JP2007244390A - フラボノイド経路の酵素をコードする遺伝子配列およびそれらの使用 - Google Patents

フラボノイド経路の酵素をコードする遺伝子配列およびそれらの使用 Download PDF

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Abstract

【課題】フラボノイド経路の代謝酵素、詳しくは、フラボノイド3'-ヒドロキシラーゼまたはその誘導体および植物および他の生物における色素沈着の操作におけるそれらの使用方法の提供。
【解決手段】フラボノイド3'-ヒドロキシラーゼまたはその誘導体をコードする特定のヌクレオチドの配列を含んでなり、フラボノイド3'-ヒドロキシラーゼまたはその誘導体は、既存のヌクレオチド配列によりコードされるフラボノイド3'-ヒドロキシラーゼよりも、植物中のフラボノイド化合物のヒドロキシル化のより効率よいモジュレーションを行うことができる、単離された核酸分子。
【選択図】なし

Description

本発明は、一般に、フラボノイド経路代謝酵素をコードする遺伝子配列に関し、さらに詳しくは、フラボノイド3'-ヒドロキシラーゼ(以後「F3'Hと呼ぶ)またはその誘導体および植物および他の生物における色素沈着の操作におけるそれらの使用に関する。
この明細書において著者が言及する刊行物の引用文献の詳細は説明の終わりに集められている。明細書および請求の範囲において言及されるヌクレオチドおよびアミノ酸の配列の配列番号(配列番号)は、引用文献の後に定義されている。配列番号の要約、それらが関係する配列は、実施例の前に記載されている。
この明細書を通じて、特記しない限り、用語「含んでなる」は、記載された要素もしくは整数または記載された複数の要素または整数の群を含むことを意味するが、他の要素もしくは整数または他の複数要素もしくは整数の群を排除しないことが理解されるであろう。
組換えDNA技術の急速に発展する複雑化は、バイオテクノロジーに関係する工業の範囲における研究および発展を大きく促進している。最近、園芸学的工業は、この技術の利益を受けるようになっており、この技術は植物における疾患耐性および切り取った後に遅延した老衰を示す花を開発するために寄与した。また、花の色の操作が多少注目されてきている。
花栽培業は花植物の新しくかつ異なる品種の開発に奮起している。このような新規な品種をつくる有効な方法は花の色の操作による。古典的育種技術は、花の商品的品種の大部分について広い範囲の色を生成するために、多少の成功をもって、使用されてきている。しかしながら、このアプローチは特定の種の遺伝子の拘束により制限されてきており、この理由で、単一の種が着色した品種の完全なスペクトルを有することは稀である。さらに、伝統的育種技術は精度を欠ける。花の美的魅力は、多数の因子、例えば、形態、香りおよび色の組合わせである;ハイブリダイズによる1つの特性の修飾は等しく有益な特徴を犠牲にすることがしばしばある。切り花および鑑賞種において正確な色の変化を遺伝的に操作する可能性は、製品回転が急速でありかつ新規性が重要な市場の特性である産業において、有意な商業的機会を提供するであろう。
花の色は主として2つの型の色素のためである:フラボノイドおよびカロチノイド。フラボノイドは黄色から赤色から青色までの範囲に寄与する。カロチノイドはオレンジ色または黄色の色合いを付与し、普通に黄色またはオレンジ色の花において主要な色素である。花の色に主要な寄与をなすフラボノイド分子はアントシアニン類であり、これらはシアニジン、デルフィニジン、ペツニジン、ペオニジン、マルビジンおよびペラルゴニジンのグリコシル化誘導体であり、そして液胞の中に局在化する。異なるアントシアニン類は色の顕著な差を生成する。また、花の色は、無色のフラボノイドとの共色素沈着、金属との錯体化、グリコシル化、アシル化および液胞のpHにより影響を受ける(Forkman、1991)。
フラボノイド色素の生合成経路(以後「フラボノイド経路」と呼ぶ)はよく確立されており、第1a図および第1b図に示されている(EbelおよびHahlbrock、1988;HahlbrockおよびGrisebach、1979;WieringおよびDe Vlaming、1984;Schram et al.、1984;Stafford、1990;Van TunenおよびMol、1990;Dooner et al.、1991;MartinおよびGerats、1993;HoltonおよびCornish、1995)。この経路において最初に成し遂げられた過程は、3分子のマロニル-CoAと1分子のp-クマロイルーCoAとの縮合を含む。この反応は酵素カルコンシンターゼ(CHS)により触媒される。この反応の生成物、2',4,4',6'-テトラヒドロキシ-カルコンは、通常、酵素カルコンフラバノンイソメラーゼ(CHI)により急速に異性化してナリンゲニンを生成する。ナリンゲニンは引き続いてフラバノン3-ヒドロキシラーゼ(F3H)により中央環の3位においてヒドロキシル化されて、ジヒドロケンフェロール(DHK)を生成する。
DHKのB-リングのヒドロキシル化のパターンは、花弁の色の決定において主要な役割を演ずる。B-リングは3'位、または3'および5'位の両方においてヒドロキシル化されて、それぞれ、ジヒドロクエルセチン(DHQ)およびジヒドロミリセチン(DHM)を生成する。この経路に関係する2つの主要な酵素は、フラボノイド3'-ヒドロキシラーゼおよびフラボノイド3',5'-ヒドロキシラーゼであり、双方はシトクロムP450クラスである。シトクロムP450は天然に広く分布しており、そしてその遺伝子は脊椎動物、昆虫、酵母、真菌、細菌および植物から単離され、配列決定されている。
フラボノイド3'-ヒドロキシラーゼはDHKに作用してDHQを生成し、そしてナリンゲニンに作用してエリオジクチオールを生成する。DHQを還元およびグリコシル化すると、シアニジン-グリコシドおよびペオニジン-グリコシドの色素が生成し、これらは、多数の植物種(例えば、バラ、カーネーションおよびキク)において、赤色およびピンク色の花の色に寄与する。これらのアントシアニン類の合成は、また、他の花の色を生ずることがある。例えば、青色のムギナデシコ(conrnflower)はシアニンを含有する。顕花植物におけるフラボノイド3'-ヒドロキシラーゼ、またはフラボノイド経路に関係する他の酵素をコントロールする可能性は、花弁の色を操作する手段を提供する。これにより、単一の栽培種の異なる色のバージョンを発生させることができ、ある場合において、単一の種はより広い色スペクトルを生成することができる。
ペチュニアのフラボノイド3'-ヒドロキシラーゼをコードするヌクレオチド配列(本明細書において配列番号:26と呼ぶ)はクローニングされている(国際特許出願第PCT/AU93/00127号[WO93/20206号]を参照のこと)。しかしながら、この配列は植物における3'-ヒドロキシル化アントシアニンの産生を調節する能力において不十分であった。したがって、植物におけるフラボノイド化合物のヒドロキシル化を効率よく調節するフラボノイド3'-ヒドロキシラーゼをコードする他の遺伝子配列を同定することが必要である。さらに詳しくは、植物における3'-ヒドロキシル化アントシアニンの産生を効率よく調節するフラボノイド3'-ヒドロキシラーゼをコードする他の遺伝子配列を同定することが必要である。
本発明によれば、フラボノイド3'-ヒドロキシラーゼをコードする遺伝子配列が同定され、クローニングされた。本発明の組換え遺伝子配列は、例えば、新規の発現、過度に発現、抑制、アンチセンス阻害およびリボザイム活性により、この酵素をコードする遺伝子のモジュレーションを可能とする。植物におけるフラボノイド3'-ヒドロキシラーゼの合成をコントロールする能力は、個々のアントシアニンの組成の調節ならびにフラボノールおよびアントシアニンの相対レベルの変更を可能とし、これにより組織、例えば、花弁、葉、種子および果実、の色の操作を可能とする。本発明を以後において花の色の操作に関して記載するが、これは本発明が他の植物組織、例えば、葉、種子および果実の操作に拡張されることを理解してなされる。
したがって、本発明の1つの面は、フラボノイド3'-ヒドロキシラーゼまたはその誘導体をコードするヌクレオチドの配列を含んでなり、ここで前記フラボノイド3'-ヒドロキシラーゼまたはその誘導体は、配列番号:26に記載するヌクレオチド配列によりコードされるフラボノイド3'-ヒドロキシラーゼよりも、植物中のフラボノイド化合物のヒドロキシル化のより効率よいモジュレーションを行うことができる、単離された核酸分子を提供する。
本発明において使用する効率は、植物細胞中のフラボノイド化合物をヒドロキシル化するフラボノイド3'-ヒドロキシラーゼ酵素の能力に関する。これはフラボノイド経路の他の酵素が、例えば、グリコシル化、アシル化およびラムノシル化を介して、この分子をさらに修飾して、ある範囲の色の生成に寄与する種々のアントシアニンを産生することができる追加の基質を植物に提供する。これにより、3'-ヒドロキシル化アントシアニンのモジュレーションが可能となる。効率は下記から選択される1または2以上のパラメーターにより好都合に評価される:転写の程度、産生されたmRNAの量により決定される;ナリンゲニンおよび/またはDHKのヒドロキシル化の程度;mRNAの翻訳の程度、産生された翻訳産物の量により決定される;DHQまたはDHMのアントシアニン誘導体の産生の程度;組織、例えば、花、種子、葉または果実、の色に対する作用の程度。
本発明の他の面は、ペチュニア中のHt1またはHt2と表示する遺伝子座に相当するか、あるいは他の顕花植物種中の同等のこのような遺伝子座に相当するヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子に関し、ここで前記単離された核酸分子が、フラボノイド3'-ヒドロキシラーゼをコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的である。
本発明の他の面は、ペチュニア中のHt1またはHt2と表示する遺伝子座に相当するか、あるいは3'-ヒドロキシル化フラボノイドの産生をコントロールする配列を含有する他の顕花植物種中の遺伝子座に相当するヌクレオチドの配列を含んでなる単離された核酸分子を包含し、ここで前記単離された核酸分子は、配列番号:26に記載するフラボノイド3'-ヒドロキシラーゼよりも、植物中のDHKをDHQに効率よく変換することができるフラボノイド3'-ヒドロキシラーゼまたはその誘導体をコードする。
本発明の上記面によれば、実質的に配列番号:1に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそれに対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:1に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子が提供される。
関連する態様において、実質的に配列番号:3に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそれに対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:3に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子が提供される。
他の関連する態様において、実質的に配列番号:5に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそれに対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:5に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子が提供される。
なお他の関連する態様において、実質的に配列番号:7に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそれに対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:7に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子が提供される。
本発明のなおさらに他の態様は、実質的に配列番号:9に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそのコーディング領域に対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:9に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子に関する。
他のそれ以上の態様において、実質的に配列番号:14に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそれに対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:14に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子が提供される。
他のなおそれ以上の態様において、本発明は、実質的に配列番号:16に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそれに対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:16に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子に関する。
他のなお他のそれ以上の態様において、実質的に配列番号:18に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそれに対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:18に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子が提供される。
そのうえ、本発明のなおそれ以上の態様は、実質的に配列番号:20に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそれに対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:20に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子に関する。
なお他のそれ以上の態様は、実質的に配列番号:22に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそれに対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:22に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子に関する。
なおしかもそれ以上の態様において、本発明は、実質的に配列番号:24に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそれに対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:24に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる核酸分子を提供する。
特に好ましい態様において、実質的に配列番号:1に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそれに対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:1に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子が提供され、ここで前記ヌクレオチド配列はペチュニア中のHt1またはHt2と表示する遺伝子座、または他の顕花植物種中の同等のこのような遺伝子座にマッピングされ、そして前記単離された核酸分子は、フラボノイド3'-ヒドロキシラーゼをコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的である。
42℃における低いストリンジェンシイについての本明細書における言及は、少なくとも約1%から少なくとも約15%のホルムアミドおよびハイブリダイズのための少なくとも約1Mから少なくとも約2Mの塩、および洗浄条件のための少なくとも約1Mから少なくとも約2Mの塩を包含しかつ含む。必要に応じて、別のストリンジェンシイ条件、例えば、中程度のストリンジェンシイ、または高いストリンジェンシイを適用することができ、中程度のストリンジェンシイは少なくとも約16%から少なくとも約30%のホルムアミドおよびハイブリダイズのための少なくとも約0.5Mから少なくとも約0.9Mの塩、および洗浄条件のための少なくとも約0.5Mから少なくとも約0.9Mの塩を包含しかつ含み、そして高いストリンジェンシイは少なくとも約31%から少なくとも約50%のホルムアミドおよびハイブリダイズのための少なくとも約0.01Mから少なくとも約0.15Mの塩、および洗浄条件のための少なくとも約0.01Mから少なくとも約0.15Mの塩を包含しかつ含む。ハイブリダイズは異なる温度において実施することができそして、これが起こる場合、他の条件をそれに応じて調節することができる。
本発明の他の面は、実質的に配列番号:2に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる核酸分子を提供する。
関連する態様において、実質的に配列番号:4に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる核酸分子が提供される。
本発明のそれ以上の関連する態様は、実質的に配列番号:6に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる核酸分子に関する。
なお他の関連する態様は、実質的に配列番号:8に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる核酸分子を提供する。
しかもなお他の関連する態様は、実質的に配列番号:10または配列番号:11または配列番号:12または配列番号:13に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる核酸分子に関する。
他のそれ以上の態様において、実質的に配列番号:15に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる核酸分子が提供される。
しかも他のそれ以上の態様において、本発明は、実質的に配列番号:17に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる核酸分子に関する。
なおしかも他のそれ以上の態様は、実質的に配列番号:19に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる核酸分子を提供する。
そのうえ、本発明のしかもそれ以上の態様は、実質的に配列番号:21に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる核酸分子に関する。
なおしかも他のそれ以上の態様は、実質的に配列番号:23に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる核酸分子に関する。
なおしかも他のそれ以上の態様において、本発明は、実質的に配列番号:25に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる核酸分子を提供する。
特に好ましい態様において、実質的に配列番号:2に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる核酸分子が提供され、ここで前記ヌクレオチドの配列はペチュニア中のHt1またはHt2と表示する遺伝子座、または他の顕花植物種中の同等のこのような遺伝子座にマッピングされ、そして前記単離された核酸分子は、フラボノイド3'-ヒドロキシラーゼまたはその誘導体をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的である。
本発明において使用する用語「類似性」は、ヌクレオチドまたはアミノ酸のレベルにおいて、比較した配列の間の正確な同一性を包含する。ヌクレオチドのレベルにおいて非同一性が存在する場合、「類似性」は、それにもかかわらず、構造的、機能的、生化学的および/またはコンフォメーションのレベルにおいて互いに関連する異なるアミノ酸を生ずる配列の間の差を包含する。アミノ酸のレベルにおいて非同一性が存在する場合、「類似性」は、それにもかかわらず、構造的、機能的、生化学的および/またはコンフォメーションのレベルにおいて互いに関係するアミノ酸を包含する。
配列番号:1により規定される核酸分子は、ペチュニアからのフラボノイド3'-ヒドロキシラーゼをコードする。他の適当なF3'H遺伝子の例は、カーネーション(配列番号:3)、キンギョソウ(配列番号:5)、ナズナ(arabidopsis)(配列番号:7)、ナズナのゲノムDNAクローン(配列番号:9)、バラ(配列番号:14)、キク(配列番号:16)、トレニア(torenia)(配列番号:18)、日本ヒルガオ(配列番号:20)、リンドウ(配列番号:22)およびリシアンサス(lisianthus)(配列番号:24)からのものである。本発明を特に前述のF3'H遺伝子により例示するが、本発明は、F3'H遺伝子がヌクレオチドレベルにおいて配列番号:1または3または5または7または14または16または18または20または22または24から選択される核酸分子に対して少なくとも60%の類似性を有するか、あるいはアミノ酸レベルにおいて配列番号:2または4または6または8または10、11、12、13または15または17または19または21または23または25から選択されるアミノ酸分子に対して少なくとも50%の類似性を有するかぎり、植物の任意の種からのF3'H遺伝子に拡張される。さらに、本発明は、F3'H遺伝子がヌクレオチドレベルにおいて配列番号:9のコーディング領域に対して少なくとも60%の類似性を有するかぎり、植物の任意の種からのF3'H遺伝子に拡張される。
本発明の核酸分子は、一般に、天然に存在しない条件における遺伝子配列である。一般に、これはその天然の状態から離れて単離されるか、あるいは天然に存在しない環境において合成または誘導される。さらに詳しくは、それはin vitroにおいて形成または維持された核酸分子を包含し、ゲノムDNAフラグメント、組換えまたは合成の分子および核酸と異種核酸との組合わせを包含する。また、それはそのまたは他のプロモーターに関して逆向きでF3'Hまたはそれらの一部分をコードするゲノムDNAまたはcDNAまたはそれらの一部分に拡張される。さらに、それは他の核酸配列に関して少なくとも部分的精製後における天然に存在する配列に拡張される。
用語「核酸分子」は、核酸単離物および遺伝子配列を包含し、本発明においてその最も一般的意味において使用され、そしてF3'H中の直接的に、または塩基の相補的系列を介して、アミノ酸の配列を特定するヌクレオチド塩基の任意の隣接系列を包含する。このようなアミノ酸の配列は、全長のF3'Hまたはそれらの活性な末端短縮形態を構成することができるか、あるいは酵素の特定の領域、例えば、N-末端、C-末端または内部の部分に相当することができる。
また、本発明において考慮する核酸分子は、遺伝的プローブとして、あるいは植物中の対応する遺伝子の発現を調節することができる「アンチセンス」分子として有用なオリゴヌクレオチドを包含する。また、本発明において使用する「アンチセンス分子」は、それ自身のまたは他のプロモーターに関して逆向きで構造的ゲノムまたはcDNA遺伝子またはその一部分を含んでなる遺伝構築物を包含することができる。したがって、本発明の核酸分子は、3'-ヒドロキシル化アントシアニンのレベルを調節する共抑制分子、リボザイム分子、センス分子およびアンチセンス分子として使用するために適当であることがある。
1つの態様において、F3'Hまたはそれらの種々の誘導体をコードする核酸分子を使用して内因性F3'Hの活性を減少することができるか、あるいはこの酵素またはその種々の誘導体をコードする核酸分子はF3'Hの活性を減少するためにアンチセンスの向きで使用される。本発明をいかなる1つの理論に限定したくないが、核酸分子を細胞の中に導入して、相同内因性遺伝子の転写を減少するか、あるいは対応するmRNAの代謝回転を増加することによって、この結果を得ることができる。これはF3'H核酸分子またはそれらの種々の誘導体をセンスまたはアンチセンスの向きで含有する遺伝構築物を使用して達成することができる。それ以上の別の方法において、リボザイムを使用して標的核酸分子を不活性化することができる。また、核酸分子は機能的F3'Hをコードし、そしてこれを使用して植物中のこの酵素のレベルを増大させる。
フラボノイドF3'H活性の変更への本明細書における言及は、通常の内因性または現存するレベルより上または下の30%まで、またはより好ましくは30〜50%、またはなおより好ましくは50〜75%またはさらにより好ましくは75%またはそれより大きい活性の増大または減少に関する。StotzおよびForkmann(1982)(実施例7を参照のこと)が記載する方法の変更したバージョンを使用するか、あるいは実施例5に記載するようにF3'H産物、例えば、クエルセチン、シアニジンまたはペオニジンの量についてアッセイすることによって、活性レベルを容易にアッセイすることができる。
さらに、本発明は、上記において考慮した核酸分子の一部分、特に配列番号:1、3、5、7、9、14、16、18、20、22または24から選択されるものに、高い、好ましくは中程度、最も好ましくは低いストリンジェンシイ条件下に、ハイブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドのプライマーまたはプローブの形態の核酸分子に拡張される。好ましくは、前記部分はF3'H遺伝子の5'末端または3'末端に相当する。便宜上、5'末端は本発明において実質的に主要な転写体の5'末端と遺伝子の中央部分との間の領域を規定するために考慮され、そして3'末端は本発明において実質的に遺伝子の中央部分と主要な転写体の3'末端との間の領域を規定するために考慮される。したがって、オリゴヌクレオチドまたはプローブは5'末端または3'末端にハイブリダイズするか、あるいは5'末端および3'末端の双方に対して共通の領域にハイブリダイズすることができることは明らかである。
核酸分子またはその相補的形態は、全長の酵素またはその一部分または誘導体をコードすることができる。「誘導体」とは、天然に存在する酵素に関して任意の単一または複数のアミノ酸の置換、欠失、および/または付加を意味し、そして一部分、フラグメント、部分、融合分子、相同体および類似体を包含する。これに関して、核酸はF3'Hをコードする天然に存在するヌクレオチド配列を包含するか、あるいは前記天然に存在する配列に対する単一または複数のヌクレオチドの置換、欠失、および/または付加を含有することができる。融合分子は2またはそれ以上のF3'Hをコードするヌクレオチド配列の間の融合体であるか、あるいはF3'Hをコードするヌクレオチド配列と任意の他のタンパク質分子をコードするヌクレオチド配列との間の融合体であることができる。融合分子は基質の特異性を変更するとき有用である。
核酸分子もしくはその相補的形態の誘導体、または本発明のF3'Hの誘導体はまた、活性または不活性であるかどうかにかかわらず、「一部分」を含むことができる。活性なまたは機能的核酸分子は、F3'H活性を有する酵素をコードするものである。さらに、活性なまたは機能的核酸分子は部分的に活性な分子を包含する;例えば、基質の特異性が減少したF3'Hは部分的に活性であると見なされるであろう。核酸分子の誘導体は、オリゴヌクレオチドのプローブとして、ポリメラーゼ連鎖反応のためのまたは種々の突然変異誘発技術におけるプライマーとして、アンチセンス分子の発生のために、あるいはリボザイムの構築において有用であることがある。また、それらは共抑制構築物の開発において有用であることがある。本発明のこの面に従う核酸分子は機能的F3'Hをコードするか、あるいはコードしないことができる。「一部分」は核酸分子の5'末端または3'末端から誘導するか、あるいは5'末端および3'末端の双方に共通の領域から誘導することができる。
本発明のF3'Hのアミノ酸挿入誘導体は、アミノ末端および/またはカルボキシル末端の融合体ならびに単一または複数のアミノ酸の配列内挿入物を包含する。挿入アミノ酸配列の変異型は、1または2以上のアミノ酸残基がタンパク質の前以て決定した部位の中に導入されたものであるが、また、生ずる生成物の適当なスクリーニングを使用してランダム挿入も可能である。欠失変異型は配列から1または2以上のアミノ酸を除去することによって特徴付けられる。置換のアミノ酸変異型は配列中の少なくとも1つの残基が除去され、そしてその場所に異なる残基が挿入されているものである。典型的な置換物は下記表1に従い作られたものである。
Figure 2007244390
F3'Hがアミノ酸の置換により誘導体にされる場合、アミノ酸は一般に同様な性質、例えば、疎水性、親水性、電気陰性、嵩高側鎖およびその他を有する他のアミノ酸により一般に置換される。アミノ酸の置換は典型的には単一の残基である。アミノ酸の挿入は通常約1〜10アミノ酸残基程度であり、そして欠失は約1〜20残基の残基であろう。好ましくは、欠失または挿入は隣接する対、すなわち、2残基の欠失または2残基の挿入、でなされる。
上記において言及したアミノ酸の変異型は、この分野においてよく知られているペプチド合成技術、例えば、固相ペプチド合成(Merrified、1964)およびその他を使用するか、あるいは組換えDNA操作により、容易に作ることができる。既知のまたは部分的に既知の配列を有するDNA中の前以て決定した部位において置換の突然変異を作る技術はよく知られており、例えば、M13突然変異誘発を包含する。置換、挿入または欠失の変異型として発現する変異型タンパク質を製造するためのDNA配列の操作は、好都合には、例えば、Sambrook et al.(1989)に記載されている。
本発明のF3'Hの組換えまたは合成の突然変異体および誘導体の他の例は、酵素、例えば、炭水化物、脂質および/またはタンパク質またはポリペプチドとアソシエートする任意の分子の単一または複数の置換体、欠失体および/または付加体を包含する。
また、用語「類似体」または「誘導体」は、機能的であるか否かにかかわらず、F3'Hの任意の化学的同等体に拡張され、そしてまた、前述のアミノ酸の誘導体に拡張される。本発明のこの面の「類似体」または「誘導体」が非機能的である場合、それらはF3'H活性のアゴニストまたはアンタゴニストとして作用することができる。便宜上、本明細書における「F3'H」に対する言及は、その一部分、突然変異体、フラグメント、相同体または類似体を包含する、任意の誘導体に対する言及を包含する。
本発明は、ペチュニア、カーネーション、バラ、キンギョソウ、ナズナ(arabidopsis)、キク、リシアンサス(lisianthus)、トレニア(torenia)、ヒルガオおよびリンドウに由来する核酸配列を使用して例示される。なぜなら、これらは今日までに最も好都合な、好ましい材料源を表すからである。しかしながら、同様な配列を多数の源、例えば、他の植物またはある種の微生物から単離することができることを当業者は直ちに理解するであろう。他の植物の例は、トウモロコシ、タバコ、ムギナデシコ、フクロソウ、リンゴ、ガーベラおよびアフリカスミレを包含するが、これらに限定されない。フラボノイド経路の酵素、特にF3'Hを直接的または間接的にコードするすべてのこのような核酸配列は、それらの源に無関係に、本発明に包含される。
本発明において考慮する核酸分子は、いずれの向きにおいても、単独で、あるいはベクター分子、例えば、発現ベクターと組み合わせて、存在することができる。用語ベクターは、その最も広い意味において、植物細胞の中への核酸の転移を促進しおよび/または植物ゲノムの中への組込みを促進することができる、核酸分子のための任意の中間的ベヒクルを包含するために使用される。中間的ベヒクルは、例えば、エレクトロポレーション、マイクロインジェクト衝撃、アグロバクテリウム(Agrobacterium)仲介転移またはDNAまたはRNAウイルスを介する挿入において使用するために適合する。
中間的ベヒクルおよび/またはその中に含有される核酸分子は、植物ゲノムの中に安定に組込むことが必要であるか、あるいは必要でないことがある。また、このようなベクター分子は原核細胞中で複製および/または発現することができる。好ましくは、ベクター分子またはその一部分は植物ゲノムの中に組込まれることができる。さらに、核酸分子は植物細胞中の核酸分子の発現を指令することができるプロモーター配列を含有することができる。また、核酸分子およびプロモーターは多数の手段、例えば、前述した手段により細胞の中に導入することができる。
本発明によれば、F3'Hまたはその誘導体または一部分をコードする核酸分子は、植物の中にいずれの向きにおいても導入して、細胞質中のRNAの産生レベルの操作および/またはmRNAからの酵素の産生を可能とするか、あるいはそうでなければ促進し、これによりDHKおよび/または他の適当な基質を、植物細胞中で乾燥された場合、究極的にアントシアニジンのアントシアニン誘導体、例えば、シアニジンおよび/またはペオニジンに変換することができるか、あるいは、また、内因性または現存するF3'H活性を減少または排除することによって、代謝物のこのような変換を阻害する手段を提供する。細胞質中のmRNAの産生および/またはmRNAからの酵素の産生を、本明細書において「発現」と呼ぶ。アントシアニンの産生は赤色または青色の花の色の生成に寄与する。植物中の任意の核酸分子の発現は、構成的、誘導的または発生的であることができ、また、組織特異的であることができる。
本発明の他の面によれば、F3'Hまたはその機能的誘導体を合成できるトランスジェニック植物を生産する方法が提供され、前記方法は前記F3'Hをコードするヌクレオチドの配列を含んでなる核酸分子で適当な植物の細胞を、前記核酸分子の究極的発現を可能とする条件下に、安定に形質転換し、前記細胞からトランスジェニック植物を再生し、そして核酸分子の発現を可能とするために十分な時間の間かつ条件下に前記トランスジェニック植物を生長させることを含んでなる。これにより、トランスジェニック植物は匹敵する非トランスジェニック植物において発現される量に関して増大したレベルでF3'H活性を産生することができる。
本発明の他の面は、内因性または既存のF3'H活性が減少したトランスジェニック植物を生産する方法を包含し、前記方法はF3'Hをコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる核酸分子で適当な植物の細胞を安定に形質転換し、前記細胞からトランスジェニック植物を再生し、そして必要に応じて核酸分子の発現を可能とするために十分な条件下に前記トランスジェニック植物を生長させることを含んでなる。
本発明のしかも他の面は、内因性または既存のF3'H活性が減少した遺伝的に修飾された植物を生産する方法を包含し、前記方法は植物細胞の中に導入された適当に変更されたF3'H遺伝子またはその誘導体または一部分から相同組換えを介して内因性配列の修飾によりF3'H遺伝子を変更し、そして前記細胞から遺伝的に修飾された植物を再生することを含んでなる。
本発明のこれらの面によれば、好ましい核酸分子は実質的に配列番号:1、3、5、7、14、16、18、20、22もしくは24に記載されているアミノ酸配列、または配列番号:9中のコーディング領域であるか、あるいはそれらに対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいはそれらに対して低いストリンジェンシイ条件下にハイブリダイズすることができる。
好ましい態様において、本発明は、変更された花の色を示すトランスジェニック顕花植物を生産する方法を包含し、前記方法は本発明の核酸分子で適当な植物の細胞を安定に形質転換し、前記細胞からトランスジェニック植物を再生し、そして核酸分子をF3'H酵素に発現させるために十分な時間の間かつ条件下に前記トランスジェニック植物を生長させることを含んでなる。また、前記方法は本発明の核酸分子またはその相補的配列で適当な植物の細胞を安定に形質転換し、前記細胞からトランスジェニック植物を再生し、そして内因性または現存するF3'Hの活性のレベルを変更するために十分な時間の間かつ条件下に前記トランスジェニック植物を生長させることを含んでなる。
関連する態様において、本発明は、変更された花の色を示す顕花植物を生産する方法を包含し、前記方法は植物細胞の中に導入された適当に変更されたF3'H遺伝子またはその誘導体から相同組換えを介して内因性配列の修飾によりF3'H遺伝子を変更し、そして前記細胞から遺伝的に変更された植物を再生することを含んでなる。
本発明の核酸分子は、発生的に(developmentally)調節するか、あるいはしないことができる。好ましくは、3'-ヒドロキシル化アントシアニンのレベルのモジュレーションは変更された花の色に導き、これは受容植物の生理学的条件に依存して赤色の花または他の色合いの生成を包含する。「受容植物」とは、F3'H酵素の基質を産生することができるか、あるいはF3'H酵素それ自体を産生することができ、そして適当な生理学的性質および所望の色の発生に必要な遺伝子型を有することができる植物を意味する。これはペチュニア、カーネーション、キク、バラ、キンギョソウ、タバコ、ムギナデシコ、フクロソウ、リシアンサス、ガーベラ、リンゴ、アイリス、ユリ、アフリカスミレ、リンドウ、トレニアおよび日本ヒルガオを包含するが、これらに限定されない。
したがって、本発明は、3'-ヒドロキシル化アントシアニンのレベルを調節できるトランスジェニック植物を生産する方法に拡張された、前記方法はF3'Hまたはその誘導体をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる核酸分子で適当な植物の細胞または細胞のグループを安定に形質転換し、そして前記細胞または細胞のグループからトランスジェニック植物を再生することを含んでなる。
本発明の方法、例えば、標的植物の中に天然に存在する酵素のレベルを増加または減少して色の異なる色相に導く方法に適用可能な変法を当業者は直ちに認識するであろう。
したがって、本発明は、本発明の核酸分子のすべてまたは一部分および/またはその任意の相同体または関連する形態またはこれらの任意のアンチセンス形態を含有するすべてのトランスジェニック植物、特に変更された花の色を示すトランスジェニック植物に拡張される。トランスジェニック植物は、F3'Hをコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的であるヌクレオチド配列を含んでなる導入された核酸分子を含有することができる。一般に、核酸は植物のゲノムの中に安定に導入されるであろうが、本発明は、また、自律的に複製する核酸配列、例えば、植物細胞内で複製することができるDNAまたはRNAウイルス内へのF3'Hヌクレオチド配列の導入に拡張される。また、本発明は、このようなトランスジェニック植物からの種子に拡張される。このような種子は、特に着色されている場合、植物の登録された標識として有用であろう。
本発明の他の面は、F3'Hの組換え形態に関する。本発明の組換え形態は、開発しようとする研究材料の源、例えば、より活性な酵素を提供し、そして着色した化合物の製造のためのin vitro系の開発において有用であろう。
本発明のなお他の面は、植物または植物細胞中の3'-ヒドロキシル化アントシアニンのレベルを調節するとき使用できる遺伝構築物の製造における本明細書において記載する遺伝子配列の使用を包含する。
本発明のしかも他の面は、変更された花の色を示す、本明細書に記載するトランスジェニック植物からの花、特に切り花を提供する。
本発明の他の面は、F3'Hまたはその誘導体をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的であるヌクレオチドの配列を含んでなる核酸分子に関し、ここで前記核酸分子は植物細胞の中で発現することができる。用語「発現する」は上記において定義した用語「発現」に等しい。
本発明のこの面および他の面に従う核酸分子は、国際特許出願第PCT/AU93/00127号[WO93/20206号]に開示されている、プラスミドpCGP809の中に含有されているpCGP619cDNAインサートの効率に関し、3'-ヒドロキシル化アントシアニンのモジュレーションにおける効率の増加を可能とするか、あるいはそうでなければ促進する。用語「植物細胞」は、単一の植物細胞または植物細胞のグループ、例えば、カルス、小植物または植物あるいは花または種子を包含する植物の一部分を包含する。
本発明の他の面は、F3'Hをコードするヌクレオチドの配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的であるヌクレオチドの配列を含んでなる核酸分子を提供し、ここで前記核酸分子の翻訳はアミノ酸配列RPPNSGAを含んでなる。好ましくは、前記核酸分子の翻訳はアミノ酸配列RPPNSGAXHXAYNYXDLを含んでなり、なおより好ましくは前記核酸分子の翻訳はアミノ酸配列RPPNSGAXHXAYNYXDL[X]nGGEKを含んでなり、ここで[X]nは0〜500アミノ酸のアミノ酸配列を表す。
下記の非限定的図面および実施例を参照することによって、本発明をさらに説明する。
図面において:
第1a図および第1b図は、ペチュニア・ヒブリダ(P・hybrida)の花においてフラボノイドの生合成経路の概略的表示であり、変換に関係する酵素および遺伝子座を示す。この経路に関係する酵素は下記のように示されている:PAL=フェニルアラニンアンモニア-リアーゼ;C4H=シンナメート4-ヒドロキシラーゼ;4CL=4-クマレート:CoAリガーゼ;CHS=カルコンシンターゼ;CHI=カルコンイソメラーゼ;F3H=フラバノン3-ヒドロキシラーゼ;F3'H=フラボノイド3'-ヒドロキシラーゼ;F3'5'H=フラボノイド3',5'-ヒドロキシラーゼ;FLS=フラバノールシンターゼ;DFR=ジヒドロフラバノール-4-レダクターゼ;ANS=アントシアニンシンターゼ;3GT=UDP-グルコース:アントシアニン-3-グリコシド;3RT=UDP-ラムノース:アントシアニジン-3-グリコシドラムノシルトランスフェラーゼ;ACT=アントシアニジン-3-ルチノシドアシルトランスフェラーゼ;5GT=UDP-グルコース:アントシアニン5-グリコシルトランスフェラーゼ;3'OMT=アントシアニンO-メチルトランスフェラーゼ;3',5'OMT=アントシアニン3',5'O-ジメチルトランスフェラーゼ。経路における3つのフラボノイドは下記のように示されている:P-3-G=ペラルゴニジン-3-グリコシド;DHM=ジヒドミリセチン;DHQ=ジヒドロクエルセチン。ペチュニア・ヒブリダ(P.hybrida)において、フロボノール、ミリセチンは低いレベルにおいてのみ産生され、そしてアントシアニン、ペラルゴニジンは稀に産生される。
第2図は、ペチュニア・ヒブリダからのシンナメート-4-ヒドロキシラーゼを表すcDNAクローン(F1)を含有するプラスミドpCGP161の模式図である。0.7kbのEcoRI/XhoIフラグメントの32P標識化フラグメントを使用して、オールド・グローリイ・レッド(Old Glory Red)の花弁のcDNAライブラリーをプローブした。詳述については、実施例4を参照のこと。略号は下記の通りである:Amp=アンピシリン耐性遺伝子;ori=複製起点;T3=T3RNAポリメラーゼの認識配列;T7=T7RNAポリメラーゼ。また、制限酵素部位がしるされている。
第3図は、ペチュニア・ヒブリダからのフラボノイド3',5'ヒドロキシラーゼ(Hf1)を表すcDNAクローン(617)を含有するプラスミドpCGP602の模式図である。1.6kbのBspHI/EspIフラグメントの32P標識化フラグメントを使用して、オールド・グローリイ・レッドの花弁のcDNAライブラリーをプローブした。詳述については、実施例4を参照のこと。略号は下記の通りである:Amp=アンピシリン耐性遺伝子;ori=複製起点;T3=T3RNAポリメラーゼの認識配列;T7=T7RNAポリメラーゼ。また、制限酵素部位がしるされている。
第4図は、ペチュニア・ヒブリダからのフラボノイド3',5'ヒドロキシラーゼ(Hf2)を表すcDNAクローン(H2)を含有するプラスミドpCGP175の模式図である。Hf2コーディング領域を一緒に含有する1.3kbのEcoRI/XhoIおよび0.5kbのXhoIフラグメントの32P標識化フラグメントを使用して、オールド・グローリイ・レッドの花弁のcDNAライブラリーをプローブした。詳述については、実施例4を参照のこと。略号は下記の通りである:Amp=アンピシリン耐性遺伝子;ori=複製起点;T3=T3RNAポリメラーゼの認識配列;T7=T7RNAポリメラーゼ。また、制限酵素部位がしるされている。
第5図は、ペチュニア・ヒブリダからのシトクロムP450を表す651cDNAクローンを含有するプラスミドpCGP619の模式図である。1.8kbのEcoRI/XhoIフラグメントの32P標識化フラグメントを使用して、オールド・グローリイ・レッドの花弁のcDNAライブラリーをプローブした。詳述については、実施例4を参照のこと。略号は下記の通りである:Amp=アンピシリン耐性遺伝子;ori=複製起点;T3=T3RNAポリメラーゼの認識配列;T7=T7RNAポリメラーゼ。また、制限酵素部位がしるされている。
第6図は、pCGP1805(実施例6を参照のこと)を含有するOGR-38cDNAクローンの32P標識化フラグメントでプローブしたRNAブロットのオートラジオグラフの表示である。各レーンは、V23(ht1/ht1)×VR(Ht1/ht1)戻し交配集団の植物の花または葉から単離された全体のRNAの20μgのサンプルを含有した。高いレベルのクエルセチン(Q+)を含有するVR様(Ht1/ht1)花(レーン9〜14)において、1.8kbの転写体が検出された。(Q-)をほとんどまたはまったく含有しないV23様(ht1/ht1)花(レーン3〜8)において、同一大きさの転写体が非常に低いレベルで検出された。また、VR葉(レーン1)およびV23花弁(レーン2)において、減少したレベルの転写体が検出された。これは実施例5に記載されている。
第7図は、酵母発現プラスミドpCGP1646(実施例7を参照のこと)の模式図である。発現ベクターpYE22m中の酵母グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼプロモーター(PGAP)の背後において、pCGP1805からのOGR-38cDNAインサートを「センス」の向きにおいてクローニングした。TRP1=Trp1遺伝子、IR1=2μmのプラスミドの逆方向反復、TGAP=酵母グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ遺伝子からのターミネーター配列。また、制限酵素部位がしるされている。
第8図は、バイナリープラスミドpCGP1867(実施例8に記載されている)の模式図である。pCGP293の発現ベクター中のMacプロモーターの背後において、pCGP1805からのHt1cDNAインサート(OGR-38)を「センス」の向きにおいてクローニングした。略号は下記の通りである:LB=左の境界;RB=右の境界;Gm=ゲンタマイシン耐性遺伝子;35S=カリフラワーモザイクウイルス35S遺伝子からのプロモーター領域;nptII=ネオマイシンリン酸転移酵素II遺伝子;tmI3'=アグロバクテリウム(Agrobacterium)のtml遺伝子からのターミネーター領域;mas3'=アグロバクテリウムのマンノパインシンターゼ遺伝子からのターミネーター領域;oripRi=アグロバクテリウム・リゾゲネスム(Agrobacterium rhizogenes)からの広い宿主範囲の複製起点;oriCoLE1=コルシニン(Colcinin)E1プラスミドからの高いコピーの複製起点。また、制限酵素部位がしるされている。
第9図は、バイナリープラスミドpCGP1810(その製造は実施例13に記載されている)の模式図である。pCGP293の発現ベクター中のMacプロモーターの背後において、pCGP1807(実施例12を参照のこと)からのKC-1cDNAインサートを「センス」の向きにおいてクローニングした。略号は下記の通りである:LB=左の境界;RB=右の境界;Gm=ゲンタマイシン耐性遺伝子;35S=カリフラワーモザイクウイルス35S遺伝子からのプロモーター領域;nptII=ネオマイシンリン酸転移酵素II遺伝子;tmI3'=アグロバクテリウムのtmI遺伝子からのターミネーター領域;mas3'=アグロバクテリウムのマンノパインシンターゼ遺伝子からのターミネーター領域;oripRi=アグロバクテリウム・リゾゲネスム(Agrobacterium rhizogenes)からの広い宿主範囲の複製起点;oriCoLE1=コルシニンE1プラスミドからの高いコピーの複製起点。また、制限酵素部位がしるされている。
第10図は、バイナリープラスミドpCGP1813(その構築は実施例14に記載されている)の模式図である。macプロモーターとmasターミネーターとの間において、pCGP1807(実施例12を参照のこと)からのKC-1cDNAインサートを「センス」の向きにおいてクローニングした。Mac:KC-1:mas発現カセットを引き続いてバイナリーベクターpWTT2132の中にクローニングした。略号は下記の通りである:Tet=テトラサイクリン耐性遺伝子;LB=左の境界;RB=右の境界;surB=アセトラクテートシンターゼ遺伝子からのコーディング領域およびターミネーター配列;35S=カリフラワーモザイクウイルス35S遺伝子からのプロモーター領域;mas3'=アグロバクテリウムのマンノパインシンターゼ遺伝子からのターミネーター領域;pVS1=緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)からのプラスミドからの広い宿主範囲の複製起点;pACYCori=大腸菌(E.coli)からのpACYC184からの修飾されたレプリコン。また、制限酵素部位がしるされている。
第11図は、Am3Ga識別表示PCR断片の32P標識化フラグメントでプローブしたサザンブロットのオートラジオグラフの表示である(実施例16に記載されている)。各レーンは、N8(Eos + )、K16(eos - )またはK16×N8F2 集団の植物から単離されたEcoRV消化ゲノムDNAの10μgのサンプルを含有した。ハイブリダイズするバンドはシアニジン産生植物(「+」で示す)からのゲノムDNA中で検出された(レーン1、3、4、5、6、7、9、10、12および15)。非特異的ハイブリダイズは非シアニジン産生植物(「-」で示す)からのゲノムDNAサンプル中で観察された(レーン2、8、11、13および14)。
第12図は、Am3Ga識別表示PCR断片の32P標識化フラグメントでプローブしたRNAブロットのオートラジオグラフの表示である。各レーンは、N8(Eos + )×K16(eos - )F2 集団の植物の花または葉から単離された全体のRNAの10μgのサンプルを含有した。シアニジンを産生したK16×N 8F2 花(シアニジン+)(植物#1、#3、#4、#5および#8)において、18kbの転写体が検出された。シアニジンを産生しなかったK16×N8F2 花(シアニジン-)(植物#6、#11、#12)において、あるいは花においてシアニジンを産生したK16×N8F2 植物からの葉のサンプル(#13L)において、転写体は検出されなかった。詳細は実施例17に提供されている。
第13図は、バイナリープラスミドpCGP250(その構築は実施例20に記載されている)の模式図である。pCGP246(実施例18を参照のこと)からのヌクレオチド1〜1711(配列番号:5)を含有するsdF3'HcDNAインサートを、pCGP293の発現ベクター中のMacプロモーターの背後において「センス」向きでクローニングした。略号は下記の通りである:LB=左の境界;RB=右の境界;Gm=ゲンタマイシン耐性遺伝子;35S=カリフラワーモザイクウイルス35S遺伝子からのプロモーター領域;nptII=ネオマイシンリン酸転移酵素II遺伝子;tmI3'=アグロバクテリウムのtmI遺伝子からのターミネーター領域;mas3'=アグロバクテリウムのマンノパインシンターゼ遺伝子からのターミネーター領域;oripRi=アグロバクテリウム・リゾゲネスム(Agrobacterium rhizogenes)からの広い宿主範囲の複製起点;oriColE1=コルシニンE1プラスミドからの高いコピーの複製起点。また、制限酵素部位がしるされている。
第14図は、バイナリープラスミドpCGP231(その構築は実施例20に記載されている)の模式図である。pCGP246からのヌクレオチド104〜1711(配列番号:5)を含有するsdF3'HcDNAインサートを、pCGP293の発現ベクター中のMacプロモーターの背後において「センス」向きでクローニングした。略号は下記の通りである:LB=左の境界;RB=右の境界;Gm=ゲンタマイシン耐性遺伝子;35S=カリフラワーモザイクウイルス35S遺伝子からのプロモーター領域;nptII=ネオマイシンリン酸転移酵素II遺伝子;tmI3'=アグロバクテリウムのtmI遺伝子からのターミネーター領域;mas3'=アグロバクテリウムのマンノパインシンターゼ遺伝子からのターミネーター領域;oripRi=アグロバクテリウム・リゾゲネスム(Agrobacterium rhizogenes)からの広い宿主範囲の複製起点;oriColE1=コルシニンE1プラスミドからの高いコピーの複製起点。また、制限酵素部位がしるされている。
第15図は、バイナリープラスミドpBI-Tt7-2の模式図である。E-5からの6.5kbのEcoRI/SalITt7ゲノムフラグメントをEcoRI/SalIカットpBI101の中にクローニングし、レジデントGUS遺伝子を置換した。示す(5'→3')Tt7(F3'H)遺伝子の向きがDNA配列決定により決定された。略号は下記の通りである:LB=左の境界;RB=右の境界;nos5'=アグロバクテリウムのノパリンシンターゼ遺伝子からのプロモーター領域;nptII=ネオマイシンリン酸転移酵素II遺伝子のコーディング領域;nos3'=アグロバクテリウムのノパリンシンターゼ遺伝子からのターミネーター領域;nptI=ネオマイシンリン酸転移酵素I遺伝子のコーディング領域。また、制限酵素部位がしるされている。
第16図は、バイナリープラスミドpCGP2166(その構築は実施例26に記載されている)の模式図である。pCGP2158(実施例25を参照のこと)からのバラ#34cDNAインサートを、pCGP293の発現ベクター中のMacプロモーターの背後において「センス」向きでクローニングした。略号は下記の通りである:LB=左の境界;RB=右の境界;Gm=ゲンタマイシン耐性遺伝子;35S=カリフラワーモザイクウイルス35S遺伝子からのプロモーター領域;nptII=ネオマイシンリン酸転移酵素II遺伝子;tmI3'=アグロバクテリウムのtmI遺伝子からのターミネーター領域;mas3'=アグロバクテリウムのマンノパインシンターゼ遺伝子からのターミネーター領域;oripRi=アグロバクテリウム・リゾゲネスム(Agrobacterium rhizogenes)からの広い宿主範囲の複製起点;oriColE1=コルシニンE1プラスミドからの高いコピーの複製起点。また、制限酵素部位がしるされている。
第17図は、バイナリープラスミドpCGP2169(その構築は実施例27に記載されている)の模式図である。pCGP2158からのバラ#34cDNAインサートを、CaMV35Sプロモーターとocsターミネーターとの間に「センス」向きでクローニングした。35S:バラ#34:ocs発現カセットを引き続いてバイナリーベクターpWTT2132の中にクローニングした。略号は下記の通りである:Tet=テトラサイクリン耐性遺伝子;LB=左の境界;RB=右の境界;surB=アセトラクテートシンターゼ遺伝子からの結合領域およびターミネーター配列;35S=カリフラワーモザイクウイルス35S遺伝子からのプロモーター領域;ocs=アグロバクテリウムからのオクトパインシンターゼ遺伝子からのターミネーター領域;pVS1=シュードモナス・アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)からのプラスミドからの広い宿主範囲の複製起点;pACYCori=大腸菌(E.coli)からのpACYC184からの修飾されたレプリコン。また、制限酵素部位がしるされている。
第18図は、バイナリープラスミドpLN85(その構築は実施例28に記載されている)の模式図である。pCHRM1からのキクRM6icDNAインサートを、カリフラワーモザイクウイルス35S遺伝子(35S)からのプロモーターの背後に「アンチセンス」の向きでクローニングした。他の略号は下記の通りである:LB=左の境界;RB=右の境界;ocs3'=アグロバクテリウムのオクトパインシンターゼ遺伝子からのターミネーター領域;pnos:nptII:nos3'=アグロバクテリウムのノパリンシンターゼ遺伝子からのプロモーター領域を含有する発現カセット;ネオマイシンリン酸転移酵素II遺伝子のコーディング領域およびアグロバクテリウムのノパリンシンターゼ遺伝子からのターミネーター領域;oriT=複製の転移の起点;trfA*=トランス作用性複製機能;oriColE1=コルシニンE1プラスミドからの高いコピーの複製起点;Tn7SpR/StR=トランスポゾンTn7からのスペクチノマイシンおよびストレプトマイシン耐性遺伝子;oriVRK2=プラスミドRK2からの広い宿主範囲の複製起点。また、制限酵素部位がしるされている。
第19図は、酵母発現プラスミドpYTHT6(その構築は実施例30に記載されている)の模式図である。pTHT6からのTHT6cDNAインサートを、発現ベクターpYE22m中の酵母グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼプロモーター(PGAP)の背後に「センス」の向きでクローニングした。略号は下記の通りである:TRP1=Trp1遺伝子;IR1=2μmのプラスミドの逆方向反復;TGAP=酵母グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ遺伝子からのターミネーター配列。また、制限酵素部位がしるされている。
明細書を通じて使用したアミノ酸の略号を下記表2に示す。
Figure 2007244390
本明細書において言及する配列に帰属させた配列番号の要約を下記表3及び表4に記載する。
Figure 2007244390
Figure 2007244390
プラスミドpCGP1867、pCGP1810およびpCGP231を別々に含有する無力化(disarmed)微生物アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacteriumtumefaciens)AGL0株は、オーストラリア政府分析研究所(Australian Government Analytical Laboratories)(オーストラリア国、ニュー・サウス・ウェールズ、2037、ピンブル、スアキン・ストリート1)に1996年2月23日に寄託され、それぞれ、受け入れ番号96/10967、96/10968および96/10969を与えられた。
フラボノイド3'-ヒドロキシラーゼの単離および関係する核酸配列
実施例1.植物材料
ペチュニア
使用したペチュニア・ヒブリダ(Petunia hybrida)品種を表5に表す。
Figure 2007244390
特殊化生長室中で14時間の日長を使用して10,000luxの光強度および22℃〜26℃の温度において、植物を生長させた。
カーネーション
ジアンサス・カリオフィルス(Dianthus caryophyllus)cv.Kortina Chanelを、ヴァン・ワイク・アンド・サン・フラワー・サプライ(Van Wyk and Son Flower Supply)(ヴィクトリア)から入手した。
下記のように規定した発生段階において、ジアンサス・カリオフィルスの花を収獲した:
段階1:閉じた芽、花弁は見えない。
段階2:花の芽が開く;花弁の先端が見える。
段階3:ほとんどすべての花弁は露出する。「塗料はけの段階」。
段階4:幹に対して45°の外側の花弁。
段階5:花が完全に開く。
キンギョソウ
使用したアンチリヌム・マジュス(Antirrhinum majus)系統を、親の系統K16(eos - )およびN8(Eos + )から誘導した。F3'H活性とフラボン、フラボノールおよびアントシアニンの3'-ヒドロキシル化をコントロールすることが知られているEos + 遺伝子(ForkmannおよびStotz、1981)との間に、厳格な相関が存在する。K16はF3'H活性を欠如する同型劣性突然変異体であるが、N8はF3'H活性に対して野生型である。これらの系統は類似するが、同質遺伝子的ではない。親の系統および自殖した(K16×N8)F1 植物からの種子の双方を、C.Martin博士(John Innes Centre、英国ノーウィッチ)から入手した。
ナズナ
アラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)Columbia(Tt7)、Landsberg erecta(Tt7)およびNW88(tt7)を、ノッチンガム・アラビドプシス・ストック・センター(Nottingham、Arabidopsis Stock Centre)から入手した。野生型アラビドプシス・タリアナ(A.thaliana)(Tt7)種子は特徴ある褐色を有する。tt7突然変異体の種子は淡い褐色の種子であり、そして植物は葉における減少したアントシアニン含量により特徴づけられる(Koornneef et al.、1982)。Tt7植物はシアニジン産生するが、tt7突然変異体はペラルゴニジンを蓄積し、Tt7遺伝子がフラボノイドの3'-ヒドロキシル化をコントロールすることを示す。
バラ
ロサ・ハイブリダ(Rosa hybrida)cv.Kardinalを、ヴァン・ワイク・アンド・サン・フラワー・サプライ(Van Wyk and Son Flower Supply)(ヴィクトリア)から入手した。
ロサ・ハイブリダの花の発生の段階を、下記のように規定した:
段階1:色素沈着なし、きつく閉じた芽(10〜12mmの高さ;5mmの幅)。
段階2:色素沈着あり、きつく閉じた芽(15mmの高さ;9mmの幅)。
段階3:色素沈着あり、閉じた芽;萼片はちょうど開く(25〜30mmの高さ;13〜15mmの幅)。
段階4:花芽は開き始める;花弁は高度に色素沈着する;萼片は分離した(芽は25〜30mmの高さおよび18mmの幅である)。
段階5:萼片は完全に開いた;多少カールしている。花弁は高度に色素沈着し、開いている(芽は30〜33mmの高さおよび20mmの幅である)。
キク
キクの花の発生の段階を、下記のように規定した:
段階0:可視の花芽の非存在。
段階1:花芽は可視である;小花は苞により完全に覆われている。
段階2:花芽は開いている;小花の先端は可視である。
段階3:小花は緊密にオーバーラップしている。
段階4:ほとんどすべての小花の先端は露出している;外側の小花は開いているが、いずれも水平ではない。
段階5:外側の小花は水平である。
段階6:花は成熟に近づいている。
実施例2.細菌株
使用した大腸菌(Escherichia coli)の株は、下記の通りであった:
Figure 2007244390
無力化アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)AGL0株(Lazoet al.、1991)は、R.Ludwig(Department of Biology、Universty of California、米国サンタ・クルズ)から入手した。
クローニングベクターpBluescriptは、ストラタジーン(Stratagene)から入手した。
大腸菌(E.coli)DH5α細胞の形質転換は、Inoue et al.(1990)の方法に従い実施した。
実施例3.一般的方法
DNAプローブの 32 P標識化
オリゴ標識化キット(Bresatec)を使用して、DNAフラグメント(50〜100ng)を50μCiの[α-32P]-dCTPで放射性標識化した。セファデックス(Sephadex)G-50(Fine)カラム上のクロマトグラフィーにより、取り込まれない[α-32P]-dCTPを除去した。
DNA配列の分析
アプライド・バイオシステムス(Applied Biosystems)からのPRISMTMレディー・リアクション・ダイ・プライマー・サイクル・配列決定キット(Ready Reaction Dye Primer Cycle Sequencing Kit)を使用して、DNAの配列決定を実施した。製造業者が供給したプロトコールに従った。サイクル配列決定反応をパーキン・エルマー(Perkin Elmer)PCR機械(GeneAmp PCR System9600)を使用して実施し、自動化373A DNA配列決定装置(Applied Biosystems)により実験した。
FASTAおよびTFASTAプログラム(PearsonおよびLipman、1988)またはBLASTプログラム(Altschul et al.、1990)を使用して、遺伝子バンク、SWISS-PROTおよびEMBLデータベースに対する相同性のサーチを実施した。LFASTAプログラム(PearsonおよびLipman、1988)を使用して、配列の類似性の百分率を得た。すべての場合において、特記しない限り、ヌクレオチド配列の比較について6およびアミノ酸配列の比較について2のktup値を使用した。
MacVecterTM6.0アプリケーション(OxfordMolecular Ltd.)の中に組込まれたクルスタル(Clustal)Wプログラムを使用して、多数の配列の整列(2のktup値)を実施した。
実施例4.ペチュニア・ヒブリダ(P.hybrida)栽培種オールドグローリレッド(cv.Old Glory Red)からのHt1遺伝子座に相当するフラボノイド3'-ヒドロキシラーゼ(F3'H)cDNAクローンの単離
Ht1遺伝子座に連鎖しかつペチュニアフラボノイド経路においてフラボノイド3'-ヒドロキシラーゼ(F3'H)表わしたcDNAクローンを単離するために、段階1〜3のオールド・グローリイ・レッド(OGR)ペチュニアの花ホルマリン単離されたRNAから、花弁cDNAライブラリーを調製した。OGR花はシアニジンをベースとする色素を含有し、そして高いレベルのフラボノイド3'-ヒドロキシラーゼ活性を有する。
フラボノイド経路に関係することが知られている3つのシトクロムP450cDNAクローンから、そして酵母においてフラボノイド3'-ヒドロキシラーゼ活性を有した1つのシトクロムP450cDNAクローン(651)から単離された32P標識化フラグメントの混合物で、OGRcDNAライブラリーをスクリーニングした。これらはシンナメート-4-ヒドロキシラーゼ(C4H)を表すペチュニアのcDNAクローンと、フラボノイド3',5'-ヒドロキシラーゼ(F3'5'H)を表す2つのペチュニアのcDNAクローン(Hf1およびHf2によりコードされる)(Holton et al.、1993)を含んでいた。
ペチュニアCv.OGRのcDNAライブラリーの構築
TurpenおよびGriffith(1986)の方法を使用して、ペチュニア・ヒブリダ(P.hybrida)cv.OGRの段階1〜3の花弁組織から、全体のRNAを単離した。oligotex-dTTM(Qiagen)を使用して、全体のRNAからポリ(A)+ RNAを選択した。 ZAP-cDNA ギガパックIIIゴールド・クローニング(Gigapack III Gold Cloning)キット(Stratagene)を使用して、鋳型としてOGRの段階1〜3から単離された5μgのポリ(A)+RNAを使用して、λZAP中で方向的花弁cDNAライブラリーを構築した。得られた組換え体の合計の数は2.46×106 であった。
XL1-Blue MRF'細胞をトランスフェクトした後、パッケージされたcDNA混合物を50,000pfu/直径15cmのプレートにおいてプレートした。プレートを37℃において8時間インキュベートし、ファージを100mMのNaCl、8mMのMgSO4 、50mMのTris-HCl、pH8.0、0.01%(w/v)のゼラチン(ファージ貯蔵緩衝液)(PSB)中で溶離した(Sambrook et al.1989)。クロロホルムを添加し、増幅されたライブラリーとしてファージを4℃において貯蔵した。
XL1-Blue MRF'細胞をトランスフェクトした後、100,000pfuの増幅されたライブラリーをNZYプレート(Sambrook et al.1989)上に10,000pfu/直径15cmのプレートの密度でプレートし、37℃において8時間インキュベートした。4℃において一夜インキュベートした後、、重複リフトをコロニー/プラークスクリーン(Colony/Plaque ScreenTM)フィルター(DuPont)上に取り、製造業者が推奨するように処理した。
プローブの単離
F3'5'Hのプローブ
Holton et al.(1993)および米国特許第5,349,125号に記載されているようにHf1またはHf2遺伝子座に相当する2つのフラボノイド3',5'ヒドロキシラーゼを、スクリーニングプロセスにおいて使用した。
ペチュニアからのC4HcDNAクローン
Hf1またはHf2遺伝子座に相当する2つのフラボノイド3',5'ヒドロキシラーゼを単離するために使用したスクリーニングプロセス(Holton et al.(1993);米国特許第5,349,125号)において、多数のシトクロムP450cDNAクローンが単離された。ヤエナリからの以前に特性決定されたC4H(Mizutani et al.、1993)を使用する配列の同定に基づいて、これらのクローンの1つの(F1)(pCGP161の中に含有される)(第2図)はシンナメート4-ヒドロキシラーゼ(C4H)を表すとして同定された。ペチュニアF1cDNAクローンの5'末端における295ヌクレオチドから、配列のデータを発生させた。配列決定された295ヌクレオチドにわたってヤエナリC4Hクローンと83.1%の類似性が存在し、そして予測されたアミノ酸配列にわたって93.9%の類似性が存在した。
651cDNAクローン
pCGP619(第5図)の中に含有される651cDNAクローンの単離および同定は、公開番号WO93/20206を有する国際特許出願に記載された。pYE22m(Tanaka etal.、1988)の酵母グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼプロモーターの制御下に651cDNAクローンを含有する酵母のタンパク質抽出物は、F3'H活性を示した。
OGRライブラリーのスクリーニング
ハイブリダイズの前に、重複プラークのリフトを予備洗浄溶液(50mMのTris-HCl、pH7.5、1MのNaCl、1mMのEDTA、0.1%(w/v)のサルコシン)中で65℃において30分間洗浄し、0.4Mの水酸化ナトリウム中で65℃において30分間ストリップし、次いで0.2MのTris-HCl、pH8.0、0.1×SSC、0.1%(w/v)のSDSの溶液中で65℃において30分間洗浄し、2×SSC、1.0%(w/v)のSDS中で完全にすすいだ。
OGRcDNAライブラリーからのリフトを(1)C4HcDNAクローンを含有するpCGP161からの0.7kbのEcoRI/XhoIフラグメント(第2図)、(2)Hf1cDNAクローンを含有するpCGP602からの1.6kbのBspHI/EspIフラグメント(第3図)、(3)Hf2cDNAクローンのコーディング領域を含有するpCGP175からの1.3kbのEcoRI/XhoIフラグメントおよび0.5kbXhoフラグメント(第4図)および(4)651cDNAクローンを含有するpCGP619からの1.8kbのEcoRI/XhoIフラグメント(第5図)の32P標識化フラグメントでスクリーニングした。
ハイブリダイズ条件は、10%(v/v)のホルムアミド、1MのNaCl、10%(w/v)の硫酸デキストラン、1%(w/v)のSDS中の42℃において少なくとも1時間のハイブリダイズ工程を含んだ。次いで32P標識化フラグメント(各々は1×106 cpm/ml)をハイブリダイズ溶液に添加し、ハイブリダイズを42℃においてさらに16時間続けた。次いでフィルターを2×SSC、1%(w/v)のSDS中で42℃において2×1時間洗浄し、増強スクリーンを使用して-70℃において16時間Kodak XARフィルムに露出した。
230の強くハイブリダイズするプラークをPSBの中に取り入れた。cDNAライブラリーの初期スクリーニングについて記載したハイブリダイズ条件を使用して、これらのうちで、39を再スクリーニングして精製されたプラークを単離した。λZAPバクテリオファージの中に含有されるプラスミドをレスキューし、cDNAインサートの3'および5'末端から配列のデータを発生させた。配列の相同性に基づいて、39のうちの27はペチュニアのシンナメート4-ヒドロキシラーゼのcDNAクローンと同一であり、39のうちの2つはHf1のcDNAクローンと同一であり、そして39のうちの7つはシトクロムP450を表さなかった。残りの3つのcDNAクローン(OGR-27、OGR-38、OGR-39と表示する)は、スクリーニング手順において使用したシトクロムP450クローンに比較して、「新しい」シトクロムP450を表し、さらに特性決定した。
実施例5.制限フラグメント長さの多形性(RFLP)の分析
フラボノイド3'-ヒドロキシラーゼ活性をコントロールする2つの遺伝子座、Ht1およびHt2、がペチュニア・ヒブリダ(P.hybrida)の中に存在した(Tabak et al.、1978;Wieringおよびde Vlaming、1984)。Ht1はペチュニア・ヒブリダの花の拡大部および管の双方において発現され、そして管においてのみ発現されるHt2よりも高いレベルのF3'H活性を生ずる。F3'Hはジヒドロケンプフェロールおよびナリンゲニンを、それぞれ、ジヒドロクエルセチンおよびエリオジクチオールに変換することができる。
デルフィニジンをベースとする色素を産生する花において、F3'H活性はF3'5'H活性によりマスクされる。したがって、F3'H活性の存在または非存在を決定するとき、F3'H/F3'5'Hアッセイ(StotzおよびForkman、1982)は役に立たない。酵素フラボノールシンターゼはジヒドロケンプフェロールをケンプフェロールに、そしてジヒドロクエルセチンをクエルセチンに変換することができる(第1a図)。ミリセチン、すなわち、3'5'ヒドロキシル化フラボノールは、ペチュニアの花において低いレベルで産生される。したがって、3'ヒドロキシル化フラボノール、すなわち、クエルセチンについて花を分析することは、F3'H活性の存在を推定することである。
VR(Ht1/ht1)×V23(ht1/ht1)戻し交配において個々の植物から単離されたDNAの制限フラグメント長さの多形性(RFLP)の分析を使用して、存在する場合、P450を表すcDNAクローンのどれがHt1遺伝子座に連鎖されたかを決定した。また、これらの植物から単離されたRNAのノザン分析を使用して、これらの系統における転写体の存在または非存在を検出した。
VR(Ht1/ht1)×V23(ht1/ht1)戻し交配の集団からの花を、フラボノール、ケンプフェロールおよびクエルセチンの存在について分析した。VR(Ht1/ht1)の花はクエルセチンおよび低いレベルのケンプフェロールを蓄積し、これに対してV23(ht1/ht1)の花はケンプフェロールを蓄積するが、クエルセチンをほとんどまたはまったく蓄積しない。VR(Ht1/ht1)×V23(ht1/ht1)戻し交配からの個々の植物を、実質的なレベルのクエルセチンが花の抽出物の中に検出された場合、VR様(Ht1/ht1)と表示し、そしてクエルセチンがほとんどまたはまったく検出されなかったが、実質的なレベルのケンプフェロールが花の抽出物の中に検出された場合、V23様(ht1/ht1)と表示した(第6図を参照のこと)。
ゲノムDNAの単離
本質的にDellaporta et al.(1983)が記載するように、DNAを葉の組織から単離した。DNA調製物をCsCl浮遊密度遠心(Sambrook et al.、1989)によりさらに精製した。
サザンブロット
遺伝子操作DNA(10μg)を60単位のEcoRIで16時間消化し、そしてTAE(40mMのTris-酢酸塩、50mMのEDTA)の流れる緩衝液中で0.7%(w/v)のアガロースゲルを通して電気泳動させた。次いでDNAを変性溶液(1.5MのNaCl/0.5MのNaOH)中で1〜1.5時間変性し、0.5MのTris-HCl(pH7.5)/1.5MのNaCl中で2〜3時間中性し、次いで20×SSC中のハイボンド(Hybond)N(Amersham)フィルターに移した。
RNAブロット
TurpenおよびGriffith(1986)の方法を使用して、ペチュニア・ヒブリダ(P.hybrida)cv.OGR段階1〜3の花の花弁組織から、全体のRNAを単離した。
40mMのモルホリノプロパンスルホン酸(pH7.0)、5mMの酢酸ナトリウム、0.1mMのEDTA(pH8.0)を含有する流れる緩衝液を使用して、2.2Mのホルムアルデヒド/1.2%(w/v)のアガロースゲルを通して、RNAサンプルを電気泳動させた。製造業者が記載するようにハイボンド(Hybond)-Nフィルター(Amersham)にRNAを移した。
ハイブリダイズおよび洗浄の条件
サザンブロットおよびRNAブロットを32P標識化cDNA断片(108 cpm/μg、2×106 cpm/ml)でプローブした。プレハイブリダイズ(42℃において1時間)およびハイブリダイズ(42℃において16時間)を50%(w/v)のホルムアミド、1MのNaCl、1%(w/v)のSDS、10%(w/v)の硫酸デキストラン中で実施した。フィルターを2×SSC、1%(w/v)のSDS中の65℃において1〜2時間洗浄し、次いで0.2×SSC、1%(w/v)のSDS中の65℃において0.5〜1時間洗浄した。増強スクリーンを使用して-70℃においてフィルターを16時間Kodak XARフィルムに露出した。
シトクロムP450フラグメントのRFLPおよびノザン分析
RFLPを使用して、Ht1遺伝子座に対するOGR-27、OGR-38およびOGR-39のcDNAクローンに対応する遺伝子の連鎖を研究した。
OGR-27、OGR-38およびOGR-39のcDNAクローンの32P標識化フラグメントを使用して、VR×V23戻し交配集団における個々の植物から単離されたゲノムDNAのRNAブロットおよびサザンブロットをプローブした。VR×V23戻し交配集団から単離されたEcoRI消化ゲノムDNAは、Ht1に連鎖したOGR-38プローブについてRFLPを明らかにした。さらに、VR様系統において検出された転写体の高いレベルに比較したとき、V23様系統において非常に減少したレベルの転写体が検出された(第6図)。
データは、プラスミドpCGP1805の中に含有されるOGR-38cDNAクローンがHt1に相当しかつF3'Hを表すという強い証拠を提供した。
V23×R51F2 戻し交配のRFLP分析
RFLP分析を使用して、既知の遺伝子座に対するOGR-38のcDNAクローンに対応する遺伝子の連鎖を研究した。
MapMakerマッピングプログラムのMacintosh(登録商標)バージョン2.0(DuPont)(Lander et al.、1987)を使用して、RFLP分析を実施した。連鎖の限界値について、3.0のLODスコアを使用した。
V23×R51F2 集団から単離されたEcoRIまたはXbaI消化ゲノムDNAの分析は、PAc4に連鎖したOGR-38プローブについてのRFLPを明らかにした。PAc4、すなわち、ペチュニアアクチンcDNAクローン(BaridおよびMeagher、1987)は染色体IIIの分子マーカーであり、Ht1遺伝子座に連鎖される(McLean et al.、1990)。44のV23×R51F2 植物のうちの36について、OGR-38およびPAc4のRFLPの共分離が存在した。これは8%の組換え頻度を表し、これはHt1遺伝子座とPAc4との間の16%の報告された組換え頻度に類似する(Cornu et al.、1990)。
OGR-38のさらなる特性決定
5つのペチュニアOGR花弁の発生段階の各から単離された、ならびに葉、萼片、根、幹、花梗、子房、葯および花柱から単離された、全体のRNAの20μgを含有するRNAブロットに対するプローブとして、OGR-38cDNAインサートの32P標識化フラグメントを使用することによって、OGR花弁、ならびに他のOGR組織における発生の発現のプロフィルを決定した。OGR-38プローブは1.8kbの転写体とハイブリダイズし、これは花発生の1〜3のより若い段階においてピークとなった。転写体にハイブリダイズするOGR-38は花弁および子房において最も豊富であり、また、OGR植物の萼片、花梗および葯において検出された。また、低いレベルの転写体は幹において検出された。使用した条件下に、葉、花柱または根から単離された全体のRNAのノザン分析により、ハイブリダイズする転写体は検出されなかった。
実施例6.OGR-38の完全な配列
ランダムにオーバーラップするクローンを発生する標準的手法(Sambrook et al.、1989)を使用して得られた異なるpUC18サブクローンからの配列を収集することによって、OGR-38cDNAクローンの完全な配列(配列番号:1)を決定した。この配列は、512アミノ酸の推定上のポリペプチドをコードする1536塩基のオープンリーディングフレームを含有した。
1fasta整列(PearsonおよびLipamn、1988)を使用して、OGR-38のヌクレオチド配列および予測されたアミノ酸配列(配列番号:1および配列番号:2)を、スクリーニングプロセスにおいて使用されたシトクロムP450プローブおよび他のペチュニアのシトクロムP450配列(米国特許第5,349,125号)と比較した。OGR-38のヌクレオチド配列は、ペチュニア・ヒブリダからのHt1およびHt2遺伝子座を表すフラボノイド3',5'-ヒドロキシラーゼの核酸配列(Holton et al.、1993)に最も類似した。Ht1クローンは、1471ヌクレオチドにわたって、OGR-38cDNAクローンに対して59.6%の類似性を示し、そして513アミノ酸にわたって、49.9%の類似性を示したが、Ht2クローンは、1481ヌクレオチドにわたって、OGR-38cDNAクローンに対して59.1%の類似性を示し、そして511アミノ酸にわたって、49.0%の類似性を示した。
実施例7.pCGP1646の酵母構築物中で発現されたHt1cDNAクローン(OGR-38)のF3'Hアッセイ
pYE22m(Tanaka et al.、1988)の酵母グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼプロモーターの背後において「センス」の向きでpCGP1805からのOGR-38cDNAインサートをクローニングすることによって、プラスミドpCGP1646(第7図)を構築した。
プラスミドpCGP1805をAsp718で消化して線状化した。標準的プロトコール(Sambrook et al.、1989)に従いDNAポリメラーゼ(クレノーフラグメント)を使用して、オーバーハンギング5'末端を「充填」した。SmaIで消化すると、1.8kbのOGR-38cDNAフラグメントが解放された。ブレサクリー(Bresaclean)キット(Bresatec)を使用して、cDNAフラグメントを単離し、精製し、pYE22mの平滑化EcoRI末端と結合させた。プラスミドpYE22mをEcoRIで消化し、標準的プロトコール(Sambrook et al.、1989)に従いDNAポリメラーゼ(クレノーフラグメント)を使用して、オーバーハンギング5'末端を除去した。アマーシャム結合キットを使用して、100ngの1.8kbのOGR-38フラグメントおよび150ngの調製した酵母ベクター、pYE22mを用いて結合を実施した。アンピシリン耐性形質転換体から単離されたプラスミドDNAのXbaI/SalI制限酵素分析により、pYE22m中のインサートの正しい挿入は確立された。
酵母の形質転換
酵母G-1315株(Matα、trp1)(Ashikari et al.、1989)をIto et al.(1983)に従いpCGP1646で形質転換した。G-1315をトリプトファンプロトトロピーに回復するそれらの能力により、形質転換体を選択した。
F3'H活性のアッセイのための酵母抽出物の調製
G-1315/pCGP1646の単一の単離物を使用して50mlの変更バークホルダー培地(Modified Burkholder's medium)(20.0g/lのデキスロース、2.0g/lのL-アスパラギン、1.5g/lのKH2 PO4 、0.5g/lのMgSO4 ・7H2 O、0.33g/lのCaCl2 、2g/lの(NH4 )2 SO4 、0.1mg/lのKI、0.92g/lの(NH4 )6 Mo7 O24・4H2 O、0.1g/lのニトリロ三酢酸、0.99mg/lのFeSO4 ・7H2 O、1.25mg/lのEDTA、5.47mg/lのZnSO4 ・7H2 O、2.5mg/lのFeSO4 ・7H2 O、0.77mg/lのMnSO4 ・7H2 O、0.196mg/lのCuSO4 ・5H2 O、0.124mg/lのCo(NH4 )2 (SO4 )2 ・6H2 O、0.088mg/lのNa2 B4 O7 ・10H2 O、0.2mg/lのチアミン、0.2mlのピリドキシン、0.2mg/lのニコチン酸、0.2mg/lのパントテネート、0.002mg/lのビオチン、10mg/lのイノシトール)を接種し、引き続いてこれをOD600 における値が30℃において1.8となるまでインキュベートした。
細胞を遠心により集め、緩衝液1[2Mのソルビトール、0.1mMのDTT、0.1mMのEDTA、0.4mMのフェニルメチルスルホニルフルオライド(PMSF)および5mgの酵母溶解酵素/mlを含有する10mMのTris-HCl(pH7.5)]の中に再懸濁させた。30℃においておだやかに震盪しながら1時間インキュベートした後、細胞を遠心によりペレット化し、氷冷緩衝液2[0.65Mのソルビトール、0.1mMのDTT、0.1mMのEDTA、0.4mMのPMSFを含有する10mMのTris-HCl(pH7.5)]中で洗浄した。次いで細胞を緩衝液2の中に再懸濁させ、使用サイクル30%および出力制御10%においてブランソン・ソニファイアー(Branson Sonifier)250により6×15秒のバーストを使用して超音波処理した。超音波処理した懸濁液を10,000rpmにおいて30分間遠心し、上清を13,000rpmにおいて90分間遠心した。ミクロソームのペレットをアッセイ緩衝液(100mMのリン酸カリウム(pH8)、1mMのEDTA、20mMの2-メルカプトエタノール)の中に再懸濁させ、そして100μlを活性についてアッセイした。
F3'Hアッセイ
StotzおよびForkmann(1982)により記載されている方法の変更バージョンを使用して、F3'H酵素活性を測定した。アッセイ混合物は典型的には100μlの酵母抽出物、5μlのアッセイ緩衝液(100mMのリン酸カリウム(pH8.0)、1mMのEDTAおよび20mMの2-メルカプトエタノール)中の50mMのNADPHおよび10μCiの[3 H]-ナリンゲニンを含有し、そしてアッセイ緩衝液で210μlまでの最終体積にした。23℃において2〜16時間インキュベートした後、反応混合物を0.5mlの酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル期を真空下に乾燥し、次いで10μlの酢酸エチルの中に再懸濁させた。トリチウム化フラボノイド分子を、セルロースの薄層プレート(Merck Art 5577、ドイツ国)上でクロロホルム:酢酸:水(10:9:1v/v)溶媒系を使用して分離した。反応生成物をオートラジオグラフィーにより局在化し、反応生成物に沿って展開する非反応性ナリンゲニンおよびエリオジクチオールの標準と比較することによって同定し、紫外線下に可視化した。
F3'H活性はG1315/pCGP1646の抽出物において検出されたが、非トランスジェニック酵母の抽出物において検出されなかった。これから、Ht1に連鎖されたpCGP1805からのcDNAインサート(OGR-38)はF3'Hをコードすると、結論された。
実施例8.植物におけるHt1cDNAクローン(OGR-38)の一時的発現pCGP1867の構築
pCGP293(Brugliera et al.、1994)のMacプロモーター(Comai et al.、1990)の背後に「センス」の向きでpCGP1805からのcDNAインサートをクローニングすることによって、プラスミドpCGP1867(第8図)を構築した。プラスミドpCGP1805をXbaIおよびKpnIで消化して、cDNAインサートを解放した。ブレサクリー・キット(Bresatec)を使用して、cDNAフラグメントを単離し、精製し、pCGP293バイナリーベクターのXbaI/KpnI端と結合させた。アマーシャム結合キットを使用して、結合を実施した。ゲンタマイシン耐性形質転換体から単離されたDNAのXbaI/KpnI制限酵素分析により、pCGP1867中のフラグメントの正しい挿入は確立された。
ペチュニアの花弁におけるHt1cDNAクローンの一過性発現
pCGP1867中のOGR-38cDNAフラグメントが植物中の機能的F3'Hを表示するかどうかを決定するために、一時的発現の研究を確立した。突然変異体ペチュニア・ヒブリダ(P.hybrida)Skr4×SW63系統の花弁を、pCGP1867DNAでコーティングした金粒子(直径1μm)で衝撃した。
金のマイクロキャリヤーを100%のエタノール中で3回予備洗浄し、無菌の水の中に再懸濁させた。各ショットのために、1μgのpCGP1867DNA、0.5mgの金のマイクロキャリヤー、10μlの2.5MのCaCl2 および2μlの100mMのスペルミジン(遊離塩基)を2分間渦形成により混合した。DNAコーティングされた金粒子を遠心によりペレット化し、100%のエタノールで2回洗浄し、最後に10μlの100%のエタノールの中に再懸濁させた。この懸濁液をマイクロキャリヤーの中央に直接的に配置し、乾燥させた。
Skr4×SW63の花の段階1および2を垂直に半分にカットし、MS固体培地(3%(w/v)のスクロース、100mg/lのミオ-イノシトール、1×MS塩、0.5mg/lのピリドキシン-HCl、0.1mg/lのチアミン-HCl、0.5mg/lのニコチン酸および2mg/lのグリシン)の中に部分的に埋め込んだ。花芽の内部が上方に面するように、花弁を配置した。バイオリスティック(Biolistic)PDS-1000/Heシステム(Bio-Rad)、900psiのヘリウムガス圧および28インチHgのチャンバー減圧を使用して、金のマイクロキャリヤーを花弁組織の中にプロジェクトした。
制御された植物生長室中で22℃において光下に6〜12時間後、pCGP1867コーティングされた粒子で衝撃された花弁組織の上の表皮層上において、赤色のアントシアニンが観察された。金粒子単独で衝撃された対照の花弁において、着色したスポットは観察されなかった。これらの結果が示すように、Macプロモーターの制御下にOGR-38cDNAクローンは、花弁組織において、少なくとも一時的に、機能的であった。
実施例9.ペチュニア植物におけるHt1cDNAクローン(OGR-38)の安定な発現-ht1/ht1ペチュニア栽培品種の相補性
アグロバクテリウム・ツメファシエンス(A.tumefaciens)の形質転換
50mlのMG/L(GarfinkelおよびNester、1980)培養物を接種し、28℃において震盪しながら16時間増殖することによって調製した100μlのコンピテントAGL0細胞に、5μgのプラスミドDNAを添加することによって、プラスミドpCGP1867(第8図)をアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)AGL0株の中に導入した。次いで細胞をペレット化し、0.5mlの85%(w/v)の100mMのCaCl2 /15%(v/v)のグリセロールの中に再懸濁させた。
DNA-アグロバクテリウム(Agrobacterium)混合物を液体N2 中で2分間インキュベートすることによって凍結させ、次いで37℃において5分間インキュベートすることによって融解させた。次いでDNA/細菌混合物を氷上にさらに10分間配置させた。次いで細胞を1mlのLB(Sambrook et al.、1989)培地と混合し、28℃において震盪しながら16時間インキュベートした。10μg/mlのゲンタマイシンを含有するLB寒天平板上で、pCGP1867を担持するアグロバクテリウム・ツメファシエンス(A.tumefaciens)の細胞を選択した。ゲンタマイシン耐性形質転換体から単離されたDNAのサザン分析により、pCGP1867の存在は確証された。
ペチュニアの形質転換
(a)植物材料
ペチュニア・ヒブリダ(P.hybrida)cv.Skr4×SW63の成熟植物からの葉組織を1.25%(w/v)の次亜塩素酸ナトリウム中で2分間処理し、次いで無菌の水中で3回すすいだ。次いで葉組織を25mm2 の正方形にカットし、0.05mg/lのカイネチンおよび1.0mg/lの2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)を補充したMS培地(MurashigeおよびSkoog、1962)上で24時間前培養した。
(b)アグロバクテリウム(Agrobacterium)およびペチュニア組織の同時培養
100mg/lのゲンタマイシンを含有するMG/L寒天平板上で4℃において、バイナリーベクターpCGP1867(第11図)を含有するアグロバクテリウム・ツメファシエンス(A.tumefaciens)AGL0株を維持した。1%(w/v)のバクト-ペプトン、0.5%(w/v)のバクト-酵母エキスおよび1%(w/v)のNaClを含有する液体培地中で、単一のコロニーを一夜生長させた。
次の日に、B5ビタミン(Gamborg et al.、1968)および3%(w/v)のスクロースを含有する液体MS培地(BPM)中で希釈することによって、5×108 細胞/mlの最終濃度を調製した。AGL0/pCGP1867を含有するBPMの中に、葉ディスクを2分間浸漬した。葉ディスクをブロットして乾燥させ、同時培養培地上に4日間配置した。同時培養培地は0.05mg/lのカイネチンおよび1.0mg/lの2,4-Dを補充したSH培地(SchenkおよびHildebrandt、1972)から成り、そしてタバコ細胞懸濁液の上部上に濾紙を配置して、同時培養培地の上に広げられたタバコ細胞懸濁液のフィーダー層を含んだ。
(c)トランスジェニックペチュニア植物の回復
同時培養後、葉ディスクを選択培地(3%(w/v)のスクロース、2mg/mlのα-ベンジルアミノプリン(BAP)、0.5mg/lのα-ナフタレン酢酸(NAA)、300mg/lのカナマイシン、350mg/lのセフォタキシムおよび0.3%(w/v)のゲルライト・ゲラン・ガム(Gelrite Gellan Gum)(Schweizerhall)を補充したMS培地)に移した。再生する外植体を4週後に新鮮な選択培地に移した。
カナマイシン選択に生き残った不定シュートを単離し、根の誘導のために100mg/lのカナマイシンおよび200mg/lのセフォタキシムを含有するBPMに移した。すべての培養物を16時間の光周期(60μmol.m-2、s-1白色けい光)下に23±2℃に維持した。根が2〜3cmの長さに到達したとき、トランスジェニックペチュニア小植物を8cmの管中のオートクレーブ処理したデブコ(Debco)51410/2鉢植え混合物に移した。4週後、同一鉢植え混合物を使用して、15cmの鉢の中に再移植し、14時間の光周期(300μmol.m-2、s-1ハロゲン化水銀光)下に23℃に維持した。
実施例10.トランスジェニック植物の表現型の分析Skr4×SW63中のpCGP1867
pCGP1867プラスミドで形質転換されたSkr4×SW63植物で得られた種々の花弁および花粉の色の表現型を、表7に示す。トランスジェニック植物#593A、590A、571A、589A、592Aおよび591Aは、変更した花弁色をもつ花を産生した。そのうえ、植物#593A、590A、589A、592Aおよび591Aからの花の葯および花粉は、白色である対照Skr4×SW63植物のそれらと比較して、ピンク色であった。
Skr4×SW63ペチュニア植物の中にプラスミドpCGP1867を導入したとき観察された、葯および花粉の色の変化は、予測されない結果であった。色コードはロイアル・ホーティカルチュラル・ソサイアティーズ・カラー・チャート(Royal Horticultrural Society's Colour Chart)(RHSCC)から採用する。それらは観察された色の表現型を記載する別の手段を提供する。しかしながら、表示された番号は知覚された色に対する指針としてのみ取るべきであり、得ることができる可能な色の限定として見るべきではない。
Figure 2007244390
Skr4×SW63ハイブリッドにおける導入されたHt1cDNAの発現は、花の色に顕著な効果を有した。非トランスジェニック対照の雄蕊組織は白色であるが、トランスジェニック植物の大部分における同一組織はピンク色であった。さらに、Skr4×SW63ハイブリッドにおけるHt1cDNAの発現は、正常では非常に淡いライラック色である花冠に暗いピンク色を付与した。
実施例11.生成物の分析
pCGP1867で形質転換されたSkr4×SW63植物の花弁および雄蕊(花粉、葯およびフィラメントを含む)において産生されたアントシアニンおよびフロバノールを、TLCにより分析した。
アントシアニンおよびフラボノールの抽出
TLC分析の前に、花弁および雄蕊の抽出物の中に存在するアントシアニンおよびフロバノールの分子を酸加水分解し、アントシアニンまたはフロバノールのコアからグリコシル部分を除去した。アントシアニンおよびフロバノールの標準を使用して、花の抽出物の中に存在する化合物の同定を促進した。
アントシアニンおよびフロバノールを、1mlの2Mの塩酸中で、100〜200mgの花弁拡大部、または5つの雄蕊を30分間沸騰することによって、抽出および加水分解した。加水分解したアントシアニンおよびフロバノールを200μlのイソ-アミルアルコールで抽出した。次いで混合物を真空下に乾燥し、より小さい体積のメタノール/1%(v/v)HClの中に再懸濁させた。使用したメタノール/1%(v/v)HClの体積は、花弁中のフラボノイドの相対レベルを推定することができるように、花弁の初期の新鮮な重量に基づいた。雄蕊からの抽出物を1μlのメタノール/1%(v/v)HClの中に再懸濁させた。Skr4×SW63の花弁および雄蕊の中のpCGP1867からの抽出物の1μlを、TLCプレート上にスポットした。
酸加水分解した花の抽出物をフォレスタル(Forestal)溶媒系(HOAc:水:HCl;30:10:3)(Markham、1982)中で展開した。pCGP1867で形質転換されたトランスジェニックSkr4×SW63ペチュニア植物の花および雄蕊のいくつかの中に存在するアントシアニンおよびフロバノールのTLC分析の結果を、表8に示す。TLCプレート上で観察されたスポットの強度を比較することによって、フロバノールおよびアントシアニンの示す相対量(「+」〜「+++」で表示する)を推定した。
Figure 2007244390
Skr4×SW63の中へのHt1cDNAクローンの導入は、花弁における3'-ヒドロキシル化フラボノイド、クエルセチン、ペオニジンおよびいくつかのシアニジンの産生に導いた。ペオニジンはシアニジンのメチル化誘導体である(第1a図および第1b図)。非トランスジェニックSkr4×SW63対照において、ケンプフェロールおよび少量のマルビジンのみが検出された(表8)。Skr4×SW63はHt1およびHt2の双方の遺伝子について同型劣性であるが、これらの突然変異はF3'5'Hの産生を完全にブロックせず(米国特許第5,349,125号を参照のこと)そして低いレベルのマルビジンが産生して花弁拡大部に淡いライラック色を与える。
トランスジェニック植物#593Aにより産生されたピンク色の花粉および葯をもつ雄蕊はペオニジンおよびクエルセチンを含有したが、白色の花粉および葯をもつ非トランスジェニックSkr4×SW63対照はケンプフェロールおよび低いレベルのクエルセチンを含有した(表8)。
トランスジェニックSkr4×SW63/pCGP2167植物の花弁および雄蕊の中の3'-ヒドロキシル化アントシアニン、ペオニジンの蓄積は、同一植物の花弁、葯および花粉において観察されたピンク色および暗いピンク色と相関した。
F3'H活性の共抑制(cosuppession)
F3'H活性のレベルを減少するために、プラスミドpCGP1867を、また、ペチュニア・ヒブリダ(P.hybrida)cv.オールド・グローリイ・レッド(Old Glory Red)(Ht1)の中に導入した。
上記実施例9に記載されているように、形質転換を実施した。
38のトランスジェニック植物のうちの2つは変更された表現型をもつ花を産生した。OGRは通常深い赤色の花を産生した(PHSCC#46B)。変更された花の色をもつ2つのトランスジェニック植物は、淡いピンク色または淡い赤色の色相をもつ花を産生した(PHSCC#54Bおよび#53C)。
OGR-38転写体のレベルを検査するために、4つのトランスジェニック植物(変更された表現型をもつ2つのトランスジェニック植物および通常の深い赤色の花をもつトランスジェニック植物)により産生された花から単離されたRNAについてのノザン分析を実施した。10μgの全体の花弁RNAを1.2%(w/v)アガロース/ホルムアルデヒドゲル(Sambrook et al.、1989)上で分離し、以前に記載されたように、ハイボンド(Hybond)Nナイロン膜(Amersham)に移した。また、非形質転換OGR花からの花弁RNAを対照として含めた。OGR-38cDNAインサートの32P標識化フラグメントを使用して、RNAブロットをプローブした。
OGR-38プローブは、トランスジェニック植物の花の中にほぼ2.4kbおよび1.8kbの転写体を検出した。しかしながら、淡いピンク色および淡い赤色の花において検出された双方の転写体のレベルは、深い赤色のトランスジェニック花において検出されたレベルよりかなり低かった。また、内因性1.8kbの転写体は非形質転換OGRの花からのRNAにおいて検出された。2.4kbの転写体が導入されたOGR-38トランスジーンからのものであることを確証するために、masターミネーター領域の32P標識化フラグメントを使用して、同一RNAブロットをプローブした。masプローブは2.4kbの転写体を検出し、少なくともこの転写体が導入されたOGR-38トランスジーンから誘導されたことを示唆する。
アントシアニンのレベルの分析
対照の花および淡いピンク色のトランスジェニック花におけるアントシアニンのレベルを、分光光度測定分析により測定した。
アントシアニンおよびフロバノールの抽出
2mlのメタノール/1%(v/v)HCl中で200〜300mgの花弁拡大部を4℃において16時間インキュベートすることによって、アントシアニンおよびフロバノールを花弁拡大部から抽出した。次いで50μlのこの溶液を950μlのメタノール/1%(v/v)HClに添加し、そして希釈した溶液の吸収を530nmにおいて測定した。下記の式を使用して、アントシアニンのレベル(nmol./g)を決定した:[(吸収(530nm)/34,000)×抽出緩衝液の体積×希釈係数×106 ]/重量(g)。
淡いピンク色の花はほぼ915nmol.のアントシアニン/gの花弁拡大部組織を含有することが見出されたが、対照花は約4000nmol./gを含有した。
これらのデータが示唆するように、OGR植物の中にセンスの向きでペチュニアのF3'H(OGR-38)cDNAクローンを導入すると、内因性およびトランスジェニックの双方のF3'H転写体は「共抑制」(減少)される。より淡い色、アントシアニン産生の減少およびF3'H転写体レベルの減少の間に相関が観察された。
実施例12.ジアンサス・カリオフィルス(Dianthus caryophyllus)からのF3'HcDNAクローンの単離
ジアンサス・カリオフィルス(カーネーション)のF3'HcDNAクローンを単離するために、pCGP1805(前述)の中に含有される、ペチュニアのHt1連鎖F3'HcDNAクローン(OGR-38)を使用して、低いストリンジェンシイ条件下に、カーネーション(Carnation)cv.コルチナ・チャネル(Kortina Chanel)の花弁cDNAライブラリーをスクリーニングした。
カーネーション栽培種コルチナ・チャネルのcDNAライブラリーの構築
コルチナ・チャネルの花の段階1、2および3から単離された(以前に記載されたように)20μgの全体のRNAを、1×スーパースクリプト(SuperscriptTM)反応緩衝液、10mMのジチオスレイトール(DTT)、500μMのdATP、500μMのdGTP、500μMのdTTP、500μMの5-メチル-dCTP、ZAP-cDNAギガパック(Gigapack)IIIゴールド・クローニング(Gold Cloning)キット(Stratagene)からの2.8μgのプライマー-リンカーオリゴおよび2μlのスーパースクリプト(SuperscriptTM)逆転写酵素(BRL)を含有する50μlの体積中で逆転写した。反応混合物を37℃において60分間インキュベートし、次いで氷上に配置した。ZAP-cDNAギガパックIIIゴールド・クローニング・キット(Stratagene)を使用して、ライブラリーの構築を完結した。組換え体の合計の数は2.4×106 であった。
XL1-ブルー(Blue)MRF'細胞をトランスフェクトした後、合計200,000pfuのパッケージドcDNAを10,000pfu/直径15cmのプレートでプレートした。プレートを37℃において8時間インキュベートし、次いで4℃において一夜貯蔵した。重複リフトをコロニー/プラーク・スクリーン(Colony/Plaque ScreenTM)フィルター(DuPont)上に取り、製造業者が推奨するように処理した。
F3'HcDNAクローンについてのコルチナ・チャネルの花弁のcDNAライブラリーのスクリーニング
ハイブリダイズの前に、重複プラークのリフトを以前に記載されたように処理した。コルチナ・チャネルの花弁のcDNAライブラリーからの重複リフトを、pCGP1805からの1.8kbのEcoRI/XhoIの32P標識化フラグメントでスクリーニングした。ペチュニアのOGRcDNAライブラリーのスクリーニングについて記載したように、低いストリンジェンシイ条件を使用した。
1つの強くハイブリダイズするプラークをPSBの中に取り、上に詳細したように、再スクリーニングして精製されたプラークを単離した。1ZAPバクテリオファージの中に含有されるプラスミドをレスキューし、pCGP1807と命名した。
pCGP1807の中に含有されるKC-1cDNAインサートはEcoRI/XhoIで消化するとき解放され、そして約2kbであった。KC-1cDNAインサートのサブクローンからの配列の収集により、KC-1cDNAクローンの完全な配列を決定した。(pBluescriptの中にサブクローニングしてpCGP1808を得たKC-1の3'領域をカバーする800bpのKpnIフラグメントから、458ヌクレオチドをカバーする部分的配列を発生させた。)完全な配列(配列番号:3)は、500アミノ酸の推定上のポリペプチド(配列番号:4)をコードする1508塩基のオープンリーディングフレームを含有した。
カーネーションのKC-1cDNAクローンのヌクレオチド配列および予測したアミノ酸配列を、ペチュニアのOGR-38F3'HcDNAクローン(配列番号:1および配列番号:2)の配列と比較した。カーネーションのKC-1cDNAクローンの配列(配列番号:3および4)は、ペチュニアのOGR-38F3'HcDNAクローンの配列に対して、1555ヌクレオチドにわたって67.3%の類似性を示し、そして488アミノ酸にわたって71.5%の類似性を示した。
ペチュニア、カーネーション、キンギョソウ、ナズナ、バラ、キクおよびトレニアの配列の整列(それらのすべてはこの明細書に開示されている)、およびヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列の間の配列の類似性の比較の種々の要約は、それぞれ、表7の中に、および表8、9、10、11および12の中に見出すことができる。これらの表は、この明細書の終わりにおける、実施例34の中に存在する。
実施例13.ペチュニアの花弁中のカーネーションのF3'HcDNA(KC-1)クローンの安定な発現-ht1/ht1ペチュニアの栽培品種の相補性
pCGP1810の調製
pCGP90(米国特許第5,349,125号)、pCGP293をベースとする構築物(Brugliera et al.、1994)、のMacプロモーター(Comai et al.、1990)の背後において「センス」の向きでpCGP1807からのcDNAインサートをクローニングすることによって、プラスミドpCGP1810(第9図)を構築した。プラスミドpCGP1807をBamHIおよびApaIで消化して、KC-1cDNAインサートを解放した。ブレサクリーン(Bresaclean)キット(Bresatec)を使用して、cDNAフラグメントを単離し、精製した。
pCGP90バイナリーベクターをBamHIおよびApaIで消化して、線状化ベクターおよびHt1cDNAインサートを解放した。ブレサクリーン・キット(Bresatec)を使用して、線状化ベクターを単離し、精製し、KC-1cDNAクローンのBamHI/ApaI末端と結合させた。アマーシャム結合を使用して、結合を実施した。pCGP1810中のインサートの正しい挿入は、ゲンタマイシン耐性形質転換体から単離されたDNAのBamHI/ApaI制限酵素により確立された。
実施例9に記載されているように、バイナリーベクターpCGP1810をアグロバクテリウム・ツメファシエンス(A.tumefaciens)AGL0株の細胞の中に導入した。pCGP1810/AGL0細胞を引き続いて使用して、Skr4×SW63ペチュニア植物(また、実施例9に記載されている)を形質転換して、KC-1cDNAクローンに対応する遺伝子によりコードされる酵素の安定な発現および活性について試験した。
実施例14.トランスジェニック植物の表現型の分析
Skr4×SW63におけるpCGP1810
Skr4×SW63ハイブリッドにおける導入されたKC-1cDNAの発現は、花の色に対して顕著な作用を有した。pCGP1810で形質転換された12のトランスジェニック植物のうちの10は、Skr4×SW63対照(RHSCC#74C)と比較して、変更された花弁の色(RHSCC#73A)をもつ花を産生した。そのうえ、トランスジェニック花の葯および花粉は、白色である対照のSkr4×SW63植物と比較して、ピンク色であった。
さらに、Skr4×SW63ハイブリッドにおけるKC-1cDNAの発現は、通常淡いライラック色である、暗いピンク色の色相を花冠に付与した。色コードはロイアル・ホーティカルチュラル・ソサイアティーズ・カラー・チャート(Royal Horticultrural Society's Colour Chart)(RHSCC)から採用する。それらは観察された色の表現型を記載する別の手段を提供する。しかしながら、表示された番号は知覚された色に対する指針としてのみ取るべきであり、得ることができる可能な色の限定として見るべきではない。
酸加水分解した花の抽出物(実施例11を参照のこと)をフォレスタル(Forestal)溶媒系(HOAc:水:HCl;30:10:3)(Markham、1982)中で展開した。3'-ヒドロキシル化アントシアニン、ペオニジンおよびクエルセチンは、トランスジェニック植物の花弁拡大部において容易に検出された。非トランスジェニックSkr4×SW63対照において、ケンプフェロールおよび少量のマルビジンのみが検出された。
トランスジェニックSkr4×SW63植物の花弁の中の3'-ヒドロキシル化アントシアニン、ペオニジンの蓄積は、同一植物の花弁において観察された暗いピンク色と相関した。
pCGP1813の構築
pCGP1958のMacプロモーター(Comai et al.、1990)の背後において「センス」の向きでpCGP1807から単離されたcDNAをクローニングすることによって、プラスミドpCGP1811を構築した。pCGP1958は、MacプロモーターおよびpCGP619主鎖中のマンノパインシンターゼ(mas)(Comai et al.、1990)ターミネーターを含有する。pCGP1807をPstIおよびXhoIで消化してcDNAインサートを解放した。DNAポリメラーゼ(クレノーフラグメント)(Sambrook et al.、1989)を使用して、オーバーハンギング5'末端を充填した。ブレサクリーン・キット(Bresatec)を使用して、cDNAフラグメントを単離し、精製し、pCGP1958ベクターのSmaI末端と結合してpCGP1811を生成した。
プラスミドpCGP1811を引き続いてPstIで消化して、masターミネーターをもつKC-1cDNAを推進するMacプロモーターを含有する発現カセット(それらのすべては4kbのフラグメント上に含有されている)を解放させた。発現カセットを単離し、pWTT2132バイナリーベクターのPstI末端と結合させた(DNA Plant Technology Corporation;カリフォルニア州オークランド)(第10図)。
カーネーションF3'HcDNAクローンを使用するジアンサス・カリオフィルス(Dianthus caryophyllus)栽培種コルチナ・チャネル(Kortina Chanel)の形質転換
実施例9に記載されているように、バイナリーベクターpCGP1813をアグロバクテリウム・ツメファシエンスAGL0株の細胞の中に導入した。pCGP1813/AGL0細胞を使用してカーネーション植物を形質転換して、3'-ヒドロキシル化フラボノイドの量を減少させた。
(a)植物材料
ジアンサス・カリオフィルス(cv.Kortina Chanel)の挿し木を、ヴァン・ワイク・アンド・サン・フラワー・サプライ(Van Wyk and Son Flower Supply)(オーストリア国ヴィクトリア)から入手した。外側の葉を除去し、挿し木を70%v/vエタノール中で短時間滅菌し、次いで1.25%w/v次亜塩素酸ナトリウム(ツイーン20を含む)中で6分間滅菌し、無菌の水で3回洗浄した。同時培養の前に、すべての可視の葉および腋芽を解剖顕微鏡下に除去した。
(b)アグロバクテリウム(Agrobacterium)およびジアンサス(Dianthus)の組織の同時培養
バイナリーベクターpCGP1813を含有するアグロバクテリウム・ツメファシエンスAGL0株(Lazo et al.、1991)を、50mg/lのテトラサイクリンを含むLB寒天平板上で4℃において維持した。50mg/lのテトラサイクリンを含む液体LBブロス中で単一のコロニーを一夜生長させ、次の日に接種前に5×108 細胞/mlに希釈した。3%w/vのスクロース、0.5mg/lのBAP、0.5mg/lの2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4-D)、100mMのアセトスリンゴンおよび0.25%w/vのゲルライト(Gelrite)(pH5.7)を補充したMS培地上で、ジアンサス幹組織をアグロバクテリウムとともに5日間同時培養した。
(c)トランスジェニックジアンサス植物の回収
形質転換された幹組織を選択するために、各同時培養した幹の上部6〜8mmを3〜4mmのセグメントに切断し、次いでこれらを0.3%w/vのスクロース、0.5mg/lのBAP、0.5mg/lの2,4-D、1μg/lのクロルスルフロン、500mg/lのテトラサイクリンおよび0.25%w/vのゲルライトを補充したMS培地(MurashigeおよびSkoog、1962)に移した。
2週後、3%のスクロース、0.16mg/lのチジアズロン(TDZ)、0.5mg/lのインドール-3-酪酸(IBA)、2μg/lのクロルスルフロン、500mg/lのチカルシリンおよび0.25%w/vのゲルライトを含有する新鮮なMS培地に、外植体を移した。3週後、3%w/vのスクロース、5μg/lのクロルスルフロン、500mg/lのチカルシリン、0.25%w/vのゲルライトを含有する無ホルモンMS培地に、健康な不定シュートを移した。5μg/lのクロルスルフロンに生き残ったシュートを、シュートを伸長させるために、同一培地に移した。
基準化および根の産生のために、ガラスジャーの中の5μg/lのクロルスルフロン、500mg/lのチカルシリンおよび0.4%w/vのゲルライトを含有する無ホルモンMS培地に、伸長したシュートを移した。すべての培養物を16時間の光周期(120mE/m2 /sの白色けい光)下に23±2℃に維持した。ほぼ1.5〜2cmの高さの基準化小植物を、順化のために土壌(75%パーライト/25%泥炭)に14時間の光周期(200mE/m2 /sのハロゲン化水銀光)下に23℃において3〜4週間移した。植物に、1g/lのCaNO3 および0.75g/lの微量元素と4.7:3.5:29.2の比のN:P:Kとの混合物を含有するカーネーション混合物の肥料をやった。
実施例15.異なる表示アプローチを使用するアンチリヌム・マジュス(Antirrhinus majus)(キンギョソウ)からのF3'HcDNAクローンの単離
新規なアプローチを使用して、アンチリヌム・マジュス(Antirrhinus majus)(キンギョソウ)からのF3'HをコードするcDNA配列を単離した。(i)重複オリゴヌクレオチドを使用する植物のシトクロムP450配列の単離(Holton et al.、1993)および(ii)真核メッセンジャーRNAの異なる表示(LiangおよびPardee、1992)のプロトコールに基づく変更された方法を組合わせて、野生型(Eos + )およびF3'H突然変異体(eos - )キンギョソウの系統の間の花弁のシトクロムP450転写体の集団を比較した。
示差的に発現されたcDNAフラグメントの直接的クローニングは、推定上のF3'Hエンコーディング配列を同定するためのノザン、RFLPおよび配列の分析による、それらのそれ以上の特性決定を可能とした。Frohman et al.、(1988)のRACEプロトコールを使用して、全長のcDNAが得られ、そしてこのクローンは、ペチュニアの花弁細胞における一時的発現および安定な発現の双方の後に、機能的F3'Hをコードすることが示された。
植物の材料
使用したアンチリヌム・マジュス(Antirrhinus majus)系統は、親の系統K16(eos - )およびN8(Eos + )から誘導された。K16はF3'H活性を欠如する同型劣性突然変異体であるが、N8はF3'H活性の野生型である。これらの系統は類似するが、同質遺伝子的ではない。自殖したK16×N8F1 植物(#E228)からのカプセルE2282 の種子を発芽させ、そして生ずる植物(K16×N8F2 植物)をシアニジン、すなわち、F3'H活性の産物、の存在または非存在についてスコアをつけた(第1a図および第1b図を参照のこと)。
シアニジンの存在は、ピンク色(ペラルゴニジン誘導色素から)であった突然変異体植物と異なり、花がクリムソン色であったので、視的にスコアをつけることができた。視的にスコアをつける正確度は、実施例11に記載されているように実施された、花弁アントシアニンのTLC分析により確証された。 E2282 種子から発生した13の植物のうちで、9つ(#3、#4、#5、#6、#7、#9、#10、#12、#15)はシアニジンを含む花を産生した(Eos + /Eos + およびEos + /eos - )が、4つ(#8、#11、#13、#14)はペラルゴニジン誘導色素のみを産生した(eos - /eos - )。
cDNAの合成
TurpenおよびGriffith(1986)の方法を使用して、アンチリヌム・マジュス(A.majus)K16×N8F2 を分離する集団(E2282 )の植物#13の葉および植物#3、#5および#12の花弁組織から、全体のRNAを単離した。製造業者が推奨する緩衝液中で37℃において40単位のRNasinR リボヌクレアーゼインヒビター(Promega)の存在下に、50μgの全体のRNAを1単位のRQ1RNアーゼ不含DNアーゼ(Promega)で処理することによって、汚染するDNAを除去した。次いで、フェノール/クロロホルム/イソ-アミルアルコール(25:24:1)で抽出し、引き続くエタノール沈降により、RNAをさらに精製した。
ポリアデニル化配列の上流領域に対して相補的な、定着したポリ(T)オリゴヌクレオチドを使用して、アンチリヌム・マジュス(A.majus)の花弁および葉のRNAからのcDNAの合成をプライムした。合成されたオリゴヌクレオチドの配列は下記の通りであった(3'-3'):
ポリT-anchA TTTTTTTTTTTTTTTTTA 配列番号:27
ポリT-anchC TTTTTTTTTTTTTTTTTC 配列番号:28
ポリT-anchG TTTTTTTTTTTTTTTTTG 配列番号:29
2μgの全体のRNAおよび100pmolの適当なプライミングオリゴヌクレオチドを70℃に10分間加熱し、次いで氷上で冷却した。次いで20単位のRNasinR (Promega)、25nMの各dNTP、10mMのDTTおよび1×スーパースクリプト(Superscript)緩衝液(BRL)を含有する反応混合物に、RNA/プライマーのハイブリッドを添加した。この反応混合物を37℃に2分間加熱し、次いで200単位のスーパースクリプト(SuperscriptTM)逆転写酵素(BRL)を添加し、反応を75分間進行させ、次いで混合物を95℃に20分間加熱することによって不活性化した。
PCRを使用するシトクロムP450配列の増幅
重複オリゴヌクレオチド(植物のシトクロムP450のコーディング配列の3'末端付近の保存された配列に対して相補的であるように設計された)およびポリTアンカーオリゴヌクレオチドを使用して、シトクロムP450配列を増幅した。同様なアプローチは従来ペチュニア・ヒブリダ(Petunia hybrida)からシトクロムP450配列を発生するために使用され、そして米国特許第5,349,125号に記載されている。
4つのオリゴヌクレオチド(上流のプライマーと呼ぶ)を合成した。これらは植物のシトクロムP450配列中の保存されたアミノ酸領域から誘導された。オリゴヌクレオチド(5'→3'の方向に書く)は、下記の通りであった:
WAIGRDP(配列番号:30) TGG GCI ATI GGI (A/C)GI GA(T/C) CC(配列番号:31)
FRPERF(配列番号:32) AGG AAT T(T/C)(A/C) GIC CIG A(A/G)(A/C) GIT T(配列番号:33)
Pet Haem-New CCI TT(T/C) GGI GCI GGI (A/C)GI (A/G)GI ATI TG(T/G) (C/G)CI GG(配列番号:34)
EFXPERF(配列番号:35) GAI TT(T/C) III CCI GAI (A/C)GI TT(配列番号:36)
上流のプライマーをポリTアンカーオリゴヌクレオチドの各々とともに使用して、鋳型としてcDNAを使用するポリメラーゼ連鎖反応においてシトクロムP450配列を発生させた。50pmolの各オリゴヌクレオチドを2μMの各dNTP、1.5mMのMgCl2 、1×PCR緩衝液(Perkin Elmer)、5μCiのα-[32P]dATP(Bresatec、1500Ci/mmol)、2.5単位のAmpliTaqR DNAポリメラーゼ(Perkin Elmer)およびポリT-アンカープライムドcDNA反応(上記から)の1/10と組合わせた。反応混合物(50μl)を、94℃における初期の2分の変性工程後、94℃において15秒間、42℃において15秒間、および70℃において45秒間のサイクルに40回かけた。パーキン・エルマー(Perkin Elmer)の9600ジーン・アンプ・サーマル・サイクラー(Gene Amp Thermal Cycler)を使用して、サイクル反応を実施した。
各プライマー/アンカープライマーの組合わせおよび適当にプライムしたcDNA鋳型を使用して、DNA配列を増幅した。各プライマーの組合わせを、E2282 植物#3および#5(シアニジン産生花)および#12(非シアニジン産生花)の花弁からのcDNAとともに使用した。また、陰性の対照として、植物#13(シアニジン産生花)からの葉のcDNAを組込んだ反応を含めた。なぜなら、健康な、非ストレス葉組織においてF3'H活性は有意なレベルで存在しないからである。
シトクロムP450配列の分別表示
5%(w/v)のポリアクリルアミド/尿素の変性ゲル(Sambrook et al.、1989)上で分離した後、33P標識化PCRフラグメントを可視化した。33P標識化M13amp18配列決定ラダーをゲル上に含めて、サイズマーカーとして働かせた。配列決定ゲルをワットマン(Whatman)3MM紙上に乾燥させ、そして室温においてKodak XARフィルムに対して露出させた。
シアニジン産生花弁サンプルと非シアニジン産生花弁サンプルとの間のバンドを比較すると、シアニジン産生花弁の中に独占的に存在するmRNAを表す11のバンドが明らかになった。これらの11のバンドのうちで、2つのみが葉のサンプルの中にまた存在した(減少した強度で)。
配列決定ゲルからのPCRフラグメントの単離およびクローニング
PCR生成物を乾燥した配列決定ゲルから精製し、Lianget al.(1993)が記載する方法により再増幅した。1.2%(w/v)のアガロース/TAEゲル上で電気泳動分離後、ブレサクリーン・キット(Bresatec)を使用して、増幅されたcDNAを精製した。次いで、精製されたフラグメントを、商業的に調製されたpCR-ScriptTMベクター(Stratagene)、あるいはMarchuk et al.(1990)のプロトコールを使用してT-テイルドされたEcoRV線状化pBluescriptR (Stratagene)の中に直接的に結合した。
F3'HのPCR生成物の配列
11のクローニングした分別表示PCR生成物(500bpを越えないインサートをもつ)の各々を双方の鎖上で配列決定しそして、PearsonおよびLipamn(1988)を使用して、アントシアニン生合成に関係する他の既知のシトクロムP450配列に対して比較した。
クローニングした11のcDNAのうちで、2つ(Am1GbおよびAm3Ga)はペチュニアOGR-38F3'H配列(実施例4〜11)およびF3'5'H配列(Holton et al.、1993)と強い相同性を表示した。クローンAm1GbおよびAm3Gaの間に保存された配列は、それらが同一mRNAのオーバーラッピングフラグメントを表すことを示唆した。クローンAm3Gaは分子のヘム結合領域をコードする配列(「Pet Haem-Newオリゴヌクレオチドにより認識される;配列番号:34」からポリアデニル化配列に延びる。クローンAm1Gbは保存された「WAIGRDP」アミノ酸モチーフをコードするシトクロムP450配列(プライマー1に対して相補的;配列番号:30および配列番号:31)から、プライマー1(「WAIGRDP」)オリゴヌクレオチドにより擬似的に認識された3'非翻訳領域中である区域まで延びる。
実施例16.シトクロムP450cDNAのRFLP分析
再び、制限フラグメント長さの多形性(RFLP)の分析を使用して、花弁中のシアニジン産生活性の存在または非存在に対するcDNAクローンAm3Gaに対応する遺伝子の連鎖を研究した。Am3Gaの32P標識化インサートを使用して、K16×N8F2 分離植物ならびに親のK16およびN8系統から単離されたゲノムDNAのサザンブロットをプローブした。
K16×N8F2 分離集団の13の植物からのEcoRV消化ゲノムDNAの分析において、花のシアニジン産生を表示したN8およびK16×N8F2 分離系統の配列のみに対するハイブリダイズが明らかにされた(第11図)。花弁においてペラルゴニジン誘導色素のみを産生したK16×N8F2 植物は(親系統、K16を包含する)は、特定のハイブリダイズを示さなかった(第11図、レーン2、8、11、13、14)。これらのデータは、突然変異体K16植物におけるAm3Gaに対応するゲノム配列の欠失の可能性および、したがって、この系統におけるF3'H遺伝子の少なくとも部分的欠失を示す。
実施例17.シトクロムP450cDNAのノザン分析
分別表示により示されるように、推定上のシトクロムP450フラグメントの発現プロフィルを確証するために、ノザン分析を使用した。8つのK16×N8F2 分離集団からの10μgの全体の花弁RNAを1.2%(w/v)のアガロース/ホルムアルデヒドゲル(Sambrook et al.、1989)上で分離し、ハイボンドNナイロン膜(Amersham)に移した。また、シアニジン産生植物#13からの葉RNAをノザン分析において陰性の対照として含めた。クローンAm3GaからのcDNAインサートの32P標識化フラグメントを使用して、RNAブロットをプローブした。
Am3Gaプローブは、シアニジン産生植物(植物#1、#3、#4、#5、#8)の花弁においてのみ検出可能であった、ほぼ1.8kbの転写体を認識した。ペラルゴニジン産生植物(植物#6、#11、#12)において、あるいは植物#13の葉のサンプルにおいて、転写体は検出できなかった(第12図)。
これらのデータは、RFLP分析のデータと一緒にすると、Am3GaクローンがキンギョソウにおけるF3'H活性に必要なシトクロムP450遺伝子を表すという、強い証拠を提供する。非シアニジン産生系統の花弁における検出可能な転写体の完全な欠如は、K16系統(およびK16×N8F2 分離集団の同型劣性植物)におけるシアニジン産生活性の喪失がF3'H構造遺伝子における欠失の結果であるという、RFLP分析の発見を支持する。
実施例18.全長のキンギョソウF3'HcDNAの単離
部分的Am3Gaクローンの配列の知識を使用する全長のF3'HcDNAクローンを単離するために、Frohman et al.(1988)のcDNA Ends(RACE)プロトコールの急速増幅を用いた。遺伝子特異的プライマー(Am3Ga配列361-334に対して相補的な「SnapredRace A」)を合成して、花弁RNAからの逆転写を可能とした。また、3'増幅プライマー(Am3Ga(3'UTR)配列283-259に対して相補的な「SnapredRace C」)を合成して、「SnapredRace A」のちょうど上流を結合した。「ポリ(C)」プライマーを使用して、cDNA分子の5'末端からの配列を増幅した。
使用したオリゴヌクレオチドの配列は下記の通りであった(5'→3'の方向に書いた):
Snapred Race A CCA CAC GAG TAG TTT TGG CAT TTG ACC C (配列番号:37)
Snapred Race C GTC TTG GAC ATC ACA CTT CAA TCT G (配列番号:38)
PolyC race CCG AAT TCC CCC CCC CC(配列番号:39)
「Snapred Race A-プライムド」花弁cDNAはポリ(G)テイルドを有し、そしてFrohman et al.(1988)を使用して5'cDNAフラグメントをプライマー「Snapred Race C」および「PolyC race」で増幅した。PfuDNAポリメラーゼ(0.15単位)(Stratagene)を2.5単位のAmpliTaqRDNAポリメラーゼ(Perkin Elmer)と組合わせて、PCR反応の忠実度を増加した。
生ずる1.71kbのDNAフラグメント(sdF3'H)を、Marchuk et al.(1990)のプロトコールを使用してTテイルを有するEcoRV線状化pBluescriptR(Stratagene)ベクターの中に直接的にクローニングした。このプラスミドをpCGP246と命名した。
実施例19.キンギョソウF3'Hの完全な配列
pCGP246のsdF3'HのcDNA配列内の好都合な制限部位を利用して、プラスミドベクターpC19において1連の短いオーバーラッピングサブクローンを発生させた。これらのサブクローンの各々の配列を収集して、全体のsdF3'H RACE cDNAの配列を得た。sdF3'H cDNA配列をクローンAm3Gaからのそれとカップリングして、キンギョソウのF3'HcDNAの全体の配列を得た(配列番号:5)。それは512アミノ酸の推定上のポリペプチド(配列番号:6)をコードする1711塩基のオープンリーディングフレームを含有する。
キンギョソウのsdF3'Hクローンのヌクレオチド配列および予測されたアミノ酸配列を下記の配列と比較した:ペチュニアのOGR-38 cDNAクローンの配列(配列番号:1および配列番号:2);ペチュニアのF3'5'H cDNAクローンHt1およびHt2;および以前に単離された他のペチュニアのシトクロムP450配列(米国特許第5,349,125号)。sdF3'Hの配列は、核酸レベルにおいて1573ヌクレオチドにわたって69%の類似性、およびアミノ酸レベルにおいて507アミノ酸にわたって72.2%の類似性を有する、ペチュニア・ヒブリダ(P.hybrida)からのHt1遺伝子座を表すペチュニアのF3'HcDNAクローン(OGR-38)の配列に対して最も類似した。
Ht1クローンは、キンギョソウのsdF3'Hクローンに対して、1563ヌクレオチドにわたって57.3%の類似性、および491アミノ酸にわたって49.3%の類似性を示したが、Ht2クローンは、キンギョソウのsdF3'Hクローンに対して、1488ヌクレオチドにわたって57.7%の類似性、および508アミノ酸にわたって50.8%の類似性を示した。
キンギョソウsdF3'H配列は、翻訳を開始するように作用することができる2つの「インフレーム」ATGコドンを含有する。これらのコドンの第1(配列番号:5の位置91)からの開始は追加の10のN-末端のアミノ酸をもつタンパク質を与え、そして翻訳の走査モデルに従い確証づけられるであろう(Kozak、1989)。
ペチュニア、カーネーション、キンギョソウ、ナズナ、バラ、キクおよびトレニアの配列(それらのすべてはこの明細書に開示されている)、およびヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列の間の配列の類似性の比較の種々の要約は、それぞれ、表7の中に、および表8、9、10、11および12の中に見出すことができる。これらの表は、この明細書の終わりにおける、実施例34の中に存在する。
実施例20.植物においてsdF3'Hの一時的発現pCGP250の構築
pCGP293(Brugliera et al.、1994)のMacプロモーター(Comai et al.、1990)の背後において「センス」の向きでpCGP246からの全体のsdF3'H RACE cDNAインサート(位置1から1711まで(配列番号:5))をクローニングすることによって、プラスミドpCGP250(第13図)をつくった。プラスミドpCGP246をEcoRIで消化してcDNAインサートを解放した。
DNAポリメラーゼIのクレノーフラグメント(Sambrooket al.、1989)でオーバーハングを修復することによって、cDNAフラグメントを平滑末端とし、アガロースゲル電気泳動後、ブレサクリーン・キット(Bresatec)を使用して精製した。次いで、XbaIで線状化し、DNAポリメラーゼIのクレノーフラグメントを使用して平滑末端とされた、バイナリーベクターpCGP293の中に、ブラントcDNAフラグメントを結合した。アマーシャム結合キットを使用して結合を実施した。pCGP250の中のインサートの正しい挿入は、ゲンタマイシン耐性形質転換体から単離されたDNAのBamHIおよびPstI制限酵素分析により確立された。
pCGP231の構築
pCGP293(Brugliera et al.、1994)のMacプロモーター(Comai et al.、1990)の背後において「センス」の向きで、第1「インフレーム」ATGコドン(位置1から1711まで(配列番号:5))の下流に、pCGP246からのRACE cDNAインサートをクローニングすることによって、プラスミドpCGP231(第14図)をつくった。プラスミドpCGP246をSspI(これは候補のATGコドンの間の部位を認識する)およびSmaI(ベクターのポリリンカー配列の中に部位をもつ)で消化して平滑末端のcDNAフラグメントを解放した。このフラグメントは第2の推定上の開始コドンから下流に全体のコーディング領域を含む。次いで、XbaIで線状化しそしてDNAポリメラーゼIのクレノーフラグメントを使用して平滑末端とされた、バイナリーベクターの中にcDNAフラグメントを結合した。アマーシャム結合キットを使用して結合を実施した。pCGP231の中のインサートの正しい挿入は、ゲンタマイシン耐性形質転換体から単離されたDNAのBamHIおよびPstI制限酵素分析により確立された。
一過性発現の研究
pCGP231およびpCGP250中のpCGP246配列が植物における活性なフラボノイド3'-ヒドロキシラーゼをコードしたかどうかを急速に決定するために、一過性発現の研究を実施した。実施例8に記載する方法を使用して、pCGP231またはpCGP250でコーティングされた金粒子(直径1μm)で、突然変異体ペチュニア・ヒブリダ(P.hybrida)Skr4×SW63の花弁を衝撃した。
22℃において制御された植物生長室中の光下に6〜12時間後、pCGP231でコーティングされた粒子で衝撃された花弁組織の表面に、赤色のアントシアニンのスポットが観察された。pCGP250で衝撃された花弁組織または金粒子単独で衝撃された対照花弁において、着色されたスポットは観察されなかった。これらの結果が示すように、pCGP246コーディング領域(第2ATG、配列番号:5の位置121、において開始する)は、macプロモーターの制御下に、花弁組織において機能的であった。
実施例21.ペチュニア花弁におけるキンギョソウF3'HcDNAクローンの安定な発現-ht1/ht1ペチュニア栽培品種の相補性
実施例9に記載するように、バイナリーベクターpCGP250およびpCGP231をアグロバクテリウム・ツメファシエンス(A.tumefaciens)AGL0株の細胞の中に導入した。pCGP250/AGL0およびpCGP231/AGL0の細胞を使用してSkr4×SW63ペチュニア植物(また、実施例9に記載されている)を形質転換して、キンギョソウsdF3'HcDNAクローンに対応する遺伝子によりコードされる酵素の安定な発現および活性を試験した。
pCGP250で形質転換された9つのトランスジェニック植物のうちの3つは、Skr4×SW63対照(RHSCC#75C)と比較して、わずかに変更された花弁の色をもつ花を産生した。pCGP231で形質転換された11のトランスジェニック植物のうちで、1つの植物は変更された花弁の色をもつ花を産生した(RHSCC#73B)。また、トランスジェニック花の葯および花粉は、対照におけるように、白色であった。色コードはロイアル・ホーティカルチュラル・ソサイアティーズ・カラー・チャート(Royal Horticultrural Society's Colour Chart)(RHSCC)から採用する。それらは観察された色の表現型を記載する別の手段を提供する。しかしながら、表示された番号は知覚された色に対する指針としてのみ取るべきであり、得ることができる可能な色の限定として見るべきではない。
花の抽出物のTLC分析
酸加水分解した花の抽出物(実施例11を参照のこと)をフォレスタル(Forestal)溶媒系(HOAc:水:HCl;30:10:3)(Markham、1982)中で展開した。sdF3'HcDNAクローンをSkr4×SW63の中に導入すると、花弁において3'-ヒドロキシル化フラボノイド、ペオニジンのレベルは増加した。ペオニジンはシアニジンのメチル化誘導である(第1a図および第1b図)。
実施例22.PCRアプローチを使用するアラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)からのF3'HcDNAクローンの単離
アラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)からフラボノイド3'-ヒドロキシラーゼを表すcDNAを単離するために、シトクロムP450の保存された領域からの色素を使用して、PCRフラグメントを発生させた。1つのPCR生成物(p58092.13)は、ペチュニアOGR-38およびキンギョソウF3'HcDNAクローンと高い配列の類似性を有することが見出された。次いでPCRフラグメントを、pCGP1805からのHt1cDNAインサート(OGR-38)と一緒に、使用して、アラビドプシス・タリアナ(A.thaliana)cDNAライブラリーをスクリーニングした。
オリゴヌクレオチドの設計
ヘム結合ドメイン付近に位置するペチュニア・ヒブリダ(P.hybrida)シトクロムP450の部分的配列のコンセンサスアミノ酸配列から、PCR DNA増幅のための縮重オリゴヌクレオチドを設計した。各コドンの第3塩基(A、T、G、およびCに対して同様な効率を有するデオキシイノシン)(下記においてIと表示する)を含め、そしてコンセンサス配列が非特異的である場合別の塩基を含めることによって、プライマーの縮重は確立された。したがって、ヘム結合のためにきわめて重要なシステイン残基のコドンを含有するアミノ-末端の方向プライマー「Pet Haem」(ペチュニアのヘム結合ドメイン)、および上流のプライマー「WAIGRDP」(また、実施例15を参照のこと)を設計した。
WAIGRDP(配列番号:30) TGG GCI ATI GGI (A/C)GI GA(T/C)CC(配列番号:31)
Pet Haem CCI GG(A/G) CAI ATI C(G/T)(C/T)(C/T)TI CCI GCI CC(A/G) AAI GG(配列番号:40)
PCRを使用するシトクロムP450配列の発生
Dellaporta et al.(1987)が記載する方法を使用して、アラビドプシス・タリアナ(A.thaliana)エコタイプCloumbiaからゲノムDNAを単離した。シトクロムP450相同体の増幅のためのポリメラーゼ連鎖反応は、典型的には、100〜200ngのCloumbiaゲノムDNA、10mMのTris-HCl(pH8.3)、5mMのKCl、1.5mMのMgCl2 、0.01%(w/v)のゼラチン、0.2mMの各dNTP、312ngの「WAIGRDP」および484ngの「Pet Haem」および1.25単位のTaqポリメラーゼ(Cetus)を含有した。反応混合物(50μl)を、94℃において50秒間、45℃において50秒間および72℃において45秒間のサイクルに40回かけた。
イントロンを含まない、典型的なP450遺伝子鋳型上の「WAIGRDP」および「Pet Haem」のプライマーを使用する、特定のPCR増幅生成物の期待されたサイズは、ほぼ150塩基対であった。マーマイド(MermaidR)キット(BIO 101)を使用して、ほぼ140〜155塩基対のPCRフラグメントを単離し、精製した。PCRフラグメントを再増幅してクローニングのために十分な生成物を生成し、次いでPfuDNAポリメラーゼを使用して末端を修復し、最後にPCR-ScriptTMDirect SK(+)(Stratagene)の中にクローニングした。次いで結合したDNAを使用して、コンピテントDH5α細胞(Inoue et al.、1990)を形質転換した。
PCR生成物の配列
15の形質転換体からのプラスミドDNAを調製した(DelSal et al.,1989)。これらのPCRフラグメントから発生した配列決定データは、15のうちの11がユニークなクローンを表すことを示した。また、アラビドプシス・タリアナ(A.thaliana)PCRインサート内にコードされた翻訳された配列の中に、シトクロムP450コンセンサスアミノ酸の独特の組が見出された。また、PCRフラグメントの配列を、ペチュニアのOGR-38F3'HcDNAクローンおよびキンギョソウF3'HcDNAクローンの配列と比較した。PCRフラグメント、p58092.13は、ペチュニアおよびキンギョソウの双方からのF3'H配列に最も類似した。
実施例23.アラビドプシス・タリアナ(A.thaliana)cDNAライブラリーのスクリーニング
p58092.13のPCR生成物のcDNAライブラリーを単離するために、pCGP1805の中に含有されるペチュニアHt1cDNAインサート(OGR-38)の32P標識化フラグメントと一緒に、p58092.13の32P標識化フラグメントで、アラビドプシス・タリアナ(A.thaliana)エコタイプCloumbiacDNAライブラリー(Newman et al.、1994;D'Alessio et al.、1992)をスクリーニングした。
D'Alessio et al.(1992)が記載するように、合計600,000pfuを50,000pfus/直径15cmのプレートの密度においてプレートした。37℃においてファージを生長させた後、プレートを4℃において一夜貯蔵し、製造業者が推奨するように、重複リフトをコロニー/プラーク・スクリーン(Colony/Plaque ScreenTM)フィルター(DuPont)上に取り、処理した。
ハイブリダイズの前に、2枚のプラークのリフトを予備洗浄溶液(50mMのTris/HCl、pH7.5、1MのNaCl、1mMのEDTA、0.1%(w/v)のサルコシン)中で65℃において30分間洗浄し、0.4Mの水酸化ナトリウム中で65℃において30分間ストリップし、次いで0.2MのTris-HCl、pH8.0、0.1×SSC、0.1%(w/v)のSDS中で65℃において30分間洗浄し、最後に2×SSC、1.0%(w/v)の中ですすいだ。
ハイブリダイズ条件は、50%(v/v)のホルムアミド、1MのNaCl、10%(w/v)の硫酸デキストラン、1%(w/v)のSDS中の42℃における少なくとも1時間のプレハイブリダイズを包含した。次いでp58092.13の32P標識化フラグメント(2×106 cpm/ml)をハイブリダイズ溶液に添加し、ハイブリダイズを42℃においてさらに16時間続けた。次いでフィルターを2×SSC、1%(w/v)のSDS中で42℃において2×1時間洗浄し、増強スクリーンを使用して-70℃において16時間Kodak XARフィルムに対して露出した。
11の強くハイブリダイズするプラークをPSBの中に取り、前述したように再スクリーニングして、精製されたプラークを単離した。また、これらのフィルターを、pCGP1805の中に含有されるペチュニアHt1cDNAインサート(OGR-38)の32P標識化フラグメントで、低いストリンジェンシイ条件下に、プローブした。低いストリンジェンシイ条件は、プレハイブリダイズおよび20%(v/v)のホルムアミド、1MのNaCl、10%(w/v)の硫酸デキストラン、1%(w/v)のSDS中の42℃におけるハイブリダイズおよび6×SSC、1%(w/v)のSDS(w/v)中の65℃における1時間の洗浄を包含した。
OGR-38およびp58092.13のプローブは同一のプラークとハイブリダイズした。11の純粋なプラークをPSBの中に取り、そして細菌DH10B株(Zip)を使用して、cDNAクローンを含有するプラスミドベクターpZL1をレスキューした。プラスミドDNAを調製し(Del Sal et al.,1989)、BamHIおよびEcoRIで消化すると、cDNAインサートが解放された。11のプラスミドは800bp〜1kbのcDNAインサートを含有した。cDNAインサートの5'領域から発生した配列のデータは、これらのクローンのうちの9が同一であることを示唆した。すべての9つのcDNAインサートの5'末端およびただ1つのcDNAインサートの3'末端から、配列のデータを発生させた。すべてのクローンから発生した配列のデータを収集して、配列番号:7および配列番号:9として示すヌクレオチド配列および翻訳された配列を生成した。
アラビドプシス・タリアナ(A.thaliana)の推定上のF3'H配列をペチュニアOGR-38F3'HcDNAクローン(配列番号:1および配列番号:2)と比較し、これらの配列はペチュニアF3'HcDNAクローンに対して745ヌクレオチドにわたって64.7%の類似性、および248アミノ酸にわたって63.7%の類似性を有した。
ペチュニア、カーネーション、キンギョソウ、ナズナ、バラ、キクおよびトレニアの配列の整列(それらのすべてはこの明細書に開示されている)、およびヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列の間の配列の類似性の比較の種々の要約は、それぞれ、表7の中に、および表8、9、10、11および12の中に見出すことができる。これらの表は、この明細書の終わりにおける、実施例34の中に存在する。
アラビドプシス・タリアナ(Arabidopsis thaliana)からのF3'Hジェミニクローンの単離
アラビドプシス・タリアナ(A.thaliana)F3'H遺伝子のゲノムのコロニーを単離するために、アラビドプシス・タリアナ(A.thaliana)生態型Landsbergのエレクタ(erecta)ゲノムDNAを32P標識化p60606.04フラグメントでスクリーニングした。BamHI消化バクテリオファージラムダEMBL4抗生物質耐性マーカーの間に部分的MboI消化ゲノムDNAをクローニングすることによって、ライブラリーをつくった。スクリーニングの前に、30,000クローンを含有する主要なライブラリーを1回増幅した。
アラビドプシス・タリアナF3'HcDNAクローンの1kbのフラグメントを含有するp60606.04をBamHI/EcoRIで消化してインサートを切除し、これをジーンクリーン(GeneClean)(Bio 101)で精製した。ニック翻訳手順(Sambrook et al.、1989)を使用して、プローブを32P標識化した。ほぼ20,000プラークを高いストリンジェンシイ(50%ホルムアミド、37℃)においてプローブし、フィルターを2×SSPE;2×SSPE、0.1%(w/v)SDS;0.1×SSPE中で、すべて65℃において洗浄した。同一条件下に、再スクリーニングを実施した。
DNAを3つの陽性プラーク(λTT7-1、λTT7-5およびλTT7-6)から精製し、EcoRIおよびEcoRI/SalIで消化することによってマッピングした。すべての3つのクローンは共通のEcoRIフラグメントを有した。λTT7-1およびλTT7-5はオーバーラップしていたが、同一の制限パターンをもたなかった。これらの消化物のサザンブロットを前述したように、λTT7-1およびλTT7-5、ハイブリダイズした共通の6.5kbのEcoRI/SalIフラグメントについて、プローブした。λTT7-6中のより小さいEcoRI/SalIフラグメントもまた、ハイブリダイズし、多分インサートの境界に存在した。
λTT7-5からのEcoRI/SalIフラグメントをpBlueScriptSK+の中にクローニングし、そしてE-5と表示する6.5kbのフラグメントを含有するクローンをハイブリダイゼーション(前述したような)およびインサートのサイズにより同定した。EcoRI、SalI、KpnI、HindIIIおよびBglIIを種々の組合わせで使用して、アラビドプシス・タリアナF3'HcDNAクローンからのBamHI/EcoRIインサートをもつこれらの消化物のサザンブロットへのハイブリダイズにより、制限地図を編集した。
Tt7ゲノムのクローンの完全な配列
Tt7ゲノムのクローンのフラグメントの大部分を含有するpTt7-2からの6.4kbのBamHIフラグメントを、標準的技術(Sambrook et al.、1989)に従い、精製し、自己結合し、超音波処理し、末端修復し、サイズ分画し(450bp〜800bp)そしてSmaIで切断したpCGP619の中にクローニングした。組換えクローンを単離し、そしてDNAを精製し、M13-21またはM13逆配列決定プライマーを使用して配列決定した。オーバーラップするクローンからの配列を組合わせて、1つの隣接するフラグメントにした。また、-21およびREVプライマーを使用する配列決定により、Tt7ゲノムのフラグメントの末端の配列を得た。配列のすべてを一緒に組合わせて、E-5(配列番号:9)からの6.5kbのEcoRI/SalIフラグメントの完全な配列を得た。
ナズナTt7ゲノムのクローンのコーディング領域にわたる配列(配列番号:10、11、12および13)を、ペチュニアOGR-38F3'HcDNAクローンの配列(配列番号:1および2)と比較した。ナズナTt7コーディング領域は、ペチュニアOGR-38F3'HcDNAクローンのそれに対して、1066ヌクレオチドにわたって65.4%の類似性、および511アミノ酸にわたって67.1%の類似性を有した。
tt7アラビドプシス(Arabidopsis)突然変異体の形質転換
バイナリーベクターの調製
E-5からのEcoRI/SalIフラグメントを、EcoRI/SalI切断pBI101(Jefferson et al.、1987)の中にクローニングした。2つの別々であるが、同一のクローンが同定された:pBI-Tt7-2(第15図)およびpBI-Tt7-4。双方のクローンをアグロバクテリウム・ツメファシエンス(A.tumefaciens)の形質転換に使用した。
植物の形質転換
プラスミドpBI-Tt7-2、pBI-Tt7-4およびpBI101を、エレクトロポレーションによりアグロバクテリウム(Agrobacterium)GV3101pMP90株の中に形質転換した。50μg/mlのカナマイシン(およびレジデントpMP90について選択するために50μg/mlのゲンタマイシン)を含有する培地上で、形質転換体を選択した。
各クローンについて4つの形質転換体のコロニーからのプラスミドDNAを単離し、EcoRI/SalIで消化し、電気泳動させ、サザンブロットし、そしてTt7cDNAインサートでプローブした。pBI-Tt7-2およびpBI-Tt7-4について、期待したインサートのバンドが同定された。
本質的にBechtold et al.(1993)が記載する方法に従い、各プラスミドについて1つの形質転換体(すなわち、1つの対照[pBI101 C4]、2つのTt7クローン[pBI-Tt7-2-3およびpBI-Tt7-4-4]の各々の1つ)を使用して、アラビドプシス・タリアナ(A.thaliana)tt7突然変異体系統NW88(各構築物について各10植物の4鉢)を真空浸潤した。
各鉢からの種子を収穫した。50μg/mlのカナマイシンを含有する栄養培地(HaughnおよびSomerville、1986、に記載される)上に、100mgの種子(ほぼ5,000)をプレートした。カナマイシン耐性形質転換体は7〜10日後に可視であった。pBI-Tt7-2-3およびpBI-Tt7-4-4の場合において、全体の11の形質転換体を5つの異なる種子のロット(すなわち、鉢)から単離し、すべてのカナマイシン耐性形質転換体は表現型において可視的にTt7であり、そして子葉の境界および下子葉部において特徴ある赤色/紫色のアントシアニン色素を示した。単一のカナマイシン耐性形質転換体が対照形質転換体の4つの鉢のただ1つから単離され、そしてそれは「野生型」Tt7表現型を示さなかった。
tt7突然変異体の相補性
これらの形質転換体を移植し、成熟に生長させ、個々に種子について収穫した。各場合において、pBI-Tt7-2-3およびpBI-Tt7-4-4の形質転換体について、種子はtt7突然変異体植物の薄い褐色よりも可視的に褐色であった。対照形質転換体からの種子はtt7突然変異体の親と区別できなかった。これらの種子を栄養培地およびカナマイシンを添加した栄養培地の上に移植し、そしてTt7表現型(子葉の境界および下子葉部において赤色/紫色のアントシアニン色素)およびカナマイシン耐性についてスコアをつけた。各種子のロットについて少なくとも1つの形質転換体の子孫は、明らかに独立の形質転換の事象であったので、それらを検査した。
例外なく、カナマイシン耐性実生はTt7表現型を示したが、カナマイシン感受性個体はtt7であった。ある場合において、カナマイシン耐性は種子の族の間で弱くかつ変動性であり、そして個体がカナマイシン耐性またはカナマイシン感受性かどうかを明白に決定することは困難であった。
実施例24.ロサ・ハイブリダ(Rosa hybrida)からのF3'HcDNAクローンの単離
バラのF3'HcDNAクローンを単離するために、pCGP1805の中に含有されるペチュニアHt1cDNAクローン(OGR-38)およびpCGP246の中に含有されるキンギョソウF3'HcDNAクローン(sdF3'H)の32P標識化フラグメントで、ロサ・ハイブリダ(Rosa hybrida)cv.Kardinal花弁cDNAライブラリーをスクリーニングした。
バラcv.Kardinalからの花弁cDNAライブラリーの構築
ロサ・ハイブリダcv.Kardinal段階2の芽から、全体のRNAを調製した。この段階において、緊密に閉じた芽は高さ1.5cm、幅ほぼ0.9cmであり、薄いピンク色の花弁を有した。
凍結した組織(1〜3g)を液体窒素中で乳鉢および乳棒で粉砕し、25mlの前もって冷却した緩衝液A[0.2Mのホウ酸、10mMのEDTA(ナトリウム塩)(pH7.6)]の中に入れ、短時間均質化した。抽出物が室温に到達するまで、抽出物を回転震盪機上で混合し、等しい体積のフェノール/クロロホルム(1:v/v)(緩衝液Aと平衡化した)を添加した。さらに10分間混合した後、RNA調製物を10,000×gで20℃において10分間遠心した。上部の水性相を保持し、前述したようにフェノール界面を再抽出した。水性相をプールし、0.1Mの酢酸ナトリウム(pH6.0)に調節し、2.5体積の95%エタノールを添加し、この混合物を-20℃において一夜貯蔵した。
調製物を10,000×gで4℃において10分間遠心し、ペレットをおだやかに20mlの緩衝液B[25mMのホウ酸、1.25mMのEDTA(ナトリウム塩)、0.1MのNaCl(pH7.6)]中に溶解し、0.4体積の2-ブトキシエタノール(2BE)を添加した。この溶液を氷上で30分間インキュベートした。次いでそれを10,000×gで0℃において10分間遠心し、上清を注意して集めた。1.0体積の2BEを添加し、氷上でさらに30分間インキュベートした後、上清を再び10,000×gで0℃において10分間インキュベートした。生ずるペレットをおだやかに緩衝液A:2BE(1:1v/v)で洗浄し、次いで70%(v/v)のエタノール、0.1Mの酢酸カリウムで洗浄し、最後に95%のエタノールで洗浄した。ペレットを空気乾燥し、1mlのジエチルピロカーボネート(DEPC)処理した水中に溶解した。これを3Mの塩化リチウムに調節し、氷上に60分間放置し、10,000×gで0℃において10分間遠心した。ペレットを3MのLiClで2回洗浄し、次いで70%のエタノール、0.1Mの酢酸カリウムで洗浄した。
生ずるRNAペレットを400μlのDEPC処理した水中に溶解し、等しい体積のフェノール/クロロホルムで抽出した。次いでRNA混合物を10,000kgで20℃において5分間遠心し、0.1Mの酢酸ナトリウムにし、さらに2.5体積の95%エタノールを添加した。氷上で30分間インキュベートした後、混合物を13,000rpm(5,000×g)で20℃において20分間インキュベートし、RNAペレットをDEPC処理した水の中におだやかに再懸濁させた。
製造業者のプロトコールに従いオリゴテックス(Oligotex)dT-30(Takara、日本国)により、全体のRNAからポリ(A)+ RNAを選択した。cDNAをBrugliera et al.(1994)の方法に従い合成し、λZAPII(Stratagene)のEcoRI部位において非方向性花弁cDNAライブラリーを構築するために使用した。得られた合計数は3.5×105 であった。
XL1-Blue細胞をトランスフェクトした後、パッケージされたcDNA混合物を50,000pfu/直径15cmのプレートにおいてプレートした。プレートを37℃において8時間インキュベートし、そしてファージを100mMのNaCl、8mMのMgSO4 、50mMのTris-HCl、pH8.0、0.01%(w/v)のゼラチン(ファージ貯蔵緩衝液(PSB))(Sambrook et al.、1989)中で溶離した。クロロホルムを添加し、そしてファージを4℃において増幅されたライブラリーとして貯蔵した。
XL1-Blue MRF'細胞をトランスフェクトした後、200,000pfusの増幅されたライブラリーをNZYプレート(Sambrook et al.、1989)上にpfu/直径15cmのプレートの密度でプレートし、37℃において8時間インキュベートした。4℃において一夜インキュベートした後、製造業者が推奨するように、2枚のリフト(グループAおよびグループBと表示する)をコロニー/プラーク・スクリーン(Colony/Plaque ScreenTM)フィルター(DuPont)上に取り、処理した。
F3'HcDNAクローンについてのカージナル(Kardinal)cDNAライブラリーのスクリーニング
ハイブリダイズ前に、重複プラークリフトを予備洗浄溶液(50mMのTris-HCl、pH7.5,1MのNaCl、1mMのEDTA、0.1%(w/v)のサルコシン)中で65℃において30分間洗浄し、0.4Mの水酸化ナトリウム中で65℃において30分間ストリップし、次いで0.2MのTris-HCl、pH8.0、0.1×SSC、0.1%(w/v)のSDSの溶液中で30分間洗浄し、最後に2×SSC、1.0%(w/v)のSDS中ですすいだ。
カージナルcDNAライブラリーからの2枚のリフトのグループAフィルターを、ペチュニアHt1(OGR-38)cDNAクローンを含有するpCGP1805からのNcoIフラグメントの32P標識化フラグメントでスクリーニングしたが、グループBフィルターをキンギョソウF3'Hcクローンを含有するpCGP246からのEcoRI/SspIフラグメントの32P標識化フラグメントでスクリーニングした。
ハイブリダイズ条件は、10%(v/v)のホルムアミド、1MのNaCl、10%(w/v)の硫酸デキストラン、1%(w/v)のSDS中の42℃における少なくとも1時間のプレハイブリダイズを包含した。次いで32P標識化フラグメント(2×106 cpm/ml)をハイブリダイズ溶液に添加し、ハイブリダイズを42℃においてさらに16時間続けた。次いでフィルターを2×SSC、1%(w/v)のSDS中で42℃において2×1時間洗浄し、増強スクリーンを使用して-70℃において16時間KodakXARフィルムに対して露出した。
4つの強くハイブリダイズするプラーク(R1、R2、R3、R4)をPSBの中に取り、再スクリーニングして精製されたプラークを単離した。λZAPバクテリオファージのベクターの中に含有されるプラスミドをレスキューし、EcoRIで消化してcDNAインサートを解放させた。クローンR1は1.0kbのインサートを含有したが、クローンR2、R3およびR4は各々ほぼ1.3kbのインサートを含有した。配列のデータをR4cDNAインサートの3'および5'末端から発生させた。
バラR4推定F3'H配列をペチュニアOGR-38F3'H配列のそれと比較した。ヌクレオチドレベルにおいて、R4cDNAクローンは、それぞれ、5'末端において389ヌクレオチドおよび3'末端において330ヌクレオチドにわたって63.2%および62.1%の類似性を有した。アミノ酸レベルにおいて、R4クローンは、それぞれ、5'末端において130アミノ酸および3'末端において69アミノ酸にわたって65.4%および73.9%の類似性を有した。ペチュニアF3'HcDNAクローン(OGR-38)の配列に対するバラR4cDNAクローンの高い配列の類似性に基づいて、下記の実施例25に記載するように、対応する「全長の」cDNAクローンを単離した。
実施例25.全長のバラF3'HcDNAの単離
バラから「全長の」F3'HcDNAクローンを単離するために、実施例24に記載するロサ・ハイブリダ(Rosa hybrida)cv.カージナル(Kardinal)花弁cDNAライブラリーをバラR4cDNAクローン(前述の)の32P標識化フラグメントでスクリーニングした。
XL1-Blue MRF'細胞をトランスフェクトした後、合計1.9×106 pfusの増幅されたライブラリーをNZYプレート上に100,000pfus/直径15cmのプレートの密度でプレートし、37℃において8時間インキュベートした。4℃において一夜インキュベートした後、製造業者が推奨するように、重複リフト(グループAおよびグループBと表示する)を重複リフトをコロニー/プラーク・スクリーン(Colony/Plaque ScreenTM)フィルター(DuPont)上に取り、処理した。
全長のF3'HcDNAクローンについてのカージナル(Kardinal)cDNAライブラリーのスクリーニング
ハイブリダイズ前に、重複プラークリフトを実施例24に記載されているように処理した。
カージナルcDNAライブラリーからの重複リフトを、バラR4cDNAクローンからのEcoRIフラグメントの32P標識化フラグメントでスクリーニングした。
ハイブリダイズ条件は、50%(v/v)のホルムアミド、1MのNaCl、10%(w/v)の硫酸デキストラン、1%(w/v)のSDS中の42℃における少なくとも1時間のプレハイブリダイズを包含した。次いでバラR4cDNAクローンの32P標識化フラグメント(1×106 cpm/ml)をハイブリダイズ溶液に添加し、ハイブリダイズを42℃においてさらに16時間続けた。次いでフィルターを2×SSC、1%(w/v)のSDS中で42℃において2×1時間洗浄し、増強スクリーンを使用して-70℃において16時間Kodak XARフィルムに対して露出した。
73の強くハイブリダイズするプラーク(1〜73)を1mlのPSBの中に取り、4℃において一夜貯蔵した。次いで100μlの各々のアリコートを規則的配列としてマイクロタイタートレーの中に入れた。
XL1-Blue MRF'細胞を10mlの溶融したNZY上部寒天に添加し、NZYプレート(直径15cm)上に注ぎ、固化させた。レプリカプレート装置を使用して、前もってXL1-Blue MRF'細胞を接種したNZYプレート上に規則的配列中の73のファージ単離物を移した。37℃において6時間インキュベートし、次いで4℃において一夜インキュベートした後、製造業者が推奨するように、三重リフト(配列1、2および3)を重複リフトをコロニー/プラーク・スクリーン(Colony/Plaque ScreenTM)フィルター(DuPont)上に取り、処理した。
ハイブリダイズ前に、2枚のリフトを実施例24に記載したように処理した。
最終の洗浄を0.1×SSC、0.1%(w/v)のSDS中の65℃において30分間実施した以外、前述のハイブリダイズおよび洗浄条件を使用して、3つの配列をa)バラR4cDNAクローンの5'末端をカバーするEcoRI/SalIフラグメント、b)バラR4cDNAクローンの5'末端をカバーするEcoRI/ClaIフラグメントまたはc)全体のバラR4cDNAクローンのEcoRIフラグメントの32P標識化フラグメントでスクリーニングした。増強スクリーンを使用してKodak XARフィルムに対して-70℃において16時間フィルターを露出した。
すべての73のプラークは完全なR4cDNAクローン(EcoRIフラグメント)とハイブリダイズしたが、合計わずかに17はR4cDNAクローンの5'末端(EcoRI/SalIまたはEcoRI/ClaIフラグメント)とハイブリダイズした。17のファージ単離物を前述したように再スクリーニングして精製されたプラークを単離した。17のうちの9つ(2、4、26、27、34、38、43、44、56)から、純粋なプラークが得られた。λZAPバクテリオファージのベクターの中に含有されるプラスミドをレスキューし、そしてEcoRI消化を使用してcDNAインサートのサイズを測定した。cDNAインサートは0.9kb〜1.9kbの範囲であった。9つのうちで、#34(pCGP2158と命名した)および#38(pCGP2159と命名した)のみはほぼ1.5kbのcDNAインサートを含有した。配列のデータをcDNAインサートの3'および5'末端から発生させ、そしてそれらはクローン#34および#38が同一遺伝子を表すことを示した。
ランダムにオーバーラップするクローンについての標準的手順(Sambrook et al.、1989)を使用して得られた異なるpUC18サブクローンから配列を収集することによって、プラスミドpCGP2158の中に含有されるバラcDNAクローン(#34)の完全な配列を決定した。配列(配列番号:14)は、520アミノ酸の推定上のポリペプチド(配列番号:15)をコードする1696塩基のオープンリーディングフレームを含有した。
バラF3'H#34cDNAクローンのヌクレオチド配列および予測されたアミノ酸配列(配列番号:14および配列番号:15)を、ペチュニアOGR-38F3'HcDNAクローンの配列(配列番号:1および配列番号:2)およびキンギョソウsdF3'Hクローンの配列(配列番号:3および配列番号:4)と比較した。バラF3'HcDNAクローンは、ペチュニアOGR-38cDNAクローンのそれに対して、1651ヌクレオチドにわたって64.7%の類似性、および509アミノ酸にわたって72.7%の類似性を示し、そしてキンギョソウsdF3'Hクローンのそれに対して、1507ヌクレオチドにわたって67.2%の類似性、および502アミノ酸にわたって68.9%の類似性を示した。
ペチュニア、カーネーション、キンギョソウ、ナズナ、バラ、キクおよびトレニアの配列の整列(それらのすべてはこの明細書に開示されている)、およびヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列の間の配列の類似性の比較の種々の要約は、それぞれ、表7の中に、および表8、9、10、11および12の中に見出すことができる。これらの表は、この明細書の終わりにおける、実施例34の中に存在する。
実施例26.ペチュニア花弁におけるバラF3'HcDNAクローン(#34)の安定な発現-ht1/ht1パターン栽培品種の相補性
pCGP2166の調製
pCGP293(Brugliera et al.、1994)のMacプロモーター(Comai et al.、1990)の背後において「センス」の向きでpCGP2158からのcDNAインサートをクローニングすることによって、プラスミドpCGP2166(第16図)を構築した。プラスミドpCGP2158をEcoRIで消化してcDNAインサートを解放させた。DNAポリメラーゼ(クレノーフラグメント)(Sambrook et al.、1989)を使用して、オーバーハンギング5'を充填した。cDNAフラグメントを単離し、pCGP293バイナリーベクターの充填したBamHI末端と結合させた。pCGP2166中のフラグメントの正しい挿入は、ゲンタマイシン耐性形質転換体から単離されたDNAの制限酵素分析により確立された。
実施例9に記載するように、バイナリーベクターpCGP2166をアグロバクテリウム・ツメファシエンス(A.tumefaciens)AGL0株の細胞の中に導入した。次いでpCGP2166/AGL0を使用してSkr4×SW63ペチュニア植物(また、実施例9に記載されている)を形質転換し、バラ#34cDNAクローンに対応する遺伝子によりコードされる酵素の安定な発現および活性について試験した。
実施例27.トランスジェニック植物の表現型の分析Skr4×SW63中のpCGP2166
Skr4×SW63ハイブリッドにおける導入されたバラF3'HcDNAの発現は、花の色に対して顕著な効果を有した。非トランスジェニック対照の雄蕊組織は白色であるが、トランスジェニック植物の大部分における同一組織はピンク色であった。さらに、Skr4×SW63ハイブリッドにおけるバラF3'HcDNA発現は、通常薄いライラック色(RHSCC#75C)である花冠に暗いピンク色の色相(RHSCC#64Cおよび74C)を付与した。色コードはロイアル・ホーティカルチュラル・ソサイアティーズ・カラー・チャート(Royal Horticultrural Society's Colour Chart)(RHSCC)から採用する。それらは観察された色の表現型を記載する別の手段を提供する。しかしながら、表示された番号は知覚された色に対する指針としてのみ取るべきであり、得ることができる可能な色の限定として見るべきではない。
酸加水分解した花の抽出物(実施例11を参照のこと)をフォレスタル(Forestal)溶媒系(HOAc:水:HCl;30:10:3)(Markham、1982)中で展開した。3'ヒドロキシル化フラボノイド、ペオニジンおよびクエルセチンは、トランスジェニック植物の花弁拡大部において容易に検出された。わずかにケンプフェロールおよび少量のマルビジンが非トランスジェニックSkr4×SW63対照において検出された。
トランスジェニックSkr4×SW63/pCGP2166植物における3'-ヒドロキシル化フラボノイド、ペオニジンおよびフロバノール、クエルセチンの蓄積は、同一植物の花弁において観察されたピークおよび暗いピンク色と相関した。
pCGP2169の調製
CaMV35Sプロモーター(Franck et al.、1980;Guilley et al.、1982)とocsターミネーター(De Greve et al.、1982)との間に「センス」の向きでpCGP2158からのcDNAインサートをクローニングすることによって、バイナリー構築物pCGP2169(第17図)を構築した。プラスミドpCGP1634はCaMV35Sプロモーター、大腸菌(E.coli)uidA遺伝子座(Jefferson et al.、1987)によりコードされるβ-グルクロニダーゼ(GUS)リポーター遺伝子およびpCGP619ベクター中のocsターミネーター領域を含有した。プラスミドpCGP2158をNcoI/XbaIで消化してcDNAインサートを解放させた。
植物pCGP1634をNcoI/XbaIで消化して、CaMV35Sプロモーターおよびocsターミネーターを含有する主鎖ベクターを解放させた。フラグメントを単離し、一緒に結合させてpCGP2167を生成した。プラスミドpCGP2167を引き続いてPvuIIで消化して、CaMV35Sプロモーター、バラF3'HcDNAおよびocsターミネーターを含有する発現カセットを解放させた。この発現カセットのフラグメントを単離し、pWTT2132バイナリーベクターのSmaI末端と結合させて(DNA Plant Technology Corporation;カリフォルニア州オークランド)pCGP2169(第7図)を生成した。
バイナリーベクターpCGP2169を、実施例9に記載するように、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(A.tumefaciens)AGL0株の細胞の中に導入した。pCGP2169/AGL0細胞を使用してバラ植物を形質転換して、3'-ヒドロキシル化フラボノイドの量を減少させた。
実施例28.キクからの推定上のF3'HcDNAクローンの単離
キクF3'HcDNAクローンを単離するために、キクcv.Red Minstral花弁cDNAライブラリーをpCGP1805の中に含有されるペチュニアHt1cDNAクローン(OGR-38)の32P標識化フラグメントでスクリーニングした。
キクcv.Red Minstralからの花弁cDNAライブラリーの構築
製造業者の推奨に従いトリゾル(TrizolTM)試薬(Life Technology)(ChomczynskiおよびSacchi、1987)を使用して、キクcv.Red Minstralの花弁(段階3〜5)から全体のRNAを調製した。オリゴ-(dT)アフィニティースパン-カラムクロマトグラフィーに頼るmRNA単離キット(Pharmacia)を使用して、ポリ(A)+ RNAを全体のRNAから濃縮した。
鋳型としてRed Minstralの段階3〜5から単離された5μgのポリ(A)+ RNAを用いて、スーパースクリプト(SuperscriptTM)cDNA合成キット(Life Technology)を使用して、ZipLoxにおいて花弁cDNAライブラリーを構築した。
Y1090r-をトランスフェクトした後、30,000pfusのライブラリーをLBプレート(Sambrook et al.、1989)上に3,000pfu/直径15cmのプレートの密度でプレートした。4℃において1時間インキュベートした後、製造業者が推奨するように、重複リフトをハイボンド(Hybond)N+TMフィルター(Amersham)上に取り、処理した。
Red MinstralcDNAライブラリーのスクリーニング
Red Minstral花弁cDNAライブラリーからの重複リフトを、pCGP1805からの1.8kbのAsp718/BamHIインサートの32P標識化フラグメントでスクリーニングした。
ハイブリダイズ条件は、1mMのEDTA(pH8.0)、0.5MのNa2 HPO4 (pH7.2)、7%(w/v)のSDS(ChurchおよびGilbert、1984)中の65℃における少なくとも1時間のプレハイブリダイズ工程を含んだ。次いで32P標識化フラグメント(1×106 cpm/ml)をハイブリダイズ溶液に添加し、ハイブリダイズを65℃においてさらに16時間実施した。次いでフィルターを2×SSC、0.1%(w/v)のSDS中で65℃において2×1時間洗浄し、増強スクリーンを使用して-70℃において48時間Kodak BioMaxTMフィルムに露出した。
8つの強くハイブリダイズするプラークをPSB(Sambrook et al.、1989)の中に取った。これらのうちで、2つ(RM6iおよびRM6ii)を、cDNAライブラリーの初期スクリーニングについて記載したハイブリダイズ条件下に、再スクリーニングして精製されたプラークを単離した。λZipLoxバクテリオファージのベクターの中に含有されるプラスミドを製造業者の推奨に従いレスキューし、そしてcDNAインサートの3'および5'末端から配列データを発生させた。RM6iおよびRM6iiのcDNAインサートの部分的配列を、ペチュニアOGR-38F3'HcDNAクローンの完全な配列と比較した。RM6icDNAクローンはペチュニアOGR-38cDNAクローンのそれと比較的高い配列の類似性を示し、これをさらに特性決定した。
pCHRM1の中に含有されるRM6icDNAインサートはEcoRIで消化したとき解放され、ほぼ1.68kbであった。RM6icDNAインサートのサブクローンからの配列の収集により、プラスミドpCHRM1の中に含有されるRM6icDNAクローンの完全な配列(配列番号:16)を決定した。キクRM6icDNAインサートのヌクレオチド配列および予測されたアミノ酸配列(配列番号:16および配列番号:17)を、ペチュニアOGR-38F3'HcDNAクローンのそれら(配列番号:1および配列番号:2)と比較した。キクRM6icDNAインサートは、ペチュニアOGR-38cDNAクローンのそれに対して、1532ヌクレオチドにわたって68.5%の類似性、および511アミノ酸にわたって73.6%の類似性を示した。
ペチュニア、カーネーション、キンギョソウ、ナズナ、バラ、キクおよびトレニアの配列の整列(それらのすべてはこの明細書に開示されている)、およびヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列の間の配列の類似性の比較の種々の要約は、それぞれ、表7の中に、および表8、9、10、11および12の中に見出すことができる。これらの表は、この明細書の終わりにおける、実施例34の中に存在する。
pLN85(アンチセンスライブラリー)の構築
pART7(Gleave、1992)の中に含有される完全なCaMV35Sプロモーターの背後において「アンチセンス」の向きでpCHRM1からのRM6icDNAインサートをクローニングすることによって、pLN84と表示するプラスミドを構築した。プラスミドpCHRM1をNotIで消化してcDNAインサートを解放させた。アガロースゲル電気泳動およびGELアーゼ(Epicentre Technologies)後、RM6icDNAフラグメントをT4DNAポリメラーゼ(Sambrooket al.、1989)で平滑末端とし、精製した。
精製されたフラグメントをpART7シャトルベクターのSmaI末端と結合させて、pLN84を生成した。引き続いてプラスミドpLN84をNotIで消化して、CaMV35S:RM6icDNA:ocsを含有する発現カセットを解放させた。発現カセットを単一のフラグメントとして単離し、pART27バイナリーベクター(Gleave、1992)のNotI末端と結合させてpLN85(第18図)を生成させた。ストレプトマイシン耐性大腸菌(E.coli)形質転換体から単離されたDNAの制限酵素分析により、フラグメントの正しい挿入は確立された。
バイナリーベクターpLN85を記載されているように(Ladger et al.、1991)アグロバクテリウム(Agrobacterium)を介してキク植物の中に導入して、3'-ヒドロキシル化フラボノイドの量を減少させる。
実施例29.トレニア・フォウルニエリ(Torenia fournieri)からの推定上のF3'HcDNAクローンの単離
トレニア(torenia)F3'HcDNAクローンを単離するために、pCGP1805の中に含有されるペチュニアHt1cDNAクローン(OGR-38)を使用して、低いストリンジェンシイ条件下に、トレニア・フォウルニエリ(Torenia fournieri)cv.Summer Waveの花弁cDNAライブラリーをスクリーニングした。
トレニア・フォウルニエリ(Torenia fournieri)cv.Summer Waveの花弁cDNAライブラリーの構築
本質的に実施例4に記載するように、方向的花弁cDNAライブラリーをSummer Waveから調製した。
Summer Waveの花弁cDNAライブラリーのスクリーニング
pCGP1805からの1.8kbのOGR-38cDNAインサートのDIG標識化フラグメントで、合計200,000の増幅したSummer Waveの花弁cDNAライブラリーのリフトをスクリーニングした。ベーリンガー・マンヘイム(Boehringer Mannheim)からのDIG DNA標識化・検出キットを製造業者の推奨に従い使用した。
ハイブリダイズを30%(w/v)のホルムアミド、5×SSC、1%(w/v)のSDS中で37℃において16時間実施した。次いでフィルターを5×SSC、1%(w/v)のSDS中で65℃において1時間洗浄した。DIG DNA標識化・検出キットのプロトコールに従い、シグナルを可視化した。12の強くハイブリダイズするプラークをPSBの中に取り、再スクリーニングして純粋なプラークを単離した。λZAPIIバクテリオファージのベクターの中に含有されるプラスミドをレスキューし、EcoRI/XhoIで消化してcDNAインサートを解放させた。12のクローンの大部分はほぼ1.8kbのcDNAインサートを含有した。
1つのクローン、THT52は、最長の5'非コーディング領域の配列を含有した。ランダムにオーバーラップするクローンの発生の標準的手順(Sambrook et al.、1989)を使用して得られた異なるpUC18サブクローンからの配列の収集により、プラスミドpTHT52の中に含有されるトレニアcDNAクローン(THT52)の完全な配列を決定した。配列(配列番号:18)は、508アミノ酸の推定上のポリペプチド(配列番号:19)をコードする1524塩基のオープンリーディングフレームを含有した。
トレニアTHT52cDNAクローンのヌクレオチド配列および予測されたアミノ酸配列(配列番号:18および配列番号:19)を、ペチュニアOGR-38F3'HcDNAクローンのそれら(配列番号:1および配列番号:2)と比較した。トレニアTHT52cDNAクローンは、ペチュニアOGR-38cDNAクローンのそれに対して、1694ヌクレオチドにわたって63.6%の類似性、および515アミノ酸にわたって67.4%の類似性を示した。
ペチュニア、カーネーション、キンギョソウ、ナズナ、バラ、キクおよびトレニアの配列の整列(それらのすべてはこの明細書に開示されている)、およびヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列の間の配列の類似性の比較の種々の要約は、それぞれ、表7の中に、および表8、9、10、11および12の中に見出すことができる。これらの表は、この明細書の終わりにおける、実施例34の中に存在する。
実施例30.pYTHT6の酵母構築物において発現されたトレニアTHTcDNAクローンのF3'Hアッセイ
pYE22m(Tanaka et al.、1988)の酵母グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼプロモーターの背後において「センス」の向きでpTHT6からのcDNAインサートをクローニングすることによって、プラスミドpYTHT6(第19図)を構築した。プラスミドpYTHT6をTHT6cDNAクローンを含有した。THT6は、5'非コーディング領域が75bpだけ短い以外、THT52と同一であった。
EcoRI/XhoIで消化すると、pYTHT6から1.7kbのTHT6cDNAインサートが解放された。THT6cDNAフラグメントを単離し、精製し、pYE22mのEcoRI/SalI末端と結合させた。
酵母の形質転換、酵母抽出物の調製およびF3'Hアッセイは実施例6に記載されている。
F3'H活性はG1315/pYTHT6の抽出物において検出されたが、非トランスジェニック酵母の抽出物において検出されなかった。これから、THT6cDNAインサートはpYTHT6、コード化F3'Hの中に含有されることが結論された。
実施例31.ファービチス・ニル(Pharbitis nil)(日本ヒルガオ)からの推定上のF3'HcDNAクローンの単離
ヒルガオF3'HcDNAクローンを単離するために、pCGP1805の中に含有されるペチュニアHt1cDNAクローン(OGR-38)を使用して、低いストリンジェンシイ条件下に、日本ヒルガオの花弁cDNAライブラリーをスクリーニングした。
日本ヒルガオの花弁cDNAライブラリーの構築
ファービチス・ニル(Pharbitis nil)(日本ヒルガオ)の若い花弁からの花弁cDNAライブラリーをIIda博士(国立基礎生物学研究所、日本国)から入手した。
日本ヒルガオの花弁cDNAライブラリーのスクリーニング
pCGP1805からの1.8kbのOGR-38cDNAインサートのDIG標識化フラグメントで、合計200,000の増幅した日本ヒルガオの花弁cDNAライブラリーのリフトをスクリーニングした。ベーリンガー・マンヘイム(BoehringerMannheim)からのDIG DNA標識化・検出キットを製造業者の推奨に従い使用した。
ハイブリダイズを30%(w/v)のホルムアミド、5×SSC、1%(w/v)のSDS中で37℃において16時間実施した。次いでフィルターを5×SSC、1%(w/v)のSDS中で65℃において1時間洗浄した。DIG DNA標識化・検出キットのプロトコールに従い、シグナルを可視化した。12の強くハイブリダイズするプラークをPSBの中に取り、再スクリーニングして純粋なプラークを単離した。λZAPIIバクテリオファージのベクターの中に含有されるプラスミドをレスキューし、EcoRI/XhoIで消化してcDNAインサートを解放させた。1つのクローン(MHT85)は1.8kbのインサートを含有した。1つのクローン、THT52は、最長の5'非コーディング領域の配列を含有した。ランダムにオーバーラップするクローンの発生の標準的手順(Sambrook et al.、1989)を使用して得られた異なるpUC18サブクローンからの配列の収集により、プラスミドpMHT85の中に含有される日本ヒルガオcDNAクローン(MHT85)の完全な配列(配列番号:20)を決定した。MHT85の配列は「全長」よりも5塩基だけ短いでように見える。
日本ヒルガオMHT85cDNAクローンのヌクレオチド配列および予測されたアミノ酸配列(配列番号:20および配列番号:21)を、ペチュニアOGR-38F3'HcDNAクローンのそれら(配列番号:1および配列番号:2)と比較した。日本ヒルガオMHT85cDNAクローンは、ペチュニアOGR-38cDNAクローンのそれに対して、869ヌクレオチドにわたって69.6%の類似性、および515アミノ酸にわたって74.8%の類似性を示した。
ペチュニア、カーネーション、キンギョソウ、ナズナ、バラ、キクおよびトレニアの配列の整列(それらのすべてはこの明細書に開示されている)、およびヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列の間の配列の類似性の比較の種々の要約は、それぞれ、表7の中に、および表8、9、10、11および12の中に見出すことができる。これらの表は、この明細書の終わりにおける、実施例34の中に存在する。
実施例32.ゲンチアナ・トリフロラ(Gentiana triflora)からの推定上のF3'HcDNAクローンの単離
リンドウF3'HcDNAクローンを単離するために、pCGP1805の中に含有されるペチュニアHt1cDNAクローン(OGR-38)を使用して、低いストリンジェンシイ条件下に、ゲンチアナ・トリフロラ(Gentiana triflora)Pall.var japonica Haraの花弁cDNAライブラリーをスクリーニングした。
リンドウの花弁cDNAライブラリーの構築
Tanaka et al.、1988が記載するように、ゲンチアナ・トリフロラ(Gentiana triflora)Pall.var japonica Haraの花から、花弁cDNAライブラリーを調製した。
リンドウの花弁cDNAライブラリーのスクリーニング
pCGP1805からの1.8kbのOGR-38cDNAインサートのDIG標識化フラグメントで、合計200,000の増幅したリンドウの花弁cDNAライブラリーのリフトをスクリーニングした。ベーリンガー・マンヘイム(Boehringer Mannheim)からのDIG DNA標識化・検出キットを製造業者の推奨に従い使用した。
ハイブリダイズを30%(w/v)のホルムアミド、5×SSC、1%(w/v)のSDS中で37℃において16時間実施した。次いでフィルターを5×SSC、1%(w/v)のSDS中で65℃において1時間洗浄した。DIG DNA標識化・検出キットのプロトコールに従い、シグナルを可視化した。15の強くハイブリダイズするプラークをPSBの中に取り、再スクリーニングして純粋なプラークを単離した。λZAPIIバクテリオファージのベクターの中に含有されるプラスミドをレスキューし、EcoRI/XhoIで消化してcDNAインサートを解放させた。1つのクローン(GHT13)は1.8kbのインサートを含有した。ランダムにオーバーラップするクローンの発生の標準的手順(Sambrook et al.、1989)を使用して得られた異なるpUC18サブクローンからの配列の収集により、プラスミドpGHT13の中に含有される部分的リンドウcDNAクローンの配列(配列番号:22)を決定した。
リンドウGHT13cDNAクローンのヌクレオチド配列および予測されたアミノ酸配列(配列番号:22および配列番号:23)を、ペチュニアOGR-38F3'HcDNAクローンのそれらと比較した。リンドウGHT13cDNAクローンは、ペチュニアOGR-38cDNAクローンのそれに対して、1519ヌクレオチドにわたって68.3%の類似性、および475アミノ酸にわたって71.8%の類似性を示した。
ペチュニア、カーネーション、キンギョソウ、ナズナ、バラ、キクおよびトレニアの配列の整列(それらのすべてはこの明細書に開示されている)、およびヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列の間の配列の類似性の比較の種々の要約は、それぞれ、表7の中に、および表8、9、10、11および12の中に見出すことができる。これらの表は、この明細書の終わりにおける、実施例34の中に存在する。
実施例33.リシアンサス(lisianthus)からの推定上のF3'HcDNAクローンの単離
リシアンサスF3'HcDNAクローンを単離するために、pCGP1805の中に含有されるペチュニアHt1cDNAクローン(OGR-38)を使用して、低いストリンジェンシイ条件下に、リシアンサスの花弁cDNAライブラリーをスクリーニングした。
リシアンサスの花弁cDNAライブラリーの構築およびスクリーニング
Y1090r-をトランスフェクトした後、Davies et al.(1993)およびMarkhamおよびOffman(1993)が記載する10,000pfusのリシアンサス花弁cDNAライブラリーをLBプレート(Sambrook et al.、1989)上に3,000pfu/直径15cmのプレートの密度でプレートし、37℃において15時間インキュベートした。4℃において1時間インキュベートした後、製造業者が推奨するように重複リフトをハイボンド(Hybond)N+TMフィルター(Amersham)上に取り、処理した。
リシアンサス#54花弁cDNAライブラリーからの重複リフトを、pCGP1805からの1.8kbのAsp718/BamHIインサートの32P標識化フラグメントでスクリーニングした。
ハイブリダイズ条件は、1mMのEDTA(pH8.0)、0.5MのNa2 HPO4 (pH7.2)、7%(w/v)のSDS(ChurchおよびGilbert、1984)中の65℃における少なくとも1時間のプレハイブリダイズ工程を含んだ。次いで32P標識化フラグメント(1×106 cpm/ml)をハイブリダイズ溶液に添加し、ハイブリダイズを65℃においてさらに16時間実施した。次いでフィルターを2×SSC、0.1%(w/v)のSDS中で65℃において2×1時間洗浄し、増強スクリーンを使用して-70℃において48時間Kodak BioMaxTMフィルムに露出した。
12の強くハイブリダイズするプラークをPSB(Sambrook et al.、1989)の中に取り、そしてcDNAライブラリーの初期スクリーニングについて記載したハイブリダイズ条件下に、再スクリーニングして精製されたプラークを単離した。4つのクローンのcDNAインサートの3'および5'末端から配列データを発生させた。
配列の比較に基づいて、pL3-6はペチュニアOGR-38F3'HcDNAクローンとの類似性を示し、さらに特性決定した。
引き続いてpL3-6の中に含有される2.2kbのcDNAインサートは3つの末端短縮cDNAクローンを含有することが見出され、最長のもの(L3-6)はペチュニアOGR-38F3'HcDNA配列と高い類似性を有した。L3-6cDNAインサートのサブクローンからの配列(配列番号:24)の収集により、プラスミドpL3-6の中に含有されるこのL3-6部分的cDNAクローンの配列を決定した。
リシアンサスL3-6cDNAクローンのヌクレオチド配列および予測されたアミノ酸配列(配列番号:24および配列番号:25)を、ペチュニアOGR-38F3'HcDNAクローンのそれら(配列番号:1および配列番号:2)と比較した。リシアンサスL3-6cDNAクローンの配列は、ペチュニアOGR-38cDNAクローンのそれに対して、1087ヌクレオチドにわたって71.4%の類似性、および362アミノ酸にわたって74.6%の類似性を示した。
ペチュニア、カーネーション、キンギョソウ、ナズナ、バラ、キクおよびトレニアの配列の整列(それらのすべてはこの明細書に開示されている)、およびヌクレオチド配列および対応するアミノ酸配列の間の配列の類似性の比較の種々の要約は、それぞれ、表7の中に、および表8、9、10、11および12の中に見出すことができる。これらの表は、この明細書の終わりにおける、実施例34の中に存在する。
リシアンサスのライブラリーのスクリーニングから単離された残りのクローンをさらに研究して、プラスミドpL3-10の中に含有される他の推定上のF3'HcDNAクローン(L3-10)を同定した。L3-10cDNAインサートはほぼ1.8kbであり、そして「全長の」クローンを表すように見える。
実施例34.本明細書において記載するヌクレオチド配列およびアミノ酸配列の整列および比較
実施例3に記載されているクラスタル(Clustal)Wプログラムを使用して、多数の配列の整列を実施した。表7(下)は下記の予測されたアミノ酸配列の多数の配列の整列を提供する:ペチュニアOGR-38(A);カーネーション(B);キンギョソウ(C);ナズナTt7コーディング領域(D);バラ(E);キク(F);トレニア(G);ヒルガオ(H);リンドウ(部分的配列)(I);リシアンサス(部分的配列)(J)およびペチュニア651cDNA(K)。保存されたアミノ酸はボールドフェースの大文字で示されており、囲まれ、陰影をつけられている。同様なアミノ酸は大文字で示されており、薄く陰影をつけられており、そして非類似のアミノ酸は小文字で示されている。
実施例3に記載されているように、LFASTAプログラムを使用して、前述の種からのF3'HcDNAクローンのヌクレオチド配列およびアミノ酸配列およびナズナからのゲノムのクローンのコーディング領域を比較した。類似性の比較は、下記表8〜12に要約されている。
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当業者は理解するように、本明細書において記載した本発明は詳しく説明した以外の変動および変更が可能である。本発明はすべてのこのような変動および変更を包含することを理解すべきである。本発明は、また、この明細書において、個々にまたは集合的に、言及しまたは示した工程、特徴、組成物および化合物のすべて、および前記工程または特徴の任意の2またはそれ以上の任意のかつすべての組合わせを包含する。
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図1aは、ペチュニア・ヒブリダ(P・hybrida)の花においてフラボノイドの生合成経路の概略的表示であり、変換に関係する酵素および遺伝子座を示す。 図1bは、ペチュニア・ヒブリダ(P・hybrida)の花においてフラボノイドの生合成経路の概略的表示であり、変換に関係する酵素および遺伝子座を示す。 図2は、ペチュニア・ヒブリダからのシンナメート-4-ヒドロキシラーゼを表すcDNAクローン(F1)を含有するプラスミドpCGP161の模式図である。 図3は、ペチュニア・ヒブリダからのフラボノイド3',5'ヒドロキシラーゼ(Hf1)を表すcDNAクローン(617)を含有するプラスミドpCGP602の模式図である。 図4は、ペチュニア・ヒブリダからのフラボノイド3',5'ヒドロキシラーゼ(Hf2)を表すcDNAクローン(H2)を含有するプラスミドpCGP175の模式図である。 図5は、ペチュニア・ヒブリダからのシトクロムP450を表す651cDNAクローンを含有するプラスミドpCGP619の模式図である。 図6は、pCGP1805(実施例6を参照のこと)を含有するOGR-38cDNAクローンの32P標識化フラグメントでプローブしたRNAブロットのオートラジオグラフの表示である。 図7は、酵母発現プラスミドpCGP1646(実施例7を参照のこと)の模式図である。 図8は、バイナリープラスミドpCGP1867(実施例8に記載されている)の模式図である。 図9は、バイナリープラスミドpCGP1810(その製造は実施例13に記載されている)の模式図である。 図10は、バイナリープラスミドpCGP1813(その構築は実施例14に記載されている)の模式図である。 図11は、Am3Ga識別表示PCR断片の32P標識化フラグメントでプローブしたサザンブロットのオートラジオグラフの表示である(実施例16に記載されている)。 図12は、Am3Ga識別表示PCR断片の32P標識化フラグメントでプローブしたRNAブロットのオートラジオグラフの表示である。 図13は、バイナリープラスミドpCGP250(その構築は実施例20に記載されている)の模式図である。 図14は、バイナリープラスミドpCGP231(その構築は実施例20に記載されている)の模式図である。 図15は、バイナリープラスミドpBI-Tt7-2の模式図である。 図16は、バイナリープラスミドpCGP2166(その構築は実施例26に記載されている)の模式図である。 図17は、バイナリープラスミドpCGP2169(その構築は実施例27に記載されている)の模式図である。 図18は、バイナリープラスミドpLN85(その構築は実施例28に記載されている)の模式図である。 図19は、酵母発現プラスミドpYTHT6(その構築は実施例30に記載されている)の模式図である。

Claims (39)

  1. フラボノイド3'-ヒドロキシラーゼまたはその誘導体をコードするヌクレオチドの配列を含んでなり、ここで前記フラボノイド3'-ヒドロキシラーゼまたはその誘導体は、配列番号:26に記載するヌクレオチド配列によりコードされるフラボノイド3'-ヒドロキシラーゼよりも、植物中のフラボノイド化合物のヒドロキシル化のより効率よいモジュレーションを行うことができる、単離された核酸分子。
  2. ペチュニア中のHt1またはHt2と表示する遺伝子座に相当するか、あるいは3'-ヒドロキシル化フラボノイドの産生をコントロールする配列を含有する他の顕花植物種中の遺伝子座に相当するヌクレオチド配列を含んでなる、請求項1に記載の単離された核酸分子。
  3. 実質的に配列番号:1に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそれに対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:1に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  4. 実質的に配列番号:3に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそれに対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:3に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  5. 実質的に配列番号:5に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそれに対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:5に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  6. 実質的に配列番号:7に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそれに対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:7に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  7. 実質的に配列番号:9に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそのコーディング領域に対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:9に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  8. 実質的に配列番号:14に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそれに対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:14に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  9. 実質的に配列番号:16に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそれに対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:16に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  10. 実質的に配列番号:18に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそれに対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:18に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  11. 実質的に配列番号:20に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそれに対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:20に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  12. 実質的に配列番号:22に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそれに対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:22に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  13. 実質的に配列番号:24に記載するヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列、あるいはそれに対して少なくとも約60%の類似性を有するか、あるいは低いストリンジェンシイ条件下に配列番号:24に記載する配列にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  14. 実質的に配列番号:2に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  15. 実質的に配列番号:4に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  16. 実質的に配列番号:6に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  17. 実質的に配列番号:8に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  18. 実質的に配列番号:10または配列番号:11または配列番号:12または配列番号:13に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  19. 実質的に配列番号:15に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  20. 実質的に配列番号:17に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  21. 実質的に配列番号:19に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  22. 実質的に配列番号:21に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  23. 実質的に配列番号:23に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  24. 実質的に配列番号:25に記載するアミノ酸配列またはそれに対して少なくとも約50%の類似性を有するアミノ酸配列をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる、請求項2に記載の単離された核酸分子。
  25. 配列番号:1、3、5、7、9、14、16、18、20、22および24から選択されるヌクレオチド配列に低いストリンジェンシイ条件下にハイブリダイズすることができるオリゴヌクレオチド。
  26. (i)配列番号:2、4、6、8、10、11、12、13、15、17、19、21、23または25の1つのに記載するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列またはその相補的形態;
    (ii)配列番号:1、3、5、7、14、16、18、20、22および24の1つのに記載するアミノ酸配列または配列番号:9中のコーディング領域またはその相補的形態;
    (iii)(i)または(ii)に対して少なくとも約60%の類似性を有するヌクレオチド配列;および
    (iv)(i)、(ii)および/または(iii)に対して低いストリンジェンシイ条件下にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列;
    から選択されるヌクレオチド配列を含んでなる、植物中のフラボノイド3'-ヒドロキシラーゼをコードする内因性遺伝子の発現を減少することができる遺伝構築物。
  27. フラボノイド3'-ヒドロキシラーゼまたはその誘導体をコードするヌクレオチドの配列を含んでなる核酸分子で適当な植物の細胞を、前記核酸分子の究極的発現を可能とする条件下に、安定に形質転換し、前記細胞からトランスジェニック植物を再生し、そして核酸分子の発現を可能とするために十分な時間の間かつ条件下に前記トランスジェニック植物を生長させることからなる、フラボノイド3'-ヒドロキシラーゼまたはその機能的誘導体を合成できるトランスジェニック植物を生産する方法。
  28. フラボノイド3'-ヒドロキシラーゼまたはその誘導体をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる核酸分子で適当な植物の細胞を安定に形質転換し、前記細胞からトランスジェニック植物を再生し、そして必要に応じて核酸分子の発現を可能とするために十分な条件下に前記トランスジェニック植物を生長させることからなる、内因性または存在するフラボノイド3'-ヒドロキシラーゼ活性が減少したトランスジェニック植物を生産する方法。
  29. 導入された核酸分子が、
    (i)配列番号:2、4、6、8、10、11、12、13、15、17、19、21、23または25の1つのに記載するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列またはその相補的形態;
    (ii)配列番号:1、3、5、7、14、16、18、20、22および24の1つのに記載するヌクレオチド配列または配列番号:9中のコーディング領域またはその相補的形態;
    (iii)(i)または(ii)に対して少なくとも約60%の類似性を有するヌクレオチド配列;および
    (iv)(i)、(ii)および/または(iii)に対して低いストリンジェンシイ条件下にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列;
    から選択されるヌクレオチド配列または相補的ヌクレオチド配列を含んでなる、請求項27または28に記載の方法。
  30. 受容植物がペチュニア、カーネーション、キク、バラ、キンギョソウ、タバコ、ムギナデシコ(conrnflower)、フクロソウ、リシアンサス(lisianthus)、ガーベラ、リンゴ、アイリス、ユリ、アフリカスミレおよびヒルガオから選択される、請求項27または28に記載の方法。
  31. フラボノイド3'-ヒドロキシラーゼまたはその誘導体をコードする配列をコードするか、あるいはそれに対して相補的なヌクレオチドの配列を含んでなる核酸分子で適当な植物の細胞または細胞のグループを安定に形質転換し、そして前記細胞または細胞のグループからトランスジェニック植物を再生することからなる、フラボノイド化合物のヒドロキシル化を調節できるトランスジェニック植物を生産する方法。
  32. 形質転換された核酸分子が、
    (i)配列番号:2、4、6、8、10、11、12、13、15、17、19、21、23または25の1つのに記載するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列またはその相補的形態;
    (ii)配列番号:1、3、5、7、14、16、18、20、22および24の1つのに記載するヌクレオチド配列または配列番号:9中のコーディング領域またはその相補的形態;
    (iii)(i)または(ii)に対して少なくとも約60%の類似性を有するヌクレオチド配列;および
    (iv)(i)、(ii)および/または(iii)に対して低いストリンジェンシイ条件下にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列;
    から選択されるヌクレオチド配列を含んでなる、請求項31に記載の方法。
  33. (i)配列番号:2、4、6、8、10、11、12、13、15、17、19、21、23または25の1つのに記載するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列またはその相補的形態;
    (ii)配列番号:1、3、5、7、14、16、18、20、22および24の1つのに記載するヌクレオチド配列または配列番号:9中のコーディング領域またはその相補的形態;
    (iii)(i)または(ii)に対して少なくとも約60%の類似性を有するヌクレオチド配列;および
    (iv)(i)、(ii)および/または(iii)に対して低いストリンジェンシイ条件下にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列;
    から選択されるヌクレオチドの配列を含んでなる核酸分子を含んでなる、変更した色を示す組織を有するトランスジェニック植物。
  34. 請求項33に記載のトランスジェニック植物からの切り花。
  35. 請求項33に記載のトランスジェニック植物からの種子。
  36. 請求項33に記載のトランスジェニック植物からの果実。
  37. 請求項33に記載のトランスジェニック植物からの葉。
  38. 植物または植物の細胞中のフラボノイド化合物のヒドロキシル化を調節することができる遺伝構築物の製造における、フラボノイド3'-ヒドロキシラーゼをコードするヌクレオチドの配列を含んでなる核酸分子の使用。
  39. ヌクレオチド配列が、
    (i)配列番号:2、4、6、8、10、11、12、13、15、17、19、21、23または25の1つのに記載するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列またはその相補的形態;
    (ii)配列番号:1、3、5、7、14、16、18、20、22および24の1つのに記載するヌクレオチド配列または配列番号:9中のコーディング領域またはその相補的形態;
    (iii)(i)または(ii)に対して少なくとも約60%の類似性を有するヌクレオチド配列;および
    (iv)(i)、(ii)および/または(iii)に対して低いストリンジェンシイ条件下にハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列;
    から選択されるヌクレオチド配列を含んでなる、請求項38に記載の使用。
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