JP2007241062A - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】小粒径でかつ粒度分布の狭いトナー粒子を有する電子写真用トナーを容易に製造する方法、及びこの方法を用いて得られる小粒径でかつ粒度分布の狭い電子写真用トナーを提供する。
【解決手段】(A)水系媒体中において、非イオン性界面活性剤の存在下、結着樹脂を微粒子化して結着樹脂含有微粒子分散液を調製する工程、(B)(A)工程で得られた結着樹脂含有微粒子を凝集させて、母粒子分散液を調製する工程、(C)前記(B)工程で得られた母粒子分散液に、結着樹脂含有微粒子分散液を一時に又は複数回分割して添加する工程、及び(D)前記(C)工程で得られた凝集粒子を合一させる工程、を有する電子写真用トナーの製造方法、及び上記製造方法により得られる電子写真用トナーである。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法などにおいて形成される潜像の現像に用いられる電子写真用トナーの製造方法及びその方法で得られた電子写真用トナーに関する。
電子写真用トナーの分野においては高画質化の追求から、トナーの小粒径化が望まれている。トナーの製造方法としては、溶融混練粉砕法と、乳化凝集法などの湿式製法とがあるが、結晶性ポリエステルを主体とした結着樹脂を用いたトナーを溶融混練粉砕法で製造する場合、粉砕制御が困難となり実用的ではない。
また、乳化凝集法によりトナー粒子を製造する場合、一般に粒径が小さくなると、粒度分布が広くなることが知られており、小粒径化と狭い粒度分布の両方を実現したトナーは未だ得られていない。
トナー粒子の形状及び粒径分布を制御する技術としては、例えば、現像性、転写性、定着性、クリーニング性等の特性を安定に維持・発揮する信頼性の高いトナーを容易かつ簡便に製造しうる方法として、形成した凝集粒子分散液中に、着色剤粒子、無機粒子、離型剤粒子等の微粒子分散液を添加混合して凝集粒子に微粒子を付着させて付着粒子を形成するカプセル形態の静電荷像現像用トナーの製造方法(特許文献1参照)、及び重合体一次粒子及び着色剤を含む分散液中で粒子を凝集させて得られた粒子凝集体中の粒子間の融着を起こさせるトナーの製造方法において、凝集工程中にワックス微粒子をシードとし、スチレン/アクリル酸ブチル/アクリル酸共重合体等の一次粒子を追加して添加する静電荷像現像用トナーの製造方法(特許文献2参照)が開示されている。
しかしながら、これらの技術において得られるトナー粒子は、いずれもその粒径が6μm程度であり、トナーの小粒径化について充分ではなく、また、小粒径化と狭い粒度分布の両立は達成されていない。
特許第3141783号公報 特開平2004−12650号公報
本発明は、小粒径でかつ粒度分布の狭いトナー粒子を有する電子写真用トナーを容易に製造する方法、及びこの方法を用いて得られる小粒径でかつ粒度分布の狭い電子写真用トナーを提供することを目的とする。
本発明は、
(1)(A)水系媒体中において、非イオン性界面活性剤の存在下、結着樹脂を微粒子化して結着樹脂含有微粒子分散液を調製する工程、(B)(A)工程で得られた結着樹脂含有微粒子を凝集させて、母粒子分散液を調製する工程、(C)前記(B)工程で得られた母粒子分散液に、結着樹脂含有微粒子分散液を一時に又は複数回分割して添加する工程、及び(D)前記(C)工程で得られた凝集粒子を合一させる工程、を有する電子写真用トナーの製造方法、及び
(2)上記(1)の製造方法により得られる電子写真用トナー、
に関する。
本発明の製造方法によれば、小粒径かつ粒度分布の狭いトナー粒子を有する電子写真用トナーを容易に製造することができ、またこの方法により得られる電子写真用トナーは、小粒径かつ粒度分布の狭いものである。
本発明の電子写真用トナーの製造方法は、上記(A)工程、(B)工程、(C)工程、及び(D)工程を有している。以下、各工程について詳細に説明する。
[(A)工程]
この工程は、水系媒体中において、非イオン性界面活性剤の存在下、結着樹脂を微粒子化して結着樹脂含有微粒子分散液を調製する工程である。
当該(A)工程において用いられる結着樹脂としては、トナーに用いられる公知の樹脂、例えば、ポリエステル、スチレン−アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられるが、なかでも、ポリエステル及びスチレン−アクリル共重合体が好ましく、着色剤分散性、定着性及び耐久性の観点から、ポリエステルがより好ましい。ポリエステルを含有する場合、その含有量は、結着樹脂中、60重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、80重量%以上がさらに好ましい。
ポリエステルは、結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステルのいずれであってもよい。
ポリエステルの原料モノマーとしては、公知の2価以上のアルコール成分と、2価以上のカルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の公知のカルボン酸成分が用いられる。
アルコール成分としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等の脂肪族ジオール;ポリオキシプロピレン(2.2モル付加)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0モル付加)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等の、式(I)
Figure 2007241062
(式中、Rは炭素数2又は3のアルキレン基、x及びyはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を示す正の数を示し、xとyの和は1〜16、好ましくは1.5〜5.0である)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール:グリセリン、ペンタエリスリトールなどの3価以上の多価アルコール等が挙げられる。
式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、5モル%以上が好ましく、50モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましく、100モル%が特に好ましい。これらのアルコール成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、脂肪族ジオールの全アルコール成分中の含有量は、80〜100モル%が好ましく、より好ましくは90〜100モル%である。
カルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸;及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。上記のような酸、酸無水物、及び酸のアルキルエステルを本明細書では総称してカルボン酸化合物と呼ぶ。これらのカルボン酸成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの芳香族ジカルボン酸化合物や脂環式ジカルボン酸化合物の全カルボン酸成分中の含有量は、トナーの帯電性及び耐久性の観点から、80〜100モル%が好ましく、90〜100モル%がより好ましい。なかでも、テレフタル酸が、全カルボン酸成分中、好ましくは80〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%含有されていることが好ましい。
ポリエステルは、分子鎖末端に酸基を有することが好ましい。酸基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基、スルフィン酸基等が挙げられ、樹脂の乳化性とそれを用いたトナーの耐環境特性との両立の観点からカルボキシル基が好ましい。ポリエステルの分子鎖末端の酸基の数量は、乳化粒子の安定性並びにトナーの粒度分布及び粒径を決める一つの重要な因子である。乳化粒子を安定にし、かつ小粒径のトナーをシャープな粒度分布で得るためには、該分子鎖末端の酸基の数量は、ポリエステル1g当たり、0.015〜0.9mmolが好ましく、0.08〜0.85mmolがより好ましく、0.15〜0.8mmolがさらに好ましく、0.25〜0.75mmolがさらに好ましい。
ポリエステルの酸価は、乳化粒子を安定にし、かつ小粒径のトナーをシャープな粒度分布で得る観点から、例えば、ポリエステル1gあたり、1〜50mgKOH/gが好ましく、5〜48mgKOH/gがより好ましく、10〜45mgKOH/gがさらに好ましく、15〜40mgKOH/gがさらに好ましい。
また、必要に応じて、カルボン酸成分としてトリメリット酸等の多価酸や、アルコール成分としてペンタエリスリトール等の多価アルコールを用いてポリエステルの分子主鎖中にカルボキシル基を導入することもできる。ポリエステルの分子主鎖中の酸基の数量は、ポリエステルを構成するカルボン酸成分全体のモル数に対して、好ましくは5モル%以下、より好ましくは3モル%以下、さらに好ましくは1モル%以下である。
また、ポリエステルにおける、分子主鎖中の酸基/分子鎖末端の酸基で表されるモル比は、同様の観点から、30モル%以下が好ましく、20モル%以下がより好ましく、10モル%以下がさらに好ましく、5モル%以下がさらに好ましく、2モル%以下がさらに好ましい。
ポリエステルの分子主鎖中の酸基及び分子鎖末端の酸基の量は、ポリエステルの原料酸及び原料アルコールの構造と仕込み比率、ポリエステルの数平均分子量、及び酸価の測定から計算できる。また、核磁気共鳴分光法(NMR)や光電子分光法(XPS,ESCA等)等の分析手法を酸価の測定と組み合わせて求めることもできる。
ポリエステルのトナー中の含有量は、60重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、80〜95重量%がさらに好ましい。
ポリエステルは、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを、不活性ガス雰囲気中、必要に応じエステル化触媒を用いて、180〜250℃程度の温度で縮重合することにより製造することができる。
結晶性ポリエステルの融点は、低温定着性の観点から、好ましくは60〜150℃、より好ましくは60〜130℃、さらに好ましくは60〜120℃である。非晶質ポリエステルの軟化点は95〜160℃、ガラス転移点は50〜75℃であることが、それぞれ好ましい。
結晶性ポリエステルの数平均分子量は、乳化性、定着性及び耐オフセット性の観点から、2000〜100000が好ましく、2000〜20000がより好ましく、2000〜10000がさらに好ましく、2000〜8000がさらに好ましい。
非晶質ポリエステルの数平均分子量は、耐久性及び定着性の観点から、1000〜100000が好ましく、1000〜50000がより好ましく、1000〜12000がさらに好ましい。
ポリエステルの数平均分子量は、ポリスチレンを標準試料として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求められる。
当該(A)工程で得られる結着樹脂含有微粒子分散液における微粒子は、着色剤を含有することが好ましい。この着色剤としては、特に制限はなく、公知の着色剤が挙げられ、目的に応じて適宜選択することができる。具体的には、カーボンブラック、無機系複合酸化物、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、ディポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレート等の種々の顔料やアクリジン系、キトサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、インジゴ系、チオインジゴ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系等の各種染料を1種又は2種以上を併せて使用することができる。
また、前記微粒子は、離型剤、荷電制御剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤等の添加剤を、適宜含有することができる。
離型剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどの低分子量ポリオレフィン類;シリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナバロウワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、水ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス等が挙げられる。これらの離型剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
荷電制御剤としては、クロム系アゾ染料、鉄系アゾ染料、アルミニウムアゾ染料、サリチル酸金属錯体等が挙げられる。
当該(A)工程においては、前記結着樹脂を水系媒体中において、非イオン性界面活性剤の存在下に微粒子化して、結着樹脂含有微粒子分散液、すなわち一次粒子分散液を調製する。
結着樹脂と非イオン性界面活性剤とを混合することにより、混合物の粘度が低下し、結着樹脂を微粒化させることができるが、本発明者らは、混合物の粘度の低下が、非イオン性界面活性剤が結着樹脂に相溶し、樹脂の軟化点が見掛け上、低下することによるものであることを見出した。この現象を利用して、非イオン性界面活性剤が相溶した結着樹脂の見かけ上の軟化点を水の沸点以下に下げることにより、樹脂単独では100℃以上の融点又は軟化点を有する結着樹脂でも、常庄で水を滴下することで結着樹脂が水中に分散した分散液を得ることができる。このように、少なくとも水と非イオン性界面活性剤があればよいため、有機溶剤に不溶な樹脂にも適用できる他、有機溶剤の回収や作業環境維持のための設備負担が不要であり、特別な装置も不要であるため、経済的に樹脂分散液を製造できるという利点も有する。従って、本発明に用いられる水系媒体は、有機溶剤等の溶剤を含有していてもよいが、水を好ましくは95重量%以上、より好ましくは99重量%以上含有するものであり、本発明では、実質的に有機溶剤を用いることなく水のみを用いても結着樹脂を微粒化させることができる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルあるいはポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビタンエステル類、ポリエチレングルコールモノラウレート、ポリチレングリコ−ルモノステアレート、ポリエチレングリコールモノオレエート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、オキシエチレン/オキシプロピレンブロックコポリマー等が挙げられる。本発明においては、前記非イオン性界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また、本発明の効果を損なわない範囲で、非イオン性界面活性剤にアニオン性界面活性剤やカチオン性界面活性剤を併用してもよい。
非イオン性界面活性剤としては、樹脂との相溶性のよいものを選択することが好ましい。安定な結着樹脂の分散液を得るためには、非イオン性界面活性剤
のHLBは12〜18であることが好ましく、結着樹脂の種類によっては2種以上の異なるHLBの非イオン性界面活性剤を用いることが好ましい。例えば親水性が高い樹脂の場合は、HLBが12〜18の非イオン性界面活性剤を最低1種類用いればよいが、疎水性の高い樹脂の場合はHLBの低いもの、例えばHLBが7〜10程度のものと、HLBが高いもの、例えばHLBが14〜20ものを併用して、両者のHLBの加重平均を12〜18に調整することが好ましい。この場合、主としてHLBが7〜10程度のものが樹脂を相溶化させ、HLBの高いものが水中での樹脂の分散を安定化させているものと推定される。
また、非イオン性界面活性剤は、結着樹脂と着色剤を併用する場合、該着色剤に吸着し結着樹脂中に分散することが好ましい。非イオン性界面活性剤のHLBを前記範囲に調整することにより、着色剤表面に非イオン性界面活性剤が吸着し易くなると同時に、着色剤は水系媒体中でコロイド分散体として存在するよりも、結着樹脂中で安定に存在するようになり好ましい。
非イオン性界面活性剤の使用量は、結着樹脂の融点を下げる観点から、結着樹脂100重量部に対して、0.5重量部以上が好ましい。また、トナーに残存する非イオン性界面活性剤を制御する観点、及び追加の結着樹脂含有微粒子を母粒子に好適に付着させるという観点より、非イオン性界面活性剤の量は10重量部以下が好ましく、5重量部以下が好ましい。3重量部以下がより好ましく、2重量部以下がさらに好ましい。
当該(A)工程では、例えば、結着樹脂、非イオン性界面活性剤、及び必要に応じ着色剤を含有した混合物を攪拌し、系内に均一に混合した状態で、水系媒体(好ましくは、脱イオン水又は、蒸留水)を滴下することが好ましい。なお、この際、非イオン性界面活性剤と相溶した結着樹脂が水と分離しないように留意することが好ましい。
使用する水系媒体の全量は、得られる結着樹脂含有微粒子(一次粒子)分散液の安定性と続く(B)工程での分散液の取扱い性などの観点から、結着樹脂含有微粒子分散液の固形分濃度が、好ましくは7〜50重量%、より好ましくは7〜40重量%、さらに好ましくは10〜30重量%になるように選定される。なお、固形分には樹脂、非イオン性界面活性剤などの不揮発性成分が含まれる。
(A)工程においては、非イオン性界面活性剤の量、攪拌力、及び水の添加速度により、形成する一次粒子の粒径を制御することができる。当該(A)工程において、例えば、結着樹脂及び非イオン性界面活性剤を含有した混合物に水系媒体を添加する速度は、均一な一次粒子を得る観点から、混合物100gあたり0.1〜50g/分が好ましく、0.5〜40g/分がより好ましく、1〜30g/分がさらに好ましい。
なお、結着樹脂がカルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する場合は、結着樹脂を全部もしくは一部を中和した後、又は中和しながら水を添加してもよい。中和により、樹脂の自己乳化性が向上し、微細で均一な一次粒子を得ることができる。
本発明においては、結着樹脂の溶融粘度及び融点の低下、並びに生成する一次粒子の分散性の向上を目的として、必要に応じて分散剤を用いることができる。分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリ酸ナトリウム等の水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤;ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機塩が挙げられる。分散剤の使用量は、乳化安定性及び洗浄性の観点から、結着樹脂100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、15重量部以下がより好ましく、10重量部以下がさらに好ましい。
結着樹脂含有微粒子の体積中位粒径(D50)は、続く(B)工程で均一に凝集させる観点から、0.05〜2μmが好ましく、0.05〜1μmがより好ましく、0.05〜0.5μmがさらに好ましい。
[(B)工程]
この工程は、前記(A)工程で得られた結着樹脂含有微粒子を凝集させて、母粒子分散液を調製する工程である。
当該(B)工程において、結着樹脂含有微粒子を凝集させる際の系内の固形分濃度は、必要に応じて結着樹脂の分散液に水系媒体を添加して調整することができ、均一な凝集を起こさせるためには、5〜50重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましく、5〜20重量%がさらに好ましい。
また、当該(B)工程における系内のpHは、混合液の分散安定性と一次粒子の凝集性とを両立させる観点から、2〜10が好ましく、2〜8がより好ましく、3〜7がさらに好ましい。
同様な観点から、当該(B)工程における系内の温度は、結着樹脂の軟化点−100℃以上が好ましく、軟化点−90℃以上がより好ましい。また、追加の結着樹脂含有微粒子を均一に母粒子に凝集させるために比較的低温で(B)工程を行うことが好ましい。当該(B)工程における系内の温度は、結着樹脂の軟化点−10℃以下が好ましく、軟化点−20℃以下がより好ましく、軟化点−40℃以下がさらに好ましく、軟化点−50℃以下が特に好ましい。
当該(B)工程おいては、凝集を効果的に行うために凝集剤を添加することが好ましい。凝集剤としては、有機系では、4級塩のカチオン性界面活性剤、ポリエチレンイミン等、無機系では、無機金属塩、無機アンモニウム塩、2価以上の金属錯体等が用いられる。無機金属塩としては、例えば、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩、及びポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体が挙げられる。無機アンモニウム塩としては、例えば硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムなどが挙げられる。これらの中で凝集能力などの観点から硫酸アンモニウムが好ましい。
凝集剤の使用量は、凝集性及びトナーの耐環境特性などの観点から適宜調整することができるが、比較的低温で凝集を行う場合には凝集剤を多く使用することが好ましい。結着樹脂含有微粒子分散液中の固形分100重量部に対し、40重量部以下が好ましく、1〜30重量部がより好ましく、3〜25重量部がさらに好ましい。
凝集剤は、水系媒体に溶解させて添加することが好ましく、凝集剤の添加時及び添加終了後には十分な攪拌をすることが好ましい。
このようにして、結着樹脂含有微粒子分散液中の微粒子を凝集させることにより、母粒子分散液を調製する。
この母粒子分散液中の母粒子は、小粒径化の観点から、その体積中位粒径(D50)が1〜4μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは1〜3.5μm、さらに好ましくは1〜3μmであり、また粒度分布の変動係数(CV値)が30%以下であることが好ましく、より好ましくは25%以下、さらに好ましくは23%以下である。
なお、粒度分布の変動係数(CV値)は、下式
CV(%)=[微粒子径の標準偏差(μm)/体積中位粒径(μm)]×100
で表される値である。すなわち、該CV値が小さいほど、粒度分布が狭くなる。
[(C)工程]
この(C)工程は、前記(B)工程で得られた母粒子分散液に、結着樹脂含有微粒子分散液を一時に又は複数回分割して添加する工程である。
(C)工程において、母粒子分散液に添加される結着樹脂含有微粒子分散液は、前述の(A)工程における結着樹脂含有微粒子分散液と同様にして調製することができる。
この結着樹脂含有微粒子分散液は、分散液としての安定性と取扱い性などの観点から、固形分濃度が、好ましくは7〜50重量%、より好ましくは7〜40重量%、さらに好ましくは10〜30重量%の範囲にあるのがよい。また、この分散液中の微粒子の体積中位粒径(D50)は、均一に凝集させる観点から、0.05〜2μmが好ましく、0.05〜1μmがより好ましく、0.05〜0.5μmがさらに好ましい。
当該(C)工程において、母粒子分散液に添加される結着樹脂含有微粒子分散液における結着樹脂含有微粒子は、結着樹脂以外に、必要に応じて前記(A)工程で説明した、着色剤、離型剤、荷電制御剤、さらには導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質などの補強剤、酸化防止剤、老化防止剤などの添加剤を適宜含有することができる。
本発明においては、当該(C)工程で用いられる結着樹脂含有微粒子分散液は、前記(A)工程で調製した結着樹脂含有微粒子分散液と同じものであってもよく、異なるものであってもよい。
当該(C)工程においては、母粒子分散液に、前記の結着樹脂含有微粒子分散液を一時に又は複数回分割して添加して凝集させるが、添加する結着樹脂含有微粒子分散液中の全微粒子量は、形成される凝集粒子の粒径、凝集性及び次工程での合一性などの観点から、結着樹脂含有微粒子と母粒子分散液中の母粒子との合計量に基づき、好ましくは15〜75重量%、より好ましくは20〜70重量%である。
当該(C)工程において、前記結着樹脂含有微粒子分散液を複数回分割して添加する際の最初の添加の場合、添加する微粒子の量は、形成される凝集粒子の粒度分布などの観点から、母粒子に対して25〜45重量%、更に25〜35重量%であることが好ましい。そして、この添加においては、凝集剤の添加は任意であるが、上記と同様の観点から添加しないことが好ましい。
また、結着樹脂含有微粒子分散液を複数回分割して添加する場合、凝集性、形成する凝集粒子の粒度分布の観点から、2回目以降の添加を凝集剤とともに行い、該結着樹脂含有微粒子と凝集剤とを別個にかつ同時に添加するか、又は交互に添加することが好ましい。
本発明においては、得られるトナー粒子の小粒径化及び狭い粒度分布の達成などの観点から、結着樹脂含有微粒子分散液を一時に添加するよりも、複数回分割して添加する方が好ましく、さらに、複数回の分割添加において、2回目以降の添加を凝集剤とともに行い、該結着樹脂含有微粒子と凝集剤とを別個にかつ同時に添加することがより好ましい。
前記のように結着樹脂含有微粒子分散液を複数回分割して添加する場合、その回数については特に制限はないが、形成される凝集粒子の粒度分布及び作業性などの観点から、2〜6回が好ましく、2〜5回がより好ましい。
凝集剤の使用量は、トナー粒子の小粒径化及び狭い粒度分布の達成などの観点から、添加微粒子100重量部に対し、好ましくは1〜30重量部、より好ましくは2〜28重量部、さらに好ましくは3〜25重量部である。なお、凝集剤については、前記(B)工程で説明したとおりである。この凝集剤は水系媒体に溶解させて添加することが好ましい。
当該(C)工程においては、結着樹脂含有微粒子分散液を複数回分割して添加する場合、各添加を、母液分散液の温度を40〜60℃、更に40〜50℃、特に43〜48℃に維持しながら行うことが好ましい。また、凝集性及び形成される凝集粒子の粒度分布などの観点から、該複数回の微粒子分散液の添加のうち少なくとも第1回目の添加の後、5〜15分間、更には5〜30分間、特に5〜2時間熟成させることが好ましく、該複数添加の各添加において、上記熟成時間を設けることがより好ましい。なお、上記熟成時間は、添加終了後、次の添加における凝集剤及び/又は結着樹脂含有微粒子分散液の添加開始迄の時間とすることが好ましい。
このようにして形成された凝集粒子は、通常、結着樹脂含有微粒子分散液中の微粒子が、母粒子分散液中の母粒子表面に凝集付着してなる構造を有する凝集粒子を主として含むものである。なお、本発明においては、(B)工程で得られた母粒子分散液に、(A)工程と同様の方法で得られた結着樹脂含有微粒子を凝集させるだけでなく、別途得られた微粒子の分散液等を母粒子分散液と混合し、母粒子と上記他の微粒子とを凝集させてもよい。
(C)工程において、結着樹脂含有微粒子と凝集剤とを交互に添加する場合、その添加順序は任意であるが、粒度分布の制御の観点から、1回目の添加で結着樹脂含有微粒子を添加することが好ましい。
また、本発明において、(C)工程で結着樹脂含有微粒子分散液を一時に添加する場合には、一時に添加する場合とともに、一定時間で連続で添加する場合も含む。
[(D)工程]
この(D)工程は、前記(C)工程で得られた凝集粒子を合一させる工程である。
当該(D)工程における系内の温度は、目的とするトナーの粒径、粒度分布、形状制御、及び粒子の融着性の観点から、結着樹脂の軟化点−40℃以上、軟化点+10℃以下が好ましく、軟化点−35℃以上、軟化点+10℃以下がより好ましく、軟化点−30℃以上、軟化点+10℃以下がさらに好ましい。また、攪拌速度は凝集粒子が沈降しない速度が好ましい。
このようにして得られた合一粒子を、適宜、ろ過などの固液分離工程、洗浄工程、乾燥工程に供することにより、トナー粒子を得ることができる。
洗浄工程では、トナーとして十分な帯電特性及び信頼性を確保する目的から、トナー粒子表面の金属イオンを除去するため酸を用いることが好ましい。また、添加した非イオン性界面活性剤も洗浄により完全に除去することが好ましく、非イオン性界面活性剤の曇点以下での水系溶液での洗浄が好ましい。洗浄は複数回行うことが好ましい。
また、乾燥工程では、振動型流動乾燥法、スプレードライ法、冷凍乾燥法、フラッシュジェット法等、任意の方法を採用することができる。トナー粒子の乾燥後の水分含量は、帯電性の観点から、好ましくは1.5重量%以下、さらには1.0重量%以下に調整することが好ましい。
本発明により、高精細、高画質に適した、球状で小粒径かつ粒度分布が狭いトナー粒子を得ることができる。
高画質化と生産性の観点から、トナー粒子の体積中位粒径(D50)は1〜5μmが好ましく、1〜4μmがより好ましく、1〜3μmがさらに好ましい。また、CV値は23%以下が好ましく、22%以下がより好ましく、20%以下が更に好ましい。本発明において、トナーの粒径は、コールター原理に基づく電気抵抗法により測定することができ、具体的には、コールターカウンターにより測定できる。また、CV値は前述のように求めることができる。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
また、トナー粒子の軟化点は、低温定着性の観点から、60〜140℃が好ましく、60〜130℃がより好ましく、60〜120℃がさらに好ましい。また、示差走査熱量計による吸熱の最高ピーク温度は、同様の観点から、60〜140℃が好ましく、60〜130℃がより好ましく、60〜120℃がさらに好ましい。
前記の(A)工程〜(D)工程を有する方法により得られたトナー粒子には、外添剤として流動化剤などの助剤を、その粒子表面に添加してもよい。外添剤としては、表面を疎水化処理したシリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、酸化セリウム微粒子、カーボンブラック等の無機微粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等のポリマー微粒子等、公知の微粒子が使用できる。
外添剤の個数平均粒子径は好ましくは4〜200nm、より好ましくは8〜30nmである。外添剤の個数平均粒子径は、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡を用いて求められる。
外添剤の配合量は、外添剤による処理前のトナー粒子100重量部に対して、1〜5重量部が好ましく、1.5〜3.5重量部がより好ましい。ただし、外添剤として疎水性シリカを用いる場合は、外添剤による処理前のトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカを1〜3重量部用いることで、所望の効果が得られる。
本発明により得られる電子写真用トナーは、一成分系現像剤として、又はキャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。
本発明はまた、前記の本発明の製造方法を用いて得られてなる電子写真用トナーをも提供する。
樹脂の性状、樹脂微粒子の粒径及びトナーの粒径は、以下に示す方法で求めた。
(1)樹脂の酸価
JIS K 0070に従って測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
(2)樹脂の軟化点
フローテスター(島津製作所製「CFT−500D」)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対して、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
(3)樹脂のガラス転移点
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、「DSC210」)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線と、該ピークの立ち上がり部分からピークの頂点まで最大傾斜を示す接線との交点温度をガラス転移点として読み取る。
(4)樹脂の数平均分子量
以下の方法により、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分子量分布を測定し、数平均分子量を算出する。
(a)試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、テトラヒドロフランに溶解させる。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター(住友電気工業社製「FP−200」)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(b)分子量分布測定
溶解液としてテトラヒドロフランを毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作製した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー(株)製の2.63×103、2.06×104、1.02×105、ジーエルサイエンス社製の2.10×103、7.00×103、5.04×104)を標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:CO−8010(東ソー社製)
分析カラム:GMHLX+G3000HXL(東ソー社製)
(5)樹脂微粒子の粒径
測定装置:レーザー回折型粒径測定機(堀場製作所製、「LA−920」)
測定条件:測定用セルに蒸留水を加え、吸光度を適正範囲になる濃度で体積中位粒径(D50)を測定する。
(6)トナーの粒径
測定装置:コールターマルチサイザ−II(ベックマンコールター社製)
アパチヤ−径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザ−アキュコンプバージョン1.19(ベックマンコールター社製)
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子について、体積中位粒径(D50)を求める。また、CV値は下記の式に従って算出した。
CV値(%)=(粒径分布の標準偏差/体積中位粒径)×100
樹脂製造例1
ポリオキシプロピレン(2.2モル付加)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン8320g、ポリオキシエチレン(2.0モル付加)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン80g、テレフタル酸1592g及びジブチル錫オキサイド(エステル化触媒)32gを窒素雰囲気下、常庄下に230℃で5時間反応させ、更に減圧下で反応させた。210℃に冷却し、フマル酸1672g、ハイドロキノン8gを加え、5時間反応させた後に、更に減圧下で反応させて、ポリエステル樹脂Aを得た。ポリエステル樹脂Aの軟化点は110℃、ガラス転移点は66℃、酸価は24.4mgKOH/g、数平均分子量は3760であった。得られたポリエステル樹脂Aを開口径5.6mmの篩いで1kgふるったところ、篩の上には何も残らなかった。
樹脂製造例2
ポリオキシプロピレン(2.2モル付加)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン17500g、ポリオキシエチレン(2.0モル付加)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン16250g、テレフタル酸11454g、ドデセニルコハク酸無水物1608g、トリメリット酸無水物4800g及びジブチル錫オキサイド15gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器および熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、220℃攪拌し、ASTM D36−86に準拠して測定した軟化点が120℃に達するまで反応させて、ポリエステル樹脂Bを得た。ポリエステル樹脂Bの軟化点は121℃、ガラス転移点は65℃、酸価は18.5mgKOH/g、数平均分子量は3394であった。得られたポリエステル樹脂Bを開口径5.6mmの篩いで1kgふるったところ、篩い上には何も残らなかった。
マスターバッチの製造例1
ポリエステル樹脂Aの微粉末70重量部と、顔料分が30重量部になる分量の銅フタロシアニン顔料「ECB−301」(大日精化社製)の水性スラリー(固形(顔料)分:46.2重量%)を、ヘンシェルミキサーに仕込み、5分間混合し湿潤させた。次に、この混合物をニーダ−型ミキサーに仕込み徐々に加熱した。ほぼ90〜110℃で樹脂が溶融し、水が混在した状態で混練し、水を蒸発させながら90〜110℃で20分間混練を続けた。
120℃で混練を続け残留している水分を蒸発させ、脱水乾燥させて、さらに120〜130℃で10分間混練を続けた。冷却後、加熱三本ロールにより混練し、冷却、粗砕して銅フタロシアニン顔料を30重量%濃度で含有する高濃度着色組成物の粗砕品(マスターバッチ1)を得た。これをスライドグラスに乗せて加熱溶融させて顕微鏡で観察したところ、顔料粒子は全て微細に分散しており、粗大粒子は認められなかった。得られてマスターバッチ1を開口径5.6mmの篩いで1kgふるったところ、篩い上には何も残らなかった。
マスターバッチの製造例2
ポリエステル樹脂Aの微粉末100重量部、負の荷電制御剤として「ボントロンE−84」(オリエント化学社製)10重量部を二軸混練機「PCM−30」(池貝社製)を用いてフィード量10kg/min、回転数200rpm、混練温度100℃溶融混練し荷電制御剤を含有する粗砕品(マスターバッチ2)を得た。
樹脂含有微粒子分散液の調製例1
5リットル容のステンレス釜に、ポリエステル樹脂Aを160g、ポリエステル樹脂Bを105g、マスターバッチ1を50g、非イオン性界面活性剤(花王社製「エマルゲン430」)を3g、アニオン性界面活性剤(花王社製「ネオペレックスG−65」)を4.62g、水酸化カリウム水溶液(中和剤、濃度:5重量%)139.3gを仕込み、カイ型の攪拌機で200rpmの攪拌下、98℃で2時間溶融させ、結着樹脂混合物1を得た。次に、カイ型の攪拌機で300rpmの攪拌下、計867.7gの脱イオン水を5g/minの速度で滴下し、樹脂含有微粒子分散液を作製した。最後に、室温まで冷却し200メッシュ(目開き:105μm)の金網を通して、微粒化した樹脂微粒子の分散液を得た。一次粒子の体積中位粒径(D50)は0.315μm、粒度分布の変動係数(CV値)は24.7%であり、金網上には何も残らなかった、作製した樹脂含有微粒子の分散液の樹脂固形分濃度を20重量%に調整したものを樹脂含有微粒子分散液1とした。
樹脂含有微粒子分散液の調製例2
5リットル容のステンレス釜に、ポリエステル樹脂Aを300g、荷電制御剤「ボントロンE−84」(オリエント化学社製)を3g、非イオン性界面活性剤(花王社製「エマルゲン430」)を3g、アニオン性界面活性剤(花王社製「ネオペレックスG−25」)を11.5g、水酸化カリウム水溶液(中和剤、濃度:5重量%)146gを仕込み、カイ型の攪拌機で200rpmの攪拌下、98℃で2時間溶融させ、結着樹脂混合物2を得た。次に、カイ型の攪拌機で200rpmの攪拌下、計539gの脱イオン水を5g/minの速度で滴下し、樹脂含有微粒子分散液を作製した。最後に、室温まで冷却し200メッシュ(目開き:105μm)の金網を通して、微粒化した樹脂微粒子の分散液を得た。一次粒子の体積中位粒径(D50)は0.125μm、粒度分布の変動係数(CV値)は23.5%であり、金網上には樹脂成分は何も残らなかった。作製した樹脂含有微粒子の分散液の樹脂固形分濃度を20重量%に調整したものを樹脂含有微粒子分散液2とした。
樹脂含有微粒子分散液の調製例3
5リットル容のステンレス釜に、ポリエステル樹脂Aを573g、マスターバッチ2を30g、非イオン性界面活性剤(花王社製「エマルゲン430」)を6g、アニオン性界面活性剤(花王社製「ネオペレックスG−15」)を40g、水酸化カリウム水溶液(中和剤,濃度:5重量%)を293g仕込み、カイ型の攪拌機で200rpmの攪拌下、95℃で2時間溶融させ、結着樹脂混合物3を得た。次に、カイ型の攪拌機で200rpmの攪拌下、計1189gの脱イオン水を5g/minの速度で滴下し、樹脂含有微粒子分散液を作製した。最後に、室温まで冷却し200メッシュ(目開き:105μm)の金網を通して、微粒化した樹脂微粒子の分散液を得た。一次粒子の体積中位粒径(D50)は0.138μm、粒度分布の変動係数(CV値)は25.1%であり、金網上には樹脂成分は何も残らなかった。作製した樹脂含有微粒子の分散液の樹脂固形分濃度を20重量%に調整したものを樹脂含有微粒子分散液3とした。
樹脂含有微粒子分散液の調製例4
5リットル容のステンレス釜に、ポリエステル樹脂Aを600g、非イオン性界面活性剤(花王社製「エマルゲン430」)を6g、アニオン性界面活性剤(花王社製「ネオペレックスG−25」)を23g、水酸化カリウム水溶液(中和剤濃度:5重量%)を293g仕込み、カイ型の攪拌機で200rpmの攪拌下、95℃で2時間溶融させ、結着樹脂混合液4を得た。次に、カイ型の攪拌機で200rpmの攪拌下、計1078gの脱イオン水を5g/minの速度で滴下し、樹脂含有微粒子分散液を作製した。最後に、室温まで冷却し200メッシュ(目開き:105μm)の金網を通して、微粒化した樹脂微粒子の分散液を得た。一次粒子の体積中位粒径(D50)は0.12μm、粒度分布の変動係数(CV値)は23.4%であり、金網上には樹脂成分は何も残らなかった。作製した樹脂含有微粒子の分散液の樹脂固形分濃度を20重量%に調整したものを樹脂含有微粒子分散液4とした。
前記樹脂含有微粒子分散液の調製例1〜4の結果をまとめて表1に示す。
Figure 2007241062
実施例1
樹脂含有微粒子分散液1を600g採取し、2Lの3ツ口セパラブルフラスコに室温下投入した。次に、カイ型の攪拌機で100rpmの攪拌下、この分散液に凝集剤として11.7重量%硫酸アンモニウム水溶液236gを添加し室温で10分間攪拌した。その後、混合分散液を室温から48℃まで昇温し(昇温速度0.3℃/min)、48℃で2時間保持することで母粒子分散液Aを作製した。
次に、母粒子分散液Aを48℃、カイ型の攪拌機で100rpmの攪拌下、樹脂含有微粒子分散液3を180g、9g/minの速度で20分間かけて滴下した。滴下後、48℃で20分間保持した(体積中位粒径(D50):3.78μm,CV値 :19.8%)。
最後に、2.7重量%アニオン性界面活性剤(花王社製「エマールE−27C」)水溶液422gを添加し、87℃まで昇温し2時間保持し、トナー粒子を作製した(体積中位粒径(D50):3.72μm、CV値:21%)。結果を表2−1に示す。
実施例2
樹脂含有微粒子分散液1を200g採取し、2Lの3ツ口セパラブルフラスコに室温下投入した。次に、カイ型の攪拌機で100rpmの攪拌下、この分散液に凝集剤として11.7重量%硫酸アンモニウム水溶液74.7gを添加し室温で10分間攪拌した。その後、混合分散液を室温から46℃まで昇温し(昇温速度0.3℃/min)、46℃で3時間保持することで母粒子分散液Bを作製した。
母粒子分散液Bを50g、300mLの3ツ口セパラブルフラスコに採取し、46℃、カイ型の攪拌機で100rpmにて攪拌した。
その条件下、樹脂含有微粒子分散液2を15g、1g/minの速度で滴下した。次に、直ちに樹脂含有微粒子分散液2を30gと、4.6重量%硫酸アンモニウム水溶液30gを別々に、1g/minの速度で同時に滴下し、45分間保持した(体積中位粒径(D50):2.4μm、CV値:21.5%)。
最後に、2.7重量%アニオン性界面活性剤(花王社製「エマールE−27C」)水溶液32.9gを添加し、83℃まで昇温し3時間保持し、トナー粒子を作製した(体積中位粒径(D50):2.43μm、CV値:22.5%)。結果を表2−1に示す。
実施例3
実施例2で作製した母粒子分散液Bを50g、300mLの3ツ口セパラブルフラスコに採取し、46℃、カイ型の攪拌機で100rpmにて攪拌した。
その条件下、樹脂含有微粒子分散液2を15g、1g/minの速度で滴下し15分間保持した(工程1)。次に、樹脂含有微粒子分散液2を15gと、4.6重量%硫酸アンモニウム水溶液15gを別々に、1g/minの速度で同時に滴下し、15分間保持した(工程2)。続いて、この工程2の操作をあと1回繰り返し行った(体積中位粒径(D50):2.39μm,CV値:21.5%)。結果を表2−1に示す。
実施例4
実施例2で作製した母粒子分散液Bを50g、300mLの3ツ口セパラブルフラスコに採取し、46℃、カイ型の攪拌機で100rpmにて攪拌した。
その条件下、樹脂含有微粒子分散液2を15g、1g/minの速度で滴下し15分間保持した(工程1)。次に、樹脂含有微粒子分散液2を15gと、4.6重量%硫酸アンモニウム水溶液15gを別々に、1g/minの速度で同時に滴下し、15分間保持した(工程2)。続いて、この工程2の操作をあと3回繰り返し行った(体積中位粒径(D50):2.81μm,CV値:21.5%)。
最後に、2.7重量%アニオン性界面活性剤(花王社製「エマールE−27C」)水溶液41.6gを添加し、83℃まで昇温し1時間保持し、トナー粒子を作製した(体積中位粒径(D50):2.75μm,CV値:21.5%)。結果を表2−1に示す。
実施例5
実施例2で作製した母粒子分散液Bを50g、300mLの3ツ口セパラブルフラスコに採取し、46℃、カイ型の攪拌機で100rpmにて攪拌した。
その条件下、樹脂含有微粒子分散液4を15g、1g/minの速度で滴下し15分間保持した(工程1)。次に、樹脂含有微粒子分散液4を15gと、4.6重量%硫酸アンモニウム水溶液15gを別々に、1g/minの速度で同時に滴下し、15分間保持した(工程2)。続いて、この工程2の操作をあと3回繰り返し行った(体積中位粒径(D50):2.24μm,CV値:21.3%)。
最後に、2.7重量%アニオン性界面活性剤(花王社製「エマールE−27C」)水溶液46.3gを添加し、83℃まで昇温し3時間保持し、トナー粒子を作製した(体積中位粒径(D50):2.24μm,CV値:22.2%)。結果を表2−1に示す。
実施例6
実施例2で作製した母粒子分散液Bを50g、300mLの3ツ口セパラブルフラスコに採取し、46℃、カイ型の攪拌機で100rpmにて攪拌した。
その条件下、樹脂含有微粒子分散液1を15g、1g/minの速度で滴下し15分間保持した(工程1)。次に、樹脂含有微粒子分散液1を15gと、4.6重量%硫酸アンモニウム水溶液15gを別々に、1g/minの速度で同時に滴下し、15分間保持した(工程2)。続いて、この工程2の操作をあと3回繰り返し行った(体積中位粒径(D50):2.71μm,CV値:19.3%)。結果を表2−2に示す。
実施例7
樹脂含有微粒子分散液1を400g採取し、2Lの3ツ口セパラブルフラスコに室温下投入した。次に、カイ型の攪拌機で100rpmの攪拌下、この分散液に凝集剤として11.7重量%硫酸アンモニウム水溶液157gを添加し室温で10分間攪拌した。その後、混合分散液を室温から48℃まで昇温し(昇温速度0.3℃/min)、48℃で2時間保持することで母粒子分散液Cを作製した。
その条件下、樹脂含有微粒子分散液3を120g、6g/minの速度で滴下し15分間保持した(工程1)。次に、樹脂含有微粒子分散液3を120gと、4.6重量%硫酸アンモニウム水溶液120gを別々に、3g/minの速度で同時に滴下し、15分間保持した(工程2)。工程2をさらに1回繰り返したが、保持時間は60分間とした。(体積中位粒径(D50):3.29μm,CV値:19.6%)
最後に、2.7重量%アニオン性界面活性剤(花王社製「エマールE−27C」)水溶液411gを添加し、89℃まで昇温し1時間保持し、トナー粒子を作製した(体積中位粒径(D50):3.29μm,CV値:19.8%)。結果を表2−2に示す。
実施例8
実施例2で作製した母粒子分散液Bを50g、300mLの3ツ口セパラブルフラスコに採取し、46℃、カイ型の攪拌機で100rpmにて攪拌した。
その条件下、樹脂含有微粒子分散液2を15g、1g/minの速度で滴下し15分間保持した(工程1)。次に、樹脂含有微粒子分散液1を15g、一括して一度に加え、その後4.6重量%硫酸アンモニウム水溶液15gを1g/minの速度で滴下し、15分間保持した(工程2)。続いて、この工程2の操作をさらに3回繰り返し行った(体積中位粒径(D50):2.54μm,CV値:22.7%)。結果を表2−2に示す。
比較例1
実施例2で作製した母粒子分散液Bを50g、300mLの3ツ口セパラブルフラスコに採取し、46℃、カイ型の攪拌機で100rpmにて攪拌した。その条件下、4時間保持した(体積中位粒径(D50):1.96μm,CV値:24.6%)。
2.7重量%アニオン性界面活性剤(花王社製「エマールE−27C」)水溶液13.8gを添加し、85℃まで昇温し0.67時間保持し、トナー粒子を作製した(体積中位粒径(D50):2.05μm,CV値:26.2%)。結果を表2−2に示す。
比較例2
樹脂含有微粒子分散液1の樹脂固形分濃度を20重量%に調整したものを100g採取し、1Lの3ツ口セパラブルフラスコに室温下投入した。次に、カイ型の攪拌機で100rpmの攪拌下、この分散液に凝集剤として11.7重量%硫酸アンモニウム水溶液35gを添加し室温で10分攪拌した。その後、混合分散液を室温から56℃まで昇温し(昇温速度0.3℃/min)、その後、56℃で2.5時間保持することで母粒子分散液Dを作製した。その条件下、さらに2.5時間保持した(体積中位粒径(D50):4.1μm,CV値:22.7%)。結果を表2−2に示す。
Figure 2007241062
Figure 2007241062
[注]
*1 4.6重量%(NH42SO4水溶液
*2 実施例7、工程(2)の1回目の保持時間は15分、2回目の保持時間は60分である。
*3 実施例8、工程(2)においては、先に樹脂微粒子分散液を一時に加え、その後、15分間で凝集剤水溶液を添加した。
本発明の電子写真用トナーの製造方法によれば、小粒径かつ粒度分布の狭いトナー粒子を有する電子写真用トナーを容易に得ることができ、得られるトナーは、例えば、非磁性一成分系現像剤として、又はキャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができ、電子写真法、静電記録法、静電印刷法などにおいて形成される潜像の現像に好適に用いられる。

Claims (7)

  1. (A)水系媒体中において、非イオン性界面活性剤の存在下、結着樹脂を微粒子化して結着樹脂含有微粒子分散液を調製する工程、(B)(A)工程で得られた結着樹脂含有微粒子を凝集させて、母粒子分散液を調製する工程、(C)前記(B)工程で得られた母粒子分散液に、結着樹脂含有微粒子分散液を一時に又は複数回分割して添加する工程、及び(D)前記(C)工程で得られた凝集粒子を合一させる工程、を有する電子写真用トナーの製造方法。
  2. (C)工程において、結着樹脂含有微粒子分散液を複数回分割して添加する場合、2回目以降の添加を凝集剤とともに行い、該結着樹脂含有微粒子と凝集剤とを別個にかつ同時に添加するか、又は交互に添加する請求項1記載の電子写真用トナーの製造方法。
  3. 結着樹脂がポリエステルを含有する請求項1又は2に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  4. (A)工程において、結着樹脂含有微粒子分散液が着色剤を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  5. (C)工程において添加する結着樹脂含有微粒子の量が、該結着樹脂含有微粒子と母粒子分散液中の母粒子との合計量に基づき、15〜75重量%である請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  6. トナー粒子の体積中位粒径(D50)が1〜4μmであり、かつ粒度分布の変動係数(CV値)が23%以下である請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により得られる電子写真用トナー。
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