JP2007250697A - サーマルランド付き配線基板及び該配線基板を備えた電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】サーマルランド13において、半田が充填された部品取付け孔12から伝えられた熱は、まず、部品取付け孔12の縁部の円環状銅箔領域17へ伝わり、さらに、円環状銅箔領域17から4つの内周側スポーク領域27のうち、直近の内側スポーク領域27へ集まり、各内周側スポーク領域27から、狭幅銅箔領域26を円周方向に沿って、外周側スポーク領域28へ向けて伝導し、外周側スポーク領域28からこのサーマルランドの周囲のベタパターン領域へ向けて伝えられるので、円周方向に沿った熱伝導経路が追加されていることによって、全体として、熱容量を増加させる効果を得ることができ、一段と熱の放散を抑制し、スルーホール内部の温度を十分上昇させるようにすることができる。
【選択図】図1
Description
一般に、多層プリント配線板101は、図10に示すように、内層としての信号層102と、電源層(グランド層)103とを含む複数層からなる所定の基板厚さtaの多層構造とされている。
半田付けの際には、部品のリードをスルーホールに挿入した後、フロー装置を用いた一括半田付け(ディップソルダリング)や、半田鏝を用いた人手による半田付けが行われる。
半田付けの仕上がりを悪化させる原因の1つに、半田付け時の温度上昇が不十分であることによって、スルーホールの端部まで半田が十分に上がらない半田上がり性の悪化がある。これによって、スルーホール内部全体に亘って、高品質の半田付けができないと、接続強度不足となり、接続信頼性に悪影響を及ぼす。
例えば、図11に示すように、スルーホールの下端部で加熱されると、熱は、スルーホール内部を経由して、各配線層(信号層、電源層、グランド層)へ伝達される。
このサーマルランド203は、図12に示すように、部品取付け孔202の周りの略円環状の最内周領域204と、最内周領域204の周縁部に、部品取付け孔202から遠ざかる向きに(部品取付け孔202の中心を基準点とした動径方向に沿って)熱伝導経路を限定するためのスポーク205が設けられた周縁部領域206とを有している。
周縁部領域206においては、最内周領域204から4方向に放射状に等角度間隔で(90°間隔で)熱伝導経路としてのスポーク205が形成され、スポーク205を残して円弧上に銅箔がエッチングされた非熱伝導領域が形成されている。
これによって、最内周領域204からは、スポーク205を経由することによって、同図中矢印で示すように、熱伝導経路が4方向に限定され、サーマルランド203の周囲のベタパターン領域へ向けて熱が伝導するので、スルーホールの熱容量を低減させ、スルーホール内部の温度を半田付けのために十分な温度まで上昇させることができる。
特に、大型コンピュータ装置等では、数十層の層数となり、層数の増加に伴って、熱の伝導経路が増加することとなり、スルーホール近傍の温度を上昇させることが困難となる。
また、多層プリント配線板の厚さが厚くなることによって、スルーホールの長さが長くなり、スルーホール内部への半田付けが一段と困難になってきている。
しかしながら、鉛フリー半田を用いた場合には、溶融温度が数十度高くなるという問題がある。すなわち、従来の共晶半田の融点は、183℃であるが、鉛フリー半田の融点は、その組成によるが、一般に、210〜220℃近傍まで高くなる。
このため、より熱の放散を抑制することができるサーマルランドとして、図13に示すように、電源層(グランド層)301の部品取付け孔302の周りに形成するサーマルランド303において、スポーク304の幅daを狭くする方法が考えられる。
このため、図14に示すように、スポークの幅を狭くせず、電源層(グランド層)401の部品取付け孔402の周りに形成するサーマルランド403において、スポーク404の長さdbを長くする方法が考えられる。
すなわち、サーマルランド全体のサイズが大きくなってしまうことで、近年多用される狭ピッチの半田付け用のリードを有する部品を実装する場合には、図15に示すように、互いに隣接するサーマルランド同士が干渉してしまい、内部に浮島が発生する等の不都合が生じる可能性がある。
スルーホール5には、電子部品又は電気部品として、コネクタ、電界コンデンサ、コンバータモジュール等の半田付け用のリード4が挿入され、リード4が挿入された状態で半田6が充填されて、電子部品又は電気部品が取り付けられる。なお、スルーホール5の内壁面には、金属めっきが施されている。
また、外周部領域16は、最内周伝導領域15の円環状銅箔領域17に連接され、所定の伝導経路に沿って熱及び電気が伝導されるように形成された銅箔からなる銅箔領域18と、銅箔がエッチングされて形成された非銅箔領域19とからなっている。
内周側非銅箔領域21は、最内周伝導領域15の外側に形成され、略90°の角度間隔で配置された4つの円弧状非銅箔領域23からなっている。
また、外周側非銅箔領域22は、内周側非銅箔領域21の外側に形成され、略90°の角度間隔で配置された4つの円弧状非銅箔領域24からなっている。
この例では、外周側非銅箔領域22の円弧状非銅箔領域24は、内周側非銅箔領域21の円弧状非銅箔領域23に対して円周に沿って略45°ずらして配置されている。
また、迂回経路としての狭幅銅箔領域26は、円周方向に沿って形成されていることにより、サーマルランド13全体のサイズは増大化されない。
すなわち、伝導経路Rは、円環状銅箔領域17の内周側端縁の任意の位置から直近の内周側スポーク領域27に達する経路と、各内周側スポーク領域27を通過する経路と、内周側スポーク領域27から、円周方向に沿って両側に分岐し、狭幅銅箔領域26を円周方向に沿って伝導し、その内周側スポーク領域27から最も近い外周側スポーク領域28に達する経路と。外周側スポーク領域28を通過する経路と、外周側スポーク領域28から、このサーマルランド13の周囲のベタパターン領域へ向かう経路とからなっている(図5参照)。
半田付けの際に、例えば半田鏝から半田に与えられた熱は、図4に示すように、スルーホール5を介して、各導電層2に伝わる。電源層9(グランド層11)においては、熱は、各部品取付け孔12から略放射状にその部品取付け孔12から見て周縁部へ向けて拡散する。
部品取付け孔12に対応するサーマルランド13において、図5に示すように、半田が充填された部品取付け孔12から伝えられた熱は、円環状銅箔領域17の内側端縁の任意の位置から、円環状銅箔領域17を伝導して、4つの内周側スポーク領域27のうち、直近の内周側スポーク領域27に達する(集まる)。内周側スポーク領域27に達した熱は、内周側スポーク領域27を通過し、4方向に導かれる。
内周側スポーク領域27を通過した熱は、円周方向に沿って両側に分岐し、それぞれ、狭幅銅箔領域26を円周方向に沿って伝導し、その内周側スポーク領域27から最も近い両外周側スポーク領域28に達する。外周側スポーク領域28に達した熱は、外周側スポーク領域28を通過し、4方向に、このサーマルランド13から周囲のベタパターン領域へ向けて伝えられる。
また、迂回経路としての狭幅銅箔領域26は、円周方向に沿って形成されているので、サーマルランド13全体のサイズを増大化させることはない。
しかも、熱伝導経路を円周に沿って比較的長い道のりとなるように確保したので、熱放散抑制機能を強化しつつ、サーマルランド全体の大きさをコンパクト化することができる。
したがって、狭ピッチの半田付け用のリードを有する部品を採用した際に生じるサーマルランド同士の干渉等の問題を解消することができる。
この例が上述した第1の実施例と大きく異なるところは、円周方向の熱伝導経路の一部を切断するように構成した点である。
これ以外の構成は、上述した第1の実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略にする。
また、外周部領域35は、円環状銅箔領域36に連接され、所定の伝導経路に沿って熱及び電気が伝導するように形成された銅箔からなる銅箔領域37と、銅箔がエッチングされて形成された非銅箔領域38とからなっている。
すなわち、この例の非銅箔領域38は、円環状銅箔領域36側に配置された内周側円弧状非銅箔領域39と、このサーマルランド13Aの外周側に配置された外周側円弧状非銅箔領域41とが、略扇形状の連結非銅箔領域42を介して接続されてなる4つの略Z字状の分割非銅箔領域43が、略90°の角度間隔で配置されるようにして構成されている。
また、この例では、各分割非銅箔領域43で、外周側円弧状非銅箔領域41は、内周側円弧状非銅箔領域39に対して、反時計周りに略45°ずらされるように配置されている。
これによって、内周側スポーク領域44を通過した熱は、円周方向に沿って形成された狭幅銅箔領域46を伝導して、外周側スポーク領域45から4方向にこのサーマルランド13Aの周囲のベタパターン領域へ放射状に導かれる。
半田付けの際に、例えば判断鏝から半田に与えられた熱は、スルーホールを介して、各導電層に伝わる。電源層31(グランド層32)においては、図7に示すように、熱は、各部品取付け孔33から略放射状にその部品取付け孔33から見て周縁部へ向けて伝導する。
部品取付け孔33に対応するサーマルランド13Aにおいて、図7に示すように、半田が充填された部品取付け孔33から伝えられた熱は、円環状銅箔領域36の内側端縁の任意の位置から、円環状銅箔領域36を伝導して、4つの内周側スポーク領域44のうち、直近の内周側スポーク領域44に達する。内周側スポーク領域44に達した熱は、内周側スポーク領域44を通過し、4方向に導かれる。
内周側スポーク領域44を通過した熱は、狭幅銅箔領域46を円周方向に沿って伝導し、外周側スポーク領域45に達する。外周側スポーク領域45に達した熱は、外周側スポーク領域45を通過し、4方向に、このサーマルランド13Aのベタパターン領域へ伝えられる。ここで、狭幅銅箔領域46を円周方向に沿って熱が伝導する分、迂回させることとなる。
加えて、第1の実施例に比べて、伝導経路がさらに限定されるため、一段と熱の放散を抑制することができる。
この例が上述した第2の実施例と大きく異なるところは、分割非銅箔領域の連結非銅箔領域の一部を削除して、迂回銅箔領域の狭幅銅箔領域を円周方向に沿って伸長させるように形成した点である。
これ以外の構成は、上述した第2の実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略する。
また、周縁部領域53は、円環状銅箔領域54に連接され、所定の伝導経路に沿って熱及び電気が伝導するように形成された銅箔からなる銅箔領域55と、銅箔がエッチングされて形成された非銅箔領域56とからなっている。
すなわち、この例の非銅箔領域56は、円環状銅箔領域54側に配置された内周側円弧状非銅箔領域57と、このサーマルランド13Bの外周側に配置された外周側円弧状非銅箔領域58とが、略扇形状の連結非銅箔領域59を介して接続されてなる4つの略Z字状の分割非銅箔領域61が、略90°の角度間隔で配置されるようにして構成されている。
また、この例では、各分割非銅箔領域61で、外周側円弧状非銅箔領域58は、内周側円弧状非銅箔領域57に対して、反時計周りに略45°ずらされるように配置されている。
これによって、内周側スポーク領域62を通過した熱は、円周方向に沿って形成された狭幅銅箔領域64を伝導して、外周側スポーク領域63から4方向にこのサーマルランド13Aの周囲のベタパターン領域へ放射状に導かれる。
加えて、迂回経路を一段と長く形成することができるので、一段と熱の放散を抑制することができる。
この例が上述した第1の実施例と大きく異なるところは、スポーク領域を内周側と外周側とにそれぞれ3箇所に放射状に形成するように構成した点である。
これ以外の構成は、上述した第1の実施例の構成と略同一であるので、その説明を簡略する。
また、外周部領域91は、円環状銅箔領域に連接され、所定の伝導経路に沿って熱及び電気が伝導するように形成された銅箔からなる銅箔領域92と、銅箔がエッチングされて形成された非銅箔領域93とからなっている。
内周側非銅箔領域94は、最内周伝導領域89の外側に形成され、略120°の角度間隔で配置された3つの円弧状非銅箔領域94aからなっている。
また、外周側非銅箔領域95は、内周側非銅箔領域94の外周側に形成され、略120°の角度間隔で配置された3つの円弧状非銅箔領域95aからなっている。この例では、外周側非銅箔領域95の円弧状非銅箔領域95aは、内周側非銅箔領域94の円弧状非銅箔領域94aに対して円周に沿って略60°ずらして配置されている。
例えば、上述した実施例では、周縁領域の円環状の非銅箔領域を2重に設ける場合について述べたが、非銅箔領域を3重以上として、熱伝導経路のうち、弧状の迂回経路を2重以上としても良い。また、熱伝導経路のうち、動径方向に沿った放射状の経路は、対称な配置に限らず、非対称な配置としても良い。
例えば、熱伝導経路のうち、迂回経路としては、弧状の経路に限らず、例えば、円周方向(角度方向)に沿って渦巻き状に迂回経路を形成するように構成しても良い。これによって、迂回経路の長さをさらに長く設定することができる。
また、最内周側の銅箔領域の形状は、円形に限らず楕円形でも良いし、多角形でも良いし、不定形であっても良い。また、外周側の非銅箔領域の形状も円弧状に限らず、多角形状としても良いし、形成された層の配線パターンや他のスルーホールの配置パターン等に応じて、非対称な形状としても良いし、不定形としても良い。
また、スポーク領域を、内周側と外周側とで、それぞれ、4箇所(4本)又は3箇所とする場合について述べたが、2箇所以下としても良いし、5箇所以上としても良い。これに対応して、スポーク領域間の角度も90°又は120°に限らない。また、必ずしも、等角度間隔で配置しなくても良い。また、内周側スポーク領域と、外周側スポーク領域との角度差は、45°又は60°に限らない。
また、金属箔として、銅箔のほか、例えば、銀箔やアルミニウム箔を用いる場合に適用できる。
また、層間(導電層間)の絶縁層としては、例えば、エポキシ樹脂等からなる板状、フィルム状、又は膜状の絶縁層を形成する方法を用いる場合に適用できる。
また、スルーホールのほか、基板を貫通しないビアホールにリードを挿通して半田付けする場合に適用できる。
2 導電層
3 絶縁層
4 リード(リード端子)
5 スルーホール(部品取付け孔)
8 信号層
9,31,48,86 電源層
11,32,49,87 グランド層
12,33,51,88 部品取付け孔
13,13A,13B.13D サーマルランド
15 最内周伝導領域
16 外周部領域
17 円環状銅箔領域
23,24 円弧状非銅箔領域
26 狭幅銅箔領域
27 内周側スポーク領域
28 外周側スポーク領域
R,S 伝導経路(熱伝達路)
Claims (8)
- 絶縁性材料からなる基板本体と、
該基板本体の一方の面に設けられ、所定の面領域を有する金属箔からなる金属箔べたと、
該金属箔べたの前記面領域内に穿設された部品取付け孔と、
前記金属箔べたの前記面領域内であって、前記部品取付け孔の周りの前記金属箔を部分的に除去して設けられ、前記部品取付け孔に挿入された電気/電子部品のリード端子と前記金属箔べたとを前記部品取付け孔の部位にて半田付けする際に、熱拡散を防止するサーマルランドとを備えてなる配線基板であって、
前記サーマルランドは、前記部品取付け孔の全周縁部位からの熱拡散を紆余曲折させて遅滞させるパターン形状に形成されていることを特徴とするサーマルランド付き配線基板。 - 前記サーマルランドは、
前記部品取付け孔の周りに設けられ、前記金属箔の狭幅領域を介して互いに隔てられる、複数の概略円弧状の非金属箔領域と、前記非金属箔領域と隣の前記非金属箔領域とによって紆余曲折に画成される前記金属箔からなる熱伝達路とからなることを特徴とする請求項1記載のサーマルランド付き配線基板。 - 前記熱伝達路は、前記部品取付け孔から離れる向きに沿って形成された離心部位と、前記部品取付け孔の周りを周回する方向に沿って形成された周回部位とを有することを特徴とする請求項1又は2記載のサーマルランド付き配線基板。
- 前記熱伝達路は、前記熱伝達路の複数の内周側端部及び外周側端部が、前記部品取付け孔の周りに、それぞれ、略等角度間隔で配置されるように形成されていることを特徴とする請求項1、2又は3記載のサーマルランド付き配線基板。
- 互いに径の異なる前記非金属箔領域が、前記部品取付け孔の周りに多重に設けられ、前記離心部位は、周回方向に沿って互いに隣り合う前記非金属箔領域間に形成され、前記周回部位は、離心方向に沿って互いに隣り合う前記非金属箔領域間に形成されていることを特徴とする請求項3又は4記載のサーマルランド付き配線基板。
- 前記金属箔べたは、電源層又は接地層を構成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載のサーマルランド付き配線基板。
- 前記部品取付け孔は、スルーホール又はビアホールを構成することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載のサーマルランド付き配線基板。
- 請求項1乃至7のいずれか1に記載のサーマルランド付き配線基板を備えたことを特徴とする電子機器。
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