、高分子材料と、揮発性溶剤とからなる液状(ペースト状)の防磁性組成物を絶縁性支持体の少なくとも一方の表面に塗布することによって得られるものであり、柔軟性を有し、薄くて軽量であるという特徴を備えている。この場合、必要に応じて、分散剤、安定剤、滑剤、充填剤、増量剤、可塑剤、架橋剤、老化防止剤、加硫促進剤などの各種添加剤を含有することもできる。この磁性シートによれば、上記の特徴を備えたことにより、電子装置のプラスチック筐体の壁面に貼り付けたり、導体ケーブルの外面に巻回したりして、都合良く使用することができる。
特開2003−243877号公報(第1,4,9頁)
ところが、従来のこの種の磁性シートには、以下の問題点がある。すなわち、この種の磁性シートには、温度や湿度の環境の変化による形状の変化を低減する(具体的には厚みの変化を低減する)ために架橋剤(硬化剤)を含有させたときに、密度が低下して透磁率が低下するという問題点が存在している。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであり、高い透磁率を有し、かつ形状変化の少ない磁性シートを提供することを主目的とする。
上記目的を達成すべく本発明に係る磁性シートは、バインダー、硬化剤および軟磁性粒子を含有する磁性層を有し、前記硬化剤はイソシアヌレート環を有するイソシアヌレート化合物である。
この場合、前記バインダー100重量部に対して5重量部以上30重量部以下の範囲内で前記硬化剤を含有している。
また、前記バインダー100重量部に対して10重量部以上30重量部以下の範囲内で前記硬化剤を含有させるのが好ましい。
また、前記バインダー100重量部に対して10重量部以上20重量部以下の範囲内で前記硬化剤を含有させるのがより好ましい。
本発明に係る磁性シートによれば、硬化剤としてイソシアヌレート環を有するイソシアヌレート化合物を含有させたことにより、理由は不明だが、磁性層の密度および透磁率の向上を維持しつつ、磁性層の形状変化(例えば厚みの変化)を大幅に低減させることができる。
また、本発明に係る磁性シートによれば、バインダー100重量部に対して5重量部以上30重量部以下の範囲内で硬化剤を含有させたことにより、温度や湿度の変化の前後での形状変化を十分に低く(具体的には、厚みの膨張率を15%以下に)抑えることができる。
また、バインダー100重量部に対して10重量部以上30重量部以下の範囲内で硬化剤を含有させることで、温度や湿度の変化の前後での形状変化を一層低く(具体的には、厚みの膨張率を8%以下に)抑えることができる。
また、バインダー100重量部に対して10重量部以上20重量部以下の範囲内で硬化剤を含有させることで、温度や湿度の変化の前後での形状変化を低く抑えつつ、透磁率をより高い状態(45以上)に維持することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る磁性シートの最良の形態について説明する。
最初に、本発明に係る磁性シート1の構成について、図面を参照して説明する。
図1に示す磁性シート1は、磁性層2がベースフィルム(非磁性支持体)3の少なくとも一方の面(本例では、同図に示すように上面)上に形成されて構成されている。
(ベースフィルム)
ベースフィルム3として用いる支持体には特に制限はなく、目的に応じて公知の絶縁性材料で形成された支持体を用いることができる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテート、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、アラミド、芳香族ポリアミド等の樹脂材料で形成された絶縁性支持体(絶縁フィルム)を用いることができる。また、ベースフィルム3は、通常、その厚みが3μm〜100μmの範囲内に設定される。また、ベースフィルム3は、長尺な帯状(テープ状)、シート状、カード状、ディスク状等、各種の平面視形状に形成することができる。
(磁性層)
磁性層2は、バインダー、少なくとも一種類の軟磁性粒子、および硬化剤を含有する。この場合、軟磁性粒子としては、一般的に、透磁率が大きく、かつ保磁力Hcの小さな(例えば約790A/m(10エルステッド)以下の)磁性材料が好ましい。このような軟磁性粒子としては、例えば、フェライトなどが挙げられるが、軟磁性合金または軟磁性アモルファス合金として分類される合金系軟磁性粒子なども好ましい。この場合、上記した軟磁性粒子を1種類用いてもよいし、複数種類を混合して用いてもよい。
磁性層2用のバインダー(結合剤)としては、公知のバインダーを用いることができる。この場合、ポリカーボネートポリウレタン樹脂が好ましい。このポリカーボネートポリウレタン樹脂は、ポリカーボネートポリオールとポリイソシアネートのウレタン化反応によって合成される。この場合、ポリカーボネートポリオールとしては、ジアリルカーボネートまたはジアルキルカーボネートと、公知の多価アルコールとの縮合反応によって得られるものが用いられる。ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等が挙げられる。
また、バインダーの配合比は、軟磁性粒子100重量部に対し、好ましくは8重量部以上22重量部以下の範囲内に、特に好ましくは8重量部以上18重量部以下の範囲内に設定される。結合剤としてポリカーボネートポリウレタン樹脂をこの範囲で配合することにより、乾燥工程において揮発性溶剤を揮発させた際に、磁性層2に発生する空孔の数を軽減でき、かつその後のカレンダー処理において、発生した空孔を減少させることができ、その結果として、磁性層2、ひいては磁性シート1の密度を高めて透磁率を向上させることができる。なお、バインダーの配合比が少なすぎると、磁性層2の塗膜強度が低下し、他方、バインダーの含有量が多すぎると、軟磁性粒子の含有量が低下して、磁性層2の透磁率が低下する。
硬化剤としては、イソシアヌレート環を有するイソシアヌレート化合物を用いる。また、硬化剤の配合比は、バインダー100重量部に対し、好ましくは5重量部以上30重量部以下の範囲内に、さらに好ましくは10重量部以上30重量部以下の範囲内に、特に好ましくは10重量部以上20重量部以下の範囲内に設定される。硬化剤としてイソシアヌレート環を有するイソシアヌレート化合物をこの範囲で配合することにより、磁性層2の密度および透磁率を高い状態に維持しつつ、磁性層2の厚みの変化を大幅に低減させることができる。なお、硬化剤の配合比が少なすぎると、磁性層2の厚みの変化が大きくなり、他方、硬化剤の配合比が多すぎると、軟磁性粒子の含有量が低下して、磁性層2の透磁率が低下する。
硬化剤としては、例えば、下記一般式(I)で示されるイソシアヌレート環を有するイソシアネート化合物を採用することができ、通常の方法で合成されたものでも、市販品でも用いることができる。
Figure 2007250821
市販品の具体例としては、例えば、スミジュールILなど(住友バイエルウレタン社製)、コロネート2030など(日本ポリウレタン社製)、パーノック D−800(大日本インキ社製)、マイテック GP−700A(三菱化成社製)、タケネート D−204EAなど(武田薬品社製)などが挙げられる。これらは下記式(II)で示されるTDI(トリレンジイソシアネート)3量体構造を有する。
Figure 2007250821
また、デスモジュール KL−2444(住友バイエルウレタン社製)、コロネート−HX(日本ポリウレタン社製)なども挙げられる。これらは下記式(III)で示されるHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート)3量体構造を有する。
Figure 2007250821
さらには、デスモジュール Z−4370(住友バイエルウレタン社製)、イソシアネート T−1890(HULE社製)なども挙げられる。これらは下記式(IV)で示されるIPDI(イソホロンジイソシアネート)3量体構造を有する。
Figure 2007250821
磁性層2を形成するための磁性塗料の調整に際しては揮発性溶剤を用いるが、このような揮発性溶剤としては、例えば、トルエンやキシレンなどの芳香族系溶剤、アセトン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸エチルや酢酸ブチルなどの酢酸エステル系溶剤、エタノールやイソプロパノールなどのアルコール系溶剤の他、ヘキサン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
磁性層2を形成するための磁性塗料は、公知の方法で、上記各成分に上記揮発性溶剤を加えて、混合、攪拌、混練、分散等を行うことにより調製される。一例として、磁性層2を形成するための磁性塗料は、上記の軟磁性粒子、バインダーおよび硬化剤に、揮発性溶剤として例えばメチルエチルケトンおよびトルエンを軟磁性粒子100重量部に対して25重量部ずつ投入して十分に混練し、その後に、さらにメチルエチルケトンおよびトルエンを軟磁性粒子100重量部に対して50重量部ずつ追加投入して十分に混練を行うことで調整する。この場合、軟磁性粒子を揮発性溶剤、バインダーおよび硬化剤と混練し、これらを均一に分散させる方法としては、ニーダー、ボールミル、ロールミル、ジェットミルなどを使用して行う方法を採用することができる。
また、磁性層2中には、必要に応じて、分散剤、安定剤、滑剤、充填剤、増量剤、可塑剤、他の硬化剤、老化防止剤、加硫促進剤、難燃性材料などの各種添加剤を添加してもよい。このような添加剤は、例えば、上記方法で作製した磁性塗料に添加および混合する。
(磁性シート1の製造)
上記のようにして調製された磁性塗料を用いて、塗布、配向、乾燥、カレンダーおよび硬化等することにより、磁性層2をベースフィルム3上に形成して、図1に示す磁性シート1を製造する。
具体的には、まず、塗布工程を行うことにより、ベースフィルム3の一方の面上に調製された磁性塗料を塗布して、未硬化の磁性層2を形成する。この場合、磁性塗料の塗布に際しては、グラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布などの公知の塗布方法を用いることができる。次いで、未硬化の磁性層2に対して配向磁界を印加して軟磁性粒子を配向する。
続いて、乾燥工程を行うことにより、磁性層2を乾燥させる。この乾燥工程では、磁性層2を60℃雰囲気内で乾燥させて、磁性層2内の揮発性溶剤を揮発させ、その後に、加熱状態の磁性層2に対して金属ロールによりカレンダー処理を行う。揮発性溶剤の揮発によって磁性層2に空孔(気孔)が残ったときには、磁性層2およびベースフィルム3全体の密度(具体的には磁性層2の密度)が高くならないことがあるが、加熱状態の磁性層2にカレンダー処理を行い、磁性層2に対して垂直な方向(厚み方向)に圧力を加えることにより、磁性層2に発生した空孔を減少させて、磁性層2およびベースフィルム3全体の密度(具体的には磁性層2の密度)を高めると共に、軟磁性粒子の配向性を改善することができる。
次いで、カレンダー処理を完了した磁性層2およびベースフィルム3(磁性シート1の原反)を巻取りロールに巻き取る。最後に、巻き取った状態の磁性シート1の原反に対して、60℃雰囲気内で24時間放置する熱硬化処理を行い、磁性シート1の作製が完了する。
このように、この磁性シート1によれば、硬化剤としてイソシアヌレート環を有するイソシアヌレート化合物を含有させた磁性塗料を用いることにより、磁性層2の密度および透磁率を高い状態に維持しつつ、形状変化、具体的には磁性層2の厚みの変化を大幅に抑えることができる。また、この磁性シート1は、透磁率が高く、かつ形状変化が少ないため、例えば電子機器の輻射ノイズ対策等に、電波干渉防止材や電波吸収体として好適に使用することができる。また、RFIDタグの安定動作に不可欠である搬送波(磁界)収束部材としても好適に用いることができる。
なお、磁性層2がベースフィルム3上に一体的に形成された磁性シート1について上記したが、図5に示すように、ベースフィルム3の表面に剥離層12が形成されたフィルム13を使用し、この剥離層12の表面に磁性層2を形成して磁性シート11を構成することもできる。この場合、磁性層2は、ベースフィルム3から剥離して単体でも用いられるため、本発明における磁性シートとして機能する。なお、磁性シート1と同一の構成については同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
次に、実施例を挙げて本発明に係る磁性シート1について詳細に説明する。
[軟磁性粒子の製造例]
水アトマイズ法により、合金粒子(Fe/Si/Cr=75/24/1(原子比))を作製し、次いで、媒体撹拌ミルにより、合金粒子を扁平化する。続いて、熱処理を施して、扁平状軟磁性合金粒子からなる軟磁性粒子を得た。媒体撹拌ミルによる扁平化は、扁平状軟磁性合金粒子の重量平均粒径D50が25μmとなるまで行った。重量平均粒径D50は、光散乱を使用した粒度分析計によって測定した。熱処理は、0.1体積%〜1体積%の酸素を含む窒素雰囲気中にて、350℃で20分間から1時間行った。なお、分析型走査型電子顕微鏡で測定したところ、軟磁性粒子の平均厚さは、0.1μm〜1.0μmであった。
[実施例1]
(磁性塗料の調製)
軟磁性粒子(上記製造例で製造したもの) 100重量部
(Fe/Si/Cr=75/24/1(原子比)、Hc:490A/m、厚み:0.1μm〜1.0μm、D50:25μm)
バインダー(結合剤) ポリカーボネートポリウレタン樹脂 18重量部
(日本ポリウレタン工業(株)製 商品名:N5230、粘度:8000〜18000cp/25℃、Tg:−33℃)
揮発性溶剤 メチルエチルケトン 25重量部
揮発性溶剤 トルエン 25重量部
上記の各材料をニーダーで混練した後、揮発性溶剤としてメチルエチルケトンおよびトルエンをさらに50重量部ずつ投入して混練を行い、最後に、硬化剤(日本ポリウレタン工業(株)製 商品名:コロネート2030)をバインダー量100重量部に対して5重量部、添加および混合して、磁性塗料を作製した。なお、上記したバインダーおよび各揮発性溶剤の各配合比は、軟磁性粒子の配合量を100としたときの数値で示したものである。
(磁性層形成工程)
25μm厚のPET製のベースフィルム3の一方の面上に、ブレード塗布方式により、カレンダー加工後の厚みが50μmとなるように磁性塗料を塗布し、次いで、配向磁界を印加して配向を行い、続いて、60℃雰囲気内で乾燥させた。その後に、金属ロールを用いたカレンダーによって、ニップ数1回で加工を行い、磁性層2を形成した。
以上のようにして得られた磁性シート1の原反を、巻取りロールに巻き取った状態で、60℃で24時間熱硬化させ、この磁性シート1を以下の各評価で規定されている形状に裁断することにより、磁性シートのサンプルを作製した。
[実施例2〜4]
また、上記した磁性塗料の調製において、硬化剤の配合比を図2に示すように変えた以外は、上記した実施例1と同様にして、磁性シート1を作製し、この磁性シート1を以下の各評価で規定されている形状に裁断することにより、実施例2〜4としての磁性シートのサンプルを作製した。
[比較例1]
また、上記した磁性塗料の調製において、硬化剤の配合比を図2に示すようにゼロにした(硬化剤を配合しない)以外は、上記した実施例1と同様にして、磁性シート1を作製し、この磁性シート1を以下の各評価で規定されている形状に裁断することにより、比較例1としての磁性シートのサンプルを作製した。
[実施例5]
また、上記した磁性塗料の調製において、硬化剤(日本ポリウレタン工業(株)製 商品名:コロネート−HX)を用い、その配合比を図3に示すようにした以外は、上記した実施例1と同様にして、磁性シート1を作製し、この磁性シート1を以下の各評価で規定されている形状に裁断することにより、実施例5としての磁性シートのサンプルを作製した。
[比較例2]
また、上記した磁性塗料の調製において、硬化剤(日本ポリウレタン工業(株)製 商品名:コロネートL)を用い、その配合比を図4に示すようにした以外は、上記した実施例1と同様にして、磁性シート1を作製し、この磁性シート1を以下の各評価で規定されている形状に裁断することにより、比較例1としての磁性シートのサンプルを作製した。なお、この硬化剤(日本ポリウレタン工業(株)製 商品名:コロネートL)は、イソシアヌレート環を有するイソシアヌレート化合物ではなく、脂肪族グリセリンのトリイソシアネート化合物である。
[磁性シートの評価]
各磁性シートのサンプルについて、次の評価試験を実施した。
(透磁率)
磁性シート1を外径14mm、内径6mmのリング状体に打ち抜いて作製したサンプルについて、アジレントテクノロジー社製の測定器「Agilent 4291B RFインピーダンス/マテリアル・アナライザ」を使用して、13.56MHzでの透磁率を測定した。
(密度)
磁性シート1を20mm×20mmの方形状体に裁断して作製したサンプルについて、ソニー社製の測定器「μ−mate」を使用して磁性層2の厚みを測定し、また磁性層2の重量も測定して、得られた厚みと重量とから磁性層2の密度を算出した。
(膨張率)
磁性シート1を20mm×20mmの方形状体に裁断して作製したサンプルについて、高温貯蔵(85℃、2000時間)、低温貯蔵(−40℃、1000時間)、および高湿貯蔵(60℃、90%RH、2000時間)を連続して行い、保存(一連の貯蔵)前後での磁性層2の厚みをソニー社製の測定器「μ−mate」を使用して測定した。また、測定した保存前の厚みと保存後の厚みとから、保存前を基準とした保存後の磁性層2の膨張率を算出した。
以上の各実施例1〜5および各比較例1,2についての透磁率、密度および膨張率の測定結果を、硬化剤の種類および配合比と共に図2〜図4の測定結果図に示す。この測定結果から、図2に示すように、硬化剤としてコロネート2030(イソシアヌレート環を有するイソシアヌレート化合物)をバインダー100重量部に対して5重量部以上30重量部以下の範囲内で添加した磁性シートサンプルでは、磁性層2の密度および透磁率をそれぞれ高い状態(密度:2.8g/cm以上、透磁率:40以上)に維持しつつ、言い換えれば密度および透磁率の低下を最小限に抑制しつつ、膨張率を15パーセント以下に低減できること、つまり磁性層2の形状変化(具体的には厚みの変化)を大幅に低減できることが確認された。
また、さらに、バインダー100重量部に対して10重量部以上30重量部以下の範囲内でコロネート2030を添加した磁性シートサンプルでは、磁性層2の高い密度および高い透磁率を維持しつつ、膨張率を7パーセントに低減できること、つまり磁性層2の厚みの変化を一層低減できることが確認された。また、特に、バインダー100重量部に対して10重量部以上20重量部以下の範囲内でコロネート2030を添加した磁性シートサンプルでは、膨張率を7パーセントに維持して磁性層2の厚みの変化を低減させつつ、一層高い密度(3.1g/cm以上)および一層高い透磁率(45以上)を確保できることが確認された。
また、図3に示すように、コロネート2030と同様に、イソシアヌレート環を有するイソシアヌレート化合物であるコロネート−HXをバインダー100重量部に対して10重量部添加した磁性シートサンプルにおいても、磁性層2の密度および透磁率をそれぞれ高い状態に維持しつつ、膨張率を8パーセントに低減できること、つまり磁性層2の厚みの変化を大幅に低減できることが確認された。
他方、図4に示すように、コロネート2030およびコロネート−HXとは異なり、イソシアヌレート環を有するイソシアヌレート化合物ではなく、脂肪族グリセリンのトリイソシアネート化合物としてのコロネートLをバインダー100重量部に対して10重量部添加した磁性シートサンプルでは、磁性層2の膨張率を8パーセントに低減でき、これによって磁性層2の厚みの変化を大幅に低減できるものの、磁性層2の密度および透磁率をそれぞれ高い状態に維持できないこと、つまり密度および透磁率の低下を抑制できないことが確認された。
したがって、硬化剤としてコロネート2030やコロネート−HXのようなイソシアヌレート環を有するイソシアヌレート化合物を好ましくはバインダー100重量部に対して5重量部以上30重量部以下の範囲内で、さらに好ましくは10重量部以上30重量部以下の範囲内で添加させることにより、磁性層2の密度および透磁率を高い状態に維持しつつ、その膨張率を規定値(15パーセント)以下に低下できることが確認された。また、特に、10重量部以上20重量部以下の範囲内で上記の硬化剤を添加させることにより、膨張率を一層低減させつつ、磁性層2の密度および透磁率をより高い状態に維持できることが確認された。
本発明に係る磁性シート1の断面図である。 各実施例1〜4および比較例1についての硬化剤の種類、その添加量、その磁性層2の透磁率、密度および膨張率の測定結果を示す測定結果図である。 実施例5についての硬化剤の種類、その添加量、その磁性層2の透磁率、密度および膨張率の測定結果を示す測定結果図である。 比較例2についての硬化剤の種類、その添加量、その磁性層2の透磁率、密度および膨張率の測定結果を示す測定結果図である。 本発明に係る磁性シート11の断面図である。
符号の説明
1,11 磁性シート
2 磁性層
3 ベースフィルム

Claims (2)

  1. バインダー、硬化剤および軟磁性粒子を含有する磁性層を有し、前記硬化剤はイソシアヌレート環を有するイソシアヌレート化合物である磁性シート。
  2. 前記バインダー100重量部に対して5重量部以上30重量部以下の範囲内で前記硬化剤を含有している請求項1記載の磁性シート。
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